JP2012179647A - 冷間鍛造用鋼線の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】潤滑性に優れた冷間鍛造用鋼線の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の実施の形態による冷間鍛造用鋼線の製造方法は、素線に対して硫酸溶液で酸洗処理を実施する第1酸洗処理工程と、硫酸溶液で酸洗処理を実施された素線に対して熱処理を実施する工程と、熱処理後の素線に対して塩酸溶液で酸洗処理を実施する第2酸洗処理工程と、塩酸溶液で酸洗処理を実施された素線に対して潤滑処理を実施し、素線の表面に潤滑皮膜を形成する工程とを備える。
【選択図】図7

Description

本発明は、冷間鍛造用鋼線の製造方法に関し、さらに詳しくは、表面に潤滑皮膜が形成される冷間鍛造用鋼線の製造方法に関する。
冷間鍛造用鋼線は、熱間圧延材である「線材」又は線材を一次伸線した「鋼線」(以下、「線材」及び「鋼線」を合わせて、「素線」という。)に対し、潤滑性の向上を目的として、潤滑処理を実施して製造される。潤滑処理では、通常、燐酸塩皮膜及び金属石けん層を含む潤滑皮膜が素線の表面に形成される。冷間鍛造用鋼線は、続いて二次伸線が施され、要求仕様の寸法公差及び硬さに仕上げられる。また、二次伸線により、前記潤滑皮膜の密着性が高まる。二次伸線が施された冷間鍛造用鋼線は、冷間鍛造に用いられ、所定の部品に成形される。冷間鍛造用鋼線が所定の長さに切断され、冷間鍛造されるとき、冷間鍛造用鋼線の表面に形成された潤滑皮膜は、冷間鍛造機の金型と冷間鍛造用鋼線との焼付きを防止する。
熱間圧延材である線材から冷間鍛造用鋼線を製造するまでの方法は種々ある。図9に、その製造工程(パターン1〜パターン3)を示す。図9を参照して、パターン1の製造工程は圧延(S101)後の線材に対して、1回の熱処理(S108)と1回の伸線(S111)を実施して冷間鍛造用鋼線を製造する。パターン2の製造工程は、圧延(S101)後の線材に対して、1回の熱処理(S108)と、2回の伸線(S106及びS111)を実施して冷間鍛造用鋼線を製造する。パターン3の製造工程は、圧延(S101)後の線材に対して、2回の熱処理(S103及びS108)と2回の伸線(S106及びS111)を実施して冷間鍛造用鋼線を製造する。上述のとおり、パターン2及びパターン3の製造工程では、2回の伸線が実施される。そのため、前段の伸線(S106)を一次伸線と呼び、後段の伸線(S111)を二次伸線と呼ぶ。
熱間圧延(S101)により製造された線材の軟化が十分でない場合、パターン1の製造工程が実施される。この場合、線材は潤滑処理(S110)の前に、球状化焼鈍等の熱処理(S108)を実施される。また、パターン2及びパターン3の製造工程の場合、一次伸線(S106)により製造された鋼線は、一次伸線の加工ひずみを除去するために、軟化を目的とした焼鈍等の熱処理(S108)が実施される。
線材の表面には熱間圧延(S101)で生成されたスケールが付着している。パターン1の製造工程において、表面にスケールが生成された状態で線材に対して熱処理(S108)を実施すると、線材表面のスケールにより線材の表層が脱炭する場合がある。したがって、パターン1の製造工程では、熱処理(S108)前の線材の表面からは、酸洗処理(S107)によりスケールが除去される。
また、パターン2及びパターン3の製造工程の場合、一次伸線(S106)後の鋼線の表面には、一次伸線前の潤滑処理(S105)により潤滑剤が付着している。表面に潤滑処理を施した状態で鋼線に対して熱処理(S108)を実施すると、鋼線表面の潤滑剤により熱処理炉の炉内雰囲気のガス組成が変動して鋼線の表層が脱炭又は浸炭する場合がある。また、鋼線表面の潤滑剤により熱処理炉が汚染される場合がある。したがって、パターン2及びパターン3の製造工程では、熱処理前の鋼線の表面からは、酸洗処理(S107)により潤滑剤が除去される。
さらに、パターン1〜パターン3の製造工程では、熱処理(S108)により、素線の表面にスケールが生成される。スケールが生成した素線に対して潤滑処理(S110)を施すと、潤滑皮膜がスケール上に形成されてしまうため、潤滑皮膜は剥がれやすくなる。したがって、潤滑処理(S110)前の素線の表面からも、酸洗処理(S109)によりスケールが除去される。
以上のとおり、パターン1〜3の製造方法のいずれにおいても実施される工程(S107〜S111)では、2回の酸洗処理(S107及びS109)が実施される。
従前において、種々の酸洗処理方法が提案されている。特開昭50−104113号公報(特許文献1)は、硫酸を含有する水溶液又は塩酸を含有する水溶液を70℃以上に維持しながら酸洗処理を実施し、鋼線材のスケールを除去する方法を開示する。
特開2000−192300号公報(特許文献2)は、硫酸−硝酸系酸洗液を用いて酸洗処理を実施する方法を開示する。特許文献2では、硫酸−硝酸系酸洗液を使用することにより、線材の表面の平滑化を抑制し、線材表面に保持される潤滑皮膜量を確保できると記載されている。さらに、硝酸系酸洗液を使用する場合と比較して、硝酸を含有する廃液に起因する環境への影響を抑えることができると記載されている。
特開2004−256896号公報(特許文献3)は、硫弗酸系酸洗液を用いて酸洗処理を実施した後、塩酸系酸洗液を用いて酸洗処理を実施する方法を開示する。特許文献3では、このような2段階の酸洗処理を実施することにより、表面除去深さを30μm以上とすることができ、表面異常層と疵とを除去できる時間を短縮できるとともに、表面も荒れないと記載されている。
