以下に本発明の好適な実施形態について説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々の形態を採ることができ、各実施例に記載された内容を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
[実施例1]
図1に示すように、弾球遊技機の一種であるパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて構成の各部を保持する構造である。外枠51の左側上下には、ヒンジ53が設けられており、該ヒンジ53の他方側には図3に記載する内枠70が取り付けられており、内枠70は外枠51に対して開閉可能な構成になっている。前枠52には、板ガラス61が取り外し自在に設けられており、板ガラス61の奥には図2に記載する遊技盤1が内枠70に取り付けられている。
前枠52の上側左右には、スピーカ66が設けられており、パチンコ機50から発生する遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また、遊技者の趣向性を向上させるために前枠52に遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65も複数設けられている。前枠52の下方には、上皿55と下皿63が一体に形成されている。下皿63の右側には発射ハンドル64が取り付けられており、発射ハンドル64を時計回りに回動操作することによって発射装置(図示省略)が可動して、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
上皿55の上部ほぼ中央には、遊技者が操作可能な演出ボタン67が備えられており、この演出ボタン67は、周囲にジョグダイヤル68を備えたものとなっている。遊技者が所定期間中に、演出ボタン67やジョグダイヤル68を操作することで後述する演出図柄表示装置6に表示される内容が変化したり、スピーカ66より出力される遊技音が変化したりする。また、このパチンコ機50はいわゆるCR機であって、プリペイドカードの読み書き等を行うためのプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属しており、パチンコ機50の上皿55には、貸出ボタン57、精算ボタン58及び残高表示器59を有するCR精算表示装置が備わっている。
図2は、本実施例のパチンコ機の遊技盤1の正面図である。なお、このパチンコ機の全体的な構成は公知技術に従っているので図示及び説明は省略する。図2に示すように遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が設けられている。この遊技領域3には多数の遊技釘4が打ち付けられている。
遊技領域3のほぼ中央部には、センターケース5が配されている。センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置6(液晶表示装置であり擬似図柄を表示する。)の画面を臨ませる窓等を備えている。センターケース5の左方やや下には、複数個の7セグメント表示装置や複数個のLEDを備えた状態報知装置15が設置されている。センターケース5の下には、第1始動口11が配置され、センターケース5の右方には、ゲート17と第2始動口12とがユニット化された複合入賞装置が配置されている。第2始動口12は開閉可能な翼片を供えた普通電動役物を備えており、この翼片が開放しないと遊技球は第2始動口12に入球できない構成となっている。
遊技領域の右下部には、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、普通図柄保留数表示装置8と、特別図柄保留数表示装置18と、7セグメント表示装置からなる特別図柄表示装置9とが配置されている。
第2始動口12の下方にはアタッカー式の大入賞口14が配置されている。また、第1始動口11の左方には、第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33及び第4左入賞口34が設けられている。なお、この第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34が、常時、入球率が変化しない普通入賞口である。
パチンコ機50の裏面は図3に示すとおり、前述した遊技盤1を脱着可能に取り付ける内枠70が前述した外枠51に収納されている。この内枠70には、上方から、球タンク71、タンクレール72及び払出装置73が設けられている。この構成により、遊技盤1上の入賞口に遊技球の入賞があれば球タンク71からタンクレール72を介して所定個数の遊技球を払出装置73により前述した上皿55に排出することができる。また、パチンコ機50の裏側には(図4も参照のこと)、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83、発射制御装置84、電源基板85が設けられている。なお、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83がサブ制御装置に該当する。
主制御装置80、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83は遊技盤1に設けられており、払出制御装置81、発射制御装置84、電源基板85が内枠70に設けられている。なお、図3では、発射制御装置84が描かれていないが、発射制御装置84は払出制御装置81の下に設けられている。また、球タンク71の右側には、外部接続端子78が設けられており、この外部接続端子78より、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータに送られる。
このパチンコ機50の電気的構成は、図4のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するだけのためのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本実施例では発射制御装置84にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12a、普通図柄を作動させるゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するための第1カウントスイッチ14a、第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34に入球した遊技球を検出する左入賞口スイッチ31a等の検出信号が入力される。
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。また主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている特別図柄表示装置9、及び普通図柄表示装置7の表示、特別図柄保留数表示装置18、普通図柄保留数表示装置8の点灯を制御する。
更に、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普通電動役物ソレノイド(図4では普電役物ソレノイドと表記)12bを制御することで第2始動口12の開閉を制御する。主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り(特別遊技ともいう)等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールメインコンピュータ87に送られる。主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を稼働させて賞球を払い出させる。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出スイッチ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
なお、払出制御装置81はガラス枠開放スイッチ35、内枠開放スイッチ36、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力され、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
また、払出制御装置81はCRユニット端子板24を介してプリペイドカードユニットと交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、CRユニット端子板24は精算表示基板25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示基板25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン、精算を要求するための返却ボタン、残高表示器が接続されている。
また、払出制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。なお本実施例では遊技球を払い出す構成であるが、入賞等に応じて発生した遊技球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技球を遊技領域3に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドルからの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止信号が入力される。回動量信号は、遊技者が発射ハンドルを操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドルを触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドルを触っていても遊技球は発射できないようになっている。
サブ統合制御装置83はサブ制御装置に該当し、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカからの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。 また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67およびジョグダイヤル68が接続されており、遊技者が演出ボタン67またはジョグダイヤル68を操作した際には、その信号がサブ統合制御装置83に入力される。
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、演出図柄等の演出画像を演出図柄表示装置6の画面6aに表示させる。
メインルーチンを図5に従って説明する。メインルーチンは、S65までの処理を実行した後、約2ms毎のハード割り込みにより繰り返し実行される。本実施形態では、当該メインルーチンが1回起動されるごとにS10〜S65までの1回だけ実行される処理を「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS70の処理を「残余処理」と称する。「本処理」は上記割り込みにより定期的に実行されることになる。
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、たいていが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)が為され(S15)、残余処理(S70)に移行する。
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:yes)、初期値乱数更新処理が実行される(S20)。この処理は、初期値乱数の値についてこの処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、この処理実行前の初期値乱数の値に+1するが、この処理を実行する前の乱数値が最大値である「299」のときには次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「299」までの300個の整数を繰り返し昇順に作成する。
S20に続く大当り決定用乱数更新処理(S25)は、初期値乱数更新処理と同様に処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、最大値である「299」のときは次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「299」までの300個の整数を繰り返し昇順に作成する。なお、大当り決定用乱数の最初の値は、初期値乱数設定処理で設定された値となる。この値が250であったとすると、大当り決定用乱数は「250」「251」「252」・・・「299」「0」「1」・・・と更新されていく。
なお、大当り決定用乱数が1巡(300回、更新されること)すると、そのときの前記初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にし、大当り決定用乱数は、その初期値から+1するインクリメント処理を行う。そして、再び大当り決定用乱数が1巡すると、その時の初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にする動作を行なう。つまり、この一連の動作を繰り返し続けることになる。前述の例では大当り決定用乱数が「249」になると1巡であるから、「249」の次は前記初期値乱数の値となる。仮に初期値乱数の値が「87」だったとすると、「249」「87」「88」・・・「299」「0」「1」・・・「86」と変化していき、「86」の次は新たな前記初期値乱数の値となる。
大当り図柄決定用乱数更新処理(S30)は「0」〜「249」の250個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。S30に続く当り決定用乱数更新処理(S35)は、「0」〜「5」の6個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、当選することとなる値の数は通常確率状態時、高確率状態時ともに3であり、値は「0」、「3」、「5」である。なお、この当り決定用乱数更新処理は普通図柄の抽選に使用し、その他の初期値乱数、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数は特別図柄の抽選に使用する。
リーチ判定用乱数更新処理(S40)は、「0」〜「228」の229個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、通常確率状態時で変動時間短縮機能未作動時に当選する値の数は21で、値は「0」〜「20」であり、通常確率状態時で変動時間短縮機能作動時に当選する値の数は5で、値は「0」〜「4」であり、高確率状態時に当選する値の数は6で、値は「0」〜「5」である。
変動パターン決定用乱数更新処理(S45)は、「0」〜「1020」の1021個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
続く入賞確認処理(S50)では、第1始動口11、第2始動口12の入賞の確認及びパチンコ機50に設けられ主制御基板80に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。本実施例では、遊技球が第1始動口11、第2始動口12に入賞すると大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数、リーチ判定用乱数など複数の乱数を取得されるのだが、保留記憶できる数を第1始動口11と第2始動口12をあわせて4個までとしており、保留記憶が満タンである4個のときに遊技球が第1始動口11又は第2始動口12に入賞しても賞球が払出されるだけで、前記複数の乱数は保留記憶されない構成になっている。
続いて、大当りか否かを判定する条件成立判定手段としての当否判定処理(S55)を行う。この当否判定処理(S55)が終了すると、続いて不正監視処理(S60)は、普通入賞口(第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34)に対する不正が行われていないか監視する処理であり、所定時間内における入賞口への遊技球の入球が予め決定された規定数よりも多いか否かを判断して、多かった場合には不正と判断され、その旨を報知する処理である。つまり、不正判断手段は、主制御基板80に設けている。
続く画像出力処理等の各出力処理(S65)では、遊技の進行に応じて主制御基板80は演出図柄制御装置82、払出制御基板81、発射制御装置84、サブ統合制御装置83、大入賞口ソレノイド14b等に対して各々出力処理を実行する。即ち、入賞確認処理(S50)により遊技盤1上の各入賞口に遊技球の入賞があることが検知されたときには賞球としての遊技球を払い出すべく払出制御基板81に賞球データを出力する処理を、遊技状態に対応したサウンドデータをサブ統合制御装置83に出力する処理を、パチンコ機50に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく演出図柄制御装置82にエラー信号を出力する処理を各々実行する。
本処理に続く前述の残余処理は、初期値乱数更新処理(S70)から構成されるが、前述したS20と全く同じ処理である。この処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで時間の許される限り繰り返し実行される。前述したS10〜S65までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行するか否か、特別図柄の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、割り込み処理が1回実行されることにより初期値乱数に更新される値も一律ではなくなる。これにより、初期値乱数が大当り決定用乱数と同期する可能性は極めて小さくなる。大当り決定用乱数が1巡したときの、初期値乱数の値(0〜299の300通り)が、同程度に発生するとすれば、同期する確率はわずか1/300である。また、前述した当り決定用乱数更新処理(S35)も残余処理内において実行するよう構成しても良い。
S50の入賞確認処理は図6に示すようなもので、主制御装置80は、第1始動口スイッチ11aおよび第2始動口スイッチ12aの検出信号に基づいて、第1始動口11、第2始動口12に遊技球が入球したか否かを判断する(S100)。肯定判断なら(S100:yes)、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数、転落決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、保留記憶が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S105)。
保留記憶が満杯でなければ(S105:no)、上記の各乱数を保留記憶として記憶し、特別図柄保留数表示装置18の点灯数を1増加させる(S110)。こうして各乱数を記憶すると、当処理を終了(リターン)する。既に4個の保留記憶があれば(S105:yes)、そのまま本処理を終了する。また、第1始動口11、第2始動口12のいずれにも遊技球が入球していない場合(S100:no)も、本処理を終了する。
S55の当否判定処理は図7〜10に示すようなもので、主制御装置80は、特別電動役物が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S200)。S200の判定が否定判断で、特別図柄が変動中でなく(S205:no)、確定図柄の表示中でもなければ(S210:no)、図8のS250に移行し、保留記憶(S110による保留記憶)があるか否かを判断する。
この保留記憶があれば(S250:yes)、保留記憶数をデクリメントし(S255)、S270に進む。S270では保留記憶の中で最も古いものを読み込んで(その保留記憶は消去する)、確変フラグがセットされている(すなわち1)か否かを判定する。ここで確変フラグが1とは、現在のパチンコ機50が高確率遊技状態であることを意味する。肯定判断であれば(S270:yes)、読み込んだ大当り決定用乱数を確変テーブルに記録されている当り値と照合する(S275)。ここで当り値の数は10で、7〜16である。つまり当たり確率は1/30となる。S270が否定判断された場合(S270:no)は、S280にて当り決定用乱数を通常テーブルに記録されている当り値と照合する。ここで当り値は7のみである。つまり当たり確率は1/300となる。
S275またはS280の判定が行なわれると、S285にて大当りか否かを判定(当否判定)し、肯定判定であれば(S285:yes)、大当り図柄決定用乱数によって当り図柄を決定する(S290)。この当り図柄と、各当り図柄が選択される確率と、各大当り図柄が特別図柄表示装置9に確定表示されたことにより発生した大当りの後に遊技者に付与される特典の内容について、図14を用いて説明する。大当り図柄決定用乱数の値が「0」〜「4」の場合には、大当り図柄として図柄1が選択される。つまり図柄1の振分けは5/250となっている。図柄1が表示されたことにより発生した大当り遊技の後には、特典として特別図柄が更に1回変動されるまで、確変機能および時短機能が作動する。確変機能が作動すると、パチンコ機50が当否判定を行なう際に確変テーブル(S275の説明にて後述)を用いる状態(高確率遊技状態)になり、時短機能が作動すると、特別図柄の平均変動時間および、普通図柄の平均変動時間が何れも短縮され、普通電動役物の開放期間が延長される。なお、「特典内容」の右欄にある「ST中の変動テーブル」については後述する。大当り図柄決定用乱数の値が「5」〜「9」の場合には、大当り図柄として図柄2が選択される(図柄2の振分けも5/250となっている)。図柄2が表示されたことにより発生した大当り遊技の後には、特典として特別図柄が更に2回変動されるまで、確変機能および時短機能が作動する。以下、図柄3、図柄4、・・・と図柄10まで、付与された特典の消滅条件である特別図柄の変動回数が、1回ずつ増えていき(つまり図柄10が確定表示されると、大当り遊技の終了後、特別図柄が10回変動されるまで確変機能および時短機能が付与される)、振分けは何れも5/250となっている。
大当り図柄決定用乱数の値が「50」〜「59」の場合には、大当り図柄として図柄11が選択される。つまり図柄11の振分けは10/250となっている。図柄11が表示されたことにより発生した大当り遊技の後には、特典として特別図柄が更に11回変動されるまで、確変機能および時短機能が作動する。以下、図柄12、図柄13、・・・と図柄30まで、付与された特典の消滅条件である特別図柄の変動回数が、1回ずつ増えていき(つまり図柄30が確定表示されると、大当り遊技の終了後、特別図柄が30回変動されるまで確変機能および時短機能が付与される)、振分けは何れも10/250となっている。
図8に戻る。こうして大当り図柄が決定すると、変動パターン決定用乱数等によって変動パターンを決定する(S295)。変動パターン決定処理(S295)の概要を図15、図16に示す。なお、図15では後述するS305における変動パターン決定処理の概要も併せて示した。遊技状態が確変かつ時短であって、大当り判定の結果が大当りの場合は、変動テーブル1が選択される(これがS295の処理)。大当り判定の結果がハズレの場合は、特殊変動フラグの値が1であれば変動テーブル2を選択し、特殊変動フラグの値が0であれば変動テーブル3または変動テーブル4を選択する(特殊変動フラグについては後述)。変動テーブル3または変動テーブル4の何れを選択するかは、現在の第1保留記憶の数に基づく。すなわち第1保留記憶の数が0または1であれば変動テーブル3が選択され、第1保留記憶の数が2〜4であれば変動テーブル4が選択される。これら変動テーブル2〜4が選ばれる処理が後述するS305の変動パターン決定処理の一部である。
また、遊技状態が通常(低確率状態)である場合は、大当り判定の結果が大当りであれば、変動テーブル5が選択される(これもS295の処理)。大当り判定の結果がハズレの場合は、リーチ判定用乱数の値に基づいて変動テーブルを選択する。すなわちリーチ判定用乱数の値が0〜7であれば変動テーブル6が選択され、8であれば変動テーブル7が選択され、9〜228であれば、現在の第1保留記憶の数に基づいて選択する変動テーブルを変更する。すなわち、第1保留記憶の数が0または1であれば変動テーブル8が選択され、2であれば変動テーブル9が選択され、3または4であれば変動テーブル10が選択される。これら変動テーブル6〜10が選ばれる処理も後述するS305の変動パターン決定処理の一部である。
各変動テーブルの概要は図16のようになっている。各変動テーブルには複数の変動パターンが格納されており、図15に示した方法にて選ばれた各変動テーブルから、変動パターン決定用乱数の値に基づいて変動パターンが選択される。図16において「リーチ」とあるのは、各変動テーブル内の変動パターンにリーチアクションを伴うものがあるか否かを示すもので、「○」はリーチアクションを伴う変動パターンが存在すること、「×」はリーチアクションを伴う変動パターンが全くないことを示している。なお、変動テーブル1および変動テーブル2については、リーチアクションを伴う変動パターンのみからなる。つまり、確変かつ時短である遊技状態において、大当りになる場合には、変動テーブル1が選択されるので、必ずリーチアクションが行なわれる。一方、同じく確変かつ時短である遊技状態において、ハズレる際には、特殊変動フラグが1の場合のみリーチアクションが行なわれ、特殊変動フラグが0の場合に選択される変動テーブル3または4は、いずれにせよリーチアクションを伴う変動パターンを含んでいないので、リーチアクションが行なわれることはない。
なお、第1保留記憶の数が0または1の場合に選択される変動テーブル3の平均変動時間が12秒であるのに対し、第1保留記憶の数が2〜4の場合に選択される変動テーブル4の平均変動時間が4秒となっている。この結果、第1保留記憶の数が多い場合は、第1保留記憶を速やかに消化して、第1保留記憶の空きを作り、第1始動口への新たな入賞により抽出される乱数を記憶し易くされている。
また遊技状態が低確率状態の場合に選択される変動テーブル5〜10の内、変動テーブル8〜10についても、変動テーブル3,4と同様、第1保留記憶の数が多くなるほど平均変動時間が短く設定されている。リーチ判定用乱数の値が0〜7の場合に選択される変動テーブル6は、いわゆるスーパーリーチ以外のリーチアクションを行なう変動パターンからなり、平均変動時間が30秒となっている。同じくリーチ判定用乱数の値が8の場合に選択される変動テーブル7は、スーパーリーチを行なう変動パターンからなっている。スーパーリーチは様々な演出を行なうために特別図柄の変動時間が長くされており、この結果、変動テーブル7の平均変動時間は55秒と、変動テーブル6や変動テーブル8〜10に比べて長くなっている。なお、当りの場合に選択される変動テーブル5においてもスーパーリーチが行なわれ、この結果、平均変動時間は60秒と長くされている。
図8に戻る。こうして変動パターンが決定されると大当り設定処理を行う(S300)。なお、S285において外れと判定された場合は、変動パターン決定用乱数等によって変動パターンを決定し(S305)、ハズレ設定処理(S310)を行なう。ハズレ設定処理では、確変回数のデクリメント(確変フラグが1のとき)、および時短回数のデクリメント(時短フラグが1のとき)が行なわれる。確変回数とは、図14で説明した各停止図柄が表示されたことにより発生した大当り遊技の後に、特典として付与される確変機能が消滅するまでに特別図柄が変動される回数である。例えば確変回数が10であれば、大当り遊技の後に確変機能が作動し、特別図柄が10回変動すると、確変機能が停止する(低確率状態になる)。この、大当り遊技後の所定回数(確変回数)に限り確変機能が作動する仕様を回数切り確変やSTといい、STにより確変機能が作動している状態をST状態(ST中、或いは単にST)と言う。時短回数は、図14で説明した各停止図柄が表示されたことにより発生した大当り遊技の後に、特典として付与される時短機能が消滅するまでに特別図柄が変動される回数であり、例えば時短回数が15であれば、大当り遊技の後に時短機能が作動し、特別図柄が15回変動されると作動が停止する(時短が消滅する)。なお、ST中に大当たり遊技が発生した場合には、残りの確変回数および残りの時短回数は消滅し、表示された当り図柄に対応して図14に定められる確変回数および時短回数が改めて設定され、新たなST状態となる。
図8に戻る。S300、又はS310に続いては、上述の抽選結果を示すデータ、具体的には大当り、リーチ外れ(外れであるがリーチ表示有り)、リーチ表示無しの外れのいずれかを示すデータと変動時間を指定する変動パターンのデータが含まれる変動開始コマンド(表示制御コマンド)をサブ統合制御装置83に出力する(S315)。なお、S315の処理により演出図柄表示装置6では演出図柄を設定し、その変動表示を開始するが、ほぼ同時に特別図柄の変動も主制御装置80によって開始される。特別図柄の当り図柄は図14に示したように30種類あるが、これら30種類の当り図柄が特別図柄表示装置9に停止表示されるに対応して、S315の処理により演出図柄表示装置6に停止表示される演出図柄として、共通の図柄が表示され、演出図柄を見ているだけでは、大当り遊技後に付与されたST状態が、特別図柄が何回変動されると終了するのかが分からない仕様となっている。また、S315に関連して説明したように、特別図柄が変動する際には必ず演出図柄も変動され、且つ演出図柄が変動されるときには特別図柄も変動されるので、これらの図柄が変動することを単に「図柄が変動する」とも言う。
図7において特別図柄が変動中(S205:yes)と判定された場合には、図9のS350に移行し、図柄変動時間(S300、又はS305の変動パターンに基づく)が経過したか否かを判定する。否定判断(S350:no)であれば特別遊技処理を行い、肯定判断であれば確定図柄表示処理(S355)を行なってから特別遊技処理を行う。
図7において確定図柄を表示中と判定された場合(S210:yes)には、図10のS400に移行し、確定図柄の表示時間が終了したか否かを判定する。否定判断(S400:no)であれば特別遊技処理を行い、肯定判断であれば確定図柄表示終了処理(S405)を行なってから大当りになる組合せや否かを判定する(S410)。肯定判断なら確変フラグが1か否かを判定し(S415)、肯定判断なら(S415:yes)確変フラグを0にし(S420)、S425に移行する。否定判断なら(S415:no)そのまま、S425に移行する。
S425では、時短フラグが1か否かを判定する。時短フラグが1であれば(S425:yes)、S430にて時短フラグを0にし、S435に移行する。時短フラグが1でなければ(S425:no)、そのままS435に移行する。
S435では、特殊変動フラグが1か否かを判定する。特殊変動フラグが1であれば(S435:yes)、S440にて特殊変動フラグを0にし、S445に移行する。特殊変動フラグが1でなければ(S435:no)、そのままS445に移行する。
S445では、条件装置作動開始処理により、大当りフラグをセットする。そしてS450にて役物連続作動装置を作動させ、S455にて大当り開始演出処理を行なう。大当り開始演出処理では、大当り遊技を開始するコマンド及び大当り遊技に係る情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)をサブ統合制御装置83に送信する。大当り開始演出処理が終了すると、特別遊技処理を行なう。
S410で、確定表示させた特別図柄が大当りになる表示でないと判定された場合は、S460に移行して確変フラグが1か否かを判定する。肯定判断(S460:yes)であれば、確変回数が0か否かを判定する(S455)。確変回数が0であれば(S465:yes)、S470にて確変フラグを0にし、S475にて特殊変動フラグを0にしてS490に進む。確変フラグが1でないとき(S460:no)はそのままS490に移行する。確変回数が0ではないとき(S465:no)は、S480にて確変回数が1か否かを判定する。確変回数が1であれば(S480:yes)、S485にて特殊変動フラグを1にし、S490に移行する。確変回数が1でなければ(S480:no)、そのままS490に移行する。つまり特殊変動フラグとは、ST状態が消滅するまでに特別図柄が変動される回数が1回である場合に1となり、その他の場合(非ST状態を含む)に0となる。
以上のことを図15および図16と考え合わせると、ST中は次のように変動パターンが発生する。特別図柄が最大n回変動される間、高確率状態となるST状態となった場合、大当り遊技の終了後、特別図柄が(n−1)回変動されるまではリーチアクションは全く発生せず(特殊変動フラグが0であるがために変動テーブル3または4が選択されることによる)、n回目の変動において特殊変動フラグが1となり、変動テーブル2が選択されてリーチアクションが必ず発生する。これら各変動テーブルが選択される可能性がある特別図柄の変動回数を示したのが、図14の「ST中の変動テーブル」である。例えば、図柄10で大当りとなった場合、変動テーブル3または4(図14では「テーブル3,4」と表記)が選択されるのは、大当り遊技後に特別図柄が1〜9回変動される間であり、変動テーブル2(図14では「テーブル2」と表記)が選択されるのは、大当り遊技後の10回目の特別図柄の変動においてのみである。なお、ST中の当否判定で当りと判定された場合は、変動テーブル1が選択されるので、必ずリーチアクションが発生する。つまり、ST中にリーチアクションが発生した場合には、大当りとなるかSTが終了するかの何れかとなり、外れた上で、なおもSTが継続するということはない。
図10に戻る。S490では、時短フラグが1か否かを判定し、1であれば(S490:yes)、時短回数が0か否かを判定する(S495)。時短回数が0であれば(S495:yes)、S500にて時短フラグを0にしてS505に進む。時短回数が0ではないとき(S495:no)又は時短フラグが1でないとき(S490:no)はそのままS505に移行する。S505では、現在の遊技状態が確変中であるか否か、時短中であるか否か等の状態を示す状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信し、特別遊技処理を実行する。
図11〜13に示す特別遊技処理では、主制御装置80は、役物連続作動装置が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S600)。役物連続作動装置が作動中なら(S600:yes)、大入賞口14が開放中か否かを判断する(S605)。大入賞口14の開放中ではない場合は(S605:no)、ラウンド間のインターバル中により大入賞口14が閉鎖しているのか判断する(S610)。インターバル中でもない場合は(S610:no)、大当り終了演出中であるか判断する(S615)。これも否定判断の場合は(S615:no)、今から大当り遊技を開始する演出に要する時間が経過したか否かを判定する(S620)。大当り開始演出時間が経過した場合は(S620:yes)、大入賞口開放処理(S625)を行なって本処理を終了(リターン)する。
S605で大入賞口14が開放中であると判定された場合は、図12のS650に進み、大入賞口14に10個入賞したか否かを判定する。なお、本実施例では10個だが、9個、8個でもよく、特に限定するものではない。大入賞口14に10個入賞した場合(S650:yes)にはS660に進み、大入賞口閉鎖処理を行う。そして大当りインターバル処理(S665)を行なって、特別遊技処理を終了する。大入賞口14に10個入賞していない場合(S650:no)にはS655に進み、大入賞口14の開放時間が終了したか否かを判定する。本実施例では、15ラウンドでの大当りの場合は各ラウンドの最大開放時間は30秒に設定している。無論、これらの秒数に限定するものではない。開放時間が終了した場合(S655:yes)には、S660に合流し、終了していない場合(S655:no)は特別遊技処理を終了する。
図11のS610でインターバル中であると判定された場合は、図12のS670に進み、大当りインターバル時間が経過したか否かを判定する。インターバル時間が経過している場合(S670:yes)は、直前に大入賞口14が開いていたのが最終ラウンドか否かを判定する(S675)。最終ラウンドであれば(S675:yes)、大当り終了演出処理(S680)を行い、特別遊技処理を終了する。最終ラウンドでなければ(S675:no)、再び大入賞口14を開放する処理(S685)を行い、特別遊技処理を終了する。なお、大当りインターバル時間が経過していないと判定された場合(S670:no)には、そのまま特別遊技処理を終了する。なお、大入賞口14を開放・閉鎖する処理においては、サブ統合制御装置83にも信号を送信する。サブ統合制御装置83は、その信号に基づいて、現在のラウンドを把握し、該ラウンドに応じた演出を行なう。
図11のS615で大当りの終了演出中であると判定された場合は、図13のS700に進み、大当り終了演出時間が経過したか否かを判定する。大当り終了演出時間が経過した場合には(S700:yes)、役物連続作動装置の作動を停止し(S705)、条件装置の作動を停止する(S710)。そして、大当り終了後に確変に移行するか否かを判定する。確変に移行する場合(S715:yes)は確変回数を設定する(S720)。確変回数とは、図14に「確変機能」として示した数字であり、当り図柄に応じて設定されている。例えば当り図柄が図柄7であれば確変回数は7であり、当り図柄が図柄20であれば確変回数は20である。こうして確変回数が設定されると確変フラグを1に設定し(S725)、S730に移行する。確変に移行しない場合(S715:no)はそのままS730に移行する。なお、パチンコ機50においては、図14にも示したように大当り終了後には必ず確変に移行する。
S730では、大当り終了後に時短に移行するか否かを判定する。肯定判断の場合(S730:yes)は、時短回数を設定する(S735)。時短回数とは、図14に「時短機能」として示した数字であり、当り図柄に応じて設定されている。パチンコ機50においては時短回数は確変回数と同じ値に設定されている。こうして時短回数が設定されると、時短フラグを1に設定する(S740)。時短フラグを1にすると本実施例では特別図柄の平均変動時間短縮、普通図柄の平均変動時間短縮、普通電動役物の開放延長機能をセットし、時短回数カウンタの値をセットする。時短に移行しない場合(S730:no)はS745に直行する。なお、パチンコ機50においては、図14にも示したように大当り終了後には必ず時短に移行する。S745では大当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信し、現在の遊技状態が確変中であるか否か、時短中であるか否か等の状態を示す状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理(S750)を行なって特別遊技処理を終了する。なお、図11で役物連続作動装置が作動していないと判定された場合(S700:no)には、特別遊技処理を終了する。以上が特別遊技処理である。
ST中に、パチンコ機50で行なわれるリーチアクションを図17、18に示す。なお、前述したようにリーチアクションが行なわれるのは、STが終了する場合または大当りになる場合に限られる。パチンコ機50においてST中に行なわれるリーチアクションは、図17,18に示すようなバトル演出となっており、特別図柄の変動が開始されると、演出図柄表示装置6には図17(a)に例示するような演出画像が表示される。演出図柄は、この画像の左上にて変動表示される。画面の中央に敵キャラクタ(向かって左側。熊の達吉)と、遊技者に対応する自キャラクタ(向かって右側)が表示される。当否判定の結果が当りで、これにより変動テーブル1が選択された場合には、例えば演出図柄がリーチになると図17(c)のように、自キャラクタがアップで表示され、図17(e)のように、敵キャラクタにキックをあびせる。そして、図18(g)のように、「大当り!!」と表示され、大当り遊技が開始される。
また、演出図柄がリーチになった際に、図17(c)のように自キャラクタがアップになるのではなく図17(b)のように、敵キャラクタがアップで表示される場合もある(変動テーブル1,2とも)。この場合、図17(d)のように、敵キャラクタからキックをくらい、図18(f)のように、自キャラクタがしゃがみこむ。続いて図18(h)のように自キャラクタがダウンし、「連打で復活させろ!」と画面に表示される。このバトル演出が、変動テーブル1が選択されることにより発生されたものである場合には、遊技者が演出ボタン67を連打すると、このゲージを満タンにするのに成功する場合がある。すると、図18(j)に示すように自キャラクタが起き上がり、「復活大当り」と表示され、大当り遊技が開始される。なお、変動テーブル1が選択された場合には、図18(h)の画面が表示された後に演出ボタン67が連打されなくても、時間経過と共にゲージが回復していき、図18(j)の画像が表示される。つまり、変動テーブル1には、図18(g)の映像が演出図柄表示装置6に表示されて大当りになるものと、図18(j)の映像が演出図柄表示装置6に表示されて大当りになるものの2種類の変動パターンが存在する。いずれの変動パターンが選択されるかは、変動パターン決定用乱数の値により決定される。
図18(h)の画面が、変動テーブル2に基づいて表示されたものである場合には、どんなに遊技者が演出ボタン67を連打しても、ゲージを満タンにするのに失敗し、図18(i)のように「敗北・・・」「バトルタイム終了」と表示されて、STが終了する(低確率状態になる)。なお、変動テーブル2には図18に示した変動パターン以外にも、様々なバトル演出を経てハズレる変動パターンが存在する。例えば、図18(h)に示した演出ボタン67を用いた演出に発展することなく、図18(f)の段階で「敗北・・・」「バトルタイム終了」と表示されてSTが終了する変動パターンもある。いずれの変動パターンが選択されるかは、変動パターン決定用乱数の値により決定される。また、ST中にハズレとなる場合には、変動テーブル3または4が選択されるが、その場合は、図17(a)の画面から、敵味方いずれのキャラクタも図17(b)或いは図17(c)のように拡大されることはなく、軽いパンチやキックを放ち合う様子が表示される。この表示を行なう処理が本発明の「継続画像表示手段」に相当する。
以上のように構成されたパチンコ機50によれば、STの終了契機となる最後の特別図柄の変動においては図17,18に示したようなバトル演出が必ず行なわれるため、遊技者は抽選結果(当否)に関心を抱くだけではなく、「外れればSTが終わってしまう」という緊張感を持って、そのリーチアクション(バトル演出)を体験することができる。しかもこのバトル演出は大当りになる際にも必ず行なわれ、それ以外の場合には決して行なわれないので、バトル演出が発生した際には、バトルに勝てば大当り、負ければST終了という勝負による落差の大きいリーチアクションを遊技者は体験することができる。そしてハズレの場合には、STの終了契機となる最後の特別図柄の変動時を除き、リーチアクションが一切行なわれないので、STを速やかに消化することができる。
また、仮にSTの終了契機が、例えば「特別図柄が30回変動したとき」と固定されていると、遊技者が「30回に満たない状態でバトル演出になったから大当りだ」と判断することができるが、STの終了契機が図14に示したように30種類もあるため、こうした判断が難しい仕様となっている。なお、特別図柄の変動が10回以内でSTが終わる図柄は、振分けが各5/250であり、振分が10/250である11回以上でSTが終わる図柄に比べて選択率が低く設定されている。これにより、10回以内にバトル演出が発生した場合には、11回以上でバトル演出が発生した場合に比べ、大当りとなる可能性が高いという判断は可能となっている。
ここで本実施例の構成・状態と、本発明および参考例の構成要件との対応関係を示す。第1始動口11および第2始動口12が本発明の「特別図柄始動口」に相当し、S315の処理が本発明の「特別図柄変動手段」に相当し、変動テーブル1が参考例の「当選変動テーブル」に相当し、変動テーブル2が本発明の「終了変動テーブル」に相当し、変動テーブル3および変動テーブル4が本発明の「継続変動テーブル」に相当し、S715〜S725の処理が本発明の「特典付与手段」に相当し、S295およびS305の処理が本発明の「変動パターン選択手段」に相当し、S290およびS310の処理が本発明の「特別図柄決定手段」に相当し、大当り決定用乱数および大当り図柄決定用乱数が本発明の「特別図柄決定用乱数」に相当し、確変機能が本発明の「特典」に相当し、図14において確変機能として表示されている特別図柄の変動回数が本発明の「規定回数」に相当し、図17および図18において各図の左上に表示されている3,8,7などの数字が演出図柄に相当し、これらを演出図柄表示装置6に表示する処理が本発明の「演出図柄表示手段」に相当し、図17(a)〜図17(e)、図18(f)〜図17(h)、及び図18(j)の画像を演出図柄表示装置6に表示する処理が参考例の「当選演出画像表示手段」に相当し、図17(a)、図17(b)、図17(d)、図18(f)、図18(h)、図18(i)の画像を演出図柄表示装置6に表示する処理が本発明の「終了演出画像表示手段」に相当する。なお、「当選演出画像表示手段」と「終了演出画像表示手段」とで重複している画像は、両演出画像表示手段の双方で表示される画像である。なお、第1実施例では時短機能を本発明の「特典」と解釈することもでき、その場合は図14において時短機能として表示されている特別図柄の変動回数が本発明の「規定回数」に相当する。
[実施例2]
本発明の第2実施例について図19〜21を用いて説明する。なお、本実施例は実施例1と共通点が多いため、異なる点のみを重点的に説明する。
まず、第2実施例における当り図柄と、各当り図柄が選択される確率と、各大当り図柄に対応して発生した大当りの後に遊技者に付与される特典等の内容を、図19に示す。本図は第1実施例の図14に相当するもので、図14との違いは、時短機能の終了契機が、当り図柄に関わらず特別図柄が30回変動することとなっている点である。これは図13のS735で時短回数として30がセットされることにより実現される。つまり、STが終了(確変機能が消滅)しても、時短機能は最大30回まで継続することになる。例えば図柄20で大当りとなった場合、大当り遊技の終了後、特別図柄が最大20回変動されるまで高確率状態が継続する(ST状態となる)。このST中、時短機能も作動するが、このST状態が終了しても更に10回、特別図柄が変動されるまで時短機能が継続する(図柄30は除く。図柄30は確変機能の終了契機が特別図柄が30回変動することであるため、STの終了と共に時短も終了する)。なお、大当り図柄決定用乱数の値から図柄1〜図柄30を決定する方法は第1実施例と同じである。そのため各図柄の振分けも第1実施例と同じ値となっている。
STが終了し、時短機能のみが残っている状態における変動パターンを決定する過程を図20,21に示す。なお、図20には遊技状態が確変かつ時短の場合、および通常状態(非時短状態)における変動テーブルの選定方法も示した。これらについては、各変動テーブルの内容も含め、第1実施例と同じである。遊技状態が通常(低確率)かつ時短状態(つまりSTによる高確率状態が消滅して時短状態のみが残った状態。図20では通常時短と表記)においては、大当り判定の結果が大当りであれば、変動テーブル11が選択される。大当り判定の結果がハズレの場合は、リーチ判定用乱数の値に基づいて変動テーブルを選択する。すなわちリーチ判定用乱数の値が0〜4であれば変動テーブル12が選択され、5であれば変動テーブル13が選択され、6〜228であれば、現在の第1保留記憶の数に基づいて選択する変動テーブルを変更する。すなわち、第1保留記憶の数が0または1であれば変動テーブル14が選択され、2〜4であれば変動テーブル15が選択される。
変動テーブル11〜15の概要は図21のようになっている。なお、変動テーブル1〜10の概要は第1実施例の図16と共通であり、また「○」「×」の意味も第1実施例と共通である。変動テーブル11は前述のように大当りとなる場合に選択される変動テーブルであるため、リーチアクションを行なう変動パターンのある変動テーブルとなっており、スーパーリーチを行なうので平均変動時間が60秒と長くなっている。当否判定の結果がハズレで、リーチ判定用乱数の値が0〜4の場合に選択される変動テーブル12は、スーパーリーチ以外のリーチアクションを行なう変動パターンを含んでおり、平均変動時間が25秒となっている。同じくリーチ判定用乱数の値が5の場合に選択される変動テーブル13は、スーパーリーチを行なう変動パターンを含んでおり、平均変動時間が55秒となっている。リーチ判定用乱数の値が6〜288の場合に選択される変動テーブル14,15についてはリーチアクションが行なわれることはない。そして変動テーブル3,4などと同様、第1保留記憶の数が多い場合(具体的には2〜4)に選択される変動テーブル15の方が、第1保留記憶の数が少ない場合(具体的には0〜1)に選択される変動テーブル14よりも平均変動時間が短くされている。
このように構成されたパチンコ機50によれば、第1実施例による効果に加え、STが終了(確変機能が消滅)しても、時短機能が最大30回作動するので、遊技の有利度(例えば確変機能が1回で終了した場合と30回で終了した場合)の落差を軽減することができる。
ここで本実施例の構成と、本発明の参考例の構成要件との対応関係を示す。なお、第1実施例と相当する構成が同じものについては省略した。ゲート17が参考例の「普通図柄始動口」に相当し、普通図柄表示装置7に表示される普通図柄を変動させる主制御装置80が参考例の「普通図柄変動手段」に相当し、S735の処理が参考例の「開放延長発生手段」に相当する。
[他の実施例]
第1実施例、第2実施例のいずれも、ST時以外にはバトル演出が発生しない仕様であったが、ST時以外の遊技状態においても、バトル演出が発生するように構成してもよい。但し、この場合もST中については、そのSTの終了契機である最後の特別図柄の変動と、当りと判定されたときのみ、バトル演出が表示されるようにする。この態様では、バトル演出を見た遊技者は、ST中にのみ、勝つと大当り、負けるとST終了という、落差の大きいリーチアクションを体験することができる。ST中以外にこのバトル演出を見た場合には、勝つと大当り、負けると単なるハズレという、従来どおりのリーチアクションを体験することになる。
また、ST中においても、バトル演出以外のリーチアクション(非バトル演出と呼ぶことにする)は出現するように構成してもよい。こうした構成にするには、変動テーブル3、4の少なくとも一方に非バトル演出を入れることになる。但しこれだけでは、非バトル演出が行なわれた際にはハズレが確定してしまうので、該非バトル演出と少なくとも導入部は同じで、大当りに至るリーチアクションを、変動テーブル1に入れることが望ましい。この場合には、バトル演出が出た場合のみ、前述した落差の大きいリーチアクションを体験することができ、前記非バトル演出が出た場合は、図柄が揃えば大当り、揃わなければ単なるハズレ(ST継続)という、従来機のST中のリーチアクションを体験することになる。
また、第1実施例、第2実施例のいずれも、「勝つと大当り、負けるとST終了」という、落差の大きいリーチアクションはバトル演出であったが、バトル演出以外のリーチアクションを、このような落差の大きいリーチアクション(ST終了演出と呼ぶことにする)にしてもよい。この場合も、第1実施例、第2実施例と同様、ST中のハズレとなる特別図柄の変動(STの終了契機となる最後の特別図柄の変動を除く)では、ST終了演出は一切おこなわず、STの終了契機となる最後の特別図柄の変動、およびST中の当りとなる特別図柄の変動では必ずST終了演出を行なうようにするとよい。