JP5764618B2 - ガラス基板の製造方法 - Google Patents

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本発明は、磁気ディスク、光ディスク等の記録ディスクに用いられるガラス基板の製造方法に関するものである。
従来より、半導体素子の基板、電界効果型のフラットパネルディスプレイに用いるスペーサ、あるいは磁気ディスク、光ディスク等の記録ディスク基板として、ガラス基板が用いられている。たとえば、磁気ディスク用のガラス基板として、円板の中心部に円孔を有するドーナツ状のガラス基板が用いられる(特許文献1参照)。このガラス基板は、たとえば以下のように製造される。すなわち、はじめに薄く形成したガラス板をコアリングして、ドーナツ状に成形したガラス基板を複数準備する。つぎに、バッチ式の両面研磨装置を用いて、これらのガラス基板を同時に研磨し、表面の面精度を高めるとともにその厚さを所定の規格範囲内に仕上げる(特許文献2参照)。このように複数のガラス基板を同時に研磨することによって生産性を高めている。
ここで、磁気ディスク用のガラス基板については、種々の規格値が規定されている。たとえば、直径が2.5インチ(63.5mm)のガラス基板の場合、厚さの規格値は635μm±10μmである。また、主表面の面精度については、たとえば微少うねりの規格値は0.6nm以下である。なお、微少うねりとは、主表面における波長1.5〜5mmの算術平均うねりのことであり、たとえば表面形状測定機(Phase Shift社製 Optiflat)で測定できるものである。
特開平6−198530号公報 特開平10−241144号公報
上述したように、磁気ディスク用のガラス基板については、主表面の微少うねりが規格として規定されている。従来の製造方法においては、この規格値を満たすために必要な主表面の研磨量が実験等により事前に決定され、少なくとも決定された研磨量以上研磨してガラス基板を製造している。一方で、生産性の向上のために、同時に研磨するガラス基板の数は近年増大しており、たとえば、直径が63.5mmのガラス基板については、100枚以上のガラス基板が同時に研磨されるようになってきている。
ところが、同時に研磨するガラス基板の数が増大するにつれて、事前に決定された量に研磨量を設定しても、製造したガラス基板の中に微少うねりが規格値を満たさないものが増大するようになった。したがって、同時に研磨するガラス基板の数を増大しても生産性が高まらないという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、主表面の微少うねりが規格値を満たすガラス基板をより生産性高く製造できるガラス基板の製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るガラス基板の製造方法は、ガラス基板の製造方法であって、円板状の形状を有し、主表面の微少うねりが4nm以下であり、主表面の平均表面粗さが100nm以下であり、互いの厚さの差が2μm以下である複数のガラス基板を準備するガラス基板準備工程と、前記複数のガラス基板を上下から一括して硬度(アスカーC)が85以上の研磨パッドで挟圧し、粒径が0.1〜0.8μmの研磨砥粒を含む研磨液を用いて、片側の主表面に対する設定研磨量が5μm以上10μm以下であり、主表面の微少うねりが0.6nm以下となるように該複数のガラス基板を同時に研磨するガラス基板粗研磨工程と、前記複数のガラス基板を上下から一括して前記ガラス基板粗研磨工程で用いる研磨パッドよりも硬度(アスカーC)が低い研磨パッドで挟圧し、前記ガラス基板粗研磨工程で用いた研磨液に含まれる研磨砥粒の粒径よりも粒径が小さい研磨砥粒を含む研磨液を用いて、該複数のガラス基板を同時に研磨するガラス基板精密研磨工程と、を含み、ガラス基板を研磨する工程は、前記ガラス基板粗研磨工程と、前記ガラス基板精密研磨工程との2工程のみからなることを特徴とする。
また、本発明に係るガラス基板の製造方法は、上記の発明において、前記ガラス基板粗研磨工程の前記設定研磨量は9μm以上であることを特徴とする。
また、本発明に係るガラス基板の製造方法は、上記の発明において、前記ガラス基板粗研磨工程の前記研磨パッドは、硬度(アスカーC)が95以下であることを特徴とする。
また、本発明に係るガラス基板の製造方法は、上記の発明において、前記ガラス基板精密研磨工程の前記研磨パッドは、硬度(アスカーC)が60〜80であり、前記ガラス基板精密研磨工程の前記研磨液に含まれる研磨砥粒は、粒径が0.01〜0.1μmであることを特徴とする。
