JP2012186219A - リングフレーム、及び工程管理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】データキャリアの交信距離が長いリングフレーム、及び当該リングフレームを用いた工程管理システムを提供すること。
【解決手段】リングフレーム1は、半導体ウエハ加工用であって、熱可塑性樹脂を環形状に成形して得られるフレーム本体2と、フレーム本体2の環形状に沿った形状を有するデータキャリア3と、を備えることを特徴とする。工程管理システムは、リングフレーム1と、読取装置と、を備え、半導体ウエハ加工工程の管理情報を前記データキャリアとの間で非接触で送受信することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、リングフレーム、及び工程管理システムに関する。
近年、管理対象の物品(被着体)に貼付けられたデータキャリア(ICタグ)を情報取得装置(読取装置、リーダ/ライタともいう。)にかざしてICタグから情報を入手し、物品の識別や管理などを行う非接触式RFIDが開発されて、普及している。このICタグに内蔵されたICチップが、情報取得装置が発する電磁波によって起動して、情報取得装置との間で情報の送受信を行ったり、データの書き換えを行ったりすることができる。ICタグの利用分野としては、例えば各種の交通機関の定期券、企業等における入出管理、商品の在庫管理、物流管理等多岐にわたる。
ICタグは、半導体製造工程の管理にも利用され始めている。例えば、特許文献1には、RFタグ(ICタグともいう。)を半導体ウエハ加工用のリングフレーム(支持フレーム)に貼り付けたものが記載されている。特許文献1に記載のリングフレームは、熱可塑性樹脂材料に導電性材料が配合された成形材料をリング状に成形して得たものであり、このリングフレーム表面の一部に収納穴が形成され、RFタグは、この収納穴に貼り付けられている。半導体ウエハ(被着体)は、マウント用シートなどの接着シートを介して、このRFタグを貼り付けたリングフレームと一体化される。
このようなリングフレームを半導体加工工程で利用する場合には、リングフレームに貼り付けられたRFタグには、例えば、半導体ウエハに関する情報、接着シートに関する情報、既に施された加工工程の情報が記録される。そして、半導体ウエハに対して加工を施す際に、加工装置が備えるリーダ/ライタにて当該RFタグに記録された当該情報を読み取って加工条件を設定したり、施した加工条件に関する情報をRFタグに書き込んだりする。その後、次工程にリングフレームが搬送されて、RFタグに記録された情報が利用される。このようにして、RFタグ付きリングフレームが工程管理システムに利用されている。
特開2007−314650号公報
ところで、特許文献1に記載のリングフレームに貼り付けられたICタグは、フィルム基板と、このフィルム基板に装着されるICチップと、このICチップに接続されたアンテナとを備えたラベル型であり、リングフレーム表面の一部に形成された収納穴に収まる大きさに形成されている。
しかしながら、このようなリングフレームの場合、貼り付けられたICタグのアンテナコイルの内径も必然的にフィルム基板面内に収まるように制限されることになるため、ICタグの交信距離にも限界があり、交信距離を長くしたいという要求もある。交信距離が短ければ、半導体ウエハ加工の工程管理情報を送受信するために、リングフレームをリーダ/ライタに近づけるか、リーダ/ライタをリングフレームに近づけなければならない。
本発明の目的は、データキャリアの交信距離が長いリングフレーム、及び当該リングフレームを用いた工程管理システムを提供することである。
本発明のリングフレームは、
半導体ウエハ加工用のリングフレームであって、
熱可塑性樹脂を環形状に成形して得られるフレーム本体と、
前記フレーム本体の環形状に沿った形状を有するデータキャリアと、を備える
ことを特徴とする。
本発明のリングフレームにおいて、
前記データキャリアが、前記フレーム本体の表面に貼り付けられ、又は前記フレーム本体の内部に収容されている
ことが好ましい。
本発明の工程管理システムは、
前記本発明のリングフレームと、
読取装置と、を備え、
半導体ウエハ加工工程の管理情報を前記データキャリアとの間で非接触で送受信する
ことを特徴とする。
本発明の工程管理システムにおいて、
前記管理情報が、前記リングフレームに貼付する半導体製造用テープに関する情報、前記半導体製造用テープに貼付する半導体ウエハに関する情報、及び半導体ウエハ加工条件に関する情報のうち少なくともいずれかである
ことが好ましい。
本発明のリングフレームによれば、データキャリアがリングフレームの環形状に沿った形状を有するので、従来技術のようにリングフレームの一部にICタグを貼り付けた場合に比べて、データキャリアのアンテナコイルの内径が大きくなる。その結果、リングフレームのデータキャリアの交信距離を長くすることができる。
また、データキャリアがリングフレームの表面に貼り付けられている場合には、データキャリアの存在の有無を確実に確認することができる。
また、データキャリアがリングフレームの内部に収容されている場合には、半導体ウエハの加工の際にデータキャリアが邪魔にならず、一方でウエハ加工時やリングフレーム搬送時のデータキャリアの破損や損傷を防止できる。
