JP2012206901A - チューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 円柱形状で円柱表面の長さ方向に複数のスリットの入った耐熱性中子の円周方向に炭化ケイ素系無機繊維を巻きつけ、前記中子の周囲に炭化ケイ素系繊維からなる層を形成した予備成形体を形成し、該予備成形体を熱間加圧処理した後、スリット入り中子を取り出すことを特徴とするチューブ状SiC繊維結合型セラミックスの製造方法。
【選択図】 図1
Description
前記の炭化ケイ素系無機繊維または織物を前記のスリット入り耐熱性中子に巻いて予備成形体を作製する。スリット入り耐熱性中子にカーボンシートを巻き付けたものに炭化ケイ素系無機繊維または織物を巻き付けても良い。カーボンシートを耐熱性中子に巻き付けると、チューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックスから耐熱性中子を押し出すことによって抜き取ることができ、加工性が向上する。
得られた予備成形体をカーボンダイスにセットした後、予備成形体をカーボン粉末で覆って、真空、不活性ガス、還元ガス及び炭化水素からなる群から選ばれる少なくとも1種からなる雰囲気で1700〜2200℃の温度範囲で10〜100MPaの加圧下で30〜240分の範囲でホットプレス処理することによって、予備成形体に圧力を付加し耐熱性中子の周囲に形成されたチューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックスを得ることができる。
得られたチューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックスから耐熱性中子を除去するには、耐熱性中子を押し出すことによって抜き取る方法や、ボール盤を用いて中子を機械加工する方法などが挙げられる。このようにして、本発明のチューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材を得ることができる。
外径8mm、長さ90mmのカーボン材に直径1mmの半円スリットを6等分になるように長手方向に加工した耐熱性中子の周囲に、繊維径10μmのチラノ繊維(登録商標:宇部興産株式会社製)の炭化ケイ素系無機繊維を巻き付けて配置した予備成形体を作製して、カーボンダイスにセットした。そして、予備成形体を覆うようにカーボン粉末を上部から入れて上部パンチをセットした後、アルゴン雰囲気下、1800℃、50MPaの圧力でホットプレス処理し、カーボン粉末に圧力が伝わることによって、予備成形体に擬似等方的な圧力を付加させて、得られた成型体から中子部分をボール盤を用いて除去し、チューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材を得た。得られたチューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材は、非常に緻密であり、耐熱性中子を用いないで、積層繊維のみを角柱状にホットプレス処理して作製した炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材と同様な組織構造であった。また、厚み方向のカーボン量を定量分析した結果、最大値-最小値は0.10at%であり、均一性は向上していることがわかる。表1にカーボン量の定量分析結果を示す。
外径8mm、長さ90mmのカーボン材に直径1mmの半円スリットを6等分になるように長手方向に加工した耐熱中子にカーボンシートを巻き付けたものに、繊維径10μmのチラノ繊維(登録商標:宇部興産株式会社製)の炭化ケイ素系無機繊維を巻き付けて配置した予備成形体を作製して、カーボンダイスにセットした。そして、予備成形体を覆うようにカーボン粉末を上部から入れて上部パンチをセットした後、アルゴン雰囲気下、1800℃、50MPaの圧力でホットプレス処理し、カーボン粉末に圧力が伝わることによって、予備成形体に擬似等方的な圧力を付加させて、得られた成型体から中子を押し出すことにより、チューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックスの部材を得た。得られたチューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材は、非常に緻密であり、耐熱性中子を用いないで、積層繊維のみを角柱状にホットプレス処理して作製した炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材と同様な構造であった。また、厚み方向のカーボン量を定量分析した結果、最大値-最小値は1.52at%であり、均一性は向上していることがわかる。表1にカーボン量の定量分析結果を示す。
目標の半分の量の繊維径10μmのチラノ繊維(登録商標:宇部興産株式会社製)の炭化ケイ素系無機繊維を、外径8mm、長さ90mmのカーボン材でスリット入りの耐熱性中子の周囲に配置した予備成形体を作製し、アルゴン雰囲気下、1650℃で5時間熱処理を行った。熱処理後、残り半分の繊維を巻きつけて再度アルゴン雰囲気下、1650℃で1時間熱処理したものをカーボンダイスにセットした。そして、予備成形体を覆うようにカーボン粉末を上部から入れて上部パンチをセットした後、アルゴン雰囲気下、1800℃、50MPaの圧力でホットプレス処理し、カーボン粉末に圧力が伝わることによって、予備成形体に擬似等方的な圧力を付加させてチューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックスの成型体を得た。得られた成型体から中子部分をボール盤を用いて除去しチューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材を得た。熱分解反応を得られたチューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材は、非常に緻密であり、耐熱性中子を用いないで、積層繊維のみを角柱状にホットプレス処理して作製した炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材と同様な構造であった。また、厚み方向のカーボン量を定量分析した結果、最大値-最小値は0.61at%であり、均一性は向上していることがわかる。表1にカーボン量の定量分析結果を示す。