また、本発明に係るガラス基板の製造方法は、上記の発明において、前記ガラス基板粗研磨工程の研磨パッドは、ウレタンからなることを特徴とする。
また、本発明に係るガラス基板の製造方法は、上記の発明において、前記複数のガラス基板は、150枚以上であることを特徴とする。
また、本発明に係るガラス基板の製造方法は、上記の発明において、前記ガラス基板準備工程は、母材ガラス板を加熱して軟化し所望の厚さに延伸するリドロー法を用いてガラス板を形成するガラス板準備工程と、前記形成したガラス板から前記複数のガラス基板を成形するガラス基板成形工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、主表面の微少うねりが規格値を満たすガラス基板をより生産性高く製造できるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態に係るガラス基板の製造方法のフロー図である。 図2は、リドロー法を実施するための加熱延伸装置の一例の模式的な斜視図である。 図3は、ガラス基板の上面および側断面を示す図である。 図4は、両面同時研磨機の側面の一部を示す概略図である。 図5は、上定盤を取り外した状態の両面同時研磨機の平面概略図である。 図6は、研磨パッドが厚さの異なるガラス基板を挟圧する状態を模式的に示す図である。 図7は、粗研磨後のガラス基板の上面および側断面を示す図である。
以下に、図面を参照して本発明に係るガラス基板の製造方法の実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に係るガラス基板の製造方法のフロー図である。本実施の形態に係るガラス基板の製造方法は、直径63.5mmの磁気ディスク用のガラス基板の製造方法であって、図1に示すように、はじめに、ガラス基板準備工程として、互いの厚さの差が2μm以下であるガラス板を複数枚準備し(ステップS101)、準備した各ガラス板をコアリングして、各ガラス板からドーナツ状のガラス基板を複数枚成形する(ステップS102)。これによって、互いの厚さの差が異なり、かつその差が2μm以下である複数のガラス基板を準備する。つぎに、ガラス基板研磨工程として、ステップS102において成形した各ガラス基板を、上下から一括して研磨パッドで挟圧し該複数のガラス基板を同時に研磨する粗研磨工程を行い、つづいて、ステップS103において研磨した各ガラス基板をさらに同時に研磨する精密研磨工程を行い(ステップS104)、製品となるガラス基板を製造する。
ここで、本実施の形態においては、粗研磨工程として、片側の主表面に対する設定研磨量が9μm以上になるように研磨を行う。これによって、同時研磨に供されるすべてのガラス基板が、確実に所定の研磨量、すなわち主表面の微少うねりが規格値を満たすようにするのに必要な研磨量だけ研磨される。その結果、主表面の微少うねりが規格値を満たすガラス基板をより生産性高く製造できる。なお、研磨時間をできるだけ減らし、さらに生産性をあげるためには、粗研磨工程における設定研磨量が10μm以下になるように研磨することが好ましい。
以下、各工程について具体的に説明する。まず、ステップS101のガラス板の準備については、たとえば、フロート法等を用いて製造した母材ガラス板を加熱して軟化し、所望の厚さに延伸するリドロー法を用いれば、厚さのばらつきが小さいガラス板を比較的容易に製造できるので、互いの厚さの差が2μm以下であるガラス板を容易に準備できるので好ましい。
図2は、リドロー法を実施するための加熱延伸装置の一例の模式的な斜視図である。この加熱延伸装置100は、ヒータ101a〜101cを有し母材ガラス板1を加熱する加熱炉101と、加熱炉101に母材ガラス板1を送り込む母材送り機構102と、加熱炉101からガラス条2を引き出す引き取り機構103a、103bと、ガラス条2の表面に溝を形刻して切断し、所定の長さのガラス板3を成形するためのカッター104とを備える。ガラス板3は、母材ガラス板1を加熱炉101によって加熱、延伸して所定の厚さに形成したガラス条2を、所定の長さに切断して成形される。