本発明の工程管理システムによれば、本発明のリングフレームと、読取装置とを備えるので、読取装置とデータキャリアとの間の交信距離を長くした工程管理システムを構築できる。例えば、従来のようなICタグをフレーム本体に貼り付けただけの場合では、交信距離が短いため、ICタグとリーダ/ライタとの間で管理情報を送受信する際に、両者を近づける必要がある。本発明のように交信距離を長くした工程管理システムであれば、両者を従来技術のように近づけなくても良いので、リングフレームから離れた位置にリーダ/ライタを設置して、そこから、管理情報を確実に送受信することができるようになる。その結果、半導体ウエハ加工装置や加工ラインの設計の自由度が増す。
また、本発明の工程管理システムにおいて、管理情報が、前記リングフレームに貼付する半導体製造用テープに関する情報、前記半導体製造用テープに貼付する半導体ウエハに関する情報、及び半導体ウエハ加工条件に関する情報等であるので、半導体ウエハに対して適切な加工を施すことができる。すなわち、本発明の工程管理システムは、交信距離の長いリングフレームを用いているので、これらの管理情報をリーダ/ライタに確実に送信することができ、加工装置は、リーダ/ライタで受信した管理情報に基づいて適切な加工条件を設定した上で加工を行うことができる。
本発明の第一実施形態に係るリングフレームの平面図である。 本発明の第一実施形態に係る工程管理システムの概略図である。 半導体ウエハ加工工程のラミネート工程を説明する概略図である。 半導体ウエハを収納する半導体ウエハ収納カセットに貼り付けられる収納カセット用データキャリアの断面図である。 半導体ウエハ加工工程のバックグラインド工程を説明する概略図である。 半導体ウエハ加工工程のマウント工程を説明する概略図である。 半導体ウエハ加工工程のダイシング工程を説明する概略図である。 本発明の第二実施形態に係るリングフレームの(A)平面図、及び(B)断面図である。
<第一実施形態>
〔リングフレーム〕
図1には、本発明の第一実施形態に係るリングフレーム1が示されている。
リングフレーム1は、環状に形成されたフレーム本体2と、このフレーム本体2の環形状に沿った形状を有するデータキャリア3とを備えて構成されている。
本実施形態のリングフレーム1は、半導体加工プロセスにおいて被着体としての半導体ウエハを支持する。
フレーム本体2は、熱可塑性樹脂を環状に成形して得られるものである。本発明において、環状とは、円形に限らず、楕円形、四角形などの多角形なども含む。
フレーム本体2は、直径8インチ(203.2mm)又は直径12インチ(304.8mm)の半導体ウエハを支持可能なように、半導体ウエハよりも大きいサイズに成形される(1インチ=2.54cm)。フレーム本体2の内径寸法は、例えば、直径8インチの半導体ウエハ向けだと250mm程度、直径12インチの半導体ウエハ向けだと350mm程度とされる。フレーム本体2の枠の幅寸法は、データキャリア3を搭載させるのに必要な大きさに成形されている。より具体的には、後述するようにデータキャリア3のアンテナコイル32をフレーム本体2の環形状に沿って配置可能な幅寸法であればよく、3mm〜150mmが好ましく、5mm〜100mmがさらに好ましく、10mm〜50mmがより好ましい。フレーム本体2の枠の幅寸法が3mm未満であると、データキャリア3を配置するのに十分な幅でなかったり、データキャリア3のアンテナの設計に制限が出たり、リングフレーム1としての各加工工程における強度が不足する場合がある。フレーム本体2の枠の幅寸法が150mmを超えると、必要以上の大きさを有することになり不経済であるばかりか、リングフレーム1の収納カセットや各種半導体ウエハ加工機(バックグラインド装置、ダイシング装置等)の大型化を招くことになり、装置の設置場所等に支障が出る場合などがある。なお、本発明では、フレーム本体2の枠の幅寸法は、フレーム本体2の内周縁から外周縁までの距離とする。
フレーム本体2の厚さ寸法は、成形に用いられる樹脂の種類に応じて適宜設定されればよいが、例えば1mm〜30mmが好ましく、2mm〜10mmがさらに好ましい。この厚さ寸法が1mm未満だとリングフレーム1としての各加工工程における強度が不足する場合がある。この厚さ寸法が30mmを超えると必要以上の大きさを有することになり不経済であるばかりか、リングフレームの収納カセットや各種半導体ウエハ加工機(バックグラインド装置、ダイシング装置等)の大型化を招くことになり、装置の設置場所等に支障が出る場合などがある。
フレーム本体2の外周面には、リングフレーム1を搬送する際や加工する際に位置決めするためのノッチ21が形成されている。
フレーム本体2の成形に用いられる熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン、アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン共重合体(acrylonitrile-butadiene-styrene copolymer、ABS)、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、塩化ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリカーボネート、ナイロン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、芳香族ポリスルホン等が挙げられ、これらを単独あるいはブレンドして用いてもよい。これらの熱可塑性樹脂に、強度や剛性を確保するために、カーボンファイバー、炭酸カルシウム、及び補強効果や耐薬品性に優れるホウ酸アルミニウムウィスカーなどが配合されていてもよい。
