JP2012178281A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料残量の供給圧力が低下した場合でも適切に燃料極の不純物を除去できる燃料電池を提供する。
【解決手段】燃料が供給される燃料極23と酸化剤が供給される酸化剤極22と前記燃料極及び前記酸化剤極に挟持された固体高分子電解質膜21を備え、所定の圧力の燃料が供給される発電部2と、前記発電部に、前記燃料極の前記電解質膜が配置された面に対向するように設けられ燃料が供給される燃料供給空間を有する燃料極部26と、前記燃料極部に対して前記燃料の供給を制御する燃料制御部5とを有し、前記燃料制御部は、前記燃料と前記酸化剤の反応により前記燃料極内に蓄積する不純物に関する物理量に基づいて前記燃料の供給を停止する停止制御と、前記不純物に関する物理量に基づいて前記燃料極部に対して前記燃料を供給する供給制御とを行い、前記不純物の少なくとも一部は、前記供給制御による前記燃料の圧力で前記燃料極から除去される。
【選択図】図2

Description

本発明は発電部及び燃料貯蔵源を備えた燃料電池に関する。
現在燃料電池には多数の方式が存在するが、電子機器に用いられる燃料電池は、そのシステムの小型化・簡素化が容易である事から固体高分子形燃料電池の適用が有望である。固体高分子形燃料電池は、燃料極と酸化剤極と両極に挟持された固体高分子電解質膜とから成る単電池によって構成され、燃料極側にメタノールや水素等の燃料を供給し、酸化剤極側に酸化剤気体、例えば酸素や空気を供給し、これらの電気化学反応により電力を発生する。その中でも燃料極に水素を供給する直接水素型燃料電池は発電電圧が高く注目されている。なお直接水素型燃料電池は燃料極内の水素を循環させるフロー系と水素の循環を行わないデッドエンド系に大別されるが、特にノートパソコンや携帯電話等のモバイル機器においては補機等の構成要素が少ないデッドエンド系の方が高エネルギー密度化が容易である為適している。
ところで燃料電池の発電反応の過程で酸化剤極において水が生成する。酸化剤極で生成した水の多くは空気中に蒸発するが、温度や湿度等の運転環境によって固体高分子電解質膜を通して燃料極に水が移動し、逆拡散水として燃料極に移動する。フロー系の燃料電池では逆拡散水は燃料の移動に伴い燃料極から移動するが、デッドエンド系の燃料電池では燃料の移動速度が遅いために逆拡散水は燃料極から移動せずに蓄積される場合がある。逆拡散水は微量であれば燃料電池の発電反応に影響はないが、継続した発電を行った場合には燃料極の触媒層表面を覆ってしまい拡散過電圧の増大を引き起こして発電性能の著しい低下を招く事がある。
上記課題に対し、燃料極に対して一時的に通常運転よりも高圧力の水素を供給する事によって燃料極に存在する水を除去する方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1に係る燃料電池は発電部と、燃料供給源から供給される燃料を発電部に流通させる燃料流路と、燃料流路内の燃料圧力を通常運転圧力よりも高圧力に制御する圧力制御機構と、圧力制御機構の高圧力制御によって作動し燃料流路内の不純物を燃料電池外に排出する不純物排出機構を備えている。特許文献1に係る燃料電池では燃料電池の状態をモニタリングしており、発電開始から所定の時間が経過した場合、あるいは燃料電池の電圧が所定の値を下回った場合、あるいは燃料電池内の不純物濃度が所定値を上回る場合、あるいは燃料電池内の燃料濃度が所定値を下回った場合等のタイミングで燃料流路の圧力を上昇させる。また圧力制御機構の動作に伴い、燃料電池内の不純物を外部へと放出させるべく圧力が所定値以上になった時にのみ開弁する不純物排出機構が備えられている。上記動作によれば燃料流路内の不純物を発電部から除去する事が可能である。
しかしながら上述の特許文献1に係る燃料電池では、燃料供給源に貯蔵されている燃料残量が低下し所定圧と同等の圧力となった場合には、不純物排出機構は開弁せずパージを適切に行う事が出来ない。また燃料供給源として、水素化合物と水等の複数種類の燃料前駆体を反応させて燃料を発生して発電部に供給する燃料発生器を用いる場合がある。燃料発生器では燃料消費流量を上回る流量で燃料を発生し、この反応を間隔を置いて繰り返し行う事で比較的低圧力で燃料を発電部に対して供給する事が可能である。このような構成の燃料供給源では各燃料前駆体の濃度差によって燃料の発生流量が変化する。その為燃料前駆体の反応が進行するにつれて各燃料前駆体の濃度差が変化する事によって燃料の発生流量が低下する。燃料の発生速度が燃料の消費流量と同等の流量となった場合には圧力が低下し、不純物排出機構が開弁せずパージを適切に行う事が出来ない。
特開2008−41647号公報
そこで、本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、燃料残量の供給圧力が低下した場合でも適切に燃料極の不純物を除去できる燃料電池を提供する事を目的とする。
