JP2012206628A - 車両用制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】キャンバ角調整装置の故障により、一部の車輪のキャンバ角が制御不能となった場合でも、車両の旋回時の走行安定性を確保することができる車両用制御装置を提供する。
【解決手段】故障により旋回内輪(左の後輪2RL)が調整不能となった場合には、旋回外輪(右の後輪2RR)に、旋回内輪よりも絶対値が大きなネガティブのキャンバ角を付与する。一方、故障により旋回外輪(右の後輪2RR)が調整不能となった場合には、旋回内輪(左の後輪2RL)へのネガティブキャンバの付与を解除する。これにより、車両のステア特性を、オーバーステア傾向を減少させる、或いは、アンダーステア傾向を増加させる方向へ変化させ、車両の旋回時の走行安定性を確保することができる。
【選択図】図7

Description

本発明は、車輪のキャンバ角をキャンバ角調整装置により調整可能な車両を制御する車両用制御装置に関し、特に、キャンバ角調整装置の故障により、一部の車輪のキャンバ角が制御不能となった場合でも、車両の旋回時の走行安定性を確保することができる車両用制御装置を提供することを目的としている。
従来より、アクチュエータ(キャンバ角調整装置)を利用して、車輪のキャンバ角を調整することで、車両の走行安定性を確保する技術が知られている。例えば、特許文献1には、車速を検出し、車速が所定の速度以上に達すると、車輪にネガティブキャンバを付与することで、旋回時における車両の限界性能を向上させる技術が開示されている。
特開昭60−193781号公報(第2頁上左欄第10行から第19行、第1図および第4図など)
しかしながら、上述した従来の技術では、アクチュエータ(キャンバ角調整装置)の故障により、一部の車輪のキャンバ角が調整不能(例えば、スティック或いは可動範囲の制限など)となると、車両全体としての車輪のキャンバ角の設定が不適切となり、車両の旋回時の走行安定性の低下を招く虞があるという問題点があった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、キャンバ角調整装置の故障により、一部の車輪のキャンバ角が調整不能となった場合でも、車両の旋回時の走行安定性を確保することができる車両用制御装置を提供することを目的としている。
課題を解決するための手段および発明の効果
請求項1又は2に記載の車両用制御装置によれば、キャンバ角調整手段によりキャンバ角調整装置が作動され車輪のキャンバ角が調整されると、車両のステア特性がアンダーステア傾向とされる。その結果、車両の旋回時の走行安定性が確保される。
この場合、キャンバ角調整装置の少なくとも一部が故障し、その故障により複数の車輪の一部が目標角度に調整不能となることで、車両のステア特性が故障の前よりも少なくともアンダーステア傾向が減少する状態となった場合でも、請求項1又は2によれば、故障時調整手段により、故障した一部のキャンバ角調整装置とは異なる他のキャンバ角調整装置を作動させ、調整不能となった一部の車輪とは異なる他の車輪のキャンバ角を調整することで、車両のステア特性を、オーバーステア傾向が減少するように或いはアンダーステア傾向が増加するように変化させることができる。
即ち、上記故障により車両のステア特性が、アンダーステア傾向が減少した状態、或いは、オーバーステア傾向となった場合でも、その車両のステア特性を、オーバーステア傾向が減少するように、或いは、アンダーステア傾向が増加するように変化させることができるので、車両の旋回時の走行安定性を確保することができるという効果がある。
なお、請求項2において、「車両のステア特性が故障の前よりも少なくともアンダーステア傾向が減少する状態である」とは、アンダーステア傾向が減少した結果、車両のステア特性がオーバーステア傾向となっている状態も含む趣旨である。
請求項3又は5に記載の車両用制御装置によれば、請求項2又は2から4のいずれかに記載の車両用制御装置の奏する効果に加え、キャンバ角調整手段は、車両の旋回時に、キャンバ角調整装置を作動させ、左右の後輪のキャンバ角をネガティブとなる旋回時キャンバ角に調整するので、車両のステア特性をアンダーステア傾向として、車両の旋回時の走行安定性を確保できる。
この場合、キャンバ角調整装置の故障により、左右の後輪の内の一方の後輪のキャンバ角が少なくとも旋回時キャンバ角に調整されず、車両のステア特性が故障の前よりも少なくともアンダーステア傾向が減少する状態となった場合でも、請求項3によれば、旋回時キャンバ角に調整されない一方の後輪が旋回内輪であるかを旋回内輪故障判断手段により判断し、その一方の後輪が旋回内輪であると判断されると、旋回外輪である他方の後輪のキャンバ角を、少なくとも一方の後輪(旋回内輪)のキャンバ角よりも絶対値が大きなネガティブのキャンバ角に旋回外輪調整手段により調整することで、車両のステア特性を、オーバーステア傾向が減少するように或いはアンダーステア傾向が増加するように変化させることができる。
即ち、請求項3によれば、上記故障により旋回内輪が旋回時キャンバ角に調整不能となることで、車両のステア特性が、アンダーステア傾向が減少した状態、或いは、オーバーステア傾向となった場合でも、旋回外輪に、旋回内輪よりも絶対値が大きなネガティブのキャンバ角を付与することで、車両のステア特性を、オーバーステア傾向が減少するように、或いは、アンダーステア傾向が増加するように変化させることができるので、車両の旋回時の走行安定性を確保することができるという効果がある。
一方、請求項5によれば、旋回時キャンバ角に調整されない一方の後輪が旋回外輪であるかを旋回外輪故障判断手段により判断し、その一方の後輪が旋回外輪であると判断されると、旋回内輪である他方の後輪のキャンバ角を、少なくとも一方の後輪(旋回外輪)のキャンバ角よりも絶対値が小さなネガティブのキャンバ角に旋回内輪調整手段により調整することで、車両のステア特性を、オーバーステア傾向が減少するように或いはアンダーステア傾向が増加するように変化させることができる。
即ち、請求項5によれば、上記故障により旋回外輪が旋回時キャンバ角に調整不能となることで、車両のステア特性が、アンダーステア傾向が減少した状態、或いは、オーバーステア傾向となった場合でも、旋回内輪に、旋回外輪よりも絶対値が小さなネガティブのキャンバ角を付与することで、車両のステア特性を、オーバーステア傾向が減少するように、或いは、アンダーステア傾向が増加するように変化させることができるので、車両の旋回時の走行安定性を確保することができるという効果がある。
請求項4又は6に記載の車両用制御装置によれば、請求項3又は5に記載の車両用制御装置の奏する効果に加え、キャンバ角調整手段は、車両の旋回時には左右の後輪のキャンバ角を旋回時キャンバ角に調整するので、車両のステア特性をアンダーステア傾向として、車両の旋回時の走行安定性を確保できる一方、車両の非旋回時には、左右の後輪のキャンバ角を0度または旋回時キャンバ角よりも絶対値が小さなネガティブとなる非旋回時キャンバ角に調整するので、車両の非旋回時の走行安定性を確保しつつ、車輪の偏磨耗を抑制できる。
この場合、故障時における一方の後輪(即ち、旋回時キャンバ角に調整不能となった車輪)のキャンバ角の可動範囲が非旋回時キャンバ角と旋回時キャンバ角よりも非旋回時キャンバ角に近い閾値キャンバ角との間となった場合、又は、故障時における一方の後輪のキャンバ角が非旋回時キャンバ角と閾値キャンバ角との間の角度で固定(スティック)されると、車両のステア特性が故障の前よりもアンダーステア傾向が減少する状態となるところ、請求項4によれば、上記状態であると状態判断手段により判断した場合に、故障時における一方の後輪が旋回内輪であれば、旋回外輪である他方の後輪のキャンバ角を旋回時キャンバ角(即ち、旋回内輪よりも絶対値の大きなネガティブのキャンバ角)に調整するので、車両のステア特性をアンダーステア傾向が増加するように変化させることができる。その結果、車両の旋回時の走行安定性を確保することができるという効果がある。
一方、請求項6によれば、上記状態であると状態判断手段により判断した場合に、故障時における一方の後輪が旋回外輪であれば、旋回内輪である他方の後輪のキャンバ角を非旋回時キャンバ角(即ち、旋回時キャンバ角よりも絶対値の小さなネガティブのキャンバ角)に調整するので、少なくとも旋回内輪のキャンバ角が旋回時キャンバ角に調整される場合よりも、車両のステア特性を、オーバーステア傾向が減少するように或いはアンダーステア傾向が増加するように変化させることができる。その結果、車両の旋回時の走行安定性を確保することができるという効果がある。
このように、請求項4及び6では、左右の後輪のキャンバ角を、故障の有無に関わらず、旋回時キャンバ角と非旋回時キャンバ角との2種類のみに調整する構成であり、故障時であってもキャンバ角調整装置を作動させる際の制御方法を変更する必要がない。よって、車両のキャンバ角調整装置の構造を簡素化することができると共に、そのキャンバ角調整装置を作動させる制御方法を簡素化することができるという効果がある。
請求項7記載の車両用制御装置によれば、請求項5記載の車両用制御装置の奏する効果に加え、車両の旋回時の走行安定性をより確実に確保することができるという効果がある。即ち、旋回外輪は接地荷重が高くなるため、旋回外輪のキャンバ角が旋回時キャンバ角に調整不能となった場合には、その旋回外輪のキャンバスラストの影響が比較的大きくなり、車両のステア特性がオーバーステア傾向となる虞が高い。一方で、旋回内輪は接地荷重が低く、旋回内輪のキャンバスラストの影響が比較的小さくなるため、ネガティブのキャンバ角の絶対値を小さくするだけでは、オーバーステア傾向を減少させることが困難となる。これに対し、請求項7によれば、旋回内輪調整手段は、旋回外輪故障判断手段により一方の後輪(即ち、旋回時キャンバ角に調整不能となった車輪)が旋回外輪であると判断された場合に、旋回内輪である他方の後輪のキャンバ角をポジティブのキャンバ角に調整するので、車両のステア特性を、オーバーステア傾向が減少するように或いはアンダーステア傾向が増加するように変化させることを、より効果的に達成できる。その結果、車両の旋回時の走行安定性の確保をより確実に達成できる。
請求項8又は9に記載の車両用制御装置によれば、請求項2又は2若しくは8に記載の車両用制御装置の奏する効果に加え、キャンバ角調整手段は、車両の旋回時に、キャンバ角調整装置を作動させ、左右の前輪のキャンバ角をポジティブとなる前輪旋回時キャンバ角に調整すると共に、左右の後輪のキャンバ角をネガティブとなる後輪旋回時キャンバ角に調整するので、車両のステア特性をアンダーステア傾向として、車両の旋回時の走行安定性を確保できる。
この場合、キャンバ角調整装置の故障により、左右の前輪のキャンバ角または左右の後輪のキャンバ角が前輪旋回時キャンバ角または後輪旋回時キャンバ角に調整されず、車両のステア特性が故障の前よりも少なくともアンダーステア傾向が減少する状態となった場合でも、請求項8によれば、左右の前輪が前輪旋回時キャンバ角に調整されないのかを前輪故障判断手段により判断し、左右の前輪が前輪旋回時キャンバ角に調整されないと判断されると、左右の後輪のキャンバ角を少なくとも後輪旋回時キャンバ角よりも絶対値が大きなネガティブのキャンバ角に後輪調整手段により調整することで、車両のステア特性を、オーバーステア傾向が減少するように或いはアンダーステア傾向が増加するように変化させることができる。
