JP2003166088A - 釣針用線材の製造方法 - Google Patents

釣針用線材の製造方法

Info

Publication number
JP2003166088A
JP2003166088A JP2001366297A JP2001366297A JP2003166088A JP 2003166088 A JP2003166088 A JP 2003166088A JP 2001366297 A JP2001366297 A JP 2001366297A JP 2001366297 A JP2001366297 A JP 2001366297A JP 2003166088 A JP2003166088 A JP 2003166088A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wire
treatment
wire rod
borax
manufacturing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001366297A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiyoshi Sakakawa
清 坂川
Taiji Morimae
泰二 森前
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2001366297A priority Critical patent/JP2003166088A/ja
Publication of JP2003166088A publication Critical patent/JP2003166088A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preventing Corrosion Or Incrustation Of Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐食性を向上し、かつ良好なメッキ光沢を有
する釣針となる美麗な線肌の釣針用線材を製造可能に
し、合わせて釣針製造における作業環境の改善を図る。 【解決手段】 表面酸化スケールを除去した硬鋼線材
に、ボラックス被着処理−冷間伸線加工−被着ボラック
ス除去処理−焼鈍処理−石灰被着処理を順次施す。この
方法により、耐食性が向上し、かつ良好なメッキ光沢を
有する釣針となる美麗な線肌の釣針用線材が製造可能と
なり、合わせて釣針製造における作業環境の改善を図り
得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、漁業や魚釣りに用
いられる釣針に好適な釣針用線材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、釣針用線材には、炭素含有量
0.6〜1.1%程度、線径0.5mm程度の硬鋼線材
が用いられている。そして、釣針用線材は、伸線メーカ
ーにおいて、脱スケール処理工程−リン酸塩による被膜
処理工程−所定線径に細径化する冷間伸線加工工程−焼
鈍処理工程−防錆油塗布工程を経て製造されている。な
お、仕上がり線径が細い場合には、上記冷間伸線加工の
最終伸線前において、焼鈍又はパテンチングの熱処理−
脱スケール処理−リン酸塩による被膜処理の工程を1乃
至数回繰り返すことも行われている。また、釣針は、釣
針メーカーにおいて、伸線加工メーカから納入された釣
針用線材を用いて、線材表面の防錆油を除去するための
トリクレン等の有機溶剤による脱脂工程−所定寸法の切
断工程−所定の釣針形状の成形工程−硬度付与のための
焼入れ処理工程−所要のメッキ処理工程を経て製造され
ている。
【0003】従来技術の釣針用線材の製造方法におい
て、冷間伸線加工前の被膜処理として施されるリン酸塩
は、母剤と化学反応して、伸線加工時においても脱落し
ない非常に強固な被膜を形成し、伸線潤滑剤のキャリア
およびダイスとの金属接触を防止するという機能を十分
に発揮している。また、最後に線材表面に塗布する防錆
油は、保管時や輸送時の発錆を防止するという機能を十
分に果たしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、線材に形成
されたリン酸塩被膜は、その除去が非常に困難であるた
め、従来技術の釣針用線材の製造方法は、冷間伸線加工
後の焼鈍処理がリン酸塩被膜を除去することなく行われ
ている。このため、従来技術の製造方法によるときは、
リン酸塩が酸化雰囲気中で加熱されると酸素と容易に反
応して酸化するため、焼鈍処理後の線材表面が黒っぽく
仕上がり、しかも脱炭を伴う傾向にあった。また、被膜
処理に用いるリン酸塩によって、線材表面に痘痕状の痕
跡が生じ、線肌が荒れるということが回避できなかっ
た。このような釣針用線材を用いた釣針は、メッキ処理
すると、孔食が生じて、釣針として最も重要な要求品質
である耐食性が低下するだけでなく、釣針としての商品
価値であるメッキの光沢や見栄えが悪くなることがあっ
た。
【0005】また、従来技術の製造方法によるときは、
最終工程で線材表面に防錆油を塗布しているから、釣針
製造時において、防錆油の除去のための有機溶剤による
脱脂工程を省略することができず、釣針製造の作業環境
悪化の一因になっていた。
【0006】本発明は、従来技術の問題を解決し、耐食
性を向上し、かつ良好なメッキ光沢を有する釣針となる
美麗な線肌の釣針用線材を製造可能にし、合わせて釣針
製造における作業環境の改善を図り得る釣針用線材の製
造方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の釣針用線材の製
造方法は、表面酸化スケールを除去した硬鋼線材に、ボ
ラックス被着処理−冷間伸線加工−被着ボラックス除去
処理−焼鈍処理−石灰被着処理を順次施すことを特徴と
する。
【0008】本発明において、仕上がり線径が細い場合
には、冷間伸線加工における最終伸線前に、焼鈍又はパ
テンチング処理−脱スケール処理−ボラックス被着処理
を順次1乃至数回行う構成が好適である。
【0009】この手段によれば、ボラックス(ほう砂)
被着工程を経て最終伸線されるから、ボラックスが伸線
潤滑剤のキャリアーとして作用して、変色を生じること
なく、また線肌を荒らすことなく所定線径に伸線され
る。また、ボラックスが水洗または湯洗によって容易に
除去されるから、細径化された硬鋼線材は清浄な表面状
態で焼鈍される。さらに、最終工程において、石灰が被
着されているから、その防錆作用によって、保管時や輸
送時の発錆が防止される。よって、メッキ処理しても、
孔食が生じることなく、耐食性が向上し、かつ良好なメ
ッキ光沢を有する釣針となる美麗な線肌の釣針用線材が
得られる。また、上記釣針用線材は、その表面の石灰が