上記課題を解決するための本発明の燃料電池の第1の特徴は、燃料が供給される燃料極と酸化剤が供給される酸化剤極と前記燃料極及び前記酸化剤極に挟持された固体高分子電解質膜を備え、所定の圧力の燃料が供給される発電部と、前記発電部に、前記燃料極の前記電解質膜が配置された面に対向するように設けられ燃料が供給される燃料供給空間を有する燃料極部と、前記燃料極部に対して前記燃料の供給を制御する燃料制御部とを有し、前記燃料制御部は、前記燃料と前記酸化剤の反応により前記燃料極に蓄積する不純物に関する物理量に基づいて前記燃料の供給を停止する停止制御と、前記不純物に関する物理量に基づいて前記燃料極部に対して前記燃料を供給する供給制御とを行い、前記不純物の少なくとも一部は、前記供給制御による前記燃料の圧力で前記燃料極の不純物を前記燃料極から除去されるものであることを要旨とする。
かかる特徴によれば、酸化剤極側から不純物質が固体高分子電解質膜を通して燃料極側へと侵入し燃料極を覆ってしまった不純物を、圧力差によって供給速度が増した燃料によって除去し一部に集約する事が出来る。
また本発明の燃料電池の第2の特徴は、第1の特徴の燃料電池において、前記燃料制御部は、前記燃料を前記燃料極部に供給する開状態と、前記燃料を前記燃料極部に供給しない閉状態とのどちらかを維持する燃料弁を制御することを要旨とする。
かかる特徴によれば、燃料制御部は開閉状態を有する燃料弁を制御する事で、供給制御と停止制御をより確実に実現する事が出来る。
また本発明の燃料電池の第3の特徴は、第1または第2の特徴の燃料電池において、前記燃料極部は、前記燃料極部の内部の不純物を排出する排出部と連結することを要旨とする。
かかる特徴によれば、燃料極に溜まった不純物は圧力差によって供給速度が増した燃料によって排出部へと移動するため、燃料極部内の不純物をより確実に除去する事が出来る。
また本発明の燃料電池の第4の特徴は、第3の特徴の燃料電池において、前記燃料極部と前記排出部は着脱可能であり、前記燃料極部と前記排出部との間には、前記燃料極部内部の不純物を前記排出部に排出する開状態と前記燃料極部の内部の不純物を前記排出部に排出しない閉状態とのどちらかを維持する排出弁を備え、前記排出弁は少なくとも前記燃料極部に備えられている事を要旨とする。
かかる特徴によれば、排出部内に移動した不純物は排出部を交換する事により燃料電池装置の外部へと除去することが出来、連続運転時における不純物の除去回数を大幅に増やす事が出来る。
また本発明の燃料電池の第5の特徴は、第1から第4の特徴のいずれかの燃料電池において、前記燃料極部は、前記燃料が前記燃料極の面方向に対して垂直方向に供給される燃料流路を備えることを要旨とする。
かかる特徴によれば、燃料は燃料流路を通る事によって燃料極近傍まで速い供給速度を維持したまま供給できるので、より確実に不純物の除去を行う事が出来る。
また本発明の燃料電池の第6の特徴は、第5の特徴の燃料電池において、前記燃料流路は、前記燃料が前記燃料極の面方向に拡散する拡散部を備えることを要旨とする。
かかる特徴によれば、燃料流路から供給された燃料は拡散部により燃料極に沿って広範囲に渡って供給されるので、不純物の除去をより広範囲に行う事が出来る。
また本発明の燃料電池の第7の特徴は、第3または第4の特徴の燃料電池において、前記燃料供給空間は、前記燃料極に対して設けられた溝であることを要旨とする。
かかる特徴によれば、燃料供給空間は溝状に形成されているので、燃料供給空間に不純物が溜まった場合に、より確実に不純物を排出部へ移動する事が出来る。
また本発明の燃料電池の第8の特徴は、第1から第7のいずれかの特徴の燃料電池において、前記不純物に関する物理量は、前記燃料極部の圧力値であることを要旨とする。
かかる特徴によれば、燃料極部内の圧力値を読み取って停止制御と供給制御を切り替えるので、燃料不足による拡散過電圧の極度の増大を防ぐことが出来る。
また本発明の燃料電池の第9の特徴は、第1から第7のいずれかの特徴の燃料電池において、前記不純物に関する物理量は、前記発電部の電圧値であることを要旨とする。
かかる特徴によれば、燃料電池の電圧を読み取って停止制御と供給制御を切り替えるので、燃料電池に対して過度な負荷を燃料電池に与える事なく、安全に燃料極の水の除去が出来る。
また本発明の燃料電池の第10の特徴は、第1から第7のいずれかの特徴の燃料電池において、前記不純物に関する物理量は、前記発電部の電流値であることを要旨。
かかる特徴によれば、燃料電池の電流を読み取って停止制御と供給制御を切り替えるので、燃料電池に対して過度な負荷を燃料電池に与える事なく、安全に燃料極の水の除去が出来る。
また本発明の燃料電池の第11の特徴は、第1から第7のいずれかの特徴の燃料電池において、前記不純物に関する物理量は、前記燃料電池が発電を開始してからの時間か、停止制御に移行してからの時間のどちらかである事を要旨とする。
かかる特徴によれば、燃料電池が発電を開始してからの時間を読み取って定期的に停止制御と供給制御を切り替えるので、不純物の除去をより確実に行う事が出来る。
また本発明の燃料電池の第12の特徴は、第1から第11のいずれかの特徴の燃料電池において、前記燃料制御部の燃料の流れの上流側には、通常運転で使用されるよりも高い圧力に耐えうる高圧部を備え、前記高圧部に対して強制的に前記燃料を移動させる燃料移動手段を備える事を要旨とする。
かかる特徴によれば、燃料極部の内部との圧力と供給される圧力の差が大きくなるので、より速い供給速度で燃料を供給する事によって不純物を確実に除去できる。
また本発明の燃料電池の第13の特徴は、第1から第12のいずれかの特徴の燃料電池において、前記燃料を貯蔵する貯蔵部を備える事を要旨とする。