即ち、請求項8によれば、上記故障により左右の前輪が前輪旋回時キャンバ角に調整不能となることで、車両のステア特性が、アンダーステア傾向が減少した状態、或いは、オーバーステア傾向となった場合でも、左右の後輪に、後輪旋回時キャンバ角よりも絶対値が大きなネガティブのキャンバ角を付与することで、車両のステア特性を、オーバーステア傾向が減少するように、或いは、アンダーステア傾向が増加するように変化させることができるので、車両の旋回時の走行安定性を確保することができるという効果がある。
一方、請求項9によれば、左右の後輪が後輪旋回時キャンバ角に調整されないのかを後輪故障判断手段により判断し、左右の後輪が後輪旋回時キャンバ角に調整されないと判断されると、左右の前輪のキャンバ角を少なくとも前輪旋回時キャンバ角よりも絶対値が大きなポジティブのキャンバ角に前輪調整手段により調整することで、車両のステア特性を、オーバーステア傾向が減少するように或いはアンダーステア傾向が増加するように変化させることができる。
即ち、請求項9によれば、上記故障により左右の後輪が後輪旋回時キャンバ角に調整不能となることで、車両のステア特性が、アンダーステア傾向が減少した状態、或いは、オーバーステア傾向となった場合でも、左右の前輪に、前輪旋回時キャンバ角よりも絶対値が大きなポジティブのキャンバ角を付与することで、車両のステア特性を、オーバーステア傾向が減少するように、或いは、アンダーステア傾向が増加するように変化させることができるので、車両の旋回時の走行安定性を確保することができるという効果がある。
第1実施の形態における車両用制御装置が搭載される車両を模式的に示した模式図である。 懸架装置の正面図である。 車両用制御装置の電気的構成を示したブロック図である。 旋回判断処理を示すフローチャートである。 角度状態判断処理を示すフローチャートである。 キャンバ制御処理を示すフローチャートである。 左旋回する車両の背面視を模式的に図示した模式図である。 第2実施の形態における懸架装置の正面図である。 第2実施の形態におけるキャンバ制御処理を示すフローチャートである。 左旋回する車両の背面視を模式的に図示した模式図である。 第3実施の形態における車両用制御装置の電気的構成を示したブロック図である。 第3実施の形態における角度状態判断処理を示すフローチャートである。 第3実施の形態におけるキャンバ制御処理を示すフローチャートである。 左旋回する車両の背面視を模式的に図示した模式図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施の形態における車両用制御装置100が搭載される車両1を模式的に示した模式図である。なお、図1の矢印U−D,L−R,F−Bは、車両1の上下方向、左右方向、前後方向をそれぞれ示している。
まず、車両1の概略構成について説明する。車両1は、図1に示すように、車体BFと、その車体BFを支持する複数(本実施の形態では4輪)の車輪2と、それら複数の車輪2の内の一部(本実施の形態では、左右の前輪2FL,2FR)を回転駆動する車輪駆動装置3と、各車輪2を車体BFに独立に懸架する懸架装置4,40と、複数の車輪2の内の一部(本実施の形態では、左右の前輪2FL,2FR)を操舵する操舵装置5とを主に備えて構成されている。
次いで、各部の詳細構成について説明する。車輪2は、図1に示すように、車両1の前方側(矢印F方向側)に位置する左右の前輪2FL,2FRと、車両1の後方側(矢印B方向側)に位置する左右の後輪2RL,2RRとを備えている。なお、本実施の形態では、左右の前輪2FL,2FRは、車輪駆動装置3により回転駆動される駆動輪として構成される一方、左右の後輪2RL,2RRは、車両1の走行に伴って従動される従動輪として構成されている。
また、車輪2は、左右の前輪2FL,2FR及び左右の後輪2RL,2RRが全て同じ形状および特性に構成され、それら左右の前輪2FL,2FR及び左右の後輪2RL,2RRのトレッドの幅(図1左右方向の寸法)が全て同じ幅に構成されている。
車輪駆動装置3は、上述したように、左右の前輪2FL,2FRを回転駆動するための装置であり、後述するように電動モータ3aにより構成されている(図3参照)。また、電動モータ3aは、図1に示すように、デファレンシャルギヤ(図示せず)及び一対のドライブシャフト31を介して左右の前輪2FL,2FRに接続されている。
運転者がアクセルペダル61を操作した場合には、車輪駆動装置3から左右の前輪2FL,2FRに回転駆動力が付与され、それら左右の前輪2FL,2FRがアクセルペダル61の操作量に応じて回転駆動される。なお、左右の前輪2FL,2FRの回転差は、デファレンシャルギヤにより吸収される。
懸架装置4,40は、路面から車輪2を介して車体BFに伝わる振動を緩和するための装置、いわゆるサスペンションとして機能するものであり、伸縮可能に構成され、図1に示すように、懸架装置4が左右の後輪2RL,2RRを、懸架装置40が左右の前輪2FL,2FRを、それぞれ車体BFに懸架する。なお、左右の後輪2RL,2RRを懸架する懸架装置4は、左右の後輪2RL,2RRのキャンバ角を調整するキャンバ角調整機構としての機能を兼ね備えている。
ここで、図2を参照して、懸架装置4の詳細構成について説明する。図2は、懸架装置4の正面図である。なお、ここでは、キャンバ角調整機構として機能する構成のみについて説明し、サスペンションとして機能する構成については周知の構成と同様であるので、その説明を省略する。また、懸架装置4の構成は左右共通であるので、以下においては右の後輪2RRを懸架する懸架装置4についてのみ説明し、左の後輪2RLを懸架する懸架装置4についての説明を省略する。
図2に示すように、懸架装置4は、ショックアブソーバ41及びロアアーム42を介して車体フレームBFに支持されるナックル43と、駆動力を発生するRRモータ44RRと、そのRRモータ44RRの駆動力を伝達するウォームホイール45及びアーム46と、それらウォームホイール45及びアーム46から伝達されるRRモータ44RRの駆動力によりナックル43に対して揺動駆動される可動プレート47とを主に備えて構成されている。
ナックル43は、車輪2を支持するものであり、図2に示すように、上端(図2上側)がショックアブソーバ41に連結されると共に、下端(図2下側)がボールジョイントを介してロアアーム42に連結されている。
RRモータ44RRは、可動プレート47に揺動駆動のための駆動力を付与するものであり、DCモータにより構成され、その出力軸44aにはウォーム(図示せず)が形成されている。
ウォームホイール45は、RRモータ44RRの駆動力をアーム46に伝達するものであり、RRモータ44RRの出力軸44aに形成されたウォームに噛み合い、かかるウォームと共に食い違い軸歯車対を構成している。
アーム46は、ウォームホイール45から伝達されるRRモータ44RRの駆動力を可動プレート47に伝達するものであり、図2に示すように、一端(図2右側)が第1連結軸48を介してウォームホイール45の回転軸45aから偏心した位置に連結される一方、他端(図2左側)が第2連結軸49を介して可動プレート47の上端(図2上側)に連結されている。
可動プレート47は、車輪2を回転可能に支持するものであり、上述したように、上端(図2上側)がアーム46に連結される一方、下端(図2下側)がキャンバ軸50を介してナックル43に揺動可能に軸支されている。
上述したように構成される懸架装置4によれば、RRモータ44RRが駆動されると、ウォームホイール45が回転すると共に、ウォームホイール45の回転運動がアーム46の直線運動に変換される。その結果、アーム46が直線運動することで、可動プレート47がキャンバ軸50を揺動軸として揺動駆動され、車輪2のキャンバ角が調整される。
なお、本実施の形態では、各連結軸48,49及びウォームホイール45の回転軸45aが、車体フレームBFから車輪2に向かう方向(矢印R方向)において、第1連結軸48、回転軸45a、第2連結軸49の順に一直線上に並んで位置する第1キャンバ状態と、回転軸45a、第1連結軸48、第2連結軸49の順に一直線上に並んで位置する第2キャンバ状態(図2に示す状態)とのいずれか一方のキャンバ状態となるように車輪2のキャンバ角が調整される。
また、本実施の形態では、第1キャンバ状態において、車輪2のキャンバ角がマイナス方向(車輪2の中心線が垂直線に対して車両1内側に傾いた状態)の所定の角度(本実施の形態では−3°、以下「第1キャンバ角」と称す)に調整され、車輪2にネガティブキャンバが付与される。一方、第2キャンバ状態(図2に示す状態)では、車輪2のキャンバ角が本実施の形態では0°(以下「第2キャンバ角」と称す)に調整される。
なお、左右の前輪2FL,2FRを懸架する懸架装置40は、左右の前輪2FL,2FRを操舵可能に懸架する点、及び、左右の前輪2FL,2FRのキャンバ角を調整する機能が省略されている点(即ち、図2に示す懸架装置4において、RRモータ44RRが省略されている点)を除き、その他の構成は懸架装置4と同一の構成であるので、その説明を省略する。
図1に戻って説明する。操舵装置5は、運転者によるステアリング63の操作を左右の前輪2FL,2FRに伝えて操舵するための装置であり、いわゆるラック&ピニオン式のステアリングギヤとして構成されている。
この操舵装置5によれば、運転者によるステアリング63の操作(回転)は、まず、ステアリングコラム51を介してユニバーサルジョイント52に伝達され、ユニバーサルジョイント52により角度を変えられつつステアリングボックス53のピニオン53aに回転運動として伝達される。そして、ピニオン53aに伝達された回転運動は、ラック53bの直線運動に変換され、ラック53bが直線運動することで、ラック53bの両端に接続されたタイロッド54が移動する。その結果、タイロッド54がナックル55を押し引きすることで、車輪2に所定の舵角が付与される。
アクセルペダル61及びブレーキペダル62は、運転者により操作される操作部材であり、各ペダル61,62の操作状態(踏み込み量、踏み込み速度など)に応じて、車両1の走行速度や制動力が決定され、車輪駆動装置3が駆動制御される。ステアリング63は、運転者により操作される操作部材であり、その操作状態(ステア角、ステア角速度など)に応じて、操舵装置5により左右の前輪2FL,2FRが操舵される。
車両用制御装置100は、上述したように構成される車両1の各部を制御するための装置であり、例えば、各ペダル61,62やステアリング63の操作状態、或いは、キャンバ角センサ装置83の検出結果に応じてキャンバ角調整装置44(図3参照)を作動制御する。
次いで、図3を参照して、車両用制御装置100の詳細構成について説明する。図3は、車両用制御装置100の電気的構成を示したブロック図である。
図3に示すように、車両用制御装置100は、CPU71、ROM72及びRAM73を備え、それらがバスライン74を介して入出力ポート75に接続されている。また、入出力ポート75には、車輪駆動装置3等の各装置が接続されている。
CPU71は、バスライン74により接続された各部を制御する演算装置である。ROM72は、CPU71により実行される制御プログラム(例えば、図4から図6に図示されるフローチャートのプログラム)や固定値データ等を記憶する書き換え不能な不揮発性のメモリである。
RAM73は、制御プログラムの実行時に各種のデータを書き換え可能に記憶するためのメモリであり、キャンバフラグ73a、左輪故障フラグ73b、右輪故障フラグ73c及び旋回フラグ73dが設けられている。
