JP2002258648A - 定着ベルトおよび像加熱定着装置 - Google Patents

定着ベルトおよび像加熱定着装置

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JP2002258648A JP2001377238A JP2001377238A JP2002258648A JP 2002258648 A JP2002258648 A JP 2002258648A JP 2001377238 A JP2001377238 A JP 2001377238A JP 2001377238 A JP2001377238 A JP 2001377238A JP 2002258648 A JP2002258648 A JP 2002258648A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小熱容量の加熱体を利用して低エネルギー加
熱を可能とした像加熱装置において、高耐久性の定着ベ
ルト、および、高耐久性で信頼性の高い像加熱装置を提
供する。 【解決手段】 本発明の定着ベルトは、少なくとも離型
層とニッケル電鋳の金属層とを有し、前記ニッケル電鋳
は結晶配向比I(200)/I(111)が3以上の(200)面優
先成長の結晶配向性を有し、マイクロビッカース硬度が
280〜450である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真装置・静
電記録装置等の画像形成装置に用いられる定着ベルト、
および、被記録材に形成担持させた未定着像を加熱定着
処理する像加熱定着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】画像形成装置において、電子写真プロセ
ス・静電記録プロセス・磁気記録プロセス等の画像形成
プロセス手段部で被記録材(転写材シート・エレクトロ
ファックスシート・静電記録紙・OHPシート・印刷用
紙・フォーマット紙等)に転写方式あるいは直接方式で
形成担持させた目的の画像情報の未定着画像(トナー画
像)を被記録材面に永久固着画像として加熱定着させる
定着装置としては、熱ローラ方式の装置が広く用いられ
ていた。これはローラ内にハロゲンヒータ等の熱源を用
いるものが一般的である。
【0003】一方、加熱方式としては、セラミックヒー
タを熱源として小熱容量の樹脂ベルトあるいは金属ベル
トを加熱するものが広く提案、実施されている。すなわ
ち、加熱方式では一般に、加熱体としてのセラミックヒ
ータと加圧部材としての加圧ローラとの間に耐熱性ベル
ト(定着ベルト)を挟ませてニップ部を形成させ、前記
ニップ部の定着ベルトと加圧ローラとの間に画像定着す
べき未定着トナー画像を形成担持させた被記録材を導入
してベルトと一緒に挟持搬送させることで、ニップ部に
おいてセラミックヒータの熱をベルトを介して被記録材
に与え、この熱とニップ部の加圧力とで未定着トナー画
像を被記録材面に熱圧定着させる。
【0004】このベルト加熱方式の定着装置は、ベルト
として低熱容量の部材を用いてオンデマンドタイプの装
置を構成することができる。すなわち、画像形成装置の
画像形成実行時のみ熱源としてのセラミックヒータに通
電して所定の定着温度に発熱させた状態にすればよく、
画像形成装置の電源オンから画像形成実行可能状態まで
の待ち時間が短く(クイックスタート性)、スタンバイ
時の消費電力も大幅に小さい(省電力)等の利点があ
る。
【0005】このようなベルト加熱方式におけるベルト
としては耐熱樹脂等が用いられ、特に耐熱性、強度に優
れたポリイミド樹脂が用いられている。しかしながら、
さらに機械を高速化、高耐久化した場合、樹脂フィルム
では強度が不十分である。このことから、強度に優れた
金属、例えばSUS、ニッケル、アルミニウム、銅等を
基層とするベルトを用いることが提案されている。
【0006】また、特開平7−114276号公報等で
は、金属ベルトを利用して、これを電磁誘導による渦電
流で自己発熱させる誘導加熱方式も開示されている。す
なわち、磁束によりベルト自身あるいはベルトに近接さ
せた導電性部材に渦電流を発生させ、ジュール熱によっ
て発熱させる加熱装置が提案されている。この電磁誘導
加熱方式は、発熱域をより被加熱体に近くすることがで
きるため、消費エネルギーの効率アップが達成できる。
【0007】ベルト加熱方式の定着装置の定着ベルトの
駆動方法としては、ベルト内面を案内するフィルムガイ
ドと加圧ローラとで圧接されたフィルムを加圧ローラの
回転駆動によって従動回転させる方法(加圧ローラ駆動
方式)や、逆に駆動ローラとテンションローラによって
張架された無端ベルト状のベルトの駆動によって加圧ロ
ーラを従動回転させる方法等がある。
【0008】金属ベルトを用いた定着ベルトとしては、
特開平7−13448号公報には表面粗さが0.5μm
未満で、40μm前後の厚みのニッケル製定着ベルトを
用いたものが、特開平6−222695号公報には外周
面に離型性を有するコーティング層を有し、内周面には
樹脂層を有する10〜35μm厚みのニッケル製定着ベ
ルトが例示されている。
【0009】ニッケル製の無端ベルトはニッケル電鋳プ
ロセスによって容易に得られる。従来、ニッケル電鋳プ
ロセスは耐摩耗性向上あるいは装飾用としての光沢性を
目的として利用されており、このため得られる電鋳ニッ
ケルは、通常、多くのイオウを含んでいる。このニッケ
ル電鋳を定着ベルトに利用した場合、イオウの作用によ
る高温状態における脆化等によって耐久性に問題が生じ
る場合がある。
【0010】これに対し、特開平10−48976号公
報では耐熱耐久性をあげる目的でイオウの含有量を0.
