JP2012196041A - 静電アクチュエータ - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の実施形態は、プルイン電圧の低減、あるいはクリープ耐性の確保、あるいはホットスイッチング性の向上を実現できる静電アクチュエータを提供する。
【解決手段】本発明の実施態様によれば、基板と、電極部と、膜体部と、付勢部と、を備えた静電アクチュエータが提供される。前記電極部は、前記基板上に設けられている。前記膜体部は、前記電極部と対向して設けられ導電性を有する。前記付勢部は、前記基板と接続された接続部と、前記接続部と前記膜体部とのあいだに設けられた弾性部と、を有し前記膜体部を支持する。前記電極部と前記膜体部とは、前記電極部に印加される電圧に応じて接触した状態と離隔した状態とが可能とされている。前記弾性部は、前記接続部に接続された一端と、前記膜体部に接続された複数の他端と、のあいだに分岐部を有する。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、静電アクチュエータに関する。
アクチュエータを構成する固定子と可動子との間に静電気力を作用させ、その吸引力により可動子を駆動する静電アクチュエータが知られている。また、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)分野などにおいては、いわゆる半導体プロセス技術(半導体装置の製造技術)を用いて非常に小型の静電アクチュエータが開発されている。また、MEMS分野などにおいては、静電アクチュエータを利用したいわゆるMEMSスイッチが知られている。
静電駆動型のMEMSスイッチにおいては、プルイン電圧の低減、あるいはクリープ耐性の確保、あるいはホットスイッチング性等の信頼性の向上が望まれている。
特開2008−278634号公報
本発明が解決しようとする課題は、信頼性の向上を実現できる静電アクチュエータを提供することである。
本発明の実施態様によれば、基板と、電極部と、膜体部と、付勢部と、を備えた静電アクチュエータが提供される。前記電極部は、前記基板上に設けられている。前記膜体部は、前記電極部と対向して設けられ導電性を有する。前記付勢部は、前記基板と接続された接続部と、前記接続部と前記膜体部とのあいだに設けられた弾性部と、を有し前記膜体部を支持する。前記電極部と前記膜体部とは、前記電極部に印加される電圧に応じて接触した状態と離隔した状態とが可能とされている。前記弾性部は、前記接続部に接続された一端と、前記膜体部に接続された複数の他端と、のあいだに分岐部を有する。
本発明の実施の形態にかかる静電アクチュエータを表す平面模式図ある。 本実施形態にかかる静電アクチュエータを表す斜視模式図である。 本実施形態にかかる静電アクチュエータの駆動を説明する平面模式図である。 図4は、静電アクチュエータの駆動特性のシミュレーション結果の一例を例示するグラフ図である。 比較例にかかる静電アクチュエータを表す平面模式図である。 本実施形態にかかる静電アクチュエータを表す平面模式図である。 比較例にかかる静電アクチュエータの応力分布のシミュレーション結果の一例を例示する平面模式図である。 本実施形態にかかる静電アクチュエータの応力分布のシミュレーション結果の一例を例示する平面模式図である。 本発明の他の実施の形態にかかる静電アクチュエータを例示する平面模式図である。 本実施形態の他の弾性部を例示する平面模式図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。また、図中の矢印X、Y、Zは、互いに直交する方向を表している。
図1は、本発明の実施の形態にかかる静電アクチュエータを表す平面模式図ある。
また、図2は、本実施形態にかかる静電アクチュエータを表す斜視模式図である。
また、図3は、本実施形態にかかる静電アクチュエータの駆動を説明する平面模式図である。
なお、図2(b)は、図2(a)に表したB部の拡大模式図である。図3は、本実施形態にかかる静電アクチュエータ10を図1に表した矢視Aの方向にみたときの平面模式図である。
図3(a)は、本実施形態の膜体部30がアップステートの状態にある場合を表す平面模式図である。図3(b)は、本実施形態の膜体部30が撓んだ状態を表す平面模式図である。図3(c)は、本実施形態の膜体部30がダウンステートの状態にある場合を表す平面模式図である。
本実施形態にかかる静電アクチュエータ10は、電極部20と、膜体部30と、付勢部40と、を備える。図3に表したように、電極部20は、基板100上に設けられている。
電極部20は、例えば、金属などの導電性材料により形成されている。この場合、電極部20の材料は、導電性材料の中でも抵抗値の低いものであることが好ましい。あるいは、電極部20の材料は、いわゆる半導体プロセス(半導体装置の製造技術)における成膜やエッチングなどにおいて使用可能なものであることが好ましい。そのようなものとしては、例えば、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、白金(Pt)、またはこれらを含む合金などが挙げられる。
