JP2004259477A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】金属水素錯化合物のアルカリ水溶液からなる燃料を燃料極に用いた燃料電池特に燃料電池スタックでは、酸化剤極で生成されたアルカリ成分が滞留、蓄積しやすく、燃料電池の出力が低下してしまう。
【解決手段】酸化剤極からの排出ガスに含有されるアルカリ成分の濃度を測定し、濃度測定値が設定値を越えたときに燃料電池の状態が悪化する前触れと判断して加湿器による加湿量を増加し、酸化剤である酸素含有ガス中の水分量を増やす。そしてアルカリ成分が水分により除去されると、今度は酸化剤極が結露されるので、燃料電池の出力を測定し出力が低下したときに、例えば酸素含有ガスの供給流量を大きくしかつ加熱器のパワーを大きくして温度を高くし、酸化剤極を乾燥させる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばテトラヒドロホウ酸塩などの金属水素錯化合物のアルカリ水溶液からなる燃料液が供給される燃料電池を用いたシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池において、電解質として導電性の固体高分子膜を用いる高分子電解質型燃料電池(PEFC:Polymer Electrolyte Fuel Cell)が知られている。
【0003】
この種の燃料電池を図3及び図4を参照して説明すると、図3に示すように、高分子電解質型燃料電池の単位セル20は、水素イオンを選択的に通過させる電解質膜21を触媒層である燃料極22、酸化剤極23により挟んで、膜・電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)として構成されており、単位セル20の両側の面には、ガスケット2A、2Bを介して、複数の単位セル20を電気的に直列接続するための導電性材料からなるセパレータ1A、1Bが夫々配置されている。燃料極22、酸化剤極23はガスケット2A、2Bの中央に形成された窓24a、24b内に夫々嵌入される。このセパレータ1A、1Bは、各単位セル20に燃料及び酸化剤を供給または排出する役割を兼ねており、燃料極22側の表面には外部から供給された燃料を燃料極22に供給するための溝状の燃料供給流路25が形成されており、酸化剤極23側の表面には外部から供給された酸化剤を酸化剤極23に供給するための溝状の酸化剤供給流路26が形成されている。なお図3において紙面左端のセパレータ1Aは燃料極22側の面を見せて示してある。
【0004】
そして、図3の手前側のセパレータ1Aの酸化剤供給流路26の左上端から供給された酸化剤は当該酸化剤供給流路26内を流れて右下の孔部26aに到達し、ガスケット2Aの孔26b、電解質膜21の孔26c及びガスケット2Bの孔26dを通ってセパレータ1Bの酸化剤供給流路26の右下端に到達し、酸化剤供給流路26を通って孔部26eに流れる。また燃料はセパレータ1Aの左下の孔部25aから燃料供給流路25内を流れて上端に達し、ここからガスケット2Aの孔25b、電解質膜21の孔25c、ガスケット2Bの孔25d及びセパレータ1Bの孔25eを通って当該セパレータ1Bの裏面側の図では見えない燃料液供給流路25を流れることとなる。
【0005】
以上のように構成された単位セル20は、外部から供給された燃料を燃料極22でイオン化し、燃料極22で生じた電子を外部に接続された回路を通して酸化剤極23に受け渡すことにより発電を行う。燃料極22でイオン化された水素イオンは、電解質膜21を通過して酸化剤極23に到達し酸化剤極23で例えば酸素と反応して水を発生する。
【0006】
そして、図4に示すように、一対のエンドプレート31、32間に膜・電極接合体(MEA)である単位セル20を、ガスケット2A、2B及びセパレータ1A、1Bを介して交互に積層することによって燃料電池スタック30が構成される。このように、複数個の単位セル20を直列に接続することにより、高い出力(電圧)を得ることができる。
【0007】
図4のように構成された燃料電池スタック30においては、例えば燃料にメタノール(CHOH)を用いる場合は、メタノールを燃料電池スタック30の外部に設けた図示しない改質器において水素リッチなガスに改質した後に、この水素リッチなガスを各単位セル20に供給している。
【0008】
一方最近において水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)などの水素化ホウ素錯化合物の液体燃料を、各単位セルの燃料極22に直接供給するように構成した燃料電池が検討されている(例えば特許文献1)。このような燃料電池(ダイレクト型燃料電池)は、改質器を必要としないため、エネルギー変換効率を高めることができ、また装置全体の小型化を図ることができる等の利点を有している。このダイレクト型燃料電池は、燃料を液体で燃料極22に直接供給すること以外は、前記従来の一例の高分子電解質型燃料電池とほぼ同様に構成することができる。
