JPH1150281A - オーステナイト系ステンレス鋼帯の平滑酸洗方法 - Google Patents

オーステナイト系ステンレス鋼帯の平滑酸洗方法

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JPH1150281A JP21070197A JP21070197A JPH1150281A JP H1150281 A JPH1150281 A JP H1150281A JP 21070197 A JP21070197 A JP 21070197A JP 21070197 A JP21070197 A JP 21070197A JP H1150281 A JPH1150281 A JP H1150281A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オーステナイト系ステンレス鋼の酸洗方法と
して、安価な硫酸酸洗法で高品位な酸洗表面を得ること
を目的とする。 【解決手段】 オーステナイト系ステンレス鋼帯を硫酸
溶液で酸洗した後に塩酸・硝酸溶液で白色化する酸洗法
において、塩酸・硝酸溶液として、塩酸を110〜30
0g/l、硝酸を60〜110g/l、鉄イオンを20
g/l以上含有した溶液を用いて酸洗処理を行うことを
特徴とするオーステナイト系ステンレス鋼帯の平滑酸洗
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オーステナイト系
ステンレス熱延鋼帯の酸化スケールを、硫酸溶液による
酸洗法により脱スケールする方法であって、安定した酸
洗と酸洗後の表面性状を良好ならしめるデスケール方法
である。尚、本発明において、溶液に含有する各組成の
濃度はg/l(グラム/リットル)で表示する。
【0002】
【従来の技術】オーステナイト系ステンレス鋼熱延板の
表面に生成したスケールを除去する方法としては、一般
にショットブラストにより機械的に脱スケールを施した
後、硝酸−弗酸の混酸で酸洗することにより酸洗する方
法が広く採用されている。通常用いられる酸濃度はオー
ステナイト系ステンレス鋼の場合、硝酸が5〜15%、
弗酸が1〜5%である。(「ステンレス鋼便覧」昭和4
8年版P.842参照)
【0003】この硝酸−弗酸の混酸による酸洗法は表面
仕上がり状況が良好であるが、NOx ガスを発生する
ため、このガスを処理する高価な設備を必要とする。
また、この混酸は酸洗の進行に伴う溶液中への溶け込み
イオンの影響が大きく、溶け込みイオンの増加で能力不
足になるため、頻繁に液を更新することが必要になり、
液コストや廃酸処理にコストがかかるという欠点を有す
る。さらには酸洗槽の材質として硝酸−弗酸特有の高
価な耐酸材料を必要とし、設備を設置する費用ならびに
維持管理する費用の点からも高価な酸洗法である。
【0004】一方、フェライト系ステンレス鋼などに適
用実施されている硫酸酸洗法はNOx ガスを発生せ
ず、ガス処理設備が不要で、酸洗の進行に伴う溶液中
への溶け込みイオンの影響が小さく、液コストや廃酸処
理が安価である。さらには酸洗槽の耐酸材料として安
価な材料で充分である。このことから、オーステナイト
系ステンレス鋼においても、硝酸−弗酸の混酸に代わる
酸洗法として、硫酸を基本酸洗溶液とする酸洗方法が切
望されている。
【0005】このような有用な特性を持つ硫酸酸洗法を
工業的な酸洗法として活用するには次の様な4つの問題
があった。第1には、硫酸溶液中でオーステナイト系ス
テンレス鋼は不動態化し易く安定した酸洗を持続させに
くい。第2には、硫酸酸洗後の酸洗表面に付着している
酸洗生成物であるスマットはフェライト系ステンレス鋼
と異なり除去しにくい。第3には、硫酸の性質としてC
r欠乏を選択的に溶解しないため、スケールと地鉄との
界面に存在するCr欠乏層を選択溶解することなく、メ
カニカルデスケールの充分な部分と不充分な部分の溶解
差がデスケール完了までの酸洗の間に大きくなり、結果
として、表面凹凸が大きくなる。第4には、続く冷延に
て修復され難い孔食が生じる問題がある。これは硫酸溶