また、電極部20の主面は、絶縁性材料で覆われている。この場合、絶縁性材料は、いわゆる半導体プロセス(半導体装置の製造技術)における成膜やエッチングなどにおいて使用可能なものであることが好ましい。そのようなものとしては、例えば、酸化シリコン(SiOやSiOなど)、窒化シリコン(SiN)などが挙げられる。
電極部20には、図示しない直流電源が接続されている。図示しない直流電源は、電極部20に正電荷あるいは負電荷を与えることができる。そのため、電極部20は、膜体部30を静電的に吸引することができる。
また、電極部20には、図示しない信号発生部が接続されている。図示しない信号発生部は、電極部20に信号電圧を印加することができる。すなわち、電極部20には、膜体部30を静電的に吸引するための駆動電圧と、信号電圧と、が足し合わされた電圧が印加される。
2つの電極部20の間の隙間の寸法20cの一例は、例えば15μm程度である。なお、図1および図2に表した静電アクチュエータ10は、2つの電極部20を備えるが、電極部20の設置数は、これだけに限定されるわけではない。
基板100は、例えば、ガラスのような絶縁性材料により形成されている。あるいは、基板100は、導電性材料や、シリコン(Si)などの半導体材料により形成されたものの表面が絶縁性材料で覆われたものであってもよい。
膜体部30は、電極部20と対向して設けられている。
また、膜体部30は、金属などの導電性材料により形成されている。この場合、膜体部30の材料は、いわゆる半導体プロセス(半導体装置の製造技術)における成膜やエッチングなどにおいて使用可能なものであることが好ましい。そのようなものとしては、例えば、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、白金(Pt)、またはこれらを含む合金などが挙げられる。
膜体部30は、矩形形状を有し、膜体部30の長辺の少なくとも一部を形成する第1の周縁部および第2の周縁部と、膜体部30の短辺の少なくとも一部を形成する第3の周縁部33および第4の周縁部34と、を有する。第1の周縁部と第2の周縁部とは、互いに対向している。第3の周縁部33と第4の周縁部34とは、互いに対向している。
膜体部30には、第1の孔部61と第2の孔部62とが設けられている。また、膜体部30は、第3の周縁部33、第4の周縁部34、および略中央部において連接部36をそれぞれ有する。つまり、膜体部30は、3つの連接部36を有する。そのため、膜体部30には、2つの第1の孔部61が設けられている。但し、第1の孔部61および連接部36の設置数は、これだけに限定されるわけではない。
第1の孔部61は、矩形形状を有し、第1の方向に延在している。第1の孔部61は、膜体部30の短手方向における略中心部に設けられている。膜体部30の長手方向と、第1の孔部61の長手方向(第1の方向)と、は略平行である。そのため、図3(b)に表したように、膜体部30は、長手方向よりも短手方向において撓みやすい。これにより、プルイン電圧を低減することができる。また、ホットスイッチング性を向上させることができる。これらについては、後に詳述する。
第2の孔部62は、矩形形状を有し、第2の方向に延在している。第2の孔部62は、第1の孔部61と第1の周縁部31との間、および第1の孔部61と第2の周縁部32との間にそれぞれ設けられている。第2の孔部62の長手方向(第2の方向)と、膜体部30の長手方向と、は略直交している。そのため、膜体部30は、長手方向においても比較的撓みやすい。
膜体部30、第1の孔部61、および第2の孔部62の寸法の一例は、例えば以下の如くである。
膜体部30の長手方向(X方向)の寸法30xは、例えば約275μm(マイクロメートル)程度である。膜体部30の短手方向(Y方向)の寸法30yは、例えば約110μm程度である。膜体部30の厚さ方向(Z方向)の寸法30zは、例えば約2μm程度である。
第1の孔部61の長手方向(X方向)の寸法61xは、例えば約124.5μm程度である。第1の孔部61の短手方向(Y方向)の寸法61yは、例えば約10μm程度である。
第2の孔部62の短手方向(X方向)の寸法62xは、例えば約10μm程度である。第2の孔部62の長手方向(Y方向)の寸法62yは、例えば16μm程度である。
膜体部30の第1の周縁部31および第2の周縁部32には、付勢部40がそれぞれ接続されている。第1の周縁部31に接続された付勢部40と、第2の周縁部32に接続された付勢部40と、は互いに対向する位置に設けられている。図1および図2に表したように、複数の付勢部40が第1の周縁部31および第2の周縁部32にそれぞれ接続される場合には、第1の周縁部31に接続された複数の付勢部40のそれぞれと、第2の周縁部32に接続された複数の付勢部40のそれぞれと、は互いに対向する位置に設けられる。
付勢部40は、接続部41と弾性部42とを有する。
接続部41の一端は、基板100と接続されており、接続部41の他端は、弾性部42と接続されている。弾性部42の一端は、接続部41と接続されており、弾性部42の他端は、第1の周縁部31または第2の周縁部32と接続されている。図1および図2に表したように、弾性部42は、複数の他端において第1の周縁部31または第2の周縁部32と接続されている。付勢部40は、弾性材料により形成されている。そのため、付勢部40は、いわゆる弾性梁となる。また、弾性部42は、緩衝部としての機能も有する。
