JP2012206901A - チューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材の製造方法 - Google Patents

チューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2012206901A
JP2012206901A JP2011074451A JP2011074451A JP2012206901A JP 2012206901 A JP2012206901 A JP 2012206901A JP 2011074451 A JP2011074451 A JP 2011074451A JP 2011074451 A JP2011074451 A JP 2011074451A JP 2012206901 A JP2012206901 A JP 2012206901A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon carbide
fiber
heat
ceramic member
core
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2011074451A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5630357B2 (ja
Inventor
Hisao Tanaka
久男 田中
Kenji Matsunaga
賢二 松永
Tsutomu Kodama
努 児玉
Shohei Mizutsu
翔平 水津
Shinji Kajii
紳二 梶井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ube Industries Ltd filed Critical Ube Industries Ltd
Priority to JP2011074451A priority Critical patent/JP5630357B2/ja
Publication of JP2012206901A publication Critical patent/JP2012206901A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5630357B2 publication Critical patent/JP5630357B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Moulding By Coating Moulds (AREA)
  • Ceramic Products (AREA)

Abstract

【課題】 耐熱性及び平滑性に優れ、高い破壊靭性を有するSiC繊維結合型セラミックスからなる、肉厚が大きくても組織が均一で材料の特性を維持したチューブ状SiC繊維結合型セラミックスを部材形状に近い形で製造する方法を提供する。
【解決手段】 円柱形状で円柱表面の長さ方向に複数のスリットの入った耐熱性中子の円周方向に炭化ケイ素系無機繊維を巻きつけ、前記中子の周囲に炭化ケイ素系繊維からなる層を形成した予備成形体を形成し、該予備成形体を熱間加圧処理した後、スリット入り中子を取り出すことを特徴とするチューブ状SiC繊維結合型セラミックスの製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、1200℃以上という極めて高い耐熱性を必要とする部位で使用可能であり、緻密で耐熱性や強度に優れたチューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材の製造方法に関する。特に、耐熱衝撃性と高温特性を有し、かつ高い破壊抵抗を要求される高温部材、例えば、燃焼器部品、熱交換器あるいは、発電用、又は航空機用ガスタービンの高温部材に適用できるチューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材の製造方法に関する。
単体の炭化ケイ素セラミックスは、硬く緻密であり、優れた耐熱性を有しているため、潤滑油の使えない高温領域又は極低温領域において、転がり軸受、すべり軸受等の摺動部品として使用されているが、微小欠陥に敏感で脆いことから信頼性に欠ける。
他方、繊維径10μmの炭化ケイ素系繊維であるチラノ繊維(登録商標:宇部興産株式会社)を一定形状に切断して、積層したものを高温高圧下で製造した炭化ケイ素繊維結合型セラミックスは、繊維の構造が変化する過程において、アモルファス繊維中の余剰な炭素が繊維表面に排出されて、繊維表面に層状に生成して、亀裂の進展を偏向させるすべり層となるため、単体の炭化ケイ素セラミックスに比して、非常に靭性が高く、信頼性の高い材料である。
しかし、これまで複雑形状の炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材を作製する場合には、バルク材を機械加工していた。そのため、部材形状によっては加工による削りしろが非常に多く、経済的でなかった。特許文献1には、炭化ケイ素繊維結合型セラミックスの複雑形状部材を作製する方法が開示されている。この特許文献1によれば、予備成形体を、カーボンダイスにセットし、カーボン粉末で覆ってホットプレス処理することによって、予備成形体に擬似等方的な圧力を負荷して成形している。
炭化ケイ素繊維結合型セラミックスを成形する際は、高温高圧下においてガスの発生を伴いながらアモルファス繊維の構造が多結晶炭化ケイ素繊維に変化し、同時に細密充填構造の六角柱状に変形する。また、繊維の構造が変化する過程において、アモルファス繊維中の余剰な炭素が繊維表面に排出されて、繊維表面に層状に生成する。さらに、成形装置の構造上、成形過程において成形体外部は内部に比して表面温度が高く、圧力によって内部よりも早く成形され、内部での熱分解反応が抑制される。このようなことから、厚さ方向での組成の均一性に限界があり、さらなる厚肉の大きな部材の作製が期待されている。