04wt%以下、マンガンの含有量を0.2wt%以上
としたニッケル金属層からなる定着ベルトが提案されて
いる。また、特許番号2706432号公報ではマンガ
ン0.05〜0.6重量%を含むニッケル・マンガン合金
からなるマイクロビッカーズ硬度が450〜650の無
端状電鋳シートを基体とした定着ベルトが提案されてい
る。
【0011】しかしながら、ベルト加熱方式、特に金属
ベルトを用いたベルト加熱方式の場合には、ベルト自身
の回転に伴ってニップ部およびその出入口においてベル
トが屈曲を繰り返すために機械的に疲労しやすく、耐熱
耐久性の問題が依然として懸念されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、小熱容量の
加熱体を利用して低エネルギー加熱を可能とした像加熱
装置において、高耐久性の定着ベルト、および、高耐久
性で信頼性の高い像加熱装置を提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明による定着ベルト
は、少なくとも離型層とニッケル電鋳の金属層とを有
し、ニッケル電鋳は結晶配向比I(200)/I(111)が3以上
の(200)面優先成長の結晶配向性、および、280
〜450のマイクロビッカース硬度を有するものである
ことを特徴とする。
【0014】本発明による定着ベルトは、基層として強
度に優れたニッケル電鋳の金属層を用いるものであり、
このニッケル電鋳の結晶配向性をI(200)/I(111)が3以
上とし、また、マイクロビッカース硬度を280〜45
0とすることにより、耐久性、特に高温時の耐久性に優
れた定着ベルトを提供できるものである。さらに、この
定着ベルトを用いることにより、高耐久性で信頼性の高
い像加熱装置を提供できるものである。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の定着ベルトは、少なくと
も離型層とニッケル電鋳の金属層とを有し、前記ニッケ
ル電鋳は結晶成長が(200)面優先成長で、結晶配向
比I(200)/I(1 11)が3以上であり、マイクロビッカース
硬度が280〜450である。結晶配向比I(200)/I
(111)は8以上であることがより好ましい。また、マイ
クロビッカース硬度は330〜420であることがより
好ましい。ここで、ニッケル電鋳とは、電鋳プロセスに
より形成したニッケルおよびその合金のことをいう。
【0016】本発明の(200)面優先成長とは、母型
表面に平行方向の(200)に優先的に結晶成長するこ
とである。結晶配向比I(200)/I(111)とは、(200)
と(111)結晶面のX線回折強度比率I(200)/I(111)
で定義される。なお、(200)面のd値は1.761
9Åであり、(111)面のd値は2.0345Åであ
る。
【0017】従来、一般的な電鋳ニッケルでは、結晶構
造は(111)面優先成長である。これによって表面の
光沢性・硬度等が確保され、装飾用あるいは摺動面に利
用されている。従って、従来、定着ベルトでも、この
(111)面優先成長の電鋳ニッケルが用いられてい
た。それに対し、本発明では、結晶成長が(200)面
優先成長の電鋳ニッケルを用いており、これによって定
着ベルトの耐久性が向上する。結晶成長が(200)面
優先成長であれば柔軟性の点で有利であり、屈曲性を要
求される定着ベルトに適している。
【0018】また、結晶配向比I(200)/I(111)が小さい
場合、理由は明らかではないが、電解浴中の光沢剤に起
因するイオウや有機物等がニッケルの結晶成長とともに
共析するため高温耐久性に不利になり、しかも、電鋳ニ
ッケルの組織は微結晶になる傾向があるので硬度が高く
なり、ベルトの柔軟性に関しても問題を生じる場合があ
る。本発明では、結晶配向比I(200)/I(111)を3以上と
することによって、十分な耐久性を確保できる。
【0019】一方、電鋳のマイクロビッカース硬度が2
80未満の場合は、剛性が低いため取り扱いが難しく、
例えば、母型からの脱型時の負荷によりシワが発生する
など加工プロセス上安定性に欠ける。電鋳のマイクロビ
ッカース硬度が450を超える場合は、ベルトの柔軟性
が劣り、定着ベルトとして適さない場合が生じる。
【0020】また、このニッケル電鋳は定着ベルトとし
て十分な耐熱性を有している。
【0021】なお、従来の半光沢あるいは無光沢の電鋳
ニッケルに関しては、例えば最新表面技術総覧338ペ
ージ(株式会社産業技術サービスセンター発行)に半光
沢・無光沢ニッケルのX線回折パターンが記載されてお
り、これによると(200)面優先成長が明らかではあ
るが、この場合は金めっきの下地といった特殊な用途に
利用されているにすぎず、定着ベルトに用いた例はな
い。
【0022】(1)定着ベルト10 次に、本発明の定着ベルトについて説明する。
【0023】図1は本例における定着ベルト10の層構
成模型図の一例である。本例の定着ベルト10は、基層
となるニッケル電鋳無端ベルトからなる金属層1と、そ
の外面に積層した弾性層2と、さらにその外面に積層し
た離型層3と、金属層1の内面に積層した摺動層4との
複合構造を有する。定着ベルト10において、摺動層4
が内面側(ベルトガイド面側)であり、離型層3が外面
側(加圧ローラ面側)である。金属層1と弾性層2との
間、弾性層2と離型層3との間、あるいは金属層1と摺
動層4との間には、接着のためにプライマー層(不図
示)を設けてもよい。プライマー層はシリコーン系、エ
ポキシ系、ポリアミドイミド系等の公知のものを使用す
ればよく、その厚さは、通常、1〜10μm程度である。
【0024】図2は本例における定着ベルト10’の層
構成模型図の一例である。このものは、弾性層を設けな
い例である。本例の定着ベルト10’は、基層となるニ
ッケル電鋳無端ベルトからなる金属層1’と、その外面
に積層した離型層3’と、金属層1’の内面に積層した
摺動層4’との複合構造を有する。定着ベルト10’に
おいて、摺動層4’が内面側(ベルトガイド面側)であ
り、離型層3’が外面側(加圧ローラ面側)である。金
属層1’と離型層3’との間、あるいは金属層1と摺動
層4との間には、接着のためにプライマー層(不図示)
を設けてもよい。プライマー層は図1の定着ベルト10
と同様のものを設ければよい。特に、被記録材上のトナ
ーのり量が少なくトナー層の凹凸が比較的小さいモノク
ロ画像の加熱定着用の場合は、このような弾性層を省略
した形態のものとすることができる。
【0025】この定着ベルトを電磁誘導加熱方式に用い
た場合、ニッケル電鋳無端ベルトからなる金属層1また
は1’が電磁誘導発熱性を示す発熱層として機能する。
後述するが、金属層1または1’に交番磁束が作用する
ことで金属層1または1’に渦電流が発生し、金属層1
または1’が発熱する。その熱が弾性層2・離型層3ま
たは離型層3’を介して定着ベルト10または10’を