キャンバフラグ73aは、車輪2(左右の後輪2RL,2RR)のキャンバ角が第1キャンバ角または第2キャンバ角のいずれに調整された状態にあるか否かを示すフラグであり、後述するキャンバ制御処理(図6参照)の実行時にオン又はオフに切り替えられる。具体的には、車輪2のキャンバ角が第1キャンバ角に調整された場合(即ち、ネガティブキャンバが付与された場合)にオンに切り替えられ、車輪2のキャンバ角が第2キャンバ角に調整された場合(即ち、ネガティブキャンバの付与が解除された場合)にオフに切り替えられる。
左輪故障フラグ73b及び右輪故障フラグ73cは、左の後輪2RLのキャンバ角および右の後輪2RRのキャンバ角がそれぞれ指令角度に対して適性に調整されているか否かを示すフラグであり、後述する角度状態判断処理(図5参照)の実行時にオン又はオフに切り替えられる。即ち、両フラグ73b,73cは、それぞれ通常状態ではオフされているが、例えば、キャンバ角調整装置44(RLモータ44RL等)の機械的または電気的な故障により、指令角度に対して適切な角度のキャンバ角に調整されていないことが検出された場合にはオンに切り替えられる。
なお、本実施の形態では、左の後輪2RLのキャンバ角または右の後輪2RRのキャンバ角の可動範囲が0°から−1°の範囲に規制されている場合、及び、左の後輪2RLのキャンバ角または右の後輪2RRのキャンバ角が0°から−1°の間の角度で固定(スティック)されている場合に、左輪故障フラグ73bまたは右輪故障フラグ73cがオンされる。
旋回フラグ73dは、車両1の走行状態が旋回状態であるか否かを示すフラグであり、後述する旋回判断処理(図4参照)の実行時にオン又はオフに切り替えられる。なお、本実施の形態における旋回フラグ73dは、ステアリング63の操作量が所定の操作量以上である場合にオンに切り替えられ、ステアリング63の操作量が所定の操作量に満たない場合にオフに切り替えられる。
車輪駆動装置3は、上述したように、左右の前輪2FL,2FR(図1参照)を回転駆動するための装置であり、それら左右の前輪2FL,2FRに回転駆動力を付与する電動モータ3aと、その電動モータ3aをCPU71からの指示に基づいて駆動制御する駆動制御回路(図示せず)とを主に備えている。但し、車輪駆動装置3は、電動モータ3aに限られず、他の駆動源を採用することは当然可能である。他の駆動源としては、例えば、油圧モータやエンジン等が例示される。
キャンバ角調整装置44は、車輪2(左右の後輪2RL,2RR)のキャンバ角を調整するための装置であり、上述したように、各懸架装置4のウォームホイール45(図2参照)へ回転駆動力を付与するRLモータ44RL及びRRモータ44RRと、それら各モータ44RL,44RRの回転駆動力により回転されたウォームホイール45の位相をそれぞれ検出するRLポジションセンサ94RL及びRRポジションセンサ94RRと、それら各ポジションセンサ94RL,94RRの検出結果を処理してCPU71へ出力する出力回路(図示せず)と、CPU71からの指示に基づいて各モータ44RL,44RRをそれぞれ駆動制御する駆動制御回路とを主に備えている。
なお、各モータ44RL,44RRは、電動のサーボモータとして構成される。即ち、キャンバ角調整装置44は、各ポジションセンサ94RL,94RRにより検出した各モータ44RL,44RRの状態(位相)をフィードバックし、現在位置と目標位置との差分を減少させることで、各モータ44RL,44RRの位置制御を行う。
また、駆動制御回路は、RLモータ44RL及びRRモータ44RRの回転軸を電気的にロック(規制)するサーボロック回路を備えており、RLモータ44RL及びRRモータ44RRのサーボロックをオンすることで、各ウォームホイール45の回転をそれぞれ独立して規制可能に構成されている。
但し、本実施の形態では、左右の後輪2RL,2RRのキャンバ角を第1キャンバ角または第2キャンバ角に調整した状態では、RLモータ44RL及びRRモータ44RRの電気的な駆動を解除(オフ)する。上述したように、第1キャンバ状態または第2キャンバ状態では、第1連結軸48、第2連結軸49及び回転軸45aが一直線上に並んで位置するため、アーム46からウォームホイール45へ力が加わった場合でも、ウォームホイール45を回転させる方向の力成分の発生を抑制できるからである。これにより各モータ44RL,44RRの消費エネルギーを抑制できる。
加速度センサ装置80は、車両1の加速度を検出すると共に、その検出結果をCPU71に出力するための装置であり、前後方向加速度センサ80a及び左右方向加速度センサ80bと、それら各加速度センサ80a,80bの検出結果を処理してCPU71に出力する出力回路(図示せず)とを主に備えている。
前後方向加速度センサ80aは、車両1(車体フレームBF)の前後方向(図1矢印F−B方向)の加速度、いわゆる前後Gを検出するセンサであり、左右方向加速度センサ80bは、車両1(車体フレームBF)の左右方向(図1矢印L−R方向)の加速度、いわゆる横Gを検出するセンサである。なお、本実施の形態では、これら各加速度センサ80a,80bが圧電素子を利用した圧電型センサとして構成されている。
また、CPU71は、加速度センサ装置80から入力された各加速度センサ80a,80bの検出結果(前後G、横G)を時間積分して、2方向(前後方向および左右方向)の速度をそれぞれ算出すると共に、それら2方向成分を合成することで、車両1の走行速度を取得することができる。
アクセルペダルセンサ装置61aは、アクセルペダル61の操作量を検出すると共に、その検出結果をCPU71に出力するための装置であり、アクセルペダル61の踏み込み量を検出する角度センサ(図示せず)と、その角度センサの検出結果を処理してCPU71に出力する出力回路(図示せず)とを主に備えている。
ブレーキペダルセンサ装置62aは、ブレーキペダル62の操作量を検出すると共に、その検出結果をCPU71に出力するための装置であり、ブレーキペダル62の踏み込み量を検出する角度センサ(図示せず)と、その角度センサの検出結果を処理してCPU71に出力する出力回路(図示せず)とを主に備えている。
ステアリングセンサ装置63aは、ステアリング63の操作量を検出すると共に、その検出結果をCPU71に出力するための装置であり、ステアリング63のステア角を検出する角度センサ(図示せず)と、その角度センサの検出結果を処理してCPU71に出力する出力回路(図示せず)とを主に備えている。
なお、本実施の形態では、各角度センサが電気抵抗を利用した接触型のポテンショメータとして構成されている。また、CPU71は、各センサ装置61a,62a,63aから入力された各角度センサの検出結果(操作量)を時間微分して、各ペダル61,62の踏み込み速度およびステアリング63のステア角速度を取得することができる。更に、CPU71は、取得したステアリング63のステア角速度を時間微分して、ステアリング63のステア角加速度を取得することができる。
次いで、図4を参照して、旋回判断処理について説明する。図4は、旋回判断処理を示すフローチャートである。この処理は、車両用制御装置100の電源が投入されている間、CPU71によって繰り返し(例えば、0.2秒間隔で)実行される処理であり、車両1の走行状態が所定の旋回状態にあるかを判断する処理である。
CPU71は、旋回判断処理に関し、まず、ステアリング63の操作量(ステア角)を取得し(S1)、その取得したステアリング63の操作量が所定の操作量以上であるか否かを判断する(S2)。なお、S2の処理では、S1の処理で取得したステアリング63の操作量と、ROM72に予め記憶されている閾値とを比較して、現在のステアリング63の操作量が所定の操作量以上であるか否かを判断する。
その結果、ステアリング63の操作量が所定の操作量以上であると判断される場合には(S2:Yes)、旋回フラグ73dをオンして(S3)、この旋回判断処理を終了する。即ち、この旋回判断処理では、ステアリング63の操作量が所定の操作量以上である場合に、車両1の走行状態が所定の旋回状態にあると判断する。
一方、S2の処理の結果、ステアリング63の操作量が所定の操作量よりも小さいと判断される場合には(S2:No)、車両1の走行状態は所定の直進状態であるので、旋回フラグ73dをオフして(S4)、この旋回判断処理を終了する。
次いで、図5を参照して、角度状態判断処理について説明する。図5は、角度状態判断処理を示すフローチャートである。この処理は、車両用制御装置100の電源が投入されている間、CPU71によって繰り返し(例えば、0.2秒間隔で)実行される処理であり、左右の後輪2RL,2RRのキャンバ角が指令角度に対して適性な角度に設定されているか否かを判断する処理である。
CPU71は、角度状態判断処理に関し、まず、左の後輪2RLのキャンバ角が適正であるかを判断する(S11)。即ち、キャンバ角調整装置44(RLモータ44RL等)や懸架装置4等の機械的または電気的な故障により、車輪2のキャンバ角を調整不能な状態(例えば、スティック或いは可動範囲の制限など)が生じていないかを判断する。
なお、S11の処理は、RLポジションセンサ94RL(図3参照)の出力値から得られるウォームホイール45(図2参照)の位相と、RLモータ44RL(図3参照)への指令角度とに基づいて、左の後輪2RLのキャンバ角が適正であるかを判断する。
即ち、RLモータ44RLへの角度指令が、左の後輪2RLのキャンバ角を第1キャンバ角(本実施の形態では−3°)に調整することを指令するものである場合に、ウォームホイール45の位相が第1キャンバ角に対応する位相範囲(即ち、センサの検出精度や部品の寸法精度を考慮した所定の誤差範囲であって、例えば、−3.1°≦θ≦−2.9°のキャンバ角θに対応する位相範囲)内にあれば、角度指令通りにキャンバ角が調整されているとして、S11の処理において、左の後輪2RLのキャンバ角は適正である(S11:Yes)と判断される。
同様に、角度指令が第2キャンバ角(本実施の形態では0°)を指令するものである場合に、ウォームホイール45の位相が第2キャンバ角に対応する位相範囲(例えば、−0.1°≦θ≦0.1°のキャンバ角θに対応する位相範囲)内にあれば、角度指令通りにキャンバ角が調整されているとして、S11の処理において、左の後輪2RLのキャンバ角は適正である(S11:Yes)と判断される。
一方、RLモータ44RLへの角度指令が、左の後輪2RLのキャンバ角を第1キャンバ角(本実施の形態では−3°)に調整することを指令するものである場合に、ウォームホイール45の位相が所定の位相範囲(本実施の形態では、−1°<θ≦−0.1°のキャンバ角θに対応する位相範囲)内にあれば、角度指令通りにキャンバ角が調整されていないものとして、S11の処理において、左の後輪2RLのキャンバ角は適正ではない(S11:No)と判断される。
同様に、角度指令が第2キャンバ角(本実施の形態では0°)を指令するものである場合に、ウォームホイールの位相が上述した所定の位相範囲(−1°<θ≦−0.1°のキャンバ角θに対応する位相範囲)内にあれば、角度指令通りにキャンバ角が調整されていないものとして、S11の処理において、左の後輪2RLのキャンバ角は適正ではない(S11:No)と判断される。
なお、角度指令が第1キャンバ角または第2キャンバ角を指令するものである場合に、ウォームホイール45の位相が別の位相範囲(−2.9°<θ≦−1°のキャンバ角θに対応する位相範囲)内にあれば、車輪2(左の後輪2RL)に比較的大きなキャンバ角が付与された状態での故障であるので、割り込み処理(図示せず)が実行され、緊急の警告処理(例えば、走行を禁止する処理など)が実行される。キャンバ角調整装置44等の故障により、このように比較的大きなキャンバ角で車輪2のキャンバ角が固定(スティック)等された状態では、直進走行における走行安定性が著しく損なわれる虞があるためである。