特開2004−131365号公報
本発明は、耐熱性及び平滑性に優れ、高い破壊靭性を有する炭化ケイ素繊維結合型セラミックスからなる、肉厚が大きくても組織が均一で材料の特性を維持したチューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材を製造する方法を提供することを目的とする。
肉厚が大きく均質な高耐熱性チューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材を提供するためには、熱分解反応を均一に行なわせる必要があり、表面だけではなく、内部も同時に反応させる必要があることを知見し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、円柱形状で円柱表面の長さ方向に複数のスリットの入った耐熱性中子に炭化ケイ素系無機繊維を巻きつけ、前記中子の周囲に炭化ケイ素系繊維からなる層を形成した予備成形体を形成する工程と、該予備成形体を熱間加圧処理する工程と、スリット入り中子を除去する工程とを有することを特徴とするチューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材の製造方法に関する。
また、本発明は、前記予備成形体を形成する工程が、円柱形状で円柱表面の長さ方向に複数のスリットの入った耐熱性中子に炭化ケイ素系無機繊維を巻きつけ熱処理したものに、さらに炭化ケイ素系繊維を巻き付ける工程であることを特徴とする前記チューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材の製造方法に関する。
さらに、本発明は、前記スリット入り耐熱性中子に炭化ケイ素系無機繊維を巻きつける前に、カーボンシートを巻き付けた後、炭化ケイ素系無機繊維を巻きつけることを特徴とする前記チューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材の製造方法に関する。
本発明のチューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材の製造方法によれば、従来よりも繊維の積層方向の厚さが大きく、かつ均一な特性を有するチューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックスを提供できる。本発明は、幅広い分野で使用されるチューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材の製造方法として、その産業上の利用性は極めて大きい。
本発明のチューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材の製造工程で用いるスリット入り耐熱性中子の一例を示す概略図である。
以下に、本発明のチューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材の製造方法の実施形態について説明する。本発明の製造方法で得られるチューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材は、特許文献1に記載のように炭化ケイ素繊維を重ねて焼結させた組織を有し、従来法では製造することの難しかったチューブ形状であることを特徴とする。
本発明のチューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材の製造方法は、円柱形状で円柱表面の長さ方向に複数のスリットの入った耐熱性中子に炭化ケイ素系無機繊維を巻きつけ、前記中子の周囲に炭化ケイ素系繊維からなる層を形成した予備成形体を形成する工程と、該予備成形体を熱間加圧処理する工程と、スリット入り中子を除去する工程とを有することを特徴とする。
スリットの入った中子を使用することによって、熱分解反応時に、チューブ形状の内側からも脱ガスが行われ、耐熱性及び平滑性に優れ、肉厚が大きくても組織が均一で、高い破壊靭性を有するという炭化ケイ素繊維結合型セラミックスの特性を維持したチューブ状の炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材を容易に得ることができる。
図1は、円柱形状で円柱表面の長さ方向に複数のスリットの入った耐熱性中子の一例を示す概略図である。耐熱性中子の材質としては、カーボン、モリブデン、ニオブ、タンタル、タングステンなどが挙げられる。複数のスリットの入った耐熱性中子は、例えば、円柱状の中子を準備し、円盤カッターを用いた薄切盤で、円柱表面の長さ方向に複数のスリットを機械加工することにより得られる。スリットの幅は0.5〜1mm、スリットの間隔は1〜2mm、深さは0.3〜1mmの範囲が好ましい。
炭化ケイ素系繊維としては、ポリシラン又はその加熱反応物に、2A族、3A族及び3B族の金属元素のうち少なくとも1種以上の金属元素を含有する化合物を添加し、不活性ガス中で加熱反応して得られた金属元素含有有機ケイ素重合体を溶融紡糸・不融化・焼成して製造されたものが挙げられるが、炭化ケイ素繊維を構成する各元素の割合は、Si:50〜55重量%、C:30〜35重量%、O:10〜15重量%、金属元素:0〜5%であれば特に限定されない。炭化ケイ素系繊維の好適な例として、宇部興産(株)製のチラノ繊維(登録商標)が挙げられる。宇部興産(株)製のチラノ繊維は、金属元素をAlとする炭化ケイ素繊維である。
本発明の原料として使用される無機繊維の形態について特別に制限はなく、連続繊維、連続繊維を切断したチョップ状短繊維、或いは連続繊維を一方向に引き揃えたシート状物又は織物であることができる。
