JP2012196588A - 水処理方法及び超純水製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 原水中のTOC、特に尿素を高度に分解することができる水処理方法を提供する。
【解決手段】 1は図示しない原水貯槽から供給される原水Wの前処理システムであり、この前処理システム1で処理された原水Wは、生物処理手段3に供給される。そして、この生物処理手段3で処理された処理水W1は一次純水装置に供給される。生物処理手段3の前段には図示しないpHセンサと第一の供給機構5とが設けられていて、第一の供給機構5からアンモニア性の窒素源(NH−N)及び硫酸が添加可能となっている。また、第一の供給機構5に併行して、酸化剤及び/又は殺菌剤を添加する第二の供給機構6が設けられている。このような構成により、生物処理手段3において硝化菌を優占種化する。
【選択図】図1

Description

本発明は、市水、地下水、工水等の原水の水処理方法及びこの水処理方法で処理した処理水を用いた超純水製造方法に関し、特に原水中の尿素を高度に除去することができる水処理方法及びこの水処理方法で処理した処理水を用いた超純水製造方法に関する。
従来、市水、地下水、工水等の原水から超純水を製造する超純水製造装置は、基本的に、前処理装置、一次純水製造装置及び二次純水製造装置から構成される。このうち、前処理装置は、凝集、浮上、濾過装置で構成される。一次純水製造装置は、例えば、2基の逆浸透膜分離装置及び混床式イオン交換装置、あるいはイオン交換純水装置及び逆浸透膜分離装置で構成される。また、二次純水製造装置は、例えば、低圧紫外線酸化装置、混床式イオン交換装置及び限外濾過膜分離装置で構成される。
このような超純水製造装置においては、その純度の向上への要求が高まってきており、これに伴いTOC成分の除去が求められている。超純水中のTOC成分のうち、特に尿素はその除去が困難であり、TOC成分を低減すればするほど尿素の除去がTOC成分の含有率に与える影響が大きい。そこで、超純水製造装置に供給される水中から尿素を除去することにより、超純水中のTOCを十分に低減することが特許文献1〜3に記載されている。
特許文献1には、前処理装置に生物処理装置を組み込み、この生物処理装置で尿素を分解することが開示されている。また、特許文献2には、前処理装置に生物処理装置を組み込み、被処理水(工業用水)と半導体洗浄回収水との混合水を通水し、この半導体洗浄回収水中に含有される有機物が生物処理反応の炭素源となり、尿素の分解速度を向上させることが開示されている。なお、この半導体洗浄回収水中にはアンモニウムイオン(NH )が多量に含有されている場合があり、これが尿素と同様に窒素源となり、尿素の分解を阻害することがある。さらに、特許文献3には、特許文献2の上記問題点を解決するために、被処理水(工業用水)と半導体洗浄回収水とを別々に生物処理した後に混合し、一次純水製造装置及び二次純水製造装置に通水することが記載されている。
特開平6−63592号公報 特開平6−233997号公報 特開平7−313994号公報
しかしながら、特許文献1に記載の水処理方法のように、被処理水に炭素源を添加すると、生物処理装置での尿素分解除去効率は向上するものの、生物処理装置内の菌体の増殖量が大きくなり、当該生物処理装置からの菌体の流出量が増加する、という問題点がある。
また、特許文献2に記載の水処理方法のように炭素源を含有する水として、アンモニウムイオンの含有量の多い半導体洗浄回収水を用いると、アンモニウムイオンが尿素の分解を阻害する、という問題点がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、原水中のTOC、特に尿素を高度に分解することができる水処理方法を提供することを目的とする。また、本発明は、この水処理方法を利用した超純水製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、第一に本発明は、有機物を含有する原水を生物処理する水処理方法において、前記生物処理が硝化菌を優占種化したものであることを特徴とする水処理方法を提供する(発明1)。
上記発明(発明1)によれば、尿素の除去には硝化菌群が関与しており、原水にアンモニア性の窒素源を添加することにより、硝化菌群(アンモニア酸化菌)がアンモニア性の窒素源を酸化して亜硝酸イオン(NO2−)とすることで、硝化菌群の活性を維持し、尿素を分解除去することができる。すなわち、特許文献2に記載された水処理方法では、硝化菌(独立栄養細菌)ではなく、BOD資化細菌(従属栄養細菌)が有機物を分解・資化するに当たり、窒素源として尿素及び尿素誘導体を分解し、アンモニアとして摂取することで、尿素及び尿素誘導体を除去する処理機構であると推測される。これに対し、発明1では、硝化菌群がアンモニアを亜硝酸、硝酸に酸化する過程において、尿素及び尿素誘導体をアンモニア又は直接亜硝酸に酸化することで尿素及び尿素誘導体が除去される機構と考えられる。これにより、硝化菌群を優占種化させた生物処理の給水にアンモニア性の窒素源を添加する場合にも、尿素の分解の阻害とはならず、むしろ、これら硝化菌群の増殖。活性を高める要因となる。この結果、活性の高まった硝化菌群により、尿素及び尿素誘導体の分解。除去性能が向上すると推察される。
また、本発明者らは、硝化菌群を優占種化させた生物処理と、BOD資化細菌が優占種化した生物処理との比較において、前者が、短時間でより低濃度まで尿素及び尿素誘導体を分解除去可能であることがわかった。このように尿素及び尿素誘導体の分解に寄与する菌種の詳細については定かではないが、硝化菌群の中でもアンモニア酸化細菌の一種が寄与していることは確認できており、硝化菌群のなかでも特にアンモニア酸化細菌を優占種化させた生物処理を行うことが好ましい。さらに、BOD資化細菌が優占種化した生物処理では、尿素を分解除去するために相当量のBOD(生物化学的酸素要求量)が必要である。一般的にはBOD:窒素:リン=100:5:1の関係が知られており、尿素分の窒素に対して20倍量のBODが必要となる。原水のBODが少ない場合、日標とする尿素除去量に応じたBODの添加が必要となり運転コストの増大に繋がる。さらに、BOD資化細菌が大幅に増殖するため、生物処理水中への菌体流出量が増加、それに伴う後段処理への悪影響の発生や、生物処理からの汚泥量が増大するため好ましくない。これに対し、硝化菌群を優占種化させた生物処理では、尿素の分解除去するためにBODは必要なく、BOD資化細菌の場合と比較して菌体増殖量は少ないため、生物処理水中への菌体流出量も少なく好適である。
上記発明(発明1)においては、前記生物処理が、該生物処理におけるアンモニア性窒素(NH−N)の減少濃度が、前記原水中の全有機炭素(TOC)の減少濃度の1/5以上となるものであるのが好ましい(発明2)。