【0009】
例えば、水素化ホウ素錯化合物である水素化ホウ素ナトリウムを燃料とした場合について図5を用いて説明する。燃料極22では、外部から燃料として水素化ホウ素ナトリウムが溶解した水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液が供給されると、下記の式(1)に示すように、水素化ホウ素ナトリウムと水酸化ナトリウムとが触媒作用により反応して、酸化ホウ素ナトリウム(NaBO)、水(HO)、ナトリウムイオン(Na)、電子(e)が生成する。燃料極22で生成したナトリウムイオンは、電解質膜21を通過して酸化剤極23に移動し、電子は外部に接続された図示しない回路を通して酸化剤極23に受け渡される。
【0010】
NaBH+8NaOH→NaBO+6HO+8Na+8e……(1)
そして、酸化剤極23では、下記の式(2)に示すように、外部に接続された回路を通して電子が受け渡され、外部から酸化剤として供給された酸素(O)及び水(HO)と、燃料極22から移動してきたナトリウムイオンとが触媒作用により反応して水酸化ナトリウムを生成する。
【0011】
2O+4HO+8Na+8e→8NaOH……(2)
したがって、燃料電池の全体の反応としては、下記の式(3)に示すように、水素化ホウ素ナトリウムが酸素と反応して、酸化ホウ素ナトリウムと水が生成する反応が生じる。
【0012】
NaBH+2O→NaBO+2HO……(3)
【特許文献1】
特表2000−502832(図1)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで燃料電池スタック30では、単位燃料電池セル20が多数積層されていることによって既述のように酸化剤供給流路26が屈曲し、流路のコンダクタンスが小さくなっている。このため、なるべく均一な流れが形成されるようにつまり流れに淀みができないように例えば酸化剤供給路26を複数の溝に分割するなどの構成を採用しているが、それでも均一な流れを形成することが難しく、この結果、酸素及び水分、例えば水分を含む空気(酸化剤)の流れが悪い箇所が生じる。このように空気の流れの悪い箇所が生じると、水酸化ナトリウムが酸化剤供給流路26内に蓄積、滞留してしまう部分が生じる。一方電極反応を促進するために酸化剤極23には触媒である白金(Pt)40が設けらているが、水酸化ナトリウムの蓄積、滞留が起こると、図6に示すように、この白金粒子表面が水酸化ナトリウムの膜41により覆われ、このため白金粒子の表面において酸化剤である酸素と水との電極反応が阻害され、また水酸化ナトリウムの濃度過電圧が上がることから燃料電池の出力の低下を招く恐れがある。
【0014】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、燃料電池の運転状態を評価することのできる燃料電池システムを提供することにある。本発明の他の目的は、燃料電池の運転状態を監視し、運転状態が悪化したとき或いは悪化しそうになったときにその状態を逸早く復帰させることのできる燃料電池システムを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の燃料電池システムは、金属水素錯化合物のアルカリ水溶液からなる燃料液を燃料極に供給し、且つ酸素含有ガスを酸化剤極に供給する燃料電池と、
前記酸化剤極から排出された排出ガスに含有されるアルカリ成分の濃度を測定する濃度測定手段と、を備えたことを特徴とする燃料電池システムである。
【0016】
アルカリ成分の濃度測定値は例えば燃料電池の運転状態を評価するために用いられる。また本発明は、酸化剤極に供給される酸素含有ガスを加湿する加湿手段が設けられる。この場合濃度測定手段により測定したアルカリ成分の濃度測定値を監視し、濃度測定値が設定値を越えたときに酸素含有ガス中の水分量が多くなるように加湿手段を制御する制御手段を備えた構成とすることができ、更に制御手段は、燃料電池の出力を監視し、出力が設定値以下になったときに酸素含有ガス中の水分量が少なくなるように加湿手段を制御するようにしてもよい。
【0017】