また、本発明の他の実施形態では、前記予備成形体を形成する工程が、円柱形状で円柱表面の長さ方向に複数のスリットの入った耐熱性中子に炭化ケイ素系無機繊維を巻きつけたものを熱処理したものに、さらに炭化ケイ素系繊維を巻き付ける工程であってもよい。このようにすると、肉厚が厚くても組織が均一なチューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材を得ることができる。
以下、チューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材の製造方法を工程順に説明する。
<予備成形体の形成工程>
前記の炭化ケイ素系無機繊維または織物を前記のスリット入り耐熱性中子に巻いて予備成形体を作製する。スリット入り耐熱性中子にカーボンシートを巻き付けたものに炭化ケイ素系無機繊維または織物を巻き付けても良い。カーボンシートを耐熱性中子に巻き付けると、チューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックスから耐熱性中子を押し出すことによって抜き取ることができ、加工性が向上する。
また、肉厚の厚いチューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックスを製造する場合は、予備成形体は次のようにして得られる。即ち、炭化ケイ素系無機繊維または織物をスリット入り耐熱性中子に巻き付けたもの、あるいは、スリット入り耐熱性中子にカーボンシートを巻いて炭化ケイ素系無機繊維あるいは織物を巻き付けたものを、1450℃以上の温度で2時間以上、熱処理して熱分解反応させる。続けて、得られた予備成形体の表面に、さらに炭化ケイ素系無機繊維あるいは織物を巻き付けて、再度1450℃以上で熱処理してより肉厚の厚い予備成形体を作製する。さらに肉厚の厚い予備成型体が必要な場合は、これら炭化ケイ素系無機繊維あるいは織物の巻き付けおよび熱処理は何回も繰り返し行えばよい。
<熱間加圧処理工程>
得られた予備成形体をカーボンダイスにセットした後、予備成形体をカーボン粉末で覆って、真空、不活性ガス、還元ガス及び炭化水素からなる群から選ばれる少なくとも1種からなる雰囲気で1700〜2200℃の温度範囲で10〜100MPaの加圧下で30〜240分の範囲でホットプレス処理することによって、予備成形体に圧力を付加し耐熱性中子の周囲に形成されたチューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックスを得ることができる。
<中子除去工程>
得られたチューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックスから耐熱性中子を除去するには、耐熱性中子を押し出すことによって抜き取る方法や、ボール盤を用いて中子を機械加工する方法などが挙げられる。このようにして、本発明のチューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材を得ることができる。
次に本発明を更に具体的に説明するために実施例を挙げるが、本発明は以下の実施例に制限されるものではない。
(実施例1)
外径8mm、長さ90mmのカーボン材に直径1mmの半円スリットを6等分になるように長手方向に加工した耐熱性中子の周囲に、繊維径10μmのチラノ繊維(登録商標:宇部興産株式会社製)の炭化ケイ素系無機繊維を巻き付けて配置した予備成形体を作製して、カーボンダイスにセットした。そして、予備成形体を覆うようにカーボン粉末を上部から入れて上部パンチをセットした後、アルゴン雰囲気下、1800℃、50MPaの圧力でホットプレス処理し、カーボン粉末に圧力が伝わることによって、予備成形体に擬似等方的な圧力を付加させて、得られた成型体から中子部分をボール盤を用いて除去し、チューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材を得た。得られたチューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材は、非常に緻密であり、耐熱性中子を用いないで、積層繊維のみを角柱状にホットプレス処理して作製した炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材と同様な組織構造であった。また、厚み方向のカーボン量を定量分析した結果、最大値-最小値は0.10at%であり、均一性は向上していることがわかる。表1にカーボン量の定量分析結果を示す。
(実施例2)
外径8mm、長さ90mmのカーボン材に直径1mmの半円スリットを6等分になるように長手方向に加工した耐熱中子にカーボンシートを巻き付けたものに、繊維径10μmのチラノ繊維(登録商標:宇部興産株式会社製)の炭化ケイ素系無機繊維を巻き付けて配置した予備成形体を作製して、カーボンダイスにセットした。そして、予備成形体を覆うようにカーボン粉末を上部から入れて上部パンチをセットした後、アルゴン雰囲気下、1800℃、50MPaの圧力でホットプレス処理し、カーボン粉末に圧力が伝わることによって、予備成形体に擬似等方的な圧力を付加させて、得られた成型体から中子を押し出すことにより、チューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックスの部材を得た。得られたチューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材は、非常に緻密であり、耐熱性中子を用いないで、積層繊維のみを角柱状にホットプレス処理して作製した炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材と同様な構造であった。また、厚み方向のカーボン量を定量分析した結果、最大値-最小値は1.52at%であり、均一性は向上していることがわかる。表1にカーボン量の定量分析結果を示す。
(実施例3)