上記発明(発明2)によれば、上述したように生物処理の原水にアンモニア性窒素が含まれる場合、または生物処理の原水にアンモニア性の窒素源を添加した場合には、硝化菌群を優占種化することができ、これにより生物処理におけるアンモニア性窒素の除去性能も高めることができる。この硝化菌群が優占種化した生物処理では、尿素及びアンモニア性窒素は分解されて減少し、亜硝酸又は硝酸が生成する。TOCは尿素及び有機態窒素の分解により、また一部存在するBOD資化細菌による有機物分解により減少するが、減少幅は微少となる。この結果、該生物処理におけるアンモニア性窒素(NH−N)の減少濃度を前記原水中の全有機炭素(TOC)の減少濃度の1/5以上とすることにより、より低濃度まで効率的に尿素及び尿素誘導体を分解・除去でき、TOC濃度の低減された超純水を製造することができる。一方、資化細菌が優占種化した生物処理では、BOD資化細菌が尿素を分解する場合、上述の通り、分解した尿素分の窒素に対して20倍量のBODを資化する。BOD(生物化学的酸素要求量)は、BOD資化細菌が分解可能な有機物を分解する際に、必要(消費)とする酸素(O)量を示すことから、分解された有機物の炭素(C)分が全て二酸化炭素(CO)になるとすれば、BODの減少と全有機炭素(TOC)の減少とには相互関係があり、上述のBOD:Nの関係はTOC:Nの関係に置き換えることができ、TOC:N=7.5:5に相当する。すなわち、BOD資化細菌が優占種化した生物処理においては、TOCの減少濃度がアンモニア性窒素(NH−N)の減少濃度の7.5倍以上でないと、効率的な尿素除去を行うことができなくなると考えられる。
上記発明(発明1)においては、前記生物処理が、該生物処理における亜硝酸性窒素(NO−N)の生成濃度及び硝酸性窒素(NO−N)の生成濃度の和が、前記原水中の全有機炭素(TOC)の減少濃度の1/5以上となるものであるのが好ましい(発明3)。
上記発明(発明3)によれば、硝化菌群が優占種化した生物処理では、尿素が分解されて亜硝酸又は硝酸が生成し、亜硝酸性窒素又は硝酸性窒素濃度が上昇する。また、原水中にアンモニア性窒素及び尿素以外の有機態窒素が含まれる場合には、これらの分解に起因した亜硝酸性窒素又は硝酸性窒素濃度が上昇する。TOCは尿素及び有機態窒素の分解により、また一部存在するBOD資化細菌による有機物分解により減少するが、減少幅は微少となる。そこで、前記生物処理の条件を該生物処理における亜硝酸性窒素(NO−N)の生成濃度及び硝酸性窒素(NO−N)の生成濃度の和が、前記原水中の全有機炭素(TOC)の減少濃度の1/5以上とすることにより、硝化菌群の優占種化を達成することができ、より低濃度まで効率的に尿素及び尿素誘導体を分解・除去でき、TOC濃度の低減された超純水を製造することができる。
上記発明(発明1)においては、前記生物処理が、該生物処理における有機態窒素の減少濃度が、前記原水中の全有機炭素(TOC)の減少濃度の1/5以上となるものであるのが好ましい(発明4)。
上記発明(発明4)によれば、硝化菌群が優占種化した生物処理では、TOCの減少幅と比較して有機態窒素の減少幅は大きくなる。そこで、前記生物処理の条件を該生物処理における有機態窒素の減少濃度が、前記原水中の全有機炭素(TOC)の減少濃度の1/5以上となるように制御することにより、より低濃度まで効率的に尿素及び尿素誘導体を分解・除去でき、TOC濃度の低減された超純水を製造することができる。
上記発明(発明1〜4)においては、前記生物処理の給水にアンモニア性の窒素源を添加するのが好ましい(発明5)。
上記発明(発明5)によれば、硝化菌群の増殖・活性を高めることができ、これにより、活性の高まった硝化菌群により、尿素及び尿素誘導体の分解・除去性能が向上することができる。
上記発明(発明1〜5)においては、前記生物処理の給水をpH5〜6.5に調整するのが好ましい(発明6)。
上記発明(発明6)によれば、尿素を分解・除去する硝化菌群は、基本的にはpH中性域(pH=7〜8)に最適値を有すると考えられる。したがって、pHを5〜6.5に調整する場合には、アンモニア酸化活性と尿素分解活性とはいずれも低下する。しかしながら、アンモニア酸化活性の低下と尿素分解活性の低下とを比較すると、尿素分解活性の低下の方が少ない。さらにpHが5〜6.5の条件下においては、イオンの状態のアンモニアが増加し、硝化菌群に取り込まれるアンモニアの量が低下する。これらにより、硝化菌群により分解・除去される尿素が増加することとなるので、尿素濃度が変動するような場合にも硝化菌群の活性を維持することができ、尿素を効率的に分解・除去することができる。
上記発明(発明1〜6)においては、前記生物処理の給水に塩素系の酸化剤及び/又は殺菌剤を添加するのが好ましい(発明7)。
上記発明(発明7)によれば、生物処理の給水に塩素系の酸化剤及び/又は殺菌剤を添加することにより、尿素の分解・除去性能が向上することを確認している。このように生物処理の給水に塩素系の酸化剤及び/又は殺菌剤を添加することにより尿素の分解・除去性能が向上する機構の詳細は定かではないが、尿素分解を効率的に行う硝化菌群は、BOD資化細菌を含む他の菌種と比較して、塩素系の酸化剤及び/又は殺菌剤に対する耐性が高いためと推察される。この結果、生物処理の給水に塩素系の酸化剤及び/又は殺菌剤を添加する場合、他の菌種が失活するなか、尿素分解に寄与する硝化菌群は活性を維持できるため、優占種化し尿素の分解・除去性能が向上するものと推察される。
上記発明(発明1〜7)においては、前記生物処理の給水のTOC濃度を低減するのが好ましい(発明8)。
上記発明(発明8)によれば、生物処理の原水の有機物(TOC)濃度が高い場合、特に易生分解争性の有機物が高いときには、BOD資化細菌(従属栄養細菌)の増殖・活性が高まるため、硝化菌群の増殖・活性が低下し、尿素分解効率が低下し、十分に尿素を低減できない場合がある。具体的には、BOD資化細菌の増殖・活性が高まることにより、栄養源として添加する窒素源がBOD資化細菌に利用されてしまうこと、またその他の生物処理の給水に含まれるリンや微量金属(ミネラル成分など)等の栄養源もBOD資化細菌に利用されてしまうことなどにより、硝化菌群の増殖・活性が低下する。この対策として、生物処理の給水中の有機物を、特に易生分解性の有機物を事前に除去することが好ましい。事前に易生分解争性の有機物を除去することにより、生物処理においてBOD資化細菌の増殖・活性の高まりを抑制でき、尿素を分解除去する硝化菌群を主体とする生物処理を施すことができる。これにより高い尿素分解効率を得ることができる。また、BOD資化細菌による栄養剤の消費も抑制されるので、より少ない栄養源で処理を行うことができる、という効果も奏する。
