JP3544688B2 - 両軸受リール - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、左右のフレーム部の間にスプールを回転自在に支承すると共に、切り操作でスプールの自由回転を許容し、入り操作でハンドルからの巻き上げ力をスプールに伝えるクラッチ機構を備えて成る両軸受リールに関し、詳しくは、クラッチ機構を操作する機構の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
両軸受リールのクラッチ機構を操作する機構として、実公昭59−32284号公報に示されるものが存在し、この従来例では、クラッチ機構を切り操作するクラッチレバーとクラッチ機構を入り操作するクラッチ戻しレバーとを備えると共に、クラッチ機構の切り状態でハンドルを巻取り方向に操作することでクラッチ機構を入り操作する操作系を備えている。
尚、この従来例では、ハンドルを備えたフレーム部の側にクラッチレバーと戻しレバーとを備えており、右手でロッドを握ったまま左手で戻しレバーを操作してクラッチ機構の入り操作を行えるよう構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来例では、例えば、ルアーのキャスト時にはクラッチ機構を切り操作し、一方の手でロッドを操作してキャストを行った直後にはハンドルを操作せずとも、他方の手でクラッチ機構を入り操作してライン(釣り糸)の過剰な繰出しを抑制でき、しかも、魚のアタリに対応してフッキングできるものとなっている。
【0004】
ルアーのキャスト時にはロッドを握った手を振り出した姿勢となり、ルアーのキャストから着水までは、この姿勢でロッドを握った手の親指でサミングを行うのが普通である。
又、ルアーの着水後にはクラッチ機構を入り操作してリーリングを開始することになるが、例えば、ルアーの着水直後にアタリを感じフッキングを行う際には、クラッチ機構を迅速に入り操作する必要があるものの、従来例のリールでは前述のようにロッドを握った手が振り出された位置にあるので、この振り出し位置のリールに対して他方の手を移動させて戻しレバーを操作する必要があり、動作ストロークが大きく迅速なクラッチ操作を行い難いものとなっている。
【0005】
本発明の目的は、スプールをサミングする指を僅かにずらすだけでクラッチ機構を入り操作できる両軸受リールを合理的に構成する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の特徴(請求項1)は、左右のフレーム部(1),(1)の間にスプール(4)を回転自在に支承すると共に、切り操作で前記スプール(4)の自由回転を許容し、入り操作でハンドル(6)からの巻き上げ力を前記スプール(4)に伝えるクラッチ機構(C)を備えて成る両軸受リールであって、
前記クラッチ機構(C)を入り操作する入り操作部(B)を、左右の前記フレーム部(1),(1)のうち、前記スプール(4)の軸芯(X)に沿う方向視で前記スプール(4)の側に露出する面(S),(S)の少なくとも一方の面(S)の部位で、前記スプール(4)の外周近傍位置に配置し、
前記入り操作部(B)は、
前記面(S)に沿う方向へスライド操作自在に構成し、このスライド操作によって前記クラッチ機構(C)を入り操作するよう前記クラッチ機構(C)と連係し、かつ
前記スプール(4)の軸芯(X)周りでの回動によって前記クラッチ機構(C)を入り操作するよう前記クラッチ機構(C)と連係し、
前記クラッチ機構(C)を切り操作する切り操作部(A)を前記スプール(4)の後方位置に前記入り操作部(B)と離間して配置してある点にある。