目標の半分の量の繊維径10μmのチラノ繊維(登録商標:宇部興産株式会社製)の炭化ケイ素系無機繊維を、外径8mm、長さ90mmのカーボン材でスリット入りの耐熱性中子の周囲に配置した予備成形体を作製し、アルゴン雰囲気下、1650℃で5時間熱処理を行った。熱処理後、残り半分の繊維を巻きつけて再度アルゴン雰囲気下、1650℃で1時間熱処理したものをカーボンダイスにセットした。そして、予備成形体を覆うようにカーボン粉末を上部から入れて上部パンチをセットした後、アルゴン雰囲気下、1800℃、50MPaの圧力でホットプレス処理し、カーボン粉末に圧力が伝わることによって、予備成形体に擬似等方的な圧力を付加させてチューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックスの成型体を得た。得られた成型体から中子部分をボール盤を用いて除去しチューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材を得た。熱分解反応を得られたチューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材は、非常に緻密であり、耐熱性中子を用いないで、積層繊維のみを角柱状にホットプレス処理して作製した炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材と同様な構造であった。また、厚み方向のカーボン量を定量分析した結果、最大値-最小値は0.61at%であり、均一性は向上していることがわかる。表1にカーボン量の定量分析結果を示す。
(実施例4)
目標の半分の量の繊維径10μmのチラノ繊維(登録商標:宇部興産株式会社製)の炭化ケイ素系無機繊維を、外径8mm、長さ90mmのカーボン材でスリット入りの耐熱中子の周囲に配置した予備成形体を作製し、アルゴン雰囲気下、1650℃で3時間熱処理を行った。熱処理後、残り半分の繊維を巻きつけて再度アルゴン雰囲気下、1650℃で1時間熱処理したものをカーボンダイスにセットした。そして、予備成形体を覆うようにカーボン粉末を上部から入れて上部パンチをセットした後、アルゴン雰囲気下、1800℃、50MPaの圧力でホットプレス処理し、カーボン粉末に圧力が伝わることによって、予備成形体に擬似等方的な圧力を付加させて、得られた成型体から中子部分をボール盤を用いて除去し、チューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材を得た。得られたチューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材は、非常に緻密であり、耐熱性中子を用いないで、積層繊維のみを角柱状にホットプレス処理して作製した炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材と同様な構造であった。また、厚み方向のカーボン量を定量分析した結果、最大値-最小値は0.39at%であり、均一性は向上していることがわかる。表1にカーボン量の定量分析結果を示す。
(比較例1)
外径8mm、長さ90mmのカーボン材に繊維径10μmのチラノ繊維(登録商標:宇部興産株式会社製)の炭化ケイ素系無機繊維を配置した予備成形体を作製して、カーボンダイスにセットした。そして、予備成形体を覆うようにカーボン粉末を上部から入れて上部パンチをセットした後、アルゴン雰囲気下、1800℃、50MPaの圧力でホットプレス処理し、カーボン粉末に圧力が伝わることによって、予備成形体に擬似等方的な圧力を付加させてチューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材を得た。得られたチューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材の外周部は、非常に緻密であり、耐熱性中子を用いないで、積層繊維のみを角柱状にホットプレス処理して作製した炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材と同様な構造であったが、内周部近傍での繊維には、熱分解反応が抑制されたために結晶化されていない領域が観察された。また、厚み方向のカーボン量を定量分析した結果、最大値-最小値は1.83at%であり、チューブ形状の内側と外側では、カーボンの含有量が異なり、組織が均一でないことがわかる。表1にカーボン量の定量分析結果を示す。
(比較例2)
外径8mm、長さ90mmのカーボン材にカーボンシートを巻き付けたものに、繊維径10μmのチラノ繊維(登録商標:宇部興産株式会社製)の炭化ケイ素系無機繊維を配置した予備成形体を作製して、カーボンダイスにセットした。そして、予備成形体を覆うようにカーボン粉末を上部から入れて上部パンチをセットした後、アルゴン雰囲気下、1800℃、50MPaの圧力でホットプレス処理し、カーボン粉末に圧力が伝わることによって、予備成形体に擬似等方的な圧力を負荷させてチューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材を得た。得られたチューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材の外周部は、非常に緻密であり、耐熱性中子を用いないで、積層繊維のみを角柱状にホットプレス処理して作製した炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材と同様な組織構造であったが、内周部近傍での繊維には、熱分解反応が抑制されたために結晶化されていない領域が観察された。また、厚み方向のカーボン量を定量分析した結果、最大値-最小値は1.61at%であり、チューブ形状の内側と外側では、カーボンの含有量が異なり、組織が均一でないことがわかる。表1にカーボン量の定量分析結果を示す。
Figure 2012206901