かかる特徴によれば、燃料電池の内部に貯蔵部を備える可搬型の燃料電池においても、燃料極から不純物を除去することが出来る。
また本発明の燃料電池の第14の特徴は、第13の特徴の燃料電池において、前記貯蔵部と前記排出部とは、前記発電部から着脱可能なカートリッジ構造である事を要旨とする。
かかる特徴によれば、可搬型の燃料電池において、カートリッジの交換により連続して発電を行えるので、長時間の発電が可能である。
本発明によれば、燃料残量の供給圧力が低下した場合でも適切に燃料極の不純物を除去できる燃料電池を提供する事が可能である。
本発明に係る燃料電池装置の全体の概略構成図である。 本発明の実施の形態1における燃料電池装置の概略図である。 固体高分子電解質膜と酸化剤極及び燃料極の部分拡大図である。 本発明の実施の形態1における燃料電池の電圧と燃料圧力の遷移図である。 本発明の実施の形態2における燃料電池装置の概略図である。 本発明の実施の形態3における燃料極部の拡大断面図である。 本発明の実施の形態3の変更例における燃料極部の部分拡大図である。 本発明の実施の形態4における燃料極部の分解斜視図である。 本発明の実施の形態5における燃料電池装置の概略図である。 本発明の実施の形態5における燃料電池の電圧と燃料圧力の遷移図である。
(実施の形態1)
図1から図4に基づいて本発明の実施の形態1における燃料電池1の実施例を説明する。
図1には本発明の一実施例に係る燃料電池装置の全体の概略構成図、図2には燃料電池の概略図、図3は固体高分子電解質膜21と酸化剤極22及び燃料極23の部分拡大図、図4は本実施例の燃料電池1を動作したときの発電部2の発電電圧と燃料極部26の燃料供給空間25の圧力の遷移図を示してある。
図1において、燃料電池1は、発電部2と、燃料制御部5と、燃料源4から構成される。図2に示すように発電部2は固体高分子電解質膜21の一方の面に酸化剤が供給される酸化剤極22を有し、他方の面に燃料3が供給される燃料極23を有する。ここで酸化剤としては通常大気中の酸素が用いられる事が多いが、窒素などの不純物を排除するために、酸素ボンベなどによって純酸素を供給しても良い。燃料極23に与えられる燃料3としては水素が挙げられる。本実施例では燃料3を貯蔵する手段として燃料源4を有しているが、本発明は燃料3は燃料ガス製造施設に接続された固定配管から供給される構成においても適用される。また燃料源4を取り外し可能なカートリッジの構成にする事で、燃料源4の中に貯蔵される燃料3の残量がなくなったときに、新たな燃料源4を発電部2と接続する事で発電部2の長時間の駆動が可能になる。ここでカートリッジ構造の燃料源4の例としては水素を高圧で貯蔵した高圧水素タンクや、水素吸蔵合金、または内部で燃料を発生させる水素発生装置等が挙げられる。
また発電部2には、供給された燃料3が発電部2の外部へ漏洩することを防ぐ為に、燃料極23は外壁24によって燃料供給空間25を有する燃料極部26があり、燃料供給空間25は燃料極23の固体高分子電解質膜21が配置された面に対向するように設けられている。また燃料3は燃料源4から燃料制御部5を通して供給される。
燃料制御部5は燃料3の燃料供給空間25への移動を制御する燃料弁を有しており、燃料弁を開状態にして燃料3が燃料供給空間25へ移動する事が出来る供給制御と、燃料弁を閉状態にして燃料供給空間25への燃料3の移動を遮断する停止制御の少なくとも二つの制御状態を行う事が可能である。燃料制御部5における燃料弁の具体的な例としては燃料電池の使用者の操作によって開閉の切替を行う手動弁が考えられるが、発電部2で発電した電力を用いて弁体の制御を行う電磁弁を用いる事も出来る。
また発電部2と燃料源4との距離が離れている場合には燃料制御部5から発電部2や燃料源4を配管やチューブ等の供給路51で接続しても良い。
酸化剤極22と燃料極23との詳細な構成と発電部2の発電動作を図3を用いて説明する。固体高分子電解質膜21は白金、ルテニウム、コバルトに代表される触媒が担持されたカーボン粒子が全面に塗布された層である触媒層をその表面に有している。触媒層は酸化剤極22側の触媒層221と燃料極23側の触媒層231というように両面に配置されている。更に両面の触媒層221・231の表面には導電性と通気性を両立する酸化剤極22側と燃料極23側の両面にガス拡散層222・232を有している事が好ましい。ガス拡散層222・232は燃料を透過するために多孔質となっており、また導電性を得るべく金属やカーボン等の導電体によって形成される。
燃料供給空間25に与えられた燃料3はガス拡散層232中の空孔を通して燃料極23側の触媒層231へと到達し、触媒上で以下に示す反応が生じプロトンと電子へと変わる。
H 2 →2H ++2e - (式1)
触媒上で発生したプロトンは固体高分子電解質膜21中を移動して酸化剤極22側の触媒層221へと運搬される。また電子は触媒層よりも導電性の高いガス拡散層232中を移動して図示していない外部回路へと移動する。外部回路の先には燃料電池1で発電した電力により駆動する電子機器が接続されており、さらに電子機器の先には酸化剤極22側のガス拡散層222と接続される。