弾性部42は、熱膨張などにより発生した熱応力を低減させるために設けられている。そして、X方向、Y方向における熱膨張が発生した場合には、弾性部42は、変形することで熱応力を低減させることができる。図1および図2に表したように、弾性部42は、接続部41に接続された一端と、膜体部30に接続された複数の他端と、の間において分岐部42aを有する。すなわち、弾性部42は、途中で分岐している。
これによれば、弾性部42と膜体部30との接続箇所をより増やすことができる。そのため、1つの接続箇所にかかる応力をより低減することができる。これにより、付勢部40のクリープ耐性を確保することができる。また、弾性部42が分岐部42aを有するため、弾性部42と膜体部30との接続箇所をより増やしつつ接続部41の設置数を抑えることができる。これにより、静電アクチュエータ10の小型化を図ることができる。さらに、弾性部42が分岐部42aを有することで、弾性部42の表面積をより小さくすることができる。これにより、付勢部40において、弾性部42の破壊確率を低減することができる。これらについては、後に詳述する。
付勢部40の材料としては、いわゆる半導体プロセス(半導体装置の製造技術)における成膜やエッチングなどにおいて使用可能なものであることが好ましい。そのようなものとしては、例えば、窒化シリコン(SiN)、酸化シリコン(SiO、SiOなど)、チタンアルミナイド(TiAl、TiAl、AlTiなど)、アルミニウム(Al)などの金属などが挙げられる。この場合、付勢部40の寿命(破断などするまでの屈曲回数)を考慮すると、付勢部40は、クリープ変形に対する耐性が高い材料により形成されることが好ましい。本発明者らの得た知見によれば、付勢部40は、クリープ変形に対する耐性がアルミニウム(Al)よりも高い材料により形成されることが好ましい。例えば、前述したものの中では、付勢部40は、窒化シリコン(SiN)、酸化シリコン(SiO、SiOなど)、チタンアルミナイド(TiAl、TiAl、AlTiなど)により形成されることが好ましい。
接続部41および弾性部42の寸法の一例は、例えば以下の如くである。接続部41の長手方向(X方向)の寸法41xは、例えば約40μm程度である。接続部41の短手方向(Y方向)の寸法41yは、例えば約30μm程度である。弾性部42の幅方向の寸法42wは、例えば約4μm程度である。弾性部42の厚さ方向(Z方向)の寸法42zは、例えば約1.5μm程度である。弾性部42と膜体部30との接続箇所における寸法42cは、例えば約10μm程度である。第1の周縁部31に接続された弾性部42の端部と、第2の周縁部32に接続された弾性部42の端部と、の間の距離42yは、例えば約164μm程度である。
図3(a)に表したように、膜体部30は、電極部20に電圧が印加されていない状態において、膜体部30の主面と電極部20の主面との間に所定寸法の隙間50が形成されるように付勢部40により支持されている。電極部20に電圧が印加されていない状態における隙間50の寸法50zの一例は、例えば約2.5μm程度である。
例えば、膜体部30には、可撓性を有する図示しない接地部が接続されている。この場合には、膜体部30は、グランド電位となっている。そのため、膜体部30の主面と電極部20の主面との間に形成される隙間50の寸法を変化させることで、膜体部30と電極部20との間の電気容量を変化させることができる。そして、この電気容量の変化をスイッチングなどに利用することができる。なお、膜体部30がグランド電位となっていることに限定されるわけではない。
図3を参照しつつ、本実施形態にかかる静電アクチュエータ10の駆動についてさらに説明する。
図3(a)に表したように、電極部20と膜体部30との間に電位差が与えられていない状態では、膜体部30は、電極部20から離隔している。つまり、膜体部30は、アップステートの状態にある。続いて、電極部20と膜体部30との間に電位差が与えられると、電極部20および膜体部30は、弾性部42の弾性力(復元力)に逆らって静電引力により互いに引きつけられる。これにより、図3(b)に表したように、膜体部30は、Z方向すなわち電極部20の方向へ駆動する。
このとき、前述したように、膜体部30は、第1の孔部61を有する。第1の孔部61は、膜体部30の長手方向と第1の孔部61の長手方向とが略並行となるように設けられている。そのため、図3(b)に表したように、膜体部30は、長手方向よりも短手方向において撓みやすい。続いて、図3(b)に表した状態よりも大きい電位差が電極部20と膜体部30との間に与えられると、図3(c)に表したように、膜体部30は、電極部20と接触し、ダウンステートの状態となる(プルイン)。これにより、スイッチング動作が行われる。
本実施形態にかかる静電アクチュエータ10を駆動する際には、電極部20および膜体部30にバイアス電圧を印加する。例えば、電極部20に電圧が印加され、膜体部30に0V(ボルト)が供給される。あるいは、例えば、電極部20に0V(ボルト)が印加され、膜体部30に電圧が供給される。あるいは、駆動回数や容量値に応じて電解の向きが適宜入れ替わってもよい。