更にまた本発明は、酸素含有ガスの供給流量を調整するための流量調整手段と、前記濃度測定手段により測定したアルカリ成分の濃度測定値を監視し、濃度測定値が設定値を越えたときに酸素含有ガスの流量が多くなるように前記流量調整手段を制御する制御手段を備えた構成としてもよい。また酸化剤極を加熱するための加熱手段を備え、制御手段は、燃料電池の出力を監視し、出力が設定値以下になったときに酸化剤極が昇温するように加熱手段を制御する構成としてもよい。燃料電池に使われる燃料において例えば金属水素錯化合物として水素化ホウ素錯化合物が用いられ、また酸素含有ガスとしては酸素ガス又は空気が用いられる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図1を用いて説明をする。図1は本発明の実施の形態に係る燃料電池システムの概略構成図である。図中5は既述の図3及び図4に示したものと同様の構造のボロハイドライド燃料電池(以下「燃料電池」という)5である。前記燃料電池5は金属水素錯化合物のアルカリ水溶液からなる燃料液を燃料極22(図3参照)に、また酸素含有ガスである酸化剤、例えば空気を含む酸化剤を酸化剤極23(図3参照)に供給するように構成されている。ここで用いられる金属水素錯化合物とは水素化ホウ素錯化合物、例えば水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム(KBH)、または水酸化ホウ素リチウム(LiBH)などである。燃料電池5は、酸化剤供給流路26に空気を導入するための導入ポート(図示せず)及び酸化剤供給流路26から空気を排出するための排出ポート(図示せず)を備えており、この導入ポートを介して給気路51が接続されると共に、排出ポートを介して排気路52が接続されている。
【0019】
給気路51には、上流側から順次酸化剤貯槽61、流量調整手段であるガス供給ポンプ62、加湿手段である加湿器63及び加熱手段である加熱器64が設けられている。この例では加湿器63は水槽63a内にてバブリングをすることによって空気を加湿し、またヒータ63bによって水槽63a内の水を温度調整することで加湿量が調整できるように構成されている。また排気路52には、上流側から順次冷却器71、気液分離装置72及び分離液回収槽73が設けられている。
【0020】
この燃料電池システムには、前記気液分離装置72によって分離された分離液のアルカリ成分濃度を測定するための濃度測定手段であるアルカリ濃度測定器74と例えばコンピュータからなる制御手段8が設けられている。前記制御手段8は前記アルカリ濃度測定器74によって測定された濃度測定値と前記燃料電池5の出力例えば出力電圧あるいは出力電流を監視できるようになっており、アルカリ成分の濃度測定値と出力とを監視することによって、流量コントローラ81を介してガス供給ポンプ62に対し酸化剤供給量の調整を、加湿量コントローラ82を介して加湿器63に対し酸化剤の加湿量の調整(具体的にはヒータ63bのパワー調整)を、更にまた温度コントローラ83を介して加熱器64に対し酸化剤の温度の調整を夫々指令できるようになっている。なお図1では燃料の供給、排出に関する流路は省略してある。
【0021】
次に上述の燃料電池システムの作用について説明する。酸化剤貯槽61には燃料電池5の酸化剤として使われる酸素又は空気が蓄えられおり、この酸化剤貯槽61からガス供給ポンプ62を用いて酸化剤である酸素又は空気が燃料電池5へ供給される。ここで酸化剤を燃料電池5に供給する前に加湿器63を用いて酸化剤に水蒸気を例えば絶対温度で30〜70%程度含ませ、水蒸気を含ませた酸化剤(加湿酸化剤)を次の加熱器64で必要な温度、例えば40〜90℃に加熱する。
【0022】
燃料電池5に供給された酸化剤は反応により生成された生成物と共に混合ガスとして図示しない排出ポートより排出され、排出された排出ガスは冷却器71によって冷却される。前記冷却器71によって冷却された排出ガスは気液分離装置72によって気液分離され、分離された液体は分離液回収槽73に回収される。そしてアルカリ濃度測定器74によって分離液のアルカリ成分の濃度が測定される。このアルカリ濃度測定器74で測定された分離液のアルカリ成分濃度のデータは制御手段8に収集される。前記制御手段8は燃料電池5の出力の測定と分離液のアルカリ成分の濃度測定とによって夫々得られたデータを評価することによって、例えば酸化剤供給流量、加湿量及び酸化剤温度を夫々適切な値に制御する。
【0023】
続いて燃料電池システムの動作を図2のフローチャートを参照しながら説明する。先ずステップS1によって制御手段8はアルカリ成分である水酸化ナトリウム濃度が予め設定された設定値以下であるか否か判断する。予め設定された水酸化ナトリウム濃度の設定値とは、例えば酸化剤極23内での電極反応が阻害されたり、燃料電池5の出力が低下するに至る前の水酸化ナトリウムの濃度とされる。ここで水酸化ナトリウム濃度(測定値)が設定値を越えている場合、ステップS2によって制御手段8から酸化剤へ供給する蒸気水分量を増加させる信号を加湿量コントローラ82へ送り、前記加湿量コントローラ82によって加湿器63の蒸気水分量の増加、この例ではヒータ63bの発熱量の増加が行われる。次いでステップS3では再度水酸化ナトリウム濃度の測定が行われ、この濃度が前記設定値以下であるか否か判断される。水酸化ナトリウム濃度の測定値が設定値以下になるとステップS5で加湿器63の蒸発水分量が元の蒸発水分量に戻されることとなる。水酸化ナトリウム濃度の測定値が依然設定値を越えていれば、ステップS4によってステップS2からの経過時間つまり加湿量の増加動作を行った時点からの経過時間が予め設定された時間を超えているか判断する。所定の時間が経過しても水酸化ナトリウム濃度が下がらない場合には、加湿器63のトラブル等が考えられるのでアラームによって観測者に知らせる(ステップS40)。一方水酸化ナトリウム濃度の測定値が設定値以下になるとステップS5で加湿器63の蒸発水分量が元の蒸発水分量に戻されることとなる。
【0024】
ところで蒸発水分量を既述のように増加させてつまり酸化剤である空気中の水分量を増加させて水酸化ナトリウムを除去するいわば洗浄を行うと、酸化剤極23が結露して燃料電池5の出力例えば出力電圧あるいは出力電流が低下する場合があるので、制御手段8は燃料電池の出力(出力電圧あるいは出力電流)を監視して設定値以下であるか否か判断する(ステップS6)。出力が設定値以下でなければステップS7にて水分量を増加させてから設定時間経過したか否かを判断する。設定時間が経過していれば水分量の増加による出力の低下はなかったのでこのフローチャートを終了する。設定時間が経過していなければステップS6、7が繰り返される。
【0025】
そして出力が設定値以下になっていれば、ステップS8に進み、加熱器64の発熱量を大きくして空気を加熱し、燃料電池5内の酸化剤流路26及び燃料極23を乾燥する。なお通常時においても加熱器64により空気をある程度加熱して燃料電池5内の加熱を防止している。続いてステップS9にて燃料電池5の出力が設定値以下になったか確認するが、直ぐには乾燥しないのでステップS9と、空気を更に加熱したタイミンとが繰り返される。この乾燥によって燃料電池5内の結露が解消されると出力が元に戻り(設定値を越え)、ステップS11に進んで加熱器64による加熱動作を元に戻す。なお出力が所定時間経過しても元に戻らないときは加熱器64のトラブルなどシステムの異常と考えられるので、警報表示あるいは警報音などによるアラームを出力する(S100)。
【0026】
以上の説明では、酸化剤である空気中の水分量を増やすのに加湿器63のパワーを上げているが、これと並行してポンプ62を制御し空気の供給量を増やすようにしてもよいし、空気の供給量を増やすだけの制御であってもよい。また燃料電池5内の乾燥を行うために加熱器64により空気の温度を高くしているが、併せてポンプ62を制御し空気の供給量を増やすようにしてもよいし、空気の供給量を増やすだけの制御であってもよい。
【0027】
上述の実施の形態では、次のような効果がある。燃料電池5、特に燃料電池スタック内では既述のように空気の均一な流れが形成しにくくて水酸化ナトリウムが滞留するおそれがおおきく、そうなると例えば白金触媒が水酸化ナトリウムに被覆されてしまって出力が低下することから、燃料電池5から排出される酸化剤に含まれる水酸化ナトリウムの濃度を検出することにより、酸化剤極23における水酸化ナトリウムの蓄積の程度を把握することができる。そしてその濃度測定値を設定値(しきい値)と比較することにより、例えば水酸化ナトリウムの蓄積による出力の低下の一歩前の状態を検出することができ、そのときに酸化在中の水分量を増加させることによりいわば酸化剤極23を洗浄して水酸化ナトリウムを除去することができる。また洗浄の後、燃料電池5の出力を監視してそれが低下したときには燃料電池5内の結露が激しいと判断して、酸化剤の温度を上げて燃料電池5内を乾燥させるようにしているので、いち早く出力が復帰する。
【0028】
上述のフローチャートでは、加湿器63による加湿量の増加の後、所定の時間が経過する前に水酸化ナトリウム濃度が低下したことを確認して加湿量を元に戻すようにしているが、例えばタイマーを用いて、空気中の水分量を増加させる動作例えば加湿器63による加湿量の増加を一定時間行い、タイムアップした後、空気中の水分量を増加させる動作をもとに戻すようにしてもよい。更にまた加熱器64により空気を更に加熱する制御についても、その更なる加熱をタイマーを用いて一定時間行うおうにしてもよい。なお酸化剤極23を加熱して結露を防止するためには、燃料電池3内に加熱手段を配置してその加熱手段により酸化剤局23などを加熱して乾燥するようにしてもよい。
【0029】
本発明では、水酸化ナトリウムの濃度検出値を用いて加湿制御を行うことに限定されるものではなく、その濃度検出値に基づいて燃料電池の運転状態を評価する(把握する)ことにとどめてもよい。例えば燃料電池の設計例えば触媒の選定作業などにおいて、水酸化ナトリウムの濃度検出値の経時データなどを把握して、燃料電池の評価を行うといったことに使用してもよい。
【0030】
【発明の効果】
本発明の燃料電池システムによれば、酸化剤極から排出された排出ガスに含有されるアルカリ成分の濃度を測定しているので、燃料電池の運転状態を評価することができる。更にまたアルカリ成分の濃度測定値に基づいて酸素含有ガス中の水分量を増やすようにすれば、酸化剤極におけるアルカリ成分を除去できるので、運転状態の悪化を防止でき、あるいは運転状態が悪化しても速やかに復帰できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る燃料電池システムの概略構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る燃料電池システムの動作を説明したフローチャートである。
【図3】燃料電池の単位セルの一例を示す斜視図である。
【図4】燃料電池スタックの一例を示す斜視図である。
【図5】燃料電池の単位セルを模式的に示した説明図である。
【図6】燃料電池の単位セルの酸化剤極内の様子を示した説明図である。
【符号の説明】
1A、1B セパレータ
2A、2B ガスケット
20 単位燃料電池セル
21 電解質膜
22 燃料極
23 酸化剤極
25 燃料供給流路
26 酸化剤供給流路
30 燃料電池スタック
5 ボロハイドライド燃料電池
51 給気路
52 排気路
61 酸化剤貯槽
62 ガス供給ポンプ
63 加湿器
64 加熱器
71 冷却器
72 気液分離装置
73 分離液回収槽
74 アルカリ濃度測定器
8 制御手段

Claims (11)

  1. 金属水素錯化合物のアルカリ水溶液からなる燃料液を燃料極に供給し、且つ酸素含有ガスを酸化剤極に供給する燃料電池と、
    前記酸化剤極から排出された排出ガスに含有されるアルカリ成分の濃度を測定する濃度測定手段と、を備えたことを特徴とする燃料電池システム。
  2. アルカリ成分の濃度測定値は燃料電池の運転状態を評価するために用いられることを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
  3. 酸化剤極に供給される酸素含有ガスを加湿する加湿手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
  4. 濃度測定手段により測定したアルカリ成分の濃度測定値を監視し、濃度測定値が設定値を越えたときに酸素含有ガス中の水分量が多くなるように加湿手段を制御する制御手段を備えたことを特徴とする請求項3記載の燃料電池システム。
  5. 酸素含有ガスの供給流量を調整するための流量調整手段と、
    前記濃度測定手段により測定したアルカリ成分の濃度測定値を監視し、濃度測定値が設定値を越えたときに酸素含有ガスの流量が多くなるように前記流量調整手段を制御する制御手段を備えたことを特徴とする請求項1または3記載の燃料電池システム。
  6. 制御手段は、燃料電池の出力を監視し、出力が設定値以下になったときに酸素含有ガス中の水分量が少なくなるように加湿手段を制御することを特徴とする請求項4記載の燃料電池システム。
  7. 酸化剤極を加熱するための加熱手段を備え、
    制御手段は、燃料電池の出力を監視し、出力が設定値以下になったときに酸化剤極が昇温するように加熱手段を制御することを特徴とする請求項4または5記載の燃料電池システム。
  8. 加熱手段は、酸素含有ガスを加熱するための手段であることを特徴とする請求項7記載の燃料電池システム。
  9. 金属水素錯化合物が水素化ホウ素錯化合物であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の燃料電池システム。
  10. 酸素含有ガスが酸素ガス又は空気であることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の燃料電池システム。
  11. 燃料電池は、高分子電解質膜を燃料極と酸化剤極とで挟んで形成される単位セルをガスケット及びセパレータを介して複数積層させて構成されたものであることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の燃料電池システム。
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