JP2013226404A - 弾球遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】始動入賞に起因して発生された当否判定用の乱数が記憶されている数を保留図柄の数により表示し、該保留図柄を変化させることにより当否判定の結果を遊技者に示唆する弾球遊技機において、今までにない遊技興趣を遊技者に与える。
【解決手段】本発明の遊技機においては、保留図柄ごとに信頼度が設定されており、保留記憶が発生して保留図柄を画像表示装置に表示する際に保留図柄表示音をスピーカから発生させる場合がある。保留図柄発生音は複数あり、発生されると必ず保留図柄が変化する音、保留図柄が信頼度の高い保留図柄に変化する場合に発生されやすい音等がある。従って、保留記憶の発生時点で、その保留図柄が別の信頼度の保留図柄に変化するのか否か、変化するとすれば信頼度が上がるのか下がるのかを遊技者に報知できる。
【選択図】 図19

Description

本発明は、パチンコ機に代表される弾球遊技機に関するものであり、特にその遊技盤に始動口を備え、各始動口に遊技球が入ったことを起因として大当り抽選に用いる乱数を抽出し、該抽選を行なえない状況では該乱数を所定個数まで記憶すると共に、その記憶した乱数の個数を画像表示装置に表示する遊技機に関するものである。
近年の多くのパチンコ機では、始動口への入球を契機に特別図柄の変動が開始され、入球が検出された際に取得した乱数の値に応じ、当たり態様で停止したり、はずれ態様で停止したりする。既に変動表示が開始している等の理由により、始動口への入球があったにも関わらず、新たな変動表示を開始できない場合には、所定個数(例えば4個)までこの入球を記憶(保留)し、特別図柄が変動表示可能になるのを待って、順次、保留した入球に対応する特別図柄の変動を行なう(保留を消化する)ように構成されている。なお保留の数は、ランプでの表示や、該ランプでの表示と同期して同じ数の図柄(保留図柄)を液晶表示装置の画面内で表示することによって示され、遊技者が認識できるようにされている。
以前より、始動口への入球を検出した際に、その入球に対応する特別図柄の変動やその停止を待たずに、前記乱数が当たりか否かを判定(先読み判定)する遊技機が知られている。こうした判定をすることにより、対応する入球の保留図柄を通常とは異ならせる(ここでは保留予告という)ことにより遊技者の期待感を高めることも行なわれている。例えば、通常、3個の保留がある場合には液晶画面にリンゴを3個表示することで表現するが、保留予告をする際には、対応するリンゴだけをバナナに変えたり、対応するリンゴだけが揺れるようにしたりする。もちろん、先読み判定の結果がハズレであっても所定の確率で保留予告を行なっても良く、こうすることにより例えば、保留図柄がバナナの場合は50%の確率でその保留は当たり、保留図柄のリンゴが揺れた場合は100%当りなどといった予告を行なうことができる。
更に、表示された保留図柄を途中で他の保留図柄に変更するといったことも行なわれている。例えば、特許文献1には、メイン基板(遊技制御基板)における処理負担が増大しないように、演出制御装置に予告を行なうか否かを判定する予告判定手段、表示する保留表示画像の表示態様を変化させるパターンを複数種類の中から選択する保留表示変化パターン選択手段を備えた構成が記載されている。具体的には、通常と異なる保留表示を行い、その後、保留記憶数の減少に伴って前記通常とは異なる保留表示を大当りとなる可能性・信頼度が高くなる予告保留表示態様に変化させる(昇格パターン)構成が記載されている。更に、[0226][0227]には、逆に、保留記憶数の減少に伴って大当りとなる可能性・信頼度が低くなる予告保留表示態様に変化させる(降格パターン)を設けてもよいことが記載されている。ここで信頼度とは、大当りになる場合の演出(ここでは保留図柄)の出現率とハズレになる場合の同演出の出現率を合算した全体出現率に対する、大当りになる場合の同演出の出現率の割合を示すものである。このため、信頼度は、全体出現率に対して大当りになる場合の出現率の割合が高いほど高くなる。信頼度を設定するための出現率は、各保留図柄に対して振り分けられる保留図柄振り分け用乱数の振分態様(振分個数)によって規定することができる。
また、特許文献2は、「保留予告が発生すると、遊技者はその保留予告に対応する保留記憶が消化されるまで遊技球の発射を行なわず、稼働率が下がる」という問題を解決する発明であるが、遊技球が始動口に入球時に保留予告を発生させ、その後に発生した保留記憶によって、発生させた保留予告を変化させることが記載されている。また、保留予告演出を変化と共に効果音を発生させても良いことが記載されている。
特開2004−187702号公報 特開2010−110402号公報
しかしながら、前記特許文献のように保留予告では、保留図柄が表示された後、その保留図柄が変化するのを待つだけであるので、遊技者の感情は一定であり、面白みに欠けるという課題が存在していた。
本発明は係る課題に鑑みなされたものであり、複数の保留図柄から選択して保留図柄を表示することにより遊技者に信頼度を報知する遊技機において、保留図柄を変化させる予告演出に新たな面白みを付加することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の本発明は、遊技球の始動口への入球に起因して抽出された乱数に基づき大当り抽選を行なう主制御装置と、該主制御装置からの通知をもとに複数の演出の中から表示する演出を選択するサブ制御装置と、該サブ制御装置からの指令に基づいて音を発するスピーカとを備える弾球遊技機であって、前記主制御装置は、前記乱数を複数記憶可能な保留記憶手段と、該保留記憶手段に記憶された前記乱数を参照して前記大当り抽選を行なう抽選手段と、前記大当り抽選が行なわれる前に、前記保留記憶手段に記憶された前記乱数を参照して、該乱数が特定値か否かを示す先読み判定結果を前記サブ制御装置に送信する先読み結果送信手段と、前記保留記憶の発生および消化に関する情報を含む保留情報を前記サブ制御装置に送信する保留情報送信手段とを備え、前記サブ制御装置は、前記保留情報に基づき、保留記憶の数に対応する数の保留図柄を画像表示装置に表示する保留図柄表示手段を備え、該保留図柄は信頼度(前記保留図柄表示手段により前記画像表示装置に表示された際に該保留図柄に係る前記乱数に基づく前記大当り抽選が当選する確率)が異なるものが複数種類存在する弾球遊技機において、前記サブ制御装置は、前記保留図柄表示手段により前記画像表示装置に表示される前記保留図柄を、該表示中に前記信頼度が異なる別の保留図柄に変化させる変化演出を行なうか否かを判定する変化演出判定手段と、前記保留記憶が発生した旨を示す前記保留情報を受信すると、保留図柄表示音を前記スピーカから発する保留図柄表示音発生手段とを備えたものであり、前記保留図柄表示手段は、前記変化演出判定手段により前記変化演出を行なうと判定された場合には、前記信頼度を示す前記保留図柄である最終図柄を表示するに先んじて、該最終図柄とは異なる信頼度の前記保留図柄である一時図柄を表示するものであり、前記保留図柄表示音は発生されると必ず前記変化演出が行なわれる音と、発生されると必ず前記変化演出が行なわれない音と、発生されると前記変化演出が行なわれる可能性のある音との少なくとも3種類が存在し、前記保留図柄表示音発生手段は、前記保留図柄表示手段によって表示された保留図柄が同じであっても、前記変化演出判定手段による判定結果に基づいて、前記変化演出が行なわれる割合が前記保留図柄表示音に応じて異なるよう、前記保留図柄表示音を選択して前記スピーカから発するものであることを特徴とする。
なお、「各保留図柄は信頼度・・・が異なるものが複数種類存在する」とは、全ての保留図柄の信頼度が全て異なっているという意味ではない。例えば保留図柄として保留図柄A,保留図柄B,保留図柄Cの3種類があり、保留図柄Aは保留図柄Bよりも信頼度が高く、保留図柄Bと保留図柄Cは信頼度が同じ(つまり保留図柄Aは保留図柄Cよりも信頼度が高い)であってもよい。また、信頼度を異ならせる手法として通常は、大当り抽選において当りとなる場合のその保留図柄の出現率と、ハズレとなる場合の同じ保留図柄の出現率を予めテーブルなどに格納し、その出現率に従って保留図柄を選択することにより実現される。なお、これ以外の方法で信頼度の違いを実現しても勿論、構わない。また、「前記保留図柄表示手段によって表示された保留図柄が同じであっても」の「保留図柄」は、変化演出が行なわれる場合は一時図柄であり、変化演出が行なわれない場合は最終図柄であることになる。
保留記憶が発生すると保留図柄表示音発生手段によって保留図柄表示音がスピーカから発せられる。なお保留記憶が発生すると該発生を示す保留情報が保留情報送信手段によりサブ制御装置に送信され、保留図柄表示手段により保留図柄が表示されるので、保留図柄が新たに表示されるのに同期して保留図柄表示音は発せられることになる。この「同期」とは、保留図柄の表示と保留図柄表示音の発生が全く同時であることを要求しているのではない。保留図柄と保留図柄表示音の対応関係が遊技者に分かる程度であれば、保留図柄の表示と保留図柄表示音の発生のタイミングとがずれていても構わない。表示された保留図柄は保留図柄表示手段により変化される(変化演出)ことがある。この変化演出を行なうか否かを判定するのが変化演出判定手段である。変化演出が行なわれると、保留発生時に表示された保留図柄が別の保留図柄に変化される。このように保留図柄には複数種類あり、保留図柄ごとに信頼度が異なっている。変化演出による変化後の図柄(最終図柄)が本来の信頼度を示す。なお、変化前の図柄は一時図柄と言う。また、変化演出が行なわれない場合は、保留記憶発生時に表示される図柄が信頼度を表しているので、前述したように、この保留図柄を最終図柄と呼ぶことにする。
保留図柄表示音としては、音楽、効果音、音声、動物の鳴き声などを例示でき、これらの中から複数の音が設定されている。なお、前記例示した保留図柄表示音から1音ずつ選択して「4種類の保留図柄表示音」を構成してもよいし、効果音のみから5音を選択して「5種類の保留図柄表示音」を構成してもよい。これらの保留図柄表示音により、変化演出が行なわれる確率を示す。例えば保留図柄表示音Aならば100%の確率で変化演出が行なわれ、保留図柄表示音Bならば0%の確率で変化演出が行なわれ(この場合、変化演出は行なわれない)、保留図柄表示音Cならば50%の確率で変化演出が行なわれるといった具合である。
なお、最終図柄を構成する保留図柄群と、一時図柄を構成する保留図柄群とは一致していることが望ましいが、一致していなくても本発明の遊技機を構成できる。まず、前記一致している態様においては、保留記憶が発生した時点で表示された保留図柄が、一時図柄か最終図柄かの見分けが付かないので、変化演出が起きることに期待をかけることができる(これに反し、保留記憶が発生した時点で表示された保留図柄が一時図柄であることが判明すると、変化演出が起きることが確定し、保留図柄表示音を発生する意味が小さくなる)。次に、前記一致していない態様としては、一時図柄として前記保留図柄A,B,Cの3種類が存在し、最終図柄として保留図柄D,E,Fの3種類が存在するものを挙げられる。そして、保留図柄Aと保留図柄Dの信頼度は同じ、保留図柄Bと保留図柄Eの信頼度は同じ、保留図柄Cと保留図柄Fの信頼度は同じとし、信頼度の順序は保留図柄A<保留図柄B<保留図柄Cとなっているとする。この場合、例えば保留図柄Aから保留図柄Eに保留図柄が変化した場合には、信頼度が変化(上昇)しているので、「変化演出」が行なわれたことになる。これに対し、保留図柄Aから保留図柄Dに保留図柄が変化した場合には、保留図柄自体は変化したが、信頼度は変化していないので、「変化演出」が行なわれなかったことになる。この場合は、例えば表示された保留図柄Aが一時図柄であることは明らかだが、これが保留図柄Eや保留図柄Fに変化することを期待できる。従って保留図柄表示音を発生する意味が維持される。
