JPH05123084A - 釣り針 - Google Patents

釣り針

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Publication number
JPH05123084A
JPH05123084A JP3311598A JP31159891A JPH05123084A JP H05123084 A JPH05123084 A JP H05123084A JP 3311598 A JP3311598 A JP 3311598A JP 31159891 A JP31159891 A JP 31159891A JP H05123084 A JPH05123084 A JP H05123084A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fishing hook
plating
main body
electric
plating layer
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP3311598A
Other languages
English (en)
Inventor
Setsuko Koura
節子 小浦
Yoshio Kato
善雄 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Nisshin Steel Co Ltd filed Critical Nisshin Steel Co Ltd
Priority to JP3311598A priority Critical patent/JPH05123084A/ja
Publication of JPH05123084A publication Critical patent/JPH05123084A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐久性,耐食性に優れ、魚が嫌う錆の臭いや
金属イオン等を水中に拡散することがない釣り針を得
る。 【構成】 炭素鋼,ステンレス鋼等で形成した本体を焼
入れによって硬質化し、電気めっき法でAlめっき層を
形成する。電気めっき法は、たとえば硬質化した本体を
非水系のめっき浴に浸漬し、めっき電流を供給すること
によって行われる。Alめっき層の密着性が劣る場合に
は、硬質本体の表面に適宜のプレめっきを施す。 【効果】 電気Alめっき層は、不溶性の保護皮膜とし
て下地の鋼を防食する。また、表面に形成される酸化皮
膜と相俟つて、優れた防食作用を呈する。そのため、錆
の臭いや溶出金属イオンが釣り針から水中に拡散され
ず、大きな釣果が期待できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐久性,耐食性に優
れ、魚が嫌う錆の臭いや金属イオンを水中に拡散するこ
とがない釣り針に関する。
【従来の技術】
【0002】釣り針は、炭素鋼,ステンレス鋼等を線材
に線引き,引抜き等の加工を施した後、一端に針先を形
成し、適宜の釣り針形状に曲げ加工している。釣り針
は、魚の引き等によって大きな力が加わったとき変形し
ないように、高い硬度をもつことが必要とされる。ま
た、特に海水中で使用されるとき、海水による腐食が問
題となる。
【0003】釣り針の硬度は、高周波等で焼き入れする
ことによって向上させることができる。他方、耐食性
は、Zn,Cr,Au,真鍮等のめっきで確保してい
る。しかし、Cr,Au,真鍮等のめっきでは、比較的
多孔質のめっき層が形成され易く、釣り針本体の耐食性
向上が十分でない。また、ZnやAlを溶融めっきする
場合、釣り針本体は、高温の溶融めっき浴に浸漬される
ため、焼戻し軟化によって硬度を低下させる。
【0004】そこで、特開昭63−216417号公報
では、TiC,TiN,Ti(C,N),Al23
の被覆層をCVD法によって形成させることが提案され
ている。また、特開平2−203728号公報では、C
VD法で形成された被覆層が釣り針本体に対し優れた密
着性で形成されるように、釣り針本体の表面を粗面化し
た後で化学蒸着を行うことが紹介されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】CVD法によるとき、
耐食性付与に必要な所定厚みの被覆層を形成するため、
長時間にわたる蒸着が必要とされる。また、緻密で一定
した組成の被覆層を形成するため、反応成分が所期設定
した濃度範囲から外れないように蒸着雰囲気を正確に制
御することが要求される。しかも、被蒸着素材である釣
り針本体を真空蒸着槽に装入する作業や、蒸着された釣
り針本体を真空蒸着槽から取り出す作業等のために、作
業性が極めて悪く、本来の蒸着に消費される真空蒸着槽
の稼動効率が低下する。その結果、釣り針のように多数
の小物に被覆層を形成することは、生産性の面から実用
的でない。更には、高温で化学蒸着を行う場合、溶融め
っきと同様に釣り針本体に焼戻し軟化が生じる欠点があ
る。
【0006】生産性を前提とすると、CVD法等のよう
に特殊な設備や技術を必要とせず、従来の電気めっきに
より防食皮膜を形成することが望まれる。しかし、電気
めっきの代表的なものである電気Znめっきでは、耐久
性が十分でない。しかも、比較的軟質のめっき層である
ため、下地腐食発生の起点となる疵がつき易い。
【0007】本発明は、このような問題を解消すべく案
出されたものであり、CVD法に代えて電気Alめっき
を採用することにより、緻密で耐食性に優れた釣り針を
得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の釣り針は、その
目的を達成するため、炭素鋼,ステンレス鋼等を釣り針
形状に成形した硬質本体と、該釣り針本体の表面に設け
られた電気Alめっき層とを備えていることを特徴とす
る。
【0009】釣り針の素材としては炭素鋼,ステンレス
鋼等を使用し、線引き,引抜き,プレス成形等の加工を
施して針先,返し,腰等を備えた所定の釣り針形状に成
形する。そして、成形された素材を高周波等によって焼
き入れし、釣り針として要求される硬度に調整した硬質
本体とする。
【0010】硬質本体は、脱脂,酸洗等で表面活性化さ
れた後、電気Alめっきが施される。このとき、ステン
レス鋼等のようにめっき密着性が劣る素材では、たとえ
ばNiストライクめっき等の前処理を施すことが好まし
い。
【0011】電気Alめっき層は、好ましくは非水系の
めっき浴中で硬質本体を電気めっきすることによって、
10〜30μmの層厚で形成される。たとえば、本出願
人が出願した特願昭60−208144号(特開昭62
−70592号公報),特願昭63−103100号
(特開平1−272790号公報)を始めとして各種の
方法が採用される。
【0012】
【作 用】電気Alめっき層は、めっき条件にもよるが
一般的に緻密なめっき層となる。電気Alめっき層によ
る防食作用は、Znめっき層のような犠牲陽極によるも
のではなく、めっき層自体が不溶性であり、しかも表面
に形成される緻密な酸化皮膜によって下地に対する保護
作用を呈する。そのため、海水雰囲気等の過酷な腐食性
雰囲気に晒されても、長期間にわたって発錆を抑えるこ
とができる。
【0013】これに対し、Znめっき層では、犠牲陽極
としてめっき層が消耗し尽くされた後では、下地の腐食
が急速に進行する。また、Znめっき層にピンホール等
の欠陥があると、ピンホールを介して海水が下地まで到
達し、その部分を中心として下地の腐食が進行する。こ
の点、Alめっき層では、めっき層自体が緻密なこと
と、その上に自然発生的に形成された酸化皮膜によっ
て、下地まで海水が到達することが防止される。
【0014】この対比から明らかなように、電気Alめ
っき層と電気Znめっき層とでは、下地に対する腐食抑
制作用が相違する。この相違は、めっきされた製品を釣
り針として使用するときに大きな影響を与える。すなわ
ち、魚類が錆の臭いを極端に嫌うため、釣り針の発錆如
何によって釣果に差がでてくる。また、Znめっき層の
溶出により生じたZnイオンも、魚類に嫌われるもので
ある。この点、Alめっき層では、錆の臭いや溶出金属
イオンを水中に拡散しないので、大きな釣果が期待され
る。
【0015】
【実施例】釣り針の素材に線径5mmの炭素鋼線材を使
用し、切断後、プレス成形によって針先及び返しを付
け、腰部を湾曲させ、次いで焼入れ・焼戻しを施して硬
質化した。得られた硬質本体を洗浄,酸洗した後、次の
条件下で電気Alめっきした。
【0016】電気アルミニウムめっきの条件 めっき浴の組成:AlCl3 906g/l 1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド 48
4g/l フェナントロリン 1.8g/l めっき浴の温度:60℃ 電流密度 :3A/dm2
【0017】電気めっきを18分間継続したところ、平
均厚みが10μmのAlめっき層が硬質本体の表面に形
成された釣り針が得られた。形成された電気Alめっき
層は、硬質本体に対する密着性に優れ、均一な膜厚で緻
密な組織をもっていた。
【0018】得られた釣り針に対して使用形態を考慮し
た次の腐食試験を行い、耐食性を調べた。先ず、海水濃
度の塩水(25℃)に釣り針を8時間浸漬した後、大気
中に取り出して4時間放置し、釣り針表面にある塩水を
自然蒸発させた。乾燥或いは半乾燥の釣り針は、再度同
じ塩水に30分間浸漬された。そして、釣り針表面に発
錆が検出されるまで浸漬及び引上げを繰り返した。発錆
までの浸漬回数をカウントし、これによって耐食性を評
価した。調査結果を、Alめっき層の厚みとの関係にお
いて表1に示す。
【0019】
【0020】表1から明らかなように、Alめっきを施
した釣り針は、Znめっきした釣り針に比較して格段に
耐食性が向上していることが判る。たとえば、厚み5μ
mのアルミめっきを施した釣り針は、厚み20μmのZ
nめっきした釣り針よりも優れた耐食性を呈している。
しかも、Alめっきは、Znの溶出により下地を防食す
る亜鉛めっきと異なり、長期間にわたり下地を腐食から
保護する。たとえば、10μmのZnめっきした釣り針
では浸漬回数4回で赤錆が発生したのに対し、10μm
のAlめっきした釣り針は、30回まで赤錆の発生がみ
られず、7倍程度耐食性が優れていた。
【0021】なお、釣り針用素材は、上記の炭素鋼以外
に、析出硬化型,焼入れ硬化型,加工硬化型等のCr
鋼,工具鋼,ステンレス鋼等を使用することも可能であ
る。また、素材の種類によっては、Alめっき層の密着
性が劣ることがある。このような場合、電気Alめっき
に先立って、Ni,Fe,Ni−Fe,Zn等をストラ
イクめっきするとき、Alめっき層の密着性が向上し、
耐久性及び耐食性に優れた釣り針が得られる。
【0022】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の釣り針
においては、必要な硬度,強度を有する硬質本体に電気
Alめっき層を形成することにより、耐食性及び耐久性
に優れた釣り針としている。電気Alめっき層は、犠牲
陽極として作用するZnめっき層と異なり、水中に金属
イオンを拡散することがない。また、長期間にわたって
発錆が抑えられ、錆の臭いを水中に拡散させることもな
い。すなわち、魚類が嫌う金属イオンや錆の臭い等がな
いため、大きな釣果が期待される。また、溶融めっき法
におけるように硬質本体を焼戻し軟化させることがない
ため、長期間にわたって当初の形状を維持することがで
きる耐久性に優れた釣り針となる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素鋼,ステンレス鋼等を釣り針形状に
    成形した硬質本体と、該釣り針本体の表面に設けられた
    電気Alめっき層とを備えていることを特徴とする釣り
    針。
JP3311598A 1991-10-30 1991-10-30 釣り針 Withdrawn JPH05123084A (ja)

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JP3311598A JPH05123084A (ja) 1991-10-30 1991-10-30 釣り針

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6892490B2 (en) * 2003-06-13 2005-05-17 Mike Mattlage Fishing hook
JP2011152083A (ja) * 2010-01-27 2011-08-11 Yamai:Kk 釣針及びその製造方法
JP2015211649A (ja) * 2014-05-02 2015-11-26 株式会社オーナーばり 釣針及び釣針の製造法
US20170188560A1 (en) * 2016-01-05 2017-07-06 Graham Tackle, LLC Flared double fish hook

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Legal Events

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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 19990107