JP2011243444A - 高分子電解質形燃料電池の活性化方法及び高分子電解質形燃料電池の活性化装置 - Google Patents

高分子電解質形燃料電池の活性化方法及び高分子電解質形燃料電池の活性化装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高分子電解質形燃料電池を活性化する場合に、活性化に要する時間を従来例よりも短縮できる、高分子電解質形燃料電池の活性化方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の高分子電解質形燃料電池の活性化方法は、反応ガスの露点が燃料電池スタック200の運転温度以上となるように反応ガスを燃料電池スタック200に供給して、第1の電流密度で燃料電池スタック200を発電させる第1発電工程、前記第1の電流密度より大きい電流密度で燃料電池スタック200を発電させる第2発電工程、及び無負荷で燃料電池スタック200を運転する休止工程の順からなる活性化工程を繰り返す。
【選択図】図1

Description

本発明は、高分子電解質形燃料電池の活性化方法及び高分子電解質形燃料電池の活性化装置に関する。
燃料電池スタックは、一般に、セル(単電池)が複数積層された構造を有しており、各セルは、高分子電解質膜及び一対のガス拡散電極(アノード及びカソード)から構成されるMEA(Membrane−Electrode−Assembly)と、アノードに接触しながら燃料ガスが流れるように形成された燃料ガス流路と、カソードに接触しながら酸化剤ガスが流れるように形成された酸化剤ガス流路とを備えている。
ところで、燃料電池スタック組み立て直後のMEAでは、MEAの製造過程における高温圧着工程や乾燥工程の影響により、高分子電解質膜が乾燥状態にある。このため、組み立て直後の高分子電解質膜は、比抵抗が大きい状態にある。また、MEA製造工程で使用されるイソブチレンアルコール等の不純物により、高分子電解質膜のプロトン導電パスの役割を果たすスルホン酸基が(−SOH)が多少汚染された状態になっているため、その役割を充分発揮できない状態にある。
したがって、電池特性として設計された所定の出力電圧を得るには、高分子電解質膜の含水率を飽和状態にすることによって、高分子電解質膜の比抵抗を小さくし、また、イソブチレンアルコール等の不純物を除去し、充分なプロトン導電パスを形成する、MEAの活性化(「エージング」ともいう)を行なう必要がある。そこで、従来は、燃料電池スタックに反応ガスを加湿して供給し、燃料電池スタックの電池電圧が飽和値を示すまで、一定電流密度で発電させることで、MEAを活性化させていた。
しかしながら、上記従来の方法によるMEA活性化に要する時間は、数日間に及ぶ場合もあり、燃料電池スタック製造のボトルネック工程になっていた。このため、MEA活性化時間を短縮することが燃料電池スタックを量産する際の課題であった。
このような課題に対して、高分子電解質膜中の含水率に着目することにより、活性化時間の短縮を実現する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示されている燃料電池の運転方法では、フラッディングが生じるように発電し、フラッディングで生じた液水によって固体高分子膜の湿潤を速やかに行うことで、活性化時間を短縮している。また、特許文献1に開示されている燃料電池の運転方法では、フラッディングによるセル電圧の反転およびセルの損傷を抑制するために、セル電圧がある警戒電圧になると、ガスの利用率を低下させてセル電圧の反転を予防している。
特許第3879517号
しかしながら、特許文献1に開示されている燃料電池の運転方法は、活性化時間の短縮の観点からは優れているものの、フラッディング抑制のための制御が複雑であること、また、フラッディングが生じた際、MEAにダメージを与えてしまう可能性があることから、改善の余地があった。よって、活性化時間の短縮が可能であり、かつ、MEAへのダメージを抑制し、燃料電池スタックの出力特性が安定している、燃料電池スタックの活性化方法が求められている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、MEAにダメージを与えることを抑制し、活性化時間を従来例よりも短縮することができる、高分子電解質形燃料電池の活性化方法及び高分子電解質形燃料電池の活性化装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、反応ガスの露点が燃料電池スタックの運転温度以上となるように前記反応ガスを燃料電池スタックに供給して、第1の電流密度で前記燃料電池スタックを発電させる第1発電工程、前記第1の電流密度より大きい電流密度で前記燃料電池スタックを発電させる第2発電工程、及び無負荷で前記燃料電池スタックを運転する休止工程を順に行う活性化工程を繰り返す。
これにより、燃料電池スタックには、過加湿された反応ガスによる充分な水蒸気供給がなされ、燃料電池スタックから取り出す電流密度を二段階で上げることにより、フラッディングの抑制と、効率的なプロトン導電パスの形成を両立させ、休止工程において、カソード電極を高電位化することで不純物除去を行うことができる。そして、活性化工程を繰り返すことで、高分子電解質形燃料電池の活性化を従来技術よりも短時間で行うことができる。