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の弾球遊技機において、前記保留図柄表示音には、前記一時図柄の信頼度が、前記変化演出により該一時図柄が変化されることにより表示される前記最終図柄の信頼度よりも、高い場合に発生される確率が高い音と、低い場合に発生される確率が高い音とが存在することを特徴とする。
本発明の第1参考例は、請求項1に記載の弾球遊技機において、前記複数種類の保留図柄表示音の中には、前記一時図柄の信頼度が、前記変化演出により該一時図柄が変化されることにより表示される前記最終図柄の信頼度よりも高い場合、および低い場合の双方で発生される保留図柄表示音が存在することを特徴とする。
本発明の第2参考例は、第1参考例の弾球遊技機において、前記双方で発生される保留図柄表示音が複数存在し、該保留図柄表示音が発生されると、前記一時図柄が、前記変化演出により信頼度の高い前記最終図柄に変化する可能性が高い音と、信頼度の低い前記最終図柄に変化する可能性が高い音とが存在することを特徴とする。
本発明の第3参考例は、請求項1、請求項2、第1参考例、および第2参考例のいずれかに記載の弾球遊技機において、前記保留図柄表示音発生手段は、少なくとも2種類の音量にて前記保留図柄表示音を発生可能なものであり、前記保留図柄表示音として前記少なくとも2種類の内の大きな音量で発生させるか小さな音量で発生させるかを判定する保留図柄表示音判定手段と、該保留図柄表示音判定手段により小さな音量にて前記保留図柄表示音を発生させると判定された場合には、前記保留図柄表示音発生手段により前記スピーカから発せられる前記保留図柄表示音を、前記少なくとも2種類の音量の内の小さな音量で発生させるものであり、前記変化演出が行なわれる場合であっても、前記保留図柄表示音を、前記少なくとも2種類の内の小さな音量で発生させる場合があることを特徴とする。
ここで、保留図柄表示音判定手段により小さな音量にて保留図柄表示音を発生させないと判定された場合には、保留図柄表示音を、前記2種類の音量の内の大きな音量にて発する。なお、「小さな音量」の中には保留図柄表示音を全く出さない態様も含むものとする。この場合、保留図柄表示音発生手段は、保留図柄表示音を発生させるか、させないかの動作さえ出来ればよいことになるが、この態様においても「音があり」「音がなし」の2種類の音量にて保留図柄表示音を発生可能な構成と解釈するものとする。
本発明の第4参考例は、第3参考例の遊技機において、前記大当り抽選が行なわれるごとに、前記画像表示装置に図柄の変動を伴う演出である図柄変動演出を行なうと共に、該変動を停止させたときの前記図柄により当該遊技機の遊技者に当否判定を結果を報知する演出表示手段を備え、前記図柄変動演出は複数存在し、前記演出表示手段は、該複数の図柄変動演出の中から選択した図柄変動演出を行なうものであり、該前記保留図柄表示音判定手段は、前記演出表示手段が選択した所定の演出が行なわれている場合には、前記保留図柄表示音を前記少なくとも2種類の音量の内の小さな音量で発生させると判定するものであることを特徴とする。
請求項1のように構成された遊技機によれば、たとえ信頼度の低い保留図柄が表示されても、変化演出が行なわれる割合が高い保留図柄表示音を遊技者が聞くと、「信頼度の高い保留図柄に変化するかもしれない」と期待することができる。逆に信頼度の高い保留図柄が表示された場合に、同じ保留図柄表示音を遊技者が聞くことにより、「信頼度の低い保留図柄に変化しないでくれ」とスリルを味わうことができる。このように保留図柄が変化するのを待つだけではなく、しかも保留図柄表示音の違いにより様々な面白みを付加することができる。また、信頼度の高い保留図柄が表示された場合に、変化演出が行なわれる割合が低い保留図柄表示音を遊技者が聞くと、「信頼度が高い図柄のままである可能性が高いので当たるかも」と喜びを感じることができる。
なお、特許文献2の[0151]には、「表示態様の変化に加え効果音及び可動役物の動作を組合せることによって更に好適な状態となる。」旨が記載されているが、この効果音は保留図柄の変化に対して発せられるもの、すなわち変化したことに対する演出あるいは変化の報知のために発せられるものであるので、保留図柄表示音のように保留図柄が変化することを予告する効果はなく、まして変化の可能性の大小を遊技者に報知することもできない。
そして、発生されると必ず変化演出が行なわれる保留図柄表示音、発生されると必ず変化演出が行なわれない保留図柄表示音、発生されると変化演出が行なわれる可能性がある保留図柄表示音の3種類がある。このように構成された遊技機によれば、信頼度の高い保留図柄が表示された際に変化する可能性のない保留図柄表示音が発生されれば、信頼度が高いことが確定するので、大当りになる可能性が高いことを早い時点で知ることができる。また、最も信頼度の低い保留図柄が表示された場合にも、保留図柄表示音として、必ず変化演出を行なうものが発せられた場合には、より高い信頼度の保留図柄に変化することが確定するので、遊技者は変化演出後の保留図柄に期待を掛けることができる。変化演出が行なわれる可能性がある保留図柄表示音が発生された場合には、変化が行なわれることに期待をかけることができる。
ここで、一時図柄が最終図柄に変化した結果、各保留図柄が示す信頼度(ただし一時図柄の場合は見かけ上の信頼度となる)が上昇する場合を昇格、下降する場合を降格、信頼度が全く同じ保留図柄に変化する場合を維持と呼ぶことにする。また広い意味で、変化演出を行なわない場合も維持と呼ぶ。請求項2に記載の遊技機においては、保留図柄表示音の中に、昇格する場合に発せられる確率が高い音と、降格する場合に発せられる確率が高い音とが存在する。このように構成された遊技機によれば、昇格する確率が高い保留図柄表示音が発せられれば、遊技者は「信頼度が高い保留図柄に変わるかもしれない」と期待を掛けることができ、逆に降格する確率が高い保留図柄表示音が発せられれば、遊技者は「信頼度が下がらないでくれ」と願い、スリルを味わうことができる。すなわち、請求項1よりも更に具体的な心理状態になることができる。なお、「確率が高い」には確率100%も含まれ、この場合は、昇格や降格が早い時点で確定する。また、A(例えば昇格)がB(例えば降格)より高いとは、Bが0%の場合も含む。
参考例1の遊技機においては、複数種類の保留図柄表示音の中に、保留図柄が昇格する場合と、降格する場合の双方で発生される音が存在する。このように構成された遊技機によれば、1つの保留図柄表示音にて、昇格となる場合も降格となる場合もあるので、遊技者に期待感と不安感を一度に与えることが可能となる。
参考例2の本発明は、昇格・降格の双方の場合で発生される保留図柄表示音が複数存在し、該保留図柄表示音が発生されると、昇格となる可能性が高い音と、降格となる可能性が高い音とが存在する。このように構成された遊技機によれば、1つの保留図柄表示音にて、遊技者に期待感と不安感を一度に与えつつ、期待感の方をより強くしたり、不安感の方をより強くしたりすることが可能となる。
参考例3のように構成された遊技機によれば、保留図柄表示音を出すべきではない、或いは出さない方がいい状況で、保留図柄表示音がスピーカより発せられる音を小さくすることができる。また、前記変化演出が行なわれる場合であっても、保留図柄表示音を、前記少なくとも2種類の内の小さな音量で発生させる場合があるので、保留図柄表示音が発生されなかった場合でも、遊技者は「保留図柄が変化するかも」と興味を抱くことができる。なお、保留図柄表示音を、小さな音量で発生させた方がよい状況としては参考例4に挙げるような状況を例示できる。
すなわち参考例4の遊技機は、大当り抽選が行なわれるごとに画像表示装置上で図柄変動演出(図柄変動を伴う演出)を行なう。変動が停止されたときに表示された図柄により、大当り演出の結果を遊技者に報知する。図柄変動演出は複数種類あり、これらの中から演出表示手段が選択する。そのうちの所定の演出が行なわれている場合には、保留図柄表示音判定手段は前記2種類の音量のうちの小さな音量にて保留図柄表示音を発生させるという判定を行なう。このように構成された遊技機によれば、保留図柄表示音が図柄変動演出の演出効果を低減させる恐れがない。なお、保留図柄表示音によって演出効果が低減される例としては、図柄変動演出が演出の一部として音を用いる場合に、この音が保留図柄表示音によって聞こえにくくなることが挙げられる。また、図柄変動演出が音を用いないものであった場合も、演出効果が低減する場合がある。例えばタイミングを計って演出用のボタンを押す場合に、保留図柄表示音が鳴ったがためにタイミングを誤ると言ったことが挙げられる。
本発明の第1実施例のパチンコ機50の正面図 パチンコ機50の遊技盤1の正面図 パチンコ機50の背面図 パチンコ機50の電気構成図 パチンコ機50の主制御装置80で実行されるメインルーチンの概要を示すフローチャート 主制御装置80が実行する始動入賞確認処理のフローチャート 主制御装置80が実行する先読み判定処理のフローチャート 主制御装置80が実行する当否判定処理のフローチャート1 主制御装置80が実行する当否判定処理のフローチャート2 主制御装置80が実行する当否判定処理のフローチャート3 主制御装置80が実行する当否判定処理のフローチャート4 主制御装置80が実行する特別遊技処理のフローチャート1 主制御装置80が実行する特別遊技処理のフローチャート2 主制御装置80が実行する特別遊技処理のフローチャート3 サブ統合制御装置83が実行する保留表示処理のフローチャート サブ統合制御装置83が実行する保留表示更新処理のフローチャート (a)はパチンコ機50における大当り、スーパーリーチ、リーチ、ハズレの各出現率を示すテーブル、(b)はパチンコ機50において用いられる保留キャラクタの説明図、(c)は保留1個目の最終図柄として各保留キャラクタが選択されたときの出現率と期待値を示すテーブル 各保留キャラクタが変更表示される場合の各出現率と期待値などを示したテーブル 保留図柄表示音と発生率の関係を示すテーブル 特別保留キャラクタ1が保留図柄表示音5と共に出力される場合の演出を示す説明図 特別保留キャラクタ1が消化され、桃太郎リーチが展開される様子を示す説明図 特別保留キャラクタ2が保留図柄表示音3と共に出力され、特別保留キャラクタ1に降格される場合の演出を示す説明図 特別保留キャラクタ1が消化され、リーチを経て外れる場合の演出を示す説明図 特別保留キャラクタ1が表示され、保留図柄表示音9が選択されたが、スーパーリーチ中であったがために保留図柄表示音が出力されなかったことを示す説明図 特別保留キャラクタ2が消化され、格闘リーチを経て大当りになる様子を示す説明図 第2実施例のサブ統合制御装置83が実行する保留表示更新処理のフローチャート
以下に本発明の好適な実施形態について説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々の形態を採ることができ、各実施例に記載された内容を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
[実施例1]
図1に示すように、弾球遊技機の一種であるパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて構成の各部を保持する構造である。外枠51の左側上下には、ヒンジ53が設けられており、該ヒンジ53の他方側には図3に記載する内枠70が取り付けられており、内枠70は外枠51に対して開閉可能な構成になっている。前枠52には、板ガラス61が取り外し自在に設けられており、板ガラス61の奥には図2に記載する遊技盤1が内枠70に取り付けられている。
前枠52の上側左右には、スピーカ66が設けられており、パチンコ機50から発生する遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また、遊技者の趣向性を向上させるために前枠52に遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65も複数設けられている。前枠52の下方には、上皿55と下皿63が一体に形成されている。下皿63の右側には発射ハンドル64が取り付けられており、発射ハンドル64を時計回りに回動操作することによって発射装置(図示省略)が可動して、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
上皿55の上部ほぼ中央には、遊技者が操作可能な演出ボタン67が備えられており、この演出ボタン67は、周囲にジョグダイヤル68を備えたものとなっている。遊技者が所定期間中に、演出ボタン67やジョグダイヤル68を操作することで後述する演出図柄表示装置6に表示される内容が変化したり、スピーカ66より出力される遊技音が変化したりする。また、このパチンコ機50はいわゆるCR機であって、プリペイドカードの読み書き等を行うためのプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属しており、パチンコ機50の上皿55には、貸出ボタン57、精算ボタン58及び残高表示器59を有するCR精算表示装置が備わっている。
図2は、本実施例のパチンコ機の遊技盤1の正面図である。なお、このパチンコ機の全体的な構成は公知技術に従っているので図示及び説明は省略する。図2に示すように遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が設けられている。この遊技領域3には多数の遊技釘4が打ち付けられている。遊技領域3のほぼ中央部には、センターケース5が配されている。センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置6(液晶表示装置であり擬似図柄を表示する。)の画面を臨ませる窓等を備えている。
センターケース5の下には、第1始動口11が配置され、更にその下には、第2始動口12が配置されている。第2始動口12は開閉可能な翼片を供えた普通電動役物を備えており、この翼片が開放しないと遊技球は第2始動口12に入球できない構成となっている。センターケース5の左方にはゲート17が配置されており、ここを遊技球が通過すると普通図柄が変動し、普通図柄が当り図柄で停止すると翼片が開放される。遊技領域の右下部には、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、普通図柄保留数表示装置8と、特別図柄保留数表示装置18と、7セグメント表示装置からなる特別図柄表示装置9とが配置されている。
第2始動口12の下方にはアタッカー式の大入賞口14が配置されている。また、第1始動口11の左方には、第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33及び第4左入賞口34が設けられている。なお、この第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34が、常時、入球率が変化しない普通入賞口である。これら普通入賞口を総じて一般入賞口31ともいう。
パチンコ機50の裏面は図3に示すとおり、前述した遊技盤1を脱着可能に取り付ける内枠70が前述した外枠51に収納されている。この内枠70には、上方から、球タンク71、タンクレール72及び払出装置73が設けられている。この構成により、遊技盤1上の入賞口に遊技球の入賞があれば球タンク71からタンクレール72を介して所定個数の遊技球を払出装置73により前述した上皿55に排出することができる。また、パチンコ機50の裏側には(図4も参照のこと)、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83、発射制御装置84、電源基板85が設けられている。なお、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83がサブ制御装置に該当する。
主制御装置80、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83は遊技盤1に設けられており、払出制御装置81、発射制御装置84、電源基板85が内枠70に設けられている。なお、図3では、発射制御装置84が描かれていないが、発射制御装置84は払出制御装置81の下に設けられている。また、球タンク71の右側には、外部接続端子78が設けられており、この外部接続端子78より、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータに送られる。なお、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子78には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠用(枠側(前枠52、内枠70、外枠51)から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いているが、本実施例では、一つの外部接続端子78を介してホールコンピュータへ遊技状態や遊技結果を示す信号を送信している。
このパチンコ機50の電気的構成は、図4のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するだけのためのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本実施例では発射制御装置84にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12a、普通図柄を作動させるゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するための第1カウントスイッチ14a、第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34に入球した遊技球を検出する入賞口スイッチ31a等の検出信号が入力される。なお、入賞口スイッチ31aの符号は第1左入賞口31に対応しているが、前記各一般入賞口、すなわち第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34に対してそれぞれ入賞口スイッチが設けられており、各一般入賞口に遊技球が入ったことを個別に検出可能に構成されている。
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。また主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている特別図柄表示装置9及び普通図柄表示装置7の表示、特別図柄保留数表示装置18、普通図柄保留数表示装置8の点灯を制御する。
更に、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普通電動役物ソレノイド(図4では普電役物ソレノイドと表記。以下、普電といえば普通電動役物を指すものとする)12bを制御することで第2始動口12の開閉を制御する。主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り(特別遊技ともいう)等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールメインコンピュータ87に送られる。主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を稼働させて賞球を払い出させる。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出スイッチ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
なお、払出制御装置81はガラス枠開放スイッチ35、内枠開放スイッチ36、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力され、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
また、払出制御装置81はCRユニット端子板24を介してプリペイドカードユニットと交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、CRユニット端子板24は精算表示基板25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示基板25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン、精算を要求するための返却ボタン、残高表示器が接続されている。
また、払出制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。なお本実施例では遊技球を払い出す構成であるが、入賞等に応じて発生した遊技球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技球を遊技領域3に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドルからの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止信号が入力される。回動量信号は、遊技者が発射ハンドルを操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドルを触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドルを触っていても遊技球は発射できないようになっている。
サブ統合制御装置83はサブ制御装置に該当し、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを、演出中継端子板65を介して受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカからの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67、およびジョグダイヤル68が接続されており、遊技者がこれらを操作した際には、その信号がサブ統合制御装置83に入力される。
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、演出図柄等の演出画像を演出図柄表示装置6の画面6aに表示させる。
メインルーチンを図5に従って説明する。メインルーチンは、約2ms毎のハード割り込みにより繰り返し実行される。本実施形態では、当該メインルーチンが1回起動されるごとにS10〜S65までの1回だけ実行される処理を「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS70の処理を「残余処理」と称する。「本処理」は上記割り込みにより定期的に実行されることになる。
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、たいていが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)が為され(S15)、残余処理(S70)に移行する。
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:yes)、初期値乱数更新処理が実行される(S20)。この処理は、初期値乱数の値についてこの処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、この処理実行前の初期値乱数の値に+1するが、この処理を実行する前の乱数値が最大値である「199」のときには次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「299」までの300個の整数を繰り返し昇順に作成する。
S20に続く大当り決定用乱数更新処理(S25)については、初期値乱数更新処理と同様に処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、最大値である「299」のときは次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「199」までの200個の整数を繰り返し昇順に作成する。なお、大当り決定用乱数の最初の値は、初期値乱数設定処理で設定された値となる。この値が150であったとすると、大当り決定用乱数は「150」「151」「152」・・・「299」「0」「1」・・・と更新されていく。
なお、大当り決定用乱数が一巡(300回、更新されること)すると、そのときの前記初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にする。大当り決定用乱数は、その初期値から+1されていく。そして、再び大当り決定用乱数が一巡すると、その時の初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にする動作を行なう。つまり、この一連の動作を繰り返し続けることになる。前述の例では大当り決定用乱数が「149」になると一巡であるから、「149」の次は前記初期値乱数の値となる。仮に初期値乱数の値が「87」だったとすると、「149」「87」「88」・・・「299」「0」「1」・・・「86」と変化していき、「86」の次は新たな前記初期値乱数の値となる。
大当り図柄決定用乱数更新処理(S30)は「0」〜「9」の10個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。S30に続く当り決定用乱数更新処理(S35)は、「0」〜「9」の10個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、当選することとなる値は、常に「7」である。この当り決定用乱数は普通図柄の抽選に使用し、初期値乱数、大当り決定用乱数、リーチ判定用乱数は特別図柄の抽選に使用し、大当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数は、普通図柄の抽選・特別図柄の抽選の双方に用いる。
リーチ判定用乱数更新処理(S40)は、「0」〜「228」の229個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。変動パターン決定用乱数更新処理(S45)は、「0」〜「1020」の1021個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。続く入賞確認処理(S50)では、第1始動口11、第2始動口12の入賞の確認、ゲート17の遊技球の通過の確認、及びパチンコ機50に設けられ主制御基板80に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。
本実施例では、遊技球が第1始動口11、第2始動口12に入賞すると大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数、リーチ判定用乱数など複数の乱数を取得されるのだが、保留記憶できる数を第1始動口11と第2始動口12を合わせて4個までとしており、保留記憶が満タンである4個のときに遊技球が対応する始動口に入賞しても賞球が払出されるだけで、前記複数の乱数は保留記憶されない構成になっている。
続いて、大当りか否かを判定する条件成立判定手段としての当否判定処理(S55)を行う。当否判定処理(S55)では、特別図柄および普通図柄のそれぞれに対応した当否判定や、当否判定に付随する図柄変動や特別遊技処理などの処理を行なう。この当否判定処理(S55)に続く不正監視処理(S60)は、普通入賞口(第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34)に対する不正が行われていないか監視する処理であり、所定時間内における入賞口への遊技球の入球が予め決定された規定数よりも多いか否かを判断して、多かった場合には不正と判断され、その旨を報知する処理である。つまり、不正判断手段は、主制御基板80に設けている。
続く画像出力処理等の各出力処理(S65)では、遊技の進行に応じて主制御基板80は演出図柄制御装置82、払出制御基板81、発射制御装置84、サブ統合制御装置83、大入賞口ソレノイド14b等に対して各々出力処理を実行する。即ち、入賞確認処理(S50)により遊技盤1上の各入賞口に遊技球の入賞があることが検知されたときには賞球としての遊技球を払い出すべく払出制御基板81に賞球信号を送信する処理を、遊技状態に対応したサウンドデータをサブ統合制御装置83に出力する処理を、パチンコ機50に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく演出図柄制御装置82にエラー信号を出力する処理を各々実行する。
本処理に続く前述の残余処理は、初期値乱数更新処理(S70)から構成されるが、前述したS20と全く同じ処理である。この処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで時間の許される限り繰り返し実行される。前述したS10〜S65までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行するか否か、特別図柄の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、割り込み処理が1回実行されることにより初期値乱数に更新される値も一律ではなくなる。これにより、初期値乱数が大当り決定用乱数と同期する可能性は極めて小さくなる。大当り決定用乱数が一巡したときの、初期値乱数の値(0〜199の200通り)が、同程度に発生するとすれば、同期する確率はわずか1/200である。また、前述した当り決定用乱数更新処理(S35)も残余処理内において実行するよう構成しても良い。
始動入賞確認処理(S50)の概要を図6に示す。主制御装置80は、まず第1始動口スイッチ11a、第2始動口スイッチ12aの検出信号に基づいて、第1始動口11、第2始動口12に遊技球が入球したか否かを判断する(S100)。肯定判断なら(S100:yes)、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、特別図柄の保留記憶が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S105)。
保留記憶が満杯でなければ(S105:no)、上記の各乱数を保留記憶として記憶し、特別図柄保留数表示装置18の点灯態様を1増加させる(S110)。なお、特別図柄保留数表示装置18は2個のLEDを点灯または消灯させることによる2進法で保留記憶されている数を表す(ただし保留記憶数が4個の場合は2個のLEDを共に点滅させる)もので、「点灯態様を1増加させる」とは2進法で示される数を1つ増やすという意味である。なお、この抽出乱数保留記憶処理(S110)が行なわれると、サブ統合制御装置83にもコマンドが送信され、演出図柄表示装置6に保留記憶の数を表示する。演出図柄表示装置6においては、保留キャラクタを、保留記憶の数と同数、表示することにより、保留記憶の数を表示する。保留キャラクタを図17(b)に示す。保留キャラクタは通常保留キャラクタ、特別保留キャラクタ1、特別保留キャラクタ2、特別保留キャラクタ3の4種類があり、円形の図形をベースに、それに黄色の炎、赤い炎、赤くて大きな炎がついた状態をそれぞれ図案している。これら保留キャラクタの何れかが保留記憶の数と同数、表示される。どの保留キャラクタが表示されるかは、後述する処理により抽選で決定される。この抽選により、例えば保留記憶の数が3個の場合は、通常保留キャラクタが3個表示される場合もあれば、通常保留キャラクタが2個、特別保留キャラクタ1が1個(2個と1個の合計で保留記憶の数が3個であることを示す)表示される場合もある。なお、保留キャラクタを保留図柄とも言う。図6に戻る。こうして各乱数を記憶すると、先読み判定処理(S115)を実行し、当処理を終了(リターン)する。第1始動口11、第2始動口12に遊技球が入球していない場合(S100:no)、又は保留記憶が満杯の場合(S105:yes)、はそのまま当処理を終了する。
先読み判定処理の概要を図7に示す。当処理が起動されると、S105で抽出した乱数が大当りだったか否かを判定する(S150)。具体的には、現在の遊技状態に応じ、確変テーブルまたは通常テーブルを選択し、大当り決定用乱数を各テーブルに記録されている当り値と照合することにより判定する。これについては当否判定処理の説明にて後述する。肯定判断(S150:yes)なら先読み信号1をサブ統合制御装置83に送信する処理(S155)を実行して当処理を終了(リターン)する。否定判断(S150:no)ならS105で抽出した乱数がスーパーリーチに対応するものか否かを判定し(S160)、肯定判断なら先読み信号2をサブ統合制御装置83に送信する処理(S165)を実行して当処理を終了する。否定判断(S160:no)ならS105で抽出した乱数がノーマルリーチに対応するものか否かを判定し(S170)、肯定判断なら先読み信号3をサブ統合制御装置83に送信する処理(S175)を実行して当処理を終了する。否定判断(S170:no)、すなわちリーチにすらならないただのハズレであれば、先読み信号4をサブ統合制御装置83に送信する処理(S180)を実行して当処理を終了する。
なお、図17(a)に、大当り、スーパーリーチ、ノーマルリーチ、ハズレの各発生割合を示す。なお、大当りは一般に、リーチ状態(スーパーリーチ、ノーマルリーチを含む)を経て到達するが、図17(a)においてスーパーリーチ及びリーチ(ノーマルリーチのこと)とは、ハズレとなるもののみを指す。また、ハズレとはスーパーリーチまたはノーマルリーチを経ることなく外れるものを指す。図17(a)に示すように、先読み信号1がサブ統合制御装置83に送信されるのは大当りとなる場合であるから1/300の確率で送信されることになり、先読み信号2が送信されるのは大当りとなる場合であるから5/300の確率で送信され、先読み信号3が送信されるのはリーチ(ノーマルリーチ)となる場合であるから15/300の確率で送信され、先読み信号4が送信されるのはハズレとなる場合であるから279/300の確率で送信されることになる。
図5におけるS55の当否判定処理の内、特別図柄に係る当否判定などを行なう処理は、図8〜11に示すようなもので、主制御装置80は、特別電動役物が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S200)。S200の判定が否定判断で、特別図柄が変動中でなく(S205:no)、確定図柄の表示中でもなければ(S210:no)、図9のS250に移行し、特別図柄の保留記憶(S110による保留記憶)があるか否かを判断する。この保留記憶があれば(S250:yes)、保留記憶数をデクリメントし(S255)、S260に進む。S260では保留記憶の中で最も古いものを読み込んで(その保留記憶は消去する)、確変フラグがセットされている(すなわち1)か否かを判定する。ここで確変フラグが1とは、現在のパチンコ機50が高確率遊技状態であることを意味する。肯定判断であれば(S260:yes)、読み込んだ大当り決定用乱数を確変テーブルに記録されている当り値と照合する(S270)。ここで当り値の数は10で、7〜16である。つまり当たり確率は1/30となる。S260が否定判断された場合は、S275にて当り決定用乱数を通常テーブルに記録されている当り値と照合する。ここで当り値は7のみである。つまり当たり確率は1/300となる。
S270またはS275の判定が行なわれると、S280にて大当りか否かを判定(当否判定)し、肯定判定であれば(S280:yes)、大当り図柄決定用乱数によって当り図柄を決定する(S285)。こうして大当り図柄が決定すると、変動パターン決定用乱数等によって変動パターンを決定し(S290)、大当り設定処理を行う(S295)。なお、S280において外れと判定された場合は、変動パターン決定用乱数等によって変動パターンを決定し(S300)、ハズレ設定処理(S305)を行なう。ハズレ設定処理では、確変回数のデクリメント(確変フラグが1のとき)が行なわれる。S295、又はS305に続いては、保留情報送信処理(S310)を行なう。保留情報送信処理(S310)では、サブ統合制御装置83に保留個数を減算するための指定を送信する。そしてS315にて、上述の抽選結果を示すデータ、具体的には通常大当り、確変大当り、リーチ外れ(外れであるがリーチ表示有り)、リーチ表示無しの外れのいずれかを示すデータと変動時間を指定する変動パターンのデータが含まれる変動開始コマンド(表示制御コマンド)をサブ統合制御装置83に出力する。なお、S315の処理により演出図柄表示装置6では演出図柄を設定し、その変動表示を開始するが、ほぼ同時に特別図柄の変動も主制御装置80によって開始される。また、特別図柄が変動する際には必ず演出図柄も変動され、且つ演出図柄が変動されるときには特別図柄も変動されるので、これらの図柄が変動することを単に「図柄が変動する」とも言う。S315の処理が終了すると特別遊技処理を行なう。
図8において特別図柄が変動中(S205:yes)と判定された場合には、図10のS350に移行し、図柄変動時間(S290、又はS300の変動パターンに基づく)が経過したか否かを判定する。否定判断(S350:no)であれば特別遊技処理を行い、肯定判断であれば確定図柄表示処理(S355)を行なってから特別遊技処理を行う。
図8において確定図柄を表示中と判定された場合(S210:yes)には、図11のS400に移行し、確定図柄の表示時間が終了したか否かを判定する。否定判断(S400:no)であれば特別遊技処理を行い、肯定判断であれば確定図柄表示終了処理(S405)を行なってから大当りになる組合せや否かを判定する(S410)。肯定判断なら確変フラグが1か否かを判定し(S415)、肯定判断なら(S415:yes)確変フラグを0にし(S420)、S425に移行する。否定判断なら(S415:no)そのまま、S425に移行する。
S425では、時短フラグが1か否かを判定する。時短フラグが1であれば(S425:yes)、S430にて時短フラグを0にし、S435に移行する。時短フラグが1でなければ(S425:no)、そのままS435に移行する。
S435では、条件装置作動開始処理により、大当りフラグをセットする。そしてS440にて役物連続作動装置を作動させ、S445にて大当り開始演出処理を行なう。大当り開始演出処理では、大当り遊技を開始するコマンド及び大当り遊技に係る情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)をサブ統合制御装置83に送信する。大当り開始演出処理が終了すると、特別遊技処理を行なう。
S410で、確定表示させた特別図柄が大当りになる表示でないと判定された場合は、S450に移行して確変フラグが1か否かを判定する。肯定判断(S450:yes)であれば、確変回数が0か否かを判定する(S455)。確変回数が0であれば(S455:yes)、S460にて確変フラグを0にし、S465に進む。確変フラグが1でないとき(S450:no)、または確変回数が0ではないとき(S455:no)は、そのままS465に移行する。S465では、時短フラグが1か否かを判定し、1であれば(S465:yes)、時短回数が0か否かを判定する(S470)。時短回数が0であれば(S470:yes)、S475にて時短フラグを0にしてS480に進む。時短回数が0ではないとき(S470:no)又は時短フラグが1でないとき(S465:no)はそのままS480に移行する。S480では、現在の遊技状態が確変中であるか否か、時短中であるか否か等の状態を示す状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信し、特別遊技処理を実行する。
図12〜14に示す特別遊技処理では、主制御装置80は、役物連続作動装置が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S500)。役物連続作動装置が作動中なら(S500:yes)、大入賞口14が開放中か否かを判断する(S505)。大入賞口14の開放中ではない場合は(S505:no)、ラウンド間のインターバル中により大入賞口14が閉鎖しているのか判断する(S510)。インターバル中でもない場合は(S510:no)、大当り終了演出中であるか判断する(S515)。これも否定判断の場合は(S515:no)、今から大当り遊技を開始する演出に要する時間が、経過したか否かを判定する(S520)。大当り開始演出時間が経過した場合は(S520:yes)、大入賞口開放処理(S525)を行なって当処理を終了(リターン)する。
S505で大入賞口14が開放中であると判定された場合は、図13のS550に進み、大入賞口14に10個入賞したか否かを判定する。なお、本実施例では10個だが、9個、8個でもよく、特に限定するものではない。大入賞口14に10個入賞した場合(S550:yes)にはS560に進み、大入賞口閉鎖処理を行う。そして大当りインターバル処理(S565)を行なって、特別遊技処理を終了する。大入賞口14に10個入賞していない場合(S550:no)にはS555に進み、大入賞口14の開放時間が終了したか否かを判定する。本実施例では、15ラウンドでの大当りの場合は各ラウンドの最大開放時間は30秒に設定している。また2ラウンド大当りの場合の各ラウンドの最大開放時間は0.9秒に設定している。無論、これらの秒数に限定するものではない。開放時間が終了した場合(S555:yes)には、S560に合流し、終了していない場合(S555:no)は特別遊技処理を終了する。
図12のS510でインターバル中であると判定された場合は、図13のS570に進み、大当りインターバル時間が経過したか否かを判定する。インターバル時間が経過している場合(S570:yes)は、直前に大入賞口14が開いていたのが最終ラウンドか否かを判定する(S575)。最終ラウンドであれば(S575:yes)、大当り終了演出処理(S580)を行い、特別遊技処理を終了する。最終ラウンドでなければ(S575:no)、再び大入賞口14を開放する処理(S585)を行い、特別遊技処理を終了する。なお、大当りインターバル時間が経過していないと判定された場合(S570:no)には、そのまま特別遊技処理を終了する。なお、大入賞口14を開放・閉鎖する処理においては、サブ統合制御装置83にも信号を送信する。サブ統合制御装置83は、その信号に基づいて、現在のラウンドを把握し、該ラウンドに応じた演出を行なう。
図12のS515で大当りの終了演出中であると判定された場合は、図14のS600に進み、大当り終了演出時間が経過したか否かを判定する。大当り終了演出時間が経過した場合には(S600:yes)、役物連続作動装置の作動を停止し(S605)、条件装置の作動を停止する(S610)。そして、大当り終了後に確変に移行するか否かを判定する(S615)。確変に移行する場合は確変回数(例えば1万回)を設定し(S620)、確変フラグを1に設定し(S625)、S630に移行する。確変に移行しない場合(S615:no)はそのままS630に移行する。
S630では、大当り終了後に時短に移行するか否かを判定する。肯定判断の場合(S630:yes)は、時短回数(例えば100回)を設定し(S635)、時短フラグを1に設定し(S640)、S645に進む。時短フラグを1にすると本実施例では特別図柄の平均変動時間短縮、普通図柄の平均変動時間短縮、普通図柄の当否抽選の高確率化、普通電動役物の開放延長機能をセットし、時短回数カウンタの値をセットする。時短に移行しない場合(S630:no)はS645に直行する。S645では大当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信し、現在の遊技状態が確変中であるか否か、時短中であるか否か等の状態を示す状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理(S650)を行なって特別遊技処理を終了する。なお、図12で役物連続作動装置が作動していないと判定された場合(S500:no)には、そのまま特別遊技処理を終了する。以上が特別遊技処理である。
サブ統合制御装置83にて実行される保留表示処理の概要を図15に示す。当処理はサブ統合制御装置83が、図7の先読み判定処理により送信された先読み信号1〜4のいずれかを受信すると起動され(S700:yes)、最終保留表示選択処理(S705)を行なう。パチンコ機50では、抽出乱数保留記憶処理(図6のS110)の実行時に演出図柄表示装置6に表示された保留図柄が、別の保留図柄に変更されることがある。これを変更表示という。この変更表示が行なわれる場合に、変化後の保留図柄を、ここでは最終図柄と呼ぶ。最終保留表示選択処理(S705)では、受信した先読み信号に応じて最終図柄を決定する。なお、保留図柄の変化は、他の保留図柄が消化されたタイミングで行なわれる。従って発生した保留が1個目だった場合、前記変化は行なわれないことになるが、この場合もここでは最終図柄と呼ぶことにする。発生した保留が1個目だった場合の最終図柄の決定方法について図17(c)を用いて説明する。各保留キャラクタ(最終図柄として演出図柄表示装置6に表示するもの)には、図17(c)に示すように出現率が設定されている。例えばS700にて先読み信号4を受信した場合(つまりハズレの場合)には、200/200すなわち100%の確率で最終図柄として通常保留キャラクタを選択する。先読み信号3を受信した場合(つまりノーマルリーチの場合)には、最終図柄として150/200の確率で通常保留キャラクタを選択し、50/200の確率で特別保留キャラクタ1を選択する。先読み信号2を受信した場合(つまりスーパーリーチ(本図ではSPリーチと記載)の場合)には、最終図柄として120/200の確率で通常保留キャラクタを選択し、30/200の確率で特別保留キャラクタ1を選択し、50/200の確率で特別保留キャラクタ2を選択する。先読み信号1を受信した場合(つまり大当り(本図では当りと記載)の場合)には、最終図柄として120/200の確率で通常保留キャラクタを選択し、20/200の確率で特別保留キャラクタ1を選択し、40/200の確率で特別保留キャラクタ2を選択し、20/200の確率で特別保留キャラクタ3を選択する。
各保留キャラクタの当否比率は、リーチが大当りの15倍、スーパーリーチが大当りの5倍発生するので(図17(a)参照)、特別保留キャラクタ1は(50/200×15+5/200×30):20/200=90:2となる。特別保留キャラクタ2は50/200×5:40/200=25:4となる。特別保留キャラクタ3は当りの場合しか表示されないので0:1となる。なお、通常保留キャラクタは図示されていないが、当否比率は、1955:4となる。各保留キャラクタの信頼度、すなわち当該保留キャラクタが演出図柄表示装置6に表示された場合に当りとなる確率は、特別保留キャラクタ1が最終図柄だった場合、2/(90+2)≒0.022、つまり約2.2%となる。特別保留キャラクタ2だった場合は4/(25+4)≒0.138つまり約13.8%となる。特別保留キャラクタ3は当りの場合しか表示されないので100%となる。なお、通常保留キャラクタは図示されていないが、信頼度は4/(1955+4)≒0.002つまり約0.2%となる。発生した保留が1個目ではなかった場合は、別の選択割合にて最終図柄を設定する。
図15に戻る。こうして最終保留表示選択処理(S705)が終了すると最終保留を変更表示するか否かを抽選により判定する(S710)。肯定判断(S710:yes)された場合は、一時保留表示選択処理(S715)にて、最終図柄の前に演出図柄表示装置6に表示される図柄(一時図柄という)を決定する。これについて図18に示す。図18に示すように一時図柄は最終図柄と同じ4種類の保留キャラクタを用いており、4種類の保留キャラクタから4種類の保留キャラクタに変化することにより16通りの変更表示が設定されている。なお、図18には変更表示を行なわない場合(例えば最上段の「一時」(一時図柄のこと)が通常保留キャラクタ、「最終」(最終図柄のこと)も通常保留キャラクタとなっているもの)も比較のために併せて示した。詳しい説明は省略するが、特別保留キャラクタ1が最終図柄となる場合は、変更表示を行なった場合の方が行わなかった場合よりも信頼度が高くなっている(特別保留キャラクタ2が最終図柄となる場合も同様)。発生した保留が1個目だった場合(図17(c)参照)に似て、最終図柄が、通常保留キャラクタだった場合、特別保留キャラクタ1だった場合、特別保留キャラクタ2だった場合、特別保留キャラクタ3だった場合の順で、信頼度が高くなる選択割合となっている。これに倣い、各保留キャラクタの信頼度を定義すると、例えば特別保留キャラクタ1から特別保留キャラクタ2に昇格する場合もあれば、特別保留キャラクタ3から通常保留キャラクタに降格する場合もある設定となっている。ここで昇格とは、図17(c)に示した各保留図柄の信頼度に基づき、一時図柄の信頼度よりも最終図柄の信頼度が高い場合をいい、降格は、一時図柄の信頼度よりも最終図柄の信頼度が低い場合をいう。例えば、図18において、上から5段目、9段目、10段目、13段目、14段目、15段目が昇格であり、上から2段目、3段目、4段目、7段目、8段目、12段目が降格である。なお、同じ保留図柄に変化する場合を維持と呼ぶことにする。図18において、上から1段目、6段目、11段目、16段目が維持である。なお、広い意味で、変更表示を行なわない場合も維持と呼ぶ。
そして降格したか昇格したかで信頼度を遊技者が判断するのではなく、最終図柄によっておおむね信頼度が判断できる仕様となっている。例えば、通常保留キャラクタから特別保留キャラクタ1に昇格した場合の信頼度は3.8%(図18の上から5段目)であるが、特別保留キャラクタ3から特別保留キャラクタ2に降格した場合の信頼度は20%(図18の下から5段目)となっており、最終図柄で信頼度を判断可能にされている。S705で決定された最終図柄に対して、本図に示す選択割合となるように一時図柄を決定するのが一時保留表示選択処理(S715)である。なお、前後するが、S710で変更表示をするか否かを判定する際に、既に一時図柄が演出図柄表示装置6に表示されている場合には、否定判断される。つまり一時図柄が同時に2個以上、演出図柄表示装置6に表示されることはない。また、保留記憶がない場合もS710は否定判断される。
こうして一時図柄を決定することにより、保留図柄が昇格するか降格するかが確定する。続いて保留表示音決定処理(図15のS720)を行う。保留図柄表示音とは、保留図柄が演出図柄表示装置6に表示された際に、サブ統合制御装置83の指令によりスピーカ66から出力される音であり、簡単に保留表示音ともいう(なお、後述するように、保留図柄が演出図柄表示装置6に表示されても、保留図柄表示音が発生されない場合もある)。パチンコ機50では、11種類の保留図柄表示音を発する。これについて図19に示す。また変更表示を行なわない場合(維持という)にも保留図柄表示音を発する場合がある(後述するS735の処理)。これらについても併せて示した。保留表示音決定処理(S720)では、まず保留図柄表示音を発生させるか否かを判定し(図示省略)、発生させると判定した場合には、一時図柄が昇格するか、降格するか、或いは維持かに応じて図19に示したような割合で保留図柄表示音を発生させる。なお、保留図柄表示音の選択は、サブ統合制御装置83の備えるCPUにて発生される乱数により決定される。この乱数の発生原理は、大当り図柄決定用乱数などと同様であるため、詳細な説明を省略する。保留図柄表示音1〜保留図柄表示音3は降格または維持になる音であり、保留表示図柄音1は「サー」というノイズのような音で、維持の場合の発生率が25/100、降格の場合の発生率が10/100であり、降格の可能性が小さい音となっている。保留図柄表示音2は「ヒューン」という何かが落下していくような音で、維持の場合の発生率が10/100、降格の場合の発生率が20/100であり、降格の可能性が中程度の音となっている。保留図柄表示音3は「ドス」という何かが落下したような音で、維持の場合の発生率が5/100、降格の場合の発生率が30/100であり、降格の可能性が大きい音となっている。
保留図柄表示音4〜6は昇格または維持になる音であり、保留図柄表示音4は「ザー」という雨のような音で、昇格の場合の発生率が10/100、維持の場合の発生率が25/100であり、昇格の可能性が小さい音となっている。保留図柄表示音5は「ゴー」という電車が走るような音で、昇格の場合の発生率が20/100、維持の場合の発生率が10/100であり、昇格の可能性が中程度の音となっている。保留図柄表示音6は「バーン」という何かが爆発したような音で、昇格の場合の発生率が30/100、維持の場合の発生率が5/100であり、昇格の可能性が大きい音となっている。
保留図柄表示音7〜9は昇格・維持・降格がそれぞれ確定する音であり、保留図柄表示音7は「ガチ」という何かが固定されるような音で、この保留図柄表示音が発生されると維持が確定する。保留図柄表示音8は「アー」というため息のような音声で、この保留図柄表示音が発生されると降格が確定する。このように保留図柄表示音は効果音だけでなく、音声も用いられている。保留図柄表示音9は「ヨッシャー」という音声で、この保留図柄表示音が発生されると昇格が確定する。保留図柄表示音10と保留図柄表示音11は昇格か降格の何れかになる音であり維持にはならない。保留図柄表示音10は「チロリン」という風鈴のような音で、昇格の場合の発生率が5/100、降格の場合の発生率が15/100であり、降格の可能性が大きい音となっている。保留図柄表示音11は「チャリン」というコインが落ちるような音で、昇格の場合の発生率が15/100、降格の場合の発生率が5/100であり、昇格の可能性が大きい音となっている。なお、このように保留図柄表示音は選択されるが、後述するS745以降の処理により発生されない場合もある。また、このように保留図柄表示音を選択しても、信頼度はS715にて一時図柄が選択された時点(変更表示を行なわない場合はS705にて最終図柄が選択された時点)で決定しているので、保留図柄表示音の違いにより信頼度が変化する、ということはない。
図15に戻る。こうして保留図柄表示音が決定されると、最終保留表示時期決定処理(S725)を行い、変更表示を行なう時期を決定する。前述のように、変更表示は他の保留図柄が消化されることを契機に行われる。当該保留図柄の前に保留図柄(他の保留図柄という)が1個のみある場合は、「他の保留図柄」が消化されたときが変更表示の時期に確定する。「他の保留図柄」が複数存在するときは、いずれの保留図柄が消化されたときに図柄変更を行なうかを抽選により決定する。こうして変更表示の時期が決定されると、一時保留表示処理(S730)を行い、S715で選択された一時図柄を演出図柄表示装置6に表示して、S745に移行する。S710が否定判断すなわち最終保留を変更表示しないと判断された場合にはS735にて保留表示音決定処理(S735)を行なう。変更表示が行なわれない場合は「維持」であるから、図19に示された「維持」の選択割合により保留図柄表示音が決定される。続いて最終保留表示処理(S740)により最終図柄を演出図柄表示装置6に表示して、S745に移行する。
S745では現在がスーパーリーチ中か否かを判定し、否定判断であれば保留表示音発生処理(S750)を行なってS720またはS735で選択された保留図柄表示音をスピーカ66から出力する。なお、選択された保留図柄表示音が無音だった場合には、S750が実行されてもスピーカ66から保留図柄表示音は発生されない。続く保留表示音記憶消去処理(S755)にて、保留図柄表示音を発生させるという記憶を消去して当処理を終了(リターン)する。S745が肯定判断すなわちスーパーリーチ中と判断された場合には、S760に移行し、保留表示音記憶消去処理を行なって当処理を終了する。
つまり保留表示処理によれば、保留記憶に空きがある状態で発生した始動入賞に起因して、演出図柄表示装置6に表示する保留図柄を決定する処理となっている。より詳しくは、この保留図柄(最終図柄)を表示するに先んじて別の保留図柄(一時図柄)を表示するか、つまり変更表示を行なうか否かを決定し、行なう場合は一時図柄の決定も行なう。更に詳しくは、最終図柄(変更表示を行なわない場合)または一時図柄を表示する際に保留図柄表示音を発生させるか否か、発生させる場合はどのような保留図柄表示音を発生させるかを決定する処理となっている。なお、こうして発生されることとなった保留図柄表示音は、S745およびS760の処理によりスーパーリーチ中は発生されないように設定される。これは、スーパーリーチ中に発生される演出用の音(音楽、効果音、音声を含む)による演出効果が、保留図柄表示音により阻害されないようにするためである。なお、一時図柄および最終図柄の選択、保留図柄表示音の選択、変更表示を行なうか否かの判定には、サブ統合制御装置83の備えるCPUにて発生された乱数を用いる。この乱数は、主制御装置80から先読み信号1〜4を受信した際に抽出され、この乱数を用いて信頼度が図17(c)や図18に示されたような値となるように保留図柄を選択する。
サブ統合制御装置83にて実行される保留表示更新処理の概要を図16に示す。当処理はサブ統合制御装置83が、図9の保留情報送信処理(S310)により送信された保留情報を受信すると起動され(S800:yes)、保留表示減算・移動処理(S805)を行なう。パチンコ機50においては、後述するように保留キャラクタを演出図柄表示装置6の画面の左下に保留記憶の数と同数だけ横方向に並べて表示することにより保留記憶の数を表す。保留記憶が消化されると、並べられた保留キャラクタの内、最も左の保留キャラクタが消滅する。これが「保留表示の減算」である。そして消えた保留キャラクタの右方に保留キャラクタがあった場合には、その保留キャラクタが左方にずれる。これが「保留表示の移動」である。S805の処理ではこれらが行なわれる。続くS810にて一時保留表示があるか、つまり変更表示が行なわれる可能性のある状態であるか否かを判定する。否定判断なら当処理を終了(リターン)し、肯定判断(S810:yes)なら最終保留表示をする時期か否かを判定する(S815)。ここでは、S725で決定された変更表示を行なう時期が現在であるか否かを判定する。否定判断なら当処理を終了し、肯定判断なら一時終保留表示を最終保留表示に変更してから(S820)、当処理を終了する。
実際に保留図柄が演出図柄表示装置6に表示され、演出が行なわれていく様子を図20〜25に示す。まず図20(a)は、左・中・右の3図柄からなる演出図柄91が画面上で変動されている様子で、この画面の左下には通常保留キャラクタ92と保留キャラクタ93が表示されている。保留キャラクタが2個表示されているので、保留記憶の数は2個であり、保留キャラクタ92,93とも通常保留キャラクタである。ここで第1始動口11または第2始動口12に新たに入球(以下、単に始動入賞という)が発生したときの様子を示すのが図20(b)である。ここでは保留キャラクタ93の右に新たな保留キャラクタ94として、特別保留キャラクタ1が表示された。やや先走るが、この保留キャラクタ94は他の保留キャラクタに変化されない。これは抽選によりS710において否定判断されたことによる。従って保留キャラクタ94は最終図柄であり、S740の最終保留表示処理により表示されたことになる。そしてS735の保留図柄表示音決定処理により保留図柄表示音5が選択され、S750の保留図柄表示音発生処理により「ゴー」という音が出力される。なお、保留図柄表示音5が選択されたのは抽選による偶然であり、保留図柄が「維持」される場合であっても、保留図柄表示音1や保留図柄表示音7が選択される可能性もあるし、保留図柄表示音が出力されない場合もある。ただし保留図柄表示音8〜11は、「維持」の場合に出力されない(図19参照)。また、図20(b)はスーパーリーチではないので、S745が否定判断される。従って、選択された保留図柄表示音(無音が選択された場合を除く)は、そのままスピーカ66から出力される。
変動されていた演出図柄91が停止された状態が図20(c)である。ここでは「114」というハズレの態様で確定表示されたので、図20(d)に示すように最も古い保留記憶(保留キャラクタ92)が消化され、次の図柄変動が開始される。保留キャラクタ92が消化されたことにより、保留キャラクタ93,94が保留図柄1つ分だけ左にずれる(S805の処理)。この瞬間は、保留キャラクタが変更表示されるチャンスなのだが、前述のように保留キャラクタ94は変化しない。なお、保留キャラクタ93も変更表示される可能性があったのだが、ここでは変化しなかった。新たな始動入賞が発生することなく演出図柄91が変動を続け(図20(e))、「354」というハズレ態様で演出図柄91が停止された状態が図20(f)である。再び最も古い保留記憶(保留キャラクタ93)が消化され、次の図柄変動が開始される(図20(g))。保留キャラクタ93が消化されたことにより、保留キャラクタ94が保留図柄1つ分だけ左にずれる(S805の処理)。この瞬間も、保留キャラクタ94が変更表示するチャンスなのだが、前述の如く保留キャラクタ94は変化しなかった。
変動されていた演出図柄91が「422」というハズレの態様で停止された状態が図20(h)である。図21(i)に示すように最も古い保留記憶(保留キャラクタ94)が消化され、次の図柄変動が開始される。保留キャラクタ94が消化されたことにより、保留記憶の数は0となり、保留キャラクタは画面に表示されていない。やがて左と右の演出図柄91が同じ数字「3」で停止され(図21(j))、リーチ状態となったことが遊技者に報知された様子が図21(k)である。画面が切り替わり、演出図柄91は画面の右上で小さく変動される状態となり、画面の大部分では「桃太郎」の物語が展開されるスーパーリーチ(桃太郎リーチという)が開始される(図21(l))。そして桃太郎が鬼退治に成功すると(図21(m))、中央の演出図柄91が「3」で止まって、再び画面上に大きく演出図柄21が表示され(図21(n))、大当りとなったことが遊技者に報知される(図21(o))。
このように保留キャラクタが表示されても、遊技者はそれが一時図柄か最終図柄かわからない。そして保留図柄表示音を出力することにより(図20(b))、「保留キャラクタが、より信頼度の高い保留キャラクタに変化するかもしれない」という期待感や「信頼度の低い保留キャラクタに変化するかもしれない」という不安感を遊技者に抱かせることができる。こうした期待感や不安感は、表示された保留図柄が変化する場合がある仕様の遊技機においては遊技者が抱くことは可能であるが、パチンコ機50によれば、保留図柄表示音によって、昇格するか、降格するか、或いは維持かといった可能性を遊技者に伝えることができる。例えば図20(b)で発生された保留図柄表示音5の場合は、昇格の可能性が中程度で、降格する可能性のない音なので、「降格する心配はない」という安心感と、「昇格してくれ」という期待感を遊技者に抱かせることができる。
図22に示す演出例では、演出図柄の変動中(図22(a))に発生した始動入賞により、保留キャラクタとして特別保留キャラクタ2が表示された(図22(b))。再び先走ると、この保留キャラクタ95は変化するので一時図柄であり、従って一時保留表示処理(S730)により表示されたことになる。ここでは、S720の保留図柄表示音決定処理により保留図柄表示音3が選択され、S750の保留図柄表示音発生処理により「ドス」という保留図柄表示音3が出力される。ここで保留図柄表示音3が選択されたのも抽選による偶然であり、保留図柄表示音4〜7および保留図柄表示音9以外の音は選択される可能性があった(図19参照)。また、図22(b)の状態もスーパーリーチではないので、S745が否定判断されて、選択された保留図柄表示音(無音が選択された場合を除く)は、そのままスピーカ66から出力される。
変動されていた演出図柄91が停止された状態が図22(c)である。ここでは「345」というハズレの態様で確定表示されたので、図22(d)に示すように最も古い保留記憶(保留キャラクタ92)が消化され、次の図柄変動が開始される。保留キャラクタ92が消化されたことにより、保留キャラクタ93,95が保留図柄1つ分だけ左にずれる(S805の処理)。この時、保留キャラクタ95が保留キャラクタ94に変化する(特別保留キャラクタ2から特別保留キャラクタ1への変化なので降格。降格する可能性が比較的大きい保留図柄表示音3が出力され、これに従って保留図柄が降格した格好となっている)。なお、保留キャラクタ95が変化したということは、保留キャラクタ93は最終図柄である(S710の説明を参照)ので、保留キャラクタ93は変化しない。この変動中に新たな始動入賞が発生し、保留キャラクタ96が保留キャラクタ94の右に表示された様子を示すのが図22(e)である。この時点では、演出図柄表示装置6の画面上に表示されている保留キャラクタ93,94はいずれも一時図柄ではないので、保留キャラクタ96は一時図柄である可能性がある。また、パチンコ機5は保留図柄表示音が出力されなくても、保留図柄が変化(ここでは昇格)する場合があるので、遊技者は「保留キャラクタ96は昇格するかも」と期待することができる。また、スーパーリーチ中ではないので保留キャラクタ96が表示された際に保留図柄表示音が出力される可能性があったのだが、出力されなかった。
そしてこの変動が停止され、「621」というハズレ態様で停止された様子が図22(f)である。再び最も古い保留記憶(保留キャラクタ93)が消化され、次の図柄変動が開始された様子が図22(g)である。保留キャラクタ93が消化された瞬間は、保留キャラクタ96が変化されるチャンスなのだが、図22(g)に示すように変化されなかった。この変動中、新たな始動入賞が発生することなく演出図柄91が停止された様子が図22(h)である。この変動もハズレ態様(ここでは「562」)にて停止されたので、最も古い保留記憶(保留キャラクタ94)が消化され、次の図柄変動が開始される(図23(i))。保留キャラクタ94が消化された時は保留キャラクタ96の表示変化のチャンスだったのだが、保留キャラクタ96は変更表示されなかった(つまり保留キャラクタ96は最終図柄だった)。やがて左と右の演出図柄91が同じ数字「2」で停止され(図23(j))、リーチ状態となったことが遊技者に報知される(図23(k))。このリーチ状態はスーパーリーチに発展することなく演出図柄が変動を続けるノーマルリーチとなり(図23(l)。)、「232」というハズレ態様で中央の演出図柄91が停止された状態が図23(m)である。ただ1つ残った保留記憶(保留キャラクタ96)が消化され、次の図柄変動が開始される(図23(n))。
このように保留キャラクタ95が表示されたときに降格の可能性が大きい保留図柄表示音3を出力することにより(図22(b))、「信頼度の低い保留キャラクタに変化しそうだ」という心積もりを遊技者にさせることができる。そして実際に保留キャラクタ95が降格された場合の失望感を緩和することができる。なお、初めから降格後の図柄である特別保留キャラクタ1を表示させると、特別保留キャラクタ2や特別保留キャラクタ3といった信頼度の高い保留キャラクタの出現頻度が減ってしまう。また、こうした保留図柄から特別保留キャラクタ1や通常保留キャラクタへの降格が頻発すると遊技者が当機種を嫌うようになる恐れがある。この点、保留図柄表示音により、昇格や降格の可能性を遊技者に報知することにより、降格の頻度(ひいては特別保留キャラクタ3といった信頼度の高い保留キャラクタの出現頻度)を高めつつ、遊技者に嫌われにくい遊技機とすることができる。また、変更表示をする場合にも、保留図柄表示音を発生させない場合があるので、遊技者は「保留図柄表示音が発生しなくても昇格するのでは」と期待を持って遊技をすることができる。
一時図柄が表示されたのがスーパーリーチ中であったがために、保留図柄表示音が出力されなかった演出の例を図24〜25に示す。リーチ状態となったことが遊技者に報知され(図24(a))、画面が切り替わって格闘技が展開されるスーパーリーチ(格闘リーチという)が発生したとする。しかも、このスーパーリーチ中に新たな始動入賞が発生し、保留キャラクタ94とし特別保留キャラクタ1が表示された様子を示したのが図24(b)である。なお、本図においてグローブを嵌めていない右側の登場人物が遊技者に見立てたキャラクタ(マイキャラという)であり、マイキャラが格闘技で勝利すると大当り、負けるとハズレ(スーパーリーチを経てのハズレ)となる演出となっている。
図24(b)に表示されている保留キャラクタ94は一時図柄であり、これを表示するにあたり、S720の保留図柄表示音決定処理により保留図柄表示音9すなわち「ヨッシャー」という音声が発生することが決定されていたとする。保留図柄表示音9は昇格確定を予告する音なので保留キャラクタ94は昇格するのだが、現在がスーパーリーチ中であったために、S745が肯定判断され、保留図柄表示音発生処理(S750)が行なわれず、保留図柄表示音9は発生されず、遊技者は保留キャラクタ94が昇格されることを知ることはできない。やがてこのスーパーリーチはマイキャラの敗北で終了し(図24(c))、演出図柄91がハズレ態様(ここでは「424」)で停止表示される(図24(d))。ハズレだったので最も古い保留記憶(保留キャラクタ92)が消化され、次の図柄変動が開始される。保留キャラクタ92が消化されたことにより、保留キャラクタ94が1つ分だけ左にずれ(S805の処理)、かつ保留キャラクタ95に変化(ここでは特別保留キャラクタ1から特別保留キャラクタ2への変化なので昇格)した様子を示したのが図24(e)である。やがてこの変動がハズレ態様「354」で終了した様子を示したのが図24(f)である。唯一の保留記憶である保留キャラクタ95が消化されて演出図柄の変動が始まり(図24(g))、やがて左と右の演出図柄91が同じ数字「4」で停止され(図24(h))、リーチ状態となったことが遊技者に報知される(図25(i))。ここではスーパーリーチ(格闘リーチ)が再び開始され(図25(j))、今回はマイキャラの勝利で終了し(図25(k))、演出図柄91が当り態様(ここでは「444」)で停止表示され(図25(l)、大当りとなったことが遊技者に報知される(図25(m))。
図24(b)に示したようにスーパーリーチ中に一時図柄が表示された場合は、無音ではないことが決定されていても、保留図柄表示音の発生が行なわれない。こうすることにより、格闘リーチ中に発生される演出用の音(音楽、効果音、音声を含む)による演出効果が、保留図柄表示音により阻害されることがない。なお、桃太郎リーチやその他のスーパーリーチ中に保留記憶が発生した場合も同様に、保留図柄表示音を発すると決定された場合であっても、その保留図柄表示音は出力されない。
ここで本実施例の構成・状態と、本発明の構成要件との対応関係を示す。サブ統合制御装置83が本発明の「サブ制御装置」に相当し、S110の処理が本発明の「保留記憶手段」に相当し、S260〜S280の処理が本発明の「抽選手段」に相当し、図7の先読み判定処理が本発明の「先読み結果送信手段」に相当し、S310の処理が本発明の「保留情報送信手段」に相当し、S730およびS740の処理が本発明の「保留図柄表示手段」に相当し、S710の処理が本発明の「変化演出判定手段」に相当し、S75およびS735の処理が本発明の「保留図柄表示音発生手段」に相当し、S745の処理が第3参考例の「保留図柄表示音判定手段」に相当し、桃太郎リーチおよび格闘リーチを表示する処理が第4参考例の「演出表示手段」に相当し、変更表示を行なうことが本発明の「変化演出」に相当する。保留図柄表示音8〜11が本発明の「発生されると必ず変化演出が行なわれる音」に相当し、保留図柄表示音7が本発明の「発生されると必ず変化演出が行なわれない音」に相当し、その他の保留図柄表示音が本発明の「発生されると変化演出が行なわれる可能性がある音」に相当する。また、保留図柄表示音1〜3が本発明の「一時図柄の信頼度が最終図柄の信頼度よりも低い場合に発生される確率が、高い音」に相当し、保留図柄表示音4〜6が本発明の「一時図柄の信頼度が最終図柄の信頼度よりも高い場合に発生される確率が、高い音」に相当する。また、保留図柄表示音10、11が第1参考例の「一時図柄の信頼度が、前記変化演出により該一時図柄が変化されることにより表示される前記最終図柄の信頼度よりも高い場合、および低い場合の双方で発生される保留図柄表示音」に相当し、特に、保留図柄表示音10が第2参考例の「発生されると、前記一時図柄が、前記変化演出により信頼度の低い前記最終図柄に変化する可能性が高い音」に相当し、保留図柄表示音11が第2参考例の「(発生されると、前記一時図柄が、前記変化演出により)信頼度の高い前記最終図柄に変化する可能性が高い音」に相当する。
[実施例2]
本発明の第2実施例のサブ統合制御装置83にて実行される保留表示処理の概要を図26に示す。当処理はS700〜S745は第1実施例の保留表示処理と同じである。S745にて否定判断された場合は、基準音にて保留図柄表示音を発生(S900)し、保留表示音記憶消去処理(S905)を行って当処理を終了(リターン)する。S745が肯定判断すなわちスーパーリーチ中と判断された場合には、S910に移行し、小音量にて保留図柄表示音を発生し、保留表示音記憶消去処理(S915)を行って当処理を終了する。ここで小音量とは、進行中のスーパーリーチ中に発生される演出用の音(音楽、効果音、音声を含む)による演出効果を、阻害しない程度の音量である。
このような処理を行なうことにより、スーパーリーチ中に発生される演出用の音による演出効果を妨げることなく、保留図柄が変化する可能性を遊技者に報知する可能性を持つ遊技機とすることができる。また、遊技者がスーパーリーチか保留図柄表示音の何れに注意を払うかにより、遊技の楽しみ方を選択できる遊技機ともなる。例えば、スーパーリーチの演出にひたりたい(例えば格闘リーチでマイキャラが勝つか負けるかでハラハラしたい)遊技者はスーパーリーチの演出用の音に注意を払い、保留図柄が変化するか否かに関心がある遊技者は保留図柄表示音の有無や種類に注意を払えばよい。
[他の実施例]
前記実施例では、変更表示の契機は他の保留図柄の消化時期であったが、これ以外の時期としてもよい。例えば、当該保留キャラクタが表示されてから所定時間(例えば10秒後)後としてもよい。こうすれば、当該保留キャラクタの前に消化される保留記憶が存在しなくても変更表示を行なうことができる。また、パチンコ機50では、一時図柄は同時に2個以上、演出図柄表示装置6に表示されない仕様であったが、2個以上、演出図柄表示装置6に一時図柄は表示される構成としてもよい。また、変化演出を行なう場合に、保留記憶が発生すると一時図柄を表示する構成ではなく、最初に必ず通常保留キャラクタを表示し、その後、所定のタイミングで一時図柄を表示し、最終的に最終図柄を表示する態様としてもよい。変更表示を行なうか否かを乱数で決定していたが、最終図柄や、表示済みの保留図柄に応じて決定してもよい。また、第1始動口11に入球しても第2始動口12に入球しても共通の特別図柄が変動されるものであったが、それぞれ独立した特別図柄が変動され、当否抽選も個別に行なわれる仕様としてもよい。また前記実施例は、払出制御基板81を備え、遊技球を遊技者に払い出すものであったが、遊技球の代わりに賞球データを遊技者に付与する遊技機に本発明を適用しても良い。
6:演出図柄表示装置 11:第1始動口
12:第2始動口 50:パチンコ機
80:主制御装置 83:サブ統合制御装置
91:(特別図柄の)演出図柄
92〜96:保留キャラクタ

Claims (2)

  1. 遊技球の始動口への入球に起因して抽出された乱数に基づき大当り抽選を行なう主制御装置と、該主制御装置からの通知をもとに複数の演出の中から表示する演出を選択するサブ制御装置と、該サブ制御装置からの指令に基づいて音を発するスピーカとを備える弾球遊技機であって、
    前記主制御装置は、
    前記乱数を複数記憶可能な保留記憶手段と、
    該保留記憶手段に記憶された前記乱数を参照して前記大当り抽選を行なう抽選手段と、
    前記大当り抽選が行なわれる前に、前記保留記憶手段に記憶された前記乱数を参照して、該乱数が特定値か否かを示す先読み判定結果を前記サブ制御装置に送信する先読み結果送信手段と、
    前記保留記憶の発生および消化に関する情報を含む保留情報を前記サブ制御装置に送信する保留情報送信手段と、を備え、
    前記サブ制御装置は、
    前記保留情報に基づき、保留記憶の数に対応する数の保留図柄を画像表示装置に表示する保留図柄表示手段を備え、
    前記保留図柄は信頼度(前記保留図柄表示手段により前記画像表示装置に表示された際に該保留図柄に係る前記乱数に基づく前記大当り抽選が当選する確率)が異なるものが複数種類存在する弾球遊技機において、
    前記サブ制御装置は、
    前記保留図柄表示手段により前記画像表示装置に表示される前記保留図柄を、該表示中に前記信頼度が異なる別の保留図柄に変化させる変化演出を行なうか否かを判定する変化演出判定手段と、
    前記保留記憶が発生した旨を示す前記保留情報を受信すると、保留図柄表示音を前記スピーカから発する保留図柄表示音発生手段と、
    を備えたものであり、
    前記保留図柄表示手段は、前記変化演出判定手段により前記変化演出を行なうと判定された場合には、前記信頼度を示す前記保留図柄である最終図柄を表示するに先んじて、該最終図柄とは異なる信頼度の前記保留図柄である一時図柄を表示するものであり、
    前記保留図柄表示音は、発生されると必ず前記変化演出が行なわれる音と、発生されると必ず前記変化演出が行なわれない音と、発生されると前記変化演出が行なわれる可能性のある音との少なくとも3種類が存在し、前記保留図柄表示音発生手段は、前記保留図柄表示手段によって表示された保留図柄が同じであっても、前記変化演出判定手段による判定結果に基づいて、前記変化演出が行なわれる割合が前記保留図柄表示音に応じて異なるよう、前記保留図柄表示音を選択して前記スピーカから発するものであることを特徴とする弾球遊技機。
  2. 前記保留図柄表示音には、前記一時図柄の信頼度が、前記変化演出により該一時図柄が変化されることにより表示される前記最終図柄の信頼度よりも、高い場合に発生される確率が高い音と、低い場合に発生される確率が高い音とが存在することを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。
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