特開2006−169616号公報(特許文献4)は、伸線加工後の鋼線材の表面欠陥を低減し得ることを目的として、硫酸溶液を用いて酸洗処理することで鋼線材の素地金属部を表面から10〜150μm除去する方法を開示する。
特開平8−120472号公報(特許文献5)は、酸洗時の線材の重なり部分のスケールを効率よく剥離することを目的として、3価の鉄イオンを有する酸溶液を撹拌流動させる方法を開示する。
特開昭50−104113号公報 特開2000−192300号公報 特開2004−256896号公報 特開2006−169616号公報 特開平8−120472号公報
しかしながら、特許文献1、3〜5に開示された鋼線の製造方法は、鋼線の表面の外観性については言及しているものの、潤滑性の向上については言及していない。したがって、これらの文献に開示された製造方法により冷間鍛造用鋼線を製造した場合、優れた潤滑性が得られない場合がある。
特許文献2は、鋼線の潤滑性について言及している。しかしながら、硫酸を含有する酸洗液による酸洗処理のみでは、優れた外観性及び優れた潤滑性の鋼線が得られにくい。さらに、特許文献2の酸洗液は、従来よりも低いとはいうものの硝酸を含有するため、硝酸廃液に起因する環境へ影響が発生し得る。
本発明の目的は、潤滑性及び外観性に優れた冷間鍛造用鋼線の製造方法を提供することである。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本実施の形態による冷間鍛造用鋼線の製造方法は、素線に対して硫酸溶液で酸洗処理を実施する第1酸洗処理工程と、硫酸溶液で酸洗処理を実施された素線に対して熱処理を実施する工程と、熱処理後の素線に対して塩酸溶液で酸洗処理を実施する第2酸洗処理工程と、塩酸溶液で酸洗処理を実施された素線に対して潤滑処理を実施し、素線の表面に潤滑皮膜を形成する工程とを備える。
本実施の形態による冷間鍛造用鋼線の製造方法は、潤滑性及び外観性に優れた冷間鍛造用鋼線を製造できる。
好ましくは、第1酸洗処理工程では、素線を、硫酸溶液が収納された硫酸槽を備える第1酸洗装置に搬送して酸洗処理を実施し、第2酸洗処理工程では、素線を、塩酸溶液が収納された塩酸槽を備える第2酸洗装置に搬送して酸洗処理を実施する。
この場合、潤滑性及び外観性に優れた冷間鍛造用鋼線を製造でき、かつ、高い生産性が得られる。
なお、本発明において、「硫酸溶液」は硫酸水溶液を意味し、「塩酸溶液」は塩酸水溶液を意味する。
本発明の実施の形態による冷間鍛造用鋼線の製造ラインを示すブロック図である。 従来の冷間鍛造用鋼線の製造ラインを示すブロック図である。 図1中の第1酸洗装置の構成を示すブロック図である。 図1中の第2酸洗装置の構成を示すブロック図である。 冷間鍛造用鋼線の表面に形成される潤滑皮膜の断面図である。 図1中の潤滑装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態による冷間鍛造用鋼線の製造工程を示すフロー図である。 塩酸溶液での酸洗処理における鋼線の表面粗さと酸浸漬時間との関係を示す図である。 線材から冷間鍛造用鋼線を製造する工程を示すフロー図である。
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[本実施の形態による冷間鍛造用鋼線の製造方法の概要]
本発明者らは、潤滑性及び外観性に優れた冷間鍛造用鋼線を製造するために、種々の研究を行った。その結果、本発明者らは、以下の知見を得た。
(1)硫酸溶液での酸洗処理は、素線の表面をある程度粗くする。そのため、潤滑皮膜の密着性を高めることができる。一方、硫酸溶液での酸洗処理は、素線の表面に多数のスマットを生成する。スマットは、セメンタイトやクロム炭化物等に代表される金属炭化物や、鉄系酸化物及び鉄−クロム系複合酸化物等に代表される酸化物、等を主体に構成される。硫酸溶液により鉄(Fe)は溶解する。しかしながら、スマットは、硫酸溶液に溶解されずに残り、素線の表面に残存する。
スマットは、黒色であり、粉末状である。多数のスマットが素線表面に残存したまま、潤滑皮膜を形成した場合、スマットが潤滑皮膜から透けて見える。そのため、優れた外観性が得られない。さらに、スマットは、物理的には、剥離しやすい。そのため、スマット上に潤滑皮膜が形成されれば、伸線時や冷間鍛造時に潤滑皮膜がスマットと共に剥離する場合がある。したがって、硫酸溶液での酸洗処理を実施する場合、スマットの除去方法を別途考慮しなければならない。
(2)一方、塩酸溶液は素線を比較的均一に溶解するため、塩酸溶液での酸洗処理は、素線の表面を平滑にしやすく、スマットも発生しにくい。したがって、塩酸溶液での酸洗処理を採用すれば、潤滑皮膜の形成後においても優れた外観性の鋼線が得られる。しかしながら、塩酸溶液での酸洗処理では、素線の表面は平滑となるため、潤滑皮膜の密着性は低い。そのため、鋼線の潤滑性が低い。
(3)そこで、本発明者らは、最初に硫酸溶液での酸洗処理を行い、次に、塩酸溶液での酸洗処理を実施することを考えた。この順序で酸洗処理を行えば、硫酸溶液での酸洗処理により、素線の表面をある程度粗くすることができる。そして、塩酸溶液は素線を比較的均一に溶解するため、後工程の塩酸溶液での酸洗処理により、素線の表面の粗度を保つことができる。