加熱し、定着ニップ部Nに通紙される被記録材を加熱し
てトナー画像の加熱定着がなされる。
【0026】また、本発明の定着ベルト10または1
0’は、セラミックヒータを用いたベルト加熱方式に用
いてもよい。後述するが、この場合、セラミックヒータ
の熱が定着ベルト10または10’を介して被記録材に
付与され、トナー画像が被記録材面に加熱定着される。
【0027】a.金属層1 金属層1は、SUS等の円柱状母型を電鋳浴に浸漬させ、
母型表面に電鋳プロセスにより成長させたニッケル(合
金も含む)からなる。このニッケル電鋳は結晶成長が
(200)面優先成長であり、結晶配向比I(200)/I(111)
3以上、マイクロビッカース硬度が280〜450であ
る。結晶配向比I(200)/I(111)は、より好ましくは8以
上であり、特に好ましくは25以上である。マイクロビ
ッカース硬度は、より好ましくは330以上または42
0以下であり、特に好ましくは330〜420である。
【0028】ニッケル電鋳の析出するイオウの含有率は
0.03質量%以下、特に0.02質量%以下であるこ
とが好ましい。ニッケル電鋳のイオウ成分は電着応力を
低減させ、成型精度を向上させる必須成分ではあるが、
一方、柔軟性や高温時の弾力性を損ない、金属疲労によ
る破断現象に密に関与する。あまりに多くのイオウが存
在すると、高温状態においてイオウがニッケル粒界まわ
りに薄い脆性膜を形成し、ニッケル電鋳の粒界は不連続
状態になることがあり、脆性破壊が発生しやすい場合が
ある。イオウが少なすぎると母型からの離型性が低下す
る場合があり、イオウの含有率の下限は、通常、0.0001
質量%、好ましくは0.001質量%程度である。
【0029】結晶配向比I(200)/I(111)は、析出される
イオウおよびカーボンの含有率、その比に大いに関与し
ている。すなわち、イオウの含有率が0.03質量%以
下の場合、カーボン元素の含有量がイオウの含有量の2
質量倍以上であれば結晶配向比I(200)/I(111)が3以上
の(200)面優先成長となる。また、ニッケル電鋳のカ
ーボン元素の含有量は0.08質量%以下であることが
好ましい。カーボン元素が多すぎると内部応力が増大
し、母型からの浮き等が発生する場合があり、安定した
結晶成長を期待できなくなる傾向がある。
【0030】また、ニッケル電鋳のマンガンの含有量が
イオウの含有量の0.2質量倍以上、特に3質量倍以上
であることが好ましく、10質量倍以下であることが好
ましい。適量のマンガンの添加により、イオウによるニ
ッケル電鋳の高温時の脆化が抑制される。これは、結晶
粒界にイオウ−マンガン化合物が形成し、粒界まわりの
イオウ脆性膜の生成が抑制されるためと考えられる。マ
ンガンの含有量があまりに少ないとイオウの脆性行動を
抑制する効果が得られにくくなることもある。また、マ
ンガンの含有量があまりに多いとマンガンがニッケル粒
界に偏析することがあり、材料の靭性が低下するといっ
た不都合が生じる場合がある。
【0031】イオウ、カーボン元素およびマンガンの含
有量がこのような範囲であれば、電鋳ニッケルの結晶成
長が(200)面優先成長で、結晶配向比I(200)/I
(111)が3以上になる結晶形態をとりやすい。また、イ
オウの含有量が少なくなると、結晶成長が(200)面
優先成長になりやすい傾向がある。
【0032】ニッケル電鋳のコバルトの含有量はイオウ
の含有量の0.1質量倍以上、特に0.2質量倍以上であ
ることが好ましく、また、5質量倍以下、特に1.5質
量倍以下であることが好ましい。ニッケル電鋳におい
て、コバルトはイオウによる脆化を抑制し、また、結晶
の核となる。コバルトの含有量があまりに多いと、微結
晶による硬度の増加や靭性の低下などの不都合が生じる
場合がある。
【0033】ニッケル電鋳は、他にタングステン等を含
有していてもよい。その含有量は0.5質量%以下が好ま
しい。
【0034】ニッケル電鋳は、例えばステンレス鋼製な
どの母型を陰極として、電鋳プロセスにより製造され
る。この場合の電解浴としては、例えばスルファミン酸
系などの公知のニッケル電解浴を用いることができ、P
H調整剤、ピット防止剤、光沢剤などの添加剤を適宜加
えてもよい。例えば、スルファミン酸ニッケルが300
〜450g/l、塩化ニッケルが0〜30g/l、およ
びホウ酸が30〜45g/lからなるニッケル電解液が
挙げられる。そして、電解浴温度、陰極電流密度などを
制御することによって、所望のニッケルまたはニッケル
合金からなるニッケル電鋳が得られる。電鋳プロセス
は、用いる電解浴によっても異なるが、通常、電解浴温
度45〜60℃程度、陰極電流密度1〜10A/dm2程度で行なう
ことが好ましい。電鋳プロセスによるニッケルは、電解
浴中にサッカリン、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ナ
フタレンスルホン酸ナトリウム等含む応力減少剤・一次
光沢剤、2-ブチン1,4ジオール、クマリン、ジエチルト
リアミン等含む二次光沢剤と呼ばれる添加剤を加えるこ
とにより、電着応力を低減させて成型精度を向上させ
る。このとき加える添加剤の量を調整することにより、
ニッケル電鋳中のイオウ量、カーボン元素量を上記の範
囲にすることができ、通常光沢剤等を0.01g/l〜
1g/l程度添加するのが好ましい。
【0035】析出されるイオウ、カーボンの含有率は、
浴中の光沢剤(サッカリン、ブチンジオール)の濃度、
および、電流密度、浴温等のプロセス条件で調整可能で
ある。
【0036】ニッケル電鋳中にマンガンを加える方法と
しては、ニッケル電解液中にマンガン微粒子、スルファ
ミン酸マンガン等を入れ、よく撹拌した状態で電気メッ
キする方法が挙げられる。添加する上記マンガン化合物
の量は目的とする組成によって異なるが、通常、予め水
溶液(50質量%程度)にしたもので10ml/l以下程
度添加するのが好ましい。
【0037】ニッケル電鋳中にコバルトを加える方法と
しては、ニッケル電解液中に硫酸コバルト、塩化コバル
ト、スルファミン酸コバルト等を入れ、よく撹拌した状
態で電気メッキする方法が挙げられる。添加する上記コ
バルト化合物の量は目的とする組成によって異なるが、
通常、予め水溶液(50質量%程度)にしたもので5ml
/l以下程度添加するのが好ましい。
【0038】金属層1の厚みは、次の式で表される表皮
深さより厚く、特に1μm以上にすることが好ましく、
また、200μm以下、特に100μm以下にすること
が好ましい。表皮深さσ[m]は、励磁回路の周波数f
[Hz]と透磁率μと固有抵抗ρ[Ωm]で σ=503×(ρ/fμ)1/2 と表される。これは電磁誘導で使われる電磁波の吸収の
深さを示しており、これより深いところでは電磁波の強
度は1/e以下になっており、逆にいうとほとんどのエ
ネルギーはこの深さまでで吸収されている(図3)。金
属層1があまりに薄いと、ほとんどの電磁エネルギーが
