JP2012168218A - 金属ベルト - Google Patents

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Abstract

【目的】
高速化や小径化によるベルトへの負担増大に対しても優れた屈曲耐久性を確保すると共に、迅速に記録媒体を加熱できる熱伝導性に優れた金属ベルトを提供するものである。
【構成】
本発明の金属ベルトは、ニッケル合金からなるスリーブ状の金属ベルトにおいて、結晶配向比(200/111)が1.00以上の(200)面優先成長の結晶配向性を有すると共に、1)原子半径が1.16〜1.47Å、2)電気陰性度が1.5〜1.9、3)熱伝導率が150W/m・K以上、これら1)〜3)の条件を満たすニッケル以外の元素を含有したニッケル合金であることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複写機やレーザープリンター、ファクシミリやその複合機などの電子写真方式の画像形成装置に用いられる定着ベルト用の金属ベルトに関する。
電子写真方式による画像形成装置において、記録媒体上へトナーを加熱定着させるために、加熱ローラと加圧ローラ間に記録媒体を通してトナーを定着させる方式が広く採用されてきた。具体的には、ローラ内にハロゲンヒーター等の熱源を設置した加熱ローラと、対向して設置された加圧ローラとの間に記録媒体を通してトナーを加圧・熱接着して像を固定化するものである。しかしながら、このような加熱方式は、ヒータ自身の加熱やロールの加熱に時間が掛かるためエネルギー効率が悪く、待機時間が長くなるという欠点があった。
そこで、セラミックヒーターを熱源とし、スリーブ(円筒)状定着ベルトを加熱する方式が提案されている。具体的には、セラミックヒーターと加圧ローラとの間にスリーブ状の定着ベルトを挟ませてニップ部を形成させる。そして、このニップ部に紙などの記録材を通してベルトと一緒に挟持搬送させることで、ニップ部においてセラミックヒーターの熱を、定着ベルトを介して記録材に伝え、この熱とニップ部の加圧力により未定着トナー画像を記録材に熱圧定着させるものである。このようなスリーブ状の定着ベルトを用いた定着装置は、加熱ロールよりも厚みが薄いため素早く加熱でき、熱効率がよい。
また、定着ベルトとしては、耐熱性樹脂層上に離型層を積層したスリーブ状のベルトがよく使用されていた。そして、耐熱性樹脂層の素材としては、耐熱性に加えて強度にも優れるポリイミド樹脂が代表例である。ところが、近年、現像装置の印字スピード高速化や、省エネ、環境影響を考慮した高性能機を実現するために、耐熱性樹脂を使用した定着ベルトでは要求を満たすことが不十分となってきた。そこで、熱伝導率に優れている金属ベルト、例えばSUS、ニッケルなどの素材によるスリーブ状の金属ベルトを定着ベルトの耐熱性樹脂層の代わりに使用することが提案されている。
しかしながら、定着ベルトは定着ロールの回転に伴って屈曲して回転するので頻繁に屈曲を繰り返し、機械的疲労が大きい。その結果、樹脂製のベルトに比べて屈曲性に劣る金属ベルトを使用した定着ベルトでは、屈曲を繰り返すうちにベルトに割れや欠けが生じてしまう。
そこで、金属ベルトの屈曲時の耐久性を向上させるために、特許文献1では内部応力が、金属ベルトの膜厚方向でベルト内側から外側へ次第に増加するような内部圧縮応力の勾配を有するベルトが例示されており、また特許文献2では、結晶配向比I(200)/I(111)が内周面から外周面に向かう方向に増加し、かつビッカース硬度が内周面側から外周面側に向かって減少するベルトが提案されている。
特開平5−230684号公報 特許第3905053号公報
しかしながら、近年プリンター等の画像形成装置は更なる高速化が進んでおり、このような画像形成装置の高速化は、ベルトの回転数アップ、そして高速回転での確実な接触確保のために大きくニップ部をとり、加圧力を増す処置がなされる。結果、ベルトの変形による負担が増加し、ベルトにはより高い屈曲耐久性が求められている。
また、プリンター、ファクシミリ、スキャナー、複写機等は、複合機化されてきているため、スペースが限られてきていることから定着装置のコンパクト化が進んでおり、ベルトが小径化する傾向にある。結果、ベルトに加わる外部応力が増加し、ベルトにより高い屈曲耐久性が求められている。
更に、省エネや環境影響を考慮した機械設計が要求される流れから、必要な時間に必要なだけ発熱する性能がベルトに求められるようになってきた。そして、迅速なベルトの発熱と記録媒体への加熱を実現するためには、ベルト自体の高い熱伝導性が求められている。