さらに、第二に本発明は、請求項1〜8のいずれかに記載の水処理方法で得られた処理水を一次純水装置及び二次純水装置で処理して超純水を製造することを特徴とする超純水製造方法を提供する(発明9)。
上記発明(発明9)によれば、1次純水装置及び2次純水装置の前段の生物処理(水処理)において、尿素が十分に分解除去されているため、高純度の超純水を効率よく製造することができる。特に、前記原水中の全有機炭素(TOC)の減少濃度の1/5以上とすること、該生物処理における亜硝酸性窒素(NO−N)の生成濃度及び硝酸性窒素(NO3)−N)の生成濃度の和が前記原水中の全有機炭素(TOC)の減少濃度の1/5以上とすること、該生物処理における有機態窒素の減少濃度が、前記原水中の全有機炭素(TOC)の減少濃度の1/5以上とすること、前記生物処理の給水にアンモニア性の窒素源を添加すること、のいずれかにより硝化菌群の増殖・活性を高めることができ、これにより、活性の高まった硝化菌群により、尿素及び尿素誘導体の分解・除去性能が向上することができる。
本発明の水処理方法によれば、生物処理において硝化菌を優占種化することにより、アンモニア性の窒素源を酸化して亜硝酸イオン(NO2−)とすることで、硝化菌群の活性を維持し、尿素を分解除去することができる。このとき、前記原水中の全有機炭素(TOC)の減少濃度の1/5以上とすること、該生物処理における亜硝酸性窒素(NO−N)の生成濃度及び硝酸性窒素(NO−N)の生成濃度の和が前記原水中の全有機炭素(TOC)の減少濃度の1/5以上とすること、該生物処理における有機態窒素の減少濃度が、前記原水中の全有機炭素(TOC)の減少濃度の1/5以上とすること、などにより硝化菌群に消費される尿素が増加するので、尿素濃度が大きく変動しても硝化菌群の活性を維持することができ、尿素を効果的に分解・除去することができる。
本発明の一実施形態に係る水処理方法を示す系統図である。 本発明の一実施形態に係る水処理方法を利用した超純水製造方法を示す系統図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の第一の実施形態に係る水処理方法を示す概略図である。
図1において、1は図示しない原水貯槽から供給される原水Wの前処理システムであり、この前処理システム1で処理された原水Wは、熱交換器2で所定の温度に温度調整した後、生物処理手段3に供給される。そして、この生物処理手段3は、菌体分離装置4に連続していて、これらの各種装置で処理された後、処理水W1として一次純水装置に供給される。
上述したような装置構成において、生物処理手段3の前段には図示しないpHセンサと第一の供給機構5とが設けられていて、第一の供給機構5から栄養源としてのアンモニア性の窒素源(NH−N)及びpH調整剤としての硫酸が添加可能となっている。また、第一の供給機構5に併行して、酸化剤及び/又は殺菌剤を添加する第二の供給機構6が設けられている。さらに、生物処理手段3の後段には還元剤及び/又はスライムコントロール剤を供給する第三の供給機構7が設けられている。なお、8は原水W等を送給する配管である。
上述したような構成の生物処理装置において、処理対象となる原水Wとしては、地下水、河川水、市水、その他の工業用水、半導体製造工程からの回収水等を用いることができる。原水(処理対象水)W中の尿素濃度は、5〜200μg/L、特に5〜100μg/L程度が好適である。
また、前処理システム1としては、超純水の製造工程における一般的な前処理システム又はこれと同様の処理が好適である。具体的には、凝集・加圧浮上・濾過等からなる処理システムを用いることができる。また、前記生物処理手段3の給水のTOC(易分解性の有機物)の濃度を事前に低減することを目的として、生物処理手段を用いて生物処理手段を2段構成としてもよい。さらに、逆浸透膜処理装置やイオン交換処理装置等を用いてもよい。特に、尿素はイオン性を持たないことから、逆浸透膜処理やイオン交換処理での除去率も低い一方、尿素以外の有機物(TOC成分)は逆浸透膜処理やイオン交換処理によりある程度除去可能であるので、逆浸透膜処理装置やイオン交換処理装置を前処理システム1に採用することにより、生物処理手段3において、除去対象成分を尿素に絞り込んだ処理が可能となり好ましい。
生物処理手段3は、下水等の廃水中の汚濁物質を生物学的作用により分解、安定化させる処理を行う手段であり、好気性処理と嫌気性処理とに区別される。一般的に有機物は、生物処理により酸素呼吸・硝酸呼吸・発酵過程等で分解されて、ガス化されるか、微生物の体内に取り込まれ、汚泥として除去される。また、窒素(硝化脱窒法)やりん(生物学的リン除去法)の除去処理もできる。このような生物処理を行う手段を一般に生物反応槽という。このような生物処理手段3としては、特に制限はないが、生物担持担体の固定床を有するものが好ましい。特に、菌体の流出が少ない下向流方式の固定床が好ましい。
生物処理手段3を固定床とする場合、固定床を必要に応じて洗浄するのが好ましい。これにより、生物(菌体)の増殖による固定床の閉塞、マッドボール化、尿素の分解除去効率の低下等が生じることが防止される。この洗浄方法には特に制限はなく、例えば逆洗、すなわち、原水の通水方向と逆方向に洗浄水を通水して担体を流動化させ、堆積物の系外への排出、マッドボールの粉砕、生物の一部の剥離等を行うようにするのが好ましい。
また、固定床の担体の種類に特に制限はなく、活性炭、アンスラサイト、砂、ゼオライト、イオン交換樹脂、プラスチック製成形品等が用いられるが、酸化剤の存在下で生物処理を実施するためには、酸化剤の消費量の少ない担体を用いるのが好ましい。ただし、生物処理手段に高濃度の酸化剤流入する可能性がある場合には、酸化剤を分解し得る活性炭等の担体を用いるのが好ましい。このように活性炭等を用いた場合、被処理水中の酸化剤の濃度が高い場合であっても、菌体が失活、死滅することが防止される。
生物処理手段3への通水速度は、SV5〜50hr−1程度とするのが好ましい。この生物処理手段3への給水の水温は常温、例えば10〜35℃であることが好ましい。したがって、必要に応じて生物処理手段の前段に熱交換機を設けるのが好ましい。
この生物処理手段3に第一の供給機構5から添加される栄養源としてのアンモニア性の窒素源としては、特に制限はなく、有機性、無機性いずれのアンモニア性窒素源も好適に用いることができる。これらの中では添加したアンモニア性窒素源が処理しきれずに生物処理水に残留した場合にも、後段の処理において除去が容易であることから、イオン性を有するアンモニア性の窒素源である塩化アンモニウム、硫酸アンモニウムなどのアンモニウム塩が好ましい。
