JPH06327381A

JPH06327381A - 両軸受リール

Info

Publication number: JPH06327381A
Application number: JP12226193A
Authority: JP
Inventors: Jun Sato; 純佐藤
Original assignee: Shimano Inc
Current assignee: Shimano Inc
Priority date: 1993-05-25
Filing date: 1993-05-25
Publication date: 1994-11-29
Anticipated expiration: 2018-03-10
Also published as: JP3384832B2

Abstract

(57)【要約】【目的】クラッチ機構の切り操作、入り操作をロッド
を握った手で行い、しかも、迅速にクラッチ機構を入り
操作できる両軸受リールを構成する。【構成】クラッチ機構Ｃを切り操作する切り操作部Ａ
を、左右のフレーム部１，１の間のスプール４の後方位
置に配置して下方への操作でクラッチ機構Ｃを切り操作
できるよう構成し、クラッチ機構Ｃを入り操作する入り
操作部Ｂを、左右のフレーム部１，１の間のスプール４
の外周上方で、かつ、切り操作部Ａとの間に指の挿入を
許容する間隔を隔てた位置に配置し、前方への操作でク
ラッチ機構Ｃを入り操作するよう構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、左右のフレーム部の間
にスプールを回転自在に支承すると共に、切り操作でス
プールの自由回転を許容し、入り操作でハンドルからの
駆動力をスプールに伝えるクラッチ機構を備えて成る両
軸受リールに関し、詳しくは、クラッチ機構を操作する
機構の改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】両軸受リールのクラッチ機構を操作する
機構として、実公昭５９−３２２８４号公報に示される
ものが存在し、この従来例では、クラッチ機構を切り操
作するクラッチレバーとクラッチ機構を入り操作するク
ラッチ戻しレバーとを備えると共に、クラッチ機構の切
り状態でハンドルを巻取り方向の操作することでクラッ
チ機構を入り操作する操作系を備えている。尚、この従
来例では、ハンドルを備えたフレーム部の側にクラッチ
レバーと戻しレバーとを備えており、右手でロッドを握
ったまま左手で戻しレバーを操作してクラッチ機構の入
り操作を行えるよう構成されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前述した従来例では、
例えば、ルアーのキャスト時にはクラッチ機構を切り操
作し、一方の手でロッドを操作してキャストを行った直
後にはハンドルを操作せずとも、他方の手でクラッチ機
構を入り操作してライン（釣り糸）の過剰な繰出しを抑
制でき、しかも、魚のアタリに対応してフッキングでき
るものとなっている。

【０００４】ルアーのキャスト時にはロッドを握った手
を振り出した姿勢となり、ルアーのキャストから着水ま
では、この姿勢でロッドを握った手の親指でサミングを
行うのが普通である。又、ルアーの着水後にはクラッチ
機構を入り操作してリーリングを開始することになる
が、例えば、ルアーの着水直後にアタリを感じフッキン
グを行う際には、クラッチ機構を迅速に入り操作する必
要があるものの、従来例のリールでは前述のようにロッ
ドを握った手が振り出された位置にあるので、この振り
出し位置のリールに対して他方の手を移動させて戻しレ
バーを操作する際にも、動作ストロークが大きく迅速な
クラッチ操作を行い難いものとなっている。

【０００５】更に、この種のリールでは、ルアーのキャ
ストとリーリングとを繰り返して行うことから、クラッ
チ機構の入り操作と、切り操作とを簡便に行えるものが
望まれている。本発明の目的は、クラッチ機構の入り操
作と、切り操作とを楽に行え、しかも、クラッチ機構を
サミングする指を放すこと無く入り操作できる両軸受リ
ールを合理的に構成する点にある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の第１の特徴（請
求項１）は冒頭に記したように、切り操作で左右のフレ
ーム部の間に支承したスプールの自由回転を許容し、入
り操作でハンドルからの駆動力をスプールに伝えるクラ
ッチ機構を備えて成る両軸受リールにおいて、前記クラ
ッチ機構を切り操作する切り操作部を、前記左右のフレ
ーム部の間の前記スプールの後方位置に配置し、前記ク
ラッチ機構を入り操作する入り操作部を、前記左右のフ
レーム部の間の前記スプールの外周上方で、かつ、前記
切り操作部との間に指の挿入を許容する間隔を隔てた位
置に配置してある点にあり、

