JP2012210902A - 自動2輪車の排気装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エンジン3に直立した気筒部22を備え、気筒部22の背面から延出する排気管20を、第1後方延出部30,前方延出部31,横延出部32,第2後方延出部33で気筒部22の周囲を巻回するように設け、気筒部22の後端から第2後方延出部34*として後方へ直線的に延出させてマフラー21へ接続する。このようにすると、後方排気にもかかわらず、排気管20の排気管長を十分に長くでき、かつシート18の下方にとぐろレイアウトしないので、補機のための十分な配置スペースを確保できる。
【選択図】図3
Description
このため、後方排気形式エンジンにおいて、エンジン周辺に排気管及び補機を配置する場合、エンジンの出力向上を図るため排気管長を所定長さを維持しつつ、補機を排気管と十分に離して配置できるような補機の配置スペース確保が課題となっていた。
前記排気管は上流端が前記気筒部の車両後方側に接続し、前記気筒部を周回して車体後方側へ延出することを特徴とする。
前記排気管の下流端が接続される消音器とを備え、
前記排気管は、前記気筒部の後部から後方へ延出した後、前方へ湾曲して前記気筒部の一側を通り、前記エンジンの前方にて前記気筒部の他側側へ曲がり、さらに後方へ湾曲して前記気筒部の他側を通り、後方へ延出して前記消音器へ接続することを特徴とする。
図1は、第1実施例に係る自動2輪車の全体側面図である。この自動2輪車は、前輪1及び後輪2の間にエンジン3を配置し、車体フレーム4に支持させてある。車体フレーム4はヘッドパイプ5から左右一対をなして斜め下がり後方へ延びるメインフレーム6と、ヘッドパイプ5からメインフレーム6の下方へ斜め下がり後方へ延出する左右一対のエンジンハンガ7と、メインフレーム6の後端から下方へ延出する左右一対のピボットプレート8と、メインフレーム6の後部に設けられた上方へ突出するシートステー6aから斜め上方へ延出する左右一対のシートレール9を備える。9aはシートレール9を補強するバックステーである。
18はシートであり、シートレール9に支持され、シート18とエンジン3の間には後輪2の上下動を許容する十分な空間が確保されている。シート18の下方にはリヤフェンダ19が設けられている。リヤフェンダ19は後輪2の上方に位置し、リヤカウルの一部(底部)をなしている。
マフラー21の後端部には排気口21a(図4参照)が車体後方かつ下方へ向いて開口され、車体後方へ排気するようになっている。排気口の位置はシート18に着座したライダー(図示省略)に対する熱影響の少ない位置に設定され、しかも、シート18の下方空間に熱がこもりにくいように配慮されている。
これらの図において、エンジン3は、側面視で上方側が後方へやや傾いて起立する後傾した気筒部22とクランクケース23を備える。気筒部22はシリンダブロック24,シリンダヘッド25及びヘッドカバー26を備える。
シリンダヘッド25は後方側に排気通路27(図3参照)を備える。この排気通路27に排気管20の排気上流側端部が接続している。
排気管20は複数に分割されたパイプを接続して連続させた管路であり、分割は各部の曲がりを考慮した成形性より適宜に行われる。
前方延出部31は側面視において、シリンダブロック24の左側面を前方へ斜め上がりに横切り、クランクケース23の上面とシリンダブロック24の接合線にほぼ沿っている。
エンジンハンガ7はラジエーター15の後方かつ気筒部22の前方にてメインフレーム6から下方へ延出し、下端部にてクランクケース23の前端上部を支持している。エンジンハンガ7の後部は前方へ湾曲しており、このエンジンハンガ7の湾曲部と気筒部22の前面及びクランクケース23の前端上部に囲まれた空間29が設けられ、この空間29内へ前方延出部31が配設される。
横延出部32の右側部分は、吸気管41の下方から車体右側へ向かって前方へ凸に湾曲しながら延び、気筒部22の前端部右側方にて右側のメインフレーム6の下方へ重なり、ここで第2後方延出部33の上流側端部へ連続する。
マフラー接続部34は平面視で内側へ曲がって斜め後方へ延び、右側のメインフレーム6よりも車体内側へ入り込み、かつ第1後方延出部30よりも後方へ長く延出してマフラー21へ接続する。マフラー21の前端部位置はクランクケース23の後端部位置とほぼ同じになっている。なお、マフラー接続部34の側面視は、第2後方延出部33から連続してほぼ直線的に延び、第2後方延出部33の延長部をなしている。
また、第1後方延出部30と前方延出部31からなる部分の側面視において、シリンダ軸線L1と平行な方向における排気管20の上下方向幅、すなわちシリンダ軸線L1と平行な方向において第1後方延出部30の最上部となる部分と、前方延出部31の最下部をなす部分との幅hは、略1/2Hである。
