JP2012184301A - 耐光性に優れた発泡成形用熱可塑性樹脂組成物及びその発泡成形品 - Google Patents
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Abstract
押出発泡成形性に優れ、ビク抜きなどの型抜き加工に好適な発泡成形品を得ることが出来る事を特徴とする、耐光性に優れた発泡成形用樹脂組成物及びその成形品を提供すること。
【解決手段】
芳香族ビニル系単量体及びシアン化ビニル系単量体、必要に応じてこれらの単量体と共重合可能な他の単量体を共重合体して得られる共重合体(A)と、重量平均粒子径が0.3〜3μmであるゴム状重合体の存在下に、芳香族ビニル系単量体及びシアン化ビニル系単量体、必要に応じてこれらの単量体と共重合可能な他の単量体がグラフトしたグラフト共重合体(B)を含む、ゴム強化スチレン系樹脂100重量部に対し、25℃で測定した粘度が50〜1,000センチストークスであるオルガノポリシロキサン(C)0.01〜0.5重量部、ヒンダードアミン系光安定剤(D)0.05〜0.8重量部および融点が140℃以下の高級脂肪酸金属塩(E)0.1〜2重量部を配合して得られた熱可塑性樹脂組成物であり、該熱可塑性樹脂組成物の重量平均分子量が200〜1000であるオリゴマー成分の含有量が1.0重量%以下、かつ200℃で測定した溶融張力が30g以上であることを特徴とする耐光性に優れた発泡成形用熱可塑性樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
−共重合体(A)−
本発明の組成物を構成する共重合体(A)は、芳香族ビニル系単量体及びシアン化ビニル系単量体、必要に応じてこれらの単量体と共重合可能な他の単量体との共重合体からなり、従来公知の重合技術、例えば乳化重合、塊状重合、懸濁重合、溶液重合により重合することができる。また、それぞれの重合方法で得られた共重合体を組合せても良い。
本発明の組成物を構成するグラフト共重合体(B)は、ゴム状重合体の存在下に共重合体(A)の項で例示した単量体をグラフト重合することで得ることが出来る。グラフト重合方法に制限はなく、公知の乳化重合、懸濁重合、塊状重合、溶液重合、またはこれらの組み合わせにより製造することができる。
本発明におけるオルガノポリシロキサン(C)は、25℃において測定した粘度が50〜1,000センチストークスの範囲であることが必要である。オルガノポリシロキサンとしては、メチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルエチルポリシロキサン、フェニルポリシロキサン、フェニルメチルポリシロキサン等が挙げられ、それぞれ1種または2種以上用いることができる。オルガノポリシロキサン(C)の25℃において測定した粘度が50センチストークス未満あるいは1,000センチストークスを超えると、押出発泡成形時に発生ガスの生成が不均一となり、ひいては発泡セルの分布に粗密が生じることにより、ビク抜きなどの冷間加工時の強度低下の要因となるため好ましくない。
本発明に用いられるヒンダードアミン系光安定剤(D)とは下記化1の分子構造を持つ化合物である。このような化合物は、例えば、(株)ADEKA製 アデカスタブLA−77Yとして入手できる。
本発明に用いられる高級脂肪酸金属塩(E)は、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ペンタデシル酸、ヘプタデシル酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、モンタン酸等の飽和脂肪酸またはオレイン酸、リノール酸、セトレイン酸、エライジン酸、アラキドン酸等の不飽和脂肪酸または2−エチルヘキソイン酸、リシノール酸、ナフテン酸等の脂肪酸とLi、Mg、Ca、Ba、Zn、Al、Sn、Pb等の金属からなるものであり、融点が140℃以下であることが必要である。融点が140℃を超えると、押出成形品の表面外観が悪化するため好ましくない。
窒素置換した反応器に、純水150部および過硫酸カリウム0.1部を仕込んだ後、攪拌下に50℃に昇温した。その後、スチレン75部、アクリロニトリル25部およびターシャリードデシルメルカプタン0.05部からなる単量体混合物およびドデシルベンゼンスルホン酸Na20%水溶液10部を6時間に亘り連続的に添加し、その後重合系を60℃に昇温し、2時間熟成して重合を完結した。得られた共重合体ラテックスをスラリー濃度が15%になる条件で、硫酸マグネシウム4部を加えた85℃の塩析槽に滴下し、滴下終了後、95℃まで昇温し塩析を行った後、遠心脱水機を用いて脱水・洗浄を行い、熱風乾燥機を用いて温度90℃の条件で12時間乾燥することにより共重合体A−1を得た。得られた共重合体(A−1)の固有粘度は1.19dl/g、残留オリゴマー量は1.52重量%であった。
窒素置換した反応器に純水140部、過硫酸カリウム0.06部を入れ、50℃に加熱後、スチレン55部、アクリロニトリル20部、メタクリル酸メチル25部、およびアルケニルコハク酸ジカリウム20%水溶液10部を3.5時間に亘り連続的に添加し、更に60℃で2時間重合して重合を完結した。得られた共重合体ラテックスをスラリー濃度が15%になる条件で、硫酸マグネシウム3部、10%硫酸水溶液1.5部を加えた75℃の塩析槽に滴下し、滴下終了後、90℃まで昇温し塩析を行った後、遠心脱水機を用いて脱水・洗浄を行い、熱風乾燥機を用いて温度85℃の条件で12時間乾燥することにより共重合体(A−2)を得た。得られた共重合体(A−2)の固有粘度は3.66dl/g、残留オリゴマー量は1.49重量%であった。
公知の塊状重合法により、スチレン75重量部、アクリロニトリル25重量部からなる共重合体(A−3)を得た。得られた共重合体(A−3)の固有粘度は0.66dl/g、残留オリゴマー量は0.48重量%であった。
共重合体(A−1)の重合条件を適宜変更することで、スチレン75重量部、アクリロニトリル25重量部からなり、固有粘度0.58dl/g、残留オリゴマー量は1.52重量%である共重合体(A−4)を得た。
公知の塊状重合法により、スチレン62重量部、アクリロニトリル24重量部、スチレン−ブタジエンゴム14重量部からなるグラフト共重合体(B−1)を得た。得られたグラフト共重合体(B−1)のゴム状重合体成分の重量平均粒子径は2.5μmであり、残留オリゴマー量は0.59重量%であった。
窒素置換した反応器にスチレン−ブタジエンゴムラテックス(スチレン5重量%、重量平均粒子径0.4μm)50部(固形分)、水150部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.1部、硫酸第1鉄0.001部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.3部を入れ、60℃に加熱後、スチレン35部、アクリロニトリル15部およびキュメンハイドロパーオキサイド0.2部からなる混合物を3時間に亘り連続的に添加し、更に60℃で2時間重合した。その後、塩析・脱水・乾燥後、グラフト共重合体(B−2)を得た。得られたグラフト共重合体(B−2)の残留オリゴマー量は0.44重量%であった。
重量平均粒子径が0.24μmのスチレン−ブタジエンゴムラテックスを用いる以外は、グラフト共重合体(B−2)と同様の条件で重合を行い、グラフト共重合体(B−3)を得た。共重合体(B−3)の残留オリゴマー量は0.45重量%であった。
(C−1):信越化学工業製 KF−96−100CS(粘度:100センチストークス)
(C−2):東レダウコーニング製 SH−230(粘度:1400センチストークス)
(株)ADEKA製 アデカスタブLA−77Y
(E−1):勝田化工(株)製 ZS−7(ベヘン酸亜鉛、融点:130℃)
(E−2):日油(株)製 カルシウムステアレートGP(ステアリン酸カルシウム、融点:155℃)
(F−1):松村産業(株)製 クラウンタルクPP(タルク)
(F−2):備北粉化工業(株)製 ソフトン3200(炭酸カルシウム)
住友化学(株)製 スミソーブ200
○:肌荒れや破泡痕がなく、表面が平滑である
×:肌荒れや破泡痕がある
○:ひび割れがない
×:ひび割れがある
Claims (3)
- 芳香族ビニル系単量体及びシアン化ビニル系単量体、必要に応じてこれらの単量体と共重合可能な他の単量体を共重合体して得られる共重合体(A)と、重量平均粒子径が0.3〜3μmであるゴム状重合体の存在下に、芳香族ビニル系単量体及びシアン化ビニル系単量体、必要に応じてこれらの単量体と共重合可能な他の単量体がグラフトしたグラフト共重合体(B)を含む、ゴム強化スチレン系樹脂100重量部に対し、25℃で測定した粘度が50〜1,000センチストークスであるオルガノポリシロキサン(C)0.01〜0.5重量部、ヒンダードアミン系光安定剤(D)0.05〜0.8重量部および融点が140℃以下の高級脂肪酸金属塩(E)0.1〜2重量部を配合して得られた熱可塑性樹脂組成物であり、該熱可塑性樹脂組成物の重量平均分子量が200〜1000であるオリゴマー成分の含有量が1.0重量%以下、かつ200℃で測定した溶融張力が30g以上であることを特徴とする耐光性に優れた発泡成形用熱可塑性樹脂組成物。
- 1種または2種以上の発泡剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の耐光性に優れた発泡成形用熱可塑性樹脂組成物。
- 請求項1または2に記載の耐光性に優れた発泡成形用熱可塑性樹脂組成物を押出発泡成形して得られ、その発泡倍率が2倍以上であることを特徴とする成形品。
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