吸収しきれなくなってきて効率が悪くなってくることが
ある。また、金属層1があまりに厚いと、剛性が高くな
り、また、屈曲性が悪くなって回転体として使用しにく
くなることがある。また、セラミックヒータを用いたベ
ルト加熱方式に用いる場合では、熱容量を小さくしてク
イックスタート性を向上させるために、膜厚は100μ
m以下、特に50μm以下であることが好ましく、ま
た、20μm以上であることが好ましい。
【0039】本発明で用いるニッケル電鋳は、通常、結
晶であるが、一部アモルファスを含んでいてもよい。ま
た、結晶は、硬度、柔軟性の点で微結晶でないことが好
ましい。
【0040】本発明で用いるビッカース硬度HV280
〜450のニッケル電鋳は、定着ベルトとして十分な耐
熱性を有する点で、450℃まで加熱したときのビッカ
ース硬度の低下率は20%以下であることが好ましい。
【0041】また、ニッケル電鋳は、定着ベルトとして
十分な耐熱性を有する点で、再結晶温度が450℃以上
であることが好ましい。
【0042】さらに、ニッケル電鋳は常温時の引っ張り
強度は700〜1500MPaが好ましく、伸び率は2
〜8%が好ましい。そして、定着ベルトとして十分な耐
熱性を有する点で、450℃まで加熱したときの特性低
下率は20%以下をであることが好ましい。
【0043】b.弾性層2 弾性層2は設けても設けなくてもよい。弾性層を設ける
ことにより、ニップ部において被加熱像を覆って熱の伝
達を確実にするとともに、ニッケル電鋳ベルトの復元力
を補って回転・屈曲による疲労を緩和することができ
る。また、弾性層を付与することにより、定着ベルト離
型層表面の未定着トナー像表面への追従性を増し、熱を
効率よく伝達させることが可能になる。弾性層2を設け
た定着ベルトは、特に、未定着トナーののり量が多いカ
ラー画像の加熱定着に適している。
【0044】弾性層2の材質としては、特に限定され
ず、耐熱性がよく、熱伝導率がよいものを選べばよい。
弾性層2としては、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フル
オロシリコーンゴム等が好ましく、特にシリコーンゴム
が好ましい。
【0045】弾性体層に使用されるシリコーンゴムとし
ては、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルトリフルオ
ロプロピルシロキサン、ポリメチルビニルシロキサン、
ポリトリフルオロプロピルビニルシロキサン、ポリメチ
ルフェニルシロキサン、ポリフェニルビニルシロキサ
ン、これらポリシロキサンの共重合体等を例示すること
ができる。
【0046】なお、必要に応じて、弾性体層には乾式シ
リカ、湿式シリカ等補強性充填材、炭酸カルシウム、石
英紛、珪酸ジルコニウム、クレー(珪酸アルミニウ
ム)、タルク(含水珪酸マグネシウム)、アルミナ(酸
化アルミニウム)、ベンガラ(酸化鉄)等を弾性体層に
含有させてもよい。
【0047】弾性層2の厚さは、良好な定着画像品質が
得られるので、10μm以上、特に50μm以上が好ま
しく、1000μm以下、特に500μm以下が好まし
い。カラー画像を印刷する場合、特に写真画像等では被
記録材P上で大きな面積に渡ってベタ画像が形成され
る。この場合、被記録材の凹凸あるいはトナー層の凹凸
に加熱面(離型層3)が追従できないと加熱ムラが発生
し、伝熱量が多い部分と少ない部分とで画像に光沢ムラ
が発生する。つまり、伝熱量が多い部分は光沢度が高く
なり、伝熱量が少ない部分は光沢度が低くなる。弾性層
2があまりに薄いと、被記録材あるいはトナー層の凹凸
に追従しきれず、画像光沢ムラが発生してしまうことが
ある。また、弾性層2があまりに厚いと、弾性層の熱抵
抗が大きくなり、クイックスタートを実現するのが難し
くなることがある。
【0048】弾性層2の硬度(JIS−A)は、画像光
沢ムラの発生が十分抑制され、良好な定着画像品質が得
られるので、60゜以下、特に45゜以下が好ましい。
【0049】弾性層2の熱伝導率λは、2.5×10-3
[W/cm・℃]以上、特に3.3×10-3[W/cm
・℃]以上が好ましく、8.4×10-3[W/cm・
℃]以下、特に6.3×10-3[W/cm・℃]以下が
好ましい。熱伝導率λがあまりに小さい場合には、熱抵
抗が大きくなってきて定着フィルムの表層(離型層3)
における温度上昇が遅くなることがある。熱伝導率λが
あまりに大きい場合には、硬度が高くなったり、圧縮永
久歪みが悪化したりすることがある。
【0050】このような弾性体層は公知の方法、例え
ば、液状のシリコーンゴム等の材料をブレードコート法
等の手段によって金属層上に均一な厚みでコート、加熱
硬化する方法;液状のシリコーンゴム等の材料を成形型
に注入し加硫硬化する方法;押出成形後に加硫硬化する
方法;射出成形後に加硫硬化する方法等で形成すればよ
い。
【0051】c.離型層3 離型層3の材料としては特に限定されず、離型性、耐熱
性のよいものを選べばよい。離型層3としては、PFA
(テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルエー
テル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレ
ン)、FEP(テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオ
ロプロピレン共重合体)等のフッ素樹脂、シリコーン樹
脂、フルオロシリコーンゴム、フッ素ゴム、シリコーン
ゴムが好ましく、特にPFAが好ましい。
【0052】なお、必要に応じて、離型層にはカーボ
ン、酸化すず等の導電剤等を離型層の10質量%以下含
有させてもよい。
【0053】離型層3の厚さは1μm以上または100
μm以下が好ましい。離型層3があまりに薄いと、塗膜
の塗ムラで離型性の悪い部分ができたり、耐久性が不足
したりすることがある。また、離型層があまりに厚い
と、熱伝導が悪化することがあり、特に樹脂系の離型層
の場合は硬度が高くなって弾性層2の効果がなくなって
しまうことがある。
【0054】このような離型層は公知の方法、例えば、
フッ素樹脂系の場合、フッ素樹脂粉末を分散塗料化した
ものをコート・乾燥・焼成する方法により、あるいは予
めチューブ化したものを被覆・接着する方法で形成すれ
ばよく、ゴム系の場合、液状の材料を成形型に注入し加
硫硬化する方法;押出成形後に加硫硬化する方法;射出
成形後に加硫硬化する方法等で形成すればよい。
【0055】また、予め内面プライマー処理されたチュ
ーブ、予め表面プライマー処理されたニッケル電鋳ベル
トを円筒金型内に装着し、チューブとニッケル電鋳ベル
ト間隙間に液状シリコーンゴムを注入、加熱することで
ゴムの硬化及び接着を行う手法を用いれば、弾性層、離
型層を同時に形成することも可能である。