また、フレーム本体2の成形に用いられる熱可塑性樹脂には、半導体ウエハ加工工程における静電気の発生を抑制するために熱可塑性樹脂に導電性材料を配合して用いることが好ましい。導電性材料としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等の導電性カーボンブラック、酸化錫、酸化インジウム等の金属酸化物、過塩素酸リチウムや有機ホウ素錯体リチウム塩等のリチウム系イオン導電材料等が挙げられる。これら導電性材料の配合量としては、特に限定はされないが、熱可塑性樹脂100重量部に対して1重量部〜50重量部が好ましく、5重量部〜25重量部がさらに好ましい。導電性材料の配合量が1重量部未満であると、導電性が不足する場合があり得る。導電性材料の配合量が50重量部を超えると、導電性向上の寄与に対して過剰な配合量となったり、リングフレームの強度不足を招いたりする場合などがある。
データキャリアとは、情報の記憶部を有する担体であり、情報の入力、書き換えを行ったり、入力された情報について質問器からの質問に対して応答を返信する装置を意味する。本発明においては、電磁波を通信媒体として非接触で情報の入力あるいは出力を行うことができる非接触型のデータキャリアが好ましく用いられる。このような非接触データキャリアとしては、ICチップと導電性コイルを接続してなる、いわゆるRFメモリーがあげられる。
本実施形態において、データキャリア3は、非接触型のデータキャリアであり、ICチップ31と、このICチップ31に接続された導電性のアンテナコイル32とを備える。
データキャリア3は、フレーム本体2の環形状に沿った形状を有するものである。アンテナコイル32の巻き数(又は、ターン数ともいう。)は、1以上であればよい。本実施形態でのアンテナコイル32の巻き数は、1であり、フレーム本体2の環形状に沿って略1周にわたってアンテナコイル32が設けられている。アンテナコイル32の内径寸法は、フレーム本体2の内径寸法より大きい。そのため、アンテナコイル32の内径寸法は、フレーム本体2が直径8インチの半導体ウエハ向けだと250mm以上になり、フレーム本体2が直径12インチの半導体ウエハ向けだと350mm以上になる。アンテナコイル32の外形寸法は、フレーム本体2の外形寸法よりも小さい。
アンテナコイル32の線間隔は、巻き数とフレーム本体2の幅寸法との関係で適宜設定される。
データキャリア3は、フレーム本体2に対して接着剤や両面粘着シートなどによって貼り付けられる。ここで用いる接着剤や両面粘着シートは、公知のものを用いることができる。
また、データキャリア3を覆うような保護部材を設けてもよい。
このとき、保護部材の一方の面に粘着剤層を用いることで、データキャリア3をフレーム本体2に貼り付けてもよい。前記両面粘着シートの中芯および保護部材としては、紙材、布、合成樹脂からなるフィルムなどを用いることができる。
紙材としては、上質紙、グラシン紙、クラフト紙、クレープ紙、板紙、木材繊維や合成繊維などからなる不織布などを例示することができる。
布としては、アクリル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維等の合成繊維、炭素繊維、綿、絹、麻などを織り込んだものを例示することができる。
合成樹脂としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、シリコーン樹脂、スチレン樹脂、ブタジエン樹脂などを例示することができる。
前記両面粘着シートの中芯および保護部材の厚さ寸法は、1μm〜1mmが好ましく、5μm〜300μmがさらに好ましい。この厚さ寸法が1μm未満であると、薄くてコシが無いために貼り付けにくくなったり、シワになり易かったり、切れ易くなったりすることがある。この厚さ寸法が1mmを超える場合には、コシがありすぎて可とう性が不足して貼り付けにくくなったり、大型化したりするという問題が生ずる場合がある。
前記両面粘着シートや保持部材の粘着剤、並びにフレーム本体2に貼り付けるための接着剤としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂などを用いることができる。
当該粘着剤や接着剤の厚さ寸法としては、1μm〜500μmが好ましく、5μm〜100μmがさらに好ましい。この厚さ寸法が1μm未満であると、均一な膜が得られにくかったり、接着性が不足したりする場合などがある。500μmを超える場合には、成膜時に余分な時間が必要になったり、大型化につながったりするばかりか、不経済であるという問題も招く場合がある。
また、データキャリア3は、ICチップ31とアンテナコイル32とが予めタグ化されたものであっても良い。すなわち、ICチップ31とアンテナコイル32とをフレーム本体2の環形状に沿った形状を有する回路基材上に実装して得たICタグをフレーム本体2に貼り付ける時と同様の両面粘着シートでフレーム本体2に貼り付けてもよい。この場合の回路基材としては、保護部材で例示した材料を挙げることができ、好ましい厚さ寸法についても同様である。さらに、回路基材上にフレーム本体2に沿ったアンテナコイル32を形成し、ICチップ31を実装したICタグに粘着剤層を積層して粘着ラベル状にして、フレーム本体2に合わせた形状に打ち抜き、切断をしてフレーム本体2に貼り付けてもよい。