水洗又は湯洗によって簡単に除去されるから、釣針製造
における有機溶剤による脱脂工程が省略されて、作業環
境の改善が図れる。また、有機溶剤の使用に伴う排気設
備も不要になる。
【0010】上記構成において、焼鈍は真空焼鈍である
のが好ましい。というのは、真空中で焼鈍処理すること
によって、表面についた微量の付着物等による酸化スケ
ールの形成を防止し、かつ脱炭も抑えることができ、線
材表面の清浄度をさらに向上させることができるからで
ある。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の釣針用線材の製造方法の
実施形態を以下に説明する。
【0012】本発明の釣針用線材は、次の製造工程によ
り製造することができる。 イ.脱スケール処理工程 ロ.ボラックス被着処理工程 ハ.1乃至数回の伸線と最終伸線とからなる冷間伸線工
程 ニ.被着ボラックス除去(特に、水洗又は湯洗)処理工
程 ホ.焼鈍(特に、真空焼鈍)処理工程 ヘ.石灰被着処理工程
【0013】上記工程において、脱ステール処理は、高
炉メーカーにて連続鋳造されたときに形成される表面酸
化スケールや伸線加工途中に施す焼鈍やパテンチング処
理等の熱処理により生じる表面酸化スケールを除去する
ために行うものであり、除去手段としては、塩酸や硫酸
等による化学的手段や、ショットブラストやリバースベ
ンディング等による機械的手段を採用することができ
る。
【0014】次に、ボラックス被着処理とは、具体的に
は、ボラックス粉末を80〜95℃の湯に濃度5〜8%
で溶解したボラックス溶解液槽に線材を浸漬して、膜状
のボラックスを線材表面に形成することを意味する。こ
の処理によって形成された膜状のボラックスによって、
線材は、次工程の冷間伸線加工において、伸線潤滑剤の
キャリア及びダイスとの金属接触を生じることなく、所
定の線径に細径化することができる。
【0015】また、被着ボラックス除去処理とは、所定
線径に細径化された線材を水槽又は湯槽に浸漬して、線
材表面の膜状のボラックスを除去することを意味する。
この場合、水洗でもよいが、湯洗すると、ボラックスを
より一層容易に除去することができる。この処理によっ
て、清浄な表面状態が維持されて、線材は、次工程の焼
鈍処理において、変色、脱炭を生じることなく、美麗な
線肌に仕上げることができる。
【0016】さらに、石灰被着処理とは、焼鈍処理され
た線材を石灰水溶液槽に浸漬して、膜状の石灰を線材表
面に形成することを意味する。この処理によって形成さ
れた膜状の石灰によって、防錆性が付与されて、保管時
や輸送時における釣針用線材の発錆を防止することがで
きる。また、釣針製造工程において、被着石灰は水洗又
は湯洗によって容易に除去されるから、美麗な線肌にメ
ッキ処理され、孔食が生じることなく、耐食性が向上
し、かつ良好なメッキ光沢を有する釣針を製造すること
ができる。ところで、上記各工程において、ボラックス
溶解液に浸漬後や被着ボラックス除去処理後、また石灰
水溶液に浸漬後に強制乾燥するのが好ましい。
【0017】
【実施例】(実施例1)原材料として、線径が5.5m
mで炭素含有量が0.8重量%の硬鋼線材を塩酸に浸漬
して表面のスケールを取り除いた後、ボラックスを塗布
し、これを冷間伸線加工にて線径1.5mmまで減径し
た。次にこの線材を85℃の湯中に通して洗浄したの
ち、真空焼鈍炉にて熱処理を行い、石灰塗布・乾燥して
釣針用線材を得た。 (実施例2)原材料として、上記実施例1と同じ線材で
脱スケールを行った線材を用い、これにボラックス被膜
を塗布して、これを冷間伸線にて線径2.5mmまで減
径した。次に、この線材をパテンチング処理した後、塩
酸にて脱スケール処理を行い、続いて再度ボラックス被
膜を塗布した。この線材を再度冷間伸線して、線径0.
6mmまで減径した。この線材を上記実施例1と同様の
湯洗、真空焼鈍熱処理、石灰塗布・強制乾燥して釣針用
線材を得た。 (従来例1)従来例1として、上記実施例1のボラック
ス処理をリン酸塩処理とし、以降実施例1と同じ工程で
線径が1.5mmの釣針用線材を得た。 (従来例2)さらに、従来例2として、上記従来例1に
おける湯洗を塩酸による酸洗処理をしたものも製造し
た。
【0018】上記、実施例1、2及び従来例1、2にお
いて、実際に釣針を製造し、耐腐食性および光沢を比較
した。耐腐食性は24時間の塩水噴霧試験で比較し、光
沢は目視で行った。また、焼鈍処理後の釣針用線材を樹
脂に埋め込み横断面を顕微鏡で観察し、脱炭の有無も比
較した。その結果を表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】表1から明らかなように、本発明の製造方
法によって製造した釣針用線材は、耐腐食性、光沢とも
に従来例より優れていることがわかる。
【0021】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、耐食性が向
上し、かつ良好なメッキ光沢を有する釣針となる美麗な
線肌の釣針用線材が製造可能になり、合わせて釣針製造
における作業環境の改善を図り得る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面酸化スケールを除去した硬鋼線材
    に、ボラックス被着処理−冷間伸線加工−被着ボラック
    ス除去処理−焼鈍処理−石灰被着処理を順次施すことを
    特徴とする釣針用線材の製造方法。
  2. 【請求項2】 冷間伸線加工における最終伸線前に、焼
    鈍又はパテンチング処理−脱スケール処理−ボラックス
    被着処理を順次1乃至数回行う請求項1に記載の釣針用
    線材の製造方法。
  3. 【請求項3】 被着ボラックス除去処理が、水洗又は湯
    洗である請求項1に記載の釣針用線材の製造方法。
  4. 【請求項4】 焼鈍が、真空焼鈍である請求項1に記載
    の釣針用線材の製造方法。
JP2001366297A 2001-11-30 2001-11-30 釣針用線材の製造方法 Pending JP2003166088A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001366297A JP2003166088A (ja) 2001-11-30 2001-11-30 釣針用線材の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001366297A JP2003166088A (ja) 2001-11-30 2001-11-30 釣針用線材の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003166088A true JP2003166088A (ja) 2003-06-13

