JP2012178212A - 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】安定した品質を有し生産性の高い磁気ディスク用ガラス基板の製造方法を提供する。
【解決手段】フロートバス内で溶融金属の上に溶融ガラスを浮かせて板状ガラスに成形する成形工程と、板状ガラスを冷却する冷却工程と、を備えた磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、フロートバスの出口からガラスの温度が歪点となる場所までの板状ガラスの温度降下速度を50℃/min以上とする。
【選択図】図5

Description

本発明は、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法に関する。
磁気ディスク記憶装置等に使用される磁気ディスクの基板としてガラス基板が用いられている(例えば特許文献1)。このガラス基板は中央に円孔を有する円板状のものであり、φ65mmの磁気ディスクでは長さ65mm間で1μm以下という高いレベルでの高低差(Peak to Valley)が求められている。
一般的なガラス基板の製造方法を、φ65mmのガラス基板の製造を例に簡単に説明すると、ガラス基板の製造方法は、ガラスの原料を調合して溶解する溶解工程と、フロートバス内で溶融金属の上に溶融ガラスを浮かせて板状ガラスに成形する成形工程と、該板状ガラスを冷却する冷却工程と、を備える。
図1は、ガラス製造装置を部分的に示す模式図である。
図1に示すガラス製造装置10は、リフトアウトロール26、26…、及びレヤーロール32、32…と、備え、フロートバス14に溜められた溶融錫24の表面から引き出された板状ガラス18は、ドロスボックス16内に配置されたリフトアウトロール26、26…、及びレヤーロール32、32…によってリフトアウト域20からレヤー域30に搬送される。そして、板状ガラス18は、レヤー域30で冷却され、次工程(切断工程)に搬送される。
続いて、該板状ガラスは例えば1000mm×1000mm程度(以下、1000mm
角と呼ぶ。)のガラス素板に切断される。そして、このガラス素板は磁気ディスク基板より僅かに大きい、例えばφ65mmの磁気ディスク用であれば75mm×75mm程度(以下、75mm角と呼ぶ。)のガラス板に切断され、その後、円板状に加工され、ラッピング、ポリッシング等の工程を経て所望の磁気ディスク用ガラス基板、この場合は通常は外径65mm、内径20mmの中央に貫通孔を有するガラス基板が製造される。なお、この例示における75mm角のガラス板のような加工前のガラス板を、以下、加工前ガラス板という。
特開2008−103061号公報
磁気ディスク用ガラス基板の製造工程においては、先に例示したように通常、フロート法で製造されたガラス素板を磁気ディスク用ガラス基板より大きい加工前ガラス板に切断した後、加工前ガラス板の高低差が測定されるなどして品質の安定が図られているが、加工前ガラス板の高低差が悪いと、最終製品の品質の悪化につながるおそれがある。また、加工前ガラス板の高低差に閾値を定め、閾値を満たさない加工前ガラス板を選別し、閾値を満たす加工前ガラス板のみを加工工程に流す場合、高低差の悪い加工前ガラス板が多いと生産性が悪化してしまう。
そこで、本発明は、安定した品質を有し生産性の高い磁気ディスク用ガラス基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を提供するものである。
(1)フロートバス内で溶融金属の上に溶融ガラスを浮かせて板状ガラスに成形する成形工程と、前記板状ガラスを冷却する冷却工程と、を備えた磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
前記フロートバスの出口からガラスの温度が歪点となる場所までの板状ガラスの温度降下速度を50℃/min以上とすることを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
(2)前記板状ガラスの50℃〜350℃の平均熱膨張係数が60×10−7/℃より大きいことを特徴とする(1)に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
