以下に本発明の好適な実施形態について説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々の形態を採ることができ、各実施例に記載された内容を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
[実施例1]
図1に示すように、弾球遊技機の一種であるパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて構成の各部を保持する構造である。外枠51の左側上下には、ヒンジ53が設けられており、該ヒンジ53の他方側には図3に記載する内枠70が取り付けられており、内枠70は外枠51に対して開閉可能な構成になっている。前枠52には、板ガラス61が取り外し自在に設けられており、板ガラス61の奥には図2に記載する遊技盤1が内枠70に取り付けられている。
前枠52の上側左右及び外枠51の下側左右には、スピーカ66が設けられており、パチンコ機50から発生する遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また、遊技者の趣向性を向上させるために前枠52に遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65も複数設けられている。前枠52の下方には、上皿55と下皿63が一体に形成されている。下皿63の右側には発射ハンドル64が取り付けられており、発射ハンドル64を時計回りに回動操作することによって発射装置(図示省略)が可動して、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
下皿63の左側には、遊技者が操作可能な演出ボタン67が備えられており、遊技者が所定期間中に、演出ボタン67を操作することで後述する演出図柄表示装置6に表示される内容が変化したり、スピーカ66より出力される遊技音が変化したりする。また、このパチンコ機50はいわゆるCR機であって、プリペイドカードの読み書き等を行うためのプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属しており、パチンコ機50には、貸出ボタン57、精算ボタン58及び残高表示器59を有するCR精算表示装置が備わっている。
図2は、本実施例のパチンコ機の遊技盤1の正面図である。なお、このパチンコ機の全体的な構成は公知技術に従っているので図示及び説明は省略する。図2に示すように遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が設けられている。この遊技領域3には多数の遊技釘4が打ち付けられている。
遊技領域3のほぼ中央部には、センターケース5が配されている。センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置6(液晶表示装置であり擬似図柄を表示する)の画面を臨ませる窓等を備えている。 センターケース5の右方には、ゲート17と第2始動口12とがユニット化された複合入賞装置が配置されている。第2始動口12は開閉可能な翼片を供えた普通電動役物を備えており、この翼片が開放しないと遊技球は規制部材40に阻害され、第2始動口12に入球できない構成となっている。
複合入賞装置の下方にはアタッカー式の第1大入賞口14および第2大入賞口15(第2大入賞口15が上側)が配置されている。また、第1始動口11の左方には、第1左入賞口31、第2左入賞口32、及び第3左入賞口33が設けられ、第2大入賞口15の右側には右入賞口34が設けられている。なお、この第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、右入賞口34が、常時、入球率が変化しない一般入賞口である。
第1大入賞口14の右下には、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、普通図柄保留数表示装置8と、第1特別図柄表示装置9・第2特別図柄表示装置10、および第1特別図柄保留数表示装置18が配置されている。なお、第2特別図柄保留数表示装置は、備えていない。
また第1始動口11の下方には特定役物100が配置されている。特定役物100の拡大図を図3に示す。特定役物100の内側上部にはワープ出口101が設けられており、第2大入賞口15に入球した遊技球は全てワープ出口101から特定役物100内に流れ込む。そして、ワープ出口101から流出した遊技球は擂鉢状のクルーン102に到達し、何度かクルーン102上を周回して図示しない孔から落下し、振分け口103から流出する。振分け口103の下方には一対の振分け羽根105が設けられており、周期的に開閉している。振分け羽根105が開放されているとき(図3(b)の状態)に振分け口103から流出した遊技球は、特定領域106に入球し、これが特定入球口スイッチ106a(図5も参照)に検出されると、大当り(特別遊技ともいう)が発生する。振分け羽根105が閉鎖されているとき(図3(a)の状態)に振分け口103から流出した遊技球は、ハズレ口104に到達して大当りは発生しない。なお、特定役物100内に入った遊技球が特定領域106に到達する確率は、パチンコ機50の設置角度などにより変化するが約1/10となっている。
パチンコ機50の裏面は図4に示すとおり、前述した遊技盤1を脱着可能に取り付ける内枠70が前述した外枠51に収納されている。この内枠70には、上方から、球タンク71、タンクレール72及び払出装置73が設けられている。この構成により、遊技盤1上の入賞口に遊技球の入賞があれば球タンク71からタンクレール72を介して所定個数の遊技球を払出装置73により前述した上皿55に排出することができる。また、パチンコ機50の裏側には(図5も参照のこと)、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83、発射制御装置84、電源基板85が設けられている。
主制御装置80、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83は遊技盤1に設けられており、払出制御装置81、発射制御装置84、電源基板85が内枠70に設けられている。なお、図4では、発射制御装置84が描かれていないが、発射制御装置84は払出制御装置81の下に設けられている。また、球タンク71の右側には、外部接続端子78が設けられており、この外部接続端子78より、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータに送られる。なお、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子78には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠用(枠側(前枠52、内枠70、外枠51)から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いているが、本実施例では、一つの外部接続端子78を介してホールコンピュータへ遊技状態や遊技結果を示す信号を送信している。