一方酸化剤極22側では空気中の酸素がガス拡散層222中の空孔を通して酸化剤極22側の触媒層221へと到達する。酸化剤極22側の触媒層221では固体高分子電解質膜21を通して運搬されたプロトンと酸素と外部回路を通して移動してきた電子と以下の反応を起こし水を生成する。
(1/2)O2 +2H++2e -→H2 O (式2)
このような電気化学反応を経て燃料電池1は電力を発生し電子機器を駆動する事ができる。なお触媒の例を上に挙げたが、発電部2の発電反応においてプロトンを生成できるものであれば触媒の種類はこれには限らない。またガス拡散層222・232は触媒層221・231と比較すると電気抵抗は低いが、金属やカーボンに比べると電気抵抗は高い為に、固体高分子電解質膜21の面積が広い場合には外部回路へと移動する間に抵抗成分が加わり電圧が低下してしまう。このような電圧低下を改善する為に、ガス拡散層222・232の触媒層221・231と接する面と反対側の面に接するようにガス拡散層222・232よりも導電性の高いカーボン樹脂や金属で形成された電極板を設けても良い。
ここで酸化剤極22で発生した水の多くは酸化剤極22に面する空気中に蒸発するが、一部は固体高分子電解質膜21を通して燃料極23へと透過する。燃料極23へと移動した水は燃料供給空間25へと蒸発するが、燃料供給空間25は閉鎖空間である為に蒸気圧が運転状態の温度における飽和水蒸気圧に達すると水は液滴として燃料極部26に溜まり始める。また酸化剤極22が大気に面している場合には、空気中の気体が固体高分子電解質膜21を通して燃料供給空間25へと透過してくる。透過してくる気体の主成分のうち酸素は燃料極上でプロトン反応して水になるが、窒素は燃料供給空間25の内部に留まり続ける。本明細書においては上記水や窒素などを不純物としている。
燃料電池の発電における抵抗成分は、触媒上での反応に係る活性過電圧、構成部材の電気抵抗による抵抗過電圧、燃料の供給阻害による拡散過電圧の三種に大きく分けられる。拡散過電圧は不純物が燃料極23の表面を覆う事によって燃料極23に対して燃料の供給が阻害されたり、燃料不足で燃料が燃料極23に対する供給量が低下した場合等に上昇する。
以降、図4を用いて本発明の燃料電池1の動作について説明を行う。通常、燃料制御部5は開弁している供給制御状態であり、その状態で発電部2を発電させると上述のように燃料極部26に不純物である水が溜まり、溜まった水は燃料極23上を覆ってしまい触媒層231に対する燃料3の供給を阻害して、図4に示すように発電部2の電圧が徐々に低下してくる(区間a)。そこで水が燃料極部26に所定量以上溜まったところで燃料制御部5は閉弁する停止制御へと移行する(t1)。燃料制御部5が停止制御状態だと燃料3が燃料供給空間25へ供給されないために燃料供給空間25の燃料3の分圧は徐々に低下し、燃料供給空間25に存在する気体の圧力である、燃料供給空間内圧も低下する。燃料3の分圧の低下は拡散過電圧の増大を引き起こす為、燃料3の分圧の低下を反映した燃料供給空間内圧の低下に伴って発電部2の発電電圧が低下する(区間b)。停止制御での発電を続け、燃料供給空間25の燃料3の燃料供給空間内圧が予め決められた所定圧まで低下した時に、燃料制御部5は供給制御へと移行する(t2)。停止制御での発電によって燃料供給空間25の燃料3は消費されている為に、燃料供給空間25の内圧である、燃料供給空間内圧は燃料源3から供給されている燃料3の圧力と比べて低くなっている。上記の圧力差が生じているために、供給制御の際は燃料3は勢い良く燃料供給空間25に対して噴きつけるように供給され、燃料極23を覆っている水は飛ばされて燃料供給空間25の一部に集められる。本実施例においてはこれを復帰動作と呼ぶ。水が燃料極23から除去される事で、拡散過電圧が低減するため、発電部2の電圧は再び高い値に回復し、その後は通常運転である供給制御状態での発電を続ける。そして再び水によって触媒層231への燃料3の供給が阻害された時には復帰動作を行う事によって発電性能の回復を行う。また、不純物が窒素である場合も、同じ復帰動作によって、発電性能の回復を行うことが可能である。
ここで供給制御から停止制御の移行動作は燃料電池1の使用者が使用アプリケーションの動作状況を見て手動弁を操作する方法が考えられるが、以下に示すようにその他の制御パターンも適用する事が可能である。
《制御パターン1》
燃料制御部5は、酸化剤極22と燃料極23との間の電圧を検出する手段を備えており、発電部2の電圧が予め定められた所定値以下となったときに燃料制御部5を供給制御から停止制御へと移行する。発電部2の動作電圧は使用機器の要求する電力の大きさによって変化するが、通常運転時には0.7V付近の電圧値で動作させる事が望ましい。そして通常運転を持続して行い、不純物が燃料極23を覆う事による拡散過電圧の増大により電圧値が所定値まで低下したときには、燃料制御部5はその電圧情報を受けて燃料極部26に不純物が溜まったと判定し、供給制御から停止制御へと移行する。また本発明において供給制御から停止制御に移行する電圧値の所定値とは0V以上であればいかなる値に設定しても良いが、固体高分子電解質膜21の保護の観点から0.5Vから0.6Vの間で設定する事が好ましい。
《制御パターン2》