【０００７】本発明の第２の特徴（請求項６）は冒頭に
記したように、切り操作で左右のフレーム部の間に支承
したスプールの自由回転を許容し、入り操作でハンドル
からの駆動力をスプールに伝えるクラッチ機構を備えて
成る両軸受リールにおいて、前記クラッチ機構を切り操
作する切り操作部を、前記左右のフレーム部の間の前記
スプールの外周上方位置に配置し、前記クラッチ機構を
入り操作する入り操作部を、前記左右のフレーム部の間
の前記スプールの後方位置で、かつ、前記切り操作部と
の間に指の挿入を許容する間隔を隔てた位置に配置して
ある点にあり、その作用、及び、効果は次の通りであ
る。

【０００８】

【作用】上記第１の特徴によると、このリールを使用す
る際には、図１及び図２に示す如く、切り操作部Ａと入
り操作部Ｂとの間に親指Ｔを挿入することで、この親指
Ｔをスプール４の鍔状部４Ａ等に接触させ得るものとな
り、ルアーをキャストする場合には、この親指Ｔでスプ
ール４の後方位置に配置した切り操作部Ａを操作してク
ラッチ機構を切り操作することでスプール４が自由回転
できるものとなり、スプールの自由回転を阻止する場合
には、スプール４の上方に配置した入り操作部Ｂを操作
することでクラッチ機構が入り状態に達し、フッキング
が可能となる。つまり、本発明では、スプールの外周部
に切り操作部と入り操作部とを指の挿入が可能な間隔を
隔てて配置され、クラッチ機構の切り、入り操作が片手
の指の僅かな移動操作で可能となる。即ち、ルアーの着
水直後にクラッチ機構を入り操作する場合にも、サミン
グを行う指の近傍に入り操作部が位置することになるの
で、このサミング状態のままクラッチ機構の入り操作が
行えるものとなる。

【０００９】請求項２によると、切り操作部と入り操作
部とが独立して作動するので、夫々を一体的に作動させ
るものと比較して操作が軽くなり、又、夫々を一体的に
作動させるものと比較して大きい作動域を確保せずに済
み、切り操作部と入り操作部との動作ストロークに差異
を設定する、動作方向を異ならせる等、設計の自由度が
増す。請求項３によると、切り操作部と入り操作部とが
一体的に作動するので、左右のフレーム部のうちの少な
くとも一方と部材とを広い面で接触させて、安定した姿
勢で作動させることが可能で強度が高いものとなり、し
かも、何れかの操作部の位置に基き視覚的にも触覚的に
もクラッチ機構の状態を容易に判別できる。

【００１０】請求項４によると、切り操作部と入り操作
部との間に指を挿入しておくことにより、クラッチ機構
の切り操作時には、この指を下方に動作させることで済
み、又、クラッチ機構を入り操作する場合にはスプール
外周に接近した位置で指を前方に動作させることで済
む。請求項５によると、クラッチ機構の切り状態で入り
操作部が突出するので、例えば、リーリングを行う際に
サムレストに指を接触させても、不用意に入り操作部に
指を接触させることが少なく、この入り操作部に強い力
を作用させてクラッチ操作系を傷めることも低減され、
又、この入り操作部の位置に基づきクラッチ機構の状態
を判別できる。