Claims (3)

  1. 円柱形状で円柱表面の長さ方向に複数のスリットの入った耐熱性中子に炭化ケイ素系無機繊維を巻きつけ、前記中子の周囲に炭化ケイ素系繊維からなる層を形成した予備成形体を形成する工程と、該予備成形体を熱間加圧処理する工程と、スリット入り中子を除去する工程とを有することを特徴とするチューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材の製造方法。
  2. 前記予備成形体を形成する工程が、円柱形状で円柱表面の長さ方向に複数のスリットの入った耐熱性中子に炭化ケイ素系無機繊維を巻きつけ熱処理したものに、さらに炭化ケイ素系繊維を巻き付ける工程であることを特徴とする請求項1記載のチューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材の製造方法。
  3. 前記スリット入り耐熱性中子に炭化ケイ素系無機繊維を巻きつける前に、カーボンシートを巻き付けた後、炭化ケイ素系無機繊維を巻きつけることを特徴とする請求項1または2記載のチューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材の製造方法。
JP2011074451A 2011-03-30 2011-03-30 チューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材の製造方法 Expired - Fee Related JP5630357B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011074451A JP5630357B2 (ja) 2011-03-30 2011-03-30 チューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011074451A JP5630357B2 (ja) 2011-03-30 2011-03-30 チューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012206901A true JP2012206901A (ja) 2012-10-25
JP5630357B2 JP5630357B2 (ja) 2014-11-26