液が不動態化し易いことと、メカニカルデスケーリング
された鋼帯表面の局所的変化に対応して程度の異なる孔
食が生じてしまう。この孔食の違いは、冷延後には肉眼
でも判別可能な肌荒れ疵となる。
【0006】従来の硫酸溶液を使ったオーステナイト系
ステンレス熱延鋼帯の酸洗法としては、例えば特公昭6
1−25783号公報では、ステンレス熱延鋼帯にショ
ットブラスト処理を行い、その後に硫酸処理し、硫酸第
二鉄−硫酸溶液で主酸洗を行い、さらに後処理として硝
酸中で酸洗するか、あるいは塩酸後硝酸中で酸洗する方
法が開示されている。しかしながら、この酸洗法を適用
しても、硫酸第二鉄−硫酸の操業濃度範囲が狭いため、
範囲外になることが多く、酸洗が全く不能な状態になる
ことが頻発した。また、酸洗が充分に行われた場合も、
スマット除去が不充分であったり、酸洗後の表面粗さが
従来に比べ大であったり、引き続きおこなわれる冷延で
修復することなく製品板で肌荒れ疵として残存する孔食
が生じる問題があった。
【0007】特開平7−331469号公報では、スケ
ール直下にCr欠乏層のないことが特徴である同期式連
続鋳造法により製造されたオーステナイト系ステンレス
鋼の薄帯状鋳片や焼鈍を省略したオーステナイト系ステ
ンレス鋼熱延板のデスケール方法として、硫酸溶液を使
った酸洗法が開示されている。上記の薄帯状鋳片や熱延
板に、機械的手段の予備デスケールを行い(ショットブ
ラストあるいは砂鉄+高圧水噴射)、不動態皮膜を表面
活性化処理を行い(スクラバーブラシによる軽研削や、
硫酸中で陰極にし直流電解する)、硫酸溶液で酸洗処理
し、続いて硝酸溶液でスマット処理する方法が開示され
ている。硫酸中での安定した酸洗は前処理により達成す
るものの、硝酸溶液では充分なスマット除去ができずに
残存し、予備デスケールとしてショットブラストを適用
した場合には、メカニカルデスケーリングが不充分なた
め、酸洗後の表面凹凸はRmax50μm程度の大きな
粗さになり、しかも孔食も発生した。
【0008】特開平8−35086号公報では、Ni系
ステンレスにおいてメカニカルデスケーリング(ショッ
トブラスト等)後に硫酸処理し、白色化処理(塩酸−硝
酸−界面活性剤)で処理する方法が開示されている。こ
の方法ではスマットは除去されるが、メカニカルデスケ
ーリングが不充分なため表面粗さがRmax40〜50
μmにもなり、孔食も多発した表面となった。
【0009】特開平8−260173号公報では、熱間
圧延したNi系ステンレス鋼帯のスケールを機械的手段
(ショットブラストと重研ブラシ)により、全表面の3
0%以上除去し、硫酸酸洗する方法が開示されている。
機械的脱スケール量を多くすることで酸洗後の凹凸は小
さな酸洗表面が得られるものの、孔食は生成してしまう
問題があった。
【0010】特開昭59−129731号公報、特開昭
61−49706号公報には、塩酸−硝酸−第2鉄塩に
よる酸洗法について開示されている。これらの酸洗法
は、塩酸−硝酸−第2鉄塩の酸洗溶液のみによる酸洗法
であり、オーステナイト系ステンレス鋼に対して硫酸を
酸洗主溶液として行うことを目的とした場合に問題とな
る前記4つの問題については何等考慮されていないし、
単なる硫酸酸洗との組み合わせでは問題が発生してい
た。
【0011】また、特開昭58−42777号公報、特
開昭58−199879号公報では、ショットブラスト
し、硫酸槽での予備酸洗、塩酸−硝酸−第2鉄塩の酸洗
を行う酸洗法の開示がある。この発明でも前記4つの問
題についての考慮は何等なされていないため、表面凹凸
が大きくなり、孔食原因の肌荒れ疵が発生する問題が発
生した、
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、オーステナ
イト系ステンレス鋼帯を硫酸酸洗する場合に、問題とな
る4つの問題の内、従来のどの硫酸酸洗法を適用しても
達成できなかった酸洗後の孔食をなくし、加えて安定し
た酸洗操業、スマット除去、酸洗後の表面粗さを良好に
する酸洗法を可能ならしめるもので、これにより酸液コ
ストおよび設備費が安価で高晶質なオーステナイト系ス