なお、本発明の目的は尿素除去であり、より尿素除去性に優れた菌体を獲得・保持することが好ましく、この観点からアンモニア性の窒素源として、尿素および尿素誘導体を添加しても良い。ただし、尿素および尿素誘導体の一部は、イオン性がないため、後段の処理での除去が期待できないので、多量に添加した場合には、生物処理および後段処理でも除去できず末端まで残留してしまう可能性が高い。したがって、尿素および尿素誘導体を添加する場合には、添加濃度は最小限とし、アンモニウム塩等でアンモニア性の窒素源としての必要量を補完する方法が好ましい。
また、この生物処理手段3に第二の供給機構6から添加される酸化剤及び/又は殺菌剤のうち、酸化剤としては、次亜塩素酸ナトリウム、二酸化塩素等の塩素系酸化剤などを用いることができる。さらに、殺菌剤としては、例えば、塩素系酸化剤とスルファミン酸化合物とからなる結合塩素剤(クロラミンより安定性が高い結合塩素剤)、過酸化水素などを用いることができる。
さらに、生物処理手段3の後段において第三の供給機構7から添加される還元剤及び/又はスライムコントロール剤のうち、還元剤としては、例えば、水素ガスなどの気体、二酸化硫黄などの低級酸化物、チオ硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、亜硝酸塩などの低級酸素酸塩、鉄(II)塩などの低原子価金属塩、ギ酸、シュウ酸、L−アスコルビン酸などの有機酸又はその塩、ヒドラジン、アルデヒド類、糖類などを用いることができ、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウムなどが好ましい。
また、スライムコントロール剤としては、前述した酸化剤と同じものを用いることができ、後述するRO膜処理、イオン交換処理などで酸化劣化などによる悪影響を及ぼさない殺菌剤が好ましく、具体的には、塩素系酸化剤とスルファミン酸化合物とからなる結合塩素剤(クロラミンより安定性が高い結合塩素剤)、過酸化水素などが好ましい。
さらに、生物処理手段3の処理水から菌体の流出が認められる場合には、本実施形態のように菌体分離装置4を設けるのが望ましい。この菌体分離装置4は、生物処理手段3の処理水中に含まれる菌体(生物担体より剥離してしまった菌体)により引き起こされる一次純水装置などの後段処理での障害(配管の詰まり、差圧上昇といったスライム障害、RO膜のバイオファウリングなど)の回避を目的に必要に応じて設けられるものであり、具体的には、膜ろ過(孔径0.1〜10μm程度のカートリッジフィルタを用いた膜ろ過処理)、限外ろ過膜処理、凝集ろ過などを用いることができる。
これら還元剤、スライムコントロール剤、及び菌体分離装置4は、必ずしも必要ではなく、状況に応じていずれか1以上を適宜設けることができるものである。
次に上述したような構成の装置及び添加剤等を用いた水処理方法について説明する。
まず、原水Wを前処理システム1に供給して、原水W中の濁質成分を除去することにより、該濁質成分により後段の生物処理手段3での有機物の分解除去効率が低下するのを抑制するとともに、生物処理手段3の圧力損失の増加を抑制する。
そして、熱交換器2により、この前処理した原水Wを該原水Wの水温が低い場合には加温し、高い場合には冷却して所定の水温となるように、必要に応じ温度調節を実施する。すなわち、原水Wの水温が高いほど反応速度が高まり分解効率が向上する。一方、水温が高い場合には、生物処理手段の処理槽や配管8等に耐熱性を持たせる必要が生じ、設備コストの増大に繋がる。また、原水Wの水温が低い場合には、加温コストの増大につながる。具体的には、生物反応は水温が40℃以下であれば、基本的には水温が高いほど生物活性および除去速度は向上する。しかしながら、水温が40℃を超えると、逆に生物活性および除去効率は低下する傾向を示すことがある。以上の理由より、処理水温は20〜40℃程度が好ましい。したがって、原水Wの初期の温度が上記範囲内であれば、何もしなくてもよい。
このようにして、必要に応じ温度調整を行った原水Wを生物処理手段3に供給するが、このとき第一の供給機構5から生物処理手段3にアンモニア性の窒素源(NH−N)を添加するとともにpH調整剤としての硫酸を添加して原水WのpHを5〜6.5に調整する。
ここで、アンモニア性の窒素源(NH−N)の添加量は、0.1〜5mg/L(NH 換算)とすればよい。原水W中のアンモニウムイオン濃度が0.1mg/L(NH 換算)未満では、硝化菌群の活性を維持するのが困難となる一方、5mg/L(NH )を超えても、さらなる硝化菌群の活性が得られないばかりか、生物処理手段3からのリーク量が多くなりすぎるため好ましくない。このように生物処理手段3の前段でアンモニア性の窒素源を添加することにより、生物処理手段3における硝化菌群の増殖・活性を高めることができる。この結果、活性の高まった硝化菌群により、尿素及び尿素誘導体の分解・除去性能が向上することができる。
また、このとき原水WにpH調整剤としての硫酸を添加してpHを5〜6.5に調整する理由は、以下のとおりである。すなわち、尿素分解能を有する硝化菌群(アンモニア酸化菌)は、尿素とアンモニアの両方を資化でき、環境条件により優先的に利用する基質は変化する。例えば、高pHやアンモニア/尿素比が高い場合、優先的にアンモニアを利用し尿素分解能はかえって低下する。そこで、原水WのpHを5〜6.5に調整することにより、中性域に最適値をもつ硝化菌群は、アンモニア酸化活性と尿素分解活性のいずれも至適pHに比べ低下するが、アンモニア酸化活性の低下よりも尿素分解活性の低下の方が少ない。さらに、イオンの状態のアンモニアが増加し、アンモニア酸化菌に取り込まれるアンモニアの量が低下する。これらにより硝化菌群により分解される尿素が増加する。これらの作用により、尿素濃度が大きく変動しても硝化菌群の活性を維持することができ、尿素を効果的に分解・除去することができる。なお、pHの下限については、原水WのpHを5未満にすると、硝化菌群の活性が低下する。
また、原水Wに第二の供給機構6から酸化剤及び殺菌剤を添加する。酸化剤の添加量は、使用する酸化剤の種類によって異なるが、例えば、塩素系酸化剤を用いる場合、生物処理手段3の段階で残留する全残留塩素濃度で0.2〜1mg/Lとなるようにするのが好ましい。あるいは、各種処理後に一次純水装置へ供給される処理水W1中に残留する全残留塩素濃度で0.02〜0.1mg/Lとなるようにするのが好ましい。なお、殺菌剤は、生物処理手段3の処理水W1中に含まれる菌体により引き起こされる後段処理での障害(配管の詰まり、差圧上昇といったスライム障害、RO膜のバイオファウリングなど)の回避を目的に必要に応じて適宜添加すればよい。
続いて、このような処理を施した原水Wを給水として生物処理手段3に供給し、処理した原水Wに対して、第三の供給機構7から還元剤及び/又はスライムコントロール剤を供給する。
