JP2012200153A - 魚釣用リール - Google Patents
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Abstract
【解決手段】サムレストとクラッチレバーとが一体的に設けられて回動する魚釣用リールであって、サムレストは、スプール軸の軸心を略中心とした円弧軌道上に沿って配置される円弧部と、円弧部の接線方向に向けて円弧部から延設され、スプール軸の前方においてリール本体に配設されたラインガイドの上方に配置される延設部と、を有し、クラッチレバーの切り換え操作に連動して、円弧軌道上を円弧部が回動することで延設部がラインガイドに対して上下方向に移動されるように設けられており、延設部の円弧部寄りとなる部分とこれに対向する側枠の対向部との一方には、係止部が設けられており、他方には、延設部の下方向への移動により係止部が係止される係止受部が設けられている構成とした。
【選択図】図1
Description
例えば、特許文献1の魚釣用リールでは、クラッチレバーとサムレストとが一体に設けられ、クラッチレバーのレバー部分が側枠に支持されて、スプール軸の軸心を略中心として回動するように構成されたものが開示されている。
なお、釣糸巻き取り時には、サムレストを押し下げ操作することで、サムレストが下方向へ移動し、ラインガイドにおける釣糸の通過可能な領域が狭まって、レベルワインド機構による釣糸の好適な巻き付けが実現される。
切換操作部は、クラッチレバーに連動して移動可能であり、その側部には、切換操作部の移動を案内するピンがリール本体の側枠に向けて突設されている。このピンは、リール本体の側枠に設けられた円弧状の案内溝に挿入されており、溝内に沿って移動することで切換操作部の移動を案内するように構成されている。
また、クラッチレバーは、レバー部分が側枠に支持されて切り換え操作可能に設けられており、クラッチレバーは、このレバー部分と前記した切換操作部との二箇所で側枠に支持された構成となっている。
仮に、釣糸の巻き取り時にサムレストが上方へ押し上げられてしまうと、ラインガイドにおける釣糸の通過可能な領域が拡大してしまい、レベルワインド機構による釣糸の好適な巻き付けに影響を及ぼす可能性があった。
また、膨出部によって延設部の剛性も高められることとなるので、高負荷状態(高張力状態)で釣糸を巻き取った場合に、釣糸がサムレストの延設部に触れて延設部を上方へ押し上げる外力が作用したとしても、延設部の変形が抑えられ、延設部の浮き上がりがより好適に防止される。
図1に示すように、魚釣用リールのリール本体1は、左右一対の側枠2a,2bを複数の支柱2c(図3参照)で連結して一体の枠体構造を形成するフレーム2を有し、この側枠2a,2bのそれぞれの外側に、外側板3a,3bを取り付けてハウジングとして形成され、釣竿取付脚2c1(図3参照)を介して図示しない釣竿に固定される。
ここで、左側の側枠2aと外側板3aとの間、右側の側枠2bと外側板3bとの間には内部空間がそれぞれ形成され、このうち側枠2aと外側板3aとの間に形成される内部空間には、リール本体1の構成要素として外側板3aの着脱を行うための図示しない係止機構や遠心ブレーキ装置等が設置されるようになっている。また、右側の側枠2bと外側板3bとの間に形成される内部空間には、駆動機構10、クラッチ機構50、ドラグ機構5d等が設置されるようになっている。
また、左側の外側板3aと右側の側枠2b間には、図示しない軸受を介してスプール軸5c(図4(a)(c)参照)が回転可能に支持されており、このスプール軸5cにスプール5が取り付けられている。
そして、本実施形態では、リール本体1の上部の側枠2a,2b間に設けられたサムレスト20が、クラッチレバー21と一体的に設けられており、クラッチレバー21の切り換え操作に連動してこれらが上下方向に一体的に回動するように設けられている。
さらに、側枠2bとサムレスト20との対向部位において、側枠2bには、係止部としての係止ピン30が設けられ、サムレスト20には、係止受部としてのガイド部25が形成されている。
一方、竿延在方向におけるスプール軸5cの軸心O1の前方となる側枠2aの前側上部には、膨出部4bが形成されている。膨出部4bは、反ハンドル側に向けて湾曲状に膨出する湾曲板状を呈しており、外側縁部4b1が、前記した突き合せ面となる後部周縁部(後部)2a4の位置する同一平面よりも反ハンドル側に膨出している。
膨出部4bの外側縁部4b1は、上面視で略S字形状に形成されている。
そして、外側板3aには、側枠2aの膨出部4bに対応する位置に凹状部3b1が形成されている。凹状部3b1は、膨出部4bに対応する湾曲凹状とされており、側枠2aに外側板3aを装着した際に、膨出部4bに突き合わされるようになっている。
なお、膨出部4bと凹状部3b1との突き合せ形状は、図1(a)に示すように、略S字形状とされている。