テンレス鋼薄板製造を可能にするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、オーステ
ナイト系ステンレス鋼帯の硫酸酸洗適用について鋭意検
討を加えた結果、硫酸後に生じる孔食の程度を軽減する
ためには、硫酸濃度や温度を一定限界値以下に保って孔
食生成の程度を軽減するか、硫酸酸洗後のホワイトニン
グ溶液の溶解性を増やし孔食を無害化することで達成で
きるという知見を得た。
【0014】本発明は、上記知見に基づくものであっ
て、その要旨は以下の通りである。 (1)オーステナイト系ステンレス鋼帯を硫酸溶液で酸
洗した後に塩酸・硝酸溶液で白色化する酸洗法におい
て、塩酸・硝酸溶液として、塩酸を110〜300g/
l、硝酸を60〜110g/l、鉄イオンを20g/l
以上含有した溶液を用いて酸洗処理を行うことを特徴と
するオーステナイト系ステンレス鋼帯の平滑酸洗方法。 (2)オーステナイト系ステンレス鋼帯を硫酸溶液で酸
洗した後に塩酸・硝酸溶液で白色化する酸洗法におい
て、硫酸溶液として硫酸を300g/l以下含有する溶
液を用いて酸洗処理を行い、次いで塩酸・硝酸溶液とし
て、塩酸を110〜300g/l、硝酸を60〜110
g/l、鉄イオンを20g/l以上含有する溶液を用い
て酸洗処理を行うことを特徴とするオーステナイト系ス
テンレス鋼帯の平滑酸洗方法。
【0015】
【発明の実施の形態】従来法として開示されている特開
平8−35086号公報ならびに特開平8−26017
3号公報の条件を適用して、Ni系ステンレス熱延鋼帯
にショットブラストと重研ブラシの組み合わせによるメ
カニカルデスケーリングを行い表面スケールを全表面の
30%以上除去した後、300g/l硫酸−鉄分50g
/l,90℃,210secの硫酸条件で酸洗し、次い
で40g/l塩酸−130g/l硝酸−界面活性剤5
%,70℃,30secの条件で白色化処理を行った。
【0016】その結果、硫酸中での安定した酸洗がで
き、スマット除去は充分であり、表面粗さもRmax2
0μm以下の従来硝弗酸なみの表面が得られた。しか
し、この鋼帯を引き続き冷延して光輝焼鈍し製品板を製
造したところ、従来の硝弗酸酸洗時には見られない肌荒
れ疵が発生した。
【0017】この疵は冷延率が進んで表面光沢が良好に
なると明確化する疵であり、工程をさかのぼって検討し
た結果、酸洗表面に生じた粗さ計で捕らえられない孔食
があり、サイズは3〜7μm程度の径で深さも同様程度
であるが、局所的に程度の異なる孔食が生じていること
が判明した。この局所的に程度の異なる孔食が冷延の進
行により70%以上の冷延率で肉眼でも違いとして認識
できる肌荒れ疵となる。
【0018】Rmax20μm程度の従来の硝弗酸酸洗
板に見られた通常の凹凸は冷延の進行にともない消滅す
るが、上記孔食は冷延の進行にともなって消滅しにく
い。
【0019】この孔食の発生原因を明らかにするため、
白色化処理時間を変化させて冷延後の肌荒れ疵を調査し
たところ、白色化処理時間を短時間化すると肌荒れ疵が
より明確化し、長時間化すると軽減することが分かっ
た。このことから硫酸溶液中で孔食が発生し、白色化処
理で改善すると考えることができる。しかし、実ライン
では白色化処理槽長は制限されるため、白色化処理の長
時間化を図ることは難しい。そこで、本発明者らは、一
定時間の白色化処理でより効率的に肌荒れ疵を軽減化す
る方法について検討するべく以下の条件で実験を行った
結果、白色化処理に用いる塩酸−硝酸溶液中のFeイオ
ン濃度を増加することが有効であることを見出だした。
【0020】すなわち、前述のように、Ni系ステンレ
ス熱延鋼帯にショットブラストと重研ブラシの組み合わ
せによるメカニカルデスケーリングを行い表面スケール
を全表面の30%以上除去した。その後、硫酸250〜
370g/l−Feイオン50g/l,90℃,210
sec の条件で硫酸酸洗し、次いで白色化溶液として塩酸
40g/l−硝酸130g/l−界面活性剤5%、70
℃、30sec の条件で白色化処理を行う際に、白色化溶
液中にFeイオンを変化して添加した白色化処理を行っ