一方、電極部20と膜体部30との間に与えられる電位差をプルイン時に与えられる電位差(プルイン電圧)よりも小さくすると、電極部20と膜体部30との間に生ずる静電引力は、弾性部42の弾性力よりも小さくなる。そうすると、膜体部30は、電極部20から離隔し、アップステートの状態となる(プルアウト)。なお、一般的に、プルイン電圧の絶対値は、プルアウト時に与えられる電位差(プルアウト電圧)の絶対値よりも大きい。
このとき、信号電圧が電極部20に印加されている場合には、信号電圧によっても電極部20と膜体部30との間に静電引力が発生する。一般的に、静電アクチュエータでは、信号電圧が電極部20に印加され、静電引力が生じている状態でも、プルアウトさせる必要がある。これは、例えばホットスイッチングなどと呼ばれている。静電アクチュエータに対しては、プルイン電圧の低減や、ホットスイッチング性の向上が望まれている。ここで、本願明細書において「ホットスイッチング性」とは、電圧が電極部20に印加された状態において、膜体部30が電極部20から離隔する性能あるいは膜体部30と電極部20との離隔の容易性をいうものとする。
次に、本発明者が実施したシミュレーションの結果の一例について、図面を参照しつつ説明する。
図4は、静電アクチュエータの駆動特性のシミュレーション結果の一例を例示するグラフ図である。
また、図5は、比較例にかかる静電アクチュエータを表す平面模式図である。
また、図6は、本実施形態にかかる静電アクチュエータを表す平面模式図である。
なお、図6(b)に表した静電アクチュエータの構造は、図1〜図3に関して前述した静電アクチュエータの構造と同様である。
図4は、静電アクチュエータの駆動特性をFEM(Finite Element Method:有限要素法)シミュレーションにより求めたものである。縦軸は、静電容量を表し、横軸は、駆動電圧を表している。この場合、静電引力は駆動電圧の他に信号電圧によっても発生するが、本シミュレーションにおいては駆動特性にとって最も厳しい条件とした。すなわち、プルイン時には信号電圧を0V(ボルト)とし、プルアウト時には7.5V(ボルト)の信号電圧が印加されるものとして計算を行った。
図4に表したように、膜体部30を電極部20に静電引力により引きつける場合には、図示しない電流電源により電極部20に駆動電圧が印加される。電極部20に駆動電圧が印加されると電極部20には正電荷あるいは負電荷が与えられるため、膜体部30が電極部20に静電引力により引きつけられる。そして、図4に表した矢印(1)のように駆動電圧が上昇すると静電引力が大きくなるため、膜体部30は、プルイン電圧において電極部20と接触する(プルイン)。このとき、図4に表した矢印(2)のように、静電容量は、矢印(1)の部分における静電容量の変化と比較して急激に上昇する。
図5に表した比較例にかかる静電アクチュエータ10aのプルイン電圧は、34.5V(ボルト)である。図5に表したように、比較例にかかる静電アクチュエータ10aは、膜体部30aと、付勢部40a、を備える。膜体部30aは、図1および図2に表した膜体部30のようには、第1の孔部61を有していない。膜体部30aは、第2の孔部62を有する。付勢部40aは、接続部41と弾性部43を有する。本比較例の弾性部43は、図1および図2に表した弾性部42のようには、接続部41に接続された一端と、膜体部30aに接続された複数の他端と、の間において分岐部を有していない。つまり、本比較例の弾性部43は、途中で分岐しているわけではない。
本比較例の弾性部43の剛性は、図6(a)〜図6(c)に表した本実施形態の弾性部42、44の剛性よりも低い。言い換えれば、図6(a)〜図6(c)に表した本実施形態の弾性部42、44の剛性は、本比較例の弾性部43の剛性よりも高い。この理由の1つは、例えばホットスイッチング性の向上を図るためである。つまり、例えば駆動電圧が0V(ボルト)の状態であって、7.5V(ボルト)の信号電圧が電極部20に印加された状態でのホットスイッチングを可能にするためである。静電アクチュエータ10aのその他の構造は、図1〜図3に関して前述した静電アクチュエータ10の構造と同様である。
図6(a)に表した本実施形態にかかる静電アクチュエータ10bのプルイン電圧は、47.5V(ボルト)である。図6(a)に表したように、静電アクチュエータ10bは、膜体部30bを備える。膜体部30bは、第1の孔部61の代わりに第3の孔部63を有する。図6(a)に表したように、第3の孔部63は、膜体部30bの長手方向と第3の孔部63の長手方向とが略並行となるようには設けられていない。そして、複数の第3の孔部63が、短手方向における略中心位置であって長手方向に略沿うように配置されている。静電アクチュエータ10bのその他の構造は、図1〜図3に関して前述した静電アクチュエータ10の構造と同様である。
図6(b)に表した本実施形態にかかる静電アクチュエータ10のプルイン電圧は、36.5V(ボルト)である。静電アクチュエータ10の構造は、図1〜図3に関して前述した如くである。