アンテナコイル32の形成方法としては、被覆銅線をフレーム本体2の環形状に沿って巻く方法、導電性ペーストを当該環形状に沿って印刷する方法、フレーム本体2や回路基材上に積層した銅やアルミニウム等の導電性金属箔を当該環形状に沿った形状にエッチングする方法などが挙げられる。導電性ペーストとしては、金、銀、ニッケル、銅等の金属粒子をバインダーや有機溶剤に分散させたものが上げられる。バインダーとしては、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ、フェノール等の樹脂が挙げられる。
〔工程管理システム〕
工程管理システム20は、図2に示すように、リングフレーム1が備えるデータキャリア3と、このデータキャリア3との間で電磁誘導方式により電波を送受信してデータキャリア3の内部メモリにアクセスする読取装置としてのリーダ/ライタ4とを備えて構成される。さらに、このリーダ/ライタ4を制御する制御装置としてのコンピュータ5を備えることが好ましく、リーダ/ライタ4とコンピュータ5とは、有線又は無線により接続される。
本実施形態では、工程管理システム20が半導体ウエハ加工工程の管理に用いられる場合を例に挙げて説明する。工程管理システム20では、リングフレーム1に備えられたデータキャリア3とリーダ/ライタ4との間で半導体ウエハ加工工程の管理情報をやり取りする。
半導体ウエハ加工では、図2に示すように、リングフレーム1に半導体製造用テープとしての粘着シートSを介して半導体ウエハWがマウントされている。
半導体ウエハWは、シリコン半導体ウエハやガリウム・ヒ素半導体ウエハなどが挙げられる。
粘着シートSとしては、従来より半導体ウエハの加工に用いられてきた粘着シートが特に制限なく用いられるが、本発明においては、特にエネルギー線硬化型粘着剤層を備えた粘着シートが好ましく用いられる。このようなエネルギー線硬化型粘着シートの詳細は、特開昭60−196956号公報、特開昭60−223139号公報、特開平5−32946号公報、特開平8−27239号公報等に記載されている。
管理情報としては、例えば、リングフレーム1に貼付する粘着シートSに関する情報(粘着シート情報)、粘着シートSに貼付されリングフレーム1にマウントされる半導体ウエハWに関する情報(ウエハ情報)、半導体ウエハWに施された加工条件に関する情報(ウエハ加工情報)が挙げられる。
各管理情報について具体的に説明する。
粘着シート情報としては、粘着シートSの製品名、品番、ロットナンバー、品質保証期限等が挙げられる。本実施形態では、粘着シートSは、半導体ウエハWをフレーム本体2と一体化するマウント工程、及び半導体ウエハWを切断するダイシング工程で用いられるマウントテープに当たる。
ウエハ情報としては、半導体ウエハWに関する情報が挙げられる。半導体ウエハWに関する情報としては、半導体ウエハWのロット番号、種類、サイズや厚さ寸法、寸法精度、傷の有無、半導体ウエハ上に形成された回路に関する情報などが挙げられる。
ウエハ加工情報としては、半導体ウエハWの回路が形成されていない裏面を研削加工した際の条件に関する裏面研削情報や、半導体ウエハWをリングフレーム1と一体化する際のマウント情報などが挙げられる。
このように構成される本発明のリングフレーム1、及び工程管理システム20を用いて半導体を製造する半導体ウエハ加工処理装置および半導体ウエハ加工処理方法について、以下に例示する。
図3〜8は、半導体ウエハ加工工程を説明する概略図である。
半導体ウエハ加工工程は、ここでは、ラミネート工程と、バックグラインド工程と、マウント工程と、ダイシング工程とを例に挙げて説明する。
なお、以下に説明する半導体ウエハ加工工程で用いられる各種装置が備えるリーダ/ライタ、及びコンピュータは、上述のリーダ/ライタ4、及びコンピュータ5と同様のものである。
(ラミネート工程)
図3は、ラミネート工程の概略を示す図であって、管理情報の流れを示す。
ラミネート工程では、ラミネート装置11が用いられる。ラミネート装置11は、表面に回路が形成された半導体ウエハWが収容された半導体ウエハ収納カセット6から半導体ウエハWを取出し、半導体ウエハWの当該回路面に保護テープ11cを貼り付け、半導体ウエハWの形状に沿って切断する。
ラミネート装置11は、リーダ/ライタ11a、及びコンピュータ11bを備える。半導体ウエハ収納カセット6には、収納カセット用データキャリア6aが貼り付けられている。
この収納カセット用データキャリア6aは、非接触型のデータキャリアであり、ICチップと、このICチップに接続された送受信用の導電性コイルとから構成され、半導体ウエハ収納カセット6に貼り付けて使用するラベル型の構造のものである。すなわち、収納カセット用データキャリア6aは、リングフレーム1が備えるフレーム本体2の環形状に沿って形成されたデータキャリア3とは、形状や構造などが異なるデータキャリアである。
収納カセット用データキャリア6aは、例えば、図4に示すように、ポリエチレンテレフタレートなどの回路用基材61の表面に、導電性インクにて回路62が印刷され、その上面にICチップ63が実装されている。そして、その上面に、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどの表面基材64が貼り付けられ、その表面には、熱転写印字(印刷)が可能な印字コート層65が設けられている。さらに、回路用基材61の裏面側に、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどを芯材とし、芯材66の両面に粘着層67を備えた両面粘着テープ68が設けられている。
収納カセット用データキャリア6aには、ウエハ情報(ここでは、ウエハ情報Aとする。)が書き込まれており、ラミネート装置11のリーダ/ライタ11aがこのウエハ情報Aを読み取る。
また、保護テープ11cは、軸芯11dに巻きつけられており、この軸芯11dにも収納カセット用データキャリア6aと同様の図示しない保護テープ軸芯用データキャリアが貼り付けられている。この保護テープ軸芯用データキャリアには、保護テープ11cに関する、製品名、品番、ロットナンバー、品質保証期限等の情報(ここでは、保護テープ情報Bとする。)が書き込まれており、ラミネート装置11のリーダ/ライタ11aがこの保護テープ情報Bを読み取る。
ラミネート装置11のコンピュータ11bは、リーダ/ライタ11aで読み取ったウエハ情報A、及び保護テープ情報Bに基づいて、保護テープ11cの貼り付け条件を決定し、ラミネート装置11は、この貼り付け条件にしたがって半導体ウエハWに保護テープ11cを貼り付ける。
保護テープ11cが貼り付けられた半導体ウエハWは、別の半導体ウエハ収納カセット7に収容される。この半導体ウエハ収納カセット7には、収納カセット用データキャリア6aと同様の収納カセット用データキャリア7aが貼り付けられている。リーダ/ライタ11aは、この収納カセット用データキャリア7aに、ウエハ情報A、保護テープ情報B、ラミネート装置11で貼り付け加工した際の条件(貼り付けテンション、貼り付け速度など。)に関する貼付情報Cを書き込む。
(バックグラインド工程)
図5は、ラミネート工程の後に行われるバックグラインド工程の概略を示す図であって、管理情報の流れを示す。
バックグラインド工程では、グラインダー(裏面研削装置)12が用いられる。グラインダー12は、半導体ウエハWの保護テープ11c側を、図示しない吸着テーブルに吸着保持して、回路が形成されていない裏面を、所定の厚さ寸法まで研削する
グラインダー12は、リーダ/ライタ12a、及びコンピュータ12bを備える。
リーダ/ライタ12aは、半導体ウエハ収納カセット7の収納カセット用データキャリア7aに書き込まれた情報(ウエハ情報A、保護テープ情報B、及び貼付情報C)を読み取り、これらの情報に基づいて、コンピュータ12bは、裏面研削条件を決定する。グラインダー12は、この裏面研削条件にしたがって所定の厚さ寸法となるまで半導体ウエハWの回路が形成されていない裏面を研削する。
所定の厚さ寸法まで研削した後、保護テープ11cが貼着された半導体ウエハWは、別の半導体ウエハ収納カセット8に収容される。この半導体ウエハ収納カセット8には、収納カセット用データキャリア6aと同様の収納カセット用データキャリア8aが貼り付けられている。リーダ/ライタ12aは、この収納カセット用データキャリア8aに、ウエハ情報A、保護テープ情報B、貼付情報C、グラインダー12で裏面研削加工を施した際の条件(研削速度、グラインダーの目の番手、仕上げ厚さ寸法など)に関する裏面研削情報Dを書き込む。
(ウエハマウント工程)
図6は、バックグラインド工程の後に行われるマウント工程の概略を示す図であって、管理情報の流れを示す。
ウエハマウント工程では、マウンター13が用いられる。マウンター13は、半導体ウエハ収納カセット8から半導体ウエハWを取り出して、半導体ウエハWの保護テープ11c側を図示しない吸着テーブルに吸着保持して、この半導体ウエハWの外周にリングフレーム1を置く。その後、マウンター13は、半導体ウエハW、及びリングフレーム1に対してマウントテープ13cを貼着して、リングフレーム1の外形状にマウントテープ13cを切断する。このようにして、マウントテープ13cを介して、半導体ウエハWとリングフレーム1とを一体化している。
なお、マウントテープ13cをリングフレーム1の外形上に切断する代わりに、リングフレーム1の形状に予めプリカットされたマウントテープ13cを用いても良い。
また、マウントテープ13cは、軸芯13dに巻きつけられており、この軸芯13dにも収納カセット用データキャリア6aと同様の図示しないマウントテープ軸芯用データキャリアが貼り付けられている。このマウントテープ軸芯用データキャリアには、マウントテープ13cに関する、製品名、品番、ロットナンバー、品質保証期限等のマウントテープ情報Eが書き込まれている。なお、このマウントテープ13cは、上述の粘着シートSに相当する。
なお、ウエハマウント工程においては、この半導体ウエハWをリングフレーム1ごと反転して、半導体ウエハWの回路面に貼着された保護テープ11cを、例えば、別途図示しない剥離テープを用いて剥離するようになっている。
マウンター13は、リーダ/ライタ13a、及びコンピュータ13bを備える。
リーダ/ライタ13aは、半導体ウエハ収納カセット8の収納カセット用データキャリア8aに書き込まれた情報(ウエハ情報A、保護テープ情報B、貼付情報C、及び裏面研削情報D)、マウントテープ情報E、並びにリングフレーム1のデータキャリア3に予め書き込まれたリングフレーム情報F(リングフレーム1の種類、材質、寸法、製造日、ロット番号など)を読み取り、これらの情報に基づいてコンピュータ13bは、マウント条件を決定し、マウンター13は、このマウント条件にしたがって半導体ウエハWとリングフレーム1とを一体化する。
半導体ウエハWをマウントした後、リーダ/ライタ13aは、リングフレーム1のデータキャリア3に、ウエハ情報A、保護テープ情報B、貼付情報C、裏面研削情報D、マウントテープ情報E、リングフレーム情報F、マウントした際の条件(マウントテープ13cの貼着速度、貼着圧力、)に関するマウント情報Gを書き込む。
本発明のリングフレーム1の交信距離は、従来技術に比べて長いため、リーダ/ライタ13aがリングフレーム1から離れた位置にあってもデータキャリア3に確実に情報を書き込むことができる。
情報書き込み後、リングフレーム1と一体化した半導体ウエハWは、別の半導体ウエハ収納カセット9に収容される。この半導体ウエハ収納カセット9には、収納カセット用データキャリア6aと同様の別の収納カセット用データキャリアが貼り付けられていてもよい。この場合には、リングフレーム1のデータキャリア3と当該別の収納カセット用データキャリアとの両方に、リーダ/ライタ13aによって情報が書き込まれても良い。
(ダイシング工程)
図7は、マウント工程の後に行われるダイシング工程の概略を示す図であって、管理情報の流れを示す。
ダイシング工程では、ダイシング装置14が用いられる。ダイシング装置14は、半導体ウエハ収納カセット9から半導体ウエハWをリングフレーム1ごと取り出して、半導体ウエハWを賽の目状に切断する。
ダイシング装置14は、リーダ/ライタ14a、及びコンピュータ14bを備える。
リーダ/ライタ14aは、リングフレーム1のデータキャリア3に書き込まれた情報(ウエハ情報A、保護テープ情報B、貼付情報C、裏面研削情報D、マウントテープ情報E、リングフレーム情報F、及びマウント情報G)を読み取る。リングフレーム1の交信距離は、従来技術に比べて長いため、リーダ/ライタ14aがリングフレーム1から離れた位置にあってもデータキャリア3から確実に情報を読み取ることができる。
これらの読み取った情報に基づいて、コンピュータ14bは、ダイシング条件を決定する。ダイシング装置14は、このダイシング条件にしたがって半導体ウエハWを切断する。
切断後、リーダ/ライタ14aは、リングフレーム1のデータキャリア3に、ウエハ情報A、保護テープ情報B、貼付情報C、裏面研削情報D、マウントテープ情報E、リングフレーム情報F、マウント情報Gの他、半導体ウエハWを切断した際のダイシング条件(ダイシングブレードの種類、ダイシングライン数、ダイシング刃の回転速度、ダイシング寸法など)に関するダイシング情報Hを書き込む。なお、データキャリア3には、上記情報A〜Gが既に書き込まれているため、ダイシング情報Hだけを新たにデータキャリア3に書き込むようにしてもよい。
リングフレーム1の交信距離は、従来技術に比べて長いため、リーダ/ライタ14aがリングフレーム1から離れた位置にあってもデータキャリア3に確実に情報を書き込むことができる。
情報書き込み後、リングフレーム1と一体化した半導体ウエハWは、図示しない別の半導体ウエハ収納カセットに収容される。この半導体ウエハ収納カセットにも、収納カセット用データキャリア6aと同様の収納カセット用データキャリアが貼り付けられていてもよい。この場合には、リングフレーム1のデータキャリア3とこの収納カセット用データキャリアとの両方に、リーダ/ライタ13aによって情報が書き込まれても良い。
ダイシング工程の後、半導体ウエハWは、リングフレーム1ごと、図示しない別の半導体ウエハ収納カセットに収容され、次の工程、例えば、ダイボンディング工程へと搬送される。ダイボンディング工程では、ボンディング装置によって、賽の目状に切断された半導体チップをピックアップして、電子製品用の基板等に実装する。このダイボンディング工程でもリングフレーム1のデータキャリア3に書き込まれた情報をボンディング装置が備えるリーダ/ライタで読み取って、読み取った情報に基づいてコンピュータが決定した条件で半導体チップをピックアップし、及び基板に実装する。
〔第一実施形態の作用効果〕
本発明のリングフレーム1によれば、データキャリア3のアンテナコイル32がフレーム本体2の環形状に沿った形状を有するので、アンテナコイル32の内径が大きくなる。その結果、リングフレーム1のデータキャリア3の交信距離を長くすることができる。
工程管理システム20によれば、リングフレーム1と、リーダ/ライタ4と、コンピュータ5とを備えるので、リーダ/ライタ4とデータキャリア3との間の交信距離を長くした工程管理システムを構築できる。例えば、従来のようなICタグをフレーム本体の環形状の一部に貼り付けただけの場合では、アンテナコイルの内径が小さく、交信距離が短いため、ICタグとリーダ/ライタとの間で管理情報を送受信する際に、両者を近づける必要がある。交信距離を長くした工程管理システム20であれば、両者を従来技術のように近づけなくても良いので、リングフレーム1から離れた位置にリーダ/ライタ4を設置しても、そこから、管理情報を確実に送受信することができるようになる。その結果、半導体ウエハ加工装置やラインの設計自由度が増す。
<第二実施形態>
図8には、本発明の第二実施形態に係るリングフレーム1aが示されている。
図8(A)は、リングフレーム1aの平面図、図8(B)は、リングフレーム1aの断面図を示す。リングフレーム1aは、図8(A)に示すように、環状に形成されたフレーム本体2aと、このフレーム本体2aの環形状に沿った形状を有するデータキャリア3とを備えて構成され、図8(B)に示すように、フレーム本体2aの内部にデータキャリア3が収容されている点で、上記実施形態のリングフレーム1と異なる。
ICチップ31、及びアンテナコイル32を備えるデータキャリア3をフレーム本体2aの内部に収容させる方法としては、例えば、以下の方法が挙げられるが、これに限られない。
第一の方法としては、フレーム本体2aを、フレーム本体2と同じ環形状であり、厚さ寸法が半分程度の2つのフレーム部材に分けて成形し、2つのフレーム部材の間にデータキャリア3を挟んで一体化する方法が挙げられる。
第二の方法としては、インサート成形法が挙げられる。フレーム本体2aの成形にあたり、フレーム本体2と同じ環形状であり、厚さ寸法が半分程度のフレーム部材を射出成形し、このフレーム部材を金型内に入れたままでデータキャリア3を当該フレーム部材の環形状に沿って配置する。その後、フレーム本体2aの残り半分の厚さ寸法分の樹脂を射出成形し、内部にデータキャリア3を収容するフレーム本体2aを成形する。
〔第二実施形態の作用効果〕
第二実施形態のリングフレーム1aによれば、第一実施形態のリングフレーム1と同様に交信距離を長くすることができるとともに、次の効果を奏する。
リングフレーム1aでは、データキャリア3がフレーム本体2aの内部に収容されているので、データキャリア3の破損や損傷に対する耐性を向上させたものを得ることができる。
<変形例>
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に示すような変形をも含むものである。
例えば、リングフレーム1において、フレーム本体2の表面に環形状に沿った収納溝を形成し、この収納溝にデータキャリア3を環形状に沿って収容させても良い。
また、半導体加工工程においてリングフレーム1のデータキャリア3と情報をやり取りするリーダ/ライタは、各加工装置が備えていなくても良い。例えば、半導体ウエハWをリングフレーム1ごと搬送している途中の搬送経路にリーダ/ライタ4、及びコンピュータ5を設置して、このリーダ/ライタ4でデータキャリア3から管理情報を読み取り、コンピュータ5から各加工装置にデータキャリア3に蓄積された管理情報を無線又は有線で送るようにしても良い。本発明のリングフレーム1は、交信距離が長いので、このような工程管理システムを構築することもでき、加工装置のところまでに半導体ウエハWが搬送されてくるまでの間に加工装置側で管理情報を受信し、受信した情報に基づいた加工条件の設定、この加工条件に基づいた装置や部材のセッティングを行うこともできるようになるので、搬送されてきた半導体ウエハWの加工に迅速に取り掛かることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
以下に例示する実施例1〜5、及び比較例1〜5のリングフレームを作製し、その交信距離を測定することで、リングフレームの性能評価を行った。交信距離の測定には、Welcat株式会社製のリーダ/ライタ(商品名:XIT−150−BR)を用いた。
交信距離については、リングフレーム、及びリーダ/ライタのそれぞれの中心部を近づけてリーダ/ライタにICタグを検知させた後、両者を徐々に平行にしたまま離間させて、リーダ/ライタがICタグを検知する最大の間隔を交信距離とした。
(実施例1)
8インチのウエハ用のフレーム本体を作製した。芳香族ポリスルホン(BASF株式会社製、商品名:ULTRASON−E1010P)80重量%、及びポリフェニレンスルフィド樹脂(東レ株式会社製、商品名:ライトンE−1880)20重量%からなる樹脂組成物(100重量部)に対して、導電性材料であるカーボンブラック(Columbian株式会社製、商品名N−550U)(18重量部)を配合し、330℃〜340℃の範囲で混練、ペレット化して作製した成形材料を射出成形した。射出成形条件は、樹脂温度が360℃、金型温度が150℃の条件であった。フレーム本体の内径は、250mm、幅寸法は、22mm、厚さ寸法は、2mmとした。
次に、被覆銅線(ドイト株式会社製、銅針金、商品名:S−252、直径2mm)をフレーム本体の環形状に沿って貼り付けた。被覆銅線で形成されるアンテナコイルの内径を275mmとした。被覆銅線の巻き数は、1とした。被覆銅線の貼り付けには、接着剤(HAKKO株式会社製、商品名:HAKKO MELTER STICK No.810)を用いた。
被覆銅線を貼り付けた面と同じ面にICチップ(NXP株式会社製、製品名:IcodeSLI)を実装し、データキャリアを形成した。実装には、フリップチップ実装機(九州松下株式会社製、製品名:FB30T−M)を用いた。接合材料には、異方導電性ペースト(ACP、京セラケミカル株式会社製、製品名:TAP0602F)をACP塗布量で0.28mg使用した。ACPへの加熱温度はICチップにおいて220℃、ICチップへの荷重は2N(200gf)、加圧加熱時間は7秒間として、実装を行った。
このようにして実施例1のリングフレームを作製し、交信距離を測定した。測定結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1のリングフレームにダイシングテープ(リンテック株式会社製、商品名:Adwill G−19)を貼り付け、このダイシングテープ上にシリコンウエハ(8インチ)をマウントした状態で交信距離を測定した。測定結果を表1に示す。
(実施例3)
12インチのウエハ用のフレーム本体を作製した。フレーム本体の内径は、350mmとし、被覆銅線で形成されるアンテナコイルの内径は375mmとした以外は、実施例1のリングフレームと同様にして作製し、交信距離を測定した。測定結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例3のリングフレームに実施例2で用いたダイシングテープを貼り付け、このダイシングテープ上にシリコンウエハ(12インチ)をマウントした状態で交信距離を測定した。測定結果を表1に示す。
(実施例5)
フレーム本体の成形材料をアクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン共重合体(ABS)系材料に変更した以外は、実施例1のリングフレームと同様にして作製し、実施例2と同様にダイシングテープを貼り付け、シリコンウエハをマウントした状態で交信距離を測定した。測定結果を表1に示す。
成形材料は、アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン共重合体(ABS)樹脂に対して、リチウム系のイオン導電剤(三光化学工業株式会社製、商品名:TBX310)を重量比10%で配合し、330℃〜340℃の範囲で混練、ペレット化して作製した成形材料を射出成形した。射出成形条件は、樹脂温度が360℃、金型温度が150℃の条件であった。
(比較例1)
実施例1で作製したフレーム本体に、ICタグ(リンテック株式会社製、商品名:Britem TS−L、共振周波数:13.56MHz帯域)を貼り付けてリングフレームを作製し、交信距離を測定した。測定結果を表1に示す。
このICタグの外形寸法は、11mm×64mmである。
(比較例2)
比較例1で作製したリングフレームに実施例2で用いたダイシングテープを貼り付け、このダイシングテープ上にシリコンウエハ(8インチ)をマウントした状態で交信距離を測定した。測定結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例2で作製したフレーム本体に、比較例1と同じICタグを貼り付けてリングフレームを作製し、交信距離を測定した。測定結果を表1に示す。
(比較例4)
比較例3で作製したリングフレームに実施例2で用いたダイシングテープを貼り付け、このダイシングテープ上にシリコンウエハ(12インチ)をマウントした状態で交信距離を測定した。測定結果を表1に示す。
(比較例5)
8インチのウエハ用のステンレス製のフレーム本体を用いた以外は、比較例1と同様にしてリングフレームを作製し、交信距離を測定した。測定結果を表1に示す。
表1が示すように、実施例1〜5のリングフレームは、比較例1〜5のリングフレームに比べて、いずれも交信距離が20倍以上長くなることが分かった。また、半導体ウエハをリングフレームにマウントした状態であっても、交信距離の減少はわずかであることが分かった。また、フレーム本体の材質を変えた場合でも、実施例1〜2と実施例5とで比較すると、交信距離の差は、ほとんど見られなかった。
比較例1〜4のリングフレームについては、ICタグがフレーム本体の環形状の一部に貼り付けられるに止まるので、アンテナコイルの内径が小さく、交信距離が短くなった。比較例5の金属製のリングフレームでは測定不可能となった。
1,1a…リングフレーム
2,2a…フレーム本体
3…データキャリア
4…リーダ/ライタ
5…コンピュータ
20…工程管理システム
21…ノッチ
31…ICチップ
32…アンテナコイル
S…粘着シート
W…半導体ウエハ

Claims (4)

  1. 半導体ウエハ加工用のリングフレームであって、
    熱可塑性樹脂を環形状に成形して得られるフレーム本体と、
    前記フレーム本体の環形状に沿った形状を有するデータキャリアと、を備える
    ことを特徴とするリングフレーム。
  2. 請求項1に記載のリングフレームにおいて、
    前記データキャリアが、前記フレーム本体の表面に貼り付けられ、又は前記フレーム本体の内部に収容されている
    ことを特徴とするリングフレーム。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のリングフレームと、
    読取装置と、を備え、
    半導体ウエハ加工工程の管理情報を前記データキャリアとの間で非接触で送受信する
    ことを特徴とする工程管理システム。
  4. 請求項3に記載の工程管理システムにおいて、
    前記管理情報が、前記リングフレームに貼付する半導体製造用テープに関する情報、前記半導体製造用テープに貼付する半導体ウエハに関する情報、及び半導体ウエハ加工条件に関する情報のうち少なくともいずれかである
    ことを特徴とする工程管理システム。
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