た。得られた3mmの鋼帯を引き続き0.7mmに冷延し、
肌荒れ疵ランクを評価した。図1に、白色化溶液中のF
eイオン濃度と、肌荒れ疵ランクとの相関を示す。図1
より、白色化溶液中にFeイオンを20g/l以上添加
することで、肌荒れ疵が軽減化されることが分かる。
【0021】しかし、Feイオン濃度を20g/l以上
にコントロールした状態で酸洗を継続しても、数コイル
に一本の割合で鋼帯表面にスマットが部分的に残存し雲
型の模様となる酸洗板が発生することが判明した。スマ
ットが残存した部分には孔食も多く残存しており、この
ような酸洗板を製品板厚まで冷延すると、肌荒れ疵が酸
洗後の雲形模様と同じ形態で発生した。
【0022】このため本発明者らは、さらに安定して白
色化処理可能な液条件を検討するべく以下の条件で実験
を行った結果、塩酸と硝酸の液組成として塩酸を多目に
設定した組成にコントロールすることで、スマットの残
存しない均一な白色鋼帯を得ることができることを見出
だした。
【0023】すなわち、前述のように、Ni系ステンレ
ス熱延鋼帯にショットブラストと重研ブラシの組み合わ
せによるメカニカルデスケーリングを行い表面スケール
を全表面の30%以上除去した。その後、硫酸300g
/l−Feイオン50g/l,90℃,210sec の条
件で硫酸酸洗し、次いで白色化溶液として塩酸−硝酸−
界面活性剤5%にFeイオンを20g/l以上添加し、
70℃、30sec の条件で白色化処理を行った際のスマ
ットの残存状況を雲型模様の有無で評価し、また引き続
き白色化処理後の3mmの酸洗鋼帯を0.7mmに冷延した
後の肌荒れ疵発生状況を評価した。図2に、白色化溶液
中の硝酸濃度及び塩酸濃度と、スマットの残存状況及び
肌荒れ疵発生状況との関係を示す。図2より、塩酸濃度
を110〜300g/lかつ硝酸濃度を60〜110g
/lにすることで、良好な表面が得ることが分かる。
【0024】また、硫酸溶液について孔食の発生しにく
い条件としては、図1に示されるように、硫酸濃度を3
00g/l以下にすることが有効である。
【0025】肌荒れ疵発生原因である酸洗板の孔食が発
生するのは、硫酸溶液中にFeイオン,Crイオン,N
iイオンが溶け込むことによって、液自体が不動態化し
易い状態になっていることと、浸漬前のメカニカルデス
ケーリング後の表面がミクロ的には不均一であり、酸洗
が進行する場所が局在化するためであると考えられる。
【0026】本発明において、塩酸と硝酸の白色化溶液
中にFeイオンを増加させることで孔食を軽減し、肌荒
れ疵を軽減する理由は、硫酸溶液中で生じた孔食の大き
な急峻度を白色化溶液での溶解を増やすことで良好なミ
クロ形状に変化させることができるためだと考えられ
る。
【0027】次に本発明の液組成の限定理由について説
明する。白色化溶液は浸漬あるいはスプレーのいずれで
適用しても良いが、硫酸酸洗で生じたスマットを除去
し白色化する作用、硫酸酸洗で生じた孔食を軽減し冷
延後の肌荒れ疵を発生させない作用、雲形模様の発生
しない均一な白色鋼帯を得る作用が必要である。
【0028】白色化溶液中の塩酸は、硝酸およびFeイ
オンと共存して上記〜の作用を強める作用があり、
110〜300g/lが必要である。また白色化溶液中
の硝酸は、塩酸およびFeイオンと共存して上記〜
の作用を強める作用があり、60g/l以上添加する必
要がある。一方、硝酸は、添加量を増加するほど白色化
作用は強くなるが、110g/lを超えて添加した場
合、不動態化作用が大きくなり白色化が中断し、雲形模
様が頻発するようになる。白色化溶液中のFeイオン
は、塩酸および硝酸と共存して孔食軽減作用があり20
g/l以上、望ましくは40g/l以上が、さらに望ま
しくは90g/lを超えての添加が必要である。白色化
処理を行う温度は、100℃を越えると表面の肌あれを
生じ、50℃未満では白色化効果が小さい。高速白色化
と安定操業上の観点から60〜90℃が望ましい。ま
た、この溶液には、尿素化合物と有機酸からなるNOx
発生防止の界面活性剤を1〜5重量%含有させても同様
な効果を生じる。
【0029】硫酸溶液については、肌荒れ疵を軽減する