具体的には、生物処理の給水中に遊離塩素が存在し、アンモニア性の窒素源としてアンモニウム塩等を添加する場合、遊離塩素とアンモニウムイオンとが反応し結合塩素(クロラミン)が生成する。結合塩素は遊離塩素と比較して活性炭でも除去し難い成分であり、生物処理水に結合塩素がリークすることとなる。結合塩素は遊離塩素と比較して酸化力は低い成分と言われているが、平衡反応により結合塩素から再度遊離塩素が生成することも知られており、後段の一次純水処理システム等での酸化劣化を引き起こす可能性がある。還元剤の添加量は、例えば、還元剤が亜硫酸ナトリウムである場合、亜硫酸イオン(SO 2−)と次亜塩素酸イオン(ClO−)とが等モル以上となるように添加すればよく、安全性を考慮して1.2〜3.0倍量添加すればよい。処理水の酸化剤濃度には変動があることから、より好ましくは、処理水の酸化剤濃度を監視し、酸化剤濃度に応じて還元剤量を制御することが好ましい。また、簡易的には、定期的に酸化剤濃度を測定し、測定濃度に応じた添加量を適宜設定する方法を用いてもよい。なお、酸化剤濃度の検出手段としては酸化還元電位(ORP)が、また残留塩素に関しては残留塩素計(ポーラログラフ法等)が挙げられる。
また、スライムコントロール剤は、生物処理手段3の処理水中に含まれる菌体(生物担体より剥離してしまった菌体)により引き起こされる後段処理での障害(配管の詰まり、差圧上昇といったスライム障害、RO膜のバイオファウリングなど)の回避を目的に必要に応じて適宜添加すればよい。
さらに、必要に応じて菌体分離装置4により、生物処理手段3の処理水中に含まれる菌体を除去する。
これら還元剤及び/又はスライムコントロール剤の添加や菌体分離装置4による処理は、生物処理手段3からの生物処理水の水質に応じて、1又は2以上を適宜行えばよく、水質が良好であれば行わなくてもよい。
このような本実施形態の水処理方法においては、生物処理手段3において硝化菌が優占種化することにより、尿素を高度に除去した処理水W1を得ることができるものである。特に、生物処理手段3を原水Wと比較してアンモニア性窒素(NH−N)の減少濃度が、前記原水W中の全有機炭素(TOC)の減少濃度の1/5以上となるように制御するのが好ましい。すなわち、条件A:(生物処理手段3において減少するNH−N濃度)>(生物処理手段3で減少するTOC濃度)/5、の関係が成立するように生物処理手段3を制御するのが好ましい。
これは以下のような理由による。すなわち、本実施形態のように生物処理手段3の前段で原水Wにアンモニア性窒素を添加することにより、硝化菌群を優占種化することができ、これにより生物処理におけるアンモニア性窒素の除去性能も高めることができる。この硝化菌群が優占種化した生物処理手段3では、原水W中の尿素及びアンモニア性窒素は分解されて減少し、亜硝酸又は硝酸が生成する。尿素及び有機態窒素の分解により、また一部存在するBOD資化細菌による有機物分解によりTOCも減少するが、減少幅は微少となる。そこで、生物処理手段3におけるアンモニア性窒素(NH−N)の減少濃度を前記原水中の全有機炭素(TOC)の減少濃度の1/5以上とすることにより、より低濃度まで効率的に尿素及び尿素誘導体を分解・除去でき、TOC濃度の低減された超純水を製造することができる。
また、生物処理手段3を、原水Wに対する処理水W1の亜硝酸性窒素(NO−N)の生成濃度及び硝酸性窒素(NO−N)の生成濃度の和が、該原水W中の全有機炭素(TOC)の減少濃度の1/5以上となるように制御するのが好ましい。すなわち、条件B:(生物処理手段3において生成する(NO−N)の濃度)+(生物処理手段3において生成する(NO)−N)の濃度)>(生物処理手段3で減少するTOC濃度)/5、の関係が成立するように生物処理手段3を制御するのが好ましい。
これは以下のような理由による。すなわち、本実施形態のように生物処理手段3の前段で原水Wにアンモニア性窒素を添加することにより、硝化菌群が優占種化した生物処理手段3では、尿素が分解されて亜硝酸又は硝酸が生成し、亜硝酸性窒素又は硝酸性窒素濃度が上昇する。また、原水W中にアンモニア性窒素及び尿素以外の有機態窒素が含まれる場合には、これらの分解に起因した亜硝酸性窒素又は硝酸性窒素濃度が上昇する。TOCは尿素及び有機態窒素の分解により、また一部存在するBOD資化細菌による有機物分解により減少するが、減少幅は微少となる。そこで、前記生物処理の条件を該生物処理における亜硝酸性窒素(NO−N)の生成濃度及び硝酸性窒素(NO−N)の生成濃度の和が、前記原水中の全有機炭素(TOC)の減少濃度の1/5以上とすることにより、硝化菌群の優占種化を達成することができ、より低濃度まで効率的に尿素及び尿素誘導体を分解・除去でき、TOC濃度の低減された超純水を製造することができる。
さらに、生物処理手段3を、原水Wに対する処理水W1の有機態窒素の減少濃度が、前記原水W中の全有機炭素(TOC)の減少濃度の1/5以上となるように制御するのが好ましい。すなわち、条件C:(生物処理手段3において減少する有機態窒素濃度)>(生物処理手段3で減少するTOC濃度)/5、の関係が成立するように生物処理手段3を制御するのが好ましい。
これは以下のような理由による。すなわち、本実施形態のように生物処理手段3の前段で原水Wにアンモニア性窒素を添加することにより、硝化菌群が優占種化した生物処理手段3では、TOCの減少幅と比較して有機態窒素の減少幅は大きくなる。そこで、前記生物処理の条件を有機物を含有する原水を生物処理する水処理方法において、前記生物処理が、該生物処理における有機態窒素の減少濃度が、前記原水中の全有機炭素(TOC)の減少濃度の1/5以上とすることにより、より低濃度まで効率的に尿素及び尿素誘導体を分解・除去でき、TOC濃度の低減された超純水を製造することができる。
次に、本発明の一実施形態に係る水処理方法を利用した超純水製造方法について、図2を参照して説明する。本実施形態における超純水製造方法では、原水Wを、前述した生物処理装置3を備えた水処理装置21で処理した後、処理水W1を一次純水装置22及びサブシステム(二次純水装置)23を備えた純水製造装置でさらに処理する。
一次純水装置22は、第1の逆浸透膜(RO)分離装置24と、混床式イオン交換装置25と、第2の逆浸透膜(RO)分離装置26とをこの順に配置してなる。ただし、この一次純水装置22の装置構成はこのような構成に制限されるものではなく、例えば、逆浸透膜分離装置、イオン交換処理装置、電気脱イオン交換処理装置、UV酸化処理装置等を適宜組み合わせて構成されていてもよい。
サブシステム23は、サブタンク27と、熱交換器28と、低圧紫外線酸化装置29と、膜脱気装置30と、混床式イオン交換装置31と、限外濾過膜装置(微粒子除去)32とをこの順に配置してなる。ただし、このサブシステム23の装置構成はこのような構成に制限されるものではなく、例えば、UV酸化処理装置、イオン交換処理装置(非再生式)、UF膜分離装置等を組み合わせて構成されていてもよい。