(4)本発明者らはさらに、最終の熱処理(図9中のS108)後潤滑処理(S110)前の工程、すなわち最終の酸洗処理工程(S109)で、硫酸溶液での酸洗処理と、塩酸溶液での酸洗処理とを連続して実施するのではなく、最終の熱処理(S108)前の酸洗処理(S107)において硫酸溶液を利用し、最終の熱処理(S108)後の酸洗処理(S109)において塩酸溶液を利用することを考えた。最終の熱処理(S108)前における酸洗処理(S107)は、従来、スケールや潤滑剤を除去できれば足りていた。最終の熱処理(S108)前において、硫酸溶液での酸洗処理を実施することにより、スケールや潤滑剤を除去するだけではなく、素線の表面をある程度粗くすることができる。そのため、熱処理炉の炉内雰囲気のガス組成を安定にし、熱処理炉の汚染を防止するだけでなく、後工程において、潤滑皮膜の密着性も向上できる。さらに、硫酸溶液での酸洗処理で発生した素線表面のスマットは、最終の熱処理(S108)と塩酸溶液での酸洗処理(S109)の過程とで除去することができ、潤滑皮膜の形成後においても鋼線の外観性が優れる。したがって、潤滑性及び外観性に優れた鋼線が得られる。
以上の知見に基づいて、本発明者らは、以下の本実施の形態による冷間鍛造用鋼線の製造方法を完成した。以下、本実施の形態による冷間鍛造用鋼線の製造方法の詳細を説明する。
[製造設備]
図1は、本発明の実施の形態による冷間鍛造用鋼線の製造ラインの一例を示すブロック図である。図2は、従来の冷間鍛造用鋼線の製造ラインの一例を示すブロック図である。
図1を参照して、本実施の形態による冷間鍛造用鋼線の製造ラインは、第1酸洗装置1と、熱処理装置2と、第2酸洗装置3と、潤滑装置4と、伸線機5とを備える。図2の従来の製造ラインでは、酸洗装置が1つ(酸洗装置10)であるのに対して、本実施の形態による製造ラインでは、酸洗装置が2つ配置される。以下、それぞれの設備について説明する。
[第1酸洗装置1]
図3を参照して、第1酸洗装置1は、硫酸溶液を用いて素線Wを酸洗する。第1酸洗装置1は、搬送装置20と、硫酸槽30と、水洗槽40と、中和槽50と、乾燥装置60とを備える。硫酸槽30と、水洗槽40と、中和槽50と、乾燥装置60とは、一列に配列される。
搬送装置20は、一列に配列された複数の槽30、40、50及び乾燥装置60の上方に配置され、コイル状の素線Wを各槽30、40、50及び乾燥装置60に搬送する。搬送装置20は、搬送レール23と、駆動装置21と、吊具22とを備える。搬送レール23は、槽30、40、50及び乾燥装置60の上方に配置され、槽30、40、50及び乾燥装置60の配列方向に延びる。駆動装置21は、搬送レール23上を移動し、かつ、吊具22を昇降する。吊具22はフックである。コイル状の素線Wは吊具22に引っ掛けられる。駆動装置21は、吊具22を移動及び昇降することにより、素線Wを各槽30、40、50内及び乾燥装置60内に搬送する。
硫酸槽30は、素線Wを酸洗する。硫酸槽30には、硫酸溶液が収納される。硫酸溶液は、5〜25質量/容量%の濃度の硫酸を含む水溶液である。好ましい硫酸濃度は、10〜25質量/容量%である。硫酸溶液は、素線Wの表面に生成されたスケールや潤滑剤を溶解して除去する。硫酸槽30は、図示しない温度調整装置を備える。温度調整装置は硫酸溶液の温度を調整する。
水洗槽40には、常温の水が収納される。水洗槽40には、硫酸槽30から引き上げられた素線Wが搬送され、浸漬される。素線Wは、水洗槽40で、表面に付着した硫酸溶液を取り除かれる。中和槽50には、中和溶液が収納される。中和溶液は中和剤を含有する溶液であり、たとえば、消石灰溶液である。水洗槽40から引き上げられた素線Wは、中和槽50に搬送され、浸漬される。これにより、素線Wの表面に残存する硫酸溶液が中和される。乾燥装置60は、中和槽50から引き上げられた素線Wを常温又は高温で乾燥する。乾燥された素線Wの表面には石灰の皮膜が付着されているため、続く熱処理時に素線W間の溶着が抑制される。
図3では、各槽30、40、50は、1つずつ配置されるが、各槽30、40、50は複数配置されてもよい。たとえば、複数の硫酸槽30が配置されてもよいし、複数の水洗槽40が配置されてもよい。
[熱処理装置2]
熱処理装置2は、素線Wに対して熱処理を実施する。本例では、熱処理装置2は、素線Wに対して焼鈍処理を実施し、素線Wを軟化する。これにより、続く伸線加工時の素線Wの加工性を改善し、要求仕様の硬さ以下に調整する。
熱処理装置2は、周知の構造を有し、周知の熱処理条件で焼鈍処理を実施する。熱処理装置2は、複数のゾーンに区分けされた連続焼鈍炉を用いる。各ゾーンは熱処理装置2の先頭から末尾に至るまで一列に配列され、各ゾーンごとに、炉内温度を調整できる。熱処理装置2はバッチ炉でも構わない。
焼鈍処理時の熱処理装置2の炉内雰囲気は、窒素ガスと、COガスと、COガスとを所定の割合で一定にする。これにより、炉内雰囲気のPF値は一定となる。PF値が過剰に高くなれば、素線Wの表層は浸炭し、PF値が過剰に低ければ、素線Wの表層は脱炭する。PF値とは、(COガス%)/(COガス%)で計算される指標である。
[第2酸洗装置3]
第2酸洗装置3は、塩酸溶液を用いて素線を酸洗する。図4を参照して、第2酸洗装置3は、搬送装置20と、複数の塩酸槽70と、水洗槽40とを備える。複数の塩酸槽70と、水洗槽40とは、一列に配列される。
塩酸槽70には、塩酸溶液が収納される。塩酸溶液は、5〜25質量/容量%の濃度の塩酸を含有する水溶液である。好ましい塩酸濃度は、15〜25質量/容量%である。塩酸溶液は、硫酸溶液と同様に、素線Wの表面のスケールを溶解して除去する。本例では、複数の塩酸槽70が配置されるが、塩酸槽70は1つであってもよい。
[潤滑装置4]
潤滑装置4は、酸洗された素線Wの表面に、潤滑皮膜を形成する。潤滑皮膜は、図5に示すとおり、燐酸塩皮膜11と、反応層12と、未反応層13からなる。燐酸塩皮膜11は燐酸塩からなり、素線Wの表面上に形成される。反応層12は、金属石鹸からなり、燐酸塩皮膜11上に形成される。未反応層13は、ナトリウム石鹸からなる。
図6を参照して、潤滑装置4は、搬送装置20と、1又は複数の化成処理槽80と、湯洗槽90と、潤滑剤槽100と、乾燥装置60とを備える。
化成処理槽80には、燐酸塩を含有する処理液が収納される。燐酸塩はたとえば、燐酸亜鉛である。本例で用いる処理液の燐酸塩の含有量は、周知の範囲内である。素線Wを化成処理槽80内に浸漬することにより、素線Wの表面に燐酸塩皮膜11が形成される。
湯洗槽90には、湯が収納される。1又は複数の化成処理槽80から引き上げられた素線Wは、湯洗槽90に浸漬され、素線Wの表面の余分な処理液が取り除かれる。
潤滑剤槽100には、潤滑液が収納される。潤滑液は、ナトリウム石鹸を含有する。ナトリウム石鹸はたとえば、ステアリン酸ナトリウムである。燐酸塩皮膜11が形成された素線Wが潤滑剤槽100に浸漬されると、潤滑液が燐酸塩皮膜11と反応して、燐酸塩皮膜11上に反応層12が形成される。したがって、潤滑剤槽100から引き上げられた素線Wの表面には、燐酸塩皮膜11及び反応層12が形成される。さらに、乾燥装置60で素線Wが乾燥されると、反応層12上に付着した潤滑液は、ステアリン酸ナトリウムが乾燥した未反応層13となる。このようにして、冷間鍛造用鋼線が製造される。
[伸線機5]
伸線機5は周知の構成を備える。伸線機5はダイスを備え、冷間鍛造用鋼線を伸線する。伸線機5は、第1酸洗装置1〜潤滑装置4と同じ製造ラインに配置されていなくてもよい。
[冷間鍛造用鋼線の製造方法]
図1に示す製造ラインを用いた冷間鍛造用鋼線の製造方法を、説明する。図7は、本実施の形態による冷間鍛造用鋼線の製造工程を示すフロー図である。図7を参照して、本実施の形態による冷間鍛造用鋼線の製造工程では、素線を準備する工程(S1:素線準備工程)と、硫酸溶液での酸洗処理を実施する工程(S2:第1酸洗処理工程)と、熱処理を実施する工程(S3:熱処理工程)と、塩酸溶液での酸洗処理を実施する工程(S4:第2酸洗処理工程)と、潤滑処理を実施する工程(S5:潤滑処理工程)と、伸線加工する工程(S6:伸線加工工程)とが順番に実施される。以下、各工程について詳述する。
[素線準備工程(S1)]
初めに、処理対象となる素線Wを準備する(S1)。本例では、コイル状の素線Wを準備する。素線Wは、熱間圧延材である線材であってもよいし、熱間圧延材を一次伸線した鋼線であってもよい。線材では表面にスケールが付着している。鋼線では表面に潤滑剤が付着している。
[第1酸洗処理工程(S2)]
準備された素線Wに対して硫酸溶液で酸洗処理を実施する(S2)。具体的には、準備された素線Wを吊具22で保持しながら搬送し、第1酸洗装置1内の硫酸槽30に浸漬する。このとき、素線Wの表面のスケールや潤滑剤は溶解し、除去される。好ましくは、硫酸槽30の硫酸溶液の温度は、60℃〜80℃に制御される。この場合、酸洗速度が高められる。
硫酸溶液での酸洗処理により、スケールや潤滑剤だけでなく、素線Wの表面も溶解する。このときの素線Wの表面粗さは、塩酸溶液での酸洗処理よりも粗くすることができる。ただし、本工程では、硫酸溶液で酸洗処理するため、素線Wの表面に多数のスマットが生成する。
硫酸槽30により酸洗後、素線Wを硫酸槽30から引き上げ、水洗槽40に搬送する。そして、素線Wを水洗槽40に浸漬し、素線Wの表面に付着した硫酸溶液を除去する。さらに、水洗槽40から引き上げた素線Wを中和槽50に搬送し、中和槽50に浸漬する。これにより、素線Wの表面に残存する硫酸溶液が中和される。中和槽50から引き上げられた素線Wは乾燥装置60で乾燥される。乾燥された素線Wの表面には石灰の皮膜が付着される。これにより、続く熱処理工程での素線W間の溶着が抑制される。
以上の工程により、ステップS1で準備された素線Wのスケールや潤滑剤は除去される。素線Wの表面にスケールが付着したまま熱処理装置2内で熱処理を実施すると、スケールにより素線Wの表層が脱炭する。また、素線Wの表面に潤滑剤が残存したまま熱処理装置2内で熱処理を実施すれば、熱処理装置2の炉内雰囲気のガス組成が変動する場合がある。炉内雰囲気のガス組成が変動すれば、素線Wの表層が浸炭又は脱炭する場合がある。また、素線Wの表面に潤滑剤が残存したまま熱処理装置2内で熱処理を実施すれば、潤滑剤により熱処理炉が汚染される場合がある。ステップS2で素線Wのスケールや潤滑剤は除去されるため、素線Wに対して熱処理を実施するとき、熱処理装置2の炉内雰囲気のガス組成は安定する。
さらに、ステップS2では、硫酸溶液を用いて素線Wを酸洗する。そのため、塩酸溶液での酸洗処理と比較して、素線Wの表面を粗くすることができる。粗い表面は、後の潤滑処理(S5)において効果を発揮する。
[熱処理工程(S3)]
第1酸洗処理工程(S2)後、素線Wに対して熱処理を実施する(S3)。本例では、熱処理装置2を利用して、素線Wに対して焼鈍処理を実施し、素線Wを軟化する。焼鈍処理は、周知の条件で実施される。このとき、熱処理装置2の炉内雰囲気は、窒素ガスと、COガスと、COガスとを所定の割合で一定にする。上述のとおり、第1酸洗処理工程(S2)により、素線Wの表面からスケールや潤滑剤が除去されているため、熱処理装置2の炉内雰囲気のガス組成は安定する。
[第2酸洗処理工程(S4)]
熱処理工程(S3)後の素線Wに対して、塩酸での酸洗処理を実施する(S4)。具体的には、熱処理後の素線Wを第2酸洗装置3に搬送する。そして、素線Wを吊具22に保持しながら塩酸槽70に搬送し、浸漬する。後段に他の塩酸槽70が配置されている場合、素線Wを塩酸槽70から引き上げた後、後段の他の塩酸槽70に浸漬する。要するに、複数の塩酸槽70が配置されている場合、素線Wを複数の塩酸槽70に順次浸漬する。塩酸槽70が複数ではなく1つの塩酸槽70しかない場合には、先行する素線Wの酸洗処理が完了しない限り、後続する素線Wの酸洗処理を開始することができない。複数の塩酸槽70を配置して、素線Wを複数の塩酸槽70に順次浸漬して酸洗処理を行えば、後続する素線Wは、先行する素線Wの酸洗処理の完了を待たずに酸洗処理を開始することができる。すなわち、複数の塩酸槽70を配置することにより、素線Wの酸洗処理の待ち時間を減らすことができ、生産効率を高めることができる。
塩酸溶液での酸洗処理により、熱処理工程(S3)で素線Wの表面に生成されたスケールが除去される。
塩酸溶液での酸洗処理により、素線Wの表面は多少溶解するが、ステップS2の硫酸での酸洗処理により、素線Wの表面粗さは既に粗くなっている。そして、塩酸溶液は素線Wを比較的均一に溶解するため、素線Wの表面は多少溶解されても、第1酸洗処理工程後の素線Wの表面粗さをほぼ保つ。そのため、第2酸洗処理工程後の素線Wの表面粗さ(つまり、第1酸洗処理工程及び第2酸洗処理工程を実施した後の素線Wの表面粗さ)は、第1酸洗処理工程及び第2酸洗処理工程を共に塩酸溶液での酸洗処理を行った場合よりも粗くなる。
具体的には、本実施の形態による製造方法の場合、第2酸洗処理工程(S4)後の素線Wの表面粗さを2.0μm以上に調整できる。ここでいう表面粗さは、JIS−B0601(2001)附属書2(参考)の2RCフィルタを適用した場合の中心線平均粗さであり、Ra75で表されるものである。
そして、さらに、第1酸洗処理工程(S2)で素線Wの表面に発生した多数のスマットも、熱処理工程(S3)と第2酸洗処理工程(S4)を行った後には除去される。したがって、素線Wの外観性が優れる。
素線Wの表面粗さが粗すぎれば、伸線加工時に行う渦流探傷のノイズや冷間鍛造後の製品肌不良(光沢不良など)の原因となり得る。したがって、第2酸洗処理工程(S4)後の素線Wの表面粗さの好ましい上限は、10μmである。素線Wの表面粗さは、ステップS2における硫酸溶液中の硫酸濃度、硫酸槽30での素線Wの浸漬時間、硫酸溶液の温度等により調整できる。
一方、塩酸溶液での酸洗処理のみ行った場合の素線Wの表面粗さは、上述の本実施の形態における素線Wの表面粗さよりも小さい。図8は、塩酸溶液での酸洗処理のみを実施したときの素線Wの表面粗さと酸浸漬時間との関係を示した図である。図8は、以下の方法により得られた。20質量/容量%の塩酸を含有する塩酸溶液を利用して、JIS規格のSCM420相当する化学組成を有する素線Wを種々の酸浸漬時間で酸洗処理した。酸洗後、JIS−B0601(2001)附属書2(参考)に基づいて、素線Wの表面の中心線平均粗さ(Ra75)を求め、図8を得た。図8を参照して、塩酸溶液での酸洗処理のみの場合、浸漬時間を長くしても、素線Wの表面粗さは2.0μm未満である。
以上より、本実施の形態では、硫酸溶液により酸洗処理した後、塩酸溶液による酸洗処理を実施することにより、素線Wの表面粗さを、塩酸溶液による酸洗処理のみを実施した場合よりも、粗くすることができる。この表面粗さにより、潤滑皮膜の密着性を高めることができる。
酸洗された素線Wを塩酸槽70から引き上げ、水洗槽40に浸漬する。以上の工程により、素線Wの表面に付着した塩酸溶液を除去する。
[潤滑処理工程(S5)]
第2酸洗処理工程(S4)後の素線Wに対して、潤滑処理を実施する(S5)。具体的には、素線Wを潤滑装置4内の化成処理槽80に浸漬し、素線Wの表面に燐酸塩皮膜11を形成する。次に、燐酸塩皮膜11が形成された素線Wを湯洗槽90に浸漬し、素線Wの表面に付着した不要な処理液を除去する。
次に、燐酸塩皮膜11が形成された素線Wを潤滑剤槽100に浸漬し、反応層12を形成する。そして、素線Wを潤滑剤槽100から引き上げ、乾燥装置60で乾燥する。これにより、反応層12上に付着した潤滑液は、乾燥して未反応層13となり、鋼線Wの表面に燐酸塩皮膜11、反応層12及び未反応層13からなる潤滑皮膜が完成する。以上の工程により、冷間鍛造用鋼線を製造する。
以上の工程では、第1酸洗処理工程(S2)で素線Wの表面に生成したスマットは、第2酸洗処理工程(S4)後には除去されている。そのため、潤滑処理工程(S5)後の冷間鍛造用鋼線は、外観性に優れる。さらに、第1酸洗処理工程(S2)により素線Wの表面を粗くすることができ、かつ、第2酸洗処理工程(S4)後も素線Wの表面粗さはほぼ保たれるので、燐酸塩皮膜11を多く形成でき、その結果素線Wと潤滑皮膜との密着性を高めることができる。その結果、冷間鍛造用鋼線は潤滑性に優れる。
[伸線加工工程(S6)]
上述の工程により製造された冷間鍛造用鋼線を、伸線機5により伸線加工する。このとき、素線Wの表面に形成された潤滑皮膜が潤滑作用を発揮し、伸線機5のダイスと冷間鍛造用鋼線との摩擦係数を低減する。そのため、ダイス寿命が長くなる。
以上の工程により製造された冷間鍛造用鋼線は、冷間鍛造に用いられ、所定の部品に成形される。冷間鍛造用鋼線が所定の長さに切断され、冷間鍛造されるとき、冷間鍛造用鋼線の表面に形成された潤滑皮膜は、冷間鍛造機の金型と冷間鍛造用鋼線の焼付きを防止する。上述のとおり、燐酸塩皮膜11は厚く、素線Wと潤滑皮膜との密着性に優れる。そのため、本実施の形態による冷間鍛造用鋼線は、冷間鍛造工程において、潤滑性に優れる。
[2つの酸洗装置を利用することによる効果]
従来の冷間鍛造用鋼線の製造工程では、一般的に、図2に示す製造ラインが利用される。この場合、酸洗装置10は1つである。そのため、酸洗溶液は、1種類とするのが通常である。たとえば、酸洗溶液を塩酸溶液とする場合、熱処理工程前及び潤滑処理工程前に酸洗処理を実施するものの、塩酸溶液での酸洗処理のみが実施される。そのため、潤滑皮膜の密着性が低く、冷間鍛造用鋼線の潤滑性が低い。
一方、酸洗装置10の酸洗溶液を硫酸溶液とする場合、潤滑処理工程前の素線表面には多数のスマットが残存する。そのため、潤滑皮膜形成後の冷間鍛造用鋼線の外観性は低下し、スマットにより潤滑皮膜の密着性も低下する。
これに対して、本実施の形態による冷間鍛造用鋼線の製造方法では、2つの酸洗装置(第1酸洗装置1及び第2酸洗装置3)を用い、熱処理工程(S3)前に第1酸洗装置1を用いて第1酸洗処理工程(S2)を実施し、潤滑処理工程(S5)前に第2酸洗装置3を用いて第2酸洗処理工程(S4)を実施する。第1酸洗処理工程(S2)で生成されるスマットは、第2酸洗処理工程(S4)後には除去されているため、外観性に優れた冷間鍛造用鋼線が得られる。さらに、第1酸洗処理工程(S2)で素線Wの表面を粗くすることができ、かつ、第2酸洗処理工程(S4)ではその表面粗さがほぼ保持されるため、潤滑性に優れた冷間鍛造用鋼線が得られる。
上述のとおり、本実施の形態による冷間鍛造用鋼線の製造方法では、2つの酸洗装置を利用するのが好ましい。図2に示す従来の製造ライン中の酸洗装置10に、酸洗槽として、硫酸槽と塩酸槽とを準備し、図7に示す製造フローを実施することも考えられる。この場合、第1酸洗処理工程(S2)を実施するときに酸洗装置10の酸洗槽を硫酸槽とし、第2酸洗処理工程(S4)を実施するときに酸洗装置10の酸洗槽を塩酸槽に切り替えることが考えられる。
しかしながらこの場合、硫酸槽を塩酸槽に切り替える時間が必要であるため、生産性が低下する。
酸洗装置10において、硫酸槽と、塩酸槽と、水洗槽と、中和槽とを一列に配置して、図7の製造フローを実施することも考えられる。しかしながらこの場合、第1酸洗処理工程(S2)では、塩酸槽は使用されないため、硫酸槽から引き上げられた素線Wが塩酸槽上方を通過し、水洗槽に浸漬されることになる。塩酸槽上方を素線Wが通過するとき、素線Wに付着された硫酸溶液が塩酸槽に滴下し得る。
要するに、1つの酸洗装置10内に硫酸槽と塩酸槽とを混在させる場合、硫酸溶液が塩酸槽に混入され、汚染される可能性がある。また、1つの酸洗装置10で2つの酸洗処理(S2及びS4)を実施するため、生産性も低下する。
本実施の形態では、第1酸洗処理工程(S2)用の第1酸洗装置1と、第2酸洗処理工程(S4)用の第2酸洗装置3とを準備することにより、高い生産性が得られ、かつ、酸洗液の汚染も抑制できる。
なお、第1酸洗処理工程(S2)で使用する硫酸溶液は、硫酸を含有する水溶液であり、硝酸を含有しない。同様に、第2酸洗処理工程(S4)で使用する塩酸溶液は、塩酸を含有する水溶液であり、硝酸を含有しない。そのため、硝酸廃液に起因した環境への影響は生じない。
上述の実施の形態では、第1酸洗装置1内の各槽30、40、50及び乾燥装置60を一列に配置したが、これらの装置を一列に配置しなくてもよい。第2酸洗装置2内の各槽70、40も同様に、一列に配置しなくてもよい。
図7に示す製造フローでは、潤滑処理工程(S5)後に伸線加工工程(S6)を実施したが、潤滑処理工程(S5)後の鋼線を冷間鍛造用鋼線として出荷し、出荷先において伸線加工工程(S6)を実施してもよい。
上述の本実施の形態による製造方法により製造された冷間鍛造用鋼線と、塩酸溶液での酸洗処理のみにより製造された冷間鍛造用鋼線とを準備し、各冷間鍛造用鋼線の素線の表面粗さ、冷間鍛造用鋼線の潤滑性、潤滑皮膜の付着量及び潤滑皮膜の密着性を評価した。
[試験方法]
直径が24.0mmのコイル状の熱間圧延で製造した線材を準備した。線材の化学組成は表1に示すとおりであり、JIS規格のSCM420に相当した。
Figure 2012179647
線材に対して塩酸溶液で酸洗処理を実施し、線材表層のスケールを除去した。続いて、潤滑処理を実施して表面に潤滑皮膜を形成した。潤滑処理は、燐酸亜鉛を含有した処理液に浸漬した後、石灰石けんを含有する処理液に浸漬して行った。潤滑皮膜が形成された供試材に対して一次伸線加工を実施し、直径21.0mmの鋼線(以下、供試材という)を製造した。
供試材に対して、以下の本発明例、比較例の製造方法を実施し、本発明例及び比較例の冷間鍛造用鋼線を製造した。
[本発明例]
本発明例では、上述の図7と同じ製造工程を実施した。初めに、供試材に対して酸洗処理(第1酸洗処理:S2)を実施した。具体的には、11.2質量/容量%の硫酸を含有する硫酸溶液が収納された硫酸槽に供試材を900秒浸漬した。このときの硫酸溶液の温度を60℃に制御した。硫酸槽から供試材を引き上げ、常温の水が収納された水洗槽に、供試材を浸漬し、供試材の表面から硫酸溶液を除去した。さらに、消石灰溶液を収納した中和槽に供試材を浸漬し、供試材の表面に残存する硫酸溶液を中和した。そして、供試材を乾燥装置(送風機)で乾燥した。
続いて、供試材に対して熱処理(S3)を実施した。具体的には、供試材に対して窒素ガスとCOガスとCOガスとからなる雰囲気で球状化焼鈍処理を実施した。
熱処理後、供試材に対して酸洗処理(第2酸洗処理:S4)を実施した。本発明例では、第2酸洗装置は5つの塩酸槽(第1〜第5塩酸槽)と、水洗槽とを備えた。第1塩酸槽の塩酸溶液は、7.3質量/容量%の塩酸を含有した。第2酸洗槽の塩酸溶液は、10.6質量/容量%の塩酸を含有した。第3塩酸槽の塩酸溶液は14.7質量/容量%の塩酸を含有した。第4塩酸槽の塩酸溶液は15.9質量/容量%の塩酸を含有した。第5塩酸槽の塩酸溶液は24.8質量/容量%の塩酸を含有した。各塩酸槽の塩酸溶液の温度制御は行わなかった。