本発明の第2の特徴(請求項2)は、左右のフレーム部(1),(1)の間にスプール(4)を回転自在に支承すると共に、切り操作で前記スプール(4)の自由回転を許容し、入り操作でハンドル(6)からの巻き上げ力を前記スプール(4)に伝えるクラッチ機構(C)を備えて成る両軸受リールであって、
前記クラッチ機構(C)を入り操作する入り操作部(B)を、左右の前記フレーム部(1),(1)のうち、前記スプール(4)の軸芯(X)に沿う方向視で前記スプール(4)の側に露出する面(S),(S)の少なくとも一方の面(S)の部位で、前記スプール(4)の外周近傍位置に配置し、
前記入り操作部(B)を、前記面(S)と直交する方向へ操作自在に構成し、この操作によって前記クラッチ機構(C)を入り操作するよう前記クラッチ機構(C)と連係し、
前記軸芯(X)周りでの円弧状の軌跡に従って作動し、前記クラッチ機構(C)を切り操作する切り操作部(A)を前記スプール(4)の後方位置に前記入り操作部(B)と離間して配置してある点にある。
そして、その作用、及び、効果は次の通りである。
【0008】
【作用】
上記第1の特徴によると、リールの使用時にルアーをキャストした際には、図1及び図2に示す如く、スプール4の鍔状部4A等に親指Tを接触させてサミングを行い、ルアーが着水したタイミングでクラッチ機構Cを入り操作する場合にも、サミング状態の指Tをスプール4の鍔状部4Aから離間させずとも、フレーム部1の面Sの位置の入り操作部Bを操作してクラッチ機構Cの入り操作を行え、フッキングが可能となる。
【0009】
つまり、本発明では、フレーム部のスプール側の面で、かつ、スプールの外周近傍位置に入り操作部を配置しているので、この入り操作部がサミング状態の指に必然的に接近するものとなり、例えば、ルアーの着水と同時にアタリを感じてクラッチ機構を入り操作する場合にもサミング操作を継続したまま、サミングする指を僅かに移動させることだけで、クラッチ機構が入り状態に達し迅速なフッキングも可能となる。
【0010】
また、クラッチ機構を切り操作する場合には、親指を左右のフレーム部の間にスプール後方から挿入するという自然な状態となり、この切り操作の直後にキャストした際には、この指を僅かに前方に移動させることでサミングが可能となる。
【0011】
更に、入り操作部が面に沿って作動するので、スプール近傍位置においても比較的大きい作動ストロークを確保でき、入り操作部を面に接触させることにより安定的な姿勢で作動させることも可能となる。
更に、クラッチ機構の入り操作時には入り操作部がスプールの外周に沿って作動することになるので、この入り操作部のストロークを大きく設定しても、操作時にスプールから大きく離間することが無くサミングを中断するこもない。
請求項2によると、例えば、押しボタンのようにフレーム部の面に狭い面に入り操作部を形成できるものとなり、しかも、入り操作のために大きいストロークを面方向に確保せずに済む。
【0012】
請求項3によると、部材に形成された切り操作部の操作によってクラッチ機構が切り状態に達し、この部材に形成された入り操作部の操作によってクラッチ機構が入り状態に達する。つまり、単一の部材の操作によってクラッチ機構の切り入りが可能となると共に、入り操作部がスプールの近傍に配置されるので、サミング状態から入り操作をす早く行え、又、この部材がスライド作動するので、動作姿勢が安定し、フレーム部に対する部材の位置に基づいて視覚的、触覚的にクラッチ機構の状態の判別が可能となり、しかも、一体的に作動するので、この部材とクラッチ機構とを直結する等操作系が単純化する。
【0016】
【発明の効果】
従って、第1、第2の特徴より、スプールをサミングする指を僅かにずらすだけで迅速にクラッチ機構を入り操作でき、ルアーの着水直後にアタリを感じた場合にも即時に対応できる両軸受リールが合理的に構成できたのである。
【0017】