【００１１】又、上記第２の特徴によると、このリール
を使用する際には、図８に示す如く、切り操作部Ａと入
り操作部Ｂとの間に親指Ｔを挿入することで、この親指
Ｔをスプール４の鍔状部４Ａ等に接触させ得るものとな
り、ルアーをキャストする場合には、この親指Ｔでスプ
ール４の上方位置に配置した切り操作部Ａを操作してク
ラッチ機構を切り操作することでスプール４が自由回転
できるものとなり、スプール４の自由回転を阻止する場
合には、図１０に示す如く、スプール４の後方に配置し
た入り操作部Ｂを操作することでクラッチ機構が入り状
態に達し、フッキングが可能となる。つまり、本発明で
は、スプールの外周部に切り操作部と入り操作部とを指
の挿入が可能な間隔を隔てて配置され、クラッチ機構の
切り、入り操作が片手の指の僅かな移動操作で可能とな
る。即ち、ルアーの着水直後にクラッチ機構を入り操作
する場合にも、サミングを行う指の近傍に入り操作部が
位置するので、このサミング状態のままクラッチ機構の
入り操作が行えるものとなる。

【００１２】請求項７によると、切り操作部と入り操作
部とが独立して作動するので、夫々を一体的に作動させ
るものと比較して操作が軽くなり、又、夫々を一体的に
作動させるものと比較して大きい作動域を確保せずに済
み、切り操作部と入り操作部とに動作ストロークに差異
を設定する、動作方向を異ならせる等、設計の自由度が
増す。請求項８によると、切り操作部と入り操作部との
間に指を挿入しておくことにより、クラッチ機構の切り
操作時には、この指を前方に動作させることで済み、
又、クラッチ機構を入り操作する場合にはスプール外周
に接近した位置で指を下方に動作させることで済む。特
に、ルアーの着水直後にアタリを感じフッキングする場
合のようにロッド、リールを握る方向に強い力が作用す
る操作形態では、この握り操作と同時に入り操作部に対
して握り方向に力を作用させることで、クラッチ機構を
入り操作して、迅速なフッキングが可能となり、リーリ
ングを、す早く行える。

【００１３】

【発明の効果】従って、第１、第２の特徴から、片手で
クラッチ機構の切り操作、入り操作を楽に行い、サミン
グを行っている状態からでも、このサミング操作を行い
乍らでも即時にクラッチ機構を入り操作できる両軸受リ
ールが合理的に構成されたのである。特に、切り操作部
と入り操作部とが独立して作動するものでは、操作を軽
く行え、自由な設計が可能となり（請求項２）、切り操
作部と入り操作部とが一体的に作動するものでは、夫々
の操作部の姿勢を安定させ、夫々が強固なものとなり、
又、クラッチ機構の状態を容易に判別でき（請求項
３）、下方への動作でクラッチ機構の切り操作を行い、
前方への操作でクラッチ機構の入り操作を行うもので
は、無理な動作を行わずとも、迅速にクラッチ機構の操
作が可能になり（請求項４）、サムレストの下方に入り
操作部を配置したものでは、リーリング時等、サムレス
トに指を接触させた状態で入り操作部に指を接触させる
不都合が解消され、クラッチ機構の状態を容易に判別で
きる（請求項５）という効果を奏するものとなる。

【００１４】これと同様に、切り操作部と入り操作部と
が独立して作動するものでは、操作を軽く行え、自由な
設計が可能となり（請求項７）、前方への動作でクラッ
チ機構の切り操作を行い、下方への操作でクラッチ機構
の入り操作を行うものでは、無理な動作を行わずとも、
す早いクラッチ機構の操作が可能になり、しかも、フッ
キングを強い力を込めて迅速に行える（請求項８）とい
う効果を奏する。

【００１５】

【実施例】

〔第１実施例〕以下、本発明の第１実施例を図面に基づ
いて説明する。図１及び図２に示すように、左右のフレ
ーム部１，１の間の前部に螺軸２の回転によって左右に
糸案内具３を往復駆動する構造のレベルワインド機構を
配置すると共に、中央部にスプール４、左右のフレーム
部１，１の上部同士の間に亘ってサムレスト５を夫々配
置し、又、右側のフレーム部１に、ハンドル６、ドラグ
操作具７、キャストコントローラ８夫々を備えてベイト
キャスティング用の両軸受リールを構成する。