このような超純水製造システムによる超純水製造方法を以下に説明する。まず、水処理装置21で処理した処理水W1を一次純水装置22で、第1の逆浸透膜(RO)分離装置24と、混床式イオン交換装置25と、第2の逆浸透膜(RO)分離装置26とにより、処理水W1中に残存するイオン成分等を除去する。
さらに、サブシステム23では、一次純水装置22の処理水をサブタンク27及び熱交換器28を経て低圧紫外線酸化装置29に導入し、含有されるTOC成分をイオン化又は分解する。さらに膜脱気装置30で、酸素や炭酸ガスを除去し、続いてイオン化された有機物を後段の混床式イオン交換装置31で除去する。この混床式イオン交換装置31の処理水は更に限外濾過膜装置(微粒子除去)32で膜分離処理され、超純水を得ることができる。
上述したような超純水製造方法によると、生物処理手段3において、尿素を十分に分解除去し、その後段の一次純水装置22及びサブシステム23でその他のTOC成分、金属イオン、その他の無機・有機イオン成分を除去することにより、高純度の超純水を効率よく製造することができる。
以上、本発明について添付図面を参照して説明してきたが、本発明は前記実施形態に限定されず、種々の変形実施が可能である。例えば、生物処理手段3は、通常の生物処理装置としてもよく、また、栄養源は、アンモニア性の窒素源に限らず、それ以外の窒素源を添加してもよく、場合によっては、易分解性有機物を添加してもよい。
以下の実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
〔実施例1〕
模擬原水Wとして、市水(野木町水:平均尿素濃度10μg/L、平均TOC濃度0.8mg/L(asC)、アンモニウムイオン濃度0.1mg/L未満(asN)、亜硝酸性窒素濃度0.03mg/L未満(asN)、平均硝酸性窒素濃度1.8mg/L(asN)、平均遊離残留塩素濃度0.3ng/L(asCl)、平均全残留塩素濃度0.9mg/L(asCl)に試薬尿素(キシダ化学社製)を必要に応じ適量添加したものを用いた。
試験期間中市水の水温は20℃以下であったため、熱交換器2により水温約20℃に調整を実施した。また、市水のpHは6.8〜7.3であったが、pH調整剤としての硫酸の添加は実施しなかった。
図1に示す構成の装置において、生物処理手段3は、生物担体としての粒状活性炭(「クリコール WG160、10/32メッシュ」、栗田工業社製)を円筒容器に2L充填して固定床としたものを用いた。なお、生物処理手段3の粒状活性炭は、新炭を洗浄後、硝化汚泥200mLを添加した市水2Lに浸漬することで充填し、その後通水を開始した。
このような生物処理装置において、試薬尿素を添加して尿素濃度約100μg/Lに調整した模擬原水Wに第一の供給機構5からアンモニア性の窒素源として塩化アンモニウム(キシダ化学社製)を添加し、アンモニア性窒素濃度を約0.5mg/L(asN)に調整した。
この原水(給水)Wを生物処理手段3に下向流にて通水した。通水速度SVは20/hr(毎時通水流量÷充填活性炭量)とした。なお、上記通水処理においては、1日1回、10分間の逆洗を実施した。逆洗は、生物処理水にて、円筒容器下部から上部の上向流にて、LV=25m/hr(毎時通水流量÷円筒容器断面積)にて実施した。
上述したような通水条件において、原水Wの連続通水を実施したところ、処理水W1の尿素濃度は徐々に低下する傾向が認められ、通水開始から3週間後には、処理水W1の尿素濃度は2μg/L未満となった。
尿素濃度の分析の手順は以下の通りである。すなわち、まず、検水の全残留塩素濃度をDPD法にて測定し、相当量の重亜硫酸ナトリウムで還元処理する(その後、DPD法にて全残留塩素を測定して、0.02mg/L未満であることを確認する。)。次に、この還元処理した検水をイオン交換樹脂(「KR−UM1」、栗田工業社製)にSV50/hrで通水し、脱イオン処理してロータリーエバポレータにて10〜100倍に濃縮した後、ジアセチルモノオキシム法にて尿素濃度を定量する。
このような連続運転において、給水(原水W)の尿素濃度、TOC濃度及びアンモニア性窒素濃度と、処理水W1の尿素濃度、TOC濃度及びアンモニア性窒素濃度を測定した結果を表1に示す。
表1から明らかなとおり、処理水W1のTOC濃度は0.6mg/L(asC)であり、アンモニア性窒素濃度は0.1mg/L(asN)未満であった。すなわち、生物処理手段3で減少したアンモニア性窒素の濃度は(0.5−<0.1)=>0.4mg/L(asN)であり、同様に減少したTOC濃度は、(0.8−0.6)=0.2mg/L(asC)であり、条件A:(生物処理手段3において減少するNH−N濃度)>(生物処理手段3で減少するTOC濃度)/5が成立する運転条件であった。
〔比較例1〕
実施例1において、模擬原水Wに第一の供給機構5から塩化アンモニウムを添加しなかった給水を生物処理手段3に供給した以外は同様にて処理を行い、通水開始から3週間後の処理水W1の尿素濃度、TOC濃度及びアンモニア性窒素濃度を測定した結果を表1にあわせて示す。
表1から明らかなとおり、処理水W1の尿素濃度は67μg/Lであり、TOC濃度は0.4mg/L(asC)であり、アンモニア性窒素濃度は0.1mg/L(asN)未満であった。すなわち、生物処理手段3で減少したアンモニア性窒素の濃度は(<0.1−<0.1)≒0mg/L(asN)であり、同様に減少したTOC濃度は、(0.8−0.4)=0.4mg/L(asC)であり、前述した条件Aの関係を満たす運転条件ではなかった。
〔比較例2〕
比較例1において、3週間経過後から模擬原水Wに第一の供給機構5から塩化アンモニウムを実施例1と同じ条件で添加を開始し、2日間経過後の処理水W1の尿素濃度、TOC濃度及びアンモニア性窒素濃度を測定した結果を表1にあわせて示す。
表1から明らかなとおり、処理水W1の尿素濃度は70μg/Lであり、TOC濃度は0.4mg/L(asC)であり、アンモニア性窒素濃度は0.3mg/L(asN)であった。すなわち、生物処理手段3で減少したアンモニア性窒素の濃度は(0.4−0.3)=0.1mg/L(asN)であり、同様に減少したTOC濃度は、(0.9−0.4)=0.5mg/L(asC)であり、前述した条件Aの関係を満たす運転条件ではなかった。
Figure 2012196588
上記実施例1及び比較例1、2から明らかなとおり、条件Aを満たす実施例1の運転条件では、処理水W1の尿素濃度を2μg/L未満と尿素濃度を低く維持することができた。これに対し、条件Aを満たさない比較例1、2では処理水W1の尿素濃度はそれぞれ67μg/L、70μg/Lであり、尿素濃度を十分に低減することができなかった。