燃料制御部5は、発電部2の発電状態の電流値を検出する手段を備えており、発電部2の電流が予め定められた所定値以上となったときに燃料制御部5を供給制御から停止制御へと移行する。発電部2の通常発電時の電流は固体高分子電解質膜21と酸化剤極22と燃料極23によって決定される発電有効面積の大きさによるため、一概にその大きさを述べる事はできないが、制御パターン1に示すように通常運転時に0.7V付近の電圧値に対応する電流値である事が望ましい。通常運転を持続して行い、不純物が燃料極23を覆う事による拡散過電圧の増大によって電圧値が低下する。電力は電圧と電流の積で与えられる事から、使用機器の要求電力が一定であるとした場合に上述の電圧低下が生じた時にはそれに伴って電流値が増大する。燃料制御部5はその電流情報を受けて燃料極23の表面を不純物が覆ったことを判定し供給制御から停止制御へと移行する。
《制御パターン3》
燃料制御部5は、発電部2の発電時間を検出する手段を備えており、発電部2の発電時間が予め定められた所定時間を経過した時に燃料制御部5を供給制御から停止制御へと移行する。発電を行う環境温度及び湿度によって変化するが、使用する電子機器での要求電力が一定である場合、時間の経過と共にどれだけの不純物が燃料極23の表面を覆ってしまったかを予測する事ができる。その為予め燃料極部26に不純物が溜まり復帰動作が必要になる時間を設定しておき、その燃料制御部5において発電部2の発電時間情報を受けて燃料極部23の表面を不純物が覆ったことを判定し供給制御から停止制御へと移行する。
供給制御から停止制御への移行を行うには以上のような制御パターンを適用する事ができる。しかしながら燃料極部26に溜まった不純物量を検出できる手段であればこれに限らない。また上記の制御パターンにおいては発電部2の発電状況に応じて燃料制御部5が動作をする為、燃料制御部5には電磁弁が適用される。
また停止制御から供給制御への移行は燃料極部26の燃料3が不足した場合、若しくは燃料極部26の圧力と燃料源4から供給される燃料3の圧力差が十分である場合に行われる事が望ましい。そこで停止制御から供給制御への移行は以下に示すような制御パターンで行われる。
《制御パターン4》
燃料制御部5は、酸化剤極22と燃料極23間の電圧を検出する手段を備えており、燃料制御部5を停止制御中に発電部2の電圧が予め定められた所定値以下となったときに供給制御へと移行する。停止制御中においては燃料源4からの燃料3の供給がない状態で燃料極部26の燃料3を消費している。その為燃料3の不足により抵抗過電圧が徐々に上昇するのに伴って発電部2の動作電圧は低下する。そして電圧が予め設定された電圧値よりも小さくなった時に停止制御から供給制御へと移行する。
《制御パターン5》
燃料制御部5は酸化剤極22と燃料極23間の電流を検出する手段を備えており、燃料制御部5を停止制御中に発電部2の電流が予め定められた所定値以上となったときに供給制御へと移行する。前述のように使用機器の要求電力が一定であるとした場合には上述の電圧低下が生じた時にはそれに伴って電流値が増大する為、電流情報を読み取って停止制御から供給制御への移行を行う事が出来る。
《制御パターン6》
燃料制御部5は停止制御に移行してからの経過時間を検出する手段を備えており、停止制御を開始してからの発電部2の発電時間が予め定められた所定時間を経過した時に燃料制御部5を供給制御から停止制御へと移行する。使用機器の要求電力によって燃料極部26の燃料3の消費速度が算出できる。燃料制御部5は燃料3の消費速度と停止制御に移行してからの経過時間から燃料極部26の圧力を算出し、供給される燃料3との圧力差が不純物を飛ばすのに十分であると判断すると停止制御から供給制御へと移行する。また不純物を除去するのに十分な圧力は、燃料供給空間25の流路形状等により変化するが、20kPa以上の圧力差があれば復帰動作が行える事が多い。もちろん圧力差が20kPa以下であっても、復帰動作が行える圧力差であればその圧力差になる時間が経過したら供給制御へと移行しても良い。
《制御パターン7》
燃料制御部5は燃料極部26の燃料3の圧力を検出する手段を備えており、停止制御を開始してから燃料極部26の燃料3の圧力が所定値以下になったときに燃料制御部5を供給制御から停止制御へと移行する。所定値とは燃料極部26内の燃料3の圧力と、燃料極部26に対して供給される燃料3との圧力差が不純物を飛ばすのに十分であるときの圧力である。不純物を除去するのに十分な圧力は、燃料供給空間の流路形状等により変化するが、20kPa以上の圧力差があれば復帰動作が行える事が多い。もちろん圧力差が20kPa以下であっても、復帰動作が行える圧力差であればその圧力差になった時に供給制御へと移行しても良い。
燃料3の停止制御から供給制御への移行には上記のような制御パターンが考えられる。また供給制御から停止制御への移行と、停止制御から供給制御への移行は異なるトリガーにより行なわれても良い。即ち供給制御から停止制御への移行は電圧の検出を利用した制御パターン1によって行い、停止制御から供給制御への移行は圧力の検出を利用した制御パターン7によって行われても良い。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2における発電部2の概略図を図5に示す。なお、本実施の形態1と同一の部分については同一の符号を付し、同様な構成、動作については説明を省略する。以下図5を用いて本実施の形態2について説明する。