【0056】d.摺動層4 摺動層4は本発明の必須成分ではないが、本発明の像加
熱定着装置を作動させる際の駆動トルクの低減を図るう
えで設けることが好ましい。摺動層4を設けると、定着
ベルトの熱容量を大きくしすぎることなく、発熱層1に
発生した熱が定着ベルトの内側に向かわないように断熱
できるので、摺動層4がない場合と比較して被記録材P
側への熱供給効率がよくなり、消費電力を抑えることも
できる。また立ち上がり時間の短縮を図ることもでき
る。
【0057】その材質は、特に限定されず、高耐熱性で
強度が高く、表面が滑らかにできるものを選べばよい。
摺動層4としては、ポリイミド樹脂等が好ましい。
【0058】なお、必要に応じて、摺動層には摺動剤と
してフッ素樹脂粉末、グラファイト、二硫化モリブデン
等を摺動層に含有させてもよい。
【0059】摺動層4の厚さとしては5μm以上、特に
10μm以上が好ましく、100μm以下、特に60μ
m以下が好ましい。摺動層4があまりに薄いと耐久性が
不足することがある。摺動層4があまりに厚いと定着ベ
ルトの熱容量が大きくなり、立ち上がり時間が長くなる
ことがある。
【0060】このような摺動層は公知の方法、例えば、
液状の材料をコート・乾燥・硬化する方法、あるいは予
めチューブ化したものを貼りつける方法等で形成すれば
よい。
【0061】(2)像加熱定着装置100 次に、本発明の像加熱定着装置について説明する。本発
明の像加熱定着装置は、定着ベルトと、この定着ベルト
を介して互いに圧接する一対の圧接部材とを有し、前記
定着ベルトの内面は前記圧接部材の一方と摺動し、前記
定着ベルトからの熱により記録材上の画像を加熱定着す
るものであって、用いる定着ベルトは前述の本発明の定
着ベルトである。特に、磁束を発生する磁束発生手段を
有し、この磁束発生手段により発生する磁束により定着
ベルトが発熱して記録材上の画像を加熱定着する像加熱
定着装置、または、定着ベルトと摺動する圧接部材が加
熱体であり、定着ベルトを介した加熱体からの熱により
記録材上の画像を加熱定着する像加熱定着装置が好まし
い。
【0062】(第1の実施形態例)図4は本例の像加熱
定着装置100の要部の横断模型図の一例である。本例
において像加熱定着装置100は電磁誘導加熱方式の装
置であり、定着ベルト10は前述の本発明のものであ
る。
【0063】磁場発生手段は、磁性コア17(a〜c)
および励磁コイル18からなる。図5は、この像加熱装
置の磁場発生手段模型図である。
【0064】磁性コア17は高透磁率の部材であり、フ
ェライトやパーマロイ等といったトランスのコアに用い
られる材料が好ましく、特に100kHz以上でも損失
の少ないフェライトを用いることが好ましい。
【0065】励磁コイル18はコイル(線輪)を構成さ
せる導線(電線)として一本ずつがそれぞれ絶縁被覆さ
れた銅製の細線を複数本束ねたもの(束線)を用い、こ
れを複数回巻いて励磁コイルを形成している。本例では
11ターン巻いて励磁コイル18を形成している。
【0066】絶縁被覆は、定着ベルト10の発熱による
熱伝導を考慮して耐熱性を有する被覆を用いることが好
ましい。例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹
脂等による被覆を用いる。ここで、励磁コイル18の外
部から圧力をかけて密集度を向上させてもよい。
【0067】磁場発生手段と定着ベルト10との間には
絶縁部材19を配設してある。絶縁部材19の材質とし
ては絶縁性に優れ、耐熱性がよいものがよい。例えば、
フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリア
ミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK(ポリエー
テルエーテルケトン)樹脂、PES(ポリエーテルスル
ホン)樹脂、PPS(ポリフェニレンスルフィド)樹
脂、PFA((テトラフルオロエチレン/パーフルオロ
アルキルエーテル共重合体)樹脂、PTFE(ポリテト
ラフルオロエチレン)樹脂、FEP(テトラフルオロエ
チレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体)樹脂、L
CP(液晶ポリエステル)樹脂等が好ましく挙げられ
る。
【0068】励磁コイル18には給電部18a・18b
に励磁回路27を接続してある。この励磁回路27は、
好ましくは20kHzから500kHzの高周波をスイ
ッチング電源で発生できるようになっている。励磁コイ
ル18は励磁回路27から供給される交番電流(高周波
電流)によって交番磁束を発生する。
【0069】図6は交番磁束の発生の様子を模式的に表
したものである。磁束Cは発生した交番磁束の一部を表
す。
【0070】磁性コア17に導かれた交番磁束(C)
は、定着ベルト10のニッケル電鋳からなる金属層(電
磁誘導発熱層)1に渦電流を発生させる。この渦電流は
電磁誘導発熱層1の固有抵抗によって電磁誘導発熱層1
にジュール熱(渦電流損)を発生させる。ここでの発熱
量Qは電磁誘導発熱層1を通る磁束の密度によって決ま
り、図4のグラフような分布を示す。図6右図は縦軸は
電磁誘導発熱層の位置を角度θで表わし、横軸は定着ベ
ルト10の電磁誘導発熱層1での発熱量Qを表す。ここ
で、発熱域Hは最大発熱量をQとした場合、発熱量がQ
/e以上の領域と定義する。これは、定着に必要な発熱
量が得られる領域である。
【0071】この定着ニップ部Nの温度は、不図示の温
度検知手段を含む温調系により励磁コイル18に対する
電流供給を制御することで所定の温度が維持されるよう
に温調される。図4の温度センサ26は定着ベルト10
の温度を検知するサーミスタ等であり、本例においては
温度センサ26で測定した定着ベルト10の温度情報を
もとに定着ニップ部Nの温度を制御するようにしてい
る。
【0072】加圧部材としての加圧ローラ30は、芯金
30aと、前記芯金周りに同心一体にローラ状に成形被
覆させたシリコーンゴム、フッ素ゴム、フッ素樹脂等の
耐熱性・弾性材層30bとで構成されており、芯金30
aの両端部を装置の不図示のシャーシ側板金間に回転自
由に軸受け保持させて配設してある。
【0073】加圧用剛性ステイ22の両端部と装置シャ
ーシ側のバネ受け部材(不図示)との間にそれぞれ加圧
バネ(不図示)を縮設することで、加圧用構成ステイ2
2に押し下げ力を作用させている。これにより、ベルト
ガイド部材16aの下面に配設した摺動板40の下面と
加圧ローラ30の上面とが定着ベルト10を挟んで圧接
して所定幅の定着ニップ部Nが形成される。なお、ベル
トガイド部材16としては、耐熱フェノール樹脂、LC
P(液晶ポリエステル)樹脂、PPS(ポリフェニレン
スルフィド)樹脂、PEEK(ポリエーテルエーテルケ
トン)樹脂等、耐熱性に優れた樹脂を用いることが好ま
しい。
【0074】加圧ローラ30は、駆動手段Mにより矢示