続いて、実施例1及び比較例2の通水を停止し、充填していた生物担体である粒状活性炭を抜き出して固定床の下部2/3を採取し、粒状活性炭に付着している菌体数を定量PCRで分析、推定した。結果を表2に示す。なお、粒状活性炭の固定床の下部2/3を採取したのは、固定床の上側は模擬原水Wに含まれている残留塩素に晒されるため菌体が付着していない可能性が高いためである。
Figure 2012196588
表2から明らかな通り、実施例1においては、粒状活性炭に付着していた全菌数のうち、約2%がアンモニア酸化細菌であった。これに対し、比較例2においては、粒状活性炭に付着していた全菌数のうち、アンモニア酸化細菌は約0.4%にすぎなかった。この結果から、実施例1では、尿素を効率的に分解する硝化菌群(アンモニア酸化細菌)が優占種化しており、尿素を効率的に分解・除去する硝化菌群を優占種化することで、十分な尿素分解性能を維持できるのに対し、比較例2では、これらの硝化菌群が優占種化していないため、十分な尿素除去性能が得られないと考えられる。
〔実施例2〕
実施例1において、模擬原水Wに試薬尿素添加し、尿素濃度約1mg/Lに調整し、前処理システム1で前処理した後、第一の供給機構5からアンモニア性の窒素源として塩化アンモニウム(キシダ化学社製)を添加し、アンモニア性窒素濃度を約1.0mg/L(asN)に調整した以外は同様にして処理を行った。
上述したような通水条件において、原水Wの連続通水を実施したところ、通水開始から約1ケ月後、処理水W1の尿素濃度は2μg/L未満となった。この時点で塩化アンモニウムの添加を停止し、さらに2週間、連続通水を継続した。
このような連続運転において、給水(原水W)及び処理水W1の尿素濃度、TOC濃度、アンモニア性窒素濃度、亜硝酸性窒素濃度、硝酸性窒素濃度及び有機態窒素の濃度をそれぞれ測定した。結果を表3に示す。
表3から明らかなとおり、処理水W1のTOC濃度は0.5mg/L(asC)であり、亜硝酸性窒素濃度は0.03mg/L(asN)未満であり、硝酸性窒素濃度は2.6mg/L(asN)であり、有機態窒素濃度は0.1mg/L(asN)未満であった。すなわち、生物処理手段3で生成した亜硝酸性窒素濃度と硝酸性窒素濃度との和は、亜硝酸性窒素濃度は変化がなかったので、(2.6−2.0)=0.6mg/L(asN)であり、同様に減少したTOC濃度は、(1.1−0.5)=0.6mg/L(asC)であり、条件B:(生物処理手段3において生成する(NO−N)の濃度)+(生物処理手段3において生成する(NO−N)の濃度)>(生物処理手段3で減少するTOC濃度)/5が成立する運転条件であった。
〔比較例3〕
実施例1において、模擬原水Wに第一の供給機構5から塩化アンモニウムを添加しなかった以外は同様にて処理を行った。通水開始から約1.5ケ月後の処理水W1の尿素濃度、TOC濃度、アンモニア性窒素濃度、亜硝酸性窒素濃度、硝酸性窒素濃度及び有機態窒素の濃度をそれぞれ測定した。結果を表3にあわせて示す。
表3から明らかなとおり、処理水W1の尿素濃度は800μg/Lであり、TOC濃度は0.4mg/L(asC)であり、亜硝酸性窒素濃度は0.03mg/L(asN)未満であり、硝酸性窒素濃度は2.1mg/L(asN)であり、有機態窒素濃度は0.5mg/L(asN)であった。すなわち、生物処理手段3で生成した亜硝酸性窒素濃度と硝酸性窒素濃度との和は、亜硝酸性窒素濃度は変化がなかったので、(2.1−2.0)=0.1mg/L(asN)であり、同様に減少したTOC濃度は、(1.1−0.4)=0.7mg/L(asC)であり、前述した条件Bの関係を満たす運転条件ではなかった。
Figure 2012196588
上記実施例2及び比較例3から明らかなとおり、条件Bを満たす実施例1の運転条件では、処理水W1の尿素濃度を2μg/L未満に低く維持することができた。これに対し、条件Bを満たさない比較例3では処理水W1の尿素濃度は800μg/Lであり、尿素濃度をあまり低減することができなかった。
〔実施例3〕
市水に試薬尿素(キシダ化学社製)及び塩化アンモニウムを添加して、尿素濃度約50μg/L、アンモニア性窒素濃度約0.4mg/L(asN)に調整し、表4に示す平均尿素濃度、平均TOC濃度、アンモニウムイオン濃度、平均遊離残留塩素濃度及び平均全残留塩素濃度の模擬原水Wを用意した。
試験期間中市水の水温は20℃以下であつたため、熱交換器2により水温約20℃に調整を実施した。また、市水のpHは6.8〜7.3であったが、pH調整剤としての硫酸の添加は実施しなかった。
この模擬原水Wをカーボナー(「CF25」、栗田工業社製)に通水し、残留塩素を除去したものを給水として、実施例1と同じ生物処理手段3に下向流にて通水した。通水速度SVは20/hr(毎時通水流量÷充填活性炭量)とした。なお、上記通水処理においては、1日1回、10分間の逆洗を実施した。逆洗は、生物処理水にて、円筒容器下部から上部の上向流にて、LV=25m/hr(毎時通水流量÷円筒容器断面積)にて実施した。
上述したような通水条件において、原水Wの連続通水を実施したところ、通水開始時の処理水W1の尿素濃度、TOC濃度、アンモニア性窒素濃度、平均遊離残留塩素濃度及び平均全残留塩素濃度は表4に示すとおりであった。
表4から明らかなとおり通水開始時には、生物処理手段3で減少したアンモニア性窒素濃度は(0.4−<0.1)=>0.3mg/L(asN)であり、同様に減少したTOC濃度は、(1.1−0.5)=0.6mg/L(asC)であり、条件A:(生物処理手段3において減少するNH−N濃度)>(生物処理手段3で減少するTOC濃度)/5
の関係が成立する運転条件であった。
その後、連続通水の継続に伴い、生物処理水の尿素濃度は上昇傾向を示し、併せてアンモニア性窒素濃度も上昇し、尿素除去性能及びアンモニア性窒素除去性能の低下が認められた。
さらに、原水Wの連続通水を2週間実施した。2週間経過時の原水W及び処理水W1の尿素濃度、TOC濃度、アンモニア性窒素濃度、平均遊離残留塩素濃度及び平均全残留塩素濃度は表4に示すとおりであった。
表4から明らかなとおり2週間経過した時点では、処理水W1の尿素濃度は22μg/Lであり、TOC濃度は0.5mg/L(asC)であり、アンモニア性窒素濃度は0.3mg/L(asN)未満であった。したがって、生物処理手段3で減少したアンモニア性窒素濃度は(0.4−0.3)=0.1mg/L(asN)であり、同様に減少したTOC濃度は、(1.1−0.5)=0.6mg/L(asC)であり、前述した条件Aの関係を満たす運転条件ではなくなっていた。
〔実施例4〕
実施例3において、通水開始から2週間経過後、カーボナーで処理した原水に次亜塩素酸ナトリウム(商品名:サンラック、工業用12%次亜塩素酸ナトリウム、本町化学工業社製)を添加し、遊離残留塩素濃度を約0.3mg/L(asCl)、全残留塩素濃度を約1.0mg/L(asCl)に調整し、通水を継続した.