本発明は、高速化や小径化によるベルトへの負担増大に対しても優れた屈曲耐久性を確保すると共に、迅速に記録媒体を加熱できる熱伝導性に優れた金属ベルトを提供するものである。
上記課題を解決するため、本発明の請求項1記載の金属ベルトは、ニッケル合金からなるスリーブ状の金属ベルトにおいて、結晶配向比(200/111)が1.00以上の(200)面優先成長の結晶配向性を有すると共に、1)原子半径が1.16〜1.47Å、2)電気陰性度が1.5〜1.9、3)熱伝導率が150W/m・K以上、これら1)〜3)の条件を満たすニッケル以外の元素を含有したニッケル合金であることを特徴とする。
また、請求項2記載の金属ベルトは、請求項1記載の構成に加えて、前記1)〜3)の条件を満たすニッケル以外の元素が、銅またはタングステンであることを特徴とする。
また、請求項3記載の金属ベルトは、ニッケル合金からなるスリーブ状の金属ベルトにおいて、結晶配向比(200/111)が1.00以上の(200)面優先成長の結晶配向性を有すると共に、1)原子半径が1.16〜1.47Å、2)電気陰性度が1.5〜1.9、これら1)〜2)の条件を満たすニッケル以外の元素を含有し、かつ、3)熱伝導率が150W/m・K以上の非金属性物質を含有したニッケル合金であることを特徴とする。
本発明によれば、屈曲時の耐久性と熱伝導性に優れた金属ベルトを提供する。
本発明の金属ベルトを使用した定着ベルトの一実施の形態にかかる横断面図を模式化した図である。なお、本発明の金属ベルトは、11の金属層(Ni電鋳)である。 定着装置の一例を説明する図である。
本発明における金属ベルトは、ニッケル合金からなるスリーブ状の金属ベルトにおいて、結晶配向比(200/111)が1.00以上の(200)面優先成長の結晶配向性を有すると共に、1)原子半径が1.16〜1.47Å、2)電気陰性度が1.5〜1.9、
3)熱伝導率が150W/m・K以上、これら1)〜3)の条件を満たすニッケル以外の元素を含有したニッケル合金であることを特徴とする。その結果、屈曲時の耐久性および熱伝導性に優れた金属ベルトを提供することが出来る。
ここで、本発明の結晶配向比(200/111)が1.00以上の(200)面優先成長の結晶配向性を有する理由について説明する。
一般的に、金属の屈曲運動では結晶粒界に転移が蓄積され、疲労・破断が起こるとされているが、結晶配向比(200/111)=1.00以上の場合、隣り合う結晶粒界への転移が行われる、いわゆる交差滑り現象が生じ、転移の蓄積が軽減され、疲労・破断を生じ難くする。このように金属ベルトとして、屈曲に強い、すなわち屈曲時の耐久性に優れるためには、結晶の(200)面の結晶成長を(111)の結晶成長よりも優先成長させる。つまり、結晶配向比(200/111)=1.00以上にする必要がある。
なお、結晶配向比(200/111)=1.00以上にするためには、後述する種々の方法にて得ることができるが、特に、電気鋳造法において電流密度を1A/dm未満とし、ゆっくりと結晶成長させたものは、結晶配向比(200/111)=1.00以上を得やすく、更に、電流密度が1A/dmを超えたものよりもX線ピークの半値幅を広く出来、つまり結晶粒径を小さく出来るので、屈曲時の耐久性に優れた金属ベルトを得ることが出来る。
続いて、本発明のニッケル合金におけるニッケル以外の元素が、1)原子半径が1.16〜1.47Åである理由について説明する。
ニッケルの原子半径は1.15Åであるが、この原子半径よりも大きい、例えば原子半径が1.47Åを超える元素をニッケル合金中に含有させた場合、塑性変形が生じ難くなり、結果、屈曲時の耐久性が低下する。そこで、ニッケルの原子半径近傍の原子半径が1.16〜1.47Åの元素を含有したニッケル合金とすれば、空孔や転移との電気的な親和性が高くなり、原子が転移や拡散により移動することを防げるので、塑性変形が必要な条件下であっても屈曲時の耐久性に優れる金属ベルトを得ることができる。
なお、原子半径が1.16〜1.47Åであるニッケル以外の元素としては、表1に示すように銅:Cu、タングステン:W、マンガン:Mn、鉛:Pb、鉄:Fe、コバルト:Co、クロム:Cr、モリブデン:Moが挙げられる。
続いて、本発明のニッケル合金におけるニッケル以外の元素が、2)電気陰性度1.5〜1.9である理由について説明する。