また、本発明の高分子電解質形燃料電池の活性化方法では、前記第2の電流密度は、0.3A/cm以上、かつ、0.8A/cm以下であってもよい。
また、本発明の高分子電解質形燃料電池の活性化方法では、前記休止工程は、前記第1発電工程又は前記第2発電工程を行う時間よりも短い時間行われてもよい。
また、本発明の高分子電解質形燃料電池の活性化方法では、前記第1発電工程及び前記第2発電工程の少なくとも一方の発電工程においては、フラッディングが発生しない所定の高酸素利用率で前記燃料電池スタックを発電させてもよい。
これにより、カソード側セパレータに形成された反応ガス流路を通過するガス流体の流速が遅くなり、発電により生じる反応生成水や凝縮水が反応ガス流路内により多く存在させることができ、高分子電解質膜への含水を促進することができる。
さらに、本発明の高分子電解質形燃料電池の活性化方法では、前記第1発電工程及び前記第2発電工程を行う時間は、フラッディングが発生しない所定の時間であってもよい。
これにより、MEAにダメージを与えるのを抑制しながら、効率的に燃料電池スタックの活性化を行うことができる。
また、本発明の高分子電解質形燃料電池の活性化装置は、複数の高分子電解質形燃料電池が積層され、熱媒体により運転温度が制御される燃料電池スタックに反応ガスを加湿しながら供給するように構成された反応ガス供給器と、前記燃料電池スタックに前記熱媒体を供給する熱媒体供給器と、前記燃料電池スタックで発電された電力を取り出す出力制御器と、運転制御器と、を備え、前記運転制御器は、反応ガスの露点が燃料電池スタックの運転温度以上となるように、前記反応ガス供給器及び前記熱媒体供給器を制御し、第1の電流密度で電力を取り出す第1発電工程、前記第1の電流密度より大きい電流密度で電力を取り出す第2発電工程、及び電力を取り出さずに運転する休止工程を順に行う活性化工程を繰り返すように前記出力制御器を制御する。
本発明の高分子電解質形燃料電池の活性化方法及び高分子電解質形燃料電池の活性化装置によれば、MEAにダメージを与えるのを抑制し、かつ、従来例よりも短時間に、高分子電解質膜への含水を行い、高分子電解質形燃料電池の活性化を行うことが可能となる。
図1は、本発明の実施の形態1に係る高分子電解質形燃料電池の活性化装置の概略構成を示す模式図である。 図2は、図1に示す高分子電解質形燃料電池の活性化装置における燃料電池スタックの概略構成を示す模式図である。 図3は、図2に示す燃料電池スタックにおけるセル積層体の概略構成を模式的に示す断面図である。 図4は、本実施の形態1に係る高分子電解質形燃料電池の活性化装置の動作を模式的に示すフローチャートである。 図5は、実施例1の高分子電解質形燃料電池の活性化の運転条件及び高分子電解質形燃料電池の活性化を行った後に電圧判定を行ったときの運転条件を示す。 図6は、実施例2の高分子電解質形燃料電池の活性化の運転条件及び高分子電解質形燃料電池の活性化を行った後に電圧判定を行ったときの運転条件を示す。 図7は、実施例3の高分子電解質形燃料電池の活性化の運転条件及び高分子電解質形燃料電池の活性化を行った後に電圧判定を行ったときの運転条件を示す。 図8は、比較例1の高分子電解質形燃料電池の活性化の運転条件及び高分子電解質形燃料電池の活性化を行った後に電圧判定を行ったときの運転条件を示す。 図9は、比較例2の高分子電解質形燃料電池の活性化の運転条件及び高分子電解質形燃料電池の活性化を行った後に電圧判定を行ったときの運転条件を示す。 図10は、比較例3の高分子電解質形燃料電池の活性化の運転条件及び高分子電解質形燃料電池の活性化を行った後に電圧判定を行ったときの運転条件を示す。 図11は、比較例4の高分子電解質形燃料電池の活性化の運転条件及び高分子電解質形燃料電池の活性化を行った後に電圧判定を行ったときの運転条件を示す。 図12は、実施例1〜3及び比較例1〜4の電圧判定を行った結果を示す模式図である。
以下、本発明の実施の形態の具体例について、図面を参照しながら説明する。
なお、全ての図面を通じて、同一または相当する構成要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、全ての図面において、本発明を説明するために必要となる構成要素のみを抜粋して図示しており、その他の構成要素については図示を省略している。さらに、本発明は以下の実施の形態に限定されない。つまり、以下の具体的な説明は、本発明の高分子電解質形燃料電池の活性化方法及び高分子電解質形燃料電池の活性化装置の特徴を例示しているに過ぎない。よって、本発明の高分子電解質形燃料電池の活性化方法及び高分子電解質形燃料電池の活性化装置を特定した用語と同じ用語に適宜の参照符号を付して以下の具体例を説明する場合、当該具体的な装置は、これに対応する本発明の高分子電解質形燃料電池の活性化方法及び高分子電解質形燃料電池の活性化装置の構成要素の一例である。
(実施の形態1)
[高分子電解質形燃料電池の活性化装置の構成]
図1は、本発明の実施の形態1に係る高分子電解質形燃料電池の活性化装置の概略構成を示す模式図である。