S11の処理において、左の後輪2RLのキャンバ角は適正であると判断される場合には(S11:Yes)、次いで、右の後輪2RRのキャンバ角は適正であるかを判断する(S12)。なお、S12の処理における判断方法は、S11の処理における判断方法と同様であるので、その説明は省略する。
その結果、S12の処理において、右の後輪2RRのキャンバ角は適正であると判断される場合には(S12:Yes)、左右の後輪2RL,2RRのキャンバ角はいずれも適正であり、キャンバ角調整装置44等に故障は生じていないと考えられるので、左輪故障フラグ73b及び右輪故障フラグ73c(図3参照)をいずれもオフして(S13及びS14)、この角度状態判断処理を終了する。
S12の処理において、右の後輪2RRのキャンバ角は適正ではないと判断される場合には(S12:No)、左の後輪2RLのキャンバ角は適正であり、左の後輪2RLに対応するキャンバ角調整装置44(RLモータ44RL等)や懸架装置4には故障は生じていない一方、右の後輪2RRに対応するキャンバ角調整装置44(RRモータ44RR等)又は懸架装置4に故障が生じていると考えられるので、左輪故障フラグ73bをオフする一方(S15)、右輪故障フラグ73cをオンして(S16)、この角度状態判断処理を終了する。
S11の処理において、左の後輪2RLのキャンバ角は適正ではないと判断される場合には(S11:No)、次いで、右の後輪2RRのキャンバ角は適正であるかを判断する(S17)。なお、S17の処理における判断方法は、S11の処理における判断方法と同様であるので、その説明は省略する。
その結果、S17の処理において、右の後輪2RRのキャンバ角は適正であると判断される場合には(S17:Yes)、右の後輪2RLのキャンバ角は適正であるが、左の後輪2RLのキャンバ角は適正ではなく、右の後輪2RRに対応するキャンバ角調整装置44(RRモータ44RR等)や懸架装置4には故障は生じていない一方、左の後輪2RLに対応するキャンバ角調整装置44(RLモータ44RL等)又は懸架装置4に故障が生じていると考えられるので、左輪故障フラグ73bをオンする一方(S18)、右輪故障フラグ73cをオフして(S19)、この角度状態判断処理を終了する。
S17の処理において、右の後輪2RLのキャンバ角は適正ではないと判断される場合には(S17:No)、左右の後輪2RL,2RRのキャンバ角のいずれも適正ではないので、警告処理(S20)を実行して、この角度状態判断処理を終了する。
なお、この場合は、左右の後輪2RL,2RRのいずれもキャンバ角を適正に調整不能であるが、比較的小さなキャンバ角が付与された状態での故障であるので、警告処理(S20)では、警告表示および最高速度規制を行う処理と共に後述するキャンバ制御処理(図6参照)をスキップする処理のみ行い、走行を禁止する処理は行わない。この場合は、比較的小さなキャンバ角で車輪2のキャンバ角が固定(スティック)等された状態であり、低速(最高速度が規制された状態)での走行であれば、走行安定性は確保できると考えられるからである。
次いで、図6を参照して、キャンバ制御処理について説明する。図6は、キャンバ制御処理を示すフローチャートである。この処理は、車両用制御装置100の電源が投入されている間、CPU71によって繰り返し(例えば、0.2秒間隔で)実行される処理であり、車両1の状態に応じて、各車輪2(左右の後輪2RL,2RR)のキャンバ角を調整する処理である。
ここで、キャンバ制御処理の説明においては、図7を適宜参照する。図7は、左旋回する車両1の背面視を模式的に図示した模式図であり、図7(a)は左右の後輪2RL,2RRのキャンバ角が第1キャンバ角に調整された状態が、図7(b)は旋回内輪となる左の後輪2RLのキャンバ角が調整不能となった状態が、図7(c)は旋回外輪となる右の後輪2RRのキャンバ角が調整不能となった状態が、それぞれ図示されている。
なお、図7では、理解を容易とするために、旋回方向(左方向)を矢印を用いて模式的に図示すると共に、故障によりキャンバ角が調整不能となった車輪2にハッチングを付しで図示する。
CPU71は、キャンバ制御処理に関し、まず、旋回フラグ73dがオンであるかを判断する(S31)。その結果、旋回フラグ73dがオンではない(即ち、オフである)と判断される場合には(S31:No)、車両1の走行状態は所定の直進状態であり、左右の後輪2RL,2RRにネガティブキャンバを付与する(キャンバ角を第1キャンバ角に設定する)必要はない。
よって、この場合には(S31:No)、キャンバフラグ73aがオンであるかを判断し(S32)、キャンバフラグ73aがオンであると判断される場合には(S32:Yes)、左右の後輪2RL,2RRにネガティブキャンバが付与(即ち、第1キャンバ角に調整)されているので、左右の後輪2RL,2RRへのネガティブキャンバの付与を解除(即ち、左右の後輪2RL,2RRのキャンバ角を第2キャンバ角に調整)して(S33)、キャンバフラグ73aをオフした後(S34)、このキャンバ制御処理を終了する。
これにより、車両1の走行状態が所定の直進状態にある場合に、左右の後輪2RL,2RRに不必要にネガティブキャンバが付与されることを回避して、左右の後輪2RL,2RRの偏磨耗の発生を抑制することができる。
なお、S32の処理において、キャンバフラグ73aはオンではない(即ち、オフである)と判断される場合には(S32:No)、左右の後輪2RL,2RRへのネガティブキャンバの付与は既に解除されている(即ち、既に第2キャンバ角に調整されている)ということなので、S33及びS34の処理をスキップして、このキャンバ制御処理を終了する。
S31の処理において、旋回フラグ73dはオンであると判断される場合には(S31:Yes)、車両1の走行状態は所定の旋回状態であり、車両1の旋回時の走行安定性を確保するために、左右の後輪2RL,2RRにネガティブキャンバを付与(キャンバ角を第1キャンバ角に設定)する必要があるので、S35以降の処理により、左右の後輪2RL,2RRにネガティブキャンバを付与する。
即ち、この場合(S31:Yes)には、まず、S35の処理において、左輪故障フラグ73b又は右輪故障フラグ73cのいずれかがオンであるかを判断する(S35)。その結果、これら両フラグ73b,73cのいずれもオンではない(即ち、オフである)と判断される場合には(S35:No)、キャンバ角調整装置44や懸架装置4に故障は発生しておらず、左右の後輪2RL,2RRのキャンバ角は通常通り調整可能な状態にある。
よって、この場合には(S35:No)、キャンバフラグ73aがオンであるかを判断し(S36)、キャンバフラグ73aがオンではない(即ち、オフである)と判断される場合には(S36:No)、左右の後輪2RL,2RRへのネガティブキャンバの付与が解除されている(即ち、第2キャンバ角に調整されている)ということなので、左右の後輪2RL,2RRにネガティブキャンバを付与(即ち、第1キャンバ角に調整)して(S37)、キャンバフラグ73aをオンした後(S38)、このキャンバ制御処理を終了する。
これにより、図7(a)に示すように、左右の後輪2RL,2RRにネガティブキャンバが付与され(即ち、左右の後輪2RL,2RRのキャンバ角が第1キャンバ角に調整され)、車両1のステア特性をアンダーステア傾向とすることができるので、車両1の旋回時の走行安定性を確保することができる。
なお、S36の処理において、キャンバフラグ73aはオンであると判断される場合には(S36:Yes)、左右の後輪2RL,2RRに既にネガティブキャンバが付与されている(即ち、左右の後輪2RL,2RRのキャンバ角は既に第1キャンバ角に調整されている)ということなので、S37及びS38の処理をスキップして、このキャンバ制御処理を終了する。
S35の処理において、左輪故障フラグ73b又は右輪故障フラグ73cのいずれかがオンであると判断される場合には(S35:Yes)、キャンバ角調整装置44或いは懸架装置4に故障が発生し、左右の後輪2RL,2RRのいずれか一方のキャンバ角が第1キャンバ角に調整不能である(即ち、上述したようにキャンバ角θが−1°≦θ<−0.1°の範囲にある)ため(図7(b)又は図7(c)参照)、車両1のステア特性が、故障の前よりも少なくともアンダーステア傾向が減少する状態となっている。
よって、この場合(S35:Yes)には、左右の後輪2RL,2RRの内の故障によりキャンバ角の調整が不能となった車輪2とは別の車輪2のキャンバ角を所定のキャンバ角に調整することで、オーバーステア傾向を減少させる或いはアンダーステア傾向を増加させ、車両1の旋回時の走行安定性を確保する。
即ち、まず、S39の処理において、左輪故障フラグ73b又は右輪故障フラグ73cがオンされている車輪2(即ち、故障によりキャンバ角が調整不能となった車輪2)は旋回外輪であるかを判断する(S39)。その結果、故障によりキャンバ角が調整不能となった車輪2は旋回外輪ではない(即ち、旋回内輪である)と判断される場合には(S39:No)、図7(b)に示すように、旋回外輪にネガティブキャンバを付与する(即ち、旋回外輪のキャンバ角を第1キャンバ角に調整する)ことで、車両1の旋回時の走行安定性を確保する。
よって、まず、キャンバフラグ73aがオンであるかを判断し(S40)、キャンバフラグ73aがオンではない(即ち、オフである)と判断される場合には(S40:No)、旋回外輪へのネガティブキャンバの付与が解除されている(即ち、旋回外輪のキャンバ角が第2キャンバ角に調整されている)ので、旋回外輪にネガティブキャンバを付与(即ち、旋回外輪のキャンバ角を第1キャンバ角に調整)して(S41)、キャンバフラグ73aをオンした後(S38)、このキャンバ制御処理を終了する。
これにより、故障により旋回内輪にネガティブキャンバを付与(即ち、第1キャンバ角に調整)できなくなり、車両1のステア特性が、アンダーステア傾向が減少した状態、或いは、オーバーステア傾向となった場合でも、図7(b)に示すように、旋回外輪に、旋回内輪よりも絶対値が大きなネガティブのキャンバ角(第1キャンバ角)を付与することで、車両1のステア特性を、オーバーステア傾向が減少するように、或いは、アンダーステア傾向が増加するように変化させることができるので、車両1の旋回時の走行安定性を確保することができる。
なお、S40の処理において、キャンバフラグ73aはオンであると判断される場合には(S40:Yes)、旋回外輪に既にネガティブキャンバが付与され(即ち、旋回外輪のキャンバ角は既に第1キャンバ角に調整され)、図7(b)の状態が既に形成されているということなので、S41及びS38の処理をスキップして、このキャンバ制御処理を終了する。
S39の処理において、故障によりキャンバ角が調整不能となった車輪2は旋回外輪であると判断される場合には(S39:Yes)、図7(c)に示すように、旋回内輪へのネガティブキャンバの付与を解除する(即ち、旋回内輪のキャンバ角を第2キャンバ角に調整する)ことで、車両1の旋回時の走行安定性を確保する。
よって、まず、キャンバフラグ73aがオンであるかを判断し(S42)、キャンバフラグ73aがオンであると判断される場合には(S42:Yes)、旋回内輪にネガティブキャンバが付与されている(即ち、旋回内輪のキャンバ角が第1キャンバ角に調整されている)ので、旋回内輪へのネガティブキャンバの付与を解除(即ち、旋回内輪のキャンバ角を第2キャンバ角に調整)して(S43)、キャンバフラグ73aをオフした後(S44)、このキャンバ制御処理を終了する。