供試材を第1〜第5塩酸槽の各槽内に、第1〜第5塩酸槽の順に浸漬した。各槽での浸漬時間はいずれも340秒であった。
第5塩酸槽から供試材を引き上げた後、水洗槽に供試材を浸漬し、供試材の表面に付着した塩酸溶液を除去した。
塩酸での酸洗処理後、供試材に対して潤滑処理(S5)を実施した。潤滑装置は、2つの化成処理槽(第1化成処理槽、第2化成処理槽)と、湯洗槽と、潤滑剤槽と、乾燥装置(乾燥炉)とを備えた。
第1化成処理槽及び第2化成処理槽の処理液は、燐酸亜鉛を含有した。第1化成処理槽及び第2化成処理槽の処理液の遊離酸度は3〜8ポイント、全酸度は30〜45ポイントに調整した。ここで、遊離酸度は以下のとおり定義した。処理液10mlに対して、指示薬としてブロムフェノールブルーを加え、0.1規定の水酸化ナトリウム溶液で滴定した。そして、中和に要した0.1規定の水酸化ナトリウム溶液の量(ml)を遊離酸度(ポイント)と定義した。全酸度は以下のとおり定義した。処理液10mlに対して、指示薬としてフェノールフタレインを加え、0.1規定の水酸化ナトリウム溶液で滴定した。そして、中和に要した0.1規定の水酸化ナトリウム溶液の量(ml)を全酸度(ポイント)と定義した。
第1化成処理槽及び第2化成処理槽の処理液温度は、いずれも70〜80℃に制御された。
潤滑剤槽には、潤滑剤液が収納された。潤滑剤液は、0.5〜2.0ポイントのステアリン酸ナトリウムを含有する水溶液であった。潤滑剤液を70〜80℃に制御した。潤滑剤液の濃度は、以下のとおり測定した。潤滑剤液10mlを乳脂計に採取し、イソプロピルアルコールを10ml加え、攪拌した。その後、50質量/容量%の硫酸を10ml入れて湯浴中にて5〜10分加温した。脂層が乳脂計の目盛部分の高さになるように乳脂計に熱湯を注入し、脂層の上辺の目盛と下辺の目盛との差を測定した。
潤滑処理(S5)において、供試材を第1化成処理槽に400秒浸漬し、その後、第2化成処理槽に400秒浸漬した。次に、供試材を湯洗槽に浸漬した。次に、供試材を潤滑剤槽に300秒浸漬した。最後に、供試材を乾燥装置(乾燥炉)において100℃で650秒間乾燥し、潤滑皮膜が形成された本発明例の冷間鍛造用鋼線を製造した。
本発明例の冷間鍛造用鋼線の外観を目視観察した。その結果、スマットが潤滑皮膜から透けて見えることはなく、本発明例の冷間鍛造用鋼線は、優れた外観性を示した。
[比較例]
比較例では、上述の本発明例の熱処理前の硫酸での酸洗処理(第1酸洗処理工程:S2)に代えて、塩酸溶液での酸洗処理を実施した。その他の製造工程及び各製造工程の条件は、本発明例と同じであった。
熱処理前の塩酸での酸洗処理は、次の条件で実施した。熱処理前の塩酸での酸洗処理を実施する酸洗装置は、第1〜第5の塩酸槽と、水洗槽と、中和槽と、乾燥炉とを備えた。第1塩酸槽の塩酸溶液は、4.0質量/容量%の塩酸を含有した。第2酸洗槽の塩酸溶液は、6.6質量/容量%の塩酸を含有した。第3塩酸槽の塩酸溶液は13.1質量/容量%の塩酸を含有した。第4塩酸槽の塩酸溶液は16.0質量/容量%の塩酸を含有した。第5塩酸槽の塩酸溶液は20.9質量/容量%の塩酸を含有した。各塩酸槽の塩酸溶液の温度制御は行わなかった。
中和槽は、固形分濃度で0.8質量%の消石灰を含有する消石灰溶液を収納した。消石灰溶液の温度を60℃に制御した。
供試材を第1〜第5塩酸槽の各槽内に、第1〜第5塩酸槽の順に浸漬した。各槽での浸漬時間はいずれも220秒であった。
第5塩酸槽から供試材を引き上げた後、水洗槽に供試材を浸漬し、供試材の表面に付着した塩酸溶液を除去した。次に、供試材を中和槽に90秒浸漬した。次に、供試材を乾燥装置(乾燥炉)において100℃で300秒乾燥した。
以上の酸洗処理により得られた供試材を用いて、本発明例と同じ条件で熱処理工程、第2酸洗処理工程、潤滑工程を実施し、比較例の冷間鍛造用鋼線を製造した。
上述の製造方法により製造された本発明例及び比較例の冷間鍛造用鋼線を用いて、以下の調査試験を実施した。
[表面粗さの調査試験]
上述の本発明例及び比較例の製造方法で製造されたコイル状の冷間鍛造用鋼線(直径21.0mm)を、本発明例及び比較例ともに1つずつ準備した。本発明例及び比較例のコイルより、直径21.0mm、長さ50.0mmのサンプルを1つずつ採取した。まず、各サンプルを、沸騰した湯内に30分間浸漬し、湯洗処理を実施した。未反応層はステアリン酸ナトリウムからなるため、湯洗処理により溶解した。次に、各サンプルの表面を、アルコールにより洗浄した。反応層は金属石けんからなるため、反応層は有機溶媒であるアルコールで溶解した。さらに、各サンプルの表面を、クロム酸水溶液により洗浄した。これにより、燐酸塩皮膜がサンプルから除去され、素線を露出させた。そして、素線を露出させたサンプルの表面の中心線平均粗さ(Ra75)をJIS−B0601(2001)附属書2(参考)に準拠して測定した。各サンプルの円周方向の任意の2箇所において、中心線平均粗さを測定し、その平均値を、本発明例、比較例の表面粗さ(単位はμm)とした。
[潤滑性の調査試験]
上述の本発明例及び比較例の製造方法で製造されたコイル状の冷間鍛造用鋼線(直径21.0mm)を複数準備した。そして、同じ材質及び形状の2つのダイス準備し、一方を本発明例用とし、他方を比較例用とした。本発明例及び比較例の鋼線に対して伸線加工、すなわち二次伸線加工を実施し、直径20.0mmの鋼線を製造した。伸線加工後の鋼線の直径は、19.95〜20.00mmで管理し、1コイルの伸線加工を行うたびに鋼線の直径を測定した。測定された鋼線の直径が、20.00mmを超えた時、ダイスが寿命に達したと判断した。そして、ダイスが寿命に達するまでに伸線加工された冷間鍛造用鋼線の質量(単位はton)を調査した。
[潤滑皮膜量の調査試験]
上述の潤滑性の調査試験で20.0mmに二次伸線加工した本発明例及び比較例の冷間鍛造用鋼線に形成された潤滑皮膜量を以下の方法で調査した。上述のとおり、潤滑皮膜は、未反応層と、反応層と、燐酸塩皮膜とを備える。本発明例及び比較例の冷間鍛造用鋼線から、直径21.0mm、長さ50.0mmのサンプルを3つずつ採取した。そして、各サンプルを使用して、以下のとおり、本発明例と比較例の未反応層量、反応層量、燐酸塩皮膜量を測定した。
[未反応層量の調査試験]
本発明例及び比較例の各サンプルの質量(初期質量という)を測定した。次に、各サンプルを、沸騰した湯内に30分間浸漬し、湯洗処理を実施した。未反応層はステアリン酸ナトリウムからなるため、湯洗処理により溶解した。一方、反応層及び燐酸塩皮膜は溶解しなかった。次に、湯洗処理後のサンプルに対して水洗処理を実施した。次に、水洗処理後のサンプルを乾燥し、乾燥後のサンプルの質量(湯洗浄後質量という)を測定した。初期質量から湯洗浄後質量を差分した値をサンプルの周面の表面積で除した値(単位はg/mm)の平均値(3つのサンプルの平均値)を、「未反応層量」と定義した。
[反応層量の調査試験]
未反応層量の調査試験を完了したサンプルの表面を、アルコールにより洗浄した。反応層は金属石けんからなるため、反応層は有機溶媒であるアルコールで溶解した。一方、燐酸塩皮膜はアルコールで溶解しなかった。次に、サンプルを水洗して乾燥し、乾燥後のサンプルの質量(アルコール洗浄後質量という)を測定した。湯洗浄後質量からアルコール洗浄後質量を差分した値をサンプルの周面の表面積で除した値(単位はg/mm)の平均値(3つのサンプルの平均値)を、「反応層量」と定義した。
[燐酸塩皮膜量の調査試験]
反応層量の調査試験を完了したサンプルの表面を、クロム酸水溶液により洗浄した。これにより、燐酸塩皮膜がサンプルから除去された。次に、サンプルを水洗して乾燥し、乾燥後のサンプルの質量(クロム酸洗浄後質量という)を測定した。アルコール洗浄後質量からクロム酸洗浄後質量を差分した値をサンプルの周面の表面積で除した値(単位はg/mm)の平均値(3つのサンプルの平均値)を、「燐酸塩皮膜量」と定義した。
[潤滑皮膜の密着性の調査試験]
バウデン試験により、本発明例、比較例の潤滑皮膜の密着性を調査した。具体的には、上述の潤滑性の調査試験で20.0mmに二次伸線加工した本発明例及び比較例の冷間鍛造用鋼線から直径20.0mm、長さ50.0mmのサンプルを1つずつ採取した。採取された各サンプルの表面の任意の3箇所において、JIS規格のSUJに相当する化学組成を有する鋼球を、3kgfの荷重でサンプルの表面に押し当てながら、サンプルの軸方向に20mmの範囲で摺動させた。摺動中の鋼球の摩擦係数μを測定し、摩擦係数μが0.20(鉄と鋼球との摩擦係数に相当)以上になるまでの摺動回数(往復回数、つまり、20mmの範囲を1往復摺動すると「1回」とカウント)を測定した。試験には、神鋼造機株式会社製の往復摺動摩擦試験機を使用した。
[調査結果]
調査結果を表2に示す。
Figure 2012179647
表2を参照して本発明例の表面粗さは、2.0μmを超えたのに対して、比較例の表面粗さは、2.0μm未満であった。
さらに、ダイス寿命に達するまでに伸線された冷間鍛造用鋼線の質量では、本発明例が比較例の5倍以上となり、本発明例の2次伸線加工工程における潤滑性は、比較例よりも顕著に優れていた。
また、本発明例の未反応層量及び反応層量は、比較例とほぼ同じであった。しかしながら、本発明例の燐酸塩皮膜量(g/mm)は、比較例よりも多かった。本発明例では、表面粗さが大きかったため、燐酸塩皮膜が厚く形成され、その結果、燐酸塩皮膜量が多かったと推定される。
さらに、バウデン試験による本発明例の摺動回数は、比較例のほぼ2倍程度と多かった。したがって、本発明例の2次伸線工程後の潤滑皮膜の密着性は、比較例よりも優れていた。すなわち、本発明例は冷間鍛造時に優れた潤滑性を発揮すると考えられる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
1 第1酸洗装置
2 熱処理装置
3 第2酸洗装置
4 潤滑装置
5 伸線機
10 酸洗装置
11 燐酸塩皮膜
12 反応層
13 未反応層
20 搬送装置
30 硫酸槽
40 水洗槽
50 中和槽
60 乾燥装置
70 塩酸槽
80 化成処理槽
90 湯洗槽
100 潤滑剤槽
W 素線

Claims (2)

  1. 素線に対して硫酸溶液で酸洗処理を実施する第1酸洗処理工程と、
    前記硫酸溶液で酸洗処理を実施された前記素線に対して熱処理を実施する工程と、
    前記熱処理後の前記素線に対して塩酸溶液で酸洗処理を実施する第2酸洗処理工程と、
    前記塩酸溶液で酸洗処理を実施された前記素線に対して潤滑処理を実施し、前記素線の表面に潤滑皮膜を形成する工程とを備える、冷間鍛造用鋼線の製造方法。
  2. 請求項1に記載の冷間鍛造用鋼線の製造方法であって、
    前記第1酸洗処理工程では、前記素線を、前記硫酸溶液が収納された硫酸槽を備える第1酸洗装置に搬送して前記酸洗処理を実施し、
    前記第2酸洗処理工程では、前記素線を、前記塩酸溶液が収納された塩酸槽を備える第2酸洗装置に搬送して前記酸洗処理を実施する、冷間鍛造用鋼線の製造方法。
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