のように反時計方向に回転駆動される。この加圧ローラ
30の回転駆動による加圧ローラ30と定着ベルト10
との摩擦力で定着ベルト10に回転力が作用して、定着
ベルト10が、その内面が定着ニップ部Nにおいて摺動
板40の下面に摺動しながら、矢示のように時計方向に
加圧ローラ30の回転速度にほぼ対応した周速度でベル
トガイド部材16aと16bの外回りを回転する。
【0075】こうして、加圧ローラ30が回転駆動さ
れ、それに伴って定着ベルト10が回転し、励磁回路2
7から励磁コイル18への給電により上記のように定着
ベルト10の電磁誘導発熱がなされ、定着ニップ部Nが
所定の温度に立ち上がって温調された状態において、画
像形成手段部から搬送された未定着トナー画像tが形成
された被記録材Pが、定着ニップ部Nの定着ベルト10
と加圧ローラ30との間に画像面が上向き、すなわち定
着ベルト面に対向して導入される。そして、定着ニップ
部Nにおいて画像面が定着ベルト10の外面に密着し、
定着ベルト10と一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送され
ていく。この過程において、定着ベルト10の電磁誘導
発熱によって加熱されて未定着トナー画像tが被記録材
P面に加熱定着される。被記録材Pは定着ニップ部Nを
通過すると、回転定着ベルト10の外面から分離して排
出搬送されていく。被記録材上の加熱定着トナー画像は
定着ニップ部Nを通過後、冷却して永久固着像となる。
【0076】本例では定着装置にオフセット防止のため
のオイル塗布機構を設けていないが、低軟化物質を含有
させていないトナーを使用した場合にはオイル塗布機構
を設けてもよい。また、低軟化物質を含有させたトナー
を使用した場合にもオイル塗布や冷却分離をおこなって
もよい。
【0077】また、加圧部材30はローラ体に限らず、
回動フィルム型等他の形態の部材にすることもできる。
また、加圧部材30側からも被記録材に熱エネルギーを
供給するために、加圧部材30側にも電磁誘導加熱等の
発熱手段を設けて所定の温度に加熱・温調する装置構成
にすることもできる。
【0078】(第2の実施形態例)加熱体としてセラミ
ックヒータを用いたベルト加熱方式の定着装置において
も本発明の定着ベルトを好ましく用いることができる。
【0079】図7は本例における像加熱定着装置100
の横断面模型図の一例である。本例において像加熱定着
装置100は加熱体としてセラミックヒータを用いたベ
ルト加熱方式の装置であり、定着ベルト10は前述の本
発明のものである。
【0080】ベルトガイド16cは耐熱性・断熱性のベ
ルトガイドである。加熱体としてのセラミックヒータ1
2は、ベルトガイド16cの下面のほぼ中央部にガイド
長手に沿って形成具備させた溝部に嵌入して固定支持さ
せてある。そして、円筒状もしくはエンドレス状の本発
明の定着ベルト10はベルトガイド16cにルーズに外
嵌させてある。
【0081】加圧用剛性ステイ22はベルトガイド16
cの内側に挿通してある。
【0082】加圧部材30は、本例では弾性加圧ローラ
である。この加圧部材30は、芯金30aにシリコーン
ゴム等の弾性層30bを設けて硬度を下げたもので、芯
金30aの両端部を装置の不図示の手前側と奥側のシャ
ーシー側板との間に回転自由に軸受け保持させて配設し
てある。弾性加圧ローラは、表面性を向上させるため
に、さらに外周にPTFE(ポリテトラフルオロエチレ
ン)、PFA(テトラフルオロエチレン/パーフルオロ
アルキルエーテル共重合体)、FEP(テトラフルオロ
エチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体)等のフ
ッ素樹脂層を設けてもよい。
【0083】定着ニップ部Nを形成するための加圧手段
および定着フィルム端部の保持手段については第1の実
施形態例と同様の構成をとる。
【0084】加圧ローラ30は、駆動手段Mにより矢示
のように反時計方向に回転駆動される。この加圧ローラ
30の回転駆動による加圧ローラ30と定着ベルト10
との外面との摩擦力で定着ベルト10に回転力が作用し
て、定着ベルト10はその内面が定着ニップ部Nにおい
てセラミックヒータ12の下面に密着して摺動しなが
ら、矢示のように時計方向に加圧ローラ30の回転周速
度にほぼ対応した周速度でベルトガイド16cの外回り
に回転する(加圧ローラ駆動方式)。
【0085】プリントスタート信号に基づいて加圧ロー
ラ30の回転が開始され、またセラミックヒータ12の
ヒートアップが開始される。加圧ローラ30の回転によ
る定着ベルト10の回転周速度が定常化し、セラミック
ヒータ12の温度が所定温度に立ち上がった状態におい
て、定着ニップ部Nの定着ベルト10と加圧ローラ30
との間に被加熱材としてのトナー画像tを担持させた被
記録材Pがトナー画像担持面側を定着ベルト10側にし
て導入される。そして、被記録材Pは定着ニップ部Nに
おいて定着ベルト10を介してセラミックヒータ12の
下面に密着し、定着ベルト10と一緒に定着ニップ部N
を移動通過していく。その移動通過過程において、セラ
ミックヒータ12の熱が定着ベルト10を介して被記録
材Pに付与され、トナー画像tが被記録材P面に加熱定
着される。定着ニップ部Nを通過した被記録材Pは定着
ベルト10の外面から分離して搬送される。
【0086】加熱体としてのセラミックヒータ12は、
定着ベルト10・被記録材Pの移動方向に直交する方向
を長手とする低熱容量の横長の線状加熱体である。チッ
化アルミニウム等でできたヒータ基板12aと、このヒ
ータ基板12aの表面にその長手に沿って設けた発熱層
12b、例えばAg/Pd(銀/パラジウム)等の電気
抵抗材料を約10μm、幅1〜5mmにスクリーン印刷
等により塗工して設けた発熱層12bと、さらにその上
に設けたガラスやフッ素樹脂等の保護層12cを基本構
成とするものである。なお、用いるセラミックヒータは
このようなものに限定されるわけではない。
【0087】そして、セラミックヒータ12の発熱層1
2bの両端間に通電されることで発熱層12bは発熱
し、ヒータ12が急速に昇温する。そのヒータ温度が温
度センサ(不図示)に検知され、ヒータ温度が所定の温
度に維持されるように制御回路(不図示)で発熱層12
bに対する通電が制御されてヒータ12は温調管理され
る。
【0088】セラミックヒータ12は、ベルトガイド1
6cの下面のほぼ中央部にガイド長手に沿って形成具備
させた溝部に、保護層12c側を上向きに嵌入して固定
支持させてある。定着ベルト10と接触する定着ニップ
部Nには、このセラミックヒータ12の摺動部材40の
面と定着ベルト10の内面が相互接触摺動する。
【0089】また、セラミックヒータのかわりに鉄板等
の強磁性体金属板を設け、第1の実施形態例で用いた電
磁誘導によって前記強磁性体金属板を発熱させて、ヒー
タとして用いることもできる。
【0090】また、加圧部材30はローラ体に限らず、
回動フィルム型等他の形態の部材にすることもできる。
また、加圧部材30側からも被記録材に熱エネルギーを
供給するために、加圧部材30側にも電磁誘導加熱等の
発熱手段を設けて所定の温度に加熱・温調する装置構成
にすることもできる。
【0091】(その他の実施形態例)像加熱定着装置の
装置構成は上記のような実施形態例の加圧ローラ駆動方
式に限られるものではない。
【0092】その他にも、例えば、図8のように、ベル
トガイド16と駆動ローラ31とテンションローラ32
との間に本発明の定着ベルト10を懸回張設し、ベルト
ガイド16の下面部と加圧部材としての加圧ローラ30
とを定着ベルト10に挟んで圧接させて定着ニップ部N
を形成させ、定着ベルト10を駆動ローラ31によって
回転駆動させる装置構成にすることもできる。この場
合、加圧ローラ30は従動回転ローラである。
【0093】また、この場合も加圧部材30はローラ体
に限らず、回動フィルム型等他の形態の部材にすること
もできる。また、加圧部材30側からも被記録材に熱エ
ネルギーを供給するために、加圧部材30側にも電磁誘
導加熱等の発熱手段を設けて所定の温度に加熱・温調す
る装置構成にすることもできる。
【0094】本発明の像加熱装置は、画像加熱定着装置
としてに限らず、画像を担持した被記録材を加熱してつ
や等の表面性を改質する像加熱装置や、仮定着する像加
熱装置として使用できる。その他、被加熱材の加熱乾燥
装置、加熱ラミネート装置等、広く被加熱材を加熱処理
する手段・装置として使用できる。
【0095】
【実施例】[実験例1]金属層1として内径34mm、厚
み50μmの表1に示すニッケル電鋳無端ベルトを選
び、弾性層2として厚み300μmのシリコーンゴム、
離型層3として厚み30μmのPFAチューブを各々プ
ライマーを介して積層し、さらに摺動層4として厚み1
5μmのポリイミド樹脂層を積層して各種定着ベルトを
作成した。
【0096】まず、電解浴として、スルファミン酸ニッ
ケル四水塩450g/l、塩化ニッケル10g/l、硼酸4
0g/lなる水溶液浴を作り、次に必要量のピット防止剤
を加えた後、光沢剤としてサッカリン、2-ブチン-1,4-
ジオールを下記表1に示す量添加した。さらに、その他
の添加剤としてスルファミン酸マンガン水溶液(50重量
%)、塩化コバルト水溶液(50重量%)を下記表1に示
す量添加し、活性炭を充填した容器でろ過しながら、低
電流で電解精製を行なった。得られた各種ニッケル電解
浴を用い、ステンレス鋼製の母型を陰極として、同じく
下記表1に示す各種電解浴温度、陰極電流密度でニッケ
ル電鋳を行ない、内径34mm、厚み50μmのニッケ
ル電鋳を成膜した。そして、このニッケル電鋳を母型か
ら取り外し、金属層とした。
【0097】
【表1】
【0098】得られたニッケル電鋳の結晶配向比I(200)
/I(111)は、理学電機株式会社製X線回折装置RAD‐
3R型を用い、広角X線散乱回折法により(200)面
(d値=1.7619Å)と(111)面(d値=2.0
345Å)のX線回折強度を測定し、その比率から求め
た。
【0099】ニッケル電鋳中のイオウ、マンガン、コバ
ルトの含有量は、誘導結合プラズマ発光分光分析法(I
CP−AES)により分析定量した。誘導結合プラズマ
発光分光分析法は、熱的に励起された原子(またはイオ
ン)が低エネルギー準位に戻るときに放出される光子の
波長に相当する発光線の強度を測定して、元素の定量を
行うものである。
【0100】ニッケル電鋳中のカーボンの含有量は、燃
焼−赤外線吸収法により定量した。燃焼−赤外線吸収法
は、試料を磁性るつぼに入れ、助燃剤を加え、酸素気流
中で高周波誘導加熱または電気抵抗加熱を行って燃焼さ
せ、十分に酸化して試料中のCをCO2とし、燃焼ガス
を赤外線検出を通してCO2による赤外線の吸収量を測
定し、標準試料による測定値と比較することにより、C
の定量を行うものである。
【0101】その結果を表2に示す。
【0102】比較例7、8を除いて所定のニッケル電鋳
ベルトが得られた。比較例7では脱型時に変形が生じ、
試験に供することができなかった。これは仕上がりの硬
度が低く、剛性不足による。比較例8では仕上がりの膜
厚分布が不均一となり、試験に供することができなかっ
た。これは内部応力が大きく、結晶成長時に母型との間
に浮きが生じたことによる。
【0103】次に、この金属層に、あらかじめプライマ
ー(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製DY35‐
051)をスプレーにより塗布し、150℃で30分間
乾燥させて、プライマー層を形成した。その厚みは5μ
mだった。
【0104】次にPFAチューブ内面に同様にしてプラ
イマー層を形成し、PFAチューブの外径とほぼ同内径
の円筒状金型に、上記金属層と共に同軸上に装着し,チ
ューブと金属層間に液状シリコーンゴム(東レ・ダウコ
ーニング・シリコーン社製:DY32‐561A/B)
を注入、200℃で30分間温風循環炉内で加熱した。
ゴムの硬化及び各層接着が同時に行われ、金属層上に弾
性層2として厚さ300μmのシリコーンゴム、離型層
3として厚さ30μmのPFAチューブが積層された。
【0105】また、金属層の逆の面にはポリイミドワニ
ス(宇部興産製 U-ワニスS)をコートし、210℃
で1時間温風循環炉内で乾燥硬化し、摺動層4として厚
さ15μmのポリイミド樹脂層を積層した。
【0106】そして、このようにして作成した定着ベル
トを図4のような電磁誘導加熱方式の像加熱定着100
装着し、空回転耐久テストに供した。その結果を表2に
示す。
【0107】(空回転耐久テスト)220℃に温調しな
がら、所定の加圧力で加圧ローラを定着ベルトに押し付
け、定着ベルトを加圧ローラに従動回転させた。加圧ロ
ーラは、肉厚3mmシリコーン層に30μmのPFAチュ
ーブを被覆した外径30mmのゴムローラを用いた。本
実験例では、加圧力は200N、定着ニップは8mm×
230mmであり、定着ベルトの表面速度は100mm
/secとなる条件に定めた。各定着ベルトをそれぞれ
上記回転試験に供し、ベルトの亀裂・破断の発生するま
での時間を耐久時間とした。
【0108】
【表2】
【0109】結晶配向比I(200)/I(111)が3以上、マイ
クロビッカース硬度が280〜450の範囲の本発明の
定着ベルトを用いた場合、耐久時間はいずれも300時
間を超えた。また、このうち、結晶配向比I(200)/I
(111)が8以上、マイクロビッカース硬度が330〜4
20の本発明の定着ベルトは、いずれも耐久時間が40
0時間を超えた。それに対し、結晶配向比I(200)/I
(111)が3未満の比較例の定着ベルトを用いた場合、耐
久時間が200時間を超えるものはなかった。結晶配向
比I(200)/I(111)が8以上であり、イオウの含有率が0.
02質量%以下、イオウの含有量に対するマンガンの含
有量比(質量比)が3〜10、イオウの含有量に対する
コバルトの含有量比(質量比)が1以下である本発明の
定着ベルトに関しては、いずれも600時間を超える耐
久性を有していることが確認された。
【0110】[実験例2]さらに、実験例1で用いた上記
定着装置をキヤノン製フルカラーLBP LASER
SHOT『LBP−2040』に搭載し、画出して耐久
テストを行った。加圧力は200N、定着ニップは8m
m×230mmであり、定着温度は200℃、プロセス
スピードは100mm/secに設定した。 [実施例1]
〜 [実施例8] の定着ベルトを用いたものはトラブルな
く10万枚画出し、耐久テストを終了した。また、[実
施例9] 〜 [実施例10] の定着ベルトを用いたものは
トラブルなく7万枚画出し、耐久テストを終了した。そ
れに対して、[比較例1]の定着ベルトを用いたものは1
万枚、[比較例2] の定着ベルトを用いたものは3万枚
でそれぞれ定着ベルトの破壊により通紙不可能となっ
た。
【0111】[実験例3]本発明の定着ベルトを図7のよ
うな加熱体としてセラミックヒータを用いたベルト加熱
方式の装置(定着装置100)に装着し、空回転耐久テ
ストに供したところ、十分な耐熱耐久性を確認できた。
【0112】
【発明の効果】本発明により、小熱容量の加熱体を利用
して低エネルギー加熱を可能とした像加熱装置におい
て、耐久性、特に高温時の耐久性に優れた定着ベルト、
および、高耐久性で信頼性の高い像加熱装置を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の定着ベルトの層構成模型図の一例であ
る。
【図2】本発明の定着ベルトの層構成摸型図の一例であ
る。
【図3】発熱層深さと電磁波強度との関係を示す図であ
る。
【図4】第1の実施形態例に用いた像加熱装置の概略構
成図である。
【図5】第1の実施形態例に用いた像加熱装置の磁場発
生手段模型図である。
【図6】第1の実施形態例に用いた像加熱装置の磁場発
生手段と発熱量Qの関係を示す図である。
【図7】第2の実施形態例に用いた像加熱装置の概略構
成図である。
【図8】その他の実施形態例に用いた像加熱装置の概略
構成図である。
【符号の説明】
1,1’ 発熱層(金属層) 2 弾性層 3,3’ 離型層 4,4’ 摺動層 10,10’ 定着ベルト 12 セラミックヒータ 16 ベルトガイド 17 磁性コア 18 励磁コイル 19 絶縁部材 22 加圧用剛性ステイ 23a,23b 定着ベルト端部の規制・保持用フラン
ジ部材 26 温度検知素子(サーミスタ) 27 励磁回路 30 加圧部材(加圧ローラ) 31 駆動ローラ 32 テンションローラ 40 摺動板 N 定着ニップ部 t トナー画像 P 被記録材 C 磁束 100 像加熱定着装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 浩二 埼玉県秩父市大字下影森1248番地 キヤノ ン電子株式会社内 (72)発明者 岸野 一夫 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 矢野 秀幸 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 鈴木 雅博 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H033 AA23 AA32 BA11 BA25 BA32 BB18 BB29 BB34 BE06 CA07 CA30 CA44

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも離型層とニッケル電鋳の金属
    層とを有する定着ベルトであって、前記ニッケル電鋳
    は、結晶配向比I(200)/I(111)が3以上の(200)面
    優先成長の結晶配向性を有し、マイクロビッカース硬度
    が280〜450であることを特徴とする定着ベルト。
  2. 【請求項2】 前記ニッケル電鋳は、結晶配向比I(200)
    /I(111)が8以上の(200)面優先成長の結晶配向性
    を有することを特徴とする請求項1に記載の定着ベル
    ト。
  3. 【請求項3】 前記ニッケル電鋳のマイクロビッカース
    硬度が330〜420であることを特徴とする請求項1
    に記載の定着ベルト。
  4. 【請求項4】 前記ニッケル電鋳のイオウの含有量が、
    0.03質量%以下であり、前記ニッケル電鋳のカーボ
    ン元素の含有量が、イオウの含有量の2質量倍以上であ
    り、かつ、0.08質量%以下である請求項1に記載の
    定着ベルト。
  5. 【請求項5】 前記ニッケル電鋳のイオウの含有量が、
    0.0001質量%以上である請求項4に記載の定着ベ
    ルト。
  6. 【請求項6】 前記ニッケル電鋳のイオウの含有量が、
    0.001質量%以上である請求項4に記載の定着ベル
    ト。
  7. 【請求項7】 前記ニッケル電鋳のマンガンの含有量
    が、イオウの含有量の0.2〜10質量倍である請求項
    4に記載の定着ベルト。
  8. 【請求項8】 前記ニッケル電鋳のコバルトの含有量
    が、イオウの含有量の0.1〜5質量倍である請求項4
    に記載の定着ベルト。
  9. 【請求項9】 前記離型層と前記金属層との間に弾性層
    を有する請求項1に記載の定着ベルト。
  10. 【請求項10】 前記弾性層がシリコーンゴム、フッ素
    ゴムまたはフルオロシリコーンゴムのいずれかである請
    求項9に記載の定着ベルト。
  11. 【請求項11】 定着ベルトと、この定着ベルトを介し
    て互いに圧接する一対の圧接部材とを有し、前記定着ベ
    ルトの内面は前記圧接部材の一方と摺動し、前記定着ベ
    ルトからの熱により記録材上の画像を加熱定着する像加
    熱定着装置であって、前記定着ベルトは請求項1〜10
    のいずれかに記載の定着ベルトであることを特徴とする
    像加熱定着装置。
  12. 【請求項12】 磁束を発生する磁束発生手段を有し、
    前記磁束発生手段により発生する磁束により前記定着ベ
    ルトが発熱して記録材上の画像を加熱定着する請求項1
    1に記載の像加熱定着装置。
  13. 【請求項13】 前記定着ベルトと摺動する圧接部材が
    加熱体であり、前記定着ベルトを介した前記加熱体から
    の熱により記録材上の画像を加熱定着する請求項11に
    記載の像加熱定着装置。
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