このパチンコ機50の電気的構成は、図5のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するだけのためのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本実施例では発射制御装置84にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12a、普通図柄を作動させるゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、第1大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ14a、第2大入賞口15に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ15a、第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33に入球した遊技球を検出する左入賞口スイッチ31a、右入賞口34に入球した遊技球を検出する右入賞口スイッチ34a、特定領域106に入球した遊技球を検出する特定入球口スイッチ106aの検出信号が入力される。
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。
また主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置10及び普通図柄表示装置7の表示、第1特別図柄保留数表示装置18、及び普通図柄保留数表示装置8の点灯を制御する。
更に、主制御装置80は、第1大入賞口ソレノイド14bを制御することで第1大入賞口14の開閉を制御し、第2大入賞口ソレノイド15bを制御することで第2大入賞口15の開閉を制御し、普通電動役物ソレノイド(図5では普電役物ソレノイドと表記)12bを制御することで第2始動口12の開閉を制御する。また、振分け羽根ソレノイド105aを制御することで振分け羽根105を周期的に開閉させる。
主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールメインコンピュータ87に送られる。主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を稼働させて賞球を払い出させる。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出センサ21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出センサ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
なお、払出制御装置81はガラス枠開放スイッチ16a、内枠開放スイッチ16b、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力され、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
また、払出制御装置81はCRユニット端子板24を介してCRユニット56と交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払い出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、CRユニット端子板24は精算表示基板25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示基板25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン、精算を要求するための返却ボタン、残高表示器が接続されている。
また、払出制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。
なお本実施例では遊技球を払い出す構成であるが、入賞等に応じて発生した遊技球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技球を遊技領域3に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドルからの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止信号が入力される。回動量信号は、遊技者が発射ハンドルを操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドルを触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドルを触っていても遊技球は発射できないようになっている。
サブ統合制御装置83はサブ制御装置に該当し、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカ66からの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67が接続されており、遊技者がボタン67を操作した際には、その信号がサブ統合制御装置83に入力される。
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、擬似図柄等の演出画像を演出図柄表示装置6の画面6aに表示させる。
メインルーチンを図6に従って説明する。メインルーチンは、約2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される。本実施形態では、S10〜S70までの1回だけ実行される処理を「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS75の処理を「残余処理」と称する。「本処理」は上記割り込みにより定期的に実行されることになる。
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、たいていが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)が為され(S15)、残余処理(S75)に移行する。
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:yes)、初期値乱数更新処理が実行される(S20)。この処理は、初期値乱数の値についてこの処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、この処理実行前の初期値乱数の値に+1するが、この処理を実行する前の乱数値が最大値である「199」のときには次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「199」までの200個の整数を繰り返し昇順に作成する。