また、熱がこもりやすいシート18下方空間内へとぐろレイアウトしないので、シート18、リヤフェンダ19及び緩衝器14の間に十分なスペースを確保して、とぐろレイアウトの排気管に起因する熱害対策が不要になり、シート18下方空間における緩衝器14等の補機のレイアウトを容易にすることができる。なお補機は緩衝器14に限らず、排気管20の排気熱による影響を回避する必要があるものを含む。
そのうえ、従来の気筒部前部から前方へ排気管を延出させる場合と同様な排気管のレイアウトが可能となるので、緩衝器14(補機)の配置スペースを確保しつつエンジン3の周辺に排気管20を集中レイアウトできるようになり、とぐろレイアウト部の後方へ、その熱対策のための所定間隔をもって緩衝器を配置する場合と比べて、緩衝器14(補機)を車体前方へ配置できるから、車体の前後方向を短縮して車両の大型化を抑制できる。
吸気管41は、斜め上がりに前方へ突出してエアクリーナ42の背面から内部へ入り、エアクリーナ42内のクリーンルームへ開口し、ここから浄化空気を吸気通路28へ吸気するようになっている。
また、排気管20が気筒部22の上下幅H内にて周回し、特に、燃焼室のあるシリンダヘッド25とシリンダブロック24を周回して排気管20で暖めるので、排気熱により始動時の暖機を促進できる。
また、エアクリーナ42は左右のメインフレーム6間に収容され、エアクリーナ42の上端部に設けられたフランジ44が左右のメインフレーム6のフランジ44上に重なることによって、エアクリーナ42が左右のメインフレーム6に支持されている。
ラジエーター15はエアクリーナ42並びに気筒部22の前方へ、側面視で後方斜め下がりに配置され、下端部はクランクケース23の前側上部近傍に位置する。
この例では、横延出部32の長さ方向中間部を分割部50で左部分51と右部分52に分割し、それぞれの対向する端部に設けられた接合フランジ53,54を合わせてボルト55及びナット56で締結することにより、連続一体化される。
左半部20L及び右半部20Rはそれぞれの長さ方向をさらに複数に分割して連結した構成でもよい。もちろん、左半部20L及び右半部20Rをそれぞれ単一管構成としてもよい。
また、曲がりのきつい部分を分割することになるので、排気管20の形成が容易になり、左半部20Lと右半部20Rをそれぞれ単一管として形成することも容易になる。
さらに、前実施例と同様の効果を享有できる。
前方延出部31は側面視(図7)で略くの字状に曲がり、上流側から順にP1,P2,P3の屈曲点を有する。
屈曲点P1は第1後方延出部30との接続部近傍となる、シリンダブロック24の左側面後部近傍にある。
屈曲点P2は前方延出部31の長さ方向中間部であって、クランクケース23の前側上部近傍にあり、ここから屈曲してより急角度で下方へ延出する。
屈曲点P3はクランクケース23の前側下端部近傍にあり、ここから横延出部32が下方かつ車体内方へ向かって曲がる。
上流部31Aは屈曲点P1とP2間の部分であり、下流部31Bは屈曲点P2とP3間の部分である。上流部31Aと下流部31Bは連続した単一管をなす。
上流部31Aは、下流部31Bよりも緩傾斜で、シリンダブロック24及びクランクケース23の左側面上部を斜めに横切る。
下流部31Bは上流部31Aよりも急傾斜をなし、クランクケース23の前面23aの前方を下方へ延びる。
前面23aは垂直な立て壁状をなし、この前方へ空間を形成することにより、下流部31B及び横延出部32をレイアウト容易にしている。
また、横延出部32の最下部には、前実施例同様の分割部を設けて、接合フランジ53・54により結合するようにしてもよく、このようにすると、前実施例と同様に組付け及びメンテナンスを容易にする効果を期待できる。
拡大室60は触媒室または副消音室として、横延出部32よりも大径の筒状をなし、長さ方向を左右へ向けてクランクケース23の前方かつラジエーター15の下端部下方に配置される。なお、拡大室60の形状は自由であり、円筒状ばかりでなく角筒状等の容積を拡大したチャンバ構造が可能である。
また、拡大室60をラジエーターの下方かつエンジン前方に配置することにより、ラジエーターとの干渉を防止できるうえに、空き空間を有効利用してスペース効率よく配置できる。そのうえ、ラジエーター15に対する排気管20の熱影響を抑制する等の前実施例の効果も享有できる。
ており、排気管に分割部を設けた点のみを変更してある。
