JP4594642B2 - 燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池に関し、詳しくは、燃料供給板および酸化剤供給板より選ばれる少なくとも一方が、複数の反応室からなり、各反応室が、燃料または酸化剤を含む流体を移送するためのポンプを有する燃料電池に関する。
燃料電池は、燃料と酸化剤ガスとを電気化学的に反応させることにより、電気エネルギーを発生する。燃料電池は、アノード、前記アノードに燃料を供給する燃料供給板、カソード、前記カソードに酸化剤を供給する酸化剤供給板、および前記アノードと前記カソードとの間に介在する電解質からなる。アノードとカソードとの間に介在する電解質としては、高分子電解質が主流である。なかでもパーフルオロカーボンスルホン酸からなる高分子電解質が注目されている。
図1に一般的な燃料電池の要部の構造を示す。電解質11を挟持するアノードおよびカソードは、一般に拡散電極14からなる。拡散電極14は、電解質と接する触媒反応層12と、これを担持する拡散層13からなる。触媒反応層12は、貴金属触媒を担持した炭素粉末を主成分とする。拡散層13には、通気性と導電性を兼ね備えた基材、例えばカーボンペーパ等が用いられる。電解質11とこれを挟持するアノードおよびカソードとの組み合わせをMEA(Membrane Electrode Assembly:電解質膜−電極−接合体)15と呼ぶ。
拡散電極14の外側には、拡散電極14に燃料または酸化剤を供給する流体供給板17が配される。流体供給板17の拡散電極14との対向面には、燃料または酸化剤の流路16が設けられている。アノード側の流体供給板17(燃料供給板)の流路16には、燃料として、水素等のガスやアルコール等の液体が導入される。カソード側の流体供給板17(酸化剤供給板)の流路16には、通常、酸化剤として、空気、酸素等のガスが導入される。
高い起電力を取り出す場合には、図1に示されるような電解質11、拡散電極14および流体供給板17からなる単セルが、直列に複数個積層される。流体供給板17は、通常、導電性材料で構成されており、流体供給板17を介して、電流が外部に取り出される。
近年、携帯電子機器の電源として、小型の燃料電池を利用することが検討されている。小型の燃料電池としては、直接メタノール型燃料電池のように、液体燃料を用いる燃料電池が有望視されている。液体燃料を直接アノードへ供給する燃料電池は、燃料を改質する工程が不要であることから、容積が軽減され、携帯電子機器の電源として好適である(特許文献1、2参照)。
特表平10−507572号公報 特開2002−208419号公報
従来、燃料電池の流体供給板には、外部ポンプを用いて燃料または酸化剤を含む流体を供給している。しかし、拡散電極に過剰の燃料が供給されると、燃料がアノードで消費されずにカソードへ移動したり、酸化剤がカソードで消費されずにアノードへ移動したりする。このような現象をクロスリークという。この問題を低減するには、燃料を溶媒で薄めたり、流体供給板が具備する流体の流路形状を高度に制御したりする必要がある。
しかし、溶媒で薄められた低濃度の燃料溶液を、流体供給板の流路に循環させるとき、流路の入口から出口に向かって、燃料溶液の濃度に勾配が生じる。そのため、出口付近で安定な発電を維持することが困難になる。
また、流路形状をサーペンタイン状にしたり、流路内における流体の流れる方向をリブで制御したりすることも提案されているが、流路形状を複雑化すると、流体を移送するための圧力損失が大きくなる。圧力損失が大きくなると、ポンプが大型化したり、燃料電池からの流体漏れが生じたりする。さらに、流路形状を制御しても、拡散電極の全面に、均一に、燃料または酸化剤を供給することは困難である。
本発明は、アノード、前記アノードに燃料を含む流体を供給する燃料供給板、カソード、前記カソードに酸化剤を含む流体を供給する酸化剤供給板、および前記アノードと前記カソードとの間に介在する電解質からなる燃料電池であって、前記燃料供給板および前記酸化剤供給板より選ばれる少なくとも一方が、複数の反応室からなり、各反応室は、燃料または酸化剤を含む流体を前記反応室に供給するための入口と、燃料または酸化剤を含む流体を前記反応室から排出するための出口とを有し、前記入口および前記出口がそれぞれ燃料もしくは酸化剤を含む流体を移送するためのポンプを有する燃料電池に関する。
前記複数の反応室は、どのように配列されていてもよいが、アノードと燃料供給板との界面またはカソードと酸化剤供給板との界面に沿って、均一に配列していることが好ましい。複数の反応室は、例えば、格子状、千鳥格子状またはハニカム状に配列されていることが好ましい。
前記複数の反応室は、それぞれ前記アノードまたは前記カソードと対向する開口を有する。燃料または酸化剤は、前記開口から、アノードまたはカソードへ供給される。各反応室は、前記開口面に対して垂直な側壁で囲まれており、前記開口側とは反対側で閉じた容器状であることが好ましい。
燃料電池の運転姿勢においては、燃料または酸化剤を含む流体を前記反応室に供給するための入口が、燃料または酸化剤を含む流体を前記反応室から排出するための出口よりも、鉛直方向における上部に位置することが好ましい。入口が出口よりも上部に位置することにより、燃料または酸化剤を含む流体の移送に重力を利用することが可能になり、ポンプの能力を比較的低く設定することが可能になる。また、重力を利用することで、流体の流通が安定化する。
前記入口は、例えば前記開口と対向する位置、すなわち容器状の反応室の閉じた底部に配されている。前記出口は、例えば前記側壁に配されている。前記入口は、前記側壁に配することもできるが、前記出口が配されている壁面とは異なる壁面に配することが望ましい。
前記燃料電池は、前記ポンプを制御するための制御部をさらに有することが好ましい。前記制御部は、燃料電池が具備する全てのポンプを、任意に制御し得るものであることが好ましい。前記制御部は、負荷の状況に応じて、前記全てのポンプを、個別に制御し得るものであることが好ましい。
本発明の一形態(形態A)においては、燃料電池が、複数の反応室からなる燃料供給板を有し、各反応室は、燃料を含む流体を前記反応室に供給するための入口と、燃料を含む流体を前記反応室から排出するための出口とを有し、前記入口および前記出口が、それぞれ燃料を含む流体を移送するためのポンプを有する。
本発明においては、少なくとも燃料供給板が、上記Aのような形態を有すれば十分な効果を得ることができるが、下記のような形態を有する酸化剤供給板を有してもよい。ただし、酸化剤を含む流体として空気を利用する場合、酸化剤供給板は、従来公知の構造である方が、燃料電池の小型・軽量化およびコスト面で有利である。
本発明の一形態(形態)においては、燃料電池が、複数の反応室からなる酸化剤供給板を有し、各反応室は、酸化剤を含む流体を前記反応室に供給するための入口と、酸化剤を含む流体を前記反応室から排出するための出口とを有し、前記入口および前記出口が、それぞれ酸化剤を含む流体を移送するためのポンプを有する。
本発明によれば、複数の反応室に対応させて、拡散電極を複数の区画に区分して、各区画毎に燃料または酸化剤を含む流体の供給または排出を行うことができる。従って、反応室内の燃料濃度または酸化剤濃度や反応室内の圧力に関し、高精度の制御が可能となり、燃料電池の運転効率が向上する。入口と出口の両方が、それぞれポンプを有する場合には、反応室内の燃料濃度や反応室内の圧力に関し、更に高精度な制御が可能となる。
より具体的には、本発明によれば、例えば、以下の効果を得ることができる。
まず、燃料または酸化剤のクロスリークを抑制することが可能であり、燃料または酸化剤の利用率が高められる。また、拡散電極の全面に、均一に、燃料または酸化剤を供給することが可能である。また、負荷の状況に応じて発電モードの変更を行ったり、負荷変動に応じて発電を制御したりすることが可能である。
さらに、本発明によれば、各反応室が備えるポンプを個別に制御できることから、拡散電極の一部に不良がある場合でも、不良箇所と対向する反応室への燃料供給だけを停止することができる。従って、引き続きその燃料電池の運転を継続することができ、燃料電池の寿命等の信頼性も向上する。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図2〜7に、本実施形態に係る燃料電池100の構造を示す。図3および図4は、それぞれ図1のI−I線断面図およびII−II線断面図である。図2では、右半分を図3および図4におけるIII−III線断面図として、燃料電池100の内部構造を示す。図5は、燃料電池100を燃料供給板110側から見た上面図である。
燃料電池100は、アノード101、アノード101に燃料を含む流体を供給する燃料供給板110、カソード102、カソード102に酸化剤を含む流体を供給する酸化剤供給板120、およびアノード101とカソード102との間に介在する高分子電解質膜103からなる。高分子電解質膜103の周囲は、シール用のパッキン123で覆われており、パッキン123は、燃料や酸化剤を含む流体が燃料電池100の内部からリークするのを防止している。
燃料供給板110は、2層構造になっており、アノード101と対面する側が、格子状に配列した複数の反応室112からなる第1層を形成する。第1層の外側の第2層には、燃料を含む流体を蓄える燃料槽114が、3列に区分された状態で形成されている。反応室112は、アノード101と対向する開口を有し、側壁113で囲まれた容器状である。第1層と第2層とを仕切る隔壁115が、容器状の反応室112の底部となる。
図6は、燃料槽114の配列状態を示すために、燃料供給板110の最外側の壁を除いた断面図である。また、図7は、反応室112の配列状態を示すために、第1層と第2層とを仕切る隔壁115を除いた断面図である。
燃料を含む流体は、燃料入口118から燃料供給板110の内部に導入され、燃料供給板110の一辺に沿って形成された燃料流通溝116を通って、燃料槽114へ達する。燃料槽114内に蓄えられている燃料を含む流体は、第1層と第2層とを仕切る隔壁115に設けられた供給ポンプ111によって、反応室112に導入される。供給ポンプ111は、反応室112毎に一つずつ設けられている。燃料を含む流体は、反応室112内で滞留する。反応室112は、アノード101と対向する開口を有するため、反応室112内で滞留している燃料の一部は、速やかにアノード101に達して消費される。
反応室112で一定期間滞留した燃料を含む流体は、反応室の側壁113に設けられている排出ポンプ117によって、反応室112に隣接する燃料排出溝119に送り出される。燃料排出溝119は、一辺を除いて3列の燃料槽114の周囲に沿って配置されている。全ての燃料排出溝119は、最終的に合流して、燃料出口121から外部へ排出される。
排出ポンプ117は、燃料を含む流体の反応室112からの排出を制御することを望む場合に設けられる。供給ポンプ111により、反応室112に燃料を含む流体が流入すると、反応室112内の圧力が上昇するため、排出ポンプ117を設けなくても燃料を含む流体の排出は可能である。この場合、排出ポンプ117の代わりに、燃料を含む液体の逆流を防止する弁を設けることもできる。ただし、反応室112内の燃料濃度等の細やかな制御を望む場合には、排出ポンプ117を設けることが好ましい。
反応室112からの燃料を含む流体の排出を促すために、燃料出口121よりも下流側に、流体を吸引する外部ポンプを設けることもできる。供給ポンプ111と外部ポンプとを任意に制御する場合にも、反応室112内の燃料濃度等を比較的細やかに制御することが可能である。
逆に、燃料供給板110に供給ポンプ111を設けず、排出ポンプ117だけを設けることもできる。排出ポンプ117により、反応室112から燃料を含む流体が排出されると、反応室112内の圧力が低下するため、供給ポンプ111を設けなくても燃料を含む流体を反応室112に供給可能である。この場合、供給ポンプ111の代わりに、燃料を含む液体の逆流を防止する弁を設けることもできる。ただし、反応室112内の燃料濃度等の細やかな制御を望む場合には、供給ポンプ111を設けることが好ましい。
酸化剤供給板120は、カソード102と対面する側に、酸化剤を含む流体を滞留させる流路122を有する。図示した酸化剤供給板120は、従来のものと同様の構造であるが、図2〜7に示した燃料供給板110と同様の構造を有する酸化剤供給板を用いることもできる。
上記のように、各反応室112が、専用の供給ポンプ111と排出ポンプ117とを有する場合、アノード上の位置による反応のバラツキが生じにくいため、燃料電池の運転状態が安定しやすい。また、各ポンプの制御を別個に行う場合には、各反応室112の状況に応じて、反応室毎に最適な燃料の供給状況を達成することが可能である。
供給ポンプ111と排出ポンプ117との反応室112内における位置関係は、特に限定されないが、流体の流動方向を考慮した場合、供給ポンプ111の方が排出ポンプ117よりも鉛直方向における上部に位置することが望ましい。また、供給ポンプ111と排出ポンプ117は、容器状の反応室112を囲む壁面のうち、それぞれ異なる壁面に設けることが望ましい。
供給ポンプ111および排出ポンプ117は、例えばMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いて作製される。MEMS技術とは、IC(集積回路)等の半導体の製造法を応用した微細加工技術をいい、米国ではMEMS、欧州ではMST(Micro System Technology)、日本ではマイクロマシン技術と総称される。MEMS技術によれば、微細構造を有する小型ポンプおよび小型の弁を作製可能である。
MEMS技術によるポンプの作製は、一般に、クリーンルーム内で、成膜、フォトリソグラフィ、エッチングなどの工程を繰り返すことにより行われる。例えば、フォトレジストと所定のパターンを有するマスクを用いて、シリコン製の小型ポンプを作製することができる。MEMS技術によれば、半導体基板上に、等間隔で配列する複数の小型ポンプを形成し、得られた半導体基板を第1層と第2層とを仕切る隔壁115として利用することもできる。また、半導体基板上に反応室112を囲む側壁113を形成することもできる。
半導体基板上にポンプを作製する場合、ポンプとポンプを制御する制御部とを電気的に接続する配線を、基板上に形成することが可能である。制御部は、IC、LSIなどの電子回路を利用して作製することができる。制御部は、燃料電池の内部に設けることもできるが、燃料電池を搭載する電子機器等に設けることもできる。
単セルからなる燃料電池の場合、例えば、燃料供給板110および酸化剤供給板120の任意の箇所にリードを接続し、そのリードを介して集電を行うことができる。燃料供給板110および酸化剤供給板120は、それぞれが導電性材料からなり、燃料供給板110はアノード101と導通しており、酸化剤供給板120はカソード102と導通している。また、高い電圧を得るために、単セルを複数個積層してスタックとして用いることもできる。スタックを集電板と絶縁板を介して端板でこれを挟み、締結ロッドで両端から固定するのが一般的な積層電池の構造である。その場合、集電板を介して、集電が行われる。
次に、燃料電池100の運転方法について説明する。ただし、以下に説明する運転方法は例示に過ぎず、運転方法はこれらに限られるものではない。
燃料電池100は、燃料供給板110が上部に位置するように水平に設置して運転することが望ましい。そのように設置すれば、万一、燃料槽114内の燃料を含む流体量が減少し、燃料槽114内に空隙が生じた場合でも、供給ポンプ111には常に燃料を含む流体が供給されるからである。
第1の運転方法においては、供給ポンプ111および排出ポンプ117が常時一定量の流体を移送するように、供給ポンプ111および排出ポンプ117を駆動させる。このような運転方法によれば、燃料電池100に、ほぼ一定の出力を継続させることができる。第1の運転方法における燃料電池の出力と、各反応室への流体供給量と、各反応室からの流体排出量と、運転時間との関係を図8に概念的なパターンで示す。
燃料電池100によれば、複数の反応室112がそれぞれ供給ポンプ111と排出ポンプ117を有するため、反応室112間における燃料濃度や圧力のバラツキを高度に抑制可能である。従って、アノード101の全面に、常時均一に、燃料を供給することが可能であり、燃料電池100の出力は極めて安定する。しかし、図8のようなパターンで燃料電池100を運転する場合、燃料を含む流体が、常時、反応室112の出口から排出されるため、燃料利用率が比較的低くなる。第1の運転方法を実施する場合には、燃料を含む流体を循環させて再利用することが望ましい。
燃料利用率を高めるには、反応室112における燃料の滞留時間を長くする必要がある。反応室112における燃料の滞留時間を長くするには、供給ポンプ111および排出ポンプ117をパルス的に駆動するとともに、排出ポンプ117の駆動のインターバルを長くすることが有効である。
そこで、第2の運転方法においては、図9に示すように、燃料を含む流体の反応室112への供給と、燃料を含む流体の反応室112からの排出とを、同時のタイミングでパルス的に行う。図9のようなパターンは、排出ポンプ117の有無に関わらず、実施が可能である。供給ポンプ111が駆動しない期間は、燃料が反応室112中で滞留するため、滞留時間が長くなり、燃料利用率は高められる。しかし、燃料が供給されない期間中は、時間経過に伴って反応室112内の燃料濃度が減少を続けるため、最大出力と最小出力との差が比較的大きくなる。
第3の運転方法においては、図10に示すように、反応室112への燃料を含む流体のパルス的な供給が停止した後、一定時間経過してから、燃料を含む流体の反応室112からのパルス的な排出を行う。そして、燃料を含む流体の反応室112からの排出が停止するとと同時に、次の燃料を含む流体の供給を行う。
図10のようなパターンで燃料電池100を運転する場合、排出ポンプ117の駆動のインターバルは、図9のパターンに比べて更に長くなる。また、燃料を含む流体の供給に対して、排出が送れているため、新鮮な流体の排出が抑制される。従って、反応室112中での燃料の滞留時間は更に長くなり、燃料利用率は高められる。そのかわり、燃料電池100の出力変動は比較的大きくなる。
第4の運転方法においては、燃料電池の出力安定と、燃料利用率の向上とのバランスを得る観点から、図11のようなパターンで、供給ポンプ111および排出ポンプ117を駆動する。すなわち、反応室112への燃料を含む流体のパルス的な供給に対して、燃料を含む流体の反応室112からのパルス的な排出を遅らせるとともに、供給と排出とをオーバーラップさせる。この場合、排出ポンプ117の駆動のインターバルが短くなるため、燃料利用率は減少するが、反応室112内の燃料濃度は常に高濃度に維持される。
図11のようなパターンによれば、図8のようなパターンで燃料電池100を運転する場合よりも、燃料利用率は高くなる一方、燃料電池の出力変動は、図9および図10のようなパターンで燃料電池100を運転する場合よりも、小さくなる。その結果、燃料利用率と出力とのバランスがとれた燃料電池の運転が可能となる。
上記のように、様々なパターンで燃料電池100の運転を行うことができるため、負荷の状況に応じて、最も適した運転パターンを適宜選択することが可能である。
なお、燃料供給板110に排出ポンプ117を設ける代わりに、燃料出口121よりも下流側に流体を吸引する外部ポンプを設けても、上記第1〜第4の運転方法と同様のパターンの運転を実施することができる。その際、排出ポンプ117の代わりに、燃料を含む流体の逆流を防止する弁を設けてもよい。
燃料電池100は、直接メタノール型燃料電池のような液体燃料を用いる燃料電池として好適であるが、水素のようなガス燃料を用いる燃料電池として用いることもできる。また、供給ポンプ111に噴射ノズルを設け、燃料槽114には燃料を含む流体として液体を蓄えて、液体を反応室112内に噴射するようにしてもよい。この場合、例えば噴射された流体が反応室112内に一定量以上蓄積したときに、排出ポンプ117で流体を反応室112から排出する。
以上のように、本発明によれば、複数の反応室内の燃料濃度または酸化剤濃度や複数の反応室内の圧力に関し、高精度の制御が可能となり、燃料電池の運転効率が向上する。本発明は、特に、直接メタノール型燃料電池のような液体燃料を用いる燃料電池において特に有効である。また、液体燃料を用いる燃料電池は、エネルギー密度が高いため、本発明の燃料電池は、携帯電子機器の電源等として好適である。
一般的な燃料電池の要部の断面図である。 右半分を断面にした状態の本発明に係る燃料電池の燃料供給板側から見た上面図である。 図1のI−I線断面図である。 図1のII−II線断面図である。 本発明に係る燃料電池の燃料供給板側から見た上面図である。 燃料供給板の最外側の壁を除いた状態の本発明に係る燃料電池の燃料供給板側から見た上面図である。 燃料供給板の第1層と第2層とを仕切る隔壁を除いた状態の本発明に係る燃料電池の燃料供給板側から見た上面図である。 本発明に係る燃料電池の第1の運転方法における、燃料電池の出力と、各反応室への流体供給量と、各反応室からの流体排出量と、運転時間との関係を概念的なパターンで示す図である。 本発明に係る燃料電池の第2の運転方法における、燃料電池の出力と、各反応室への流体供給量と、各反応室からの流体排出量と、運転時間との関係を概念的なパターンで示す図である。 本発明に係る燃料電池の第3の運転方法における、燃料電池の出力と、各反応室への流体供給量と、各反応室からの流体排出量と、運転時間との関係を概念的なパターンで示す図である。 本発明に係る燃料電池の第4の運転方法における、燃料電池の出力と、各反応室への流体供給量と、各反応室からの流体排出量と、運転時間との関係を概念的なパターンで示す図である。
符号の説明
11 電解質
12 触媒反応層
13 拡散層
14 拡散電極
15 MEA
16 燃料または酸化剤の流路
17 流体供給板
100 燃料電池
101 アノード
102 カソード
103 高分子電解質膜
110 燃料供給板
111 供給ポンプ
112 反応室
113 側壁
114 燃料槽
115 隔壁
116 燃料流通溝
117 排出ポンプ
118 燃料入口
119 燃料排出溝
120 酸化剤供給板
121 燃料出口
122 酸化剤を含む流体を滞留させる流路

Claims (7)

  1. アノード、前記アノードに燃料を含む流体を供給する燃料供給板、カソード、前記カソードに酸化剤を含む流体を供給する酸化剤供給板、および前記アノードと前記カソードとの間に介在する電解質からなる燃料電池であって、
    前記燃料供給板および前記酸化剤供給板より選ばれる少なくとも一方が、複数の反応室からなり、各反応室は、燃料または酸化剤を含む流体を前記反応室に供給するための入口と、燃料または酸化剤を含む流体を前記反応室から排出するための出口とを有し、
    前記入口および前記出口が、それぞれ流体を移送するためのポンプを有する燃料電池。
  2. 前記複数の反応室が、それぞれ前記アノードまたは前記カソードと対向する開口を有するとともに、前記開口面に対して垂直な側壁で囲まれている請求項1記載の燃料電池。
  3. 前記複数の反応室が、格子状、千鳥格子状またはハニカム状に配列されている請求項2記載の燃料電池。
  4. 運転姿勢において、前記入口が前記出口よりも鉛直方向における上部に位置する請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池。
  5. 前記入口が前記開口と対向する位置に配されており、前記出口が前記側壁に配されている請求項4記載の燃料電池。
  6. 前記入口および前記出口が、それぞれ前記側壁の異なる壁面に配されている請求項4記載の燃料電池。
  7. 前記ポンプを制御するための制御部をさらに有する請求項1記載の燃料電池。
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