JP2006049201A - 燃料電池の運転方法 - Google Patents

燃料電池の運転方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006049201A
JP2006049201A JP2004230963A JP2004230963A JP2006049201A JP 2006049201 A JP2006049201 A JP 2006049201A JP 2004230963 A JP2004230963 A JP 2004230963A JP 2004230963 A JP2004230963 A JP 2004230963A JP 2006049201 A JP2006049201 A JP 2006049201A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel
fuel cell
oxidant
reaction chamber
driving
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004230963A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazunori Haraguchi
和典 原口
Munehisa Ikoma
宗久 生駒
Fumio Oo
文夫 大尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2004230963A priority Critical patent/JP2006049201A/ja
Publication of JP2006049201A publication Critical patent/JP2006049201A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

【課題】アノードへの燃料供給またはカソードへの酸化剤供給を高精度に制御することにより燃料電池の運転効率を向上させる。
【解決手段】アノード、アノードに燃料を含む流体を供給する燃料供給板、カソード、カソードに酸化剤を含む流体を供給する酸化剤供給板、およびアノードとカソードとの間に介在する電解質からなる燃料電池の運転方法であって、燃料供給板および酸化剤供給板より選ばれる少なくとも一方を、複数の反応室に分割し、各反応室には、燃料または酸化剤を含む流体の入口と、燃料または酸化剤を含む流体の出口とを付与し、入口には、燃料または酸化剤を含む流体を反応室に供給するための供給ポンプを付与し、出口には、燃料または酸化剤を含む流体を反応室から排出するための排出ポンプを付与し、供給ポンプおよび排出ポンプを、それぞれ任意のパルスパターンで駆動させる運転方法。
【選択図】図11

Description

本発明は、燃料電池の運転方法に関し、詳しくは、燃料供給板および酸化剤供給板より選ばれる少なくとも一方が、複数の反応室からなり、各反応室が、燃料または酸化剤を含む流体を移送するためのポンプを有する燃料電池の運転方法に関する。
燃料電池は、燃料と酸化剤ガスとを電気化学的に反応させることにより、電気エネルギーを発生する。燃料電池は、アノード、前記アノードに燃料を供給する燃料供給板、カソード、前記カソードに酸化剤を供給する酸化剤供給板、および前記アノードと前記カソードとの間に介在する電解質からなる。アノードとカソードとの間に介在する電解質としては、高分子電解質が主流である。なかでもパーフルオロカーボンスルホン酸からなる高分子電解質が注目されている。
図1に一般的な燃料電池の要部の構造を示す。電解質11を挟持するアノードおよびカソードは、一般に拡散電極14からなる。拡散電極14は、電解質と接する触媒反応層12と、これを担持する拡散層13からなる。触媒反応層12は、貴金属触媒を担持した炭素粉末を主成分とする。拡散層13には、通気性と導電性を兼ね備えた基材、例えばカーボンペーパ等が用いられる。電解質11とこれを挟持するアノードおよびカソードとの組み合わせをMEA(Membrane Electrode Assembly:電解質膜−電極−接合体)15と呼ぶ。
拡散電極14の外側には、拡散電極14に燃料または酸化剤を供給する流体供給板17が配される。流体供給板17の拡散電極14との対向面には、燃料または酸化剤の流路16が設けられている。アノード側の流体供給板17(燃料供給板)の流路16には、燃料として、水素等のガスやアルコール等の液体が導入される。カソード側の流体供給板17(酸化剤供給板)の流路16には、通常、酸化剤として、空気、酸素等のガスが導入される。
高い起電力を取り出す場合には、図1に示されるような電解質11、拡散電極14および流体供給板17からなる単セルが、直列に複数個積層される。流体供給板17は、通常、導電性材料で構成されており、流体供給板17を介して、電流が外部に取り出される。