図6(c)に表した本実施形態にかかる静電アクチュエータ10cのプルイン電圧は、36V(ボルト)である。図6(c)に表したように、静電アクチュエータ10cは、付勢部40cを備える。付勢部40cは、接続部41と弾性部44とを有する。静電アクチュエータ10cの弾性部44は、接続部41に接続された一端と、膜体部30に接続された複数の他端と、の間において分岐部44aを有する。すなわち、弾性部44は、途中で分岐している。図6(c)に表した弾性部44の分岐部44aは、図6(a)および図6(b)に表した弾性部42の分岐部42a(図1および図2参照)よりも少ない。そのため、図6(c)に表した弾性部44と膜体部30との接続箇所は、図6(a)および図6(b)に表した弾性部42と膜体部30b、30とのそれぞれの接続箇所よりも少ない。静電アクチュエータ10cのその他の構造は、図1〜図3に関して前述した静電アクチュエータ10の構造と同様である。
これによれば、比較例にかかる静電アクチュエータ10aと比較して、弾性部42、44の剛性が高い場合には、図6(a)に表した静電アクチュエータ10bのように、プルイン電圧が高くなる場合があることが分かる。これに対して、図6(b)および図6(c)に表した静電アクチュエータ10、10cのように、膜体部30が第1の孔部61を有する場合には、第1の孔部61を有していない場合よりも短手方向において撓みやすい。
膜体部30が電極部20に静電引力により引きつけられる際には、まず、第1の孔部61が設けられた部分すなわち膜体部30の短手方向における中心位置が撓む(図3(b)参照)。そして、第1の孔部61が設けられた部分における隙間50の寸法が小さくなる。ここで、静電引力は、膜体部30の主面と電極部20の主面との間に形成される隙間50の寸法の二乗に反比例する。そのため、隙間50の寸法がより小さくなれば、より大きな静電引力が発生する。これにより、膜体部30がより容易に電極部20に引きつけられる。そして、第1の孔部61が設けられた部分に牽引されることで、膜体部30が湾曲するようにして撓む。続いて、隙間50の寸法がより小さくなる部分、すなわちより大きな静電引力が発生する部分が漸次Y方向に拡大していくことになる。
そのため、弾性部42、44の剛性が比較例の弾性部43の剛性よりも高くとも、膜体部30は、比較例にかかる静電アクチュエータ10aと同等に容易に電極部20と接触できる。これにより、第1の孔部61は、プルイン電圧を低減する効果を有することが分かる。つまり、膜体部30が第1の孔部61を有する場合には、弾性部42、44の剛性を比較例の弾性部43の剛性よりも高くしつつプルイン電圧の上昇を抑え、比較例にかかる静電アクチュエータ10aと同等のプルイン電圧にまで低減できることが分かる。なお、比較例にかかる静電アクチュエータ10aにおいても、プルイン電圧は、比較的低いことが分かる。
続いて、図4に表した矢印(3)のように駆動電圧を50V(ボルト)まで上昇させる。この時点で、図示しない信号発生部より電極部20に7.5V(ボルト)の信号電圧が印加される。このように、電極部20に信号電圧が印加された場合には、駆動電圧と信号電圧とが足し合わされた電圧により静電引力が発生する。例えば、駆動電圧が50V(ボルト)の場合には、50V(ボルト)の駆動電圧と7.5V(ボルト)の信号電圧とが足し合わされた57.5V(ボルト)の電圧により静電引力が発生する。
膜体部30を電極部20から離隔させる場合には、図示しない直流電源により電極部20への駆動電圧の印加が停止される。電極部20への駆動電圧の印加が停止されると、電極部20への正電荷あるいは負電荷の供給が停止されるので、駆動電圧による静電引力が解かれる。そして、図4に表した矢印(4)のように、駆動電圧が下降すると静電引力が小さくなるため、膜体部30は、プルアウト電圧において電極部20から離隔する。このとき、図4に表した矢印(5)のように、静電容量は、矢印(4)の部分における静電容量の変化と比較して急激に下降する。
前述したように、比較例にかかる静電アクチュエータ10aの弾性部43の剛性は、本実施形態の弾性部42、44の剛性よりも低いため、比較例の膜体部30aは、電極部20から離隔できない場合があり得る。駆動電圧が0V(ボルト)の場合でも、7.5V(ボルト)の信号電圧が電極部20に印加されている。そのため、7.5V(ボルト)の信号電圧による静電引力が発生している。比較例にかかる静電アクチュエータ10aでは、信号電圧による静電引力が比較例の弾性部43の弾性力よりも大きい場合には、比較例の膜体部30aは、電極部20と接触したままで離隔することができない場合があり得る。
また、弾性部42の剛性が比較例の弾性部43の剛性よりも高い場合でも、例えば図6(a)に表した静電アクチュエータ10bのように、膜体部30bが電極部20から完全には離隔できない場合があり得ることが分かる。図6(a)に表した静電アクチュエータ10bでは、膜体部30bの一部は、電極部20から離隔できる一方で、膜体部30bの他部は、電極部20から離隔できない場合があり得る。
これに対して、図6(b)および図6(c)に表した静電アクチュエータ10、10cのように、膜体部30が第1の孔部61を有する場合には、短手方向においてより撓みやすい。