図5に示すように本発明の実施の形態2における燃料電池1は実施の形態1における燃料電池1に加え、燃料極部26と接続される排出部6と、燃料極部26と排出部6の間に排出弁61を備えている。
排出部6は燃料極部26の燃料供給空間25と接続されており、燃料供給空間25に溜まった不純物は排出部6へと移動する事が出来る。この構成における発電部2では、燃料極部26の内部容積が排出部6によって拡張される為、燃料制御部5を停止制御から供給制御に移行した際に、燃料極部26の燃料3の内圧が燃料源4の圧力と同等に上昇するまでにより多くの燃料3を供給する必要がある。その為、燃料供給空間25に対する燃料3の噴きつける供給をより長時間持続する事が出来る。また実施の形態1においては、復帰動作を行った場合、不純物は燃料供給空間25に留まる為、複数回復帰動作を行い燃料供給空間25に溜まった不純物の量が増えたとしても不純物の行き場がないが、本実施の形態2においては、排出部6が燃料供給空間25とは別の箇所に備えられており不純物は排出部6へと移動するためにより多くの復帰動作を行う事が出来る。
また、排出部6への不純物の移動をより確実に行う為には、排出部6は燃料供給空間25の燃料制御部5と離れた箇所、即ち水素流の下流側に備えられている事が望ましい。また発電部2と排出部6との距離がある場合、両構成を配管やチューブ等の排出路62で接続しても良い。
また、排出部6は取り外しできる構成であるとなお良い。このような構成においては排出部6の内部に不純物がいっぱいに溜まってしまった場合には、排出部6を発電部2から取り外し、排出部6の内部に溜まった不純物を廃棄した後に再び発電部2に取り付ける事で、繰り返し復帰動作が行えるようになる。その場合、排出部6と燃料供給空間25との間に排出弁61が発電部2側に備えられている事が好ましい。排出弁61は図5に示すように排出路62上にあってもよいし、発電部2に備えられていても良い。排出弁61は燃料極部26の内部不純物を排出部6に排出する開状態と、燃料極部26の内部の不純物を排出部6に排出しない閉状態のいずれか一方の状態をとる弁体である。復帰動作時を含む通常運転時には排出弁61は開状態であり、排出部6を取り外した際に排出弁61を閉状態にする事で燃料供給空間25と排出部6の接続流路からの燃料3の漏洩を防ぐ事が可能となる。
本実施の形態によれば復帰動作によって燃料極部26の内部の不純物をより確実に除去できる事に加え、復帰動作をより多くの回数行う事が可能である。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3における発電部2の燃料極部26の拡大断面図を図6に示す。なお、本実施の形態1または2と同一の部分については同一の符号を付し、同様な構成、動作については説明を省略する。以下図6を用いて本実施の形態3について説明する。
図6に示すように本発明の実施の形態3における発電部2は実施の形態1における発電部2に加え、燃料極部26に燃料流路261を有している。燃料源4から供給された燃料3は燃料極部26の内部に備えられた燃料流路261中を通して燃料極23へと到達する。燃料流路261は燃料極23に対して燃料3を垂直に供給するように備えられている。これにより燃料3は燃料極23に直接噴きつけられる為、燃料極23を覆っている不純物をより確実に飛ばして除去できる。
また本実施の形態3の変更例の発電部2の燃料極部26の拡大断面図を図7に示す。図7に示すように本変更例における発電部2は複数の燃料流路261を備えている。特に燃料極23の面積が広い場合には図6に示すような単一の燃料流路261では触媒層231の全体を覆う不純物は除去する事が難しい。そこで図7に示すように燃料極23の面に対して複数の燃料流路261を備える事により、広い面積を有する触媒層23の全体を覆うように不純物が存在していた場合も、不純物を確実に除去する事が可能である。また複数の燃料流路261の保持と、複数の燃料流路261への燃料3の分配を行う為に、燃料極部26を2層に隔離するように隔壁262を設けることが望ましい。隔壁262を設ける事で燃料3は燃料源4から燃料制御部5を通して、隔壁262によって燃料供給空間25と隔てられた分配空間251に行き渡り、その後複数の燃料流路261から燃料極23に対して供給される。
また一つの燃料流路261の燃料極23を覆う不純物の除去範囲を更に広げる為に拡散部263を設けても良い。拡散部263は燃料流路261の燃料極23と接する箇所から、燃料極23の面方向に沿うように延伸した部材である。拡散部263をさらに備える事によって燃料流路261を通ってきた燃料3は、拡散部263と固体高分子電解質膜21との間の燃料極23の中を通って燃料供給空間25に供給される為、拡散部263が設けられた範囲の燃料極23を覆った不純物を確実に燃料供給空間25の一部へと移動をする事が出来る。
本実施例によれば復帰動作による燃料極23を覆う不純物の除去を、より確実に広い範囲で行う事が出来る。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4における発電部2の燃料極部26の分解斜視図を図8に示す。なお、本実施の形態1から3と同一の部分については同一の符号を付し、同様な構成、動作については説明を省略する。以下図8を用いて本実施の形態4について説明する。