これにより、故障により旋回外輪にネガティブキャンバを付与(即ち、第1キャンバ角に調整)できなくなり、車両1のステア特性が、アンダーステア傾向が減少した状態、或いは、オーバーステア傾向となった場合でも、図7(c)に示すように、旋回内輪に、絶対値が小さなネガティブのキャンバ角(第2キャンバ角)を付与することで、車両1のステア特性を、オーバーステア傾向が減少するように、或いは、アンダーステア傾向が増加するように変化させることができるので、車両1の旋回時の走行安定性を確保することができる。
なお、S42の処理において、キャンバフラグ73aはオンではない(即ち、オフである)と判断される場合には(S42:No)、旋回内輪へのネガティブキャンバの付与が既に解除され(即ち、旋回内輪のキャンバ角は既に第2キャンバ角に調整され)、図7(c)の状態が既に形成されているということなので、S43及びS44の処理をスキップして、このキャンバ制御処理を終了する。
ここで、本実施の形態では、左右の後輪2RL,2RRのキャンバ角を、故障の有無に関わらず、第1キャンバ角と第2キャンバ角との2種類のみに調整する構成であり、故障時であってもキャンバ角調整装置44を作動させる際の制御方法を変更する(即ち、故障時には、故障していない側の車輪2のキャンバ角を、第1キャンバ角および第2キャンバ角とは異なる角度のキャンバ角に調整する)必要がない。よって、車両1のキャンバ角調整装置44の構造を簡素化することができると共に、そのキャンバ角調整装置44を作動させる制御方法を簡素化することができる。
次いで、図8から図10を参照して、第2実施の形態における車両用制御装置について説明する。第1実施の形態では、旋回外輪のキャンバ角が調整不能となった場合に、旋回内輪へのネガティブキャンバの付与を解除する(第2キャンバ角に調整する)場合を説明したが(図7(c)参照)、第2実施の形態では、旋回外輪のキャンバ角が調整不能となった場合に、旋回内輪のキャンバ角をポジティブのキャンバ角に調整する(図10(c)参照)。なお、第1実施の形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
ここで、第2実施の形態における車両用制御装置は、第1実施の形態で説明した車両1を制御対象とし、車両用制御装置100と同じ構成を備える。なお、第2実施の形態において制御対象となる車両は、第1実施の形態で説明した車両1に対し、左右の後輪2RL,2RRを懸架する懸架装置204の一部の構成(アーム246の長さ)が異なる点を除き、他の構成は同一である。
この懸架装置204について説明する。図8は、第2実施の形態における懸架装置204の正面図である。第2実施の形態における懸架装置204のアーム246は、第1実施の形態における懸架装置4のアーム46に対し、その長手方向(図8左右方向)の長さが長くされている。
そのため、図8に示すように、車体フレームBFから車輪2に向かう方向(矢印R方向)において、回転軸45a、第1連結軸48、第2連結軸49が順に一直線上に並ぶと、左右の後輪2RL,2RR(図8では右の後輪2RR)のキャンバ角が、プラス方向(車輪2の中心線が垂直線に対して車両1外側に傾いた状態)の所定の角度(本実施の形態では2°、以下「第3キャンバ角」と称す)に調整され、左右の後輪2RL,2RRにポジティブキャンバが付与される。
また、第2実施の形態では、第1実施の形態の場合と同様に、左右の後輪2RL,2RRのキャンバ角が第1キャンバ角または第2キャンバ角に調整される。即ち、キャンバ角調整装置44の駆動制御回路は、上述したように、RLモータ44RL及びRRモータ44RRの回転軸を電気的にロック(規制)するサーボロック回路を備えているので、各ウォームホイール45を所定の回転位置(即ち、第1キャンバ角および第2キャンバ角に対応する回転位置)で固定することで、左右の後輪2RL,2RRを第1キャンバ角または第2キャンバ角に調整できる。
次いで、図9を参照して、第2実施の形態におけるキャンバ制御処理について説明する。図9は、第2実施の形態におけるキャンバ制御処理を示すフローチャートである。この処理は、車両用制御装置100の電源が投入されている間、CPU71によって繰り返し(例えば、0.2秒間隔で)実行される処理であり、車両1の状態に応じて、各車輪2(左右の後輪2RL,2RR)のキャンバ角を調整する処理である。
ここで、キャンバ制御処理の説明においては、図10を適宜参照する。図10は、左旋回する車両1の背面視を模式的に図示した模式図であり、図7(a)は左右の後輪2RL,2RRのキャンバ角が第1キャンバ角に調整された状態が、図7(b)は旋回内輪となる左の後輪2RLのキャンバ角が調整不能となった状態が、図7(c)は旋回外輪となる右の後輪2RRのキャンバ角が調整不能となった状態が、それぞれ図示されている。
なお、図10では、理解を容易とするために、旋回方向(左方向)を矢印を用いて模式的に図示すると共に、故障によりキャンバ角が調整不能となった車輪2にハッチングを付しで図示する。
CPU71は、第2実施の形態におけるキャンバ制御処理に関し、第1実施の形態の場合と同様に、各フラグ73a〜73dの状態に応じて、図10(a)又は図10(b)に示すように、左右の車輪2RL,2RRのキャンバ角を第1キャンバ角または第2キャンバ角に調整する(S31〜S41)。
ここで、第2実施の形態では、S39の処理において、故障によりキャンバ角が調整不能となった車輪2は旋回外輪であると判断される場合(S39:Yes)、図10(c)に示すように、旋回内輪にポジティブキャンバを付与する(即ち、旋回内輪のキャンバ角を第3キャンバ角に調整する)ことで、車両1の旋回時の走行安定性を確保する。
即ち、まず、旋回内輪にポジティブキャンバが付与されているかを判断し(S242)、旋回内輪にポジティブキャンバが付与されていないと判断される場合には(S242:No)、旋回内輪にポジティブキャンバを付与(即ち、旋回内輪のキャンバ角を第3キャンバ角に調整)して(S243)、このキャンバ制御処理を終了する。
これにより、車両1の旋回時の走行安定性をより確実に確保することができる。即ち、旋回外輪は接地荷重が高くなるため、図10(a)に示すように旋回外輪のキャンバ角を第1キャンバ角に調整することができず、図10(c)に示すように旋回外輪が比較的絶対値が小さなキャンバ角で調整不能となった場合には、車両1のステア特性がオーバーステア傾向となる虞が高い。一方で、旋回内輪は接地荷重が低く、旋回内輪のキャンバスラストの影響が比較的小さくなるため、旋回内輪のキャンバ角を第2キャンバ角に設定する(即ち、そのキャンバ角の絶対値を小さくする)だけでは(図7(c)参照)、オーバーステア傾向を減少させることが困難となる。
これに対し、本実施の形態では、故障した車輪2が旋回外輪である場合に、旋回内輪にポジティブキャンバを付与する(即ち、旋回内輪のキャンバ角を第3キャンバ角に調整する)ので、車両1のステア特性を、オーバーステア傾向が減少するように或いはアンダーステア傾向が増加するように変化させることを、より効果的に達成できる。その結果、車両1の旋回時の走行安定性の確保をより確実に達成できる。
なお、S242の処理において、旋回内輪にポジティブキャンバが付与されていると判断される場合には(S42:Yes)、旋回内輪のキャンバ角が第3キャンバ角に調整され、図10(c)の状態が既に形成されているということなので、S243の処理をスキップして、このキャンバ制御処理を終了する。
次いで、図11から図14を参照して、第3実施の形態における車両用制御装置300について説明する。第1実施の形態では、車両用制御装置100によりキャンバ角の調整が行われる車輪2が左右の後輪2RL,2RRである場合を説明したが、第3実施の形態における車両用制御装置300は、左右の前輪2FL,2FRのキャンバ角と左右の後輪2RL,2RRのキャンバ角とをそれぞれ調整する。なお、上記各実施の形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
ここで、第3実施の形態における車両用制御装置300が制御対象とする車両は、第2実施の形態で説明した懸架装置204を4個備え、これら4個の懸架装置204により、左右の前輪2FL,2FR及び左右の後輪2RL,2RRが懸架される。この点を除き、他の構成は第1実施の形態で説明した車両1と同一である。
図11は、第3実施の形態における車両用制御装置300の電気的構成を示したブロック図である。図11に示すように、車両用制御装置300のRAM373には、キャンバフラグ73a、前輪故障フラグ373b、後輪故障フラグ373c及び旋回フラグ73dが設けられている。
前輪故障フラグ373b及び後輪故障フラグ373cは、左右の前輪2FL,2FRのキャンバ角および左右の後輪2RL,2RRのキャンバ角がそれぞれ指令角度に対して適性に調整されているか否かを示すフラグであり、後述する角度状態判断処理(図12参照)の実行時にオン又はオフに切り替えられる。即ち、両フラグ373b,373cは、それぞれ通常状態ではオフされているが、例えば、キャンバ角調整装置344(FLモータ344FL等)の機械的または電気的な故障により、指令角度に対して適切な角度のキャンバ角に調整されていないことが検出された場合にはオンに切り替えられる。
なお、本実施の形態では、左右の前輪2FL,2FRのキャンバ角の可動範囲が0°から1°の範囲に規制されている場合、又は、左右の前輪2FL,2FRのキャンバ角が0°から1°の間の角度で固定(スティック)されている場合に、前輪故障フラグ373bがオンされ、左右の後輪2RL,2RRのキャンバ角の可動範囲が0°から−1度の範囲に規制されている場合、又は、左右の後輪2RL,2RRのキャンバ角が0°から−1°の間の角度で固定(スティック)されている場合に、後輪故障フラグ373cがオンされる。
キャンバ角調整装置344は、車輪2(左右の前輪2FL,2FR及び左右の後輪2RL,2RR)のキャンバ角を調整するための装置であり、上述したように、左右の前輪2FL,2FRを懸架する各懸架装置204のウォームホイール45(図8参照)へ回転駆動力を付与するFLモータ344FL及びFRモータ344FRと、左右の後輪2RL,2RRを懸架する各懸架装置204のウォームホイール45へ回転駆動力を付与するRLモータ44RL及びRRモータ44RRと、それら各モータ344FL,344FR,44RL,44RRの回転駆動力により回転されたウォームホイール45の位相をそれぞれ検出するFLポジションセンサ394FL、FRポジションセンサ394FR、RLポジションセンサ94RL及びRRポジションセンサ94RRと、それら各ポジションセンサ394FL〜94RRの検出結果を処理してCPU71へ出力する出力回路(図示せず)と、CPU71からの指示に基づいて各モータ344FL,344FR,44RL,44RRをそれぞれ駆動制御する駆動制御回路とを主に備えている。
なお、各モータ344FL,344FR,44RL,44RRはそれぞれ同一の構成である。また、駆動制御回路は、上述した通り、各モータ344FL,344FR,44RL,44RRの回転軸を電気的にロック(規制)するサーボロック回路を備える。よって、サーボロックにより、各ウォームホイール45を所定の回転位置で固定することで、左右の前輪2FL,2FRのキャンバ角および左右の後輪2RL,2RRのキャンバ角を所望の角度に設定できる。
ここで、第3実施の形態では、車両の旋回時には、左右の前輪2FL,2FRのキャンバ角がポジティブのキャンバ角(本実施の形態では2°、以下「第5キャンバ角」と称す)に調整されると共に、左右の後輪2RL,2RRのキャンバ角がネガティブのキャンバ角(本実施の形態では−2°、以下「第6キャンバ角」と称す)に調整される。一方、車両の非旋回時には、左右の前輪2FL,2FRのキャンバ角および左右の後輪2RL,2RRのキャンバ角が本実施の形態では0°(以下「第7キャンバ角」と称す)に調整される。