Family

ID=47186988

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011074451A Expired - Fee Related JP5630357B2 (ja) 2011-03-30 2011-03-30 チューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5630357B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04218605A (ja) * 1990-12-17 1992-08-10 Nippon Tungsten Co Ltd 焼結体の変形防止用中子
JP2003128471A (ja) * 2001-05-30 2003-05-08 General Electric Co <Ge> 成形支持体を用いて溶融含浸セラミック複合体を製造する方法
JP2004067481A (ja) * 2002-08-09 2004-03-04 Ube Ind Ltd 高耐熱性無機繊維結合セラミックス及びその製造方法
WO2010035692A1 (ja) * 2008-09-24 2010-04-01 宇部興産株式会社 SiC繊維結合型セラミックスの製造方法
JP2010248065A (ja) * 2009-03-27 2010-11-04 Ube Ind Ltd 無機繊維質セラミックス多孔体及びその複合体、並びにそれらの製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04218605A (ja) * 1990-12-17 1992-08-10 Nippon Tungsten Co Ltd 焼結体の変形防止用中子
JP2003128471A (ja) * 2001-05-30 2003-05-08 General Electric Co <Ge> 成形支持体を用いて溶融含浸セラミック複合体を製造する方法
JP2004067481A (ja) * 2002-08-09 2004-03-04 Ube Ind Ltd 高耐熱性無機繊維結合セラミックス及びその製造方法
WO2010035692A1 (ja) * 2008-09-24 2010-04-01 宇部興産株式会社 SiC繊維結合型セラミックスの製造方法
JP2010248065A (ja) * 2009-03-27 2010-11-04 Ube Ind Ltd 無機繊維質セラミックス多孔体及びその複合体、並びにそれらの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5630357B2 (ja) 2014-11-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100642923B1 (ko) 가요성을 갖는 고순도 팽창 흑연시트와 그 제조방법, 및상기 시트를 이용한 카본 도가니의 내층
US5616175A (en) 3-D carbon-carbon composites for crystal pulling furnace hardware
CN107285797B (zh) 一种碳基复合材料螺旋弹簧及生产方法
JP6276514B2 (ja) セラミックマトリックス複合材料内の内部キャビティ及びそのためのマンドレルを作成する方法
WO1996008453A1 (fr) Materiau fibreux composite a base de ceramique et procede de production de ce materiau
RU2016105679A (ru) Способ получения деталей из композитного материала путем пропитки композицией с низкой температурой плавления
CN109678548A (zh) 一种碳/碳复合材料弹簧生产方法及装置
JP2013256436A5 (ja)
CN114702328A (zh) 一种SiC纳米线网络增强层状多孔SiC陶瓷及其制备方法
JP5434922B2 (ja) SiC繊維結合型セラミックスの製造方法
JPS63310903A (ja) 長尺焼結体製品の製造方法
JP5630357B2 (ja) チューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材の製造方法
JP6559473B2 (ja) 炭化珪素系複合体の製造方法
JPH02225381A (ja) セラミック繊維製多方向性強化製品の製造方法と該方法から得られた製品
CN110757835A (zh) 一种热场用导流筒制造方法和导流筒
KR101053101B1 (ko) 핫 프레스 소결용 몰드 및 그 제조방법
JP6719333B2 (ja) 長繊維強化炭化ケイ素部材、および、その製造方法
JPH08319164A (ja) 炭化ケイ素反応焼結体の製造装置および焼結体の連続製造方法
CN109824376B (zh) 一种高性能碳陶摩擦焊搅拌头及其制备方法
JP2014189440A (ja) 無機繊維結合型セラミックス及びその製造方法
CN109175363B (zh) 一种放电等离子烧结制备金属纤维烧结毡的方法
JP2013039696A (ja) ダイスの製造方法とダイスを備えるホットプレス装置
JP3203651B2 (ja) 炭素繊維強化炭素複合材製二重中空円筒体
JPH10245275A (ja) 黒鉛型を用いた炭素繊維強化炭素材の製造方法
JP2005146392A (ja) 金属基複合材料およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140131

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140612

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140617

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140709

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140909

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140922

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5630357

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees