JP2012211156A - ココアプロシアニジンを抽出する改良方法 - Google Patents

ココアプロシアニジンを抽出する改良方法 Download PDF

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Abstract

【課題】プロシアニジンオリゴマーが豊富なカカオ抽出物を、脱脂カカオ豆をプロシアニジンを可溶化する溶剤または水性溶剤により抽出する方法を提供する。
【解決手段】抽出物中のプロシアニジンの収率は、使用するカカオ豆、使用する溶剤、使用する溶剤のpHおよび抽出温度により異なる。プロシアニジンの収率を増加させ、より高いまたはより低い分子量のオリゴマーを優先的に抽出できるように、抽出パラメータを最適化することができる。好ましい抽出方法は、カカオ抽出物が再利用される、対向流溶剤抽出プロセスである。
【選択図】なし

Description

本発明は、カカオ固形物から、カテキン、エピカテキンおよびココアプロシアニジンオリゴマーを含むココアポリフェノールを抽出する改良方法に関する。
一般に、様々な果物や野菜中に含まれている食物ポリフェノールを日常的に摂取するのが有益であることが知られている。赤ワイン、緑茶およびココアは全て、ポリフェノールが豊富であると認識されており、赤ワインおよび緑茶を日常的に摂取することが、先進工業国における心臓病による死に反比例の関係にあることが示されてきた。
ココアのポリフェノールは、発酵されローストされたカカオ豆から風味を引き出すことに著しく寄与することがよく知られている。ココアの渋く苦みのある風味は、伝統的に、カカオ豆中のキサンチンアルカロイドおよびポリフェノールの存在と関連付けられてきた。この理由のために、長年に亘り、ココアポリフェノールを抽出して、それらの存在を確認し、それらの量を定量し、それらを同定する様々な方法が開発されてきた。ココアポリフェノールは主にココアプロシアニジンである。しかしながら、どの抽出方法も、これまで、ココアプロシアニジンが多く含まれる抽出物を生成するように最適化されていない。
ココアプロシアニジンオリゴマーは、構造と機能との間に明確な関係を示すことが現在では知られており、このことは、個々のオリゴマー、または同様のサイズのオリゴマーをいくつか含有する分画が、他のオリゴマーの影響を受けない特定の生物学的機能を示すことを意味する。したがって、使用する抽出方法により、ココアポリフェノールの可能性のある溶解度が最大になるだけでなく、その方法が豆中に存在するココアポリフェノールオリゴマー全てを抽出するのに効果的であることを確実にすることが重要である。
水または有機溶剤、もしくは水と有機溶剤との混合物を用いたカカオ豆の抽出が、キサンチンアルカロイド(主にカフェインおよびテオブロミン)および苦みのある不快な風味を与えるカカオ豆中の他の可溶性成分を除去するために用いられてきた。これらの苦みのある可溶性成分の中には、プロシアニジンも含まれる。
米国特許第1750795号明細書(1926年にDefrenに発行された)には、60℃の水中に豆を浸漬し、次いで、水を捨て、豆をローストすることにより、「豆の苦みのある可溶性成分の大部分を」除去するプロセスが開示されている。
刺激物を含まないカカオ豆を提供するために、キサンチンを除去する熱水処理が用いられてきた。米国特許第4407834号明細書「ココアの脱テオブロミン」(1983年6月28日にChiovini等に発行された)および米国特許第4755391号明細書「カカオ材料からのメチルキサンチンの除去」(1988年7月5日にChiovini等に発行された)を参照のこと。
発酵され、従来のようにローストされたカカオ豆またはカカオニブから調製されたカカオ固形物を水および/またはアルコールにより抽出することにより、カカオ抽出物が調製されてきた。越阪部等は、粗製ポリフェノール抽出物を調製するために、周囲温度で、無水アルコールまたは脱イオン水による40%容積/容積より多い水性アルコールを用いた。特願平6−64717号明細書「胃潰瘍を防ぐための食物または飲料製品」(1995年10月4日)を参照のこと。
Zieglader等は、周囲温度でカカオ豆からポリフェノールを抽出するためにメタノールを用いた。メタノール抽出物の調製が開示されている、「ココアの抗酸化効果」(Rev.Choc.Confect.Bak, 8:3-6, 1983)を参照のこと。この抽出物は、「モノマーのタンニン前駆体(カテキン、アントシアニジンおよびそれらの可溶性縮合物)」を含有した。この抽出物は、酸化を防ぐためのオイル用の添加物として用いられる。Griffiths等は、熟したカカオニブからポリフェノール抽出物を得るために、ここでも周囲温度で得られるメタノール抽出物を用いた。ポリフェノール抽出物は、カカオおよび他の植物中の植物ポリフェノールの特徴付けを研究するために用いられた。「Theobroma種の種子ポリフェノールの比較研究」(Biochemical J. 74:362-365, 1960)を参照のこと。Rigaud等は、凍結乾燥カカオ豆およびブドウ種子から抽出物を調製し、溶剤としてメタノールを使用すると、高級オリゴマーが存在できないことに注目した。「カカオ豆およびブドウ種子からのプロシアニジンの正常相高速液体クロマトグラフィー分離」(J.Chromatography 654:255-60, 1993)を参照のこと。JalalおよびCollinは、カカオ植物の各々の部分に存在するポリフェノールを分析するために、その植物の異なる部分から抽出物を調製した。その抽出は、70%の冷たいメタノールを用い、その後、酢酸エチルを用いて行われた。「Theobroma Cacaoの成熟植物、苗および組織培養物のポリフェノール」(Phytochemistry, 16:1377-1380, 1977)を参照のこと。
アセトン/水も、カカオ豆抽出に用いられてきた。Clapperton等は、冷たい70%アセトンを用いた発酵カカオ豆から作られた脱脂カカオ粉末の抽出を報告している。「ポリフェノールおよびココアフレーバー、グループポリフェノール」(XVIth Intern.Conf., Lisbon, Portugal, July 13-16, 1992)を参照のこと。Rigaudは、エタノールによる第1の抽出物を、60%アセトン/水の混合物を用いた第2の抽出物と組み合わせている。「カカオ豆およびブドウ種子からのプロシアニジンの正常相高速液体クロマトグラフィー分離」(J.Chromatography 654:255-60, 1993)を参照のこと。
伝統的に、カカオ豆は、ポリフェノールが豆に与える苦みを最小にするような様式で処理され、加工される。これにより、豆のポリフェノール含有量が減少する。ポリフェノール含有量が著しく減少する二つの様式は、それらの殻を割り、皮むきプロセスを補助するための、殻中のカカオ豆の発酵および発酵したカカオ豆のローストである。Zieglader等は、未発酵カカオ豆からの抽出物と比較した、発酵されたカカオ豆からの抽出物中の抗酸化活性の損失を報告しており、抗酸化能力がこのように減少したことを、発酵豆の抽出物中のポリフェノールの量が減少したことと相関付けている。先に論じた抽出方法の全ては、発酵豆を用いて行われており、多くの場合、豆はローストもされていた。したがって、そのプロシアニジンの収率は、未発酵豆からの抽出物に見られるよりもずっと低い。