図1に示すように、本発明の実施の形態1に係る高分子電解質形燃料電池の活性化装置100は、燃料ガス供給器101、酸化剤ガス供給器102、熱媒体供給器103、出力制御器104、及び制御器105を備えていて、制御器(運転制御器)105が、燃料ガス及び酸化剤ガスの露点が燃料電池スタック200の運転温度以上となるように、燃料ガス供給器101、酸化剤ガス供給器102、及び熱媒体供給器103を制御し、第1の電流密度で電力を取り出す第1発電工程、第1の電流密度より大きい電流密度で電力を取り出す第2発電工程、及び電力を取り出さずに運転する休止工程の順からなる活性化工程を繰り返すように出力制御器104を制御する。
燃料ガス供給器101は、燃料ガス供給経路111を介して燃料電池スタック200の燃料ガス経路201に接続されていて、燃料ガス経路201に燃料ガスを加湿して供給する。燃料ガス供給器101としては、燃料電池スタック200に燃料ガスを加湿して供給するように構成されていれば、どのような形態であってもよく、例えば、水素ガスを貯蔵したタンクと加湿器から構成されていてもよく、また、メタン等の原料ガスと水から改質反応により水素を生成する水素生成器と加湿器から構成されていてもよい。なお、水素生成器を用いる場合、改質反応により生じた一酸化炭素を低減するための変成触媒(例えば、銅−亜鉛系触媒)を有する変成器や、酸化触媒(例えば、ルテニウム系触媒)や、メタン化触媒(例えば、ルテニウム系触媒)を有する一酸化炭素除去器を備えることが好ましい。また、加湿器としては、例えば、水を気化して水蒸気を発生させて、該水蒸気を供給することで燃料ガスを加湿してもよく、また、例えば、高分子電解質膜等を介して通流する流体から水蒸気が高分子電解質膜を通過して、燃料ガスを加湿してもよい。
酸化剤ガス供給器102は、酸化剤ガス供給経路112を介して燃料電池スタック200の酸化剤ガス経路202に接続されていて、酸化剤ガス経路202に酸化剤ガスを加湿して供給する。酸化剤ガス供給器102としては、燃料電池スタック200に酸化剤ガスを加湿して供給するように構成されていれば、どのような形態であってもよく、例えば、シロッコファンやブロワ等のファン類と加湿器から構成されていてもよい。なお、燃料ガス供給器101及び酸化剤ガス供給器102から、反応ガス供給器が構成される。
熱媒体供給器103は、熱媒体供給経路113を介して燃料電池スタック200の熱媒体経路203に接続されている。熱媒体供給器103としては、燃料電池スタック200に供給する熱媒体の流量を調整し、かつ、その温度を調整することができるように構成されていれば、どのような形態であってもよく、流量調節が可能なポンプと加熱器で構成されていてもよく、また、ポンプと流量調整弁と加熱器から構成されていてもよい。また、熱媒体としては、例えば、水であってもよく、また、不凍液(例:エチレングリーコール含有液)等に例示される他の熱媒体であってもよい。さらに、加熱器としては、例えば、電気ヒーター等のヒーターで構成されていてもよく、熱交換器で構成されていてもよい。
燃料電池スタック200は、アノード電極4Aとカソード電極4B(図3参照)を有していて、燃料ガス経路201を通流する燃料ガスがアノード電極4Aに供給され、酸化剤ガス経路202を通流する酸化剤ガスがカソード電極4Bに供給される。そして、アノード電極4Aに供給された燃料ガスとカソード電極4Bに供給された酸化剤ガスとが電気化学的に反応して、電気と熱が発生する。発生した熱は熱媒体経路203を通流する熱媒体が回収することにより、燃料電池スタック200内が所定の温度に保たれる。なお、燃料電池スタック200の詳細な構成については、後述する。
アノード電極4Aで未使用の燃料ガスは、オフ燃料ガスとして、燃料ガス排出経路114に排出され、カソード電極4Bで未使用の酸化剤ガスは、オフ酸化剤ガスとして酸化剤ガス排出経路115に排出される。また、熱媒体経路203を通流した熱媒体は、オフ熱媒体として、熱媒体排出経路116に排出される。そして、オフ燃料ガス、オフ酸化剤ガス、及びオフ熱媒体は、それぞれ、燃料ガス排出経路114、酸化剤ガス排出経路115、及び熱媒体排出経路116を通流して高分子電解質形燃料電池の活性化装置100外に排出される。なお、燃料ガス排出経路114から排出されるオフ燃料ガスは、酸化剤ガス排出経路115から排出されるオフ酸化剤ガスで燃焼範囲以下になるまで希釈して、高分子電解質形燃料電池の活性化装置100外に排出することが好ましい。また、燃料ガス供給器101が水素生成器を有している場合、オフ燃料ガスを水素生成器の改質触媒を過熱するための燃焼器の燃料として供給する形態を採用してもよい。
出力制御器104は、燃料電池スタック200で発電した電力を任意の電流密度で取り出し、また、無負荷で運転することができるように構成されている。出力制御器104としては、例えば、公知の電子負荷器を用いることができる。なお、「無負荷で運転する」とは、燃料電池スタック200に燃料ガス供給器101、酸化剤ガス供給器102、及び熱媒体供給器103から、燃料ガス、酸化剤ガス、及び熱媒体を供給させているが、燃料電池スタック200から電力を取り出さずに、高分子電解質形燃料電池の活性化装置100を運転することをいう。また、出力制御器104としては、DC/DCコンバータと抵抗器を用いる形態を採用してもよい。
制御器105は、マイコン等のコンピュータによって構成されており、CPU、半導体メモリから構成された内部メモリ、通信部、及びカレンダー機能を有する時計部(いずれも図示せず)を有している。そして、制御器105は、制御器105を構成する各機器を制御する。ここで、本発明において、制御器は、単独の制御器だけでなく、複数の制御器が協働して高分子電解質形燃料電池の活性化装置100の制御を実行する制御器群をも意味する。このため、制御器105は、単独の制御器から構成される必要はなく、複数の制御器が分散配置され、それらが協働して高分子電解質形燃料電池の活性化装置100を制御するように構成されていてもよい。
[燃料電池スタックの構成]
次に、図2を参照しながら本実施の形態1に係る高分子電解質形燃料電池の活性化装置100の燃料電池スタック200について詳細に説明する。
図2は、図1に示す高分子電解質形燃料電池の活性化装置100における燃料電池スタック200の概略構成を示す模式図である。なお、図2においては、燃料電池スタック200における上下方向を図における上下方向として表している。
図2に示すように、燃料電池スタック200は、複数の高分子電解質形燃料電池50がその厚み方向に積層されたセル積層体70と、該セル積層体70の両端に配置された端板61、62と、セル積層体70と端板61、62を高分子電解質形燃料電池50の積層方向において締結する締結具(図示せず)と、を有する。また、端板61とセル積層体70の間には、絶縁板及び集電板(いずれも図示せず)が配置されていて、端板62とセル積層体70との間には、絶縁板及び集電板(いずれも図示せず)が配置されている。
セル積層体70には、高分子電解質形燃料電池50の積層方向に延びるように、燃料ガス供給マニホールド131、酸化剤ガス供給マニホールド133、熱媒体供給マニホールド135、燃料ガス排出マニホールド132、酸化剤ガス排出マニホールド134、及び熱媒体排出マニホールド136が設けられている。なお、燃料ガス供給マニホールド131には、燃料ガス供給経路111が接続されていて、燃料ガス排出マニホールド132には、燃料ガス排出経路114が接続されている(図1参照)。また、酸化剤ガス供給マニホールド133には、酸化剤ガス供給経路112が接続されていて、酸化剤ガス排出マニホールド134には、燃料ガス排出経路114が接続されている(図1参照)。さらに、熱媒体供給マニホールド135には、熱媒体供給経路113が接続されていて、熱媒体排出マニホールド136には、燃料ガス排出経路114が接続されている(図1参照)。
[高分子電解質形燃料電池の構成]
次に、本実施の形態1に係る高分子電解質形燃料電池の活性化装置100における燃料電池スタック200の高分子電解質形燃料電池50について、図3を参照しながら説明する。
図3は、図2に示す燃料電池スタック200におけるセル積層体70の概略構成を模式的に示す断面図である。なお、図3においては、一部を省略している。
図3に示すように、高分子電解質形燃料電池50は、MEA(Membrane−Electrode−Assembly:膜−電極接合体)5と、ガスケット7と、アノードセパレータ6Aと、カソードセパレータ6Bと、を備えている。
MEA5は、水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質膜1と、アノード電極4Aと、カソード電極4Bと、を有している。高分子電解質膜1は、略4角形(ここでは、矩形)の形状を有しており、高分子電解質膜1の両面には、その周縁部より内方に位置するようにアノード電極4Aとカソード電極4Bがそれぞれ設けられている。なお、高分子電解質膜1の周縁部には、燃料ガス供給マニホールド孔(図示せず)等の各マニホールド孔が厚み方向に貫通するように設けられている。
アノード電極4Aは、高分子電解質膜1の一方の主面上に設けられ、白金系金属触媒(電極触媒)を担持したカーボン粉末(導電性炭素粒子)からなる触媒担持カーボンと触媒担持カーボンに付着した高分子電解質を含むアノード触媒層と、ガス通気性と導電性を兼ね備えたアノードガス拡散層と、を有している。アノード触媒層は、一方の主面が高分子電解質膜1と接触するように配置されていて、アノード触媒層の他方の主面には、アノードガス拡散層が配置されている。同様に、カソード電極4Bは、高分子電解質膜1の他方の主面上に設けられ、白金系金属触媒(電極触媒)を担持したカーボン粉末(導電性炭素粒子)からなる触媒担持カーボンと触媒担持カーボンに付着した高分子電解質を含むカソード触媒層と、カソード触媒層の上に設けられ、ガス通気性と導電性を兼ね備えたカソードガス拡散層と、を有している。カソード触媒層は、一方の主面が高分子電解質膜1と接触するように配置されていて、カソード触媒層の他方の主面には、カソードガス拡散層が配置されている。
また、MEA5のアノード電極4A及びカソード電極4Bの周囲には、高分子電解質膜1を挟んで一対のフッ素ゴム製でドーナツ状のガスケット7が配設されている。これにより、燃料ガスや酸化剤ガスが電池外にリークされることが防止され、また、高分子電解質形燃料電池50内でこれらのガスが互いに混合されることが防止される。なお、ガスケット7の周縁部には、厚み方向の貫通孔からなる燃料ガス供給マニホールド孔(図示せず)等の各マニホールド孔が設けられている。
また、MEA5とガスケット7を挟むように、導電性のアノードセパレータ6Aとカソードセパレータ6Bが配設されている。これにより、MEA5が機械的に固定され、複数の高分子電解質形燃料電池50をその厚み方向に積層したときには、MEA5が電気的に接続される。なお、これらのセパレータ6A、6Bは、熱伝導性及び導電性に優れた金属、黒鉛、又は、黒鉛と樹脂を混合したものを使用することができ、例えば、カーボン粉末とバインダー(溶剤)との混合物を射出成形により作製したものやチタンやステンレス鋼製の板の表面に金メッキを施したものを使用することができる。
アノードセパレータ6Aのアノード電極4Aと接触する一方の主面(以下、内面という)には、燃料ガスが通流するための溝状の燃料ガス流路8が設けられており、また、他方の主面(以下、外面という)には、熱媒体が通流するための溝状の熱媒体流路10が設けられている。同様に、カソードセパレータ6Bのカソード電極4Bと接触する一方の主面(以下、内面という)には、酸化剤ガスが通流するための溝状の酸化剤ガス流路9が設けられており、また、他方の主面(以下、外面という)には、熱媒体が通流するための溝状の熱媒体流路10が設けられている。なお、アノードセパレータ6A及びカソードセパレータ6Bのそれぞれの周縁部には、燃料ガス供給マニホールド孔(図示せず)等の各マニホールド孔が厚み方向に貫通するように設けられている。また、燃料ガス流路8、酸化剤ガス流路9、及び熱媒体流路10の形状は任意であり、例えば、高分子電解質形燃料電池50の厚み方向から見て、サーペンタイン状に形成されていてもよく、ストレート形状に形成されていてもよい。
これにより、アノード電極4A及びカソード電極4Bには、それぞれ燃料ガス及び酸化剤ガスが供給され、これらのガスが反応して電気と熱が発生する。また、水や不凍液(例えば、エチレングリーコール含有液)等の熱媒体を熱媒体流路10に通流させることにより、発生した熱の回収が行われる。
そして、このように形成された高分子電解質形燃料電池50がその厚み方向に積層されることにより、セル積層体70が形成される。このとき、高分子電解質膜1等に設けられた燃料ガス供給マニホールド孔(図示せず)等の各マニホールド孔がつながって、燃料ガス供給マニホールド131等の各マニホールドが形成される(図2参照)。なお、燃料ガス供給マニホールド131、燃料ガス流路8、及び燃料ガス排出マニホールド132から燃料ガス経路201が構成される。また、酸化剤ガス供給マニホールド133、酸化剤ガス流路9、酸化剤ガス排出マニホールド134から酸化剤ガス経路202が構成される。さらに、熱媒体供給マニホールド135、熱媒体流路10、及び熱媒体排出マニホールド136から熱媒体経路203が構成される。
なお、燃料電池スタック200の組み立て作業(製造方法)については、一般的な燃料電池スタック200と同様に行われるため、その詳細な説明は省略する。
[高分子電解質形燃料電池の活性化装置の動作]
次に、本実施の形態1に係る高分子電解質形燃料電池の活性化装置100の動作(高分子電解質形燃料電池の活性化方法)について、図1乃至図4を参照しながら説明する。
図4は、本実施の形態1に係る高分子電解質形燃料電池の活性化装置100の動作を模式的に示すフローチャートである。
図4に示すように、制御器105は、燃料ガス供給器101、酸化剤ガス供給器102、及び熱媒体供給器103を作動させ(ステップS101)、燃料電池スタック200に燃料ガス、酸化剤ガス、及び熱媒体を供給する。そして、制御器105は、燃料電池スタック200内の温度が、所定の温度になると(ステップS102でYes)、ステップS103に進む。なお、燃料電池スタック200の温度が、所定の温度になったか否かの判断は、燃料電池スタック200内に温度検知器を設けて、該温度検知器で検知した温度に基づいて判断してもよく、また、予め実験等で、熱媒体を燃料電池スタック200に供給してから、燃料電池スタック200が所定の温度になる時間を計測し、当該時間に基づいて判断してもよい。また、所定の温度は、任意であり、例えば、50℃〜80℃の間で任意に設定することができる。
ステップS103では、制御器105は、該制御器105の記憶部(図示せず)に記憶されている活性化工程の繰り返し回数を0にリセットする。ついで、制御器105は、燃料電池スタック200から取り出す電力を第1の電流密度となるように出力制御器104を制御する(第1の発電工程)(ステップS105)。ここで、第1の電流密度は、後述する第2の電流密度よりも小さい電流密度であり、特に、燃料電池スタック200を組み立てた直後のMEA5は乾燥しているので、いきなり大きな電流密度で燃料電池スタック200を発電させると、燃料電池スタック200でフラッディングが生じやすいため、電流密度は小さい方が好ましく、0.1A/cm以上、かつ、0.3A/cmより小さいことが好ましい。
そして、制御器105は、ステップS105を開始してから所定の時間T1が経過すると(ステップS105でYes)、ステップS106に進む。なお、所定の時間T1は、燃料電池スタック200の構成(特に、燃料ガス流路8、酸化剤ガス流路9の幅寸法等の構成)、燃料電池スタック200の温度、熱媒体の流量や温度によって異なるが、フラッディングの発生を抑制する観点から、5分以上、かつ、15分以下であることが好ましい。
ステップS106では、制御器105は、燃料電池スタック200から取り出す電力を第2の電流密度となるように出力制御器104を制御する(第2の発電工程)。ここで、第2の電流密度は、高分子電解質膜1内に効率的なプロトン伝導パスを形成する観点から、0.3A/cm以上であることが好ましく、アノード電極4A及びカソード電極4Bの面方向における局所的な発電を抑制する観点から、0.8A/cm以下であることが好ましい。
そして、制御器105は、ステップS106を開始してから所定の時間T2が経過すると(ステップS107でYes)、ステップS108に進む。なお、所定の時間T2は、燃料電池スタック200の構成(特に、燃料ガス流路8、酸化剤ガス流路9の幅寸法等の構成)、燃料電池スタック200の温度、熱媒体の流量や温度によって異なるが、フラッディングの発生を抑制する観点から、5分以上、かつ、15分以下であることが好ましい。
ステップS108では、制御器105は、燃料電池スタック200から電力取り出さないように(電流密度を0にするように)出力制御器104を制御する(休止工程)。これにより、燃料電池スタック200(特に、カソード電極4B)を高電位化することで、燃料電池スタック200内の不純物を除去することができる。なお、ステップS108では、燃料ガス供給器101、酸化剤ガス供給器102、及び熱媒体供給器103からの燃料電池スタック200への燃料ガス、酸化剤ガス、及び熱媒体の供給は継続されている。
そして、制御器105は、ステップS108を開始してから所定の時間T3が経過すると(ステップS109でYes)、ステップS110に進む。なお、所定の時間T3は、燃料電池スタック200の高電位状態が長時間にわたると、触媒が劣化するおそれがあるため、所定の時間T1及びT2よりも短い時間であることが好ましく、30秒以上、かつ、2分以内であることが好ましい。
ステップS111では、制御器105は、繰り返し回数Nを1インクリメントする。ここでは、N=1となる。ついで、制御器105は、繰り返し回数Nが、所定の回数Kであるか否かを判断する(ステップS111)。ここで、所定の回数Kは、予め実験等で、燃料電池スタック200が設計された所定の出力電圧が得られるまでの回数を求めておくことができる。
制御器105は、繰り返し回数Nが所定の回数Kでない場合(ステップS111でNo)には、ステップS104に戻り、繰り返し回数Nが所定の回数Kになるまで、ステップS104〜ステップS111を繰り返す。すなわち、第1の発電工程、第2の発電工程、及び休止工程からなる活性化工程を繰り返す。一方、繰り返し回数Nが所定の回数Kになると(ステップS111でYes)、ステップS112に進む。ステップS112では、制御器105は、燃料ガス供給器101、酸化剤ガス供給器102、及び熱媒体供給器103を停止させ、本プログラムを終了する。
このように、本実施の形態1に係る高分子電解質形燃料電池の活性化装置100では、燃料電池スタック200から取り出す電流密度を二段階で上げることにより、フラッディングの抑制と効率的なプロトン導電パスの形成を両立させることができる。また、休止工程において、カソード電極4Bを高電位化することで不純物を除去することができる。そして、このような活性化工程を繰り返すことで、高分子電解質形燃料電池の活性化を従来技術よりも短時間で行うことができる。
なお、燃料電池スタック200での燃料ガス及び酸化剤ガスの利用率は、任意であるが、特に、酸化剤ガスの利用率は、発電による生成水や凝縮水を酸化剤ガス流路9内により多く存在させて、高分子電解質膜1に含水させる水量を多くさせる観点から、フラッディングが発生しない程度の高い利用率で運転することが好ましく、例えば、50%〜80%であることが好ましい。また、燃料ガス及び酸化剤ガスガスの利用率は、第1の発電工程、第2の発電工程、及び休止工程で、それぞれ、同じであってもよく、異なってもよい。
また、所定の時間T1及びT2は、高分子電解質膜1内にプロトン伝導パスを形成させる観点から、長い方が好ましいが、フラッディングが発生しない程度の時間であることが好ましい。
さらに、所定の回数Kは、工場における燃料電池スタック200の製造工程において、燃料電池スタック200の活性化時間を所定の時間で行うような場合には、その所定の時間内で、活性化工程の繰り返す回数(所定の回数K)を多くすることが好ましい。
次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明の高分子電解質形燃料電池の活性化方法をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、下記に示す実施例及び比較例では、燃料ガスとして水素ガスを使用し、酸化剤ガスとして空気を使用している。また、熱媒体として水を使用している。さらに、図5〜図11には、燃料電池スタック200の温度として、燃料電池スタック200に供給される熱媒体の温度と、燃料電池スタック200から排出される熱媒体の温度を示す。
[実施例1]
まず、上記実施の形態1で説明した燃料電池スタック200を組み立て、図5に示す運転条件で高分子電解質形燃料電池の活性化方法を行い、燃料電池スタック200の評価を行った。
図5は、実施例1の高分子電解質形燃料電池の活性化の運転条件及び高分子電解質形燃料電池の活性化を行った後に電圧判定を行ったときの運転条件を示す。なお、休止工程における反応ガスの流量は第2発電工程と同量として、燃料電池スタック200内の温度調整は行わなかった。また、電圧判定終了時の出力電圧を評価電圧とした。
[実施例2]
実施例1と同様に、上記実施の形態1で説明した燃料電池スタック200を組み立て、図6に示す運転条件で高分子電解質形燃料電池の活性化方法を行い、燃料電池スタック200の評価を行った。
図6は、実施例2の高分子電解質形燃料電池の活性化の運転条件及び高分子電解質形燃料電池の活性化を行った後に電圧判定を行ったときの運転条件を示す。なお、休止工程における反応ガスの流量は第2発電工程と同量として、燃料電池スタック200内の温度調整は行わなかった。また、電圧判定終了時の出力電圧を評価電圧とした。
図6に示すように、実施例2では、実施例1と比べて、第2の電流密度を大きくして高分子電解質形燃料電池の活性化を行った。
[実施例3]
実施例1と同様に、上記実施の形態1で説明した燃料電池スタック200を組み立て、図7に示す運転条件で高分子電解質形燃料電池の活性化方法を行い、燃料電池スタック200の評価を行った。
図7は、実施例3の高分子電解質形燃料電池の活性化の運転条件及び高分子電解質形燃料電池の活性化を行った後に電圧判定を行ったときの運転条件を示す。なお、休止工程における反応ガスの流量は第2発電工程と同量として、燃料電池スタック200内の温度調整は行わなかった。また、電圧判定終了時の出力電圧を評価電圧とした。
図7に示すように、実施例3では、実施例2と比べて、第1発電工程及び第2発電工程ともに、酸化剤ガスの利用率を大きく、すなわち、酸化剤ガスの供給量を小さくして、高分子電解質形燃料電池の活性化を行った。
[比較例1]
実施例1と同様に、上記実施の形態1で説明した燃料電池スタック200を組み立て、図8に示す運転条件で高分子電解質形燃料電池の活性化方法を行い、燃料電池スタック200の評価を行った。
図8は、比較例1の高分子電解質形燃料電池の活性化の運転条件及び高分子電解質形燃料電池の活性化を行った後に電圧判定を行ったときの運転条件を示す。なお、電圧判定終了時の出力電圧を評価電圧とした。
図8に示すように、比較例1では、所定の電流密度で発電を行う、従来の高分子電解質形燃料電池の活性化を行った。
[比較例2]
実施例1と同様に、上記実施の形態1で説明した燃料電池スタック200を組み立て、図9に示す運転条件で高分子電解質形燃料電池の活性化方法を行い、燃料電池スタック200の評価を行った。
図9は、比較例2の高分子電解質形燃料電池の活性化の運転条件及び高分子電解質形燃料電池の活性化を行った後に電圧判定を行ったときの運転条件を示す。なお、電圧判定終了時の出力電圧を評価電圧とした。
図9に示すように、比較例2では、実施例1と比べて、反応ガスの露点を燃料電池スタック200よりも低くして、高分子電解質形燃料電池の活性化を行った。
[比較例3]
実施例1と同様に、上記実施の形態1で説明した燃料電池スタック200を組み立て、図10に示す運転条件で高分子電解質形燃料電池の活性化方法を行い、燃料電池スタック200の評価を行った。
図10は、比較例3の高分子電解質形燃料電池の活性化の運転条件及び高分子電解質形燃料電池の活性化を行った後に電圧判定を行ったときの運転条件を示す。なお、電圧判定終了時の出力電圧を評価電圧とした。
図10に示すように、比較例3では、実施例1と比べて、休止工程を行わずに高分子電解質形燃料電池の活性化を行った。
[比較例4]
実施例1と同様に、上記実施の形態1で説明した燃料電池スタック200を組み立て、図11に示す運転条件で高分子電解質形燃料電池の活性化方法を行い、燃料電池スタック200の評価を行った。
図11は、比較例4の高分子電解質形燃料電池の活性化の運転条件及び高分子電解質形燃料電池の活性化を行った後に電圧判定を行ったときの運転条件を示す。なお、休止工程における反応ガスの流量は第2発電工程と同量として、燃料電池スタック200内の温度調整は行わなかった。また、電圧判定終了時の出力電圧を評価電圧とした。
図11に示すように、比較例4では、実施例1と比べて、第1の電流密度の方が第2の電流密度よりも大きくなるようにして、高分子電解質形燃料電池の活性化を行った。
上記実施例1〜3及び比較例1〜4の電圧判定を行った結果を図12に示す。なお、書く実施例及び比較例においては、電圧判定時の反応ガスの露点及び運転時間が異なるが、これらの範囲においては、出力電圧への影響が小さいことを確認している。
図12は、実施例1〜3及び比較例1〜4の電圧判定を行った結果を示す模式図である。なお、図12では、比較例1を基準として、1セル当たりの電圧を示している。
図12に示すように、実施例1〜3の高分子電解質形燃料電池の活性化方法は、従来の活性化方法である比較例1の高分子電解質形燃料電池の活性化方法(以下、単に活性化方法という)よりも評価電圧が高いため、高分子電解質形燃料電池の活性化時間を短縮できることが示された。
実施例1〜3の活性化方法は、比較例2の活性化方法よりも評価電圧が高いことから、燃料電池スタック200に供給される反応ガスの露点は、燃料電池スタック200の運転温度以上が好ましいことが示された。これは、反応ガスの露点を過加湿状態にすることで、反応ガス流路(燃料ガス流路8及び酸化剤ガス流路9)中に充分に凝縮水(生成水を含む)が存在し、高分子電解質膜1への含水が促進されたものと推察される。
また、実施例1〜3の活性化方法は、比較例3の活性化方法よりも評価電圧が高いことから、活性化工程に休止工程を設けるのが好ましいことが示された。これは、休止工程により、カソード電極4Bの電位が上昇することで、MEA作製工程にて付着した不純物を除去されたものと推察される。
さらに、実施例1〜3の活性化方法は、比較例4の活性化方法よりも評価電圧が高いことから、第2発電工程における第2の電流密度の方が、第1発電工程における第1の電流密度よりも大きいことが好ましいことが示された。そして、比較例4の活性化方法では、休止工程から第1発電工程へ移行する際に電流密度が高すぎるとフラッディングが誘発されたことから、フラッディングが高分子電解質形燃料電池の活性化には有効ではないことが示唆された。
また、実施例1の活性化方法と実施例2の活性化方法を比較すると、実施例2の活性化方法の方が、評価電圧が高いことから、第2の電流密度は高い方が好ましいことが示唆された。実施例2の活性化方法では、第2の電流密度を、電圧判定を行ったときの電流密度よりも高くしていることから、第2の電流密度は、燃料電池スタック200を実際に使用するときの電流密度よりも、高い電流密度にすることが好ましいことが示唆された。
さらに、実施例2の活性化方法と実施例3の活性化方法を比較すると、実施例3の活性化方法の方が、評価電圧が高いことから、酸化剤ガスの利用率は、フラッディングが発生しない程度の高い酸素利用率にすることが好ましいことが示唆された。
本発明の高分子電解質形燃料電池の活性化方法及び高分子電解質形燃料電池の活性化装置によれば、構文市電加湿方燃料電池の活性化に要する時間が、従来技術よりも短縮することが可能であり、燃料電池の分野で有用である。
1 高分子電解質膜
4A アノード電極
4B カソード電極
5 MEA(Membrane−Electrode−Assembly:膜−電極接合体)
6A アノードセパレータ
6B カソードセパレータ
7 ガスケット
8 燃料ガス流路
9 酸化剤ガス流路
10 熱媒体流路
50 高分子電解質形燃料電池
61 端板
62 端板
70 セル積層体
100 活性化装置
101 燃料ガス供給器
102 酸化剤ガス供給器
103 熱媒体供給器
104 出力制御器
105 制御器(運転制御器)
111 燃料ガス供給経路
112 酸化剤ガス供給経路
113 熱媒体供給経路
114 燃料ガス排出経路
115 酸化剤ガス排出経路
116 熱媒体排出経路
131 燃料ガス供給マニホールド
132 燃料ガス排出マニホールド
133 酸化剤ガス供給マニホールド
134 酸化剤ガス排出マニホールド
135 熱媒体供給マニホールド
136 熱媒体排出マニホールド
200 燃料電池スタック
201 燃料ガス経路
202 酸化剤ガス経路
203 熱媒体経路

Claims (6)

  1. 反応ガスの露点が燃料電池スタックの運転温度以上となるように前記反応ガスを前記燃料電池スタックに供給して、第1の電流密度で前記燃料電池スタックを発電させる第1発電工程、前記第1の電流密度より大きい電流密度で前記燃料電池スタックを発電させる第2発電工程、及び無負荷で前記燃料電池スタックを運転する休止工程を順に行う活性化工程を繰り返す、高分子電解質形燃料電池の活性化方法。
  2. 前記第2の電流密度は、0.3A/cm以上、かつ、0.8A/cm以下である、請求項1に記載の高分子電解質形燃料電池の活性化方法。
  3. 前記休止工程は、前記第1発電工程又は前記第2発電工程を行う時間よりも短い時間行われる、請求項1に記載の高分子電解質形燃料電池の活性化方法。
  4. 前記第1発電工程及び前記第2発電工程の少なくとも一方の発電工程においては、フラッディングが発生しない所定の高酸素利用率で前記燃料電池スタックを発電させる、請求項1〜3のいずれかに記載の高分子電解質形燃料電池の活性化方法。
  5. 前記第1発電工程及び前記第2発電工程を行う時間は、フラッディングが発生しない所定の時間である、請求項1〜4のいずれかに記載の高分子電解質形燃料電池の活性化方法。
  6. 複数の高分子電解質形燃料電池が積層され、熱媒体により運転温度が制御される燃料電池スタックに反応ガスを加湿しながら供給するように構成された反応ガス供給器と、
    前記燃料電池スタックに前記熱媒体を供給する熱媒体供給器と、
    前記燃料電池スタックで発電された電力を取り出す出力制御器と、
    運転制御器と、を備え、
    前記運転制御器は、反応ガスの露点が前記燃料電池スタックの運転温度以上となるように、前記反応ガス供給器及び前記熱媒体供給器を制御し、
    第1の電流密度で電力を取り出す第1発電工程、前記第1の電流密度より大きい電流密度で電力を取り出す第2発電工程、及び電力を取り出さずに運転する休止工程を順に行う活性化工程を繰り返すように前記出力制御器を制御する、高分子電解質形燃料電池の活性化装置。

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JP2016062721A (ja) * 2014-09-17 2016-04-25 トヨタ自動車株式会社 燃料電池の製造方法
JP2021180085A (ja) * 2020-05-12 2021-11-18 株式会社豊田自動織機 燃料電池スタックの活性化方法

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