また、キャンバ角調整装置344の故障により、左右の前輪2FL,2FRのキャンバ角または左右の後輪2RL,2RRのキャンバ角が調整不能となり、前輪故障フラグ344b又は後輪故障フラグ344cがオンされた場合には、左右の前輪2FL,2FRのキャンバ角または左右の後輪2RL,2RRのキャンバ角が増加される。本実施の形態では、左右の前輪2FL,2FRは3°(以下「前輪故障時角」と称す)に、左右の後輪2RL,2RRは−3°(以下「後輪故障時角」と称す)に、それぞれ増加される。
次いで、図12を参照して、第3実施の形態における角度状態判断処理について説明する。図12は、第3実施の形態における角度状態判断処理を示すフローチャートである。この処理は、車両用制御装置100の電源が投入されている間、CPU71によって繰り返し(例えば、0.2秒間隔で)実行される処理であり、左右の前輪2FL,2FRのキャンバ角および左右の後輪2RL,2RRのキャンバ角がそれぞれ指令角度に対して適性な角度に設定されているか否かを判断する処理である。
CPU71は、第3実施の形態における角度状態判断処理に関し、まず、左右の前輪2FL,2FRのキャンバ角が適正であるかを判断する(S311)。即ち、キャンバ角調整装置344(FLモータ344FL等)や懸架装置204等の機械的または電気的な故障により、車輪2のキャンバ角を調整不能な状態(例えば、スティック或いは可動範囲の制限など)が生じていないかを判断する。
なお、S311の処理は、FLポジションセンサ394FL等(図11参照)の出力値から得られるウォームホイール45(図8参照)の位相と、FLモータ344FL(図11参照)への指令角度とに基づいて、左右の前輪2FL,2FRのキャンバ角が適正であるかを判断する。
即ち、FLモータ344FLへの角度指令が、左右の前輪2FL,2FRのキャンバ角を第5キャンバ角(本実施の形態では2°)に調整することを指令するものである場合に、ウォームホイール45の位相が第5キャンバ角に対応する位相範囲(即ち、センサの検出精度や部品の寸法精度を考慮した所定の誤差範囲であって、例えば、1.9°≦θ≦2.1°のキャンバ角θに対応する位相範囲)内にあれば、角度指令通りにキャンバ角が調整されているとして、S311の処理において、左右の前輪2FL,2FRのキャンバ角は適正である(S311:Yes)と判断される。
同様に、角度指令が第7キャンバ角(本実施の形態では0°)を指令するものである場合に、ウォームホイール45の位相が第7キャンバ角に対応する位相範囲(例えば、−0.1°≦θ≦0.1°のキャンバ角θに対応する位相範囲)内にあれば、角度指令通りにキャンバ角が調整されているとして、S311の処理において、左右の前輪2FL,2FRのキャンバ角は適正である(S311:Yes)と判断される。
一方、FLモータ344FLへの角度指令が、左右の前輪2FL,2FRのキャンバ角を第5キャンバ角(本実施の形態では2°)に調整することを指令するものである場合に、ウォームホイール45の位相が所定の位相範囲(本実施の形態では、0.1°<θ≦1°のキャンバ角θに対応する位相範囲)内にあれば、角度指令通りにキャンバ角が調整されていないものとして、S311の処理において、左の後輪2RLのキャンバ角は適正ではない(S311:No)と判断される。
同様に、角度指令が第7キャンバ角(本実施の形態では0°)を指令するものである場合に、ウォームホイールの位相が上述した所定の位相範囲(0.1°<θ≦1°のキャンバ角θに対応する位相範囲)内にあれば、角度指令通りにキャンバ角が調整されていないものとして、S311の処理において、左右の前輪2FL,2FRのキャンバ角は適正ではない(S311:No)と判断される。
なお、角度指令が第5キャンバ角または第7キャンバ角を指令するものである場合に、ウォームホイール45の位相が別の位相範囲(θ<−0.1°又は1°<θのキャンバ角θに対応する位相範囲)内にあれば、割り込み処理(図示せず)が実行され、緊急の警告処理(例えば、走行を禁止する処理など)が実行される。このような状態では、直進時または旋回時における走行安定性が著しく損なわれる虞があるためである。
S311の処理において、左右の前輪2FL,2FRのキャンバ角は適正であると判断される場合には(S311:Yes)、次いで、左右の後輪2RL,2RRのキャンバ角は適正であるかを判断する(S312)。
ここで、S312の処理では、RLモータ44RLへの角度指令が、左右の後輪2RL,2RRのキャンバ角を第6キャンバ角(本実施の形態では−2°)に調整することを指令するものである場合に、ウォームホイール45の位相が第6キャンバ角に対応する位相範囲(即ち、センサの検出精度や部品の寸法精度を考慮した所定の誤差範囲であって、例えば、−2.1°≦θ≦−1.9°のキャンバ角θに対応する位相範囲)内にあれば、角度指令通りにキャンバ角が調整されているとして、S312の処理において、左右の後輪2RL,2RRのキャンバ角は適正である(S312:Yes)と判断される。なお、角度指令が第7キャンバ角(本実施の形態では0°)を指令するものである場合は、S311の処理と同様であるので、その説明は省略する。
一方、RLモータ44RLへの角度指令が、左右の後輪2RL,2RRのキャンバ角を第6キャンバ角(本実施の形態では−2°)に調整することを指令するものである場合に、ウォームホイール45の位相が所定の位相範囲(本実施の形態では、−1°≦θ<−0.1°のキャンバ角θに対応する位相範囲)内にあれば、角度指令通りにキャンバ角が調整されていないものとして、S312の処理において、左右の後輪2RL,2RRのキャンバ角は適正ではない(S312:No)と判断される。なお、角度指令が第7キャンバ角(本実施の形態では0°)を指令するものである場合は、S311の処理と同様であるので、その説明は省略する。
なお、角度指令が第6キャンバ角または第7キャンバ角を指令するものである場合に、ウォームホイール45の位相が別の位相範囲(θ<−1°又は0.1°<θのキャンバ角θに対応する位相範囲)内にある場合は、S311の処理と同様であるので、その説明は省略する。
その結果、S312の処理において、左右の後輪2RL,2RRのキャンバ角は適正であると判断される場合には(S312:Yes)、左右の前輪2FL,2FRのキャンバ角および左右の後輪2RL,2RRのキャンバ角はいずれも適正であり、キャンバ角調整装置344等に故障は生じていないと考えられるので、前輪故障フラグ373b及び後輪故障フラグ373c(図11参照)をいずれもオフして(S313及びS314)、この角度状態判断処理を終了する。
S312の処理において、左右の後輪2RL,2RRのキャンバ角は適正ではないと判断される場合には(S312:No)、左右の前輪2FL,2FRのキャンバ角は適正であり、左右の前輪2FL,2FRに対応するキャンバ角調整装置344(FLモータ344FL等)や懸架装置204には故障は生じていない一方、左右の後輪2RL,2RRに対応するキャンバ角調整装置344(RRモータ44RR等)又は懸架装置204に故障が生じていると考えられるので、前輪故障フラグ373bをオフする一方(S315)、後輪故障フラグ373cをオンして(S316)、この角度状態判断処理を終了する。
S311の処理において、左右の前輪2FL,2FRのキャンバ角は適正ではないと判断される場合には(S311:No)、次いで、左右の後輪2RL,2RRのキャンバ角は適正であるかを判断する(S317)。なお、S317の処理における判断方法は、S312の処理における判断方法と同様であるので、その説明は省略する。
その結果、S317の処理において、左右の後輪2RL,2RRは適正であると判断される場合には(S317:Yes)、左右の後輪2RL,2RRのキャンバ角は適正であるが、左右の前輪2FL,2FRのキャンバ角は適正ではなく、左右の後輪2RL,2RRに対応するキャンバ角調整装置344(RRモータ44RR等)や懸架装置204には故障は生じていない一方、左右の前輪2FL,2FRに対応するキャンバ角調整装置344(FLモータ344FL等)又は懸架装置204に故障が生じていると考えられるので、前輪故障フラグ373bをオンする一方(S318)、後輪故障フラグ373cをオフして(S319)、この角度状態判断処理を終了する。
S317の処理において、左右の後輪2RL,2RRのキャンバ角は適正ではないと判断される場合には(S317:No)、左右の前輪2FL,2FRのキャンバ角および左右の後輪2RL,2RRのキャンバ角のいずれも適正ではないので、警告処理(S20)を実行して、この角度状態判断処理を終了する。
なお、この場合は、左右の前輪2FL,2FRのキャンバ角および左右の後輪2RL,2RRのキャンバ角のいずれも適正に調整不能であるが、警告処理(S20)では、警告表示および最高速度規制を行う処理と共に後述するキャンバ制御処理(図13参照)をスキップする処理のみ行い、走行を禁止する処理は行わない。この場合は、比較的小さなキャンバ角で車輪2のキャンバ角が固定(スティック)等された状態であると共に、左右の前輪2FL,2FRにはポジティブのキャンバ角が、左右の後輪2RL,2RRにはネガティブのキャンバ角が、それぞれ付与された状態での故障であるので、低速(最高速度が規制された状態)での走行であれば、走行安定性は確保できると考えられるからである。
次いで、図12を参照して、第3実施の形態におけるキャンバ制御処理について説明する。図12は、キャンバ制御処理を示すフローチャートである。この処理は、車両用制御装置300の電源が投入されている間、CPU71によって繰り返し(例えば、0.2秒間隔で)実行される処理であり、車両1の状態に応じて、各車輪2(左右の前輪2FL,2FR及び左右の後輪2RL,2RR)のキャンバ角を調整する処理である。
ここで、キャンバ制御処理の説明においては、図14を適宜参照する。図14は、左旋回する車両の背面視を模式的に図示した模式図であり、図14(a)は左右の前輪2FL,2FRのキャンバ角が第5キャンバ角に調整されると共に左右の後輪2RL,2RRのキャンバ角が第6キャンバ角に調整された状態が、図14(b)は左右の前輪2FL,2FRのキャンバ角が調整不能となった状態が、図14(c)は左右の後輪2RL,2RRのキャンバ角が調整不能となった状態が、それぞれ図示されている。
なお、図14では、理解を容易とするために、旋回方向(左方向)を矢印を用いて模式的に図示すると共に、故障によりキャンバ角が調整不能となった車輪2にハッチングを付しで図示する。
CPU71は、キャンバ制御処理に関し、旋回フラグ73dがオンではない(即ち、オフである)と判断され(S31:No)、かつ、キャンバフラグ73aがオンであると判断される場合には(S32:Yes)、左右の前輪2FL,2FR及び左右の後輪2RL,2RRにポジティブキャンバ及びネガティブキャンバがそれぞれ付与(即ち、第5キャンバ角および第6キャンバ角にそれぞれ調整)されているので、左右の前輪2FL,2FR及び左右の後輪2RL,2RRへのポジティブキャンバ及びネガティブキャンバの付与をそれぞれ解除(即ち、左右の前輪2FL,2FR及び左右の後輪2RL,2RRのキャンバ角を第7キャンバ角に調整)して(S333)、キャンバフラグ73aをオフした後(S34)、このキャンバ制御処理を終了する。
これにより、車両1の走行状態が所定の直進状態にある場合に、左右の前輪2FL,2FR及び左右の後輪2RL,2RRにそれぞれ不必要にポジティブキャンバ及びネガティブキャンバが付与されることを回避して、左右の前輪2FL,2FR及び左右の後輪2RL,2RRの偏磨耗の発生を抑制することができる。