このガラス板3は、研磨工程を簡略化、短時間化するためには、表面が鏡面であるものが好ましい。たとえば、ガラス板3の平均表面粗さであるRaが100nm以下であれば表面が鏡面であり好ましく、さらに、Raが10nm以下、特には1nm以下であることが一層好ましい。なお、リドロー法を用いれば、このようなRaが小さいガラス板3を比較的容易に製造できる。なお、本明細書において平均表面粗さとは、JIS B0601:2001の粗さ曲線の算術平均高さによるものである。また、母材ガラス板1の材料としては、アモルファスガラスや結晶化ガラスなどのガラスセラミックスを用いることができる。なお、成形性や加工性の観点からアモルファスガラスを用いることが好ましく、たとえば、アルミノケイ酸ガラス、ソーダライムガラス、ソーダアルミノケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、風冷または液冷等の処理を施した物理強化ガラス、化学強化ガラスなどを用いることが好ましい。
つぎに、ステップS102のドーナツ状のガラス基板の成形については、たとえば特許文献1に開示された公知のコアリング工程によってガラス板3をコアリングすることによって実施することができる。その結果、図3に上面および側断面を示すような、主表面4a、4bを有し、中央部に円孔4cが形成されたドーナツ状のガラス基板4が成形される。ここで、ガラス基板4の厚さt1はたとえば645〜647μmであり、その平均厚さは646μmであり、互いの厚さの差が2μm以下である。
つぎに、ステップS103の粗研磨工程においては、たとえば図4、5に示す市販のバッチ式の両面同時研磨機を用いて実施することができる。ここで、図4は両面同時研磨機の側面の一部を示す概略図である。図4に示すように、この両面同時研磨機200は、鋳鉄製の上定盤201および下定盤202と、複数のガラス基板4を上定盤201と下定盤202との間に保持するキャリアー205と、上定盤201および下定盤202のガラス基板4との接触面に取り付けられた、ポリウレタン等からなる研磨パッド203、204とを備える。
そして、この両面同時研磨機200は、キャリアー205によって上定盤201と下定盤202との間に複数のガラス基板4を保持し、上定盤201と下定盤202とによって各ガラス基板4を所定の加工圧力で挟圧する。すると、各ガラス基板4は上下から一括して研磨パッド203、204によって挟圧される。つぎに、研磨パッド203、204と各ガラス基板4との間に研磨液を所定の供給量で供給しながら、上定盤201と下定盤202とを軸Aを回転軸として互いに異なる向きに回転させる。これによって、ガラス基板4は研磨パッド203、204の表面を摺動し、両表面を同時に研磨する。
図5は、上定盤201を取り外した状態の両面同時研磨機200の平面概略図である。図5に示すように、本実施の形態では、15枚のガラス基板4を保持できるキャリアー205を10個用いており、150枚のガラス基板4を同時にセットできる。なお、同時研磨の枚数は、150枚以下で適宜設定でき、キャリアー等を変更すれば、150枚より多くすることもできる。また、キャリアー205の外周部に設けられた歯車は、太陽車206の外周部に設けられた歯車とインターナルギア207とに噛合している。その結果、各キャリアー205はその中心を軸として回転しながら、軸Aを中心として太陽車206の周囲を移動し、キャリアー205に保持された150枚のガラス基板4は両表面が一様に同時研磨される。
つぎに、ステップS104の精密研磨工程については、両面同時研磨機200の研磨パッド203、204を、より軟質の精密研磨用の研磨パッドに取り替え、粒径がより小さいたとえばコロイダルシリカからなる研磨砥粒を含む研磨液を供給しながら、上記研磨パットを用いてガラス基板4を研磨する。これによって、ガラス基板4の主表面は鏡面に研磨される。なお、精密研磨工程における研磨量は1μm程度であり、ガラス基板4の微小うねりはステップS103の粗研磨工程でほぼ決定される。
ここで、ステップS103においては、片側の主表面に対する合計の設定研磨量が9μm以上になるように研磨を行う。なお、設定研磨量とは、厚さのばらつきがほとんどない複数のガラス基板または単一のガラス基板において事前に実験等により得られた研磨速度より算出される主表面の研磨量であり、研磨時間を調整することによってこの設定研磨量を調整することができる。上述したように、各ガラス基板4は、互いの厚さの差が2μm以下であるため、設定研磨量が9μm以上になるように研磨を行うことによって、各ガラス基板4の主表面の微少うねりが確実に0.6nm以下となる。その理由について以下に説明する。