ニッケルの電気陰性度は1.8であるが、例えば電気陰性度が1.5〜1.9を逸脱した元素の場合、その元素とニッケルとが電気的に引き合うので凝集し易く、結果、均一なニッケル合金からなる金属ベルトを作り難くなり、屈曲時の耐久性が低下する。そこで、電気陰性度が1.5〜1.9の元素を含有したニッケル合金とすれば、均一なニッケル合金からなる金属ベルトを得ることが出来、屈曲時の耐久性に優れる金属ベルトを得ることが出来る。
なお、2)電気陰性度1.5〜1.9であるニッケル以外の元素としては、表1に示すように銅:Cu、タングステン:W、マンガン:Mn、鉛:Pb、鉄:Fe、コバルト:Co、クロム:Cr、モリブデン:Moが挙げられる。
続いて、本発明のニッケル合金におけるニッケル以外の元素が、3)熱伝導率が150W/m・K以上のものである理由について説明する。
例えば定着装置の加熱方式として、図2に示すようなIH(Induction Heating)方式を採用した場合、熱伝導性の高い金属ベルトを用いた定着ベルトであれば、IH機構により金属ベルト自身が速やかに発熱し、結果、記録媒体の加熱が速く行われるので省エネの観点からよい。
なお、3)熱伝導率が150W/m・K以上であるニッケル以外の元素としては、表1に示すように銅:Cu、タングステンが挙げられる。
本発明の金属ベルトにおいて、上記1)〜3)の条件を満たす元素としては、表1に示すように銅とタングステンが挙げられる。したがって、本発明のニッケル合金としては、ニッケル−銅、もしくはニッケル−タングステンからなるものが好ましい。
また、本発明の金属ベルトは、ニッケル合金からなるスリーブ状の金属ベルトにおいて、結晶配向比(200/111)が1.00以上の(200)面優先成長の結晶配向性を有すると共に、1)原子半径が1.16〜1.47Å、2)電気陰性度が1.5〜1.9、これら1)〜2)の条件を満たすニッケル以外の元素を含有し、かつ、3)熱伝導率が150W/m・K以上の非金属性物質を含有したニッケル合金であってもよい。つまり、上記1)〜2)の条件を満たすニッケル以外の元素である例えばマンガン:Mn、鉛:Pb、鉄:Fe、コバルト:Co、クロム:Cr、モリブデン:Moを用いたニッケル合金、すなわちニッケル−マンガン、ニッケル−鉛、ニッケル−鉄、ニッケル−コバルト、ニッケル−クロム、ニッケル−モリブデンなどのニッケル合金中に、更に熱伝導率が150W/m・K以上の非金属性の物質を含有させたものであってもよい。
上記3)熱伝導率が150W/m・K以上の非金属性物質としては、例えば熱伝導率が150W/m・Kの窒化アルミニウム:AINや、熱伝導率が270W/m・Kの炭化ケイ素:SiC、或いは熱伝導率が2000W/m・Kのダイヤモンドが挙げられる。
また、本発明の金属ベルトは、ニッケル成分比を厚み方向において連続的に変化させてよい。例えば金属層の内側(内周面)から外側(外周面)に向かってニッケル成分比を連続的に減らすことで、金属層内側の圧縮応力と金属層外側の引張り応力を緩和することが出来、結果、金属ベルトを屈曲させた際に金属層の内外で受ける異なった応力に対応することが出来、より屈曲時における金属層の破損を防止することが出来る。
本発明の金属ベルトの製造方法は、例えば、次のような電鋳法により行われる。SUS等の円筒状の母型を用い、このSUSなどの母型を陰極として、ニッケル電鋳浴、例えば、ワット浴やスルファミン酸浴など公知のニッケル電鋳浴に浸漬させ、母型の表面に電鋳によりニッケル合金層を成長させることで、本発明のニッケル合金からなるスリーブ状の金属ベルトが製造される。また、この電鋳浴には、pH調整剤、ピット防止剤、光沢剤、耐熱劣化防止剤などなどの添加剤を適宜加えても良い。
電鋳条件は、電鋳浴温度は50〜60℃、PHは3〜5、電流密度は1.0A/dm未満で行うのが好ましい。また、電鋳法により製造される金属ベルトのニッケル成分比と内部応力は、電鋳浴の液温、電流密度、電流の印加電圧、電鋳浴中の金属イオン濃度、光沢剤の種類、電鋳浴中の光沢剤濃度、pH、電鋳浴中の緩衝剤濃度などを経時的に変化させることにより制御可能である。特に、電鋳時の光沢剤の濃度、電流密度、液温を経時的に変化させることにより、金属ベルトの金属成分比と内部応力を変化させることが可能となる。
また、本発明の結晶配向比(200/111)が1.00以上の(200)面優先成長の結晶配向性を有するために、電流密度を1A/dm未満とし、ゆっくりと結晶成長させる方法以外にも、例えばニッケルの高濃度溶液に高熱伝導率物質を含めて電鋳を行うと電流密度を1A/dm未満とした場合と同様に(200)面/(111)面の結晶配向比が高くなる。或いは、電鋳浴温も下げることでも、電流密度を1A/dm未満とした場合と同様な効果を持たせることが出来る。