ため硫酸濃度を300g/l以下にすると、一層の効果
がある。この液温は95℃を超えると酸洗後の孔食発生
程度が悪化するため95℃以下で操業する必要がある。
【0030】被処理材については、スラブを熱間圧延し
て得られた熱延鋼帯、さらに連続焼鈍した熱延鋼帯、鋳
片と鋳型内壁面の間に相対速度差のない同期式連続鋳造
法により製造された薄鋼帯状鋳片のいずれでも有効であ
る。特にスケール厚みの薄い熱延板焼鈍省略材や熱延を
省略して溶鋼から直接に製造した薄鋼帯状鋳片において
は、軽度のメカニカルデスケーリングでよい。
【0031】このメカニカルデスケーリングについて
は、酸洗後の表面凹凸を従来の硝弗酸酸洗の表面凹凸と
同程度にするためには、通常のショットブラストでは不
十分であり、ショットブラスト痕で全表面を覆うように
するか、特開平8−260173号公報に示されている
ように、ショットブラストと重研ブラシを用いてメカニ
カルデスケーリングを行い全表面の30%以上を除去し
ておくことは本発明においても良好な酸洗表面を得るた
めに有効である。
【0032】
【実施例】SUS304で板厚3mmの熱延鋼帯をショッ
トブラストと重研ブラシによる機械的な脱スケールを施
した後、硫酸酸洗槽で酸洗し、次いで白色化槽で一連の
酸洗処理を実施した。それぞれの処理工程における条件
は表1に示す通りであり、その結果得られたショットブ
ラストと重研ブラシによる機械的な脱スケール後のスケ
ールの表面除去率、酸洗後の表面粒度、酸洗板の孔食、
80%冷延後の肌荒れ疵の有無を調査し結果を示した。
【0033】
【表1】
【0034】比較法に比べ本発明法によれば、白色化溶
液中の塩酸濃度、硝酸濃度、Feイオン濃度と硫酸濃度
をコントロールすることで、雲形模様のない充分な白色
化と孔食の軽減が出来、冷延後の肌荒れ疵の発生を防止
出来ることが判明した。また、硫酸中の安定した酸洗、
スマット除去、酸洗後の凹凸も充分良好であった、
【0035】
【発明の効果】本発明はオーステナイト系ステンレス鋼
帯を酸洗するに際し、安価な硫酸酸洗法で、良好な酸洗
表面性状を可能ならしめたもので、すぐれた製品を提供
でき生産性も高いので工業的効果は甚大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】白色化溶液中のFeイオン量と、冷延後の肌荒
れ疵との関係を示す図表である。
【図2】白色化処理後の雲形模様の発生状況及び冷延後
の肌荒れ疵発生状況と、白色化溶液中の塩酸濃度及び硝
酸濃度との関係を示した図表である。
フロントページの続き (72)発明者 下村 良一 北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新日本製 鐵株式会社八幡製鐵所内 (72)発明者 西村 基 北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新日本製 鐵株式会社八幡製鐵所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オーステナイト系ステンレス鋼帯を硫酸
    溶液で酸洗した後に塩酸・硝酸溶液で白色化する酸洗法
    において、塩酸・硝酸溶液として、塩酸を110〜30
    0g/l、硝酸を60〜110g/l、鉄イオンを20
    g/l以上含有した溶液を用いて酸洗処理を行うことを
    特徴とするオーステナイト系ステンレス鋼帯の平滑酸洗
    方法。
  2. 【請求項2】 オーステナイト系ステンレス鋼帯を硫酸
    溶液で酸洗した後に塩酸・硝酸溶液で白色化する酸洗法
    において、硫酸溶液として硫酸を300g/l以下含有
    する溶液を用いて酸洗処理を行い、次いで塩酸・硝酸溶
    液として、塩酸を110〜300g/l、硝酸を60〜
    110g/l、鉄イオンを20g/l以上含有する溶液
    を用いて酸洗処理を行うことを特徴とするオーステナイ
    ト系ステンレス鋼帯の平滑酸洗方法。
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