(3)前記温度降下速度を60℃/min以上とすることを特徴とする(1)又は(2)に記載の磁気ディス用クガラス基板の製造方法。
(4)前記冷却工程を経た板状ガラスをガラス板に切断する切断工程と、そのガラス板を加工する形状加工工程と、を備え、
前記ガラス板の平均平坦度が5μm以下であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
なお、ここで「前記冷却工程を経た板状ガラスをガラス板に切断する」とは、前記冷却工程を経た板状ガラスを1回または複数回の切断によって、形状加工工程で加工されるガラス板とすることをいい、先の例でいえば、板状ガラスをガラス素板に切断することとそのガラス素板を加工前ガラス板に切断することがあわせてこれに該当し、前記ガラス板は加工前ガラス板である。
また、平均平坦度とは、板状ガラスを幅方向に5分割した各部分から得た加工前ガラス板の平坦度を当該各部分ごとに平均し、そのようにして得られた5個の平均値の平均である。
本発明に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法によれば、フロートバスの出口からガラスの温度が歪点となる場所までの板状ガラスの温度降下速度を50℃/min以上とすることにより、加工前ガラス板の高低差を小さくすことができる。これにより、安定した品質を有し、生産性の高い磁気ディスク用ガラス基板を製造することができる。
フロートバスの出口で板状ガラスが溶融錫から離れると、リフトアウト域及びレヤー域では板状ガラスの幅方向の温度分布が大きくなると考えられる。本発明は、板状ガラスが歪点より高温の状態でこの領域に滞在する時間をできるだけ短くすることにより、フロートバス内の均一な幅方向温度分布により構成された構造状態を保つことができ、その結果、加工前ガラス板の高低差を小さくできるという仮説に基づいてなされたものである。
ガラス製造装置を部分的に示す模式図である。 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法の1例のフロー図である。 Mesa干渉計の原理を説明する模式図である。 平均Mesa平坦度と温度降下速度との関係を示すグラフである。 図4の平均Mesa平坦度を板厚1.1mmに換算して10℃/minの温度降下速度ごとにプロットした図である。
以下、本発明の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法の一実施形態について、図2を参照しながら詳細に説明する。
磁気ディスク用ガラス基板(以下、ガラス基板と呼ぶ。)の製造方法は、典型的に原料調合工程(S1)と、溶解工程(S2)と、成形工程(S3)、冷却工程(S4)と、第1切断工程(S5)と、第2切断工程(S6)と、形状加工工程(S7)と、ラッピング工程(S8)と、研磨工程(S9)と、を備える。なお、本発明は冷却工程(S4)に特徴を有するものであり、他の工程を追加したり省略したり、以下に説明する方法以外の方法を採用することもできる。
原料調合工程(S1)は、所定のガラス原料を調合する工程であり、その後、溶解工程(S2)、成形工程(S3)、冷却工程(S4)が上述したように図1に示すガラス製造装置10で行なわれる。溶解工程(S2)は、原料投入口から投入されたガラス原料を溶解槽で溶解する工程である。成形工程(S3)は、フロートバス14で錫の上にガラスリボンを浮かべることで一定の幅と厚みに成形する工程であり、冷却工程(S4)は、板状ガラスをレヤー域30で冷やすことで内部に歪みをつくらないように板状ガラスを形成する工程である。
続いて第1切断工程(S5)では、板状ガラスを1000mm角のガラス素板に切断し、第2切断工程(S6)では、1000mm角のガラス素板を磁気ディスク基板より僅かに大きい、例えばφ65mmの磁気ディスク用であれば75mm角のガラス板に切断して、加工前ガラス板とする。
形状加工工程(S7)では、加工前ガラス板の中央に貫通孔(内孔)を形成し、φ65mmの円形のガラス板に加工する。そして、切り出した円形のガラス板のエッジに面取り処理を施し、内周および外周を鏡面に研磨する。
ラッピング工程(S8)では、例えば両面加工装置でアルミナ砥粒、ジルコニア砥粒、炭化珪素砥粒、ダイヤモンド砥粒のいずれかを含有する水を主たる分散媒とするスラリーを供給しながら研削し、研磨工程(S9)では、両面加工装置で例えばCeO砥粒を水に分散させたセリアスラリーを供給しながら円形のガラス板の主表面を研磨処理することで、ラッピング工程において円形のガラス板の主表面に形成されていた微細な凹凸形状を低減させ鏡面化された主表面を得ることができる。
磁気ディスク用ガラス基板としては、リチウムシリケートガラス、アルミノシリケートガラス、アルミノリチウムシリケートガラス、アルミノボロシリケートガラス、ソーダタイムガラス、ホウ珪酸ガラス等が使用され、好ましくはアルミノシリケートガラスが使用される。アルミノシリケートガラスのガラス成分としては、モル%表示で、例えば、SiOを57〜74%、ZnOを0〜2.8%、Alを3〜15%、LiOを7〜16%、NaOを4〜14%、を含有する。また、他のアルミノシリケートガラスのガラス成分としては、質量%表示で、SiOを50〜65%、Alを5〜15%、NaOを2〜7%、KOを4〜9%、MgOを0.5〜5%、CaOを2〜8%、ZrOを1〜6%、を含有する。なお、高いヤング率(100GPa以上)を得るためのガラス成分としては、モル%表示で、SiOを45〜65%、Alを0〜15%、LiOを4〜20%、NaOを1〜8%、CaOを0〜21%、MgOを0〜22%、Yを0〜16%、TiOを1〜15%、及び、ZrOを0〜10%を含有する。
また、磁気ディスク用ガラス基板は50℃〜350℃の平均熱膨張係数(平均線膨張係数。以下、この平均線膨張係数をαと記すことがある。)が60×10−7/℃より大きいことが好ましく、65×10−7/℃以上であることがさらに好ましい。磁気ディスク用ガラス基板は、熱膨張係数が大きい金属部材とのマッチングが必要になるため熱膨張係数が比較的大きいことが求められる。このような磁気ディスク用ガラス基板の典型例としては、LiOとNaOとKOのいずれか1成分以上を含有しそれらが総量(以下、総アルカリ量とも呼ぶ。)で12重量%以上である。
しかしながら、成形・冷却する上では高熱膨張のガラスは適切な冷却を行なわないと高低差を悪化させる。そこで本発明では、フロートバスの出口からガラスの温度が歪点となる場所までの板状ガラスの温度降下速度を一般的な温度降下速度である40℃/minよりも早い50℃/min以上に設定している。板状ガラスの温度が歪点になる場所は、レヤー域30内に設けられレヤー域30内の雰囲気温度を定点観測している熱電対等の温度データから求められる。
この温度降下速度は、50℃/min〜100℃/minが好ましく、60℃/min〜90℃/minがさらに好ましく、70℃/min〜85℃/minがさらに好ましい。温度降下速度が100℃/minより速いと板状ガラスに割れの発生するおそれが高くなり、50℃/minより遅いと板状ガラスの高低差が悪化する。
このように製造された板状ガラスを75mm角に切断して得られた加工前ガラス板の高低差すなわち平坦度は測定対象エリアのPV値(最大高さと最小高さすなわち最大谷深さとの差)であり、例えばZYGO社製干渉式平坦度測定機(型式:Zygo GI FLAT(登録商標))を用いて、測定波長(光源)が680nmの条件で位相測定干渉法(フェイズシフト法)を測定原理として測定され、Mesa平坦度(Mesa flatness)と呼ばれるパラメータで表わされる。この測定は、ZYGO社製Mesa干渉計を用いて行なわれている。図3に示すように、Mesa干渉計40は、レーザダイオード光源41が2つの回折格子42を通して、入射角の異なる2つのビームによって試料を照射し、同じ格子が試料から反射された2つのビームを再結合させて干渉パターンを生成し、これをカメラアレイ43方向に向けることで、回折格子42が光源41の波長の約20倍の波長を効率的に生成し、これにより粗さや変形の大きい表面の測定を行うことを可能にするものである。
また、Mesa干渉計40では、試料の測定中、回折格子の1つが圧電変換機(PZT)44で正確に移動され、この結果、基準波面と測定波面との間で一定の位相ずれが生じ、回折格子42が動く間、互いの干渉波面の位相ずれが90度になったときにデータが取得される。そして、所定のソフトウェアでこの位相データを解析することで、試料の表面形状が明らかとなる。
加工前ガラス板の平坦度またはMesa平坦度は、10μm以下が好ましく、6μm以下がさらに好ましく、5μm以下がさらに好ましく、量産するためには平均平坦度、例えば後述する平均Mesa平坦度が5μm以下が好ましく、4μm以下がさらに好ましい。
図1で示したガラス製造装置10のレヤー域30で冷却された板状ガラスを切断して得られたガラス素板を切断して得られる加工前ガラス板たとえば75mm角のガラス板のMesa平坦度は、その加工前ガラス板が板状ガラスの幅方向のどの部分に存在していたかによって異なる可能性がある。そこで本発明者は板状ガラスを幅方向に5分割した各部分から得た加工前ガラス板のMesa平坦度を当該各部分ごとに平均し、その5個の平均値の平均を平均Mesa平坦度として、これを前記温度降下速度に対してプロットしたところ両者の間に図5に示すような関係が存在することを見出した。なお、板厚が異なる加工前ガラス板のMesa平坦度をそのまま前記プロットに用いると板厚ごとに異なるガラスの反りを考慮しないことになるので、本発明では平均Mesa平坦度を板厚1.1mmのものとした。板厚1.1mmのものへの平坦度の換算は、ガラスの反りが板厚の二乗に反比例することから以下の換算式(1)を用いて行う。
(数1)
平坦度′=平坦度・t/t′ (1)
平坦度′は板厚換算したガラス板の平坦度、tは元の板厚、t’は換算する板厚(本発明では、1.1mm)である。
次に、フロートバスの出口からガラスの温度が歪点となる場所までの板状ガラスの温度降下速度と加工前ガラス板のMesa平坦度との関係について説明する。
フロートバスの出口からガラスの温度が歪点となる場所までの板状ガラスの温度降下速度と加工前ガラス板のMesa平坦度との関係について測定するため以下の3つのサンプルを用意した。
サンプル1は、歪点:578℃、α(線膨張係数):91×10−7/℃、板厚:1.1mm、総アルカリ量:18wt%のガラスであり、サンプル2は、歪点:490℃、α:93×10−7/℃、板厚:1.28mm、総アルカリ量:16.4wt%のガラスであり、サンプル3は、歪点:477℃、α:93×10−7/℃、板厚:1.1mm、総アルカリ量:16.2wt%のガラスである。ここで、サンプル1のフロートバスの出口温度は650℃に設定され、サンプル2のフロートバスの出口温度は565℃に設定され、サンプル3のフロートバスの出口温度は565℃に設定された。サンプル1〜3を用いて温度降下速度を変えて冷却して製造された1000mm角のガラス素板を75mm角に切断して、加工前ガラス板とし、加工前ガラス板のφ65mmのガラス基板に加工されるべき領域すなわち直径65mmの円の中央部分から直径20mmの円を除いた領域のMesa平坦度を測定した。
サンプル1は、フロートバスの出口からガラスの温度が歪点となる場所までの板状ガラスの温度降下速度を74℃/min〜86℃/minの範囲内で冷却し、サンプル2は、フロートバスの出口からガラスの温度が歪点となる場所までの板状ガラスの温度降下速度を27℃/min〜46℃/minの範囲内で冷却し、サンプル3は、フロートバスの出口からガラスの温度が歪点となる場所までの板状ガラスの温度降下速度を52℃/min〜97℃/minの範囲内で冷却した。なお、それぞれのサンプル1〜3は、異なる組成からなるガラスであるが、フロートバスの出口からガラスの温度が歪点となる場所までの板状ガラスの粘性はほぼ等しく、ガラスの状態はガラスの温度が歪点以上の領域では粘性に依存するため、これらのサンプル1〜3のデータは、全体として1つのガラスのデータと捉えることもできる。
そして、測定した加工前ガラス板の平均Mesa平坦度と温度降下速度との関係を図4に示す。
図4中、縦軸は平均Mesa平坦度(μm)であり、横軸は温度降下速度(℃/min)である。
図5は、図4の平均Mesa平坦度を1.1mm換算して10℃/minの温度降下速度ごとにプロットした図である。
図5から、温度降下速度が50℃/min未満では6.5μm以上あった平均Mesa平坦度が、温度降下速度が50℃/min以上とすることで急激に改善されており、温度降下速度が50℃/min以上60℃/min未満では平均Mesa平坦度が約4μmであった。また、温度降下速度が60℃/min以上では、平均Mesa平坦度が4μm以下であり、70℃/min以上では、平均Mesa平坦度が3.8μm以下であった。
以上の結果により、温度降下速度を50℃/min以上とすることで加工前ガラス板の平均Mesa平坦度が急激に改善されて約4μmとなり、量産時に安定した品質を確保することができることが分かった。
次に、この測定結果について考察する。
成形工程(S3)では、板状ガラスの底面が溶融錫に接しており、錫は熱容量が大きいことからガラス面内の温度を均一化する効果を持つ。このため、板状ガラスはフロートバス14の出口15までは幅方向の温度分布がつきにくい状態にある。これに対し、リフトアウト域及びレヤー域では、板状ガラスがフロートバス14の出口15で溶融錫から離れるため、板状ガラスの幅方向の温度分布が大きくなると考えられる。従って、このフロートバス14の出口15からガラスの温度が歪点となる場所までの領域をできるだけ短くすることでフロートバス内の均一な幅方向温度分布により構成された構造状態を保つことができ、その結果、加工前ガラス板の高低差すなわち平坦度を小さくできるという仮説が成り立つ。上記測定結果は、この仮説が正しいことを実証するものである。
即ち、本発明では、温度勾配のつきやすいフロートバス14の出口15からガラスの温度が歪点となる場所までの板状ガラスの温度降下速度を早くしたことにより、フロートバス内の均一な幅方向温度分布により構成された構造状態を保つことができ、加工前ガラス板の平坦度が良化していると推定される。
なお、従来は、板状ガラスの温度降下速度はガラス板の反りが大きくなるおそれがあるため40℃/min程度でなされていた。本実施形態ではフロートバス14の出口15からガラスの温度が歪点となる場所までの板状ガラスの温度降下速度を50℃/min以上としたものであるが、74℃/min〜86℃/min及び52℃/min〜97℃/minの温度降下速度であってもガラス板の反りが問題になることはなかった。
以上説明したように本実施形態によれば、フロートバス14の出口15からガラスの温度が歪点となる場所までの板状ガラスの温度降下速度を50℃/min以上とすることにより、平坦度の小さいガラス板を製造することができる。これにより、安定した品質を有する磁気ディスク用ガラス基板の生産性を向上させることができる。
また、磁気ディスク用ガラス基板は、熱膨張係数が大きい金属部材とのマッチングが必要になるため熱膨張係数が比較的大きいことが求められ、50℃〜350℃の平均熱膨張係数が60×10−7/℃より大きいガラスが最適である。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施し得るものである。
例えば、上記実施形態では例えばノートブックパソコン等に用いられるφ65mmのガラス基板の製造を例に説明したが、これに限らず、ポータブルMP3プレーヤなどに用いられるφ48mmの1.8インチ基板等、任意のサイズのガラス基板に適用することができる。
10 ガラス製造装置
14 フロートバス
20 リフトアウト域
26 リフトアウトロール
30 レヤー域
32 レヤーロール
40 Mesa干渉計
41 レーザダイオード光源
42 回折格子
43 カメラアレイ
44 圧電変換機

Claims (4)

  1. フロートバス内で溶融金属の上に溶融ガラスを浮かせて板状ガラスに成形する成形工程と、前記板状ガラスを冷却する冷却工程と、を備えた磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
    前記フロートバスの出口からガラスの温度が歪点となる場所までの板状ガラスの温度降下速度を50℃/min以上とすることを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  2. 前記板状ガラスの50℃〜350℃の平均熱膨張係数が60×10−7/℃より大きいことを特徴とする請求項1に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  3. 前記温度降下速度を60℃/min以上とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  4. 前記冷却工程を経た板状ガラスをガラス板に切断する切断工程と、そのガラス板を加工する形状加工工程と、を備え、
    前記ガラス板の平均平坦度が5μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
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