本発明の実施の形態4における発電部2は実施の形態2における発電部2の燃料極部26に加えて、図8に示すように外壁24に対して燃料供給空間25が溝状に設けられている。燃料供給空間25は蛇行して燃料極23の面全体に燃料3が行き渡るように配置される。また燃料供給空間25の溝が切られる基面252は燃料極23と接し、外壁24はSUSに代表される金属やカーボン等の導電性を有する材料で作られる事が望ましい。上記構成であれば燃料極23の面全体から集電をする事ができ電気抵抗が低くなるので、より効率の高い発電を行う事が可能である。
また燃料供給空間25の両端には燃料極部26の外部と接続される貫通孔が設けられる。一方は燃料制御部5から供給された燃料3を燃料供給空間25へと取り入れる為の供給口253であり、もう一方は排出部6へと接続される排出口254である。
本実施例における燃料極部26で発電を持続した時にも燃料供給空間25に不純物が溜まってしまい燃料3の触媒層231への供給が阻害されるが、燃料供給空間25が溝状であり不純物の導通流路が確保されている為に、復帰動作を行う事によって不純物をより確実に排出部6へと移動する事が出来る。
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5における燃料電池1の概略図を図9に、本実施例の燃料電池1を動作したときの発電部2の電圧と燃料3の圧力の遷移図を図10に示している。なお、本実施の形態1から4と同一の部分については同一の符号を付し、同様な構成、動作については説明を省略する。以下図9、10を用いて本実施の形態5について説明する。
図9に示すように燃料源4と燃料制御部5との間に燃料移動手段53を、燃料移動手段53と燃料制御部5の間に高圧部52が設けられている。燃料移動手段53は燃料源4と高圧部53の圧力の大小関係に因らず燃料3を高圧部52へと供給する機構を有しており、そのような燃料移動手段53の具体例としては強制的に燃料3を送気する為にポンプやファン等の送気手段が挙げられる。また燃料移動手段53は復帰動作を開始してから終了するまでの間のいずれかの期間に高圧部52へと燃料3を送気する。復帰動作以外の通常運転時には、燃料移動手段53は発電部2での発電に必要とされる流量の燃料3を供給する方法と、通常運転時には燃料移動手段53は通常の流路となり燃料源4から燃料3を燃料源4の圧力のままで供給する方法を取ることが出来るが、燃料移動手段53を駆動する電力を低減できるという利点から後者の方法を用いる事が望ましい。
高圧部52は復帰動作時には燃料制御部5が閉弁している状態で燃料移動手段53によって燃料3が供給される事により燃料極部26の内部よりも高圧になるので、高圧力でも機械的破壊が生じない事が必要である。
次に図10を用いて本実施例における燃料電池1の動作を説明する。通常、燃料制御部5は開弁している供給制御状態であり、その状態で発電部2を発電させると上述のように燃料極部26に不純物が溜まり、溜まった不純物は燃料極23上を覆ってしまい触媒層231に対する燃料3の供給を阻害して、図4に示すように電圧が徐々に低下してくる(区間a)。そこで不純物が燃料極部26に所定量以上溜まったところで燃料制御部5は閉弁する停止制御へと移行し、燃料移動手段53が燃料3を高圧部52に対して強制的に送気を開始する(t1)。燃料制御部5が停止制御状態だと燃料3が供給されないために燃料供給空間25の燃料3の分圧は徐々に低下する。燃料3の分圧の低下は拡散過電圧の増大を引き起こす為、燃料3の分圧低下に伴って発電部2の発電電圧が低下する。一方高圧部52は燃料移動手段53によって燃料3が供給されるので圧力が上昇する(区間b)。停止制御での発電を続け、燃料供給空間25の燃料3の圧力が予め決められた所定圧力まで低下した時に、燃料制御部5は供給制御へと移行する(t2)。停止制御での発電によって燃料供給空間25内の燃料3は消費されており圧力が低くなっており、また高圧部52は燃料3が強制的に供給されており高圧状態となっている。上記の圧力差が生じているために燃料3は勢い良く燃料供給空間25に対して噴きつけるように供給され、触媒層23を覆っている不純物は飛ばされて燃料供給空間25の一部に集められる。また燃料移動手段53が通常の流路となる制御方法においては、燃料3の燃料源4への逆流を防ぐ事で高圧部52に蓄積された高圧の燃料3を効率的に燃料供給空間25へと供給できる。その為に燃料移動手段53は燃料供給空間25の圧力を検知し、燃料供給空間25の圧力が燃料源4の圧力と同等になった段階で燃料移動手段53による強制的な燃料供給を停止する事が望ましい。その場合燃料供給空間25の圧力の異常な圧力上昇を避ける為に、燃料移動手段53による燃料3の供給量は、発電部2での発電に対する要求燃料3の流量よりも少ない事が望ましい。また燃料移動手段53は弁機能を有し、燃料源4の燃料制御部5が停止制御から供給制御へ移行してから、燃料供給空間25の圧力が燃料源4の圧力と同等になるまで弁機能が閉弁状態となる事でも、高圧部52から燃料源4への燃料3の逆流は防止をする事が出来る。
上記のような構成では復帰動作時の燃料3の燃料供給空間25への供給をより早い供給速度で行える為に、不純物の移動を確実に行う事が出来る。
また図9に示すように排出部6が燃料源4と同一の交換体41に備えられている。このような構成であれば燃料源4がカートリッジ構造になっている場合に、交換体41の内部の燃料3の残量が無くなり新しい交換体41と付け変える事で、不純物が排出部6を満たさないような適切なタイミングで排出部6も新しいものと取り替える事が出来る。
以上、本発明の一例を説明したが、具体例を説明したに過ぎない。特に本発明を限定するものではなく、各部の具体的構成等は適宜変更可能である。また、各実施の形態及び変更例の作用効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、各実施の形態及び変更例に記載されたものに限定されるものではない。また明細書においては説明の便宜上、燃料電池は単一のセルによって構成されているが、本発明は支持体に挟持された発電セルを複数有する構造の燃料電池においても適用可能である。
本発明は、燃料電池及び燃料電池装置の産業分野で利用することができる。
1 燃料電池
2 発電部
3 燃料
4 燃料源
5 燃料制御部
6 排出部
21 固体高分子電解質膜
22 酸化剤極
23 燃料極
24 外壁
25 燃料供給空間
26 燃料極部
41 交換体
51 供給路
52 高圧部
53 燃料移動手段
221 触媒層(酸化剤極)
222 ガス拡散層(酸化剤極)
231 触媒層(燃料極)
232 ガス拡散層(燃料極)
251 分配空間
252 基面
253 供給口
254 排出口
261 燃料流路
262 隔壁

Claims (14)

  1. 燃料が供給される燃料極と酸化剤が供給される酸化剤極と前記燃料極及び前記酸化剤極に挟持された固体高分子電解質膜と、前記燃料極の前記電解質膜が配置された面に対向するように設けられ燃料が供給される燃料供給空間を有する燃料極部とを備え、所定の圧力の燃料が供給される発電部と、
    前記燃料極部に対して前記燃料の供給を制御する燃料制御部とを有し、
    前記燃料制御部は、前記燃料と前記酸化剤の反応により前記燃料極に蓄積する不純物に関する物理量に基づいて前記燃料の供給を停止する停止制御と、前記不純物に関する物理量に基づいて前記燃料極部に対して前記燃料を供給する供給制御とを行い、
    前記不純物の少なくとも一部は、前記供給制御による前記燃料の圧力で前記燃料極の不純物を前記燃料極から除去されるものであることを特徴とする燃料電池。
  2. 前記燃料制御部は、前記燃料を前記燃料極部に供給する開状態と、前記燃料を前記燃料極部に供給しない閉状態とのどちらかを維持する燃料弁を制御することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  3. 前記燃料極部は、前記燃料極部の内部の不純物を排出する排出部と連結することを特徴とする請求項1または2のいずれか一項に記載の燃料電池。
  4. 前記燃料極部と前記排出部は着脱可能であり、前記燃料極部と前記排出部との間には、前記燃料極部内部の不純物を前記排出部に排出する開状態と前記燃料極部の内部の不純物を前記排出部に排出しない閉状態とのどちらかを維持する排出弁を備え、前記排出弁は少なくとも前記燃料極部に備えられている事を特徴とする請求項3に記載の燃料電池。
  5. 前記燃料極部は、前記燃料が前記燃料極の面方向に対して垂直方向に供給される燃料流路を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の燃料電池。
  6. 前記燃料流路は、前記燃料が前記燃料極の面方向に拡散する拡散部を備えることを特徴とする請求項5に記載の燃料電池。
  7. 前記燃料供給空間は、前記燃料極に対して設けられた溝であることを特徴とする請求項3または4に記載の燃料電池。
  8. 前記不純物に関する物理量は、前記燃料極部の圧力値であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の燃料電池。
  9. 前記不純物に関する物理量は、前記発電部の電圧値であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の燃料電池。
  10. 前記不純物に関する物理量は、前記発電部の電流値であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の燃料電池。
  11. 前記不純物に関する物理量は、前記燃料電池が発電を開始してからの時間か、停止制御に移行してからの時間のどちらかである事を特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の燃料電池。
  12. 前記燃料制御部の燃料の流れの上流側には、通常運転で使用されるよりも高い圧力に耐えうる高圧部を備え、
    前記高圧部に対して強制的に前記燃料を移動させる燃料移動手段を備える事を特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の燃料電池。
  13. 前記燃料を貯蔵する貯蔵部を備える事を特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の燃料電池
  14. 前記貯蔵部と前記排出部とは、前記発電部から着脱可能なカートリッジ構造である事を特徴とする請求項13に記載の燃料電池。
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