静電引力が解かれた際には、まず、膜体部30の第1の周縁部31(図1参照)および第2の周縁部32(図1参照)が、弾性部42、44の弾性力により電極部20から離隔する。膜体部30が電極部20から離隔した部分においては、隙間50の寸法が大きくなる。そのため、膜体部30が電極部20から離隔した部分における静電引力が小さくなり、膜体部30が容易に電極部20から離隔できる。そして、膜体部30が電極部20から離隔した部分に牽引されることで膜体部30が湾曲するようにして撓む。続いて、隙間50の寸法がより大きくなる部分、すなわち静電引力がより小さくなる部分が漸次Y方向に拡大していくことになる。
そのため、図6(b)および図6(c)に表した静電アクチュエータ10、10cの膜体部30は、より容易に電極部20から離隔できる。言い換えれば、電極部20に印加された電圧がより高い状態のままで膜体部30を電極部20から離隔させることができる。これにより、第1の孔部61は、プルアウト電圧をより高くし、ホットスイッチング性を向上させる効果を有することが分かる。
なお、本シミュレーションでは、説明の便宜上、駆動特性にとって最も厳しい条件とした。そのため、図6(a)に表した静電アクチュエータ10bでは、膜体部30bが電極部20から完全には離隔できない場合があり得るが、これは、図6(a)に表した静電アクチュエータ10bが本発明の実施の形態に含まれないことを意味するものではない。図6(a)に表した静電アクチュエータ10bの弾性部42は、図1〜図3に関して前述した分岐部42aを有する。そのため、図6(a)に表した静電アクチュエータ10bは、本発明の実施の形態に含まれる。また、比較例にかかる静電アクチュエータ10aにおいても、プルイン電圧は、比較的低い。そのため、本実施形態の説明は、比較例にかかる静電アクチュエータ10aが問題あることを意味するものではない。
図7は、比較例にかかる静電アクチュエータの応力分布のシミュレーション結果の一例を例示する平面模式図である。
また、図8は、本実施形態にかかる静電アクチュエータの応力分布のシミュレーション結果の一例を例示する平面模式図である。
図7および図8は、50V(ボルト)の駆動電圧が電極部20に印加された状態において、膜体部と弾性部との接続箇所におけるミゼス応力をFEM(Finite Element Method:有限要素法)シミュレーションにより求めたものである。図4に関して前述したように、50V(ボルト)の駆動電圧が電極部20に印加された状態では、膜体部30は、電極部20と接触している(プルイン後)。また、このときには、図示しない信号発生部より電極部20に7.5V(ボルト)の信号電圧が印加されている。なお、ミゼス応力の値をモノトーン色の濃淡で表し、ミゼス応力が大きいほど淡く、ミゼス応力が小さいほど濃くなるように表示した。
図7に表した比較例にかかる静電アクチュエータ10aの構造は、図5に関して前述した静電アクチュエータ10aと同様である。図8(a)〜図8(c)に表した本実施形態にかかる静電アクチュエータ10b、10、10cの構造は、図6(a)〜図6(c)に表した静電アクチュエータ10b、10、10cの構造と同様である。
図7に表した比較例にかかる静電アクチュエータ10aでは、膜体部30aと弾性部43との接続箇所におけるミゼス応力の最大値は、76MPa(メガパスカル)である。図8(a)に表した本実施形態にかかる静電アクチュエータ10bでは、膜体部30bと弾性部42との接続箇所におけるミゼス応力の最大値は、76MPa(メガパスカル)である。図8(b)に表した本実施形態にかかる静電アクチュエータ10では、膜体部30と弾性部42との接続箇所におけるミゼス応力の最大値は、76MPa(メガパスカル)である。図8(c)に表した本実施形態にかかる静電アクチュエータ10cでは、膜体部30と弾性部44との接続箇所におけるミゼス応力の最大値は、176MPa(メガパスカル)である。
図4〜図6に関して前述したように、比較例にかかる静電アクチュエータ10aは、駆動電圧が0V(ボルト)の場合でも、7.5V(ボルト)の信号電圧が電極部20に印加されている状態では、ホットスイッチングを行うことはできない場合があり得る。これに対して、弾性部の剛性がより高い場合には、駆動電圧が0V(ボルト)の状態であって、7.5V(ボルト)の信号電圧が電極部20に印加された状態でのホットスイッチングが可能な場合がある。
ここで、弾性部の剛性がより高い場合には、ホットスイッチング性が向上する一方で、例えば図8(c)に表した静電アクチュエータ10cのように、膜体部30と弾性部44との接続箇所におけるミゼス応力の最大値が、比較例の膜体部30aと弾性部43との接続箇所におけるミゼス応力の最大値よりも高くなる場合があり得る。
これに対して、図8(a)および図8(b)に表した静電アクチュエータ10b、10のように、弾性部42の分岐部42aがより多い場合には、弾性部42と膜体部30b、30とのそれぞれの接続箇所がより多い。そのため、弾性部42と膜体部30b、30とのそれぞれの1つの接続箇所にかかる応力を低減することができる。つまり、弾性部42が分岐部42aを有する場合には、弾性部42の剛性をより高めてホットスイッチング性の向上を図りつつ、弾性部42と膜体部30b、30とのそれぞれの1つの接続箇所にかかる応力を比較例にかかる静電アクチュエータ10aと同等の応力にまで低減できることが分かる。これにより、弾性部42の分岐部42aは、付勢部40、40cのクリープ耐性を確保できる効果を有することが分かる。また、弾性部42の分岐部42aは、弾性部42と膜体部30b、30とのそれぞれの接続箇所を増やしつつ接続部41の設置数を抑え、静電アクチュエータ10、10cの小型化を実現できる効果を有することが分かる。さらに、弾性部42が分岐部42aを有することで、弾性部42の表面積をより小さくすることができる。これにより、付勢部40、40cにおいて、弾性部42の破壊確率をより低減する効果を有することが分かる。
なお、本シミュレーションでは、説明の便宜上、駆動特性にとって最も厳しい条件とした。そのため、図8(c)に表した静電アクチュエータ10cでは、膜体部30と弾性部44との接続箇所におけるミゼス応力の最大値が比較例にかかる静電アクチュエータ10aと比較すると大きいが、これは、図8(c)に表した静電アクチュエータ10cが本発明の実施の形態に含まれないことを意味するものではない。図8(c)に表した静電アクチュエータ10cでは、弾性部44は、分岐部44a(図6(c)参照)を有し、膜体部30は、図1〜図3に関して前述した第1の孔部61を有する。そのため、図8(c)に表した静電アクチュエータ10cは、本発明の実施の形態に含まれる。また、比較例にかかる静電アクチュエータ10aにおいても、膜体部30aと弾性部43との接続箇所におけるミゼス応力の最大値は、比較的低い。そのため、本実施形態の説明は、比較例にかかる静電アクチュエータ10aが問題あることを意味するものではない。
図9は、本発明の他の実施の形態にかかる静電アクチュエータを例示する平面模式図である。
図9(a)に表した静電アクチュエータ10dの膜体部30dは、略中央部において1つの連接部36を有する。一方、膜体部30dは、第3の周縁部33dおよび第4の周縁部34dにおいては連接部36を有していない。つまり、膜体部30dには2つの第1の孔部61dが設けられ、第1の孔部61dの一端は、第3の周縁部33dおよび第4の周縁部34dにおいてそれぞれ開口している。
これによれば、図9(a)に表した静電アクチュエータ10dの膜体部30dは、図1〜図3に関して前述した静電アクチュエータ10の膜体部30よりも短手方向において撓みやすい。これにより、プルイン電圧をさらに低減することができる。また、ホットスイッチング性をさらに向上させることができる。
図9(b)に表した静電アクチュエータ10eの膜体部30eは、第3の周縁部33eおよび第4の周縁部34eにおいて連接部36をそれぞれ有する。また、膜体部30eは、第3の周縁部33eと第4の周縁部34eとの間において2つの連接部36を有する。つまり、膜体部30eは、4つの連接部36を有する。そのため、膜体部30eには、3つの第1の孔部61eが設けられている。
これによれば、膜体部30eの不必要な変形を抑え、動作の安定化を図ることができる。そのため、膜体部30eが電極部20に引きつけられる際の膜体部30eの変位量(反り量)を、図1〜図3に関して前述した静電アクチュエータ10の膜体部30よりも安定的に制御し変化させることができる。
図10は、本実施形態の他の弾性部を例示する平面模式図である。
図10(a)に表した弾性部46は、1つの直線部46bにおいて2つの分岐部46aを有する。これによれば、図1〜図3に関して前述した静電アクチュエータ10の弾性部42と比較して、弾性部46と膜体部30との接続箇所を増やすことができる。これにより、弾性部46と膜体部30との1つの接続箇所にかかる応力を、図1〜図3に関して前述した静電アクチュエータ10と比較してさらに低減することができる。これにより、付勢部40のクリープ耐性をより確実に確保することができる。
図10(b)に表した弾性部47は、1つの直線部47bにおいて3つの分岐部47aを有する。これによれば、図1〜図3に関して前述した静電アクチュエータ10の弾性部42および図10(a)に表した弾性部46と比較して、弾性部47と膜体部30との接続箇所を増やすことができる。これにより、弾性部47と膜体部30との1つの接続箇所にかかる応力を、図1〜図3に関して前述した静電アクチュエータ10および図10(a)に表した弾性部46と比較してさらに低減することができる。これにより、付勢部40のクリープ耐性をより確実に確保することができる。
また、弾性部42、46、47のそれぞれの分岐部42a、46a、47aの設置数、および設置位置などを適宜調整することにより、弾性部42、46、47と膜体部30とのそれぞれの接続箇所における応力および弾性部42、46、47の剛性を互いに略均一にすることができる。あるいは、弾性部42、46、47のそれぞれの分岐部42a、46a、47aの設置数および設置位置などを適宜調整することにより、弾性部42、46、47と膜体部30とのそれぞれの接続箇所における応力および弾性部42、46、47の剛性を長手方向において段階的にまたは徐々に変化させることができる。この場合には、短手方向だけではなく長手方向においても、膜体部30が電極部20に引きつけられるタイミングをずらすことができる。例えば、弾性部42、46、47と膜体部30とのそれぞれの接続箇所における剛性が膜体部30の中央部から長手方向の両周縁部(第3の周縁部33および第4の周縁部34)に向かって徐々に低くなる場合には、まず、膜体部30の長手方向の両周縁部が撓む。これによれば、プルイン電圧をさらに低減することができる。また、ホットスイッチング性をさらに向上させることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、膜体部30は、第1の孔部61を有する。第1の孔部61は、膜体部30の長手方向と第1の孔部61の長手方向とが略並行となるように設けられている。これにより、プルイン電圧を低減することができる。また、ホットスイッチング性を向上させることができる。付勢部40の弾性部42は、接続部41に接続された一端と、膜体部30に接続された複数の他端と、の間において分岐部42aを有する。これにより、付勢部40のクリープ耐性を確保することができる。また、静電アクチュエータ10の小型化を図ることができる。さらに、表面積の低減による破壊確率を低減することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10、10a、10b、10c、10d、10e 静電アクチュエータ、 20 電極部、 20c 寸法、 30、30a、30b、30d、30e 膜体部、 30x、30y、30z 寸法、 31 第1の周縁部、 32 第2の周縁部、 33、33d、33e 第3の周縁部、 34、34d、34e 第4の周縁部、 36 連接部、 40、40a、40c 付勢部、 41 接続部、 41x、41y 寸法、 42 弾性部、 42a 分岐部、42c、42w 寸法、 42y 距離、 42z 寸法、 43、44 弾性部、 44a 分岐部、 46 弾性部、 46a 分岐部、 46b 直線部、 47 弾性部、 47a 分岐部、 47b 直線部、 50 隙間、 50z 寸法、 61、61d、61e 第1の孔部、 61x、61y 寸法、 62 第2の孔部、 62x、62y 寸法、 63 第3の孔部、 100 基板

Claims (10)

  1. 基板と、
    前記基板上に設けられた電極部と、
    前記電極部と対向して設けられ導電性を有する膜体部と、
    前記基板と接続された接続部と、前記接続部と前記膜体部とのあいだに設けられた弾性部と、を有し前記膜体部を支持する付勢部と、
    を備え、
    前記電極部と前記膜体部とは、前記電極部に印加される電圧に応じて接触した状態と離隔した状態とが可能とされ、
    前記弾性部は、前記接続部に接続された一端と、前記膜体部に接続された複数の他端と、のあいだに分岐部を有することを特徴とする静電アクチュエータ。
  2. 前記膜体部は、第1の方向に延在する第1の孔部を有し、
    前記第1の方向は、前記膜体部の長手方向であることを特徴とする請求項1記載の静電アクチュエータ。
  3. 前記第1の孔部は、前記膜体部の短手方向における中心部に設けられたことを特徴とする請求項2記載の静電アクチュエータ。
  4. 複数の前記付勢部を備え、
    前記複数の付勢部のいずれかは、前記膜体部の第1の周縁部に接続され、
    前記複数の付勢部の他のいずれかは、前記第1の周縁部に対向する第2の周縁部に接続されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の静電アクチュエータ。
  5. 前記第1の周縁部に接続された前記付勢部と、前記第2の周縁部に接続された前記付勢部と、は、互いに対向する位置に設けられたことを特徴とする請求項4記載の静電アクチュエータ。
  6. 前記膜体部は、第2の方向に延在する第2の孔部をさらに有し、
    前記第2の方向と、前記膜体部の長手方向と、は、直交していることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1つに記載の静電アクチュエータ。
  7. 前記膜体部は、複数の前記第2の孔部を有し、
    前記複数の前記第2の孔部のいずれかは、前記第1の孔部と前記膜体部の第1の周縁部との間に設けられ、
    前記複数の前記第2の孔部の他のいずれかは、前記第1の孔部と前記第1の周縁部に対向する第2の周縁部との間に設けられたことを特徴とする請求項6記載の静電アクチュエータ。
  8. 前記付勢部は、複数の前記弾性部を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の静電アクチュエータ。
  9. 前記複数の弾性部と、前記膜体部と、のそれぞれの接続箇所における前記複数の弾性部の剛性は、互いに均一であることを特徴とする請求項8記載の静電アクチュエータ。
  10. 前記複数の弾性部と、前記膜体部と、のそれぞれの接続箇所における前記複数の弾性部の剛性は、それぞれの間で段階的に又は徐々に変化していることを特徴とする請求項8記載の静電アクチュエータ。
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