特に、スプールの後方でクラッチ機構の切り操作を行えるようにすることで、自然な指の動作でキャストからサミングに滑らかに移行できるものとなり、入り操作部が面に沿って作動することで、大きいストロークの無理のない動作でクラッチ機構の入り動作を可能とし、入り操作部をスプールの軸芯周りで回動自在にしたことで、大きい作動ストロークを設定してもスプールとの相対距離が一定に維持されサミングを継続したままでクラッチ機構の入り操作を容易に行えるものとなり(請求項1)、面に直交する方向の操作でクラッチ機構を入り操作するものでは、入り操作部の配置面積を小さくすると共に、スプールの軸芯に沿う方向視で指の位置を大きく変化させずにクラッチ機構の入り操作を可能にし(請求項2)、一体作動する部材でクラッチ機構を切り入り操作できるものでは、操作部を安定した姿勢で操作できるばかりで無く、操作部の位置に基づいてクラッチ機構の状態を容易に判別できる(請求項3)という効果も奏する。
【0018】
【実施例】
〔第1実施例〕
以下、本発明の第1実施例を図面に基づいて説明する。
図1、図2及び図9に示すように、左右のフレーム部1,1の間の前部に螺軸2の回転によって左右に糸案内具3を往復駆動する構造のレベルワインド機構を配置すると共に、中央部にスプール4、左右のフレーム部1,1の上部同士の間に亘ってサムレスト5を夫々配置し、又、右側のフレーム部1に、ハンドル6、ドラグ操作具7、キャストコントローラ8夫々を備えてベイトキャスティング用の両軸受リールを構成する。
【0019】
このリールでは右側のフレーム部1にクラッチ機構Cを内装し、このクラッチ機構Cを切り操作する切り操作部Aを、左右のフレーム部1,1の間のスプール4の後方に配置した切り操作部材9に形成し、又、このクラッチ機構Cを入り操作する入り操作部Bを左右のフレーム部1,1の互いに対向する面S,Sのうち前記クラッチ機構Cを内装するフレーム部1の面Sに接触状態でスライド作動する入り操作部材10に形成してあり、該入り操作部材10はスプール4の軸芯Xを中心とする円弧状の域に作動自在に構成され、前方への操作でクラッチ機構Cを入り操作するよう操作方向が設定されている。
【0020】
図9に示すように、このリールでは、左側のフレーム部1の内部に遠心ブレーキを内蔵し、この遠心ブレーキはスプール4と一体回転するスプール軸11にホルダ12を介して支持された軸13にスライド自在に外嵌されたカラー14と、このカラー4の回転軌跡の外方に配置されたリング状の制動部材15とを備えて構成されている。又、この左側のフレーム1は本体部材1Aと、ケース1Bとに分離自在に構成され、このケース1Bには本体部材1Aの雌ネジ部16に螺合するネジ部材17を備え、このケース1Bを本体部材1Bから分離する際にはネジ部材17を緩め操作し、ケース1Bをスプール4の軸芯X周りで回動操作することにより本体部材1Aから分離できるよう構成されている。
【0021】
即ち、左側の本体部材1Aのスプール4の嵌込み孔部の内面にスプール軸4の軸芯Xを中心とした等距離に3つの被係合部(図示せず)を形成すると共に、軸芯X周りでの回転によって被係合部と係脱する(カメラのレンズのバヨネットと称せられる構造と同様に係脱する)爪18をケース1Bの側の内面に形成してケース1Bの分離時にはネジ部材17を緩めてケース1Bと本体部材1Bとの相対回動を可能にした状態で図6に示す如く、回動操作することで夫々を分離してスプール4の抜き出しを可能にし、逆方向へ操作することにより連結を行うよう構成されている。
【0022】
尚、後述するハンドル軸19の端部位置に形成されるフレーム部1の開口を閉塞する蓋体20を固定するのビス21を操作するドライバーの挿入を許容する貫通孔1Cを左側のフレーム部1の本体部材1A(内面側)に形成し、左右のフレーム部1,1の下部には前後一対のロアーフレーム22,22を介して脚部23を備えている。
【0023】
図4、図5及び図9に示すように、右側のフレーム部1に支承したハンドル軸19に対して前記ハンドル6、ドラグ操作具7夫々を備え、該ハンドル軸19の内端部にドラグ機構D、ラチェットホイール24を備え、ラチェットホイール24はストッパー25との係合によってスプール4、及び、ハンドル軸19の逆転(釣り糸繰り出し方向への回転)を阻止し、ドラグ機構Dの出力ギヤ26と前記螺軸2の入力ギヤ2Aとを咬合させている。
図2、図3及び図9に示すように、前記螺軸2には前記糸案内具3に支持される係合片27が係入する螺旋溝2Bが形成され、この螺軸2の上方部位を覆うカバー28の外面に図7に示す如く、係合片27の挿通を許す螺旋状のスリット29Aが形成された防塵体29を外嵌している。尚、この係合片の移動に伴い防塵体29は螺軸2の軸芯周りに往復回動する。
【0024】
又、スプール4と一体回転するスプール軸11をベアリング30を介して支承し、又、スプール軸11にスライド操作自在に遊嵌したクラッチスリーブ31とスプール軸11に固設したピン32との係脱構造により前記クラッチ機構Cを構成し、クラッチスリーブ31の入力ギヤ31Aとドラグ機構Dの出力ギヤ26との噛合により、ハンドル6からの回動操作力をドラグ機構D、クラッチ機構C夫々を介してスプール4に伝える伝動系を構成する。尚、クラッチスリーブ31には、図8に示す如く、スプール4の軸芯Xに沿う方向視でピン32と係合する溝部31Bを十字状に形成している。
【0025】
図4及び図5に示すように、前記クラッチスリーブ31を係合支持するヨーク33が、一対の支軸34,34にスライド移動自在に支持されると共に、スプール4の軸芯Xと同軸芯で回転自在な回転カム35の一対のカム面35A,35Aの接当により、このヨーク33を介してクラッチスリーブ31を操作する系を形成し、又、前記支軸34,34にはヨーク33をクラッチ機構Cの入り側に操作する圧縮バネ36,36を外嵌し、クラッチ機構Cが切り状態に設定された際にトッグル式のバネ38の作用により、その端部をラチェットホイール24と干渉する姿勢に切換える戻しアーム39を備えている。
【0026】
尚、回転カム35はバネ38の付勢力で、クラッチ機構Cの入り状態と切り状態とに保持される。
又、クラッチ切り状態では図4に示す如く、ラチェットホイール24の歯部24Aにストッパー25が接触し、戻しアーム39がラチェットホイール24の歯部24Aに接当してハンドル軸19の回転方向へのアソビを解消するよう構成されている。
【0027】
前記ハンドル軸19の軸芯と同軸芯周りで揺動自在に構成された揺動フレーム40の端部に前記切り操作部材9が連結され、この揺動フレーム40と回転カム35とを接当片41を介して連係することにより、切り操作部材9の下方への操作によりクラッチ機構Cを切り操作するよう構成し、又、回転カム35には、延出部35Bを一体形成し、この延出部35Bと前記入り操作部材10とをピン42を介して連結している。
【0028】
そして、このリールの使用時には、図1に示す如く、ロッドRのグリップ43を握った手の親指Tを左右のフレーム1,1の後方からスプール4に近接する位置に挿入し、切り操作部Aを親指Tで下方に押し下げることにより自然な指使いでクラッチ機構Cの切り操作が可能となり、この切り操作時には、図4に示す如く、切り操作部材9がハンドル軸19の軸芯を中心とする円弧状の軌跡で作動すると共に、この作動時に回転カム35はスプール4の軸芯Xを中心として回転し、カム面35A,35Aの押圧によりクラッチスリーブ31がクラッチ切り位置まで作動し、又、入り操作部Bは軸芯X周りでの回動により下方へ移動する。
【0029】
このようにクラッチ機構Cの切り操作時には、既に親指Tがスプール4に近接する位置にあるので、キャスト時には親指Tをスプール4の鍔状部4Aに接触させて容易にサミングを行え、ルアーの着水後には、このサミングを中断すること無く、指先を入り操作部Bに接触させて前方に押し操作することにより迅速なクラッチ機構Cの入り操作が可能となり、この入り操作時には、図5に示す如く、切り操作部材9からの操作力で切り操作部材9がスプール4の軸芯Xを中心とする円弧状の軌跡を描き乍ら回転カム35を回転操作する結果、カム面35A,35Aの押圧が解除され、前記クラッチスリーブ31がヨーク33の圧縮バネ36の付勢力でクラッチ切り位置に作動し、スプール軸11とラチェットホイール24とが連係状態となるため、バックラッシュを抑制し、迅速なフッキングが可能となる。
【0030】
又、このリールではハンドル6の巻取り操作によってもクラッチ機構Cの入り操作が可能であり、この操作時にはハンドル6を巻取り方向に操作することにより、ホイール24の歯部24Aからの押圧力が戻しアーム39を介して回転カム35をクラッチ入り方向に操作し、ヨーク33が圧縮バネ36,36の付勢力により作動してクラッチ機構Cは入り状態に達する。
【0031】
〔第2実施例〕
以下、本発明の第2実施例を図面に基づいて説明する。
この第2実施例では第1実施例と異なることは少なく(共通する構成、構造には、第1実施例と同一の番号符号を附している)、単一の作動部材44に切り操作部Aと入り操作部Bとを形成している。
【0032】
図10乃至図12に示すように、作動部材44にはスプール4の軸芯Xと平行姿勢の切り操作部Aと、この切り操作部Aと直交する姿勢の入り操作部Bとで平面視「L」字状に成形され、この入り操作部Bは、左右のフレーム部1,1の互いに対向する面S,Sのうちクラッチ機構Cを内蔵した側の面Sに接触状態に配置され、この作動部材44は回転カム35とピン42を介して直結されている。尚、入り操作部Bにはリールの幅方向の中央側に張り出す突出部44Aを一体形成して操作時の指の滑りを抑制している。
【0033】
そして、使用時には前述と同様に、ロッドのグリップを握った手の親指を左右のフレーム1,1の後方からスプール4に近接する位置に挿入し、切り操作部Aを親指で下方に押し下げることにより自然な指使いでクラッチ機構Cの切り操作が可能となり、この切り操作時には、図10に示す如く、作動部材44と共に切り操作部Aと入り操作部Bとがスプールの軸芯Xを中心とする円弧状の軌跡で作動する結果、視覚的、触覚的にクラッチ機構Cの状態を容易に判別でき、この作動時に回転カム35はスプールの軸芯Xを中心として回転し、カム面35A,35Aの押圧によりクラッチスリーブ31がクラッチ切り位置まで作動する。
【0034】
このようにクラッチ機構Cの切り操作時には、既に親指がスプール4に近接する位置にあるので、キャスト時には親指をスプール4の鍔状部4Aに接触させて容易にサミングを行え、ルアーの着水後には、このサミングを中断することなく、指先を入り操作部Bに接触させて前方に押し操作することにより迅速なクラッチ機構Cの入り操作が可能となり、この入り操作時には、作動部材44からの操作力で作動部材44がスプール4の軸芯Xを中心とする円弧状の軌跡を描き乍ら回転カム35を回転操作する結果、カム面35A,35Aの押圧が解除され、前記クラッチスリーブ31がヨーク33の圧縮バネ36,36の付勢力でクラッチ切り位置に作動してスプール軸11とラチェットホイール24とが連係状態となるため、バックラッシュを抑制し、迅速なフッキングが可能となる。
【0035】
〔別実施例〕
本発明は上記実施例以外に、以下のように構成できる。
(イ) 図13及び図14に示すように、切り操作部Aを形成した切り操作部材9を下方への押し操作によってクラッチ機構Cの切り操作を行うよう操作系を形成し、左右のフレーム部1,1の互いに対向する面S,Sのうちクラッチ機構Cを内蔵した側の面Sに入り操作部Bをプッシュ操作型のスイッチ46のノブに形成し、クラッチ機構Cの操作系を以下のように構成する。
尚、前記切り操作部材9の下方への押し操作時に、該切り操作部材9は円弧状の軌跡に従って作動する。
【0036】
一対の支軸34,34に沿ってスライド移動自在に支持したヨーク33を圧縮バネ36,36でクラッチ入り方向に付勢し、このヨーク33との接触でヨーク33をクラッチ切り方向の操作するカム面47Aを備えたクラッチプレート47を備え、このクラッチプレート47をクラッチ入り方向に付勢し、かつ、軸体48周りでの揺動を行わせるバネ49を備え、又、クラッチプレート47の一対の延出端部47B,47Bのうちの一方を折り曲げて係合片50を形成し、クラッチ機構Cの切り操作時に係合片50が係合してクラッチプレート47のクラッチ入り方向への復元を阻止する保持部51を形成する。
この保持部51は、リンク52を介して電磁ソレノイド53によって非係合姿勢に変位自在に構成され、電磁ソレノイド53はスイッチ46の操作で電池(図示せず)から電力が供給され、非係合姿勢に作動することにより係合を解除するよう構成されている。
因みに、係合片50は図13の紙面に対して直交する姿勢に折り曲げた形状に成形されている。
【0037】
そして、このリールでクラッチ機構Cを切り操作する場合には、切り操作部Aを下方に押し操作することによるクラッチプレート47の移動によってクラッチ機構Cが切り状態に達し、逆に、クラッチ機構Cを入り操作する場合には、入り操作部Bをフレーム部1の面Sに直交する方向に操作することにより、電池(図示せず)からの電力の供給により電磁ソレノイド53が作動して係合片50と、保持部51との係合が解除されバネ49の付勢力でクラッチプレート47が入り状態に復元し、クラッチ機構Cも入り状態に達する。
【0038】
(ロ) 図15に示すように、左右のフレーム部1,1の互いに対向する面S,Sのうちクラッチ機構Cを備えない側の面Sに入り操作部Bを形成する。
【0039】
(ハ) 図16に示すように、左右のフレーム部1,1の互いに対向する面S,Sの夫々に入り操作部B,Bを形成する。
【0040】
(ニ) 図17に示すように、左右のフレーム部1,1の互いに対向する面S,Sの夫々に入り操作部B,Bを形成すると共に、これら入り操作部B,Bと、切り操作部Aとを一体的に作動する部材に形成する。
【0041】
(ホ) 図18及び図19に示すように、第1実施例と同様にクラッチ機構Cの回転カム35を回転操作する切り操作部材9に切り操作部Aを形成して切り操作系を構成すると共に(図18ではクラッチ機構の切り状態を表している)、クラッチ機構Cの回転カム35と一体的に形成した延出部35Bの端部をフレーム部1の上面に露出する位置まで形成し、この端部に入り操作部材10を固設し、更に、この入り操作部材10のスプール4の側の面で入り操作部Bを形成する。尚、この別実施例では、フレーム部1の上面より更に上方に突出する位置においも、入り操作部Bを操作することも可能となる。
又、この別実施例の変形として、スプールの軸芯Xに沿う方向視において、フレーム部1の上方に離間する位置に入り操作部Bを配置できる。
【0042】
(ヘ) 入り操作部をフレーム部の面に摺接する状態で、スプールの軸芯に対して接近、及び、離間する方向にスライド自在に構成する。
【0043】
尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のロッドに装着した状態のリールの平面図
【図2】
第1実施例のクラッチ切り状態でのリールの縦断側面図
【図3】第1実施例のクラッチ入り状態でのリールの縦断側面図
【図4】第1実施例の切り状態のクラッチ操作系の側面図
【図5】第1実施例の入り状態のクラッチ操作系の側面図
【図6】第1実施例の本体部材に対してケースを着脱操作する状態の側面図
【図7】第1実施例の防塵体の斜視図
【図8】第1実施例のクラッチスリーブの側面図
【図9】第1実施例のリールの横断平面図
【図10】第2実施例の切り状態のクラッチ操作系の側面図
【図11】第2実施例の入り状態のクラッチ操作系の側面図
【図12】第2実施例のリールの平面図
【図13】別実施例(イ)のクラッチ操作系の側面図
【図14】別実施例(イ)のリールの平面図
【図15】別実施例(ロ)のリールの平面図
【図16】別実施例(ハ)のリールの平面図
【図17】別実施例(ニ)のリールの平面図
【図18】別実施例(ホ)のクラッチ操作系の側面図
【図19】別実施例(ホ)のリールの背面図
【符号の説明】
1 フレーム部
4 スプール
6 ハンドル
A 切り操作部
B 入り操作部
C クラッチ機構
S 面
X 軸芯
Claims (3)
- 左右のフレーム部(1),(1)の間にスプール(4)を回転自在に支承すると共に、切り操作で前記スプール(4)の自由回転を許容し、入り操作でハンドル(6)からの巻き上げ力を前記スプール(4)に伝えるクラッチ機構(C)を備えて成る両軸受リールであって、
前記クラッチ機構(C)を入り操作する入り操作部(B)を、左右の前記フレーム部(1),(1)のうち、前記スプール(4)の軸芯(X)に沿う方向視で前記スプール(4)の側に露出する面(S),(S)の少なくとも一方の面(S)の部位で、前記スプール(4)の外周近傍位置に配置し、
前記入り操作部(B)は、
前記面(S)に沿う方向へスライド操作自在に構成し、このスライド操作によって前記クラッチ機構(C)を入り操作するよう前記クラッチ機構(C)と連係し、かつ
前記スプール(4)の軸芯(X)周りでの回動によって前記クラッチ機構(C)を入り操作するよう前記クラッチ機構(C)と連係し、
前記クラッチ機構(C)を切り操作する切り操作部(A)を前記スプール(4)の後方位置に前記入り操作部(B)と離間して配置してある
ことを特徴とする両軸受リール。 - 左右のフレーム部(1),(1)の間にスプール(4)を回転自在に支承すると共に、切り操作で前記スプール(4)の自由回転を許容し、入り操作でハンドル(6)からの巻き上げ力を前記スプール(4)に伝えるクラッチ機構(C)を備えて成る両軸受リールであって、
前記クラッチ機構(C)を入り操作する入り操作部(B)を、左右の前記フレーム部(1),(1)のうち、前記スプール(4)の軸芯(X)に沿う方向視で前記スプール(4)の側に露出する面(S),(S)の少なくとも一方の面(S)の部位で、前記スプール(4)の外周近傍位置に配置し、
前記入り操作部(B)を、前記面(S)と直交する方向へ操作自在に構成し、この操作によって前記クラッチ機構(C)を入り操作するよう前記クラッチ機構(C)と連係し、
前記軸芯(X)周りでの円弧状の軌跡に従って作動し、前記クラッチ機構(C)を切り操作する切り操作部(A)を前記スプール(4)の後方位置に前記入り操作部(B)と離間して配置してある
ことを特徴とする両軸受リール。 - 左右の前記フレーム部(1,1)の互いに対向する前記面(S,S)の夫々に前記入り操作部(B)を形成すると共に、前記クラッチ機構(C)を切り操作する切り操作部(A)とを一体的に形成する部材を設け、この部材を前記面(S)に沿う方向へのスライド作動により、前記クラッチ機構(C)を入り操作し、逆方向への操作により前記クラッチ機構(C)を切り操作するよう前記クラッチ機構(C)と連係してある請求項1記載の両軸受リール。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP19209393A JP3544688B2 (ja) | 1993-08-03 | 1993-08-03 | 両軸受リール |
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