近年、携帯電子機器の電源として、小型の燃料電池を利用することが検討されている。小型の燃料電池としては、直接メタノール型燃料電池のように、液体燃料を用いる燃料電池が有望視されている。液体燃料を直接アノードへ供給する燃料電池は、燃料を改質する工程が不要であることから、容積が軽減され、携帯電子機器の電源として好適である(特許文献1、2参照)。
特表平10−507572号公報 特開2002−208419号公報
従来、燃料電池の流体供給板には、外部ポンプを用いて燃料または酸化剤を含む流体を供給している。しかし、拡散電極に過剰の燃料が供給されると、燃料がアノードで消費されずにカソードへ移動したり、酸化剤がカソードで消費されずにアノードへ移動したりする。このような現象をクロスリークという。この問題を低減するには、燃料を溶媒で薄めたり、流体供給板が具備する流体の流路形状を高度に制御したりする必要がある。
しかし、溶媒で薄められた低濃度の燃料溶液を、流体供給板の流路に循環させるとき、流路の入口から出口に向かって、燃料溶液の濃度に勾配が生じる。そのため、出口付近で安定な発電を維持することが困難になる。
また、流路形状をサーペンタイン状にしたり、流路内における流体の流れる方向をリブで制御したりすることも提案されているが、流路形状を複雑化すると、流体を移送するための圧力損失が大きくなる。圧力損失が大きくなると、ポンプが大型化したり、燃料電池からの流体漏れが生じたりする。さらに、流路形状を制御しても、拡散電極の全面に、均一に、燃料または酸化剤を供給することは困難である。
本発明は、アノード、アノードに燃料を含む流体を供給する燃料供給板、カソード、カソードに酸化剤を含む流体を供給する酸化剤供給板、およびアノードとカソードとの間に介在する電解質からなる燃料電池の運転方法であって、
(a)燃料供給板および酸化剤供給板より選ばれる少なくとも一方を、複数の反応室に分割し、
(b)各反応室には、燃料または酸化剤を含む流体の入口と、燃料または酸化剤を含む流体の出口とを付与し、
(c)前記入口には、燃料または酸化剤を含む流体を反応室に供給するための供給ポンプを付与し、
(d)前記出口には、燃料または酸化剤を含む流体を反応室から排出するための排出ポンプを付与し、
(e)供給ポンプおよび排出ポンプを、それぞれ任意のパルスパターンで駆動させる運転方法に関する。
上記運転方法によれば、各反応室内の燃料濃度または酸化剤濃度、各反応室内の圧力に関し、高精度の制御が可能となる。従って、各反応室に、適格なタイミングで、必要十分な適量の燃料または酸化剤を供給できる。その結果、燃料電池の運転効率は向上する。また、各反応室への燃料または酸化剤の供給量が時間経過とともに変化する可能性も顕著に低減する。供給ポンプおよび排出ポンプの駆動タイミングは、特に限定されず、燃料電池の用途、負荷の状況等に応じて、適切な駆動タイミングを選択すればよい。従って、パルスパターンは様々である。また、パルスパターンは一定である必要はない。例えば、負荷の状況に応じてパルスパターンを変化させることができる。その結果、負荷変動に応じて発電を制御することもできる。
パルスパターンとして、例えば以下のようなものが挙げられる。
(1)供給ポンプを駆動させるパルスパターンと、排出ポンプを駆動させるパルスパターンとを、同期させる。この場合、燃料利用率もしくは酸化剤利用率は高くなるが、燃料電池の最大出力と最小出力との差が比較的大きくなる。
(2)供給ポンプを駆動させるパルスの印加の開始時点よりも、排出ポンプを駆動させるパルスの印加の開始時点を遅らせる。この場合、燃料利用率もしくは酸化剤利用率と燃料電池の出力とのバランスを考慮した運転が可能となる。
パターン(2)は、さらに以下のパターンに場合分けできる。
(a)供給ポンプを駆動させるパルスの印加の終止時点よりも、排出ポンプを駆動させるパルスの印加の開始時点を遅らせる。
(b)供給ポンプを駆動させるパルスの印加の終止時点よりも、排出ポンプを駆動させるパルスの印加の開始時点を早くする。
パターン(2)において、供給ポンプを駆動させるパルスの印加時間よりも、供給ポンプを駆動させるパルス間のインターバル時間を長くする場合、反応室中での燃料の滞留時間が非常に長くなり、燃料利用率は極めて高くなる。
パターン(2)において、供給ポンプを駆動させるパルスの印加時間よりも、供給ポンプを駆動させるパルス間のインターバル時間を短くする場合、燃料利用率は減少するが、反応室内の燃料濃度は常に高濃度に維持され、燃料電池の出力は高レベルで安定化する。
パターン(2)において、供給ポンプを駆動させるパルスの印加の開始時点と、排出ポンプを駆動させるパルスの印加の終止時点とを、同期させる場合、低濃度の燃料を含む流体の排出と同時に、直ちに新鮮な高濃度の燃料を含む流体が供給され、燃料電池の出力は安定化する。