次亜塩素酸ナトリウムの添加開始後、生物処理水の尿素濃度、アンモニア性窒素濃度は緩やかな低下傾向を示し、尿素除去性能及びアンモニア性窒素除去性能の向上が認められた。
通水開始から5週間後(次亜塩素酸ナトリウムの添加開始から3週間後)の原水W及び処理水W1の尿素濃度、TOC濃度、アンモニア性窒素濃度、平均遊離残留塩素濃度及び平均全残留塩素濃度は表4に示すとおりであった。
表4から明らかなとおり5週間経過した時点では、処理水W1の尿素濃度は2μg/L未満、TOC濃度は0.5mg/L(asC)、及びアンモニア性窒素濃度は0.1mg/L(asN)未満であった。したがって、生物処理手段3で減少したアンモニア性窒素濃度は(0.5−<0.1)=>0.4mg/L(asN)であり、同様に減少したTOC濃度は、(1.0−0.5)=0.5mg/L(asC)であり、前述した条件Aの関係を満たす運転条件に復帰していた。
Figure 2012196588
上記実施例3及び実施例4から明らかなとおり、条件Aを満たす実施例4の運転条件では、処理水W1の尿素濃度を5週間経過後でも2μg/L未満と低く維持することができた。これに対し、実施例3では初期状態では尿素濃度が2μg/L未満であったが、条件Aを満たさない場合には、2週間で処理水W1の尿素濃度は22μg/Lとなり、尿素濃度を十分に低減することができなかった。
これは実施例4では、生物処理の給水に次亜塩素酸ナトリウム(酸化剤)を添加することにより、BOD資化細菌の増殖・活性の高まりを抑制でき、尿素を効率的に分解・除去し、酸化剤に対し若千の耐性を有する硝化菌群を優占種化できたのに対し、実施例3では酸化剤がないため、BOD資化細菌の増殖・活性が高まることにより、時間の経過とともに尿素除去効率の高い硝化菌群の失活に繋がり、尿素除去性能が低下したと考えられる。
〔実施例5〕
市水に試薬尿素及び酢酸ナトリウムを添加して、尿素濃度約50μg/L、TOC濃度約20mg/L(asC)に調整して原水Wとした。
試験期間中市水の水温は20℃以下であつたため、熱交換器2により水温約20℃に調整を実施した。また、市水のpHは6.8〜7.3であったが、pH調整剤としての硫酸の添加は実施しなかった。
この原水Wをカーボナー(「CF25」、栗田工業社製)に通水し、残留塩素を除去し、さらに逆浸透膜(「ES20−D4」(日東電工社製)で処理して、尿素濃度41μg/L、TOC濃度90μg/L(asC),及び有機態窒素濃度40μg/L(asN)の給水を得た。この給水を実施例1と同じ生物処理手段3に下向流にて通水した。通水速度SVは20/hr(毎時通水流量÷充填活性炭量)とした。なお、上記通水処理においては、1日1回、10分間の逆洗を実施した。逆洗は、生物処理水にて、円筒容器下部から上部の上向流にて、LV=25m/hr(毎時通水流量÷円筒容器断面積)にて実施した。
上述したような通水条件において、原水Wの連続通水を実施し、通水開始から2週間後の処理水W1の尿素濃度、TOC濃度及び有機態窒素濃度を測定した結果を給水の尿素濃度、TOC濃度及び有機態窒素濃度とともに表5に示す。
表5から明らかなとおり2週間経過した時点での尿素濃度は2μg/L未満であり、TOC濃度は70μg/L(asC)であり、有機態窒素濃度10μg/L(asN)であった。したがって、生物処理手段3で減少した有機態窒素濃度は(40−10)=30μg/L(asN)であり、同様に減少したTOC濃度は、(90−70)=20μg/L(asC)であり、前述した条件Cを満たす運転条件であった。
〔比較例4〕
実施例4において、原水Wに逆浸透膜による処理を行わず、尿素濃度52μg/L、TOC濃度1800μg/L(asC)及び有機態窒素濃度110μg/L(asN)の給水を処理した以外同様に処理を行った。通水開始から2週間後の処理水W1の尿素濃度、TOC濃度及び有機態窒素濃度を測定した結果を給水の尿素濃度、TOC濃度及び有機態窒素濃度とともに表5に示す。
表5から明らかなとおり2週間経過した時点での尿素濃度は37μg/L未満であり、TOC濃度は500μg/L(asC)であり、有機態窒素濃度60μg/L(asN)であった。したがって、生物処理手段3で減少した有機態窒素濃度は(110−60)=50μg/L(asN)であり、同様に減少したTOC濃度は、(1800−500)=1300μg/L(asC)であり、前述した条件Cを満たさない運転条件であった。
Figure 2012196588
表5から明らかなように条件Cを満たす実施例5の運転条件においては、生物処理水の尿素濃度2μg/L未満と尿素濃度を低く維持することができた。これに対し、条件Cを満たさない比較例4においては処理水の尿素濃度37μ g/Lであり、尿素濃度を十分に低減できないことが確認できた。
これは実施例4では、逆浸透膜処理で原水Wの易生分解性の有機物を除去したものを生物処理手段3の給水とすることにより、BOD資化細菌の増殖・活性の高まりを抑制でき、尿素を効率的に分解・除去できる硝化菌群を優占種化できたのに対し、比較例5では給水中に易生分解性の有機物が多く含まれているために、BOD資化細菌の増殖・活性が高まることにより、尿素除去効率の高い硝化菌群を優占種化することができず、尿素除去性能が低下したと考えられる。
1…前処理システム
3…生物処理手段
5…第一の供給機構
6…第二の供給機構
21…水処理装置
22…一次純水装置
23…サブシステム(二次純水装置)
W…原水
W1…処理水

Claims (9)

  1. 有機物を含有する原水を生物処理する水処理方法において、
    前記生物処理が硝化菌を優占種化したものであることを特徴とする水処理方法。
  2. 前記生物処理が、該生物処理におけるアンモニア性窒素(NH−N)の減少濃度が、前記原水中の全有機炭素(TOC)の減少濃度の1/5以上となるものであることを特徴とする請求項1に記載の水処理方法。
  3. 前記生物処理が、該生物処理における亜硝酸性窒素(NO−N)の生成濃度及び硝酸性窒素(NO−N)の生成濃度の和が、前記原水中の全有機炭素(TOC)の減少濃度の1/5以上となるものであることを特徴とする請求項1に記載の水処理方法。
  4. 前記生物処理が、該生物処理における有機態窒素の減少濃度が、前記原水中の全有機炭素(TOC)の減少濃度の1/5以上となるものであることを特徴とする請求項1に記載の水処理方法。
  5. 前記生物処理の給水にアンモニア性の窒素源を添加することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の水処理方法。
  6. 前記生物処理の給水をpH5〜6.5に調整することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の水処理方法。
  7. 前記生物処理の給水に塩素系の酸化剤及び/又は殺菌剤を添加することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の水処理方法。
  8. 前記生物処理の給水のTOC濃度を低減することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の水処理方法。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の水処理方法で得られた処理水を一次純水装置及び二次純水装置で処理して超純水を製造することを特徴とする超純水製造方法。
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