この例では、排気管20は、気筒部22の左右側方で分割してある。車体左側では第1後方延出部30下流側端部と前方延出部31の上流側端部とを気筒部22の後部側方に結合している。この結合は第2実施例(図5・図6)と同様であり、第1後方延出部30と前方延出部31との分割部50Aにおいてそれぞれの対向する端部に設けられた接合フランジ53,54を合わせてボルト55及びナット56で締結することにより分離可能に結合される。第1後方延出部30と前方延出部31とを分割すると、曲がりのきつい第1後方延出部30を前方延出部31と別に製造できるので製造上有利になる。また、同じく曲がりのきつい横延出部32を前方延出部31と分割して結合するようにしてもよい。
なお、第2後方延出部33とマフラー接続部34との間に分割部を設けて分離可能に結合してもよい。
すなわち、横延出部32をなし、触媒室または副消音器室である拡大室60を挟んで位置する左部分61と右部分62を前方延出部31と第2後方延出部33とそれぞれ分離可能に結合したものである。左部分61は前方延出部31との間に分割部50Cが設けられ、対向する各端部に設けた接合フランジ53,54を合わせてボルト55及びナット56で締結することにより、拡大室60の左側方にて分離可能に結合されている。
右部分62は第2後方延出部33との間に分割部50Dが設けられ、対向する各端部に設けた接合フランジ53,54を合わせてボルト55及びナット56で締結することにより、拡大室60の右側方にて分離可能に結合されている。
なお、本願発明は上記の各実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
Claims (11)
- 前後輪間に気筒部(22)を有するエンジン(3)を搭載し、前記気筒部(22)に一端を連結された排気管(20)から排気するようにした自動2輪車の排気装置において、
前記排気管(20)は上流端が前記気筒部(22)の車両後方側に接続し、前記気筒部(22)を周回して車体後方側へ延出することを特徴とする自動2輪車の排気装置。 - 前記気筒部(22)の車両前方側に下流側端部が接続される吸気管(41)と、
前記排気管(20)の下流端が接続される消音器(21)とを備え、
前記排気管(20)は、前記気筒部(22)の後部から後方へ延出した後、前方へ湾曲して前記気筒部(22)の一側を通り、前記エンジン(3)の前方にて前記気筒部(22)の他側側へ曲がり、さらに後方へ湾曲して前記気筒部(22)の他側を通り、後方へ延出して前記消音器(21)へ接続することを特徴とする請求項1に記載した自動2輪車の排気装置。 - 前記排気管(20)は、前記エンジン(3)の前方で分割されて、分離可能に結合されることを特徴とする請求項1又は2に記載した自動2輪車の排気装置。
- 前記排気管(20)は、前記エンジン(3)の左右側方のうち少なくともいずれか一方で分割されて、分離可能に結合されることを特徴とする請求項1又は2に記載した自動2輪車の排気装置。
- 前記排気管(20)は前記エンジン(3)の気筒部(22)の上下高さ幅内を通して前記気筒部(22)の回りを周回させたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載した自動2輪車の排気装置。
- 前記排気管(20)は、前記気筒部(22)の前方で吸気通路(28)の下方を通したことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載した自動2輪車の排気装置。
- ラジエーター(15)を前記エンジン(3)の前方に設け、前記排気管(20)を前記ラジエーター(15)の後方かつ前記エンジン(3)の前方を通したことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載した自動2輪車の排気装置。
- ラジエーター(15)を前記エンジン(3)の前方かつ上方寄りに配置し、前記排気管(20)を前記ラジエーター(15)の下方で前記エンジン(3)の前方を通したことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載した自動2輪車の排気装置。
- 前記排気管(20)の前記エンジン(3)前方位置に、触媒室または副消音器室(60)を設けたことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載した自動2輪車の排気装置。
- 前記触媒室または副消音器室(60)の上流側及び下流側にて前記排気管(20)が分割されて、分離可能に結合されることを特徴とする請求項9に記載した自動2輪車の排気装置。
- 前記触媒室または副消音器室(60)は、前記エンジン(3)前方に配置される前記ラジエーター(15)の下方に配置されることを特徴とする請求項9又は10に記載した自動2輪車の排気装置。
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