複数の反応室には、それぞれアノードまたはカソードと対向する開口を付与し、各反応室を開口面に対して垂直な側壁で囲むことが望ましい。すなわち反応室は、開口面に対して垂直な側壁で囲まれ、開口側とは反対側が閉じた容器状であることが好ましい。このような構成によれば、開口から直接燃料や酸化剤がアノードまたはカソードに供給されるため、供給ポンプの圧力損失は小さくなる。また、各反応室の区分が明確になり、各反応室内の燃料濃度または酸化剤濃度、各反応室内の圧力に関し、より高精度の制御が可能となる。
複数の反応室の配列方法は、特に限定されないが、アノードと燃料供給板との界面またはカソードと酸化剤供給板との界面に沿って、均一に配列していることが好ましい。複数の反応室は、前記界面に沿って、例えば格子状、千鳥格子状またはハニカム状に配列されていることが好ましい。
流体の入口と出口の配置は、特に限定されないが、運転姿勢では、流体の流動方向を考慮して、入口を出口よりも鉛直方向における上部に位置させることが望ましい。入口が出口よりも上部に位置することにより、燃料または酸化剤を含む流体の移送に重力を利用することが可能になり、ポンプの能力を比較的低く設定することが可能になる。また、重力を利用することで、流体の流通が安定化する。
流体の入口は、反応室の開口と対向する位置(閉じた位置)に配し、出口を反応室の側壁に配することが望ましい。このような構成によれば、運転姿勢が反応室の開口を水平方向に平行とする場合に、流体の移送に重力を利用することが可能になる。また、入口および出口を、それぞれ反応室の側壁の異なる壁面に配することもできる。このような構成によれば、運転姿勢が反応室の開口を鉛直方向に平行とし、入口を出口よりも鉛直方向における上部に位置させる場合に、流体の移送に重力を利用することが可能になる。
供給ポンプおよび排出ポンプの駆動は、これらを制御する制御部を利用して行うことが好ましい。制御部は、燃料電池が具備する全てのポンプの駆動を、任意のパルスパターンに制御できることが望ましいが、ある一定のパルスパターンで駆動するように制御するだけのものであってもよい。また、制御部は、反応室の位置、負荷の状況に応じて、全てのポンプを個別に制御できることが望ましい。
以下に本発明の運転方法を適用し得る燃料電池を例示する。
(i)複数の反応室からなる燃料供給板を有する燃料電池であって、各反応室は、燃料を含む流体をその反応室に供給するための入口と、燃料を含む流体をその反応室から排出するための出口とを有し、前記入口および前記出口が、それぞれ燃料を含む流体を移送するためのポンプを有する。
(ii)複数の反応室からなる酸化剤供給板を有する燃料電池であって、各反応室は、酸化剤を含む流体をその反応室に供給するための入口と、酸化剤を含む流体をその反応室から排出するための出口とを有し、前記入口および前記出口が、それぞれ酸化剤を含む流体を移送するためのポンプを有する。
(iii)複数の反応室からなる燃料供給板および複数の反応室からなる酸化剤供給板を有する燃料電池であって、燃料供給板の各反応室は、燃料を含む流体をその反応室に供給するための入口と、燃料を含む流体をその反応室から排出するための出口とを有し、前記入口および前記出口が、それぞれ燃料を含む流体を移送するためのポンプを有し、酸化剤供給板の各反応室は、酸化剤を含む流体をその反応室に供給するための入口と、酸化剤を含む流体をその反応室から排出するための出口とを有し、前記入口および前記出口が、それぞれ酸化剤を含む流体を移送するためのポンプを有する。
本発明の運転方法は、上記(i)〜(iii)のうちでは(i)の燃料電池に最も好適である。(i)の燃料電池が、酸化剤を含む流体として空気を利用する場合、酸化剤供給板は、従来公知の構造である方が、燃料電池の小型化、軽量化およびコスト面で有利である。
本発明によれば、複数の反応室に対応させて、拡散電極を複数の区画に区分して、各区画毎に燃料または酸化剤を含む流体の供給または排出を行うことができる。従って、各反応室内の燃料濃度または酸化剤濃度や反応室内の圧力に関し、高精度の制御が可能となり、燃料電池の運転効率が向上する。
より具体的には、例えば以下の効果を得ることができる。
まず、燃料または酸化剤のクロスリークを抑制することが可能であり、燃料または酸化剤の利用率が高められる。また、拡散電極の全面に、均一に、燃料または酸化剤を供給することが可能である。また、負荷の状況に応じて発電モードの変更を行ったり、負荷変動に応じて発電を制御したりすることが可能である。
さらに、本発明によれば、各反応室が備えるポンプを個別に制御できることから、拡散電極の一部に不良がある場合でも、不良箇所と対向する反応室への燃料供給だけを停止することができる。従って、引き続きその燃料電池の運転を継続することができ、燃料電池の寿命等の信頼性も向上する。
まず、本発明の運転方法を適用し得る燃料電池の一例の構造を図面を参照しながら説明する。ただし、本発明の運転方法を適用し得る燃料電池の構造は、以下に限られるものではない。
図2は、燃料電池100の右半分の内部構造を図3および図4におけるIII−III線断面図として示す。図3および図4は、それぞれ図1のI−I線断面図およびII−II線断面図である。図5は、燃料電池100を燃料供給板110側から見た上面図である。
燃料電池100は、アノード101、アノード101に燃料を含む流体を供給する燃料供給板110、カソード102、カソード102に酸化剤を含む流体を供給する酸化剤供給板120、およびアノード101とカソード102との間に介在する高分子電解質膜103からなる。高分子電解質膜103の周囲は、シール用のパッキン123で覆われており、パッキン123は、燃料や酸化剤を含む流体が燃料電池100の内部からリークするのを防止している。
燃料供給板110は、2層構造になっており、アノード101と対面する側が、格子状に配列した複数の反応室112からなる第1層を形成する。第1層の外側の第2層には、燃料を含む流体を蓄える燃料槽114が、3列に区分された状態で形成されている。反応室112は、アノード101と対向する開口を有し、側壁113で囲まれた容器状である。第1層と第2層とを仕切る隔壁115が、容器状の反応室112の底部となる。
図6は、燃料槽114の配列状態を示すために、燃料供給板110の最外側の壁を除いた断面図である。また、図7は、反応室112の配列状態を示すために、第1層と第2層とを仕切る隔壁115を除いた断面図である。
燃料を含む流体は、燃料入口118から燃料供給板110の内部に導入され、燃料供給板110の一辺に沿って形成された燃料流通溝116を通って、燃料槽114へ達する。燃料槽114内に蓄えられている燃料を含む流体は、第1層と第2層とを仕切る隔壁115に設けられた供給ポンプ111によって、反応室112に導入される。供給ポンプ111は、反応室112毎に一つずつ設けられている。燃料を含む流体は、反応室112内で滞留する。反応室112は、アノード101と対向する開口を有するため、反応室112内で滞留している燃料の一部は、速やかにアノード101に達して消費される。
反応室112で一定期間滞留した燃料を含む流体は、反応室の側壁113に設けられている排出ポンプ117によって、反応室112に隣接する燃料排出溝119に送り出される。燃料排出溝119は、一辺を除いて3列の燃料槽114の周囲に沿って配置されている。全ての燃料排出溝119は、最終的に合流して、燃料出口121から外部へ排出される。
排出ポンプ117は、燃料を含む流体の反応室112からの排出を制御する。排出ポンプ117を設けることにより、反応室112内の燃料濃度等の細やかな制御が可能となる。
反応室112からの燃料を含む流体の排出を促すために、燃料出口121よりも下流側に、流体を吸引する外部ポンプを設けることもできる。供給ポンプ111と外部ポンプとを任意に制御する場合にも、反応室112内の燃料濃度等を比較的細やかに制御することが可能である。
酸化剤供給板120は、カソード102と対面する側に、酸化剤を含む流体を滞留させる流路122を有する。図示した酸化剤供給板120は、従来のものと同様の構造であるが、図2〜7に示した燃料供給板110と同様の構造を有する酸化剤供給板を用いることもできる。
上記のように、各反応室112が、専用の供給ポンプ111と排出ポンプ117とを有する場合、アノード上の位置による反応のバラツキが生じにくいため、燃料電池の運転状態が安定しやすい。また、各ポンプの制御を別個に行う場合には、各反応室112の状況に応じて、反応室毎に最適な燃料の供給状況を達成することが可能である。
供給ポンプ111と排出ポンプ117との反応室112内における位置関係は、特に限定されないが、流体の流動方向を考慮した場合、供給ポンプ111の方が排出ポンプ117よりも鉛直方向における上部に位置することが望ましい。また、供給ポンプ111と排出ポンプ117は、容器状の反応室112を囲む壁面のうち、それぞれ異なる壁面に設けることが望ましい。
供給ポンプ111および排出ポンプ117は、例えばMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いて作製される。MEMS技術とは、IC(集積回路)等の半導体の製造法を応用した微細加工技術をいい、米国ではMEMS、欧州ではMST(Micro System Technology)、日本ではマイクロマシン技術と総称される。MEMS技術によれば、微細構造を有する小型ポンプおよび小型の弁を作製可能である。
MEMS技術によるポンプの作製は、一般に、クリーンルーム内で、成膜、フォトリソグラフィ、エッチングなどの工程を繰り返すことにより行われる。例えば、フォトレジストと所定のパターンを有するマスクを用いて、シリコン製の小型ポンプを作製することができる。MEMS技術によれば、半導体基板上に、等間隔で配列する複数の小型ポンプを形成し、得られた半導体基板を第1層と第2層とを仕切る隔壁115として利用することもできる。また、半導体基板上に反応室112を囲む側壁113を形成することもできる。
半導体基板上にポンプを作製する場合、ポンプとポンプを制御する制御部とを電気的に接続する配線を、基板上に形成することが可能である。制御部は、IC、LSIなどの電子回路を利用して作製することができる。制御部は、燃料電池の内部に設けることもできるが、燃料電池を搭載する電子機器等に設けることもできる。
単セルからなる燃料電池の場合、例えば、燃料供給板110および酸化剤供給板120の任意の箇所にリードを接続し、そのリードを介して集電を行うことができる。燃料供給板110および酸化剤供給板120は、それぞれが導電性材料からなり、燃料供給板110はアノード101と導通しており、酸化剤供給板120はカソード102と導通している。また、高い電圧を得るために、単セルを複数個積層してスタックとして用いることもできる。スタックを集電板と絶縁板を介して端板でこれを挟み、締結ロッドで両端から固定するのが一般的な積層電池の構造である。その場合、集電板を介して、集電が行われる。
次に、燃料電池100の運転方法について説明する。
燃料電池100は、燃料供給板110が上部に位置するように水平に設置して運転することが望ましい。そのように設置すれば、万一、燃料槽114内の燃料を含む流体量が減少し、燃料槽114内に空隙が生じた場合でも、供給ポンプ111には常に燃料を含む流体が供給されるからである。
供給ポンプ111および排出ポンプ117が常時一定量の流体を移送するように供給ポンプ111および排出ポンプ117を駆動させる場合、燃料電池100に、ほぼ一定の出力を継続させることができる。その際の燃料電池の出力と、各反応室への流体供給量と、各反応室からの流体排出量と、運転時間との関係を図8に概念的なパターンで示す。
図8のようなパターンで燃料電池100を運転する場合、燃料を含む流体が、常時、反応室112の出口から排出されるため、燃料利用率は比較的低くなる。そのため、出力の向上にも限界がある。また、燃料を含む流体を循環させて再利用することが必須となる。燃料利用率を高めるには、反応室112における燃料の滞留時間を長くする必要がある。反応室112における燃料の滞留時間を長くするには、供給ポンプ111および排出ポンプ117をパルス的に駆動することが有効である。
燃料電池100の燃料供給板は、上述のように、複数の反応室に分割されており、各反応室には、燃料を含む流体の入口と出口があり、入口には燃料を含む流体を反応室に供給するための供給ポンプを有し、出口には、燃料を含む流体を反応室から排出するための排出ポンプを有する。従って、供給ポンプおよび排出ポンプの駆動タイミングと、それに応じた燃料電池の出力変動との間に、タイムラグが生じにくく、高精度な運転制御が可能である。
供給ポンプおよび排出ポンプの駆動タイミングは、特に限定されず、燃料電池の用途、負荷の状況等に応じて、適切な駆動タイミングを選択すればよい。また、パルスパターンは一定である必要はない。従って、以下にパルスパターンを例示するが、本発明の運転方法に適用し得るパルスパターンはこれらに限られるものではない。
第1パターン
まず、供給ポンプを駆動させるパルスパターンと、排出ポンプを駆動させるパルスパターンとを、同期させる場合について説明する。すなわち、図9に概念図で示すように、燃料を含む流体の反応室112への供給と、燃料を含む流体の反応室112からの排出とを、同時のタイミングでパルス的に行う。
図9のようなパルスパターンによれば、供給ポンプ111が駆動しない期間は、燃料が反応室112中で滞留するため、滞留時間が長くなり、燃料利用率は高められる。しかし、燃料が供給されない期間中は、時間経過に伴って反応室112内の燃料濃度が減少を続けるため、最大出力と最小出力との差が比較的大きくなる。
なお、排出ポンプは、その駆動の際に反応室中の燃料を含む流体を全て排出するものではなく、一部を反応室に残留させる必要がある。排出ポンプは、燃料濃度の低くなった流体の一部を排出し、それと同時に高濃度の燃料を含む流体が反応室に供給される。この点は以下のパルスパターンについても同様である。
第2パターン
次に、供給ポンプを駆動させるパルスの印加の開始時点よりも、排出ポンプを駆動させるパルスの印加の開始時点を遅らせる場合について説明する。
第2パターンは、さらに、供給ポンプを駆動させるパルスの印加の終止時点よりも、排出ポンプを駆動させるパルスの印加の開始時点を遅らせる図10のようなパターン(a)と、供給ポンプを駆動させるパルスの印加の終止時点よりも、排出ポンプを駆動させるパルスの印加の開始時点を早くする図11のようなパターン(b)とに細分化される。
図10に概念的に示すようなパルスパターン(a)で供給ポンプと排出ポンプとを駆動させる場合、反応室112への燃料を含む流体のパルス的な供給が停止した後、一定時間経過してから、燃料を含む流体の反応室112からのパルス的な排出が行われる。このように制御すれば、新鮮な燃料を含む流体が反応室に供給された直後に排出されるのを防ぐことができ、反応室中での燃料の滞留時間も長くなるため、燃料利用率は高められる。そのかわり、燃料電池100の出力変動は比較的大きくなる。
一方、図11に概念的に示すようなパルスパターン(b)で供給ポンプと排出ポンプとを駆動させる場合、反応室112への燃料を含む流体のパルス的な供給に対して、燃料を含む流体の反応室112からのパルス的な排出が遅れるとともに、供給と排出とがオーバーラップしている。この場合、燃料利用率は減少するが、反応室112内の燃料濃度は常に高濃度に維持され、燃料電池の出力は高レベルで安定化する。
図11のようなパターンによれば、図8のようなパターンで燃料電池100を運転する場合よりも、燃料利用率は高くなり、かつ、燃料電池の出力変動は、図9および図10のようなパターンで燃料電池100を運転する場合よりも、小さくなる。その結果、燃料利用率と出力安定性とのバランスがとれた燃料電池の運転が可能となる。
第2パターンにおいて、供給ポンプを駆動させるパルスの印加時間よりも、供給ポンプを駆動させるパルス間のインターバル時間を長くする場合、反応室112中での燃料の滞留時間は更に長くなり、燃料利用率はより高められる。一方、第2パターンにおいて、供給ポンプを駆動させるパルスの印加時間よりも、供給ポンプを駆動させるパルス間のインターバル時間を短くする場合、燃料利用率は減少するが、反応室112内の燃料濃度は常に高濃度に維持され、燃料電池の出力は高レベルで安定化する。
第2パターンでは、また、供給ポンプを駆動させるパルスの印加の開始時点と、排出ポンプを駆動させるパルスの印加の終止時点とを、同期させることが望ましい。このように制御すれば、低濃度の燃料を含む流体の排出と同時に、直ちに新鮮な高濃度の燃料を含む流体が供給され、燃料電池の出力は安定化する。
上記のように、様々なパターンで燃料電池100の運転を行うことができるため、負荷の状況に応じて、最も適した運転パターンを適宜選択することが可能である。
なお、燃料供給板110に排出ポンプ117を設ける代わりに、燃料出口121よりも下流側に流体を吸引する外部ポンプを設けても、上記第1〜第4の運転方法と同様のパターンの運転を実施することができる。その際、排出ポンプ117の代わりに、燃料を含む流体の逆流を防止する弁を設けてもよい。
燃料電池100は、直接メタノール型燃料電池のような液体燃料を用いる燃料電池として好適であるが、水素のようなガス燃料を用いる燃料電池として用いることもできる。また、供給ポンプ111に噴射ノズルを設け、燃料槽114には燃料を含む流体として液体を蓄えて、液体を反応室112内に噴射するようにしてもよい。この場合、例えば噴射された流体が反応室112内に一定量以上蓄積したときに、排出ポンプ117で流体を反応室112から排出する。
以上のように、本発明によれば、複数の反応室内の燃料濃度または酸化剤濃度や複数の反応室内の圧力に関し、高精度の制御が可能となり、燃料電池の運転効率が向上する。本発明は、特に、直接メタノール型燃料電池のような液体燃料を用いる燃料電池の運転方法において特に有効である。また、液体燃料を用いる燃料電池は、エネルギー密度が高いため、本発明の燃料電池の運転方法は、携帯電子機器の電源等として好適である。
一般的な燃料電池の要部の断面図である。 右半分を断面にした状態の本発明に係る燃料電池の燃料供給板側から見た上面図である。 図1のI−I線断面図である。 図1のII−II線断面図である。 本発明に係る燃料電池の燃料供給板側から見た上面図である。 燃料供給板の最外側の壁を除いた状態の本発明に係る燃料電池の燃料供給板側から見た上面図である。 燃料供給板の第1層と第2層とを仕切る隔壁を除いた状態の本発明に係る燃料電池の燃料供給板側から見た上面図である。 燃料電池の一般的な運転方法における、燃料電池の出力と、各反応室への流体供給量と、各反応室からの流体排出量と、運転時間との関係を示す概念図である。 第1パターンによる燃料電池の運転方法における、燃料電池の出力と、各反応室への流体供給量と、各反応室からの流体排出量と、運転時間との関係を示す概念図である。 第2パターン(a)による燃料電池の運転方法における、燃料電池の出力と、各反応室への流体供給量と、各反応室からの流体排出量と、運転時間との関係を示す概念図である。 第2パターン(b)による燃料電池の運転方法における、燃料電池の出力と、各反応室への流体供給量と、各反応室からの流体排出量と、運転時間との関係を示す概念図である。
符号の説明
11 電解質
12 触媒反応層
13 拡散層
14 拡散電極
15 MEA
16 燃料または酸化剤の流路
17 流体供給板
100 燃料電池
101 アノード
102 カソード
103 高分子電解質膜
110 燃料供給板
111 供給ポンプ
112 反応室
113 側壁
114 燃料槽
115 隔壁
116 燃料流通溝
117 排出ポンプ
118 燃料入口
119 燃料排出溝
120 酸化剤供給板
121 燃料出口
122 酸化剤を含む流体を滞留させる流路

Claims (13)

  1. アノード、
    前記アノードに燃料を含む流体を供給する燃料供給板、
    カソード、
    前記カソードに酸化剤を含む流体を供給する酸化剤供給板、および
    前記アノードと前記カソードとの間に介在する電解質
    からなる燃料電池の運転方法であって、
    (a)前記燃料供給板および前記酸化剤供給板より選ばれる少なくとも一方を、複数の反応室に分割し、
    (b)各反応室には、燃料または酸化剤を含む流体の入口と、燃料または酸化剤を含む流体の出口とを付与し、
    (c)前記入口には、燃料または酸化剤を含む流体を前記反応室に供給するための供給ポンプを付与し、
    (d)前記出口には、燃料または酸化剤を含む流体を前記反応室から排出するための排出ポンプを付与し、
    (e)前記供給ポンプおよび前記排出ポンプを、それぞれ任意のパルスパターンで駆動させる運転方法。
  2. 前記供給ポンプを駆動させるパルスパターンと、前記排出ポンプを駆動させるパルスパターンとを、同期させる請求項1記載の燃料電池の運転方法。
  3. 前記供給ポンプを駆動させるパルスの印加の開始時点よりも、前記排出ポンプを駆動させるパルスの印加の開始時点を遅らせる請求項1記載の燃料電池の運転方法。
  4. 前記供給ポンプを駆動させるパルスの印加時間よりも、前記供給ポンプを駆動させるパルス間のインターバルの時間の方が長い請求項3記載の燃料電池の運転方法。
  5. 前記供給ポンプを駆動させるパルスの印加時間よりも、前記供給ポンプを駆動させるパルス間のインターバルの時間の方が短い請求項3記載の燃料電池の運転方法。
  6. 前記供給ポンプを駆動させるパルスの印加の開始時点と、前記排出ポンプを駆動させるパルスの印加の終止時点とを、同期させる請求項3記載の燃料電池の運転方法。
  7. 前記供給ポンプを駆動させるパルスの印加の終止時点よりも、前記排出ポンプを駆動させるパルスの印加の開始時点を遅らせる請求項3記載の燃料電池の運転方法。
  8. 前記供給ポンプを駆動させるパルスの印加の終止時点よりも、前記排出ポンプを駆動させるパルスの印加の開始時点を早くする請求項3記載の燃料電池の運転方法。
  9. 前記複数の反応室に、それぞれ前記アノードまたは前記カソードと対向する開口を付与し、各反応室を前記開口面に対して垂直な側壁で囲む請求項1記載の燃料電池の運転方法。
  10. 前記複数の反応室を、格子状、千鳥格子状またはハニカム状に配列する請求項1記載の燃料電池の運転方法。
  11. 運転姿勢において、前記入口を前記出口よりも鉛直方向における上部に位置させる請求項1記載の燃料電池の運転方法。
  12. 前記入口を前記開口と対向する位置に配し、前記出口を前記側壁に配する請求項9記載の燃料電池。
  13. 前記入口および前記出口を、それぞれ前記側壁の異なる壁面に配する請求項9記載の燃料電池。
JP2004230963A 2004-08-06 2004-08-06 燃料電池の運転方法 Pending JP2006049201A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004230963A JP2006049201A (ja) 2004-08-06 2004-08-06 燃料電池の運転方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004230963A JP2006049201A (ja) 2004-08-06 2004-08-06 燃料電池の運転方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006049201A true JP2006049201A (ja) 2006-02-16

Family

ID=36027499

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004230963A Pending JP2006049201A (ja) 2004-08-06 2004-08-06 燃料電池の運転方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006049201A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007287584A (ja) * 2006-04-19 2007-11-01 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 固体酸化物形燃料電池の燃料供給方法およびシステム
JP2007329115A (ja) * 2006-05-12 2007-12-20 Olympus Imaging Corp 燃料電池システム及び該燃料電池システムを用いた端末用機器
WO2008105319A1 (ja) * 2007-02-28 2008-09-04 Kabushiki Kaisha Toshiba 燃料電池システム及び制御方法
WO2011016400A1 (ja) * 2009-08-07 2011-02-10 株式会社 東芝 燃料電池
CN113764703A (zh) * 2021-11-09 2021-12-07 北京新研创能科技有限公司 燃料电池阳极脉冲排放控制方法、装置及可读存储介质

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007287584A (ja) * 2006-04-19 2007-11-01 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 固体酸化物形燃料電池の燃料供給方法およびシステム
JP2007329115A (ja) * 2006-05-12 2007-12-20 Olympus Imaging Corp 燃料電池システム及び該燃料電池システムを用いた端末用機器
WO2008105319A1 (ja) * 2007-02-28 2008-09-04 Kabushiki Kaisha Toshiba 燃料電池システム及び制御方法
WO2011016400A1 (ja) * 2009-08-07 2011-02-10 株式会社 東芝 燃料電池
US8835068B2 (en) 2009-08-07 2014-09-16 Murata Manufacturing Co., Ltd. Fuel cell
CN113764703A (zh) * 2021-11-09 2021-12-07 北京新研创能科技有限公司 燃料电池阳极脉冲排放控制方法、装置及可读存储介质

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8691465B2 (en) Fuel cell and method of operating fuel cell
JP2007234543A (ja) 燃料電池
JP2008135367A (ja) 燃料電池システム
US8247127B2 (en) Fuel cell and method of operating fuel cell
JP2006093086A (ja) 燃料電池
CN101632190B (zh) 燃料电池
JP2007317619A (ja) 燃料電池装置
JP4645007B2 (ja) 燃料電池
JP2006049201A (ja) 燃料電池の運転方法
US20060141322A1 (en) Fuel cell system
US20040131898A1 (en) Reactant feed apparatus for direct feed fuel cells and methods related thereto
JP4594642B2 (ja) 燃料電池
JP4785617B2 (ja) 直接液体燃料電池スタック
JP2006114340A (ja) 燃料電池とその運転方法
JP4058666B2 (ja) 燃料電池
JP2006114341A (ja) 燃料電池の運転方法
JP2006004793A (ja) 燃料電池装置
JP4060296B2 (ja) 直接メタノール燃料電池用燃料供給装置
JP4610940B2 (ja) 燃料電池
JP2015060732A (ja) 燃料電池
JP7254850B2 (ja) 燃料電池システム
KR100790853B1 (ko) 기화층에 수직하게 배열된 스택을 구비하는 연료전지시스템
JP2007087739A (ja) 燃料電池システム
JP2007294348A (ja) 燃料電池装置
JP2006048933A (ja) 燃料電池システム及びその運転方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20061225