Family

ID=19176214

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001366297A Pending JP2003166088A (ja) 2001-11-30 2001-11-30 釣針用線材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003166088A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020025943A (ko) * 2002-03-12 2002-04-04 성창원 낚시바늘 소재강의 제조방법
JP2011152083A (ja) * 2010-01-27 2011-08-11 Yamai:Kk 釣針及びその製造方法
US20170188560A1 (en) * 2016-01-05 2017-07-06 Graham Tackle, LLC Flared double fish hook

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020025943A (ko) * 2002-03-12 2002-04-04 성창원 낚시바늘 소재강의 제조방법
JP2011152083A (ja) * 2010-01-27 2011-08-11 Yamai:Kk 釣針及びその製造方法
US20170188560A1 (en) * 2016-01-05 2017-07-06 Graham Tackle, LLC Flared double fish hook
US10750730B2 (en) * 2016-01-05 2020-08-25 Graham Tackle Llc Flared double fish hook

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5843538A (en) Method for electroless nickel plating of metal substrates
US2904413A (en) Process of bright dipping zinc base alloys
CN112359362B (zh) 一种轴承钢酸洗磷皂化方法
JP2006299340A (ja) 高強度高延性合金化溶融亜鉛メッキ鋼板の製造方法
US9499894B2 (en) Method for producing high-strength hot-dip galvannealed steel sheet
FR2527649A1 (fr) Bain et procede d'enlevement par voie electrolytique de depots metalliques, tels que le cuivre et les alliages de cuivre, a partir de substrats
CN110863157A (zh) 一种不锈钢螺丝耐腐蚀加工成型工艺
JP5707177B2 (ja) 冷間鍛造用鋼線の製造方法
JP2006322028A (ja) P添加鋼板の合金化溶融亜鉛メッキ方法
CN112680761A (zh) 一种镀镍铈合金软铜线生产工艺
JP2003166088A (ja) 釣針用線材の製造方法
CN101665929A (zh) 高耐蚀性化学镀镍磷合金镀液及其化学镀方法
JPS63286585A (ja) チタンまたはその合金の化成処理液ならびに該化成処理液でのチタンまたはその合金の表面処理方法
US2710271A (en) Process for annealing and cleaning oxidized metal in a salt bath
CN113699475A (zh) 一种钢材的热浸镀锌方法
JP2005307283A (ja) 易酸化性成分を含む冷延鋼板の製造方法
JP2003064493A (ja) 外観の美麗な電気亜鉛めっき鋼板
US2109675A (en) Method of eliminating embrittlement and corrosion of pickled metal
US2330608A (en) Preparing stock for coating and electroplating
JPH05123084A (ja) 釣り針
US2601864A (en) Composition for and method of descaling metal parts
JPS5919199B2 (ja) 表面硬化処理を施した鋼物品のメツキ前処理法
GB2031468A (en) Copper alloy cleaning process
CN111041390A (zh) 一种车用铝铸件泵体
US2277664A (en) Zinc plating ferrous articles