光沢剤としては、一次光沢剤と二次光沢剤を併用することが好ましく、サッカリン、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸ナトリウム等を含む応力緩和剤及び一次光沢剤、2−ブチン−1、4−ジオール、クマリン、ジエチルトリアミン等を含む二次光沢剤、もしくはこれらの一次、二次光沢剤を組み合わせた複合光沢剤を用いることが好ましい。また、1次、2次光沢剤の添加量を変化させる、またはその含有比率を変えることにより金属ベルトの内部応力分布や硬度を変化させることができる。また耐熱劣化防止剤としてはリンの添加が有効である。リンはわずかな添加でもニッケル結晶の粒径を微細化し、加熱による強度低下を防止する。
製造された金属ベルトは所定の温度で一定時間、時効処理を行うことが好ましく、処理温度は200℃以下がよい。また、ニッケルと銅やタングステンを加えた2成分系、あるいはこれにリンを加えた3成分系では、各成分が均一に分布するのではなく、ニッケルのみの結晶粒、ニッケル、銅の結晶粒が偏在するので同一の結晶粒が連結してクラスターを形成し易い。そして、この連結数が多くなると、ここを起点に破断しやすくなるので、屈曲時の耐久性が低下しやすい。そこで、200℃以下で時効処理を行うことにより結晶粒の連結数を少なくし、屈曲時の耐久性低下を抑制することが好ましい。
次に、本発明の金属ベルトを用いた定着ベルトについて説明する。図1は、定着ベルトの横断面図を模式化した図である。定着ベルト10は、ニッケルの電鋳により形成したニッケル合金からなる金属ベルト(金属層)11と、その外周面に積層した離型層13とを有するスリーブ(筒)状のベルトである。また、金属ベルト11と離型層13との間に弾性層12を設けてもよい。さらに、金属ベルト11と弾性層13との間、弾性層12と離型層13との間には、これらの層の接着性向上のためにプライマー層を設けてもよい。プライマー層は、シリコーン系、エポキシ系等の公知のものを使用すれば良く、その厚さは通常、プライマー塗布の一般的な厚み程度である。さらに定着ベルトを担持する定着ロールとの摩擦を軽減するために、金属層11の内周面に摺動層14を設けても良い。
定着ベルトにおける離型層の材料としては特に限定されるものではないが、離型性と耐熱性を兼ね備えたものを選べば良い。例としては、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等のフッ素系樹脂や、シリコーン樹脂、フルオロシリコーンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴムが好ましく、PFAがより好ましい。
離型層の厚さは3μm以上50μm以下が好ましい。離型層が薄すぎると、離型性の不足や、摩耗による離型性の耐久性の低下が生じたりすることがある。逆に、離型層が厚すぎると、ベルトの屈曲性が低下して、離型層の割れや欠けが生じる危険性がある。
離型層を形成する方法、は公知の方法、例えば、既存のフッ素樹脂塗料をコートして焼成すれば良い。もしくはフッ素樹脂の熱収縮チューブを被覆して加熱収縮させて密着させて接着する方法で離型層を形成すれば良い。
弾性層は必ずしも必要ではないが、弾性層を設けることにより硬い金属であるニッケルの屈曲性を補って回転による屈曲疲労を緩和することができる。
弾性層の材質としては特に限定されるものではなく、耐熱性が良く、熱伝導率が良いものであれば良い。例としては、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴムからなる群から選択されることが好ましく、特にシリコーンゴムが好ましい。弾性層に使用されるシリコーンゴムとしては、ポリジメチルシロキサン、ポリトリメチルトリフルオロプロピルシロキサン、ポリメチルビニルシロキサン、ポリトリフルオロプロピルビニルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリフェニルビニルシロキサン、やこれらポリシロキサンの共重合体等を挙げられる。またフッ素ゴムとしてはフッ化ビニリデンゴム、などが挙げられる。
これらのゴムには、必要に応じて、乾式シリカ、湿式シリカ等の補強性添加材、炭酸カルシウム、石英粉、タルク、クレー、酸化チタン、ベンガラ、マイカ、カーボンブラック等の添加材を含有させても良い。
弾性層2の厚さは、金属の屈曲耐久性を補う意味と、記録媒体への密着性を向上させ良好な画像を得る目的で、5μm以上、500μm以下が使用に当たり好ましい範囲である。さらに50μm以上100μm以下がより好適な範囲である。この弾性層はあまりに厚いと、弾性層の熱抵抗が大きくなり、熱伝導が悪くなるので好ましくない。
弾性層の硬度(ビッカース硬度)は、画像の抜けやカブリの発生を抑制するのに、700以下が好ましく、600以下がより好ましい。
このような弾性層は、例えば、液状のシリコーンゴム等の材料をロールコータやカーテンコータ、ブレードコータなどの塗工機で金属ベルト上に塗布した後、加熱硬化する方法、液状のシリコーンゴム等の材料を注型型に注入し加硫硬化する方法、ミラブルシリコーンゴム等の材料を金属ベルト上に押出成形後に加硫硬化する方法、射出成形後に加硫硬化する方法等で形成すれば良い。
本発明の定着ベルトにおける摺動層の材料としては特に限定されるものではないが、定着ロールとの摩擦が少なくなるような材料が好ましい。したがって低摩擦係数で耐熱性を兼ね備えたものを選べば良い。例としては、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等のフッ素系樹脂や、シリコーン樹脂、が好ましい。
(実施例1)
金属層として、ニッケルの電鋳による金属ベルトを以下のようにして作製した。
先ず、1:スルファミン酸ニッケル四水塩450g/l、
2:塩化ニッケル10g/l
3:硼酸30g/l
4:クエン酸10.5g/lからなる水溶液を作り、続いて、
5:ピット防止剤としてラウリル硫酸ナトリウムを加えた後、
6:光沢剤としてNSF-H5(日本化学産業社製)
7:スルファミン酸銅(試薬)5.2g/lを添加し、電鋳浴を作製した。
そして、SUS製の母型を陰極として、母型の外周面上へ浴温50℃±10、pH4、電流密度0.5A/dmの条件下で50分間電鋳を行った。その後、電鋳浴から母型を取り出し、母型の外周面上に形成されたスリーブ状の金属ベルトを母型から取り出し、そのスリーブ状の金属ベルトを200℃以下の温度で時効処理し、長さ250mm、内径34mm、厚み50μmのニッケルの電鋳による金属ベルトを得た。
(成分比)
得られた金属ベルトを分析したところ、表2に示すようにスリーブ状の内周面のニッケル:Ni成分比は99.0%であり、他成分の銅:Cuは1%であった。また、外周面、及び中間部分についても同様の成分比を示した。
(結晶配向比)
続いて、得られた金属ベルトをX線解析装置(XRD)で測定し、得られた(200)面の回折ピークの強度と、(111)面の回折ピークの強度比を結晶配向比(200/111)として算出した。結果、表2に示すように結晶配向比(200/111)は3.20であった。
(結晶粒連結数)
続いて、得られた金属ベルトの組織を電子顕微鏡にて撮影し、得られた写真から目視で結晶粒の連結数を計測し、評価した。
(評価基準)
結晶粒の連結数が1〜3個:○、
結晶粒の連結数が4〜7個:△、
結晶粒の連結数が8個以上:×とした。
結果、表2に示すように結晶粒の連結数は1〜3個:○であった。
続いて、得られた金属ベルトの外周面上に、弾性層として400μmの厚さのシリコーンゴム(GE東芝シリコーン社製)を積層し、この弾性層の上に離型層として厚さ40μmのPFAチューブ(グンゼ社製)を、各々プライマー(東レダウコーニング社製)を介して積層し、スリーブ状の定着ベルトを作製した。
(屈曲耐久試験)
このように作製した定着ベルトについて、屈曲耐久試験を行うため2軸のローラ間に定着ベルトを巻きかける回転試験装置を用意し、屈曲耐久性試験条件として、50Nの加圧力で加圧ローラを定着ベルトに押し付けた状態で、定着ベルトを加圧ローラに主動回転させた。なお、定着ベルトの表面速度100mm/secとし、加圧ローラとして、肉厚3mmのシリコーン層に30μmのPFAチューブ(グンゼ社製)を被覆した外径50mmのゴムローラを用いた。
(評価基準)
ニッケルの電鋳による金属ベルトを用いた定着ベルトが、割れや欠け等の半損が生じるまでの時間を定着ベルトの屈曲耐久時間とし、その時間が、
200時間以上 :◎
200〜100時間:○
50〜100時間 :△
50時間未満 :×、とした。
結果、表2に示すように200時間以上:◎であった。
(画像出力耐久試験(10万枚))
また、作製した定着ベルトについて、画像出力耐久試験を行うため、キヤノン社製カラー複合機(image RUNNER 『iRC−4080』)の定着装置に搭載し、実際に画像出力を行った。10万枚通紙後に、同一の画像情報を用いて印字し、現像機構による白ぬけ、カブリ等の影響を排除し、定着機構の不備によるトナーの固着不良で白ぬけ、カブリ等を生じたものを目視にて判定した。
(評価基準)
白ぬけ、カブリ等の全く無いもの:◎
白ぬけ、カブリ等が数点存在 :○
白ぬけ、カブリ等の目立つもの :×、とした。
結果、表2に示すように白ぬけ、カブリ等の全く無いもの:◎であった。
(温度上昇試験)
また、作製した定着ベルトについて、ウォームアップ時間の試験を行うため、キヤノン社製カラープリンター(LBP−5500)の定着装置に搭載し、ベルト表面に温度センサーを設置して、待機状態から加温を開始し、ベルト表面温度が180℃になるまでの時間を計測し、評価した。
(評価基準)
18秒未満 :◎
18秒〜20秒未満:○
20秒〜1分未満 :△
1分以上 :× 、とした。
結果、表2に示すように18秒未満:◎であった。
(実施例2)
スルファミン酸銅(試薬)5.2g/lの代わりに、タングステン酸ナトリウム(NaWO)を添加して電鋳浴を作成した以外は実施例1と同様の方法にて、長さ250mm、内径34mm、厚み50μmのニッケルの電鋳による金属ベルトを得た。
続いて、得られた金属ベルトを分析したところ、表2に示すように、スリーブ状の内周面のニッケル成分比は99.6%であり、他成分のタングステン:Wは0.4%であった。また、外周面、及び中間部分についても同様の成分比を示した。
続いて、得られた金属ベルトの結晶配向比について、実施例1と同様の方法にて測定し、算出した。結果、表2に示すように結晶配向比(200/111)は3.90であった。
続いて、得られた金属ベルトの結晶粒の連結数について、実施例1と同様の方法にて計測し、評価した。結果、表2に示すように結晶粒の連結数は1〜3個:○であった。
続いて、得られた金属ベルトを用いて、実施例1と同様の方法にてスリーブ状の定着ベルトを得た。そして、この定着ベルトについて、実施例1と同様の屈曲耐久試験、画像出力耐久試験、温度上昇試験をそれぞれ行った。結果、表2に示すように屈曲耐久性試験は200〜100時間:○であり、画像出力耐久試験は白ぬけ、カブリ等が数点存在:○であり、温度上昇試験は18秒〜20秒未満:○であった。
(実施例3)
初期電流密度5A/dmで電鋳を開始し、1分間当たり0.1A/dmの割合で50分間、連続的に電流密度を上昇させ、最終的に10A/dmまで変化させ、かつ電鋳後の時効処理温度を180℃とした以外は、実施例1と同様の方法にて、長さ250mm、内径34mm、厚み50μmのニッケルの電鋳による金属ベルトを得た。
なお、スルファミン酸銅(試薬)濃度は、初期値5.2g/lから最終的(電鋳時間:50分時)に20.8g/lまで連続的に変化させた。
続いて、得られた金属ベルトを分析したところ、表2に示すようにスリーブ状の内周面のニッケル成分比は99.8%であり、他成分の銅:Cuは0.2%であった。また、外周面のニッケル成分比は99.0%であり、他成分の銅:Cuは1%であった。また、中間部分については内周面側から外周面側に向けて連続的にニッケルの成分比が低下し、銅成分は増加していた。
続いて、得られた金属ベルトの結晶配向比について、実施例1と同様の方法にて測定し、算出した。結果、結晶配向比(200/111)は4.11であった。
続いて、得られた金属ベルトの結晶粒の連結数について実施例1同様の方法にて計測し、評価した。結果、表2に示すように、結晶粒の連結数が1〜3個:○であった。
また、得られた金属ベルトを用いて、実施例1と同様の方法にてスリーブ状の定着ベルトを得た。そして、この定着ベルトについて、実施例1と同様の屈曲耐久試験、画像出力耐久試験、温度上昇試験をそれぞれ行った。結果、表2に示すように屈曲耐久性試験は200時間以上:◎であり、画像出力耐久試験は白ぬけ、カブリ等がまったく無い:◎、温度上昇試験は18秒未満:◎であった。
(実施例4)
スルファミン酸銅(試薬)5.2g/lの代わりに、ケイフッ化鉛(ZnSiF)と、窒化アルミニウム(AIN)を添加して電鋳浴を作成し、かつ、電鋳浴の液温60℃±10、電鋳浴のpH3、電流密度1.0A/dmの条件下で電鋳を行った以外は実施例1と同様の方法にて、長さ250mm、内径34mm、厚み50μmのニッケルの電鋳による金属ベルトを得た。
続いて、得られた金属ベルトを分析したところ、表2に示すようにスリーブ状の内周面のニッケル成分比は99.0%であり、他成分の鉛:Pbは0.4%であり、窒化アルミニウム:AINは、0.6%であった。また、外周面、及び中間部分についても同様の成分比を示した。
続いて、得られた金属ベルトの結晶配向比について、実施例1と同様の方法にて測定し、算出した。結果、結晶配向比(200/111)は1.58であった。
続いて、得られた金属ベルトの結晶粒の連結数について、実施例1と同様の方法にて計測し、評価した。結果、表2に示すように結晶粒の連結数が4〜7個:△であった。
また、得られた金属ベルトを用いて、実施例1と同様の方法にてスリーブ状の定着ベルトを得た。そして、この定着ベルトについて、実施例1と同様の屈曲耐久試験、画像出力耐久試験、温度上昇試験をそれぞれ行った。結果、表2に示すように屈曲耐久性試験は50〜100時間:△であり、画像出力耐久試験は白ぬけ、カブリ等が数点存在:○、温度上昇試験は18秒〜20秒未満:○であった。
(実施例5)
スルファミン酸銅(試薬)5.2g/lの代わりに、スルファミン酸マンガン(Mn(SONH)と、炭化ケイ素(SiC)を添加して電鋳浴を作成し、かつ、電鋳浴の液温60℃±10、電鋳浴のpH3、電流密度1.0A/dmの条件下で電鋳を行った以外は実施例1と同様の方法にて、長さ250mm、内径34mm、厚み50μmのニッケルの電鋳による金属ベルトを得た。
続いて、得られた金属ベルトを分析したところ、表2に示すようにスリーブ状の内周面のニッケル成分比は99.0%であり、他成分のマンガン:Mnは0.3%であり、炭化ケイ素:SiCは、0.7%であった。また、外周面、及び中間部分についても同様の成分比を示した。
続いて、得られた金属ベルトの結晶配向比について、実施例1と同様の方法にて測定し、算出した。結果、結晶配向比(200/111)は1.00であった。
続いて、得られた金属ベルトの結晶粒の連結数について、実施例1と同様の方法にて計測し、評価した。結果、表2に示すように、結晶粒の連結数が4〜7個:△であった。
また、この金属ベルトを用いて、実施例1と同様の方法にてスリーブ状の定着ベルトを得た。そして、この定着ベルトについて、実施例1と同様の屈曲耐久試験、画像出力耐久試験、温度上昇試験をそれぞれ行った。結果、表2に示すように屈曲耐久性試験は200〜100時間:○であり、画像出力耐久試験は白ぬけ、カブリ等が数点存在:○、温度上昇試験は18秒未満:◎であった。
(実施例6)
スルファミン酸ニッケル四水塩濃度を450g/lから600g/lに変え、かつ、スルファミン酸銅(試薬)濃度を5.2g/lから6.9g/lに変え、さらに電流密度3.0A/dm、温度30℃±10とした以外は実施例1と同様の方法にて、長さ250mm、内径34mm、厚み50μmのニッケルの電鋳による金属ベルトを得た。
続いて、得られたニッケルの電鋳による金属ベルトを分析したところ、表2に示すようにスリーブ状の内周面のニッケル成分比は99.0%であり、他成分の銅:Cuは1.0%であった。また、外周面、及び中間部分についても同様の成分比を示した。
続いて、得られた金属ベルトの結晶配向比について、実施例1と同様の方法にて測定し、算出した。結果、結晶配向比(200/111)は1.04であった。
続いて、得られた金属ベルトの結晶粒の連結数について、実施例1と同様の方法にて計測し、評価した。結果、表2に示すように結晶粒の連結数が1〜3個:○であった。
また、この金属ベルトを用いて、実施例1と同様の方法にてスリーブ状の定着ベルトを得た。そして、この定着ベルトについて、実施例1と同様の屈曲耐久試験、画像出力耐久試験、温度上昇試験をそれぞれ行った。結果、表2に示すように屈曲耐久性試験は200〜100時間:○であり、画像出力耐久試験は白ぬけ、カブリ等が数点存在:○、温度上昇試験は18秒〜20秒未満:○であった。
(比較例1)
スルファミン酸銅(試薬)5.2g/lの代わりに、スルファミン酸マンガン(Mn(SONH)を添加して電鋳浴を作成し、かつ、電鋳浴の液温25℃±10、電鋳浴のpH4、電流密度5.0A/dm2の条件下で電鋳を行い、その後の時効処理温度を300℃とした以外は実施例1と同様の方法にて、長さ250mm、内径34mm、厚み50μmのニッケルの電鋳による金属ベルトを得た。
続いて、得られたニッケルの電鋳による金属ベルトを分析したところ、表2に示すようにスリーブ状の内周面のニッケル成分比は99.0%であり、他成分のマンガン:Mnは1.0%であった。また、外周面、及び中間部分についても同様の成分比を示した。
続いて、得られた金属ベルトの結晶配向比について、実施例1と同様の方法にて測定し、算出した。結果、結晶配向比(200/111)は0.8であった。
続いて、得られた金属ベルトの結晶粒の連結数について、実施例1と同様の方法にて計測し、評価した。結果、表2に示すように結晶粒の連結数が8個以上:×であった。
また、この金属ベルトを用いて、実施例1と同様の方法にてスリーブ状の定着ベルトを得た。そして、この定着ベルトについて、実施例1と同様の屈曲耐久試験、画像出力耐久試験、温度上昇試験をそれぞれ行った。結果、表2に示すように屈曲耐久性試験は50〜100時間:△であり、画像出力耐久試験は白ぬけ、カブリ等が数点存在:△、温度上昇試験は1分以上:×であった。
(比較例2)
スルファミン酸銅(試薬)5.2g/lの代わりに、スルファミン酸鉄(Fe(SONH)を添加して電鋳浴を作成し、かつ、電鋳浴の液温30℃±10、電鋳浴のpH7、電流密度5.0A/dmの条件下で電鋳を行い、その後の時効処理温度を350℃とした以外は実施例1と同様の方法にて、長さ250mm、内径34mm、厚み50μmのニッケルの電鋳による金属ベルトを得た。
続いて、得られた金属ベルトを分析したところ、表2に示すようにスリーブ状の内周面のニッケル成分比は99.0%であり、他成分の鉄:Feは1.0%であった。また、外周面、及び中間部分についても同様の成分比を示した。
続いて、得られた金属ベルトの結晶配向比について、実施例1と同様の方法にて測定し、算出した。結果、結晶配向比(200/111)は0.26であった。
続いて、得られた金属ベルトの結晶粒の連結数について、実施例1と同様の方法にて計測し、評価した。結果、表2に示すように結晶粒の連結数が8個以上:×であった。
また、この金属ベルトを用いて、実施例1と同様の方法にてスリーブ状の定着ベルトを得た。そして、この定着ベルトについて、実施例1と同様の屈曲耐久試験、画像出力耐久試験、温度上昇試験をそれぞれ行った。結果、表2に示すように屈曲耐久性試験は100〜200時間:○であり、画像出力耐久試験は白ぬけ、カブリ等が数点存在:〇、温度上昇試験は1分以上:×であった。
(比較例3)
スルファミン酸銅(試薬)5.2g/lを除いた電鋳浴を作成し、かつ、電鋳浴の液温30℃±10、電鋳浴のpH8、電流密度10.0A/dmの条件下で電鋳を行い、その後の時効処理温度を350℃とした以外は実施例1と同様の方法にて、長さ250mm、内径34mm、厚み50μmのニッケルの電鋳による金属ベルトを得た。
続いて、得られた金属ベルトを分析したところ、表2に示すようにスリーブ状の内周面のニッケル成分比は100%であった。また、外周面、及び中間部分についても同様の成分比を示した。
続いて、得られた金属ベルトの結晶配向比について、実施例1と同様の方法にて測定し、算出した。結果、結晶配向比(200/111)は0.13であった。
続いて、得られた金属ベルトの結晶粒の連結数について、実施例1と同様の方法にて計測し、評価した。結果、表2に示すように結晶粒の連結数が8個以上:×であった。
また、この金属ベルトを用いて、実施例1と同様の方法にてスリーブ状の定着ベルトを得た。そして、この定着ベルトについて、実施例1と同様の屈曲耐久試験、画像出力耐久試験、温度上昇試験をそれぞれ行った。結果、表2に示すように屈曲耐久性試験は50時間未満:×であり、画像出力耐久試験は白ぬけ、カブリ等の目立つもの:×、温度上昇試験は1分以上:×であった。

Claims (3)

  1. ニッケル合金からなるスリーブ状の金属ベルトにおいて、
    結晶配向比(200/111)が1.00以上の(200)面優先成長の結晶配向性を有すると共に、
    1)原子半径が1.16〜1.47Å、
    2)電気陰性度が1.5〜1.9、
    3)熱伝導率が150W/m・K以上、
    これら1)〜3)の条件を満たすニッケル以外の元素を含有したニッケル合金であることを特徴とする金属ベルト。
  2. 前記1)〜3)の条件を満たすニッケル以外の元素が、銅またはタングステンであることを特徴とする請求項1記載の金属ベルト。
  3. ニッケル合金からなるスリーブ状の金属ベルトにおいて、
    結晶配向比(200/111)が1.00以上の(200)面優先成長の結晶配向性を有すると共に、
    1)原子半径が1.16〜1.47Å、
    2)電気陰性度が1.5〜1.9、
    これら1)〜2)の条件を満たすニッケル以外の元素を含有し、かつ、
    3)熱伝導率が150W/m・K以上の非金属性物質を含有したニッケル合金であることを特徴とする金属ベルト。
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