【００１６】このリールでは右側のフレーム部１にクラ
ッチ機構Ｃを内装し、このクラッチ機構Ｃを切り操作す
る切り操作部Ａを、左右のフレーム部１，１の間のスプ
ールの後方に配置した切り操作部材９に形成し、又、こ
のクラッチ機構Ｃを入り操作する入り操作部Ｂを左右の
フレーム部１，１の間のスプール４の外周上方で、か
つ、前記切り操作部Ａとの間に指の挿入を許す間隔を隔
てて配置した入り操作部１０に形成している。尚、左右
のフレーム部１，１の下部には前後一対のロアーフレー
ム１１，１１を介して脚部１２を備えている。図５に示
すように、右側のフレーム部１に支承したハンドル軸１
３に対して前記ハンドル６、ドラグ操作具７夫々を備
え、該ハンドル軸１３の内端部にドラグ機構Ｄ、出力ギ
ヤ１４を備え、又、該ハンドル軸１３とフレーム部１と
の間にローラ型の一方向クラッチで成る逆転阻止機構１
５を備え、又、ハンドル６からの駆動力を出力ギヤ１４
を介して前記螺軸２の入力ギヤ２Ａに伝える伝動系を形
成する。

【００１７】又、スプール４と一体回転するスプール軸
１６をベアリング１７を介して左右のフレーム部１，１
の間に支承し、又、スプール軸１６にスライド操作自在
に遊嵌したクラッチスリーブ１８とスプール軸１６に固
設したピン１９との係脱構造により前記クラッチ機構Ｃ
を構成し、クラッチスリーブ１８の入力ギヤ１８Ａとド
ラグ機構Ｄの出力ギヤ２０との噛合により、ハンドル６
からの回動操作力をドラグ機構Ｄ、クラッチ機構Ｃ夫々
を介してスプール４に伝える伝動系を構成する。図３及
び図４に示すように、前記クラッチスリーブ１８を係合
支持するヨーク２１が、一対の支軸２２，２２にスライ
ド移動自在に支持されると共に、スプール４の軸芯Ｘと
同軸芯で回転自在な回転カム２３の一対のカム面２３
Ａ，２３Ａの接当により、このヨーク２１を介してクラ
ッチスリーブ１８を操作する構造を形成し、又、前記入
り操作部材９の操作ピン９Ａに接当操作されるリンク部
材２４を回転カム２３の係合ピン２５に係合している。

【００１８】前記支軸２２，２２にはヨーク２１をクラ
ッチ機構Ｃの入り側に操作する圧縮バネ２６，２６を外
嵌し、回転カム２３には該回転カム２３の回転姿勢をク
ラッチ機構Ｃの入り、及び、切り夫々の状態に保持する
トッグルバネ２７を作用させ、クラッチ機構Ｃが切り状
態に設定された際にトッグル式のバネ２８の作用によ
り、その端部を戻し操作用のホイール２９と干渉する姿
勢に切換わる戻しアーム３０を備えている。又、回転カ
ム２３には、上方に向けて延出部２３Ｂを一体形成し、
この延出部２３Ｂと前記入り操作部材１０とをピン１０
Ａを介して連結している。尚、前記切り操作部材９のピ
ン９Ａはフレーム部１に形成した直線状の孔部１Ａに沿
って上下方向に移動可能に構成され、入り操作部材１０
のピン１０Ａはスプール軸１６の軸芯Ｘを中心とする円
弧状の孔部１Ｂに沿って前後方向に移動可能に構成され
ている。

【００１９】図６及び図７に示すように、このリールで
は入り操作部材９の使用、不使用を選択できるよう、こ
の入り操作部材１０の上面にサムレスト５を貫通する状
態に操作片４１を形成し、この入り操作部材１０の右側
面には前記ピン１０Ａの挿抜を許す孔部４２を形成し、
この入り操作部材１０の左側面には、係合ピン４３を形
成し、又、この係合ピン４３と対向するリール本体１に
係合ピン４３の係合を許容する係合孔部４４を形成して
いる。サムレスト５には、操作片４１が貫通する貫通孔
５Ａを形成し、この貫通孔５Ａは、入り操作部材１０の
前後方向への作動、及び、横方向への作動を許すよう鉤
状に形成されている。従って、この入り操作部材１０を
使用する場合には、図６に示す位置に入り操作部材１０
を設定し、入り操作部材１０を使用しない場合には図７
に示すように、操作片４１の操作により、入り操作部材
１０の孔部４２からピン１０Ａを抜き取り、係合ピン４
３を係合孔部４４に嵌合させることにより、クラッチ機
構Ｃの状態に拘わらず入り操作部材１０を作動させない
ものとなる。

【００２０】そして、このリールの使用時には、図２に
示す如く、切り操作部Ａと入り操作部Ｂとの間に一方の
手の親指Ｔを挿入した状態でロッドＲのグリップ３１を
握り、キャスト時等、クラッチ機構Ｃを切り操作する場
合には、切り操作部Ａを下方に向けて押下げることによ
り、図３に示す如く、切り操作部材９に形成されたピン
９Ａからの操作力でリンク部材２４がガイド部材３２と
の接触により円弧状の軌跡を描き乍ら回転カム２３を回
転操作する結果、カム面２３Ａ，２３Ａの押圧により、
前記クラッチスリーブ１８がクラッチ切り方向に作動
し、これと同時に入り操作部材１０の後端の入り操作部
Ｂがサムレスト５の後端から後方の突出する位置まで移
動する。

【００２１】又、このクラッチ機構Ｃの切り操作直後に
は親指Ｔがスプール４に近接する位置にあるので、スプ
ール４の鍔状部４Ａに親指Ｔを接触させてキャスト時の
サミングを容易に行え、更に、仕掛が着水したタイミン
グでクラッチ機構Ｃを入り操作する場合には、サミング
位置の親指Ｔを、殆どそのままの位置で前方に移動させ
ることにより、サミング操作を継続したまま入り操作部
Ｂを前方に押し操作でき、この操作を行うと、図４に示
す如く、回転カム２３がクラッチ入り方向に回転操作さ
れ、ヨーク２１が圧縮バネ２６，２６の付勢力により作
動する結果クラッチ機構Ｃは入り状態に達してバックラ
ッシュの抑制、迅速なフッキングが可能となる。因み
に、クラッチ機構Ｃが入り状態に達すると、平面視で入
り操作部Ｂがサムレスト５で完全に覆われる形態となっ
てリーリング時等にサムレスト５に指を接触させても入
り操作部Ｂに指が触れないように構成されている。

【００２２】又、このリールではハンドル６の巻取り操
作によってもクラッチ機構Ｃの入り操作が可能であり、
この操作時にはハンドル６を巻取り方向に操作すること
により、ホイール２９の歯部２９Ａからの押圧力が戻し
アーム３０を介して回転カム２３をクラッチ入り方向に
操作し、ヨーク２１が圧縮バネ２６，２６の付勢力によ
り作動してクラッチ機構Ｃは入り状態に達する。

【００２３】〔第２実施例〕以下、本発明の第１実施例
を図面に基づいて説明する。この第２実施例では第１実
施例と異なるとことは少なく（共通する構成、構造に
は、第１実施例と同一の番号符号を附している）、切り
操作部Ａと入り操作部Ｂとが入れ替わって配置され、ク
ラッチ機構Ｃの操作方向が逆となっている。即ち、図８
乃至図１１に示すように、このリールではクラッチ機構
Ｃを切り操作する切り操作部Ａを、左右のフレーム部
１，１の間のスプールの外周上方に配置した切り操作部
材９に形成し、又、クラッチ機構Ｃを入り操作する入り
操作部Ｂを左右のフレーム部１，１の間のスプール４の
後方で、かつ、前記切り操作部Ａとの間に指の挿入を許
す間隔を隔てて配置した入り操作部材１０に形成してい
る。

【００２４】図９に示すように、前記クラッチスリーブ
１８を係合支持するヨーク２１が、一対の支軸２２，２
２にスライド移動自在に支持されると共に、スプール４
の軸芯Ｘと同軸芯で回転自在な回転カム２３の一対のカ
ム面２３Ａ，２３Ａの接当により、このヨーク２１を介
してクラッチスリーブ１８を操作する構造を形成し、
又、前記切り操作部材９の操作ピン９Ａを回転カム２３
の延出部２３Ｂに連結し、更に、前記入り操作部材１０
のピン１０Ａに接当操作されるリンク部材２４を回転カ
ム２３の係合ピン２５に係合している。

【００２５】前記支軸２２，２２にはヨーク２１をクラ
ッチ機構Ｃの入り側に操作する圧縮バネ２６，２６を外
嵌し、回転カム２３には該回転カム２３の回転姿勢をク
ラッチ機構Ｃの入り、及び、切り夫々の状態に保持する
トッグルバネ２７を作用させ、回転カムには戻し用のア
ーム部４５を一体形成している。尚、前記切り操作部材
９のピン９Ａはスプール軸１６の軸芯Ｘを中心とする円
弧状の孔部１Ｂに沿って前後方向に移動可能に構成さ
れ、入り操作部材１０のピン１０Ａはフレーム部１に形
成した直線状の孔部１Ａに沿って上下方向に移動可能に
構成されている。

【００２６】このリールでは、クラッチ切り状態でハン
ドルを釣り糸巻上げ方向に回転操作した場合に、ハンド
ル軸１３と一体回転するホイール２９の歯部２９Ａと接
当して後方にスライドするスライド部材４６からの操作
力を軸４７周りで揺動する揺動部材４８を介して前記ア
ーム部４５に伝えて回転カム２３をクラッチ入り位置ま
で回転させるようクラッチ戻し系を構成している。

【００２７】そして、このリールの使用時には、図８に
示す如く、切り操作部Ａと入り操作部Ｂとの間に一方の
手の親指Ｔを挿入した状態でロッドＲのグリップ等を握
り、キャスト時等、クラッチ機構Ｃを切り操作する場合
には、切り操作部Ａを前方に向けて押すことにより、切
り操作部材９に形成されたピン９Ａからの操作力で回転
カム２３をクラッチ切り方向に回転させて図１０及び図
１１に示すように、クラッチ機構を切り操作すると共
に、平面視で切り操作部材９がサムレスト５に覆われる
位置に達する。

【００２８】又、このクラッチ機構Ｃの切り操作直後
に、親指Ｔがスプール４に近接する位置にあるので、ス
プール４の鍔状部４Ａに親指Ｔを接触させてキャスト時
のサミングを容易に行え、更に、仕掛が着水したタイミ
ングでクラッチ機構Ｃを入り操作する場合には、サミン
グ位置の親指Ｔを、殆どそのままの位置で下方に移動さ
せることにより、サミングを継続したままで入り操作部
Ｂを下げ操作でき、この操作を行うと、回転カム２３が
クラッチ入り方向に操作され、ヨーク２１が圧縮バネ２
６，２６の付勢力により作動する結果、クラッチ機構Ｃ
は入り状態に達してバックラッシュの抑制、迅速なフッ
キングが可能となる。

【００２９】又、このリールではハンドル６の巻取り操
作によってもクラッチ機構Ｃの入り操作が可能であり、
この操作時にはハンドル６を巻取り方向に操作すること
により、ホイール２９の歯部２９Ａからの押圧力がスラ
イド部材４６、揺動部材４８、及び、アーム部４５夫々
を介して回転カム２３をクラッチ入り方向に操作し、ヨ
ーク２１が圧縮バネ２６，２６の付勢力により作動して
クラッチ機構Ｃは入り状態に達する。

【００３０】〔別実施例〕本発明は上記実施例以外に、
以下のように構成できる。（イ）図１２乃至図１４に示すように、切り操作部Ａ
を切り操作部材９と共にスプール４の軸芯Ｘを略中心と
する円弧状に作動させ、入り操作部Ｂを入り操作部材１
０と共に直線的に作動させるよう構成し、クラッチ機構
Ｃの操作系を以下のように構成する。

【００３１】一対の支軸２２，２２に沿ってスライド移
動自在に支持したヨーク２１を圧縮バネ２６でクラッチ
入り方向に付勢し、このヨーク２１との接触でヨーク２
１をクラッチ切り方向の操作するカム面３３Ａを備えた
クラッチプレート３３を備え、このクラッチプレート３
３をクラッチ入り方向に付勢し、かつ、軸体３４周りで
の揺動を行わせるバネ３５を備え、又、クラッチプレー
ト３３の一対の延出端部３３Ｂ，３３Ｂのうちの一方を
折り曲げて係合片３６を形成し、クラッチ機構Ｃの切り
操作時に係合片３６が係合してクラッチプレート３３の
クラッチ入り方向への復元を阻止する凹状の係合保持部
３７を形成し、更に、クラッチプレート３３と切り操作
部材９とをリンク片３８を介して連結してクラッチ機構
Ｃの操作系を構成する。因みに、係合片３６は図１３の
紙面に対して直交する姿勢に折り曲げた形状に成形さ
れ、係合保持部３７はフレーム部１のうち、クラッチプ
レート３３と平行姿勢の部位に対して凹状に窪ませた形
状に形成される。

【００３２】又、係合保持部３７に係合した状態の係合
片３６に接触して、この係合を解除する方向に作動する
よう複数のリンク部材３９を入り操作部材１０との間に
形成し、ハンドル軸１３に、ストッパー１５Ａとラチェ
ットホイール１５Ｂとで成る逆転阻止機構１５を備え
る。そして、このリールでクラッチ機構Ｃを切り操作す
る場合には、図１４に示す如く、切り操作部Ａを下方に
押し操作することによるクラッチプレート３３の移動に
よってクラッチ機構Ｃが切り状態に達し、逆に、クラッ
チ機構Ｃを入り操作する場合には、入り操作部Ｂを前方
に操作することにより図１３に示す如く、リンク部材３
９の揺動によって係合片３６と、係合保持部３７との係
合が解除されバネ３５の付勢力でクラッチプレート３３
が入り状態に復元し、クラッチ機構Ｃも入り状態に達
し、スプール４の逆転が逆転阻止機構１５で阻止される
ものとなる。

【００３３】（ロ）図１５及び図１６に示すように、
「コ」字状の作動部材４０の横向き姿勢に形成される各
部位に切り操作部Ａ、入り操作部Ｂ夫々を形成して、ク
ラッチ機構Ｃの切り操作時、入り操作時夫々の操作時に
作動部材４０をスプール４の軸芯Ｘ周りで一体作動させ
るよう構成する。尚、この別実施例では、第１、第２実
施例のように回転カムを用いてクラッチ機構を操作する
リール以外に、別実施例（イ）のようにカムプレートを
スライド作動させてクラッチ機構を操作するリールにも
適用できる。（ニ）切り操作部Ａ、入り操作部Ｂ夫々を一体的に作
動する部材に形成するに、「ロ」字状等、その中央に指
の挿通を許容する開口を備えた形状に成形すると共に、
この部材の左右の側面を、リールの左右のフレーム部夫
々の互いに対向する面夫々に接触する状態に配置する。

【００３４】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施例のリールの縦断側面図

【図２】第１実施例のロッドに装着状態のリールの平面
図

【図３】第１実施例のリールの切り状態のクラッチ操作
系の側面図

【図４】第１実施例のリールの入り状態のクラッチ操作
系の側面図

【図５】第１実施例のリールの右側部の断面図

【図６】第１実施例の入り操作部材を示す一部切欠き平
面図

【図７】第１実施例の入り操作部材を示す一部切欠き後
面図

【図８】第２実施例のクラッチ入り状態でのリールの縦
断側面図

【図９】第２実施例の入り状態のクラッチ操作系の側面
図

【図１０】第２実施例のクラッチ切り状態でのリールの
縦断側面図

【図１１】第２実施例の切り状態のクラッチ操作系の側
面図

【図１２】別実施例（イ）のリールの縦断側面図

【図１３】別実施例（イ）のリールの入り状態のクラッ
チ操作系の側面図

【図１４】別実施例（イ）のリールの切り状態のクラッ
チ操作系の側面図

【図１５】別実施例（ロ）のリールの平面図

【図１６】別実施例（ロ）のリールの縦断側面図

【符号の説明】

１フレーム部４スプール５サムレスト６ハンドルＡ切り操作部Ｂ入り操作部Ｃクラッチ機構

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】左右のフレーム部（１），（１）の間に
スプール（４）を回転自在に支承すると共に、切り操作
でスプール（４）の自由回転を許容し、入り操作でハン
ドル（６）からの駆動力をスプール（４）に伝えるクラ
ッチ機構（Ｃ）を備えて成る両軸受リールであって、前記クラッチ機構（Ｃ）を切り操作する切り操作部
（Ａ）を、前記左右のフレーム部（１），（１）の間の
前記スプール（４）の後方位置に配置し、前記クラッチ
機構（Ｃ）を入り操作する入り操作部（Ｂ）を、前記左
右のフレーム部（１），（１）の間の前記スプール
（４）の外周上方で、かつ、前記切り操作部（Ａ）との
間に指の挿入を許容する間隔を隔てた位置に配置してあ
る両軸受リール。
【請求項２】前記切り操作部（Ａ）と、前記入り操作
部（Ｂ）とを独立して作動可能な部材に形成してある請
求項１記載の両軸受リール。
【請求項３】前記切り操作部（Ａ）と、前記入り操作
部（Ｂ）とを一体的に作動する部材に形成してある請求
項１記載の両軸受リール。
【請求項４】前記切り操作部（Ａ）を、下方への操作
で前記クラッチ機構（Ｃ）を切り操作し、前記入り操作
部（Ｂ）を、前方への操作で前記クラッチ機構（Ｃ）を
入り操作するよう、切り操作部（Ａ）、入り操作部
（Ｂ）夫々と前記クラッチ機構（Ｃ）とを連係してある
請求項１記載の両軸受リール。
【請求項５】前記入り操作部（Ａ）を、前方への操作
で前記クラッチ機構（Ｃ）を入り操作するよう操作系を
構成すると共に、この入り操作部（Ａ）を前記左右のフ
レーム部（１），（１）の上面同士に亘って形成したサ
ムレスト（５）の下方に配置し、前記クラッチ機構
（Ｃ）の切り状態で、該入り操作部（Ｂ）をサムレスト
（５）の後端から後方に突出させるよう、前記入り操作
部（Ｂ）の作動ストロークを設定してある請求項１記載
の両軸受リール。
【請求項６】左右のフレーム部（１），（１）の間に
スプール（４）を回転自在に支承すると共に、切り操作
でスプール（４）の自由回転を許容し、入り操作でハン
ドル（６）からの駆動力をスプール（４）に伝えるクラ
ッチ機構（Ｃ）を備えて成る両軸受リールであって、前記クラッチ機構（Ｃ）を切り操作する切り操作部
（Ａ）を、前記左右のフレーム部（１），（１）の間の
前記スプール（４）の外周上方位置に配置し、前記クラ
ッチ機構（Ｃ）を入り操作する入り操作部（Ｂ）を、前
記左右のフレーム部（１），（１）の間の前記スプール
（４）の後方位置で、かつ、前記切り操作部（Ａ）との
間に指の挿入を許容する間隔を隔てた位置に配置してあ
る両軸受リール。
【請求項７】前記切り操作部（Ａ）と、前記入り操作
部（Ｂ）とを独立して作動可能な部材に形成してある請
求項６記載の両軸受リール。
【請求項８】前記切り操作部（Ａ）を、前方への操作
で前記クラッチ機構（Ｃ）を切り操作し、前記入り操作
部（Ｂ）を、下方への操作で前記クラッチ機構（Ｃ）を
入り操作するよう、切り操作部（Ａ）、入り操作部
（Ｂ）夫々と前記クラッチ機構（Ｃ）とを連係してある
請求項６記載の両軸受リール。