S20に続く大当り決定用乱数更新処理(S25)は、初期値乱数更新処理と同様に処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、最大値である「199」のときは次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「199」までの200個の整数を繰り返し昇順に作成する。なお、大当り決定用乱数の最初の値は、初期値乱数設定処理で設定された値となる。この値が150であったとすると、大当り決定用乱数は「150」「151」「152」・・・「199」「0」「1」・・・と更新されていく。
なお、大当り決定用乱数が一巡(200回、更新されること)すると、そのときの前記初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にし、大当り決定用乱数は、その初期値から+1するインクリメント処理を行う。そして、再び大当り決定用乱数が1巡すると、その時の初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にする動作を行なう。つまり、この一連の動作を繰り返し続けることになる。前述の例では大当り決定用乱数が「149」になると1巡であるから、「149」の次は前記初期値乱数の値となる。仮に初期値乱数の値が「87」だったとすると、「149」「87」「88」・・・「199」「0」「1」・・・「86」と変化していき、「86」の次は新たな前記初期値乱数の値となる。大当り図柄決定用乱数更新処理(S30)は「0」〜「1599」の1600個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
S30に続く当り決定用乱数更新処理(S40)は、「0」〜「199」の200個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、当選することとなる値の数は遊技状態に関わらず199個である。なお、この当り決定用乱数更新処理は普通図柄の抽選に使用し、その他の初期値乱数、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数は特別図柄の抽選に使用する。
リーチ判定用乱数更新処理(S45)は、「0」〜「228」の229個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、第1特別図柄と第2特別図柄とで、リーチとなる割合は異なっており、特2短縮状態(後述)では第1特別図柄はリーチとならず、非特2短縮状態では、リーチ判定用乱数が「0」〜「20」の場合にリーチとなる(ただし大当り決定用乱数が当りとなる値であった場合は必ずリーチとなる)。一方、第2特別図柄は、特2短縮状態であるか否かに関わらず必ずリーチとなる。つまり、リーチ判定用乱数を用いるのは、非特2短縮状態において、第1特別図柄の当否判定の結果がハズレであった場合に限られる。
変動パターン決定用乱数更新処理(S50)は、「0」〜「1020」の1021個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
続く入賞確認処理(S55)では、第1始動口11、第2始動口12の入賞の確認及びパチンコ機50に設けられ主制御装置80に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。本実施例では、遊技球が第1始動口11、第2始動口12に入賞すると大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数、リーチ判定用乱数など複数の乱数を取得されるのだが、保留記憶できる数を第1始動口11は4個まで、第2始動口12は無しとしており、保留記憶が満タンである4個のときに遊技球が第1始動口11に入賞しても賞球が払出されるだけで、前記複数の乱数は保留記憶されない構成になっている。
続いて、大当りか否かを判定する条件成立判定手段としての当否判定処理(S60)を行う。この当否判定処理(S60)が終了すると、続いて画像出力処理等の各出力処理(S65)が実行される。各出力処理(S65)では、遊技の進行に応じて主制御装置80は演出図柄制御装置82、払出制御装置81、発射制御装置84、サブ統合制御装置83、第1大入賞口ソレノイド14b、第2大入賞口ソレノイド15b等に対して各々出力処理を実行する。即ち、入賞確認処理(S55)により遊技盤1上の各入賞口に遊技球の入賞があることが検知されたときには賞球としての遊技球を払い出すべく払出制御装置81に賞球データを出力する処理を、遊技状態に対応したサウンドデータをサブ統合制御装置83に出力する処理を、パチンコ機50に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく演出図柄制御装置82にエラー信号を出力する処理を各々実行する。
続く不正監視処理(S70)は、普通入賞口(第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、右入賞口34)に対する不正が行われていないか監視する処理であり、所定時間内における入賞口への遊技球の入球が予め決定された規定数よりも多いか否かを判断して、多かった場合には不正と判断され、その旨を報知する処理である。つまり、不正判断手段は、主制御装置80に設けている。
本処理に続く前述の残余処理は、初期値乱数更新処理(S75)から構成されるが、前述したS20と全く同じ処理である。この処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで時間の許される限り繰り返し実行される。前述したS10〜S70までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行するか否か、特別図柄の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、図5に示された割り込み処理が1回実行されることにより初期値乱数に更新される値も一律ではなくなる。これにより、初期値乱数が大当り決定用乱数と同期する可能性は極めて小さくなる。大当り決定用乱数が1巡したときの、初期値乱数の値(0〜299の300通り)が、同程度に発生するとすれば、同期する確率はわずか1/300である。また、前述した当り決定用乱数更新処理(S40)も残余処理内において実行するよう構成しても良い。
S55の入賞確認処理は図7に示すようなもので、主制御装置80は、第1始動口スイッチ11aの検出信号に基づいて、第1始動口11に遊技球が入球したか否かを判断する(S100)。肯定判断なら(S100:yes)、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、第1保留記憶が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S105)。