目標の半分の量の繊維径10μmのチラノ繊維(登録商標:宇部興産株式会社製)の炭化ケイ素系無機繊維を、外径8mm、長さ90mmのカーボン材でスリット入りの耐熱中子の周囲に配置した予備成形体を作製し、アルゴン雰囲気下、1650℃で3時間熱処理を行った。熱処理後、残り半分の繊維を巻きつけて再度アルゴン雰囲気下、1650℃で1時間熱処理したものをカーボンダイスにセットした。そして、予備成形体を覆うようにカーボン粉末を上部から入れて上部パンチをセットした後、アルゴン雰囲気下、1800℃、50MPaの圧力でホットプレス処理し、カーボン粉末に圧力が伝わることによって、予備成形体に擬似等方的な圧力を付加させて、得られた成型体から中子部分をボール盤を用いて除去し、チューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材を得た。得られたチューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材は、非常に緻密であり、耐熱性中子を用いないで、積層繊維のみを角柱状にホットプレス処理して作製した炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材と同様な構造であった。また、厚み方向のカーボン量を定量分析した結果、最大値-最小値は0.39at%であり、均一性は向上していることがわかる。表1にカーボン量の定量分析結果を示す。
外径8mm、長さ90mmのカーボン材に繊維径10μmのチラノ繊維(登録商標:宇部興産株式会社製)の炭化ケイ素系無機繊維を配置した予備成形体を作製して、カーボンダイスにセットした。そして、予備成形体を覆うようにカーボン粉末を上部から入れて上部パンチをセットした後、アルゴン雰囲気下、1800℃、50MPaの圧力でホットプレス処理し、カーボン粉末に圧力が伝わることによって、予備成形体に擬似等方的な圧力を付加させてチューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材を得た。得られたチューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材の外周部は、非常に緻密であり、耐熱性中子を用いないで、積層繊維のみを角柱状にホットプレス処理して作製した炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材と同様な構造であったが、内周部近傍での繊維には、熱分解反応が抑制されたために結晶化されていない領域が観察された。また、厚み方向のカーボン量を定量分析した結果、最大値-最小値は1.83at%であり、チューブ形状の内側と外側では、カーボンの含有量が異なり、組織が均一でないことがわかる。表1にカーボン量の定量分析結果を示す。
外径8mm、長さ90mmのカーボン材にカーボンシートを巻き付けたものに、繊維径10μmのチラノ繊維(登録商標:宇部興産株式会社製)の炭化ケイ素系無機繊維を配置した予備成形体を作製して、カーボンダイスにセットした。そして、予備成形体を覆うようにカーボン粉末を上部から入れて上部パンチをセットした後、アルゴン雰囲気下、1800℃、50MPaの圧力でホットプレス処理し、カーボン粉末に圧力が伝わることによって、予備成形体に擬似等方的な圧力を負荷させてチューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材を得た。得られたチューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材の外周部は、非常に緻密であり、耐熱性中子を用いないで、積層繊維のみを角柱状にホットプレス処理して作製した炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材と同様な組織構造であったが、内周部近傍での繊維には、熱分解反応が抑制されたために結晶化されていない領域が観察された。また、厚み方向のカーボン量を定量分析した結果、最大値-最小値は1.61at%であり、チューブ形状の内側と外側では、カーボンの含有量が異なり、組織が均一でないことがわかる。表1にカーボン量の定量分析結果を示す。
Claims (3)
- 円柱形状で円柱表面の長さ方向に複数のスリットの入った耐熱性中子に炭化ケイ素系無機繊維を巻きつけ、前記中子の周囲に炭化ケイ素系繊維からなる層を形成した予備成形体を形成する工程と、該予備成形体を熱間加圧処理する工程と、スリット入り中子を除去する工程とを有することを特徴とするチューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材の製造方法。
- 前記予備成形体を形成する工程が、円柱形状で円柱表面の長さ方向に複数のスリットの入った耐熱性中子に炭化ケイ素系無機繊維を巻きつけ熱処理したものに、さらに炭化ケイ素系繊維を巻き付ける工程であることを特徴とする請求項1記載のチューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材の製造方法。
- 前記スリット入り耐熱性中子に炭化ケイ素系無機繊維を巻きつける前に、カーボンシートを巻き付けた後、炭化ケイ素系無機繊維を巻きつけることを特徴とする請求項1または2記載のチューブ状炭化ケイ素繊維結合型セラミックス部材の製造方法。
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