最初の溶剤抽出工程の後に、酢酸エチル抽出工程を行うことが、一般的な慣例であった。ForsythおよびRoberts「ココアポリフェノール物質:3.ココアロイコシアニジン1の構造」Biochem.J. 74, 374-378, 1960;Thompson等、「植物プロシアニジン、第一部 導入;植物プロシアニジンの分離、構造および性質の分布」J.Chem.Soc.Perkin I, Vol.11, 1387-99, 1972;JalalおよびCollins、「Theobroma Cacaoの熟成植物、苗および組織培養物のポリフェノール」Phytochemistry, 16:1377-1380, 1977;Porter等、「フラボノイド」の第二章「フラバンおよびプロアントシアニジン」Ed., J.B.Harborne, Chapman and Hall Ltd., London, 1988;米国特許第5554645号明細書(1994年10月3日にRomanczyk等に発行された)を参照のこと。これには、モノマーおよび低級オリゴマーを含有し、高級オリゴマーを全くまたはわずかしか含有しない抽出物を製造する効果がある。Lea A「シードルのフェノール:オリゴマーおよびポリマープロシアニジン」J.Sci.Fd Agric. 29, 471-477, 1978を参照のこと。
抽出前にカカオ豆が脱脂されているか否かは、抽出されるポリフェノールの収率に影響する。豆が脱脂されていない場合には、豆中の脂肪が溶剤の可溶化活性と干渉し、ポリフェノールの収率が著しく減少する(Lazarus等、「フラボノイドおよび他のポリフェノール」in Methods in Enzymology series. Edited by Lester Packer, Academic Press, New York, in press)。
カカオ抽出物は、未発酵または発酵した天日乾燥のカカオ豆から調製されたカカオ固形物より調製されてきた。それらの豆は、粉に引かれ、脱脂され、抽出された。70%のアセトン/30%の脱イオン水の混合物が用いられ、その後、70%のメタノール抽出および2回のクロロホルム抽出が行われた。次いで、酢酸エチルによる抽出が行われ、水が加えられ、酢酸エチルが除去される。あるいは、豆を70%のアセトンにより抽出した。両方の場合、抽出は室温で行われ、水性抽出物が凍結乾燥された。米国特許第5554645号明細書(1994年10月3日にRomanczyk等に発行された)および1998年3月12日に発行された国際公開第98/09533号パンフレットを参照のこと。
さらに、カカオ抽出物は、ローストされていないカカオ豆から調製された、ある程度脱脂されたカカオ固形物より調製することもできる。得られたカカオ固形物は、発酵した、不十分に発酵した、または未発酵のカカオニブのいずれから調製したかにかかわらず、従来のようにローストされたカカオ豆またはカカオニブから調製されたカカオ固形物よりも、高いココアポリフェノール含有量、すなわち、ココアプロシアニジン含有量を有する。米国特許第6015913号明細書(K.S.Kealey等に2000年1月18日に発行された)を参照のこと。
脱脂され、凍結乾燥された未発酵カカオ豆は約2%のキサンチンアルカロイドを含有し、伝統的な様式にしたがって加工された豆は、それより多い量を含有する。テオブロミンはカフェインの分解生成物であり、その両者は、神経系のよく知られた刺激物である。過剰のキサンチンアルカロイド摂取は、有益であるとは考えられていない。それゆえ、ある場合には、キサンチンアルカロイドを含まないカカオ抽出物を調製することが望ましいであろう。
したがって、カカオ固結物からココアプロシアニジンを抽出する改良プロセスおよびある場合には、カカオ抽出物からカフェインとテオブロミンを除去するプロセスが必要とされている。
本発明は、ローストされていないカカオ豆から調製されたある程度または完全に脱脂されたカカオ固形物より、カテキン、エピカテキン、およびココアプロシアニジンを含むココアポリフェノールを抽出する改良方法を提供する。この改良方法は、ポリフェノールを可溶化できる酸性溶剤またはそのような溶剤を含有する酸性水溶液による、大気圧でまたは加圧下での抽出を有してなる。好ましくは、酸が、pHを約6.5から約2より約4までの範囲に低下させるのに十分な量でその溶剤または溶剤水溶液に加えられる。食用酸または生理的に許容される酸が好ましい。
カカオ固形物は、未発酵、不十分に発酵した、または発酵したカカオ豆から調製される。有機溶剤は、低級アルキルアルコール、低級アルキルケトン、および低級酢酸アルキルからなる群より選択してもよい。適切な溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、酢酸メチル、および酢酸エチルが挙げられる。溶剤水溶液は、好ましくは、約50容積%までの水を含有し、それより多く水を含有してもよいが、ほとんどの水溶液では、抽出効率が低くなる。好ましい水性有機溶剤としては、約50%から約70%までのイソプロパノール、約80%から約100%までのアセトンおよび約80%から約95%までのエタノールが挙げられる。エタノールのみを使用すると、七量体よりも高級のココアプロシアニジンオリゴマーが優先的に抽出される。約80%のイソプロパノールおよび約20%の水の混合物により、モノマーおよび八量体までのオリゴマーが優先的に抽出される。
本発明は、ローストされていないカカオ豆から調製されたある程度脱脂されたかまたは完全に脱脂されたカカオ固形物より、カテキン、エピカテキン、およびココアプロシアニジンを含むココアポリフェノールを抽出する方法も提供する。この方法は、大気圧でまたは加圧下で、カカオ固形物を、ココアポリフェノールを可溶化できる非酸性有機溶剤により抽出する工程を有してなる。好ましくは、カカオ豆は未発酵または不十分に発酵したカカオ豆であるが、発酵したカカオ豆を用いても差し支えなく、その場合、抽出物中に高級オリゴマーが少なくなるであろう。
不十分に発酵したカカオ豆は、一般に、275以下の発酵係数を有する。好ましい不十分に発酵したカカオ豆としては、スレート、パープル、またはパープルブラウンカカオ豆、もしくはスレートおよびパープルカカオ豆の混合物、パープルおよびブラウンカカオ豆の混合物、もしくはスレート、パープルおよびブラウンカカオ豆の混合物が挙げられる。未発酵または不十分に発酵したカカオ豆は、脱脂カカオ固形物1g当たり少なくとも約1重量%から約15−17重量%まで、一般的には、約4−7重量%の全ココアプロシアニジンを含有する。
前記溶剤は、低級アルキルアルコール、低級アルキルケトン、および低級酢酸アルキルからなる群より選択してもよい。適切な溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、酢酸メチル、および酢酸エチルが挙げられる。溶剤水溶液は、好ましくは、約50容積%までの水を含有しても差し支えなく、それより多く水が存在しても差し支えないが、抽出されたココアポリフェノールの総量は、それほど多くないであろう。好ましい溶剤としては、50−60%のアセトンおよび100%のエタノールが挙げられる。抽出は、0℃から、使用される抽出圧で用いられる溶剤または溶剤水溶液の沸点までの温度で行って差し支えない。溶剤がメタノールである場合、抽出は、好ましくは、室温で行われる。溶剤がエタノールである場合、抽出は、好ましくは、約20℃から約50℃までで行われる。溶剤がイソプロパノールである場合、抽出は、好ましくは、約70℃で行われる。溶剤が水性アセトン溶液である場合、抽出は、好ましくは、約50℃からこの溶液の沸点までで行われる。
上記プロセスにおいて、酸性の溶剤または溶剤水溶液が用いられる場合、より低い抽出温度が好ましい。酸性ではない溶剤または溶剤水溶液が用いられる場合、より高い抽出温度を用いても差し支えない。
本発明はまた、ある程度または完全に脱脂されたカカオ固形物から、低分子量のココアプロシアニジンオリゴマーを選択的に抽出する方法も提供する。使用される溶剤は、低級オリゴマー、例えば、酢酸メチルまたは酢酸エチルを優先的に抽出する溶剤である。好ましくは、カカオ豆は、未発酵または不十分に発酵したカカオ豆であるが、発酵したカカオ豆を用いても差し支えない。抽出は、好ましくは、約20℃から約50℃までで行われる。得られるカカオ抽出物は、単量体、二量体、および三量体から実質的になる。
本発明は、ローストされていないカカオ豆から調製されたある程度脱脂されたかまたは完全に脱脂されたカカオ固形物より、より高分子量のココアプロシアニジンを選択的に抽出する方法も提供する。この方法は、(a)カカオ固形物を酢酸エチルで抽出し;(b)抽出されたカカオ固形物を回収し;(c)高級オリゴマーにとって良好な溶剤である溶剤、例えば、アセトン、エタノール、および50%までの水を含むそれらの混合物により、回収したカカオ固形物を抽出し;(d)そのカカオ抽出物からカカオ固形物を分離し;(e)必要に応じて、そのカカオ抽出物を乾燥させる;各工程を有してなる。抽出は、好ましくは、約20℃から約50℃までで行われる。好ましくは、カカオ豆は、未発酵または不十分に発酵したカカオ豆であるが、発酵したカカオ豆を用いても差し支えない。カカオ抽出物は、少なくとも四量体およびそれより高級のオリゴマーから実質的になる。
本発明はさらに、ココアプロシアニジンを可溶化するのに適した溶剤またはその溶剤の水溶液を用いて、ある程度脱脂されたかまたは完全に脱脂されたカカオ固形物より、カテキン、エピカテキン、およびココアプロシアニジンを含むココアポリフェノールを、大気圧でまたは加圧下で、抽出する連続方法を提供する。この方法は、(a) 対向流方向に流動している溶剤に、様々な量のココアポリフェノールを含有するカカオ固形物が充填された一連のセルを接触させ、(b) カカオ抽出物を再利用する各工程を有してなる。好ましい溶剤としては、低級アルキルアルコール、低級アルキルケトン、および低級酢酸アルキルが挙げられる。適切な低級アルキルアルコールは、メタノール、エタノール、およびイソプロパノールである。エタノールが好ましい。適切な低級アルキルケトンはアセトンである。適切な低級酢酸アルキルは、酢酸メチルおよび酢酸エチルである。好ましくは、カカオ抽出物は、エピカテキン、カテキン、および/またはココアプロシアニジンを含むココアポリフェノールが、カカオ固形物より実質的にそれ以上抽出されなくなるまで再利用される。
カカオ抽出物は、溶剤がアルコールである場合「チンキ」と称される液体抽出物として、溶剤が除去される場合は水溶液として、または溶剤または溶剤と水が除去された後には水溶性乾燥粉末として有用である。溶剤が用いられる場合、カカオ抽出物は、溶剤を蒸発分離することにより乾燥される。溶剤水溶液が用いられる場合、カカオ抽出物は、水性抽出物を乾燥させる前に溶剤を蒸発分離することにより乾燥される。この水性抽出物は、凍結乾燥、噴霧乾燥、フラッシュ乾燥、またはドラム乾燥により乾燥しても差し支えない。
本発明は、カカオ豆から調製されたある程度脱脂されたかまたは完全に脱脂されたカカオ固形物から、ココアプロシアニジンおよびテオブロミンを回収する方法を提供する。この方法は、(a)約50℃から約70℃で、カカオ固形物をエタノールで抽出し;(b)このエタノール抽出物を、テオブロミンを沈澱させるのに十分な温度で十分な時間に亘り冷却し;(c)沈澱したテオブロミンを分離し;(d)必要に応じて、抽出物からエタノールを除去して、乾燥したココアプロシアニジンを回収する;各工程を有してなる。好ましくは、豆は、ローストされていない、未発酵または不十分に発酵したカカオ豆であるが、発酵したカカオ豆および発酵したローストされたカカオ豆を用いても差し支えない。
本発明はまた、ある程度脱脂されたかまたは完全に脱脂されたカカオ固形物より抽出されたココアプロシアニジン中のテオブロミンの量を最小にする方法を提供する。この方法は、カカオ固形物をイソプロパノールで抽出して、ココアプロシアニジンおよびテオブロミンを含有するアルコール抽出物を生成し;(b)テオブロミンを沈澱させるのに十分な温度で十分な時間に亘りアルコール抽出物を冷却し;(c)テオブロミンをアルコール抽出物から分離する;各工程を有してなる。
上述した方法において、冷却工程は、約12時間までの時間に亘り、0℃から約5℃で行われ、分離工程は、抽出物を濾過することにより、抽出物を遠心分離することにより、またはテオブロミンを適切な吸着剤上に吸着させることにより行われる。
抽出溶剤として100%エタノールを用いた、0℃、20℃、50℃、および70℃の温度の、単量体、五量体、および十量体のオリゴマー回収%への影響を示すグラフ 抽出溶剤として100%イソプロパノールを用いた、0℃、20℃、50℃、および70℃の温度の、単量体、五量体、および十量体のオリゴマー回収%への影響を示すグラフ 抽出溶剤として100%メタノールを用いた、0℃、20℃および50℃の温度の、単量体、五量体、および十量体のオリゴマー回収%への影響を示すグラフ アセトンおよびエタノールが、高級オリゴマーを抽出する上で最も効果的であることを示すグラフであって、回収は、標準的なアセトン:水:酢酸(70:29.5:0.5容積/容積)の収率%として報告されているグラフ 抽出溶剤としてアセトン:水:酢酸を用いて抽出された単量体およびプロシアニジンオリゴマーの量への発酵およびカカオ豆処理の影響を示すグラフであって、結果は、未発酵カカオ豆からの収率に対する%として報告されているグラフ 抽出溶剤として沸騰水を用いて抽出された単量体およびプロシアニジンオリゴマーの量への発酵およびカカオ豆処理の影響を示すグラフであって、結果は、未発酵カカオ豆からの収率に対する%として報告されているグラフ カカオ豆からポリフェノールを抽出するプロセスの流れ図 カカオ抽出物からテオブロミンを除去するプロセスを示す概略図であって、テオブロミンを含む溶剤蒸気が、三方弁を通って、左の冷却板に流動し、次いで、この流れは右側に切り換えられ、次いで、溶剤が左側からパージされ、冷却板の左のドアが開かれ、固形物の粗製テオブロミンが冷却板から掻き取られるかまたは溶剤により洗浄されて液体形態で回収され、同じ工程が、右側にも繰り返され、溶剤は回収される概略図 未発酵カカオ豆から調製されたカカオ固形物を50℃で酢酸エチルにより抽出することにより調製された抽出物を、酢酸エチルで抽出した乾燥カカオ固形物を、アセトン:水:酢酸(70:29.5:0.5)により抽出することにより調製された抽出物を比較した、カカオ固形物のオリゴマープロファイルのグラフであって、回収%は、未発酵カカオ豆からのカカオ固形物のアセトン:水:酢酸(70:29.5:0.5)抽出物と比較されているグラフ 溶剤として80%エタノール:20%水を用いて、発酵されたおよび不十分に発酵されたカカオ豆から調製されたカカオ固形物の抽出からの単量体およびオリゴマーの収率の比較
ココアプロシアニジンを含むココアポリフェノールは、以下に論じる方法により、いくつかのTheobroma cacao遺伝子型から得ることができる。そのモノマーとしては、(+)−カテキン、(−)−エピカテキンおよびそれらのそれぞれのエピ異性体(すなわち、(−)−カテキンおよび(+)−エピカテキン)が挙げられる。カカオ抽出物として同定されているプロシアニジンオリゴマーとしては、二量体から十八量体までが挙げられる。オリゴマーは、線状または枝分れであってもよい。線状4→8オリゴマーは、以下の構造:
Figure 2012211156
を有し、ここで、xが0−16の整数である。枝分れオリゴマーは、以下の構造:
Figure 2012211156
を有し、ここで、aおよびbは、独立して、0−15の整数である。
炭素−酸素の酸化結合により第2のフラボノイド間結合が形成されて、以下に示すように、A型のオリゴマーが形成されることによって、プロシアニジンオリゴマーに構造的バリエーションも生じるであろう(Porter等、「フラバンおよびプロアントシアニジン」Chapter Two in "The Flavonoids", Ed., J.B.Harborne, Chapman and Hall Ltd., London, 1988;Porter In Methods in Plant Biochemistry, Vol. I. Plant Phenolics. Dey and Harborne, Eds;Academic Press: San Diego, Ca, 1989)。この転化が複雑であるために、A型のプロアントシアニジンは、単結合のオリゴマーほど頻繁には生成されない:
Figure 2012211156
カカオ豆は、色に基づいて4つの範疇に分類できる:主にブラウン(完全発酵)、パープル/ブラウン、パープル(不十分な発酵)、およびスレート(未発酵)。好ましくは、ココアプロシアニジンの最大抽出に用いられるカカオ固形物は、未発酵または不十分に発酵したカカオ豆(すなわち、スレートカカオ豆、パープルカカオ豆、スレートカカオ豆とパープルカカオ豆との混合物、パープルカカオ豆とブラウンカカオ豆との混合物、またはスレートカカオ豆とパープルカカオ豆とブラウンカカオ豆との混合物)から調製される。より好ましくは、カカオ豆は、スレートおよび/またはパープルである。未発酵カカオ豆は、発酵カカオ豆よりもココアポリフェノールの含有量が多い(KimおよびKeeney J.Food Sci. 49 1090, 1984;Porter等、"Cacao Procyanidins: Major Flavonoids and Identification of Some Minor Metabolites" Phytochemistry, Vol.30, No.5, 1657-1663, 1991)。
カカオ豆またはそのブレンドのココアポリフェノールの含有量は、豆が275以下の発酵係数を有する場合により多い。この「発酵係数」は、カカオ豆の発酵を特徴付けるための等級付けシステムを用いて決定される。例えば、スレート豆は1で、パープル豆は2で、パープル/ブラウン豆は3で、ブラウン豆は4で示される。各々の範疇に入る豆の百分率に、重み付けられた数字を掛け合わせる。したがって、100%のブラウン豆の試料についての「発酵係数」は、100×4すなわち400であり、100%のパープル豆の試料については、100×2すなわち200である。50%がスレート豆で50%がパープル豆の試料は、150[(50×1)+(50×2)]の発酵係数を有する。
好ましくは、未発酵または不十分に発酵したカカオ豆が、無脂肪のカカオ固形物の重量に基づいて全ココアプロシアニジンを少なくとも1重量%、好ましくは、3−7重量%、より好ましくは、7−12重量%、最も好ましくは、13−17重量%含有する。
抽出に適したカカオ塊を調製する方法が米国特許第5554645号明細書(Romanczyk等に1996年9月10日に発行された)に記載されている。収穫されたカカオ鞘が開かれ、パルプを持つ豆が凍結乾燥のために取り出される。パルプは、凍結乾燥した塊から手作業で除去され、豆には以下の操作が施される。凍結乾燥したカカオ豆は、最初に、手作業で外皮がとられ、TEKMARミルにより微細な粉末物質に挽かれる。次いで、得られた物質は、例えば、溶剤として再蒸留ヘキサンを用いて、ソックスレー抽出により一晩脱脂される。残留した溶剤は、周囲温度で真空により脱脂物質から除去される。あるいは、カカオ豆は、発酵を遅らせる条件下で天日乾燥され、豆は、機械的に乾燥され、次いで、外皮が除去される。
ココアポリフェノールの含有量が多い、すなわち、ココアプロシアニジンの含有量が多い、ある程度脱脂されたかまたは無脂肪のカカオ固形物は、ロースト工程を行わずにカカオ豆またはカカオニブを処理し、次いで、豆をチョコレートリカーに挽き、ある程度脱脂されたカカオ固形物を回収することにより、または製粉工程を行わずに、ローストされた豆またはニブをある程度脱脂されたカカオ固形物にネジ・プレスすることにより得ることができる。このプロセスに、不十分に発酵したカカオ豆が用いられる場合には、プロシアニジンのさらに高いレベルが達成される。この方法は、伝統的なロースト工程を省いているので、ココアポリフェノールを保存する。この方法は、(a)一般に、赤外線加熱装置を約3から4分間使用して、含水量を約3重量%まで減少させ、カカオの殻を緩めるのにちょうど十分な内部豆温度までカカオ豆を加熱し;(b)カカオの殻からカカオニブを篩い分けし;(c)カカオニブをネジ・プレスし;(d)ココアプロシアニジンを含むココアポリフェノールを含有するある程度脱脂されたカカオ固形物およびカカオバターを回収する;各工程から実質的になる。必要に応じて、カカオ豆は、例えば、空気流動床密度分離器中で、加熱工程の前に洗浄される。好ましくは、カカオ豆は、約100℃から約110℃まで、より好ましくは、約105℃未満までの内部豆温度に加熱される。篩い分けは、空気流動床密度分離器中で行うことができる。カカオ豆を加熱して、含水量を減少させ、カカオの殻を緩める上記プロセスは、米国特許第6015913号明細書(Kealey等に2000年1月18日に発行された)に開示されている。
内部豆温度(IBT)は、魔法瓶のような断熱容器に豆(約80−100の豆)を充填することにより測定できる。加熱装置から魔法瓶に移送する最中の豆の温度を維持するために、その断熱容器は、その中にある試料の温度を維持するように適切に密封される。温度計を、豆が充填された断熱容器内に挿入し、温度計の温度を、魔法瓶中の豆と平衡にさせる。温度の読取値が豆のIBTである。IBTはまた、豆の平衡物質温度と考えても差し支えない。
本明細書の文脈において、以下の定義が適用される。ここに用いているように、「高級オリゴマー」は、プロシアニジン六量体から十量体以上を含み、「低級オリゴマー」は、二量体から五量体までのプロシアニジンを称する。ここに用いているように、「カカオ抽出物」は、脱脂されたカカオ固形物を溶剤または溶剤水溶液によりスラリーにし、カカオ固形物を除去して、液体抽出物を回収することにより、挽かれたカカオ豆、好ましくは、外皮がとられた豆から抽出された化合物の未特定混合物を含有する抽出物である。この液体抽出物は、当業者に知られている従来の方法により乾燥させても差し支えない。
抽出プロセスは、ある程度脱脂されたかまたは無脂肪のカカオ固形物を適切な溶剤または溶剤水溶液でスラリーにして、ココアポリフェノールを可溶化し、例えば、遠心分離により、溶剤相から抽出されたカカオ固形物を分離し、必要に応じて、溶剤を除去する各工程を有してなる。好ましくは、抽出プロセスは、連続プロセスである。
使用される溶剤は、カカオ固形物中に存在するエピカテキンおよびカテキンの単量体並びにココアプロシアニジンオリゴマーを可溶化する溶剤、好ましくは、食品等級の溶剤であって差し支えない。好ましくは、溶剤は、メタノール、エタノール、およびイソプロパノールのような低級アルコール、酢酸メチルまたは酢酸エチルのような酢酸エステル、およびアセトンからなる群より選択される。溶剤は、水溶液として用いても、または未希釈であっても差し支えない。意外なことに、好ましい水希釈は、使用される溶剤により異なる。
溶剤または溶剤水溶液の約2から約4までのpHへの酸性化は、抽出工程に用いられる溶剤に応じて、プロシアニジン抽出の効率を改善するかまたは減少させることがある。溶剤または溶剤水溶液中に0.5%の酢酸が存在するか否かにより、使用されている溶剤および溶剤濃度に応じて、抽出効果に様々な影響が与えられる。抽出に用いられる酸は、どのような非鉱酸であって差し支えない。好ましい酸は、蟻酸、クエン酸、リン酸および酢酸のような、食品等級または生理的に許容される酸である。抽出が高温で行われる場合には、酸は好ましくない。
カカオ抽出物からテオブロミンおよびカフェインを除去し、これらのメチルキサンチンを回収し、精製しても差し支えない。好ましい溶剤は、テオブロミンを廃棄すべきまたは回収すべきか否かにより異なる。テオブロミンを廃棄すべき場合には、最良の抽出溶剤は、低温のイソプロパノールである。しかしながら、テオブロミンを、精製のために回収すべき場合には、最良の溶剤はエタノールであり、抽出は、50−70℃の間で行うべきである。メチルキサンチンを除去するための最適条件は、テオブロミンを含まないカカオポリフェノール抽出物を生成する効果的かつ単純なプロセスを提供するように、プロシアニジンを抽出するための最適条件に対して釣り合わせなければならない。
あるいは、メチルキサンチンは、米国特許第5554645号明細書(Romanczyk等に1996年9月10日に発行された)に記載されているように、ゲル浸透クロマトグラフィーを用いて抽出物から除去しても差し支えない。手短に言えば、部分精製プロセスが、セファデックスLH20(28×2.5cm)の液体クロマトグラフィーを用いて行われる。分離は、脱イオン水中への段階勾配により補助される。最初の勾配組成は、脱イオン水中の15%メタノールから始まり、30分毎に段階的に、脱イオン水中の25%メタノール、脱イオン水中の35%メタノール、脱イオン水中の70%メタノール、最後に100%メタノールが続いた。カフェインおよびテオブロミンの溶離後の流出液は、1つの分画として集められ、これは、元の抽出物のキサンチンアルカロイドを含まない準分画を表す。
メチルキサンチンは、固体吸着剤上に吸着させることによりカカオ抽出物から除去しても差し支えなく、その後、カフェインおよびテオブロミンを実質的に含まないこの抽出物は、吸着剤から洗い流される。ポリマー樹脂および活性炭のような様々な固体吸着剤をこのプロセスに用いても差し支えない。好ましくは、吸着剤は、水中で実質的に中性である。中性樹脂吸着剤の一例には、半か焼樹脂ZE−340(ローム・アンド・ハース(Rohm & Haas)社により製造されている)がある。中性活性炭は、熱により活性化された炭の酸洗浄後に水で中性になるまで濯ぐことにより、または酸−活性炭の水性アルカリによる中和後に水で中性になるまで濯ぐことにより得ても差し支えない。
脱脂カカオ固形物の溶剤抽出は、バッチプロセスまたは連続プロセス、好ましくは、対向流プロセスのいずれを用いて行っても差し支えない。バッチプロセスにおいて、カカオ固形物からココアポリフェノールを抽出するには、溶剤対固形物の比が大きい必要がある。それに加え、プロシアニジンを含む利用可能なカカオポリフェノールの全てを抽出するには、いくつかの連続抽出が必要である。好ましい抽出方法は連続対向流抽出である。このプロセスにおいて、抽出の効率およびプロセスの対費用効果が最適化され、製造目的のために拡大することができる。カカオ固形物に溶剤を連続対向流方式で流動させると、溶剤は連続的に再利用できるので、溶剤対固形物の比をずっと大きくすることができる。それに加え、カカオ固形物を通る溶剤の連続流のために、二重溶剤抽出を行ったり、固形物を水性溶剤で洗浄したりして、全てのプロシアニジンがカカオ固形物から抽出されたことを確実にする必要がない。
以下に示されるように、プロシアニジン抽出の効果は、どの溶剤が使用されるかに応じて、著しく変わる。さらに、意外なことに、ある溶剤は高級オリゴマーを優先的に抽出する一方で、他の溶剤は、単量体および低級オリゴマーを優先的に抽出することが分かった。使用される溶剤の種類は、その溶剤が水溶液であるか否か、抽出が行われる温度、および他の要因にかかわらず、分子量の高いまたは低いプロシアニジンオリゴマーの選択的抽出に影響を及ぼし得る。一方が単量体および低級オリゴマーを抽出し、他方が高級オリゴマーを抽出する、2つの別々の溶剤により同じカカオ粉末の抽出を連続的に行うことにより、抽出物に高級および低級オリゴマーを分離する複雑な分離方法を行う必要なく、同じ抽出工程中に別々のプロシアニジン分画を得ることができる。したがって、本発明のさらなる実施の形態は、オリゴマーをクロマトグラフィーにより分離する費用のかかる複雑なプロセスではなく、大規模の一段階プロセスにおいて、カカオ固形物からオリゴマーを選択的に抽出できるプロセスにある。
試験方法
対照の抽出物
以下の具体例において、全ての溶剤抽出物は、具体例1のパートAに記載された方法を用いて調製した未発酵の凍結乾燥した脱脂カカオ豆を抽出することにより調製された対照抽出物と比較した。使用した溶剤は、70%のアセトン、29.5%の水、および0.5%の酢酸の混合物であった。全ての水溶液は、%(容積/容積)で表されている。10gの脱脂カカオ物質を100mlのこの溶剤混合物によりスラリーにし、50℃で5−10分間に亘り超音波処理した。このスラリーを15分間に亘り4℃、3000×Gで遠心分離し、上清をグラスウールに通した。粗製プロシアニジンの収率は、15−20%に及んだ。
プロシアニジンオリゴマーの分離および定量
以下の具体例において、以下に記載する分析方法を用いて、重合度により、カカオ抽出物中に単量体およびプロシアニジンオリゴマーを分離し、定量した。カカオ抽出物中のプロシアニジンオリゴマーを同定するための以下に記載された方法は、Hammerstone,J.F. et al, 「高速液体クロマトグラフィー/質量分析を用いたココアおよびチョコレート中のプロシアニジンの同定」("Identification of Procyanidins in Cocoa (Theobroma cacao) and Chocolate Using High-Performance Liquid Chromatography/Mass Spectrometry"), J.Ag.Food Chem.; 1999; 47 (10) 490-496に報告されている研究に基づくものである。以下に記載する分析方法を、Lazarus,S.A., et al. 「食品および飲料中のプロアントシアニジンの高速液体クロマトグラフィー/質量分析」("High-Performance Liquid Chromatography/Mass Spectrometry Analysis of Proanthocyanidins in Foods and Beverages"), J.Ag.Food Chem.; 1999; 47 (9); 3693-3701に報告されているように、様々な種類のプロアントシアニジンを含有すると報告されている幅広い食品および飲料の試料の定性研究に用いた。Lazarus等(1999)の方法は、選択性および感度が高いために、蛍光検出を用いた分析を報告した。
試料は、Adamson,G.E. et al., 「ココアおよびチョコレート試料中のプロシアニジンを定量するHPLC法および全抗酸化容量に対する相関関係」("HPLC Method for the Quantification of Procyanidins in Cocoa and Chocolate Samples and Correlation to Total Antioxidant Capacity"), J.Ag.Food Chem.; 1999; 47(10) 4184-4188に報告された分析方法を用いて分析した。次いで、試料を対照抽出物と直接比較して、対照抽出物中の単量体およびプロシアニジンオリゴマーに対する単量体およびプロシアニジンオリゴマーのレベルを正確に決定した。
抽出物中のプロシアニジン単量体およびオリゴマーの総量は、Adamson等に報告された方法を用いて決定しても差し支えない。しかしながら、試料レベルを対照抽出物のレベルと比較するにもかかわらず、試料は、単量体およびオリゴマーの各々の標準的な複合保存溶液と比較され、したがって、抽出物中に存在する各々のプロシアニジンの絶対量を計算することができる。標準的な複合保存溶液および校正曲線を、Adamson等に報告された方法により、単量体およびプロシアニジンオリゴマーについて作成した。
具体例
具体例1
この具体例は、様々な量のココアポリフェノールを含有するカカオ粉末の調製を説明するものである。
パートA−凍結乾燥カカオ豆からの調製
脱脂カカオ塊を調製する方法が、米国特許第5554645号明細書(Romanczyk等に1996年9月10日に発行された)に記載されている。別記しない限り、使用したカカオ豆は未発酵のスラウェシカカオ豆であった。それらを以下の様式で処理した。収穫したカカオ鞘を開き、パルプを持つ豆を凍結乾燥のために取り出した。凍結乾燥した物質からパルプを手作業で除去し、豆に以下の操作を行った。最初に、凍結乾燥したカカオ豆から手作業で外皮をとり、TEKMARミルにより微細な粉末に挽いた。次いで、得られた物質を、溶剤として再蒸留ヘキサンを用いて、ソックスレー抽出により一晩脱脂した。残留した溶剤は、周囲温度で真空により脱脂物質から除去した。
パートB−ローストしたカカオ豆からの調製
カカオ豆を、95℃から160℃までの内部豆温度にローストし、ローストしたカカオ豆からカカオニブを篩い分けし、ローストしたカカオニブをチョコレートリカーに粉砕し、このリカーを圧搾してカカオバターを抽出し、カカオバターおよびある程度脱脂したカカオ固形物を回収する各工程を有してなる従来の方法により、西アフリカ産のカカオ豆を用いて、カカオ粉末を調製した。パートAに先に記載したように、溶剤としてヘキサンを用いて、このカカオ固形物をさらに脱脂しても差し支えない。
パートC−ローストしていないカカオ豆からの調製
ココアポリフェノールの含有量が多い、すなわち、ココアプロシアニジンの含有量が多いある程度脱脂されたカカオ固形物を、豆またはニブのロースト工程を行わずに、また、所望であれば、豆をチョコレートリカーに製粉する工程を行わずに、すなわち、豆をネジ・プレスして、カカオバターおよびある程度脱脂したカカオ固形物を提供することにより、天日乾燥した未発酵のスラウェシカカオ豆をカカオ固形物に加工することにより得た。伝統的なロースト工程を省いたので、ココアポリフェノールが保存された。この方法は、(a)含水量を約3重量%まで減少させ、カカオの殻を緩めるのにちょうど十分な内部豆温度までカカオ豆を加熱し;(b)カカオの殻からカカオニブを篩分けし;(c)カカオニブをネジ・プレスし;(d)ココアプロシアニジンを含むココアポリフェノールを含有するある程度脱脂したカカオ固形物およびカカオバターを回収する;各工程を有してなる。一般に、加熱は、赤外線加熱装置内で約3から4分間に亘り行った。必要に応じて、例えば、空気流動床密度分離器内で、加熱工程の前にカカオ豆を洗浄した。好ましくは、カカオ豆を、約100℃から約110℃、より好ましくは、約105℃未満までの内部豆温度まで加熱した。篩分けは、空気流動床密度分離器内で行っても差し支えない。カカオ豆を加熱して、含水量を減少させ、カカオの殻を緩める上記工程は、米国特許第6015913号明細書(2000年1月18日に発行された)に開示されている。
具体例2
この具体例において、50℃での様々な溶剤および水性溶剤の有効性を研究した。抽出に用いた溶剤、並びに溶剤のpHを変更した。異なる溶剤の有効性を評価するために、抽出物を比較した。
抽出は、具体例1のパートAに記載したような、未発酵の凍結乾燥した脱脂カカオ豆から調製したカカオ固形物を用いて調製した。10gの脱脂カカオ物質を、50℃で5−10分間に亘り100mlの溶剤によりスラリーにした。酸性溶剤に関して、溶剤および水性溶剤に0.5%の酢酸を加えた。使用した溶剤は、エタノール、メタノール、イソプロパノール、およびアセトンであった。水に対する溶剤の比率は様々であった。このスラリーを5分間に亘り周囲温度において、3000×Gで遠心分離し、上清を0.45マイクロメートルのフィルタに通した。抽出したプロシアニジンの量およびカカオ抽出物のオリゴマープロファイルを、上述した分析方法を用いて決定した。検出した各々のオリゴマーの量は、上述した対照抽出物を用いて抽出した同じオリゴマーの量の百分率として表した。
イソプロパノール
イソプロパノールの結果が、表1(酸性)および2(非酸性)に示されている。
Figure 2012211156
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水性イソプロパノールの全ての希釈について、オリゴマーのサイズが上昇すると、プロシアニジンの抽出が著しく減少した。80%イソプロパノールおよび20%水の溶液が最も効果が小さかった。50%、60%、および70%のイソプロパノール溶液は、十量体は別として、全てのオリゴマーについて最も効果的であった。十量体については、100%イソプロパノールが最も効果的であった。単量体および低級オリゴマー(五量体まで)については、50−70%のイソプロパノール溶液が、80%および100%のイソプロパノールの二倍以上も効果的であった。
これらの結果は、酸を加えると、全ての水性希釈物(50%、40%、30%、および20%の水)でオリゴマー抽出が全体に増加したことを示している。しかしながら、80%のイソプロパノールに酸を加える効果は、抽出された低級オリゴマーの量を二倍にしたが、抽出された高級オリゴマーの量はほとんど変わらないままであった。
メタノール
メタノールの結果が、表3(酸性)および4(非酸性)に示されている。
Figure 2012211156
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これらのデータは、70%および80%のメタノールを用いた場合、低級オリゴマーの抽出が最良であり、100%のメタノールを用いた場合には、高級オリゴマーの抽出が大きかったことを示している。五量体よりも大きいオリゴマーについては、低濃度のアルコールは、オリゴマーのサイズが上昇するにつれ、効果的ではなくなった。
酸を加えると、オリゴマーの収率が上昇した。しかしながら、100%のメタノールは、酸の存在の影響を受けなかった。
アセトン
アセトンの結果が、表5(酸性)および6(非酸性)に示されている。
Figure 2012211156
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より低いアセトン濃度(50および60%)について、抽出効率はオリゴマーのサイズと共に増加した。80%および100%のアセトンについては、抽出効率はオリゴマーのサイズと共に減少した。
エタノールの結果が、表7(酸性)および8(非酸性)に示されている。
Figure 2012211156
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これらの結果は、エタノールがエタノール水溶液よりも良好であり、酸性エタノールが非酸性エタノールよりも良好であったことを示している。これらのデータは、70%および80%のエタノールを用いた場合、低級オリゴマーの抽出が最良であり、100%のエタノールを用いた場合、高級オリゴマーの抽出のほうが優れていたことも示している。五量体よりも大きいオリゴマーについて、アルコール濃度が低いと、オリゴマーのサイズが上昇するにつれ、効果的ではなくなった。
したがって、100%の溶剤または水性溶剤混合物を使用するか否かの選択は、カカオ抽出物中の望ましいプロシアニジンのオリゴマープロファイルに依存する。
具体例3
メタノール、エタノール、およびイソプロパノールを用いたココアプロシアニジンの抽出への温度の影響を決定するために実験を行った。沸点が64℃であるメタノールを除いて、温度が0℃、20℃、50℃および70℃であったことを別にして、上述したように抽出を行った。これらの結果が表9−11に示されている。
Figure 2012211156
Figure 2012211156
Figure 2012211156
100%のイソプロパノールを用いた場合、抽出効率は、全てのプロシアニジンオリゴマーについて、抽出温度が上昇するにつれて劇的に増加した(図1B参照)。100%のメタノールを用いた場合、抽出効率は、全てのオリゴマーについて、50℃までは増加した(図1A参照)。100%のエタノールを用いた場合、温度の影響は、オリゴマーのサイズにより異なった。例えば、単量体の収率は温度の影響を受けず、二量体から七量体までの収率は、温度が0℃から20℃まで上昇するにつれて増加し、高級オリゴマー(八量体から十量体まで)の収率は、温度が0℃から20℃まで上昇した時に実質的に増加したが、20℃を超えると、収率は減少した(図1C参照)。
溶剤の概略の比較は図2を参照のこと。各々の溶剤について、全体的に最良のプロシアニジン収率を与えた希釈を選択した。見て分かるように、単量体および六量体までのオリゴマーの収率の差は、溶剤間では大幅には変わらなかった。しかしながら、高級オリゴマーについて、ある溶剤は低級オリゴマーを優先的に抽出し、他の溶剤は、高級オリゴマーを優先的に抽出したことが明からになった。例えば、イソプロパノールは、単量体および低級オリゴマーにとって非常に効果的な溶剤であったが、その効果は、高級オリゴマーになると劇的に低下した。これとは反対に、エタノールは、単量体および低級オリゴマーを抽出するには最も効果のない溶剤であったが、高級オリゴマーの抽出には非常に効果的であった。
具体例4
この具体例において、プロシアニジンの収率への発酵の影響を研究した。以下の群のカカオ豆からのプロシアニジンの回収レベルにおける差を研究した:1)具体例1のパートAの方法により凍結乾燥し、粉砕した未発酵カカオ豆;2)未発酵カカオ豆について用いたものと同じ方法を用いたカカオ固形物に加工した発酵カカオ豆。ほとんどの豆の品種について、正常に発酵するのに必要な時間は、多量のカカオ鞘のサイズおよび鞘が転がされる頻度により異なる。豆が軽く発酵するのには約3日間かかり、完全に発酵するには5日から7日間かかり、8日を超えると、豆は発酵しすぎるであろう。第3の群のカカオ豆は、発酵も、ローストもしなかった。カカオ豆を鞘から取り出し、天日乾燥し、米国特許第6015913号明細書(Kealey等)に開示された方法にしたがって加工した。外皮は、篩分け工程で殻をニブから分離できるように、含水量を減少させ、カカオの殻を緩めるのに十分な時間と温度だけカカオ豆を加熱することにり、除去した。豆は、具体例1の方法により粉末まで実質的に減少した。溶剤が70%のアセトン、29.5%の水および0.5%の酢酸の混合物である「対照」抽出方法を用いて、ココアプロシアニジンを抽出した。各々の抽出物中に存在したプロシアニジンの単量体およびオリゴマーの各々の量は、先に記載した分析方法を用いて決定した。
図3に示したように、発酵カカオ豆からの抽出物は、未発酵カカオ豆から調製した抽出物よりも75から100%少ないココアプロシアニジンを含有していた。プロシアニジンの相対的な損失は、オリゴマーのサイズと共に増大した。殻を除去するために豆を加熱すると(米国特許第6015913号明細書におけるように)、ココアプロシアニジンのレベルが減少した抽出物が得られた。加熱されたカカオ豆からのカカオ抽出物は、未発酵の手作業で外皮が取られたカカオ豆からのカカオ抽出物中に見られるものの10−50%の範囲にあるレベルのプロシアニジンオリゴマーを含有していた。
これらの結果は、カカオ豆の発酵およびその後の加工には、溶剤の選択よりも、抽出物のプロシアニジン含有量にずっと劇的な影響があることを示している。
具体例5
溶剤として沸騰水を用いることにより抽出方法を変えたが、同じ群の豆を用いて、具体例4の実験を繰り返した。図4から分かるように、溶剤として水を用いると、ココアプロシアニジンの全体的な収率が劇的に減少した。損失はオリゴマーのサイズと共に上昇し、高級オリゴマーは、沸騰水を用いては抽出されなかった。
具体例6
この具体例は、熱いエタノール水溶液が好ましい溶剤である、明治製菓社により所有されている一連の日本国特許出願および同特許に記載されている抽出プロセスを繰り返す比較例である。1997年8月12日に発行された特開平9−206026号;1995年10月24日に発行された特開平7−274894号;1997年9月2日に発行された特開平9−224606号の各公報を参照のこと。これらの公報において、豆が発酵され、ローストされたか否かは開示されていない。おそらく、カカオ豆には、「伝統的な」発酵が行われ、その後、外皮の除かれた豆を回収するために、カカオ豆をローストし、篩分けされたであろう。先に示したように、発酵およびローストにより、カカオ豆中のプロシアニジンの利用できる供給が消耗する。
抽出が、米国特許第6015913号明細書(Kealey等)の方法により加工されたローストされていないカカオ豆であって、(a)発酵したもの、(b)不十分に発酵したもの、および(c)未発酵のものを用いて行った場合に得られる抽出物のプロシアニジンの量およびオリゴマーのプロファイルを比較するために、実験を行った。カカオ固形物は、具体例1のパートAに記載した方法により3つの群の豆から調製した。各々の群から2つの抽出物を作製した。第1の抽出物は、アセトン/水/酢酸(70%/29.5%/0.5%)の標準的な溶剤混合物を用いて、50℃で調製した。第2の抽出物は、溶剤として80%のエタノールおよび20%の水の混合物を用いて、80℃で調製した。エタノール水溶液による抽出物中に存在する各々のオリゴマーの量を、標準的なアセトン/水/酢酸による抽出物中に存在するオリゴマーの量の百分率として報告した。
これらの結果が表12に示されている。
Figure 2012211156
これらの結果は、発酵豆を用いて抽出を行った場合、プロシアニジンの収率が劇的に減少したことを示している。さらに、発酵豆からの抽出物中には、高級オリゴマーは実質的になかった。溶剤として100%のエタノールを使用すると、九量体および十量体の収率が非常に高くなった(標準的な溶剤についての100%と比較して、九量体では103%、十量体では110%)。80%のエタノールによる抽出では、標準的な溶剤についての100%と比較して、収率がずっと低かった(九量体では37%、十量体では18%)。
具体例7
対向流抽出方法を用いたカカオ粉末からのココアプロシアニジンの抽出
連続対向流抽出プロセスにおいて、有機溶剤または水性有機溶剤が、ある程度脱脂されたカカオ固形物を含有する複数のセルを有してなる抽出システムを流れる。この有機溶剤または水性有機溶剤混合物は、カカオ固形物の最も抽出されたバッチを含有するセルから抽出システムに進入し、連続セル中に含まれるカカオ固形物の次第に新しくなるバッチを通過し、カカオ固形物の最も新しいバッチを含有するセルから最終的に流出する。このように、溶剤および抽出すべき固形物は、互いに対向流となる抽出システムを通って移動する。最も抽出されたカカオ固形物を含有するセルに進入する溶剤混合物の温度は、約20℃から約100℃まで、好ましくは、大気圧での約50℃から約95℃まで、もしくは、抽出が加圧下で行われる場合には、それより高くてもよい。溶剤は、気相ではなく、液相状態にあるべきであり、したがって、反応温度は溶剤の沸点未満であるか、反応は加圧容器中で行わなければならない。上記バッチプロセスにおいて生成された実験データは、抽出プロセスは高温でより効果的であることを示しているので、高圧で対向流抽出を行うのが好ましいかもしれない。セルの数とサイクルの時間は、カカオ固形物からの抽出プロシアニジンの最大収率を与えるように選択される。抽出物のプロシアニジン含有量は、連続対向流システム中で抽出物を再利用することにより濃縮される。そのようなシステムにおいて、抽出物は、一連のセルを連続的に通過する。最も抽出されたカカオ固形物を含有するセルを、定期的にこのシステムから取り外し、新しいカカオ固形物を含有するセルを加える。一連のセルの最適数および各々のサイクルの長さは、カカオ固形物の粒径および温度や圧力のような抽出パラメータにより異なる。最適条件を決定する方法は、当業者によく知られている。ここに引用する、"Unit Operations of Chemical Engineering" 3rd Edition, Chapter 7, Eds.McCabe,W., and Smith J., McGraw Hillを参照のこと。
具体例8
プロシアニジンオリゴマーのサイズによる選択的抽出
この具体例は、主に高分子量のココアプロシアニジンオリゴマーを含有する抽出物、または主に低分子量のココアプロシアニジンオリゴマーを含有する抽出物が、特定のプロシアニジンオリゴマーを優先的に可溶化する溶剤を選択的に使用することにより、どのように得ることができるかを示している。
具体例1に記載された方法により未発酵カカオ豆から得た1gのカカオ粉末を、50℃で100%の酢酸エチルにより三回抽出した。抽出物は、乾燥するまで真空下で回転蒸発により組み合わせ、濃縮した。乾燥した抽出物を、標準的なアセトン/水/酢酸(70%/29.5%/0.5%)溶剤10mlにより戻し、精製し、先に説明したようにオリゴマー含有量について分析した。次いで、酢酸エチルにより抽出したカカオ固形物を真空オーブン内で一晩乾燥させて、残留溶剤を全て除去した。乾燥固形物を、50℃で標準的なアセトン/水/酢酸(70%/29.5%/0.5%)溶剤により抽出し、精製し、先に説明したようにオリゴマー含有量について分析した。両方の抽出物のオリゴマー含有量は、50℃で、標準的なアセトン/水/酢酸(70%/29.5%/0.5%)溶剤を用いて未発酵カカオ豆から調製した抽出物のオリゴマー含有量の百分率として求めた。それらの結果が表13に示されている。
Figure 2012211156
表13および図7から分かるように、溶剤として酢酸エチルを使用すると、単量体および低級オリゴマーのみが抽出され、抽出されたカカオ固形物中に高級オリゴマーの全てが残った。次いで、高級オリゴマーを、標準的なアセトン/水/酢酸(70%/29.5%/0.5%)溶剤または100%エタノールを用いて効率的に抽出した。
具体例7
カカオ抽出物からのテオブロミンの除去
これらの実験において、異なる温度で様々な溶剤を用いて、カカオ固形物からココアプロシアニジンを抽出した。次いで、これらの抽出物を分析して、カカオ抽出物中に存在するカフェインおよびテオブロミンの量を定量した。使用した溶剤は、イソプロパノール、エタノールおよびメタノールであった。抽出は、具体例1に記載された方法を用いた、0℃、20℃、50℃および70℃で行った。
それらの結果が表14に示されている。
Figure 2012211156
テオブロミンの収率は、溶剤としてエタノールを用いたときに最大であり、溶剤としてイソプロパノールを用いた的に最小であった。この収率は、温度が上昇するにつれて増加した。これらの結果は、テオブロミンは、エタノール中で最も可溶性であり、イソプロパノール中では可溶性が最も小さく、溶解度は温度と共に増加することを示している。
テオブロミン抽出を最小にするため、したがって、抽出物からのテオブロミンの除去を促進するためには、最適な抽出は、最も低い温度でイソプロパノールにより行われる。したがって、プロシアニジンが抽出される。次いで、テオブロミンは、約0℃−4℃で抽出物を一晩冷却することにより抽出物から沈澱し、抽出物を濾過することにより回収される。
カカオ豆から最大量のテオブロミンを回収するために、理想的な抽出は、50℃−70℃の間でエタノールにより行われる。抽出後、エタノールによる抽出物は0−5℃に冷却される。このことにより、テオブロミンが沈澱するはずである。テオブロミンは、濾過により、連続遠心機中の遠心分離により、または中性吸着剤上への吸着とその後の溶離により、分離される。
好ましくは、テオブロミンは、閉塞容器内にある冷却板のシステムにテオブロミンを含む溶剤蒸気を通過させることにより、粗製固形物として収集される(図6に図示したように)。次いで、溶剤はそのシステムからパージされ、その後の使用のために、回収される。一方で、粗製テオブロミンは、冷却板からすくい取られ、水溶液中に溶解される。精製された薬剤等級のテオブロミンは、前記テオブロミンを再結晶化させ、その結晶を乾燥させ、二重蒸留された脱イオン水中に結晶を再溶解することにより得られる。
このように本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明したが、添付の特許請求の範囲により定義される本発明は、上述した説明に述べられた特定の詳細により制限されるべきものではなく、本発明の精神すなわち範囲から逸脱せずに、できるだけ多くの明白な変更例が可能であることを理解すべきである。

Claims (15)

  1. カテキン、エピカテキンおよび低分子量ココアプロシアニジン二量体および三量体を含むカカオ抽出物であって、酢酸メチルおよび酢酸エチルから選択される溶剤によりある程度または完全に脱脂されたカカオ固形物を抽出する工程を含む方法により得られることを特徴とするカカオ抽出物。
  2. 前記カカオ固形物が、ローストされていないカカオ豆から調製されたものであることを特徴とする請求項1記載のカカオ抽出物。
  3. 前記カカオ豆が、未発酵または不十分に発酵したカカオ豆であることを特徴とする請求項2記載のカカオ抽出物。
  4. 前記カカオ豆が、275以下の発酵係数を有することを特徴とする請求項3記載のカカオ抽出物。
  5. 前記カカオ豆が、スレートカカオ豆、パープルカカオ豆、またはパープルブラウンカカオ豆、もしくはスレートカカオ豆とパープルカカオ豆との混合物、パープルカカオ豆とブラウンカカオ豆との混合物、もしくはスレートカカオ豆とパープルカカオ豆とブラウンカカオ豆との混合物であることを特徴とする請求項2記載のカカオ抽出物。
  6. 前記抽出が、約20℃から約50℃までの温度で行われることを特徴とする請求項1記載のカカオ抽出物。
  7. 前記抽出が、約50℃の温度で酢酸エチルにより行われることを特徴とする請求項1記載のカカオ抽出物。
  8. さらにココアプロシアニジン四量体、五量体、六量体および七量体を含むことを特徴とする請求項1記載のカカオ抽出物。
  9. 前記溶剤が、食用酸または生理学的に許容される酸により約2から約4のpHまで酸性化されていることを特徴とする請求項1記載のカカオ抽出物。
  10. 高分子量ココアプロシアニジンオリゴマーを含むカカオ抽出物であって、
    (a) ローストされていないカカオ豆から調製された、ある程度脱脂されたまたは完全に脱脂されたカカオ固形物を、酢酸エチルで抽出し;(b)抽出されたカカオ固形物を回収し;(c)回収されたカカオ固形物を、アセトン、エタノールおよびそれらの水性混合物から選択される溶剤で抽出し;(d)カカオ抽出物からカカオ固形物を分離し;(e)必要に応じて、前記カカオ抽出物を乾燥させる;各工程を含む方法により得られることを特徴とするカカオ抽出物。
  11. 前記カカオ豆が、未発酵または不十分に発酵したカカオ豆であることを特徴とする請求項10記載のカカオ抽出物。
  12. 前記カカオ豆が、275以下の発酵係数を有することを特徴とする請求項11記載のカカオ抽出物。
  13. 前記カカオ豆が、スレートカカオ豆、パープルカカオ豆、またはパープルブラウンカカオ豆、もしくはスレートカカオ豆とパープルカカオ豆との混合物、パープルカカオ豆とブラウンカカオ豆との混合物、もしくはスレートカカオ豆とパープルカカオ豆とブラウンカカオ豆との混合物であることを特徴とする請求項11記載のカカオ抽出物。
  14. 前記抽出が、0℃から使用される溶剤の沸点までの温度で行われることを特徴とする請求項10記載のカカオ抽出物。
  15. 前記溶剤が、食用酸または生理学的に許容される酸により約2から約4のpHまで酸性化されていることを特徴とする請求項10記載のカカオ抽出物。
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