なお、S32の処理において、キャンバフラグ73aはオンではない(即ち、オフである)と判断される場合には(S32:No)、左右の前輪2FL,2FR及び左右の後輪2RL,2RRへのポジティブキャンバ及びネガティブキャンバの付与は既に解除されている(即ち、既に第7キャンバ角に調整されている)ということなので、S333及びS34の処理をスキップして、このキャンバ制御処理を終了する。
S31の処理において、旋回フラグ73dはオンであると判断され(S31:Yes)、車両の旋回時の走行安定性を確保する必要がある場合には、S335以降の処理により、左右の前輪2FL,2FRにポジティブキャンバを付与すると共に左右の後輪2RL,2RRにネガティブキャンバを付与する(図14(a)参照)。
即ち、この場合(S31:Yes)には、まず、S335の処理において、前輪故障フラグ373b又は後輪故障フラグ373cのいずれかがオンであるかを判断する(S335)。その結果、これら両フラグ373b,373cのいずれもオンではない(即ち、オフである)と判断される場合には(S335:No)、キャンバ角調整装置344や懸架装置204に故障は発生しておらず、左右の前輪2FL,2FRのキャンバ角および左右の後輪2RL,2RRのキャンバ角はそれぞれ通常通り調整可能な状態にある。
よって、この場合には(S335:No)、キャンバフラグ73aがオンであるかを判断し(S36)、キャンバフラグ73aがオンではない(即ち、オフである)と判断される場合には(S36:No)、左右の前輪2FL,2FRへのポジティブキャンバの付与および左右の後輪2RL,2RRへのネガティブキャンバの付与がそれぞれ解除されている(即ち、第7キャンバ角に調整されている)ということなので、左右の前輪2FL,2FRにポジティブキャンバを付与すると共に左右の後輪2RL,2RRにネガティブキャンバを付与(即ち、第5キャンバ角および第6キャンバ角にそれぞれ調整)して(S337)、キャンバフラグ73aをオンした後(S38)、このキャンバ制御処理を終了する。
これにより、図14(a)に示すように、左右の前輪2FL,2FRにポジティブキャンバが付与されると共に、左右の後輪2RL,2RRにネガティブキャンバが付与され(即ち、左右の前輪2FL,2FRのキャンバ角が第5キャンバ角に、左右の後輪2RL,2RRのキャンバ角が第6キャンバ角に、それぞれ調整され)、車両のステア特性をアンダーステア傾向とすることができるので、車両の旋回時の走行安定性を確保することができる。
なお、S36の処理において、キャンバフラグ73aはオンであると判断される場合には(S36:Yes)、左右の前輪2FL,2FRに既にポジティブキャンバが付与されると共に、左右の後輪2RL,2RRに既にネガティブキャンバが付与されている(即ち、左右の前輪2FL,2FRのキャンバ角は既に第5キャンバ角に、左右の後輪2RL,2RRのキャンバ角は既に第6キャンバ角に、それぞれ調整されている)ということなので、S337及びS38の処理をスキップして、このキャンバ制御処理を終了する。
S335の処理において、前輪故障フラグ373b又は後輪故障フラグ373cのいずれかがオンであると判断される場合には(S335:Yes)、キャンバ角調整装置344或いは懸架装置204に故障が発生し、左右の前輪2FL,2FRのキャンバ角または左右の後輪2RL,2RRのキャンバ角のいずれか一方が第5キャンバ角または第6キャンバ角に調整不能である(即ち、上述したようにキャンバ角θが0.1°<θ≦1°又は−1°≦θ<−0.1°の範囲にある)ため(図14(b)又は図14(c)参照)、車両のステア特性が、故障の前よりも少なくともアンダーステア傾向が減少する状態となっている。
よって、この場合(S335:Yes)には、故障によりキャンバ角の調整が不能となった車輪2とは別の車輪2のキャンバ角を所定のキャンバ角(前輪故障時角または後輪故障時角)に調整することで、オーバーステア傾向を減少させる或いはアンダーステア傾向を増加させ、車両の旋回時の走行安定性を確保する。
即ち、まず、S339の処理において、前輪故障フラグ373b又は後輪故障フラグ373cがオンされている車輪2(即ち、故障によりキャンバ角が調整不能となった車輪2)は左右の後輪2RL,2RRであるかを判断する(S339)。その結果、故障によりキャンバ角が調整不能となった車輪2は左右の後輪2RL,2RRではない(即ち、左右の前輪2FL,2FRである)と判断される場合には(S339:No)、図14(b)に示すように、左右の後輪2RL,2RRのネガティブキャンバを増加させる(即ち、左右の後輪2RL,2RRのキャンバ角を第6キャンバ角(−2°)から後輪故障時角(−3°)に調整する)ことで、車両の旋回時の走行安定性を確保する。
よって、まず、左右の後輪2RL,2RRのキャンバ角は後輪故障時角に調整されているかを判断し(S340)、後輪故障時角に調整されていないと判断される場合には(S340:No)、左右の後輪2RL,2RRのキャンバ角は未だ第6キャンバ角であるので、左右の後輪2RL,2RRのネガティブキャンバを第6キャンバ角から後輪故障時角に増加させ(S341)、このキャンバ制御処理を終了する。
これにより、故障により左右の前輪2FL,2FRにポジティブキャンバを付与(即ち、第5キャンバ角に調整)できなくなり、車両のステア特性が、アンダーステア傾向が減少した状態、或いは、オーバーステア傾向となった場合でも、図14(b)に示すように、左右の後輪2RL,2RRのネガティブキャンバを増加させることで、車両のステア特性を、オーバーステア傾向が減少するように、或いは、アンダーステア傾向が増加するように変化させることができるので、車両の旋回時の走行安定性を確保することができる。
なお、S340の処理において、左右の後輪2RL,2RRのキャンバ角は後輪故障時角に調整されていると判断される場合には(S340:Yes)、左右の後輪2RL,2RRのネガティブキャンバが既に増加され(即ち、左右の後輪2RL,2RRのキャンバ角は既に第6キャンバ角に調整され)、図14(b)の状態が既に形成されているということなので、S341の処理をスキップして、このキャンバ制御処理を終了する。
S339の処理において、故障によりキャンバ角が調整不能となった車輪2は左右の後輪2RL,2RRであると判断される場合には(S339:Yes)、図14(c)に示すように、左右の前輪2FL,2FRのポジティブキャンバを増加させる(即ち、左右の前輪2FL,2FRのキャンバ角を第5キャンバ角(2°)から前輪故障時角(3°)に調整する)ことで、車両の旋回時の走行安定性を確保する。
よって、まず、左右の前輪2FL,2FRのキャンバ角は前輪故障時角に調整されているかを判断し(S342)、前輪故障時角に調整されていないと判断される場合には(S342:No)、左右の前輪2FL,2FRのキャンバ角は未だ第5キャンバ角であるので、左右の前輪2FL,2FRのポジティブキャンバを第5キャンバ角から前輪故障時角に増加させ(S343)、このキャンバ制御処理を終了する。
これにより、故障により左右の後輪2RL,2RRにネガティブキャンバを付与(即ち、第6キャンバ角に調整)できなくなり、車両のステア特性が、アンダーステア傾向が減少した状態、或いは、オーバーステア傾向となった場合でも、図14(c)に示すように、左右の前輪2FL,2FRのポジティブキャンバを増加させることで、車両のステア特性を、オーバーステア傾向が減少するように、或いは、アンダーステア傾向が増加するように変化させることができるので、車両の旋回時の走行安定性を確保することができる。
なお、S342の処理において、左右の前輪2FL,2FRのキャンバ角は前輪故障時角に調整されていると判断される場合には(S342:Yes)、左右の前輪2FL,2FRのポジティブキャンバが既に増加され(即ち、左右の前輪2FL,2FRのキャンバ角は既に第5キャンバ角に調整され)、図14(c)の状態が既に形成されているということなので、S343の処理をスキップして、このキャンバ制御処理を終了する。
なお、図5に示すフローチャート(角度状態判断処理)において、請求項1記載の故障検出手段としてはS11,S12及びS17の処理が、図6に示すフローチャート(キャンバ制御処理)において、請求項1記載のキャンバ角調整手段としてはS37,S41及びS43の処理が、状態判断手段としてはS35及びS39の処理が、故障時調整手段としてはS41及びS43の処理が、請求項3記載の旋回内輪故障判断手段としてはS39の処理が、旋回外輪調整手段としてはS41の処理が、請求項5記載の旋回外輪故障判断手段としてはS39の処理が、旋回内輪調整手段としてはS43の処理が、それぞれ該当する。
図10に示すフローチャート(キャンバ制御処理)において、請求項1記載のキャンバ角調整手段としてはS37,S41及びS243の処理が、状態判断手段としてはS35及びS39の処理が、故障時調整手段としてはS41及びS243の処理が、請求項3記載の旋回内輪故障判断手段としてはS39の処理が、旋回外輪調整手段としてはS41の処理が、請求項5記載の旋回外輪故障判断手段としてはS39の処理が、旋回内輪調整手段としてはS243の処理が、それぞれ該当する。
図12に示すフローチャート(角度状態判断処理)において、請求項1記載の故障検出手段としてはS311,S312及びS317の処理が、図13に示すフローチャート(キャンバ制御処理)において、請求項1記載のキャンバ角調整手段としてはS337,S341及びS343の処理が、状態判断手段としてはS335及びS339の処理が、故障時調整手段としてはS341及びS343の処理が、請求項8記載の前輪故障判断手段としてはS335及びS339の処理が、後輪調整手段としてはS341の処理が、請求項9記載の後輪故障判断手段としてはS335及びS339の処理が、前輪調整手段としてはS343の処理が、それぞれ該当する。
なお、上記各実施の形態において、請求項3又は5に記載の「旋回時キャンバ角」としては「第1キャンバ角」が、請求項4又は6に記載の「非旋回時キャンバ角」としては「第2キャンバ角」が、「閾値キャンバ角」としては「−1°」が、請求項8又は9に記載の「前輪旋回時キャンバ角」としては「第5キャンバ角」が、「後輪旋回時キャンバ角」としては「第6キャンバ角」が、それぞれ該当する。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施の形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。例えば、上記各実施の形態で説明した第1から第3キャンバ角および第5から第7キャンバ角の値はそれぞれ任意に設定することができる。
例えば、上記第1及び第2実施の形態では、第1キャンバ角が−3°に、第2キャンバ角が0°に、第3キャンバ角が2°に、それぞれ設定される場合を説明したが、これらの内の一部のみを変更しても良く、或いは、全部を変更しても良い。例えば、第1キャンバ角、第2キャンバ角および第3キャンバ角を、−3°、−1°及び2°としても良く、或いは、−4°、−1°及び3°としても良い。
上記各実施の形態では、車輪2のキャンバ角を調整する構造の一例としてキャンバ角調整装置44を用いる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、公知の他の構造を採用することは当然可能である。
上記各実施の形態では、その説明を省略したが、キャンバ角調整装置44等の故障により、左右の車輪2の内の一方の車輪2のみが調整不能となった場合、車両1の非旋回時には、左右の車輪2の内の調整可能な他方の車輪2のキャンバ角を、調整不能な一方の車輪2のキャンバ角に一致させるように調整することが好ましい。車両1の非旋回時(直進走行時)の走行安定性を確保できるからである。
上記第1及び第2実施の形態では、左右の後輪2RL,2RRのキャンバ角をキャンバ角調整装置44により調整する場合を、第3実施の形態では、左右の前輪2FL,2FRのキャンバ角および左右の後輪2RL,2RRのキャンバ角をキャンバ角調整装置344により調整する場合を、それぞれ説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、これに代えて、左右の前輪2FL,2FRのキャンバ角のみをキャンバ角調整装置により調整することは当然可能である。
なお、左右の前輪2FL,2FRのキャンバ角は、第1又は第2実施の形態における左右の後輪2RL,2RRのキャンバ角と逆向きのキャンバ角を付与するように制御すれば良い。即ち、車両の旋回時には、左右の前輪2FL,2FRにポジティブキャンバ(例えば3°)を付与し(図6のS37に対応)、車両の非旋回時には、キャンバ角を0°に調整するか又は旋回時よりも絶対値が小さなポジティブのキャンバ角(例えば1°)に調整する(図6のS33に対応)。また、旋回内輪が故障している場合には、旋回外輪にポジティブキャンバ(例えば3°)を付与し(図6のS41に対応)、旋回外輪が故障している場合には、旋回内輪のキャンバ角を非旋回時と同等のキャンバ角(例えば0°或いは1°)に調整するか(図6のS43に対応)、或いは、旋回内輪にネガティブキャンバ(例えば−3°)を付与する(図10のS243に対応)。
上記第3実施の形態では、左右の前輪2FL,2FRまたは左右の後輪2RL,2RRのいずれか一方が2輪(左右輪)とも同時に調整不能となる場合を説明したが、左右の前輪2FL,2FRまたは左右の後輪2RL,2RRのいずれか一方において、1輪(左輪または右輪)のみが調整不能となった場合には、左右輪の内の調整可能な車輪を、上記第1及び第2実施の形態または上記変形例(左右の前輪2FL,2FRのキャンバ角のみを調整する例)で説明した場合と同様に制御すれば良い。即ち、少なくともオーバーステア傾向が減少するように或いはアンダーステア傾向が増加するように、キャンバ角を調整する。
100,300 車両用制御装置
1 車両
2 車輪
2FL 左の前輪(車輪の一部)
2FR 右の前輪(車輪の一部)
2RL 左の後輪(車輪の一部)
2RR 右の後輪(車輪の一部)
44,344 キャンバ角調整装置

Claims (9)

  1. 複数の車輪と、それら複数の車輪のキャンバ角を調整する複数のキャンバ角調整装置と、を備えた車両に対し、前記車両の旋回時に、前記キャンバ角調整装置を作動させ前記車輪のキャンバ角を調整することで、前記車両のステア特性をアンダーステア傾向とするキャンバ角調整手段を備える車両用制御装置において、
    前記複数のキャンバ角調整装置の故障を検出する故障検出手段を備え、
    前記キャンバ角調整手段は、前記故障検出手段により前記複数のキャンバ角調整装置の少なくとも一部の故障が検出された場合に、前記故障が検出された一部のキャンバ角調整装置とは異なる他のキャンバ角調整装置を作動させ、前記車両のステア特性を、オーバーステア傾向が減少するように或いはアンダーステア傾向が増加するようにする故障時調整手段を備えることを特徴とする車両用制御装置。
  2. 前記故障検出手段により前記複数のキャンバ角調整装置の少なくとも一部の故障が検出された場合に、その故障により前記複数の車輪の内の一部の車輪のキャンバ角が少なくとも目標角度に調整されず、前記車両のステア特性が前記故障の前よりも少なくともアンダーステア傾向が減少する状態であるかを判断する状態判断手段と、を備え、
    前記前記故障時調整手段は、前記状態判断手段により前記車両のステア特性が前記故障の前よりも少なくともアンダーステア傾向が減少する状態であると判断される場合に、前記一部のキャンバ角調整装置とは異なる他のキャンバ角調整装置を作動させ、前記一部の車輪とは異なる他の車輪のキャンバ角を調整することで、前記車両のステア特性を、オーバーステア傾向が減少するように或いはアンダーステア傾向が増加するように制御することを特徴とする請求項1記載の車両用制御装置。
  3. 前記車両は、前記複数の車輪が、左右の前輪と、左右の後輪と、を備えると共に、前記左右の後輪のキャンバ角を前記キャンバ角調整装置が調整し、
    前記キャンバ角調整手段は、前記車両の旋回時に、前記キャンバ角調整装置を作動させ、前記左右の後輪のキャンバ角をネガティブとなる旋回時キャンバ角に調整し、
    前記状態判断手段は、前記車両の旋回時に、前記左右の後輪の内の一方の後輪のキャンバ角が少なくとも前記旋回時キャンバ角に調整されず、前記車両のステア特性が前記故障の前よりも少なくともアンダーステア傾向が減少する状態であるかを判断し、
    前記故障時調整手段は、
    前記旋回時キャンバ角に調整されない一方の後輪が旋回内輪であるかを判断する旋回内輪故障判断手段と、
    その旋回内輪故障判断手段により前記一方の後輪が旋回内輪であると判断された場合に、旋回外輪である他方の後輪のキャンバ角を少なくとも前記一方の後輪のキャンバ角よりも絶対値が大きなネガティブのキャンバ角に調整する旋回外輪調整手段と、を備えることを特徴とする請求項2記載の車両用制御装置。
  4. 前記キャンバ角調整手段は、前記キャンバ角調整装置の作動により、前記車両の旋回時には前記左右の後輪のキャンバ角を前記旋回時キャンバ角に調整する一方、前記車両の非旋回時には、前記左右の後輪のキャンバ角を0度または前記旋回時キャンバ角よりも絶対値が小さなネガティブとなる非旋回時キャンバ角に調整し、
    前記状態判断手段は、前記故障時における前記一方の後輪のキャンバ角の可動範囲が前記非旋回時キャンバ角と前記旋回時キャンバ角よりも前記非旋回時キャンバ角に近い閾値キャンバ角との間となった場合、又は、前記故障時における前記一方の後輪のキャンバ角が前記非旋回時キャンバ角と前記閾値キャンバ角との間の角度で固定された場合に、前記車両のステア特性が前記故障の前よりもアンダーステア傾向が減少する状態と判断し、
    前記旋回外輪調整手段は、前記旋回内輪故障判断手段により前記一方の後輪が旋回内輪であると判断された場合に、旋回外輪である他方の後輪のキャンバ角を前記旋回時キャンバ角に調整することを特徴とする請求項3記載の車両用制御装置。
  5. 前記車両は、前記複数の車輪が、左右の前輪と、左右の後輪と、を備えると共に、前記左右の後輪のキャンバ角を前記キャンバ角調整装置が調整し、
    前記キャンバ角調整手段は、前記車両の旋回時に、前記キャンバ角調整装置を作動させ、前記左右の後輪のキャンバ角をネガティブとなる旋回時キャンバ角に調整し、
    前記状態判断手段は、前記車両の旋回時に、前記左右の後輪の内の一方の後輪のキャンバ角が少なくとも前記旋回時キャンバ角に調整されず、前記車両のステア特性が前記故障の前よりも少なくともアンダーステア傾向が減少する状態であるかを判断し、
    前記故障時調整手段は、
    前記旋回時キャンバ角に調整されない一方の後輪が旋回外輪であるかを判断する旋回外輪故障判断手段を備え、
    その旋回外輪故障判断手段により前記一方の後輪が旋回外輪であると判断された場合に、旋回内輪である他方の後輪のキャンバ角をポジティブのキャンバ角または前記旋回時キャンバ角よりも絶対値が小さなネガティブのキャンバ角に調整する旋回内輪調整手段と、を備えることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の車両用制御装置。
  6. 前記キャンバ角調整手段は、前記キャンバ角調整装置の作動により、前記車両の旋回時には前記左右の後輪のキャンバ角を前記旋回時キャンバ角に調整する一方、前記車両の非旋回時には、前記左右の後輪のキャンバ角を0度または前記旋回時キャンバ角よりも絶対値が小さなネガティブとなる非旋回時キャンバ角に調整し、
    前記状態判断手段は、前記故障時における前記一方の後輪のキャンバ角の可動範囲が前記非旋回時キャンバ角と前記旋回時キャンバ角よりも前記非旋回時キャンバ角に近い閾値キャンバ角との間となった場合、又は、前記故障時における前記一方の後輪のキャンバ角が前記非旋回時キャンバ角と前記閾値キャンバ角との間の角度で固定された場合に、前記車両のステア特性が前記故障の前よりもアンダーステア傾向が減少する状態と判断し、
    前記旋回内輪調整手段は、前記旋回外輪故障判断手段により前記一方の後輪が旋回外輪であると判断された場合に、旋回内輪である他方の後輪のキャンバ角を前記非旋回時キャンバ角に調整することを特徴とする請求項5記載の車両用制御装置。
  7. 前記旋回内輪調整手段は、前記旋回外輪故障判断手段により前記一方の後輪が旋回外輪であると判断された場合に、旋回内輪である他方の後輪のキャンバ角をポジティブのキャンバ角に調整することを特徴とする請求項5記載の車用制御装置。
  8. 前記車両は、前記複数の車輪が、左右の前輪と、左右の後輪と、を備えると共に、前記左右の前輪のキャンバ角と前記左右の後輪のキャンバ角とを前記キャンバ角調整装置が調整し、
    前記キャンバ角調整手段は、前記車両の旋回時に、前記キャンバ角調整装置を作動させ、前記左右の前輪のキャンバ角をポジティブとなる前輪旋回時キャンバ角に調整すると共に、前記左右の後輪のキャンバ角をネガティブとなる後輪旋回時キャンバ角に調整し、
    前記状態判断手段は、前記左右の前輪のキャンバ角または左右の後輪のキャンバ角の一方が前記前輪旋回時キャンバ角または後輪旋回時キャンバ角に調整されない場合に、前記車両のステア特性が前記故障の前よりも少なくともアンダーステア傾向が減少する状態であるかを判断し、
    前記故障時調整手段は、
    前記左右の前輪が前記前輪旋回時キャンバ角に調整されないのかを判断する前輪故障判断手段と、
    その前輪故障判断手段により前記左右の前輪が前記前輪旋回時キャンバ角に調整されないと判断された場合に、前記左右の後輪のキャンバ角を少なくとも前記後輪旋回時キャンバ角よりも絶対値が大きなネガティブのキャンバ角に調整する後輪調整手段と、を備えることを特徴とする請求項2記載の車両用制御装置。
  9. 前記車両は、前記複数の車輪が、左右の前輪と、左右の後輪と、を備えると共に、前記左右の前輪のキャンバ角と前記左右の後輪のキャンバ角とを前記キャンバ角調整装置が調整し、
    前記キャンバ角調整手段は、前記車両の旋回時に、前記キャンバ角調整装置を作動させ、前記左右の前輪のキャンバ角をポジティブとなる前輪旋回時キャンバ角に調整すると共に、前記左右の後輪のキャンバ角をネガティブとなる後輪旋回時キャンバ角に調整し、
    前記状態判断手段は、前記左右の前輪のキャンバ角または左右の後輪のキャンバ角が前記前輪旋回時キャンバ角または後輪旋回時キャンバ角に調整されない場合に、前記車両のステア特性が前記故障の前よりも少なくともアンダーステア傾向が減少する状態であるかを判断し、
    前記故障時調整手段は、
    前記左右の後輪が前記後輪旋回時キャンバ角に調整されないのかを判断する後輪故障判断手段と、
    その後輪故障判断手段により前記左右の後輪が前記後輪旋回時キャンバ角に調整されないと判断された場合に、前記左右の前輪のキャンバ角を少なくとも前記前輪旋回時キャンバ角よりも絶対値が大きなポジティブのキャンバ角に調整する後輪調整手段と、を備えることを特徴とする請求項2又は8に記載の車両用制御装置。
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