図6は、研磨パッド203、204が厚さの異なるガラス基板41、42を挟圧する状態を模式的に示す図である。図6に示すように、ガラス基板41、42は厚さがそれぞれ厚さt11、t12であるが、厚さにばらつきがあり、差Δtだけ異なっているとする。ここで、図6に示すように、研磨パッド203、204は所定の弾性を有するため、ガラス基板41、42の厚さに応じてその表面形状が変形する。また、このような研磨パッド203、204の弾性のため、上定盤201と下定盤202とによって所定の加工圧力を印加しても、より厚いガラス基板42の方がより高い加工圧力を受ける。その結果、より厚いガラス基板42が先に研磨され、ガラス基板42が差Δt程度研磨されてガラス基板41、42の厚さが同程度になった後で、ガラス基板41が研磨されることとなる。その結果、差Δtが大きいと、より薄いガラス基板41の研磨量が、設定した研磨量よりも小さくなるため、ガラス基板41は、研磨量の不足によって主表面の微少うねりが規格値を満たさないものとなる。また、同時研磨するガラス基板の枚数が増大すると、これにともなってガラス基板の厚さのばらつきも通常大きくなるため、研磨量が不足するガラス基板も増大する。
しかしながら、本実施の形態のように、互いの厚さの差が2μm以下である複数のガラス基板を準備し、これを上下から一括して研磨パッドで挟圧し、片側の主表面に対する設定研磨量が9μm以上になるように同時に研磨することによって、同時研磨に供されるすべてのガラス基板が、確実に所定の研磨量、すなわち主表面の微少うねりが規格値を満たすようにするのに必要な研磨量だけ研磨される。その結果、主表面の微少うねりが規格値を満たすガラス基板をより生産性高く製造できる。なお、後述する本発明者らの実験によれば、厚さのばらつきがほとんどない複数のガラス基板を微少うねりが0.6nm以下となるように研磨する場合、上記所定の研磨量は5μm程度である。
図7は、粗研磨後のガラス基板5の上面および側断面を示す図である。図7に示すように、このガラス基板5は、主表面5a、5bを有し、中央部に円孔5cが形成されたドーナツ状のガラス基板であり、厚さt2は精密研磨後に635μm±10μmとなるような厚さであり、主表面5a、5bの微少うねりは0.6nm以下となっている。
なお、ステップS103において、研磨パッド203、204として、硬度(アスカーC)が85以上の硬質の材質、たとえばポリウレタンからなる硬質研磨パッドを用い、研磨液として、粒径が0.1〜0.8μmのたとえば酸化セリウムからなる研磨砥粒を含むものを用いることができる。このような粒径の研磨砥粒と硬質研磨パッドとを組み合わせることによって、ガラス基板4のダブオフ値を0〜9nm程度に抑制しながら、基板の面精度および平坦度とを改善できる研磨を行うことができる。ここで、ダブオフ値とは、ガラス基板の外周端部における主表面の隆起または沈降(ダブオフ)を示す値である。なお、硬度(アスカーC)とは日本ゴム協会標準規格(準拠規格:SRIS0101)に定める測定方法で測定した値である。以降、本明細書における硬度は、特に記載のない限りこれに準ずるものとする。また、用いる研磨パッド203、204は、ポリウレタンに限らず、硬度が85以上の硬質の材質からなるものであればよい。さらに研磨中の表面欠陥の発生を考慮すれば、硬度95以下が好ましい。さらに、これにつづいて、ステップS104において、硬度が60〜80の材質、たとえば発泡ウレタンからなる軟質の研磨パッドを用い、粒径が0.01〜0.1μmのたとえばコロイダルシリカからなる研磨砥粒を含む研磨液を用いれば、ガラス基板4のダブオフ値をより良好なものとできる。
以上説明したように、本実施の形態に係るガラス基板の製造方法によれば、主表面の微少うねりが規格値を満たすガラス基板をより生産性高く製造できる。
以下に、本発明の実施例、比較例、および参考例を示す。なお、これによりこの発明が限定されるものではない。以下の各例では、リドロー法を用いて、幅90mm、長さ10m以上のアルミノシリケートガラスからなるガラス板を製造し、このガラス板をコアリングして、外径が65mm、円孔の内径が20mmのドーナツ状のガラス基板を成形した。さらに、成形したガラス基板の中からガラス基板を所定枚数選別し、これらのガラス基板を図4、5に示す両面同時研磨機にセットし、上記実施の形態と同様の粗研磨工程を各例ごとに同時に行った。
なお、粗研磨工程においては、硬度が87のウレタン研磨パッド(浜井産業社製:HPC−90D)と、粒径が0.1〜0.4μmで平均粒径が0.19μmの酸化セリウム研磨砥粒に水を加えて遊離砥粒とした研磨液とを用いた。また、粗研磨工程におけるその他の研磨条件としては、研磨定盤の回転数を25rpm、研磨液供給速度を1500cc/分、加工圧力を120g/cm2とした。このとき、研磨速度は0.32μm/minであった。なお、研磨速度は、研磨前後のガラス基板の重量差により片面あたりの研磨した厚さを求め、そこから研磨時間を用いて換算したものである。
Figure 0005764618
表1は、各実施例、比較例、および参考例の製造条件、特性、微少うねりについての良否の判断等を示した図である。以下、表1に基づいて各例を説明する。
(参考例1〜3)
参考例1〜3として、成形したガラス基板の中から、厚さの平均値が643μmであって、厚さの差が略0μm、すなわち厚さのばらつきがほとんどないガラス基板を25枚選別した。研磨前にこれらのガラス基板の微少うねりを測定したところ、それぞれの最大値が4nm(参考例1、2)、0.5nm(参考例3)であった。なお、ここでいう「最大値」とは、ガラス基板1枚の測定領域における平均値の、同条件で研磨した複数のガラス基板中の最大値である。また、微少うねりは、表面形状測定機(Phase Shift社製 Optiflat)で測定したものであり、測定方法の詳細は、特開2000−348330に記載の測定方法と同じである。つぎに、これらのガラス基板を両面同時研磨機にセットし、粗研磨工程を各参考例ごとに行った。なお、片側の主表面に対する設定研磨量をそれぞれ5μm(参考例1)、4μm(参考例2)、3.5μm(参考例3)とした。
研磨後の各ガラス基板の特性を測定したところ、その厚さはいずれも規格値である635μm±10μmを満たすものであった。なお、厚さの平均値はそれぞれ633μm(参考例1)、635μm(参考例2)、636μm(参考例3)であった。一方、微少うねりについては、参考例1では各ガラス基板の最大値が0.5nmであり全てのガラス基板が規格を満たしていたが、参考例2では最大値が0.7nmであり、規格を満たさないガラス基板があった。すなわち、研磨前のガラス基板の厚さにばらつきが無い場合には、確実に微少うねりが規格を満たすようにするには、設定研磨量の設定値を5μm以上とすべきことが確認された。なお、参考例3では、研磨により微少うねりの最大値が0.5nmから0.6nmに増大している。この結果は、もともとの微少うねりが小さくても、さらに小さくするには設定研磨量をある程度の大きさの値に設定することが好ましいことを示している。
(実施例1、2)
実施例1、2として、成形したガラス基板の中から、厚さの平均値が646μmであって、厚さの差の最大値が2μmのガラス基板を150枚選別した。研磨前にこれらのガラス基板の微少うねりを測定したところ、それぞれの最大値がいずれも4nmであった。つぎに、これらのガラス基板を両面同時研磨機にセットし、粗研磨工程を各実施例ごとに行った。なお、片側の主表面に対する設定研磨量をそれぞれ10μm(実施例1)、9μm(実施例2)とした。
研磨後の各ガラス基板の特性を測定したところ、その厚さはいずれも規格値である635μm±10μmを満たすものであった。なお、厚さの平均値はそれぞれ626μm(実施例1)、628μm(実施例2)であった。一方、微少うねりについては、実施例1、2のいずれも最大値が0.5nmであり、全てのガラス基板が規格を満たしていた。
(比較例1)
比較例1として、成形したガラス基板の中から、厚さの平均値が646μmであって、厚さの差の最大値が4μmのガラス基板を150枚選別した。研磨前にこれらのガラス基板の微少うねりを測定したところ、最大値が4nmであった。つぎに、これらのガラス基板を両面同時研磨機にセットし、粗研磨工程を行った。なお、片側の主表面に対する設定研磨量を10μmとした。研磨後の各ガラス基板の特性を測定したところ、その厚さはいずれも規格値である635μm±10μmを満たすものであり、平均値は626μmであったが、微少うねりの最大値は0.8nmであり、規格を満たさないガラス基板があった。
(比較例2)
比較例2として、成形したガラス基板の中から、厚さの平均値が646μmであって、厚さの差の最大値が2μmのガラス基板を150枚選別した。研磨前にこれらのガラス基板の微少うねりを測定したところ、最大値が4nmであった。つぎに、これらのガラス基板を両面同時研磨機にセットし、粗研磨工程を行った。なお、片側の主表面に対する設定研磨量を8μmとした。研磨後の各ガラス基板の特性を測定したところ、その厚さはいずれも規格値である635μm±10μmを満たすものであり、平均値は630μmであったが、微少うねりの最大値は0.8nmであり、規格を満たさないガラス基板があった。
すなわち、研磨前のガラス基板の厚さにばらつきが無い場合には、確実に微少うねりが規格を満たすようにするには、設定研磨量の設定値を5μm以上とすべきであったが、研磨前のガラス基板の厚さに2μm以内のばらつきがある場合は、設定研磨量の設定値を9μm以上とすべきことが確認された。
なお、上記実施の形態では、リドロー法を用いて製造したガラス板を用いる場合について説明したが、たとえば溶融ガラスを原料としたフロート法、フュージョン法、ダウンドロー法などの公知の方法を用いて製造したガラス板を用いることもできる。また、ガラス基板の準備工程の追加の一工程として、ガラス基板を成形した後に、ガラス基板の厚さを調整するラッピング工程を行なってもよい。また、上記実施の形態では、互いの厚さの差が2μm以下のガラス板を複数枚準備し、これからガラス基板を成形していたが、ガラス板からガラス基板を複数枚成形した後に、その中から互いの厚さの差が2μm以下であるガラス基板を選別してもよい。また、上記実施の形態では、研磨工程が粗研磨工程と精密研磨工程との2段階の工程を含むものであったが、ガラス基板の他の規格値を満たすために、より多段の研磨工程を含む研磨工程を適宜行ってもよい。
また、上記実施の形態は、磁気ディスク用のガラス基板の製造方法に係るものであったが、本発明はこれに限らず、光ディスク、光磁気ディスク等の他の記録ディスク用のガラス基板の製造にも適用できるものである。
1 母材ガラス板
2 ガラス条
3 ガラス板
4、5、41、42 ガラス基板
4a、4b、5a、5b 主表面
4c、5c 円孔
100 加熱延伸装置
101 加熱炉
101a〜101c ヒータ
102 母材送り機構
103a、103b 引き取り機構
104 カッター
200 両面同時研磨機
201 上定盤
202 下定盤
203、204 研磨パッド
205 キャリアー
206 太陽車
207 インターナルギア
A 軸
S101〜S104 ステップ
t1、t2、t11、t12 厚さ
Δt 差

Claims (5)

  1. ガラス基板の製造方法であって、
    円板状の形状を有し、主表面の微少うねりが4nm以下であり、主表面の平均表面粗さが100nm以下であり、互いの厚さの差が2μm以下である複数のガラス基板を準備するガラス基板準備工程と、
    前記複数のガラス基板を上下から一括して硬度(アスカーC)が85以上の研磨パッドで挟圧し、粒径が0.1〜0.8μmの研磨砥粒を含む研磨液を用いて、片側の主表面に対する設定研磨量が9μm以上10μm以下であり、主表面の微少うねりが0.6nm以下となるように該複数のガラス基板を同時に研磨するガラス基板粗研磨工程と、
    前記複数のガラス基板を上下から一括して前記ガラス基板粗研磨工程で用いる研磨パッドよりも硬度(アスカーC)が低い研磨パッドで挟圧し、前記ガラス基板粗研磨工程で用いた研磨液に含まれる研磨砥粒の粒径よりも粒径が小さい研磨砥粒を含む研磨液を用いて、該複数のガラス基板を同時に研磨するガラス基板精密研磨工程と、
    を含み、
    ガラス基板を研磨する工程は、前記ガラス基板粗研磨工程と、前記ガラス基板精密研磨工程との2工程のみからなり、
    前記ガラス基板準備工程は、母材ガラス板を加熱して軟化し所望の厚さに延伸するリドロー法を用いてガラス板を形成するガラス板準備工程と、前記形成したガラス板から前記複数のガラス基板を成形するガラス基板成形工程と、を含む
    ことを特徴とするガラス基板の製造方法。
  2. 前記ガラス基板粗研磨工程の前記研磨パッドは、硬度(アスカーC)が95以下であることを特徴とする請求項1に記載のガラス基板の製造方法。
  3. 前記ガラス基板精密研磨工程の前記研磨パッドは、硬度(アスカーC)が60〜80であり、前記ガラス基板精密研磨工程の前記研磨液に含まれる研磨砥粒は、粒径が0.01〜0.1μmであることを特徴とする請求項1または2に記載のガラス基板の製造方法。
  4. 前記ガラス基板粗研磨工程の研磨パッドは、ウレタンからなることを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載のガラス基板の製造方法。
  5. 前記複数のガラス基板は、150枚以上であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載のガラス基板の製造方法。
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