本実施形態では、前記したようにスプール軸5cの軸心O1を中心として回動させることで、側枠2aに対して外側板3aが取り付けられるようになっており、取り付け時の回動によって側枠2aの膨出部4bに外側板3aの凹状部3b1が突き合わされるようになっている。
また、図2に示すように、外側板3aの外側面には、側枠2aの挿通孔2p1に対応する位置に挿通窓3p1が開口形成されている。同様に、外側板3bの外側面には、側枠2bの挿通孔2p2に対応する位置に挿通窓3p2が開口形成されている。
螺軸16は、側枠2a,2b間に回転可能に支持されており、駆動機構10を介して回転駆動されるようになっている。螺軸16の端部には、図示しない連動歯車が取り付けられており、この連動歯車には、ハンドル軸の駆動歯車に隣接して設けられた歯車が噛合している。これにより、ハンドル7を巻き取り回転操作すると、ハンドル軸の回転が、歯車および連動歯車を通じて螺軸16に伝わり、螺軸16が回転駆動される。
釣糸案内溝19aは、図4(b)に示すように、釣糸挿通孔19内の下部内面19bの中央部から下方へ向けて湾曲凹状に切り欠かれた溝であり、図4(a)に示すように、釣糸挿通孔19内において前後方向に延設されている。釣糸案内溝19a内には、クラッチレバー21の操作時に、下方へ向けて移動してきたピラー22aによって誘導されてきた釣糸が挿入されるようになっている(図4(a)(b)参照)。
サムレスト20は、図2、図5に示すように、後部にクラッチレバー21が設けられた円弧部22と、円弧部22から延設された延設部23とを備えて構成されている。
円弧部22は、スプール軸5cの軸心を略中心とした図示しない円弧軌道上に沿って配置される部位であり、円弧軌道上となる側枠2a,2bのフランジ部2a1,2b1(図3参照、以下同じ)上に配置されている。すなわち、円弧部22は、フランジ部2a1,2b1上を摺動するようにしてスプール軸5c周りに回動可能となっている。なお、円弧部22はクラッチレバー21にかけて厚く形成されており、クラッチレバー21の強度が確保されている。また、クラッチレバー21は、サムレスト20の後部(円弧部22の後部)以外の部分に設けてもよい。
延設部23の前端部分23aは、図1(a)に示すように、左右方向に幅広に形成されており、スプール軸5cの前方においてリール本体1に配設されたラインガイド18(図2参照、以下同じ)を覆うように、リール本体1の前端部まで長く延設されている。したがって、延設部23は、クラッチレバー21の切り換え操作に連動して、側枠2a,2bのフランジ部2a1,2b1上(円弧軌道上)を円弧部22が回動することで、ラインガイド18に対して上下方向に移動する(開閉する)ようになっている(図5(a)(b)参照)。
一方、サムレスト60の後部側に設けられたクラッチレバー21は、サムレスト20に一体成形されており、連結部材21a(図5(a)(b)参照)を介してクラッチ機構50に連結されている。つまり、サムレスト20の後端部は、連結部材21aを介してリール本体1に支持されている。なお、クラッチレバー21は、別体で形成して、円弧部22に一体的に固定してもよい。
また、スプール5からの釣糸放出を可能にするクラッチOFF状態にクラッチレバー53を切り換え操作することにより、サムレスト20が上方向へ移動し(図4(c)参照)、この移動によりピラー22aも移動して、釣糸挿通孔19の下部内面中央部の釣糸案内溝19aから釣糸が離れる。
したがって、軽量化のためにサムレスト20の延設部23等の断面積を小さくしたり、サムレスト20を軽比重の樹脂材料で成形した場合に弾性変形が大きくなる可能性があるが、この場合にも弾性変形を好適に押さえて延設部23の浮き上がり(押し上げられること)が好適に防止される。
これにより、高負荷状態の釣糸の巻き取り時においてもレベルワインド機構15によって釣糸を好適に巻き取ることができる。また、釣糸を好適に巻き取ることができるので、釣糸繰り出し時の抵抗も低減され、投擲性能が向上する。
したがって、高負荷状態(高張力状態)で釣糸を巻き取った場合に、釣糸がサムレスト20の延設部23に触れて延設部23を上方へ押し上げる外力が作用したとしても、延設部23の浮き上がり(押し上げられること)がより好適に防止される。したがって、高負荷状態の釣糸の巻き取り時においてもレベルワインド機構15によって釣糸をより好適に巻き取ることができる。
図7を参照して第2実施形態の魚釣用リールについて説明する。
本実施形態の魚釣用リールが前記第1実施形態と異なるところは、側枠2bに係止受部としての面コ字形状の溝部251を設け、これに対向するサムレスト20の延設部23に、溝部251に係止される係止部としての係止片301を設けた点である。
係止片301は、断面四角形状とされており、溝部251内を溝部251に沿って移動可能であり、幅狭部251cにきつく嵌り込む大きさを有している。これにより係止片301は、クラッチON状態において、幅狭部251cにより上方向に変位することが規制され、鉛直方向(図に示す矢印方向)から幅狭部251cの内面によって保持されるようになっている。
なお、溝部251において、幅広部251aが形成される側が溝部251の前端側であり幅狭部251cが形成される側が溝部251の後端側である。
図8を参照して第3実施形態の魚釣用リールについて説明する。
本実施形態の魚釣用リールが前記第1,2実施形態と異なるところは、側枠2bに係止受部としての段状の溝部252を設け、これに対向するサムレスト20の延設部23に、溝部252に係止される係止部としての係止片302を設けた点である。
そして、カバー部材2b1で覆うことで溝部252が形成される構成であるので、フレーム2に対するサムレスト20の組付時には、溝部252に係止片302を先に配置しておいてからカバー部材2b1で係止片302を覆う組み付け手順を採ることができる。したがって、フレーム2に対するサムレスト20の組み付けが簡単であるという利点が得られる。
図9を参照して第4実施形態の魚釣用リールについて説明する。
本実施形態の魚釣用リールが前記第1〜3実施形態と異なるところは、第1実施形態で説明した係止ピン30に変えて、出没可能な突出部材303を側枠2bに設け、これに対向するサムレスト20の延設部23のガイド部25に、係止穴25fを設けた点である。
係止穴25fは、ガイド部25の後端部25bに設けられており、突出部材303の先端が係止される深さを有している。
図10を参照して第5実施形態の魚釣用リールについて説明する。
本実施形態の魚釣用リールが前記第1〜4実施形態と異なるところは、延設部23に膨出部231を設け、この膨出部231にガイド部25を設けた点である。
また、膨出部231によって延設部23の剛性も高められることとなるので、高負荷状態(高張力状態)で釣糸を巻き取った場合に、釣糸がサムレスト20の延設部23に触れて延設部23を上方へ押し上げる外力が作用したとしても、延設部23の変形が抑えられ、延設部23の浮き上がりがより好適に防止される。
また、図11(b)に示すように、ガイド部25の上側に幅広部251a、傾斜部251bおよび幅狭部251cを設けてもよい。
また、図11(c)に示すように、ガイド部25の上側および下側の両方に、幅広部251a、傾斜部251bおよび幅狭部251cを設けてもよい。
さらに、図11(d)に示すように、ガイド部25の後端部25b側に突部25gを設け、後端部25b側から係止ピン30が脱落し難い構造としてもよい。
また、下方向にサムレスト20が移動した際にのみガイド部25等に係止ピン30等が係止するように構成してもよい。
2a,2b 側枠
20 サムレスト
5 スプール
21 クラッチレバー
5c スプール軸
18 ラインガイド
22 円弧部
22a ピラー
23 延設部
25 ガイド部(係止受部)
30 係止ピン(係止部)
251 溝部(係止受部)
301,302 係止片(係止部)
251c 幅狭部(規制部)
231 膨出部
303 突出部材(係止部)
Claims (4)
- リール本体の側枠間に回転自在に支持したスプールと、
前記側枠間の上部に設けられたサムレストと、
前記側枠に支持され、前記スプールに対する釣糸の巻き取りを可能にするクラッチON状態と、前記スプールからの釣糸放出を可能にするクラッチOFF状態と、に切り換え操作可能なクラッチレバーと、を備え、
前記サムレストと前記クラッチレバーとが一体的に設けられて回動する魚釣用リールであって、
前記サムレストは、
スプール軸の軸心を略中心とした円弧軌道上に沿って配置される円弧部と、
前記円弧部の接線方向に向けて前記円弧部から延設され、前記スプール軸の前方において前記リール本体に配設されたラインガイドの上方に配置される延設部と、を有し、
前記クラッチレバーの切り換え操作に連動して、前記円弧軌道上を前記円弧部が回動することで前記延設部が前記ラインガイドに対して上下方向に移動されるように設けられており、
前記延設部の前記円弧部寄りとなる部分とこれに対向する前記側枠の対向部との一方には、係止部が設けられており、他方には、前記延設部の下方向への移動により前記係止部が係止される係止受部が設けられていることを特徴とする魚釣用リール。 - 前記係止受部は前記スプール軸の軸心を略中心とした円弧状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用リール。
- 前記係止受部には、クラッチON状態にて前記係止部が上方向に変位するのを規制する規制部が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の魚釣用リール。
- 前記延設部は、前記サムレストが下方向へ移動されるときの前記円弧部の回動方向において、前記円弧部寄りとなる部分から前記円弧軌道上に沿う位置に膨出する膨出部を有しており、
前記膨出部とこれに対向する前記側枠との一方に前記係止部が設けられ、他方に前記係止受部が設けられていることを特徴とする魚釣用リール。
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