JP2009259309A - 磁気記録媒体用基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】反りがなく、表面の平滑性が高い磁気記録媒体用基板を、高い生産性で、低コストで製造することが可能な磁気記録媒体用基板の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の磁気記録媒体用基板の製造方法は、板状のガラス母材1を加熱して軟化するとともに、ガラス母材1を空間中で下方に引っ張りながら熱延してガラス薄板5を形成するガラス薄板形成工程と、ガラス薄板5から円盤状のガラス基板を切り出すガラス基板形成工程と、前記円盤状のガラス基板に研削および/または研磨の表面加工を施す表面加工工程と、を具備してなることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ハードディスクドライブ等に用いられる磁気記録媒体に関し、さらに詳しくは、磁気記録媒体に用いられる基板の製造方法に関する。
磁気記録媒体としては、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスクといった様々なディスクが使用されているが、特に大容量の磁気記録媒体としてはハードディスクドライブ等の磁気ディスクが使用されている。この磁気ディスクのための基板としては、アルミニウム合金基板又はガラス基板が使用されている。ガラスを磁気ディスクの基板として用いる場合、その硬度、表面平滑性、剛性、耐衝撃性に関して、一般にアルミニウム合金基板よりも優れている。
磁気記録媒体に用いられるガラス基板は、その外形は中央に開口部を有する円盤状である。このガラス基板の開口部には、回転モータのスピンドルが挿入され、磁気記録媒体はこの回転モータによって高速回転され、磁気記録媒体表面を浮上する磁気記録再生ヘッドにより、磁気記録媒体に情報が読み書きされる。
磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法としては多くの方法が提案されているが、その製造方法は2つの方法に大別される。
先ず、第1の製造方法は、大きな板状のガラス板から円盤状の基板を切り出す方法である。ガラス板の製造方法としては、ガラス板を垂直下方に引き抜くダウンドロー方式が知られている。ダウンドロー方式には、溶融ガラスをくさび状成形体の両側面に沿って流下させて、成形体の下端部で合流させて、徐々に冷却しながら引っ張りローラ等により下方に引っ張ることによりガラス板の成形を行うものがある(例えば、特許文献1参照。)。
第2の製造方法は、溶融ガラスから成形型を用いて直接プレス成形する方法、すなわちダイレクトプレス法である。この方法は、離型剤層を成形面に形成した上下の成形型を用いて、この成形型の間に軟化させた原料ガラスを挟んでプレスし、ガラスの軟化点以下である温度において、上下型とガラスとが熱的に平衡となるまで充分な時間プレスすることにより、反りの小さな円盤状ガラス基板を製造する方法である(例えば、特許文献2参照。)。
上記の方法で製造された円盤状のガラス基板は、その後、表面及び端面の研削および研磨加工が施される。ガラス基板の表面加工は、一般的には、1次研削加工、2次研削加工、研磨加工の3段階により構成され、研磨加工は、1次研磨加工、2次研磨加工の2段階で行われる場合もある(例えば、特許文献3参照。)。
なお、以上のガラス材の加工方法は、何れも板状のガラスの加工方法であるが、ガラスファイバーやガラス管の製造方法として、リドロー成形法が知られている。リドロー成形法とは、相似する形状のガラス材を熱延して所望の形状に成形する方法である(例えば、特許文献4)。
特開平2−225326号公報 特開平5−105458号公報 特開2000−339672号公報 特開2005−53754号公報
しかしながら、最近では磁気記録媒体の高密度化の要求が高まり、従来に比べ、より反りが小さく表面の平滑性の高い基板が求められている。特にMRヘッドに対応可能な磁気記録媒体用基板には高い平坦性を有することが要求されている。
前述のプレス成形により得られたガラス基板は、薄板であるため、プレス型から解放された際に反りが発生しやすく、その反りを解消するため多段の研削加工および研磨加工を施す必要があった。
また、ダウンドロー方式で製造されたガラス板を用いる場合についても、ガラス板の表面の平滑性が悪く、磁気記録媒体用基板としての高い平滑性を得るために多段の研削加工および研磨加工を施す必要があり、結果として、研削・研磨時間が長くなり、磁気記録媒体用基板の量産性の悪化、コストアップにつながっていた。
本願発明は、上記事情を鑑みてなされたものであって、反りがなく、表面の平滑性が高い磁気記録媒体用基板を、高い生産性で、低コストで製造することがきできる磁気記録媒体用基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意努力検討した結果、磁気記録媒体用基板の基となるガラス板としてリドロー成形法で製造したガラス板を使用することにより、ガラス板の反りを減らし、またガラス表面の平滑性を容易に高めることが可能となること、これにより、従来の基板の加工方法では必須であった研削加工を省略でき、磁気記録媒体用基板の生産性を著しく高めることが可能となることを見出し、本願発明を完成させた。すなわち、本願発明は以下に関する。
〔1〕 板状のガラス母材を加熱して軟化するとともに、前記ガラス母材を空間中で下方に引っ張りながら熱延してガラス薄板を形成するガラス薄板形成工程と、前記ガラス薄板から円盤状のガラス基板を切り出すガラス基板形成工程と、前記円盤状のガラス基板に研削および/または研磨の表面加工を施す表面加工工程と、を具備してなることを特徴とする磁気記録媒体用基板の製造方法。
〔2〕 前記ガラス薄板形成工程において、前記ガラス薄板の板厚が、前記表面加工工程後の前記ガラス基板の板厚に対して+10%以下であり、かつ、前記ガラス薄板の表面粗さ(Ra)を2nm以下に加工することを特徴とする前記〔1〕に記載の磁気記録媒体用基板の製造方法。
〔3〕 前記表面加工工程は、研磨加工のみであることを特徴とする前記〔1〕または〔2〕に記載の磁気記録媒体用基板の製造方法。
〔4〕 前記研磨加工が、1段であることを特徴とする前記〔3〕に記載の磁気記録媒体用基板の製造方法。
本願発明の磁気記録媒体用基板の製造方法によれば、反りがなく、表面の平滑性が高い磁気記録媒体用基板を、高い生産性で、低コストで製造することができる。すなわち、磁気記録媒体用ガラス基板の製造に際して、表面加工前の基板の反りを減らし、かつ、表粗さを格段に向上させることが可能となる。そのため、基板表面の研削加工、研磨加工を減らすことが可能となり、磁気記録媒体用ガラス基板の生産性を著しく高めることが可能となる。
以下、本願発明の磁気記録媒体用基板の製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本願発明の磁気記録媒体用基板の製造方法は、板状のガラス母材を加熱して軟化するとともに、前記ガラス母材を空間中で下方に引っ張りながら熱延してガラス薄板を形成するガラス薄板形成工程と、前記ガラス薄板から円盤状のガラス基板を切り出すガラス基板形成工程と、前記円盤状のガラス基板に研削および/または研磨の表面加工を施す表面加工工程と、から概略構成されている。
「ガラス薄板形成工程」
本願発明の磁気記録媒体用基板の製造方法は、その基となるガラス薄板の形成方法として、板状のガラス材を加熱して軟化し、このガラス材を空間中で下方に引っ張りながら熱延する方法を採用することを特徴とする。この方法はリドロー成形法ともよばれが、図1を参照しながら詳細に説明する。
(リドロー成形法)
図1に示すように、リドロー成形前のガラス母材1は、横方向がガラス材の板厚方向、縦方向がガラス材面方向である。ガラス母材1の断面は成形する磁気記録媒体用基板の断面と相似する形状とする。ガラス母材1の上方の端部は母材支え2によって保持され、ガラス母材1の下方の端部は自由端となっている。
本願発明の製造方法では、ガラス母材1の下方端部を加熱ヒータ3により溶融状態にする。そして、溶融したガラス材は重力により下方に垂れ下がるが、この垂れ下がったガラス材を引っ張りローラ4により下方に引っ張り、ガラス母材1を熱延することにより、ガラス母材1と相似形状断面を有するガラス薄板5を製造することができる。
このようなガラス薄板形成方法を採用することにより、表面の平滑性が高く、歪みや反りの少ないガラス薄板を容易に製造することが可能となる。すなわち本願発明の方法を採用した場合、ガラス母材1の表面を平滑にすることにより、その母材から引き伸ばされて製造されたガラス薄板5もその表面が平滑となる。またガラス薄板5の表面は自由表面の状態で凝固するため、プレス法のようにプレス型の表面がガラス面に転写されることがない。さらに、ガラスが凝固する最中に外部から力が加わることがないため凝固するガラスに歪みの入ることがなく、ガラスが反ることもない。なお、ガラス薄板5の上部は引っ張りローラ4に接しているが、この箇所でガラスは溶融状態のため、この箇所でガラス薄板5に歪み等が入ることもなく、またローラ表面の凹凸がガラス薄板に転写されることもない。
本願発明において、リドロー成形法によるガラス薄板5の形成に際し、ガラス母材1の厚さ、ガラス母材1の下端の加熱温度、また溶融したガラス母材1の引っ張り速度は、ガラス母材1の種類、厚さ、製造するガラス薄板5の厚さにもよるが、外径2.5インチの磁気記録媒体用基板の厚さは約0.635mmであるため、ガラス母材1の厚さは数mm〜数cm、ガラスの溶融温度は700℃〜950℃、引っ張り速度は1〜10m/分の範囲内から適宜選択することができる。
「ガラス基板形成工程」
次に、このガラス薄板5から中央に開口部のある円盤状のガラス基板を切り出す。ガラス薄板5から円盤状のガラス基板を切り出す方法は、ダイヤモンド砥石も用いたホールソーを用いた機械加工や、レーザー加工等の公知の方法を用いることができる。
「表面加工工程」
続いて、この円盤状のガラス基板に研削および/または研磨の表面加工を施す。本願発明で研削(ラップ)加工とは、ガラス基板を磁気記録媒体用基板に求められる所定の形状、寸法に仕上げることを指す。この工程でガラス基板を所定の平坦度および面粗度に整えることにより、次の研磨工程をスムーズ行うことが可能となる。本願発明の磁気記録媒体用基板の研削加工には、固定砥粒方式のラップ盤を用いる方法、遊離砥粒と定盤を用いる方法がある。
一方、研磨(ポリッシング)加工とは、研削された加工物をナノレベルで鏡面加工することを指す。この工程でガラス基板は、最終製品で要求される精度に仕上げられる。磁気記録媒体用基板の研磨加工には、遊離砥粒と定盤による方法が用いられる。
上記のように、研削加工と研磨加工とでは、その加工方法においてオーバーラップする場合がある。本願発明では便宜的に、最終仕上げを行う最後の加工を研磨加工とし、それ以外の固定砥粒方式の加工を研削加工とする。
またそれ以外の遊離砥粒を用いた加工で、加工前のガラス基板の板厚が、加工後の板厚に対して+10%以下の加工を研磨加工、+10%より大きい加工を研削加工として定義する。例えば、外径2.5インチの磁気記録媒体用ガラス基板において、最終製品の板厚が0.635mmの場合、最終工程以外の加工で加工時の両表面での取り代の合計が約0.06mm(片面では約0.03mm)より大きい場合は研削加工、約0.06mmより小さい場合は研磨加工となる。
なお、遊離砥粒を用いた加工では、研磨加工の途中で研磨スラリーを変更する場合がある。この場合は、研磨スラリーが変更された段階で次の段の加工が行われたと解釈する。
研削加工には、数ミクロン〜20ミクロンのダイヤモンド粒を用いたダイヤモンドラップ盤を用いