JP2012199016A - 電極触媒層及びこの製造方法、膜電極接合体及びこの製造方法、固体高分子形燃料電池、並びに複合粒子及びこの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】触媒物質と、触媒物質よりも比表面積が大きく、黒鉛化処理を行った第1の炭素粒子と、第1の高分子電解質とを第1の溶媒に分散させた第1の触媒インクを調整し、第1の触媒インクを乾燥させ、第1の高分子電解質で包埋した複合粒子を形成し、第1の高分子電解質で包埋した複合粒子と、黒鉛化処理を行っていない第2の炭素粒子と、第2の高分子電解質とを第2の溶媒に分散させた第2の触媒インクを調整し、基材上に、第2の触媒インクを塗布して電極触媒層を形成することを特徴とする燃料電池用電極触媒層の製造方法により課題を解決できる。
【選択図】 図1
Description
上述のような固体高分子形燃料電池の実用化に向けての課題は、出力密度や耐久性の向上などが挙げられるが、最大の課題は低コスト化である。
空気極における非白金触媒の例として、例えば特許文献1には、遷移金属である鉄の窒化物と貴金属の混合物が記載されている。また、特許文献2には、遷移金属であるモリブデンの窒化物が記載されている。しかし、特許文献1及び特許文献2で記載されているような触媒物質は、酸性電解質中での酸素還元能が不充分であり、且つ、触媒物質が溶解する場合がある。
白金触媒で用いられる作製手法としては、特許文献3〜5に記載されているように、複数種類の導電性炭素を電極触媒層に添加して、電極触媒層の耐久性や撥水性を高め、MEAとして高い出力性能を引き出す工夫がなされている。しかし、これらの白金触媒で用いられる作製手法は、非白金触媒を使用する場合には適していないという問題点がある。
そして、本発明の請求項1に係る発明は、高分子電解質および触媒物質と、黒鉛化率の異なる少なくとも2種類の炭素粒子とを備える電極触媒層で使用される複合粒子の製造方法であって、
前記触媒物質と、前記触媒物質よりも比表面積が大きい第1の炭素粒子と、第1の高分子電解質を溶媒に分散させた第1の触媒インクを調整する第1調整工程と、
前記第1の触媒インクを乾燥させて、第1の高分子電解質で包埋した複合粒子を形成する複合粒子形成工程と、を備えることを特徴とする複合粒子の製造方法。
次に、請求項3に記載した発明は、請求項1又は請求項2に記載した構成に対し、 前記複合粒子形成工程において、第1の高分子電解質で包埋した複合粒子における、触媒物質と第1の炭素粒子との質量比を、1:0.01〜1:1の範囲内にすることを特徴とする。
次に、請求項5に記載した発明は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載した構成に対し、前記複合粒子形成工程において、第1の触媒インクを乾燥させる熱処理温度範囲を、30℃以上140℃以下の範囲内にすることを特徴とする。
次に、請求項7に記載した発明は、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載した構成に対し、前記触媒物質は、Ta、Nb、Ti、Zrから選択される、少なくとも一つの遷移金属元素の炭窒化物の部分酸化物、もしくは前記遷移金属元素の酸化物であることを特徴とする。
前記複合粒子の製造方法で形成された第1の高分子電解質で包埋した複合粒子、前記触媒物質よりも比表面積が大きい第2の炭素粒子、及び第2の高分子電解質を溶媒に分散させた第2の触媒インクを調整する第2調整工程と、
ガス拡散層、転写シートおよび高分子電解質膜から選択される基材上に、前記第2の触媒インクを塗布して電極触媒層を形成する電極触媒層形成工程と、
を備えることを特徴とする燃料電池用電極触媒層の製造方法を提供するものである。
次に、請求項10に記載した発明は、請求項9に記載した構成に対し、前記混合工程は、第1の高分子電解質で包埋した複合粒子と第2の炭素粒子を熱処理させる熱処理工程を備えることを特徴とする。
次に、請求項12に記載した発明は、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載した複合粒子の製造方法で製造されたことを特徴とする高分子電解質で包埋した複合粒子を提供するものである。
次に、請求項14に記載した発明は、一対の電極触媒層で挟まれたプロトン伝導性高分子電解質膜を、一対のガス拡散層で挟持する燃料電池用膜電極接合体の製造方法において、少なくとも一方の電極触媒層が、請求項13に記載の電極触媒層からなることを特徴とする燃料電池用膜電極接合体の製造方法を提供するものである。
次に、請求項16に記載した発明は、請求項15に記載の膜電極接合体を一対のガス拡散層で狭持し、その一対のガス拡散層で狭持された膜電極接合体を、更に一対のセパレータで狭持したことを特徴とする固体高分子形燃料電池を提供するものである。
(膜電極接合体)
図1は、本発明の実施形態に係る膜電極接合体12を示す概略断面図である。図1に示すように、本発明の実施形態に係る膜電極接合体12は、高分子電解質膜1と、その高分子電解質膜1の一方の面に配置される空気極側の電極触媒層2aと、高分子電解質膜1のもう一方の面に配置される燃料極側の電極触媒層2bを備えている。
図2は、本発明の実施形態に係る固体高分子形燃料電池の分解模式図である。本発明の固体高分子形燃料電池にあっては、図2に示すように、膜電極接合体12の電極触媒層2aおよび電極触媒層2bと対向させて、それぞれ空気極側のガス拡散層3および燃料極側のガス拡散層4が配置される。これによりそれぞれ空気極(カソード)5及び燃料極(アノード)6が構成される。更に、ガス拡散層3、膜電極接合体12、ガス拡散層4を間に挟んで一対のセパレータ9が配置される。一対のセパレータ9は、ガス流通用のガス流路7を備え、相対する主面に冷却水流通用の冷却水流路8を備えた導電性でかつ不透過性の材料からなる。そして、燃料極6側のセパレータ9のガス流路7からは燃料ガスとして、例えば水素ガスが供給される。一方、空気極5側のセパレータ9のガス流路7からは、酸化剤ガスとして、例えば酸素を含むガスが供給される。そして、燃料ガスの水素と酸素ガスとを触媒の存在下で電極反応させることにより、燃料極と空気極の間に起電力を生じさせることができる。
本実施形態の少なくとも一方の電極触媒層は、高分子電解質と、触媒物質と、黒鉛化率の異なる少なくとも2種類の炭素粒子とを備える電極触媒層であって、炭素粒子よりも小さい比表面積の触媒物質と、黒鉛化処理を行った第1の炭素粒子に対して高分子電解質を包埋している。この構成によって、触媒表面のプロトン伝導性を高めるだけでなく、触媒物質と炭素粒子との接触性を高めることができる。前記電極触媒層は、さらには黒鉛化処理を行っていない若しくは第1の炭素粒子よりも黒鉛化率が低い第2の炭素粒子を備えることで、電極触媒層のガス拡散性を高めることで反応活性点を増加させ、出力性能を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る黒鉛化率の異なる少なくとも2種類の炭素粒子としては、黒鉛化処理されている第1の炭素粒子と黒鉛化処理されていない第2の炭素粒子とが使用できる。
本発明の実施形態に係る第2の炭素粒子としては、微粒子状で導電性を有し、触媒におかされないものであればどのようなものでも構わない。例えば、前記第2の炭素粒子としてカーボンブラックや活性炭などが使用できる。カーボン粒子の粒径は、小さすぎると電子伝導パスが形成されにくくなり、また大きすぎると電極触媒層のガス拡散性が低下したり、触媒の利用率が低下したりするので、10nm以上1000nm以下が好ましい。より好ましくは、10nm以上100nm以下が良い。
ここで、格子面間隔C0とは、黒鉛化率の目安となる指標であり、炭素粒子の黒鉛構造に基づいた炭素六員環平面の面間隔であり、X回折パターンから算出される炭素六員環平面のC軸方向の格子定数Cの1/2層間の距離を表すものである。
また、第2の炭素粒子の黒鉛化率が第1の炭素粒子よりも高い場合には、炭素粒子の比表面積が小さく電極触媒層が密になり、電極触媒層のガス拡散性が低下し、出力性能を十分に向上させることは困難である。
第1の高分子電解質で包埋した複合粒子は、次の第1調整工程及び複合粒子形成工程を含む工程によって製造すれば良い。
第1調整工程では、前記触媒物質と、前記触媒物質よりも比表面積が大きい第1の炭素粒子と、第1の高分子電解質を溶媒に分散させた第1の触媒インクを調整する。
複合粒子形成工程では、前記第1の触媒インクを乾燥させて、第1の高分子電解質で包埋した複合粒子を形成する。
すなわち、第2調整工程では、前記複合粒子の製造方法で形成された第1の高分子電解質で包埋した複合粒子、前記触媒物質よりも比表面積が大きい第2の炭素粒子、及び第2の高分子電解質を溶媒に分散させた第2の触媒インクを調整する。
また、電極触媒層形成工程では、ガス拡散層、転写シートおよび高分子電解質膜から選択される基材上に、前記第2の触媒インクを塗布して電極触媒層を形成する。
高分子電解質で包埋した複合粒子における触媒物質と第1の炭素粒子との質量比は、1:0.01以上1:1以下の範囲内であることが好ましい。触媒物質に対して、第1の炭素粒子の質量比が0.01に満たない場合にあっては、触媒物質と第1の炭素粒子との接触性が低く、反応活性点を増加せることが困難であることから、出力性能が向上しない場合がある。また、触媒物質に対して、第1の炭素粒子の質量比が1を超える場合にあっては、触媒表面のプロトン伝導性が変化せず、反応活性点を増加せることが困難であることから、出力性能が向上しない場合がある。
本実施形態の実施形態に係る触媒物質は、一般的に用いられているものを使用してもよい。本実施形態において好ましくは、空気極における白金代替材料として固体高分子形燃料電池の正極として用いられる、Ta、Nb、Ti、またはZrから選択される、少なくとも一つの遷移金属元素を含む物質を使用してもよい。また、より好ましくは、これらの遷移金属元素の炭窒化物の部分酸化物、もしくは酸化物であることが好ましい。
さらに詳細に本発明の実施形態に係る膜電極接合体及び固体高分子形燃料電池について説明する。
触媒物質や炭素粒子を分散させるために、触媒インクに分散剤が含まれていても良い。分散剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤などを挙げることができる。中でもアルキルベンゼンスルホン酸、油溶性アルキルベンゼンスルホン酸、α−オレフィンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、油溶性アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩などのスルホン酸型のアニオン界面活性剤は、カーボンの分散効果、分散剤の残存による触媒性能の変化などを考慮すると、好適である。
触媒インク中の固形分含有量は、多すぎると触媒インクの粘度が高くなるため電極触媒層表面にクラックが入りやすくなり、また逆に少なすぎると成膜レートが非常に遅く、生産性が低下してしまうため、150質量%以上50質量%以下であることが好ましい。固形分は触媒物質および炭素粒子と高分子電解質からなるが、炭素粒子を多くすると同じ固形分含有量でも粘度は高くなり、少なくすると粘度は低くなる。そのため、固形分に占める炭素粒子の割合は10質量%以上80質量%以下が好ましい。また、このときの触媒インクの粘度は、0.1cP以上500cP以下程度が好ましく、さらに好ましくは5cP以上100cP以下が良い。また触媒インクの分散時に分散剤を添加することで、粘度の制御をしてもよい。
本実施形態の電極触媒層の製造方法において、高分子電解質で包埋した複合粒子は、触媒物質と炭素粒子、高分子電解質を溶媒に分散させた第1の触媒インクを転写シートに塗布し、乾燥させることで得てもよい。または、乾燥雰囲気中にスプレーすることでも複合粒子を直接得てもよい。
このとき、塗布方法としては、ドクターブレード法、ディッピング法、スクリーン印刷法、ロールコーティング法、スプレー法などを用いてもよい。
基材として転写シートを用いた場合には、高分子電解質膜に電極触媒層を接合後に転写シートを剥離し、高分子電解質膜の両面に触媒層を備える膜電極接合体としてもよい。基材としてガス拡散層を接合工程後にガス拡散層である基材を剥離する必要は無い。
(実施例1)
〔第1の触媒インクの調整〕
触媒物質(TaCNO、比表面積 約10m2/g)と、カーボンブラックに対して熱処理を行い、黒鉛化率を高めた第1の炭素粒子(C0=6.87Å)と、20質量%高分子電解質溶液(ナフィオン:Nafion(登録商標)、Dupont社製)を溶媒中で混合し、遊星型ボールミル(商品名:P−7、フリッチュ・ジャパン社製)で分散処理を行った。触媒インクの組成比は、触媒物質と炭素粒子の質量比で1:0.1とし、炭素粒子と高分子電解質の質量比で1:0.8とした。溶媒は超純水、1−プロパノールを体積比で1:1とした。PTFEシートを第1の触媒インクの乾燥用の基材として使用した。
ドクターブレードにより、第1の触媒インクを基材上に塗布し、そして大気雰囲気中80℃で5分間乾燥させた。その後、高分子電解質で包埋した複合粒子を基材上から回収した。
〔複合粒子と、炭素粒子との混合および熱処理〕
複合粒子と第2の炭素粒子(Ketjen Black(登録商標)、商品名:EC−300J、ライオン社製)を遊星型ボールミルにて無溶媒で混合した。その後、複合粒子および炭素粒子の混合物を、100℃にて熱処理を行った。混合物の組成比は、触媒物質と複合粒子中に含まれない炭素粒子の質量比で1:0.4とした。
複合粒子と炭素粒子の混合物に熱処理を加えたものと、20質量%高分子電解質溶液を溶媒中で混合し、遊星型ボールミルで分散処理を行った。触媒インクの組成比は、触媒物質と、炭素粒子と、高分子電解質との質量比が1:0.5:0.5としたものを第2の触媒インクとした。溶媒は超純水と、1−プロパノールとを体積比で1:1とした。PTFEシートを転写シートとして使用した。
〔電極触媒層の形成方法〕
ドクターブレードにより、第2の触媒インクを転写シートに塗布し、そして大気雰囲気中80℃で5分間乾燥させた。電極触媒層の厚さは、触媒物質担持量が0.5mg/cm2になるように調節し、空気極側の電極触媒層2を形成した。
〔電極触媒層の作製方法〕
第2の触媒インクを調整する工程において、カーボンブラックに対して熱処理を行い、黒鉛化率を高めた第2の炭素粒子(C0=6.89Å)を使用したこと以外は実施例1と同様に作製し、空気極側の電極触媒層2を形成した。
(比較例)
〔触媒インクの調整〕
触媒物質と炭素粒子、および20質量%高分子電解質溶液を溶媒中で混合し、遊星型ボールミルで分散処理を行った。触媒インクの組成比は、触媒物質と炭素粒子および高分子電解質の質量比が1:0.5:0.5としたものを触媒インクとした。溶媒は超純水、1−プロパノールを体積比で1:1とした。また、基材には、実施例と同じ転写シートを使用した。
実施例と同様の手法で、転写シートに触媒インクを塗布し、乾燥させた。電極触媒層の厚さは触媒物質担持量が0.5mg/cm2になるように調節し、空気極側の電極触媒層2aを形成した。
〔燃料極用電極触媒層の作製〕
実施例および比較例について、白金担持量が50質量%である白金担持カーボン触媒(商品名:TEC10E50E、田中貴金属工業製)と、20質量%高分子電解質溶液を溶媒中で混合し、遊星型ボールミルで分散処理を行ったものを触媒インクとした。触媒インクの組成比は、白金担持カーボン中のカーボンと、高分子電解質の質量比で1:1とし、溶媒は超純水、1−プロパノールを体積比で1:1とした。電極触媒層2aと同様の手法で、基材に触媒インクを塗布し、乾燥させた。実施例および比較例ともに、電極触媒層の厚さは触媒物質担持量が0.3mg/cm2になるように調節し、燃料極側の電極触媒層2bを形成した。
実施例および比較例において作製した空気極側電極触媒層2aが形成された基材と、燃料極側電極触媒層2bを形成された基材を、各々5cm2の正方形に打ち抜き、高分子電解質膜(ナフィオン(登録商標)212、Dupont社製)の両面に対面するように転写シートを配置し、130℃でホットプレスを行い、膜電極接合体12を得た。得られた膜電極接合体12の両面に、ガス拡散層として目止め層が形成されたカーボンクロス3,4を配置し、更に、一対のセパレータ9で挟持し、単セルの固体高分子形燃料電池を作製した。
(評価条件)
エヌエフ回路設計ブロック社製KIT−50156の燃料電池測定装置を用いて、セル温度80℃で、アノードおよびカソードともに100%RHの条件で発電特性評価を行った。燃料ガスとして純水素、酸化剤ガスとして純酸素を用い、流量一定による流量制御を行った。
図3に実施例1と実施例2、および比較例で作製した膜電極接合体の発電特性評価結果を示す。この図3では、0.3A/cm2、1.0A/cm2におけるセル電圧を示した。
図3から分かるように、実施例1および実施例2で作製した膜電極接合体は、比較例で作製した膜電極接合体よりも優れた発電評価を示した。また、実施例1は実施例2よりも優れた発電性能を示した。これは、実施例1および2では、触媒物質および炭素粒子の一部に対して高分子電解質を包埋することで触媒表面のプロトン伝導性が高められ、反応活性点が増加したためと推察される。これに対して、比較例では、触媒物質と炭素粒子および高分子電解質を一段階で溶媒中に分散させるため、触媒物質よりも比表面積の大きい炭素粒子に対して高分子電解質が優先的に吸着したことで、触媒表面では十分なプロトン伝導性が確保されなかったためと推察される。また、実施例2では第2の炭素粒子の黒鉛化率が高すぎて、実施例1よりもガス拡散性が低下したためと推察される。以上より、本発明によれば、高い発電特性を示す膜電極接合体を有する固体高分子形燃料電池が提供されることが確認された。
2a 電極触媒層
2b 電極触媒層
12 膜電極接合体
3 ガス拡散層
4 ガス拡散層
5 空気極(カソード)
6 燃料極(アノード)
7 ガス流路
8 冷却水流路
9 セパレータ
Claims (16)
- 高分子電解質および触媒物質と、黒鉛化率の異なる少なくとも2種類の炭素粒子とを備える電極触媒層で使用される複合粒子の製造方法であって、
前記触媒物質と、前記触媒物質よりも比表面積が大きい第1の炭素粒子と、第1の高分子電解質を溶媒に分散させた第1の触媒インクを調整する第1調整工程と、
前記第1の触媒インクを乾燥させて、第1の高分子電解質で包埋した複合粒子を形成する複合粒子形成工程と、を備えることを特徴とする複合粒子の製造方法。 - 前記第1の炭素粒子の黒鉛化率が他の炭素粒子の黒鉛化率よりも高く、前記第1の炭素粒子のX線回折の格子面間隔C0が、6.60Å以上6.95Å以下であることを特徴とする請求項1に記載の複合粒子の製造方法。
- 前記複合粒子形成工程において、第1の高分子電解質で包埋した複合粒子における、触媒物質と第1の炭素粒子との質量比を、1:0.01〜1:1の範囲内にすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した複合粒子の製造方法。
- 前記複合粒子形成工程において、第1の高分子電解質で包埋した複合粒子における、第1の炭素粒子と高分子電解質との質量比を、1:0.2〜1:50の範囲内にすることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載した複合粒子の製造方法。
- 前記複合粒子形成工程において、第1の触媒インクを乾燥させる熱処理温度範囲を、30℃以上140℃以下の範囲内にすることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載した複合粒子の製造方法。
- 前記触媒物質は、固体高分子形燃料電池の正極として用いられる酸素還元電極用の電極活物質であって、Ta、Nb、Ti、Zrから選択される少なくとも一つの遷移金属元素を含むことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載した複合粒子の製造方法。
- 前記触媒物質は、Ta、Nb、Ti、Zrから選択される、少なくとも一つの遷移金属元素の炭窒化物の部分酸化物、もしくは前記遷移金属元素の酸化物であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載した複合粒子の製造方法。
- 前記請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載した複合粒子の製造方法と、
前記複合粒子の製造方法で形成された第1の高分子電解質で包埋した複合粒子、前記触媒物質よりも比表面積が大きい第2の炭素粒子、及び第2の高分子電解質を溶媒に分散させた第2の触媒インクを調整する第2調整工程と、
ガス拡散層、転写シートおよび高分子電解質膜から選択される基材上に、前記第2の触媒インクを塗布して電極触媒層を形成する電極触媒層形成工程と、
を備えることを特徴とする燃料電池用電極触媒層の製造方法。 - 前記第2調整工程は、第1の高分子電解質で包埋した複合粒子と前記第2の炭素粒子を無溶媒で混合させる混合工程を備えることを特徴とする請求項8に記載した燃料電池用電極触媒層の製造方法。
- 前記混合工程は、第1の高分子電解質で包埋した複合粒子と第2の炭素粒子を熱処理させる熱処理工程を備えることを特徴とする請求項9に記載した燃料電池用電極触媒層の製造方法。
- 前記熱処理工程において、第1の高分子電解質で包埋した複合粒子と第2の炭素粒子の熱処理温度範囲を、50℃以上180℃以下の範囲内にすることを特徴とする請求項10に記載した燃料電池用電極触媒層の製造方法。
- 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載した複合粒子の製造方法で製造されたことを特徴とする高分子電解質で包埋した複合粒子。
- 請求項8〜請求項11のいずれか1項に記載された燃料電池用電極触媒層の製造方法で製造されたことを特徴とする燃料電池用電極触媒層。
- 一対の電極触媒層で挟まれたプロトン伝導性高分子電解質膜を、一対のガス拡散層で挟持する燃料電池用膜電極接合体の製造方法において、
少なくとも一方の電極触媒層が、請求項13に記載の電極触媒層からなることを特徴とする燃料電池用膜電極接合体の製造方法。 - 請求項14に記載された燃料電池用膜電極接合体の製造方法によって製造されたことを特徴とする燃料電池用膜電極接合体。
- 請求項15に記載の膜電極接合体を一対のガス拡散層で狭持し、その一対のガス拡散層で狭持された膜電極接合体を、更に一対のセパレータで狭持したことを特徴とする固体高分子形燃料電池。
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