第1保留記憶が満杯でなければ(S105:no)、上記の各乱数を第1保留記憶として記憶し、第1特別図柄保留数表示装置18の点灯数を1増加させ(S110)、本処理を終了(リターン)する。既に4個の第1保留記憶があれば(S105:yes)保留記憶せず、第1特別図柄保留数表示装置18の点灯数を増やすこともなく本処理を終了する。また、第1始動口11に遊技球が入球していない場合(S100:no)も、本処理を終了する。なお、第2始動口12への入球については、通常状態では発生せず、また保留記憶も存在しないので別処理で対応する。
図8〜9に示す第1特別図柄当否判定処理では、主制御装置80は、特別電動役物が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S150)。S150の判定が否定判断で、第1特別図柄が変動中でなく(S155:no)、確定図柄の表示中でもなければ(S160:no)、図9のS215に移行し、第1保留記憶(上記、S110による保留記憶)があるか否かを判断する(S200)。この保留記憶があれば(S215:yes)、第1保留記憶数をデクリメントし(S230)、変動中の特別図柄(ここでは第2特別図柄)が当り(大当り又は小当り)となるか否かを判定する(S240)。否定判断、すなわち大当りでも小当りでもなければS245に進む。
S245では保留記憶の中で最も古いものを読み込んで(その保留記憶は消去する)、読み込んだ大当り決定用乱数を確変テーブルに記録されている当り値と照合し、大当りか否かを判定し(S250)、肯定判定であれば(S250:yes)、大当り図柄決定用乱数によって当り図柄を決定する(S255)。そして、大当り図柄を決定すると、変動パターン決定用乱数によって変動パターンを決定する(S260)。S260の処理では第1特別図柄表示装置9に表示される第1特別図柄の大当り用の変動時間等の変動パターンを決定する。その後、大当り設定処理を行う(S265)。大当り設定処理とは決定した大当り図柄によって、大当り後の遊技状態(特2短縮状態の有無等)や大当り遊技にかかる情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)を取得する処理である。ここで特2短縮状態とは、第2特別図柄の平均変動時間が短縮された状態を指し、単に特2短縮ともいう。特2短縮状態について図20に示す。通常状態においては、第1特別図柄の平均変動時間は30秒、第2特別図柄の平均変動時間は600秒となっているのに対し、特2短縮状態においては、第1特別図柄の平均変動時間は通常状態と同じ30秒、第2特別図柄の平均変動時間は1秒となっている。
図9に戻る。S250において外れと判定された場合は、小当りか否かを判定する(S275)。小当りとは、最大1秒の第2大入賞口15の開放を1回行なうものである。なお、小当りは第1始動口11への入球を契機として抽出・保留された乱数については、1/200の確率で発生し、第2始動口12への入球を契機とする場合のみ発生し、大当りでない場合が全て小当りとなる。つまり小当り確率は198/200=約1/1.0101で発生する。S275が肯定判断であれば、小当り図柄を決定し(S280)、変動パターン決定用乱数によって変動パターンを決定する(S283)。小当り図柄の決定は、第1始動口11に入球したときに取得される大当り図柄決定用乱数によって行なわれる。小当り図柄は第1特別図柄においては小当り図柄1〜3の3種類が存在し、振分は小当り図柄1が50%、小当り図柄2が37.5%、小当り図柄3が12.5%となる(図21も参照。なお、図21では第1特別図柄および第2特別図柄をそれぞれ第1特図および第2特図と表記)。
小当りも外れのときは(S275:no)、S286に移行する。なお、S240にて肯定判断された場合(すなわち変動中の第2特別図柄が当たる場合)もS286に移行する。S286では、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数に基づいて変動パターンを決定する。こうしてS283またはS286により変動パターンが設定されると、特2短縮フラグが1か否かを判定(S290)し、肯定判断なら特2短縮回数を−1し、S296に移行する。否定判断(S290:no)ならそのままS296に移行する。特2短縮フラグが1とは、特2短縮状態が発生していることを示す。
S296では、上述の抽選結果を示すデータ、具体的には特別図柄、大当り、小当り、リーチ外れ(外れであるがリーチ表示有り)、リーチ表示無しの外れのいずれかを示すデータと変動時間を指定する変動パターンのデータが含まれる変動開始コマンド(表示制御コマンド)をサブ統合制御装置83に出力し、第2特別図柄当否判定処理を行なう。なお、S215が否定された場合は第2特別図柄当否判定処理(図10)に移行する。また、S296の処理により演出図柄表示装置6では演出図柄の変動表示が開始されるが、ほぼ同時に特別図柄の変動も主制御装置80によって開始される。
図10〜11に示す第2特別図柄当否判定処理では、主制御装置80は、特別電動役物が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S300)。S300の判定が否定判断で、第2特別図柄が変動中でなく(S305:no)、確定図柄の表示中でもなければ(S310:no)、図11のS315に移行し、第2始動口12(図11では第2特図始動口と表記)への入賞があったか否かを判定し、肯定判断(S315:yes)なら乱数抽出処理を行い(S330)、S340に進む。前述のように第2始動口12には、その翼片が開放されないと入賞せず、翼片が開放するのは、遊技球がゲート17を通過し、これを契機として普通図柄表示装置7において変動表示される普通図柄が当選した場合である。この当選確率は常に199/200となっている。普通図柄が当選すると第2始動口12の翼片が1回開放し、開放時間は最長各1秒間となっている(図19も参照)。また、乱数抽出処理(S330)の内容は、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込むものである。
S340では、変動中の特別図柄(ここでは第1特別図柄)が当り(大当り又は小当り)か否かを判定する。否定判断、すなわち大当りでも小当りでもなければS345に進む。S345では、S330で読み込んだ大当り決定用乱数を確変テーブルに記録されている当り値と照合し、大当りか否かを判定し(S350)、肯定判定であれば(S350:yes)、大当り図柄決定処理(S355)、変動パターン決定処理(S360)、大当り上方設定処理(S365)、遊技状態設定処理(S370)、特別図柄変動開始コマンド送信処理(S395)を行なう。なお、これらS355〜S370の各処理は、前述したS255〜S270の各処理を第1特別図柄の代りに第2特別図柄に対して行なうものである。
S350において外れと判定された場合は、小当りか否かを判定する(S373)。S373が肯定判断であれば、小当り図柄を決定し(S376)、変動パターン決定用乱数によって変動パターンを決定する(S380)。小当り図柄の決定は、第2始動口12に入球したときに取得される大当り図柄決定用乱数によって行なわれる。小当り図柄は第2特別図柄においては小当り図柄4の1種類が存在する(図21も参照)。なお、図21において小当り図柄4の特2短縮回数が記載されていないのは、小当り図柄4が表示された時の遊技状態に変化を与えないことを示している。例えば、特2短縮状態で、且つあと9回、特別図柄が変動すると該特2短縮状態が終了する場面で小当り図柄4が表示された場合、特2短縮状態は、更にあと8回(小当り図柄4が表示される変動が行なわれたことにより1回減少)、特別図柄が変動すると該特2短縮状態が終了する。一方、非特2短縮状態において小当り図柄4が表示された場合は、特2短縮状態は発生しない。
小当りも外れのときは(S373:no)、S383に移行する。なお、S340にて肯定判断された場合(すなわち変動中の第1特別図柄が当たる場合)もS383に移行する。S383では、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数に基づいて変動パターンを決定する。こうしてS380またはS383により変動パターンが設定されると、特2短縮フラグが1か否かを判定(S386)し、肯定判断なら特2短縮回数を−1し、S395に移行する。否定判断(S386:no)ならそのままS395に移行する。
S395では、上述の抽選結果を示すデータ、具体的には特別図柄、大当り、小当り、リーチ外れ(外れであるがリーチ表示有り)、リーチ表示無しの外れのいずれかを示すデータと変動時間を指定する変動パターンのデータが含まれる変動開始コマンド(表示制御コマンド)をサブ統合制御装置83に出力し、特別遊技処理を行なう。なお、S315が否定された場合はS395に直行する。また、S395の処理により演出図柄表示装置6では演出図柄の変動表示が開始されるが、ほぼ同時に特別図柄の変動も主制御装置80によって開始される。
図8のS155において第1特別図柄が変動中と判定された場合、または図10のS305において第2特別図柄が変動中と判定された場合には、図12のS170に移行し、図柄変動時間(S260、S283、S286、S360、S380、又はS383の変動パターンに基づく)を経過したか否かを判定する。否定判断(S170:no)であれば、第1特別図柄の当否判定処理であるか否かを判定する(S180)。肯定判断(S180:yes)であれば、図10のS300へと移行する。否定判断(S180:no)であれば、特別遊技処理を行う。
S170が肯定判断であれば対応した特別図柄の確定図柄表示処理(S175)を行なってから、S180に移行する。確定図柄表示処理では、確定図柄を表示する旨のコマンド(図柄確定コマンド)をサブ統合制御装置83に出力するとともに、特別図柄表示装置9,10にコマンドを出力して確定図柄にて停止させる。
図8のS160において第1特別図柄の確定図柄が表示中と判定された場合、または図11のS310において第2特別図柄の確定図柄が表示中と判定された場合には、図13のS400に移行し、確定図柄の表示時間が終了したか否かを判定する。否定判断(S400:no)であれば特別遊技処理を行い、肯定判断(S400:yes)の場合は、確定図柄の表示設定を行い(S405)、確定表示された特別図柄が大当りになる図柄か否かを判定する(S410)。肯定判断された場合(S410:yes)は、他方の特別図柄変動終了処理に移行する(S420)。本実施例では、「一方の特別図柄」とは、大当りを示す図柄で確定表示された特別図柄をいい、「他方の特別図柄」とは、大当りを示す図柄で確定表示された特別図柄ではない、特別図柄をいう。
S420の処理では、第2特別図柄が確定表示された場合には第1特別図柄が変動中であるか否かを確認して、変動中であれば該変動を停止させて確定表示させる。第1特別図柄が確定表示された場合には第2特別図柄が変動中であるか否かを確認して、変動中であれば該変動を停止させて確定表示させる。確定表示された特別図柄が何れであっても、変動中の特別図柄が当たる場合(ここでは大当り)には、他方の特別図柄はハズレと判定される(第1特別図柄ならS240において否定判断されてS286に至る処理による。第2特別図柄ならS340において否定判断されてS383に至る処理による)ので、ここではハズレ図柄で停止されることになる。なお、主制御装置80からサブ統合制御装置83へと外れ図柄停止指定コマンドが送信される。S420の処理後、特2短縮フラグが1か否かを判定する(S425)。肯定判断(S425:yes)であれば、S430にて特2短縮フラグを0にし、S435に移行する。特2短縮フラグが1でなければ(S425:no)、そのままS435に移行する。S435では、条件装置作動開始処理により、大当りフラグをセットする。続くS440にて役物連続作動装置を作動させ、S445にて大当り開始演出処理を行なう。役物連続作動装置が作動されると、特別電動役物を連続して作動させることが可能となり、特別電動役物が作動すると、第1大入賞口14が開放される。大当り開始演出処理では、大当り遊技を開始するコマンド及び大当り遊技に係る情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)をサブ統合制御装置83に送信する。なお、本実施例の遊技機では、大当りはすべて15ラウンドであるが、ラウンド数もサブ統合制御装置83に送信される。大当り開始演出処理が終了すると、特別遊技処理を行なう。
S410で、確定表示させた特別図柄が大当りになる表示でないと判定された場合は、S450で特2短縮フラグが1か否かを判定し、1であれば(S450:yes)、特2短縮回数が0か否かを判定する(S455)。特2短縮回数が0であれば(S455:yes)、S460にて特2短縮フラグを0にしてS463に移行する。特2短縮フラグが1でないとき(S450:no)又は特2短縮回数が0ではないとき(S455:no)はそのままS463に移行する。S463では、確定表示された特別図柄が小当りになる図柄か否かを判定し、肯定判断であれば(S463:yes)、他方の特別図柄変動終了処理(S465)を実行する。S465の処理内容はS420と同様である。続いてS470に移行し、特別電動役物作動開始処理を実行し、S475にて小当り開始演出処理を行ない、特別遊技処理を行なう。確定表示された特別図柄が小当りになる図柄でない場合(S463:no)はそのまま特別遊技処理を行なう。
図14に示す特別遊技処理では、主制御装置80は、役物連続作動装置が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S500)。役物連続作動装置が作動中なら(S500:yes)、第1大入賞口14が開放中か否かを判断する(S505)。第1大入賞口14が開放中でない場合は(S505:no)、ラウンド間のインターバル中により第1大入賞口14が閉鎖しているのか判断する(S510)。インターバル中でもない場合は(S510:no)、大当り終了演出中であるか判断する(S515)。これも否定判断の場合は(S515:no)、今から大当り遊技を開始する演出に要する時間が経過したか否かを判定する(S520)。大当り開始演出時間が経過した場合は(S520:yes)、第1大入賞口開放処理(S525)を行なって本処理を終了(リターン)する。
S505で第1大入賞口14が開放中であると判定された場合は、図15のS530に進み、第1大入賞口14に10個入賞したか否かを判定する。なお、本実施例では10個だが、9個、8個でもよく、特に限定するものではない。第1大入賞口14に10個入賞した場合(S530:yes)にはS540に進み、第1大入賞口14を閉鎖する。そして大当りインターバル処理(S545)を行なって、特別遊技処理を終了する。第1大入賞口14に10個入賞していない場合(S530:no)にはS535に進み、第1大入賞口14の開放時間が終了したか否かを判定する。本実施例では、大当りの場合は各ラウンドの最大開放時間は29秒に設定している。無論、この秒数に限定するものではない。開放時間が終了した場合(S535:yes)には、S540に合流し、終了していない場合(S535:no)は特別遊技処理を終了する。
図14のS510でインターバル中であると判定された場合は、図16のS550に進み、大当りインターバル時間が経過したか否かを判定する。インターバル時間が経過している場合(S550:yes)は、直前に第1大入賞口14が開いていたのが最終ラウンドか否かを判定する(S555)。最終ラウンドであれば(S555:yes)、大当り終了演出処理(S560)を行い、特別遊技処理を終了する。最終ラウンドでなければ(S555:no)、再び第1大入賞口14を開放する処理(S565)を行い、特別遊技処理を終了する。なお、大当りインターバル時間が経過していないと判定された場合(S550:no)には、そのまま特別遊技処理を終了する。なお、第1大入賞口14を開放・閉鎖する処理においては、サブ統合制御装置83にも信号を送信する。サブ統合制御装置83は、その信号に基づいて、現在のラウンドを把握し、該ラウンドに応じた演出を行なう。
図14のS515で大当りの終了演出中であると判定された場合は、図17のS570に進み、大当り終了演出時間が経過したか否かを判定する。大当り終了演出時間が経過した場合には(S570:yes)、役物連続作動装置の作動を停止し(S575)、条件装置の作動を停止する(S580)。そして、特2短縮設定フラグが1か否かを判定する(S585)。肯定判断の場合(S585:yes)は、特2短縮回数(本実施例では100)を設定し(S590)、特2短縮フラグを1に設定し(S595)、S600に移行する。特2短縮設定フラグが1ではない場合(S585:no)はS600に直行する。S600では、大当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理(S600)を行ない、特別遊技処理を終了する。S570で大当り終了演出時間が経過していないと判定された場合(S570:no)も特別遊技処理を終了する。
図14で役物連続作動装置が作動していないと判定された場合(S500:no)には、図18に示す小当り遊技処理を実行する。本処理が起動すると、S605にて特別電動役物が作動中であるか判断し、作動中であれば(S605:yes)、小当り開始演出中か否かを判定する(S610)。肯定判断の場合(S610:yes)、小当り開始演出の時間が経過したか否かを判定し(S615)、肯定判断(S615:yes)なら第2大入賞口開放処理を行なって当処理を終了(リターン)する。なお、特別電動役物が作動中ではないと判定された場合(S605:no)、または小当り開始演出の時間が経過していないと判定された場合(S615:no)にも当処理を終了する。
S610で小当り開始演出中ではないと判定された場合には、第2大入賞口15が開放中か判断する(S625)。肯定判断の場合(S625:yes)は、第2大入賞口15に10個入賞したか否かを判定する。否定判断(S630:no)なら、第2大入賞口15の開放時間(1秒)が経過したか否かを判定する。第2大入賞口15の開放時間が経過していなければ(S635:no)、当処理を終了する。第2大入賞口15の開放時間が経過していた場合(S635:yes)または第2大入賞口15に10個入賞していた場合(S630:yes)は、S640に移行し、第2大入賞口15を閉鎖(S640)してから当処理を終了する。
S625で、第2大入賞口15が開放中ではないと判定された場合には、S645に進み、特定領域106に入球したか否かを判定する。否定判断の場合(S645:no)は、小当り終了時間が経過したか否かを判定する(S650)。肯定判断(S650:yes)なら、特別電動役物の作動を停止させ(S652)、小当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信(S654)してS656に移行する。小当り終了時間が経過していない場合(S650:no)はそのままS656に移行する。S656では当処理が第1特別図柄の小当り遊技処理であるか否かを判定する。肯定判断(S656:yes)であれば、特2短縮回数(小当り図柄1が表示されて小当りになった場合は4、小当り図柄2が表示された場合は9、小当り図柄3が表示された場合は19。図21も参照)を設定し(S660)、特2短縮フラグを1に設定し(S663)、小当り遊技処理を終了する。S656が否定判断(つまり第2特別図柄の小当り遊技処理)であれば、そのまま小当り遊技処理を終了する。
特定領域106に入球したと判定された場合(S645:yes)は、S665にて大当り情報を設定し、遊技状態を設定して(S670)他方の特別図柄変動終了処理(S673)を実行する。S665,S670はそれぞれS265,S270と同じ処理である。また、S673の処理内容はS420と同様である。そして特2短縮フラグが1か否かを判定(S675)し、肯定判断なら特2短縮フラグをゼロにし、S685に移行する。否定判断(S675:no)ならそのままS685に移行する。S685では、条件装置作動開始処理を行い、続くS690にて役物連続作動装置を作動させ、S695にて大当り開始演出処理を行なって当処理を終了する。これらS685〜S695の一連の処理は、前述した当否判定処理のS435〜S445の処理と同じである。役物連続作動装置が作動(S690)されることにより、特別電動役物が作動するので、図8の当否判定処理においてS200が肯定判断され、特別遊技処理が開始される。つまり、小当り遊技処理によれば、第2大入賞口15を開放し、この開放された第2大入賞口15に遊技球が入賞し、更に特定領域106に入球すると、大当りが発生する。
以上、説明した遊技機における遊技の流れは次のようになる。通常状態において、第1始動口11に入賞すると、1/200の確率で第1特別図柄が当選し、大当りが発生する(第1大入賞口14が15回開閉される)。大当りが発生すると、50%の確率(図19参照)でその終了後に特2短縮状態となる。なお、これに反し、通常状態でゲート17を通過させると、普通図柄が199/200の確率で当選し、第2始動口12の翼片が開放するが、第2始動口12の賞球は1個(図19参照)であるため、遊技者にとって非常に割の合わない遊技となる。しかも第2始動口12に入球したことにより変動が始まる第2特別図柄は、平均変動時間が600秒となっている(図20参照)ので、第2特別図柄の大当りや、第2特別図柄の小当りに起因して発生する大当りを得るには非常に時間効率が悪い仕様となっている。なお、図19には記載がないが、通常状態において第2始動口への入球に起因して発生した大当りは、該大当り後に特2短縮状態に突入する確率が0%という、遊技者にとって極めて不利な条件となっている。従って通常状態において遊技者は、第1始動口11を狙って遊技することになる。
第1始動口11への入球に起因して大当りが発生すると、演出図柄表示装置6にて演出図柄が当り態様にて停止され、第1大入賞口14が15回開閉される大当りが開始される。該大当りの後に特2短縮状態に突入する確率は50%(図19参照)となっている。該突入に失敗した場合は、遊技状態は通常状態のままとなり、突入に成功した場合は、更に特別図柄(第1・第2を問わない)が最大100回変動されるまで特2短縮状態となる。特2短縮状態においては、第2特別図柄の平均変動時間が1秒に短縮され、右打ちした方が遊技者にとって有利な状態となる。すなわち、右打ちを行なうと、通常状態と同様、高い確率で普通図柄が当選し、第2始動口12の翼片が開放する。第2始動口12に入球すれば第2特別図柄が変動するが、第2特別図柄の平均変動時間が1秒に短縮されているため、間もなく198/200の確率で小当りが発生し、第2大入賞口15が1秒開放する。第2大入賞口15の賞球は10個であるため、1個入るだけでも遊技者の持ち球が増えていく。更に、第2大入賞口15に入った遊技球が特定領域106に入球すれば、大当りが発生し、第1大入賞口14が15回開閉される。しかも第2始動口への入球に起因する大当り(特定領域106入球を起因とするものも含む)は該大当り後に75%の確率で特2短縮状態となる(図19参照)。この状態は大当り後に非特2短縮状態(25%の確率)となるまで継続する。
更に、パチンコ機50は、第1始動口11への入球に起因して特定領域106に入球させることも可能に構成されている。これについて図22を適宜参照して説明する。図22(a)〜(d)はいずれも演出図柄表示装置6に表示された演出の一例を示すものである。図22(a)は、第1始動口11への入球に起因して演出図柄91が変動している様子を示している。なお、符号93は第1特別図柄の保留記憶を示しており、図22(a)では保留記憶が2個あることを示している。第1始動口11への入球に起因して小当りが発生すると、演出図柄91が例えば「135」という態様で停止する(図22(b))。なお、「135」は小当り図柄1に対応した演出図柄91の表示態様であり、小当り図柄2に対応した演出図柄91の表示態様は「357」、小当り図柄3に対応した演出図柄91の表示態様は「579」となっている。小当りに対応した演出図柄91の表示態様が演出図柄表示装置6に表示されると、引き続き図22(c)に示すように「Vロード チャンス!!!!」と表示され、第1特別図柄の小当りが発生することが、遊技者に報知される。更に引き続いて図22(d)に示すように右打ちを促す表示が為される。これが第1特別図柄の小当り開始演出である。小当り開始演出が終了すると、第2大入賞口15が1秒間、1回開放される。なお、図22(d)の下段に「チャンスは5回」と表示されているのは、第1特別図柄が小当りしたことによる1回と、第1特別図柄表示装置9に表示された特別図柄が小当り図柄1であったことによる4回を加えた値に対応している。第1特別図柄表示装置9に表示された小当り図柄2であれば演出図柄表示装置6に「チャンスは10回」と表示され、第1特別図柄表示装置9に小当り図柄3が表示された場合には演出図柄表示装置6に「チャンスは20回」と表示される。
小当り図柄1が第1特別図柄表示装置9に表示されると、更に最大4回小当り(第1特別図柄・第2特別図柄を問わない)が発生するまで特2短縮状態となり、遊技者にとって右打ちが有効な状態となる。図22(e)は第2特別図柄の小当りにより第2大入賞口15が開放したものの、特定領域106に入球し損ねた様子を示している。この演出は、サブ統合制御装置83が小当り終了コマンド(S600により送信)を受信することにより行われる。小当りが発生されたことによりチャンスは1回減って「あと4回」となった旨が表示されている。なお、画面の右上に表示されているのは、第2特別図柄の小当り図柄4に対応した演出図柄95である。つまり小当り図柄4に対応した演出図柄95の表示態様は「531」となっている。また、図22(b)で第1特別図柄が確定表示されたことにより、第1特別図柄が新たに変動可能となり、保留記憶が1個消化され、図22(e)では保留図柄93が1個となっている。
図22(f)は更に小当りが発生したものの、特定領域106に入球し損ねた様子を示しており、チャンスは更に1回減って「あと3回」となっている。なお、図22(f)で第1特別図柄の保留記憶が1個のままであるが、これは第1特別図柄の平均変動時間が遊技状態に関わらず30秒であって第2特別図柄の平均変動時間よりも長くなったことによる。すなわち、図22(e)で行なわれていた第1特別図柄の変動表示が終了する前に、新たに第2始動口12への入球が発生し、その変動表示(平均変動時間が1秒)の結果が小当りだったが、特定領域106に入球し損ね、この間も同じ保留記憶に対応する第1特別図柄が変動され続けていることを示している。
図22(g)は小当りが発生し、特定領域106に入球した様子を示しており、演出図柄表示装置6の画面に大きく「V」と表示される。引き続き該画面には図22(h)のように表示され、第1大入賞口14が15回開閉される大当りが発生することを遊技者に報知する。なお、該大当りが発生すると、S673の処理により第1特別図柄はハズレ図柄で強制停止される。図22(g)に反して、特定領域106に入球し損ね、更に2回の小当りが発生し、いずれも特定領域106に入球し損ねた場合には、特2短縮状態は終了し、通常状態に戻る。この結果、遊技者にとって右打ちが不利な状態となり、左打ちに戻すことになる。また、このように小当りが4回(第1特別図柄の小当りも含めると5回)発生すると、S463の処理により、第1特別図柄がハズレ図柄で強制停止される。なお、ここでは、第2特別図柄が4回変動した結果、全て小当りとなり、その間、第1特別図柄の変動が終了することはなかったと仮定して説明した。
これに反し、第1特別図柄の変動が確定し、ハズレとなった場合は、S293の処理により特2短縮回数が1消費される。珍しいケースであるが、第1特別図柄で再び小当りとなった場合は、該小当り図柄に応じた回数(図21参照)の特2短縮状態が改めて設定される。同じく珍しいケースであるが、第1特別図柄が大当りとなった場合は、第2特別図柄の変動がハズレの態様で強制停止される。なお、第2特別図柄が変動すると、1/200の確率で外れるが、その場合には、演出図柄表示装置6の画面の略中央に、第2特別図柄の演出図柄95が変動している様子が大きく表示され、やがて図23(b)に示すように、左と右の図柄が同じ数字(ここでは3)となる、いわゆるリーチ状態となり、引き続き中の図柄が異なる数字(ここでは5)で停止する。この場合、第2大入賞口15が開くことはなく、特2短縮回数が1消費され、図23(d)に示すような画像が演出図柄表示装置6に表示される。第2特別図柄の演出図柄95は画面の右上に小さく表示される状態に戻る。また、第2特別図柄の変動の結果、大当りになることもある(確率1/200)。その場合も図23(a)の状態を経て図23(b)のようなリーチ状態となるが、やがて図23(e)に示すように中の図柄も同じ数字(ここでは3)で停止する。引き続き図23(f)に示すような画像が演出図柄表示装置6に表示され、第1大入賞口14が15回開閉される大当りが発生する。この場合も第1特別図柄はハズレ図柄で強制停止される(ただしこの場合はS420の処理)。
以上のように構成された遊技機によれば、第1特別図柄で小当りが発生した場合にも、第2特別図柄の平均変動時間が短くなるため、遊技者は大当りを狙うことが出来る。しかも第2特別図柄の平均変動時間が短くなる期間は、更に4回〜19回(小当り図柄による)、小当りが発生するまで継続するため、2種遊技を満喫することができる。そしてこのように小当り図柄により、第2特別図柄の平均変動時間が短くなる期間が異なるので、小当り図柄の種類にも興味を持たせることが可能となる。また、第2特別図柄の小当りでは、変動時間変更手段の作動を維持するだけであるので、特図1の小当りや大当りで決定された期間から、変更されることはなく、一定期間のチャンスを与えることになる。
更に、小当りが所定回数(例えば小当り図柄1が表示された場合は4回)発生し、特定領域106に入球し損ねた場合に、第1特別図柄が変動中であると、S463の処理により該変動が強制停止されるので、第1特別図柄の変動が終了するのを待つ必要がない。従って左打ちに戻った際には速やかに通常遊技を再開することができる。
ここで本実施例の構成・状態と、本発明の構成要件との対応関係を示す。「特2短縮状態」が本発明の「短縮状態」に相当し、S660の処理が本発明の「変動時間変更手段」に相当し、S460の処理が本発明の「短縮状態終了手段」に相当する。
[実施例2]
本発明の第2実施例について図24を用いて説明する。なお、本実施例は実施例1と共通点が多いため、異なる点のみを重点的に説明する。
図24は第1特別図柄当否判定処理の一部を示すもので、実施例1の図9に相当するものである。図9に示した処理との違いは、S240の判定において大当りだけでなく小当りも判定対象となっている点と、S290およびS293の処理がない点である。当処理によれば、たとえ特2短縮状態において第1特別図柄が新たに確定表示されてそれがハズレであっても、S293の処理がないので特2短縮回数が消費されることがなく、特2短縮回数は第2特別図柄の変動によってのみ消費される。
以上のように構成された遊技機によれば、第1特別図柄が小当りになったことにより発生した特2短縮状態は、小当り図柄に応じて付与された回数だけ、確実に第2特別図柄が変動される(途中で特定領域106に入球した場合は除く)ので、特2短縮状態において第1特別図柄が変動されたり停止されたりするのを気にしなくて済む。
[他の実施例]
前記実施例ではいずれも第2特別図柄にハズレが存在したが、第2特別図柄からハズレをなくしてもよい。この場合、例えば大当りが1/200で発生し、小当りが199/200で発生するように構成することが考えられる。ハズレがない構成では、小当り図柄に応じて付与された回数だけ、確実に第2特別図柄の小当りが発生され(途中で特定領域106に入球した場合は除く)、大当りを狙うことができる。この場合、図11の処理において、S340を廃止するとよい。なお、第2特別図柄にハズレが存在しない構成において、第2特別図柄が当たる場合の演出は、図23(a)、図23(b)のように当りハズレを煽ることなく、大当り図柄を表示させるとよい(例えば図23(a)の画像から図23(e)をいきなり表示する)。また、小当りの一部をハズレとして扱い、図23(b)の画像から図23(c)を表示する構成としてもよい。
実施例1と実施例2を適宜組わせた構成としてもよい。また、特2短縮状態の終了条件としてカウントするのは第2特別図柄の変動のみであるが、第2特別図柄で小当りが発生した場合に、第1特別図柄の変動を停止するのは、特2短縮状態が終了することとなる変動のみとしてもよい。また、特2短縮状態の終了条件としてカウントするのは、第2特別図柄が小当りになった場合のみとしてもよい。このように構成すると、例えば小当り図柄1で小当りとなった場合には、第2特別図柄で4回小当りになるまで、特2短縮状態が続くことになり(途中で特定領域に入球した場合は除く)、遊技者に確実に4回(第1特別図柄の小当りを加えると5回)、特定領域に入球させるチャンスを付与することができる。
また、前記何れの実施例においても、第1特別図柄の小当り図柄が複数あり、小当り図柄の違いに応じて付与される特2短縮状態の期間が変化したが、特2短縮状態の期間は1種類のみとしてもよい。こうすると、小当り図柄の違いに応じて生じる遊技興趣は失われるが、通常状態において2種遊技が発生する可能性は維持することができる。また、前記何れの実施例においても、小当りの場合に第2大入賞口15を開閉する回数は1回であったが、複数回でも構わない(ただし大当りの場合に第1大入賞口14が開閉される回数よりも少ないことが必要)。
なお、前記何れの実施例においても、第1特別図柄が小当りとなった際には、第2大入賞口15が開放されていたが、第1大入賞口14を開放してもよい。このように構成すると、第1特別図柄の小当りでは大当りを発生できないものの、その後に発生する特2短縮状態により大当りの発生を狙うことができる。ただしこの構成では、前記実施例に比べると、Vロードチャンスにおけるチャンスは1回減ることになる。また、前記何れの実施例も、大当り又は小当りが発生することにより、他方の変動を強制的に停止する構成であったが、他方の変動を中断し、大当り又は小当りが終了することにより、変動を再開する構成としてもよい。その場合は、他方の変動が大当り又は小当りでも、当方をハズレにする構成(すなわち、S240やS340の処理を行なわない構成)とする必要はない。
また、前記実施例ではいずれも、パチンコ機50は払出制御装置81を備え、払出装置73により遊技球を払い出すものであったが、このような実体のある遊技球を払い出さずに、賞球数に対応する数値データを遊技者に付与する遊技機に本発明を適用しても良い。なお、こうした遊技機では、発射に用いる遊技球を遊技機内で循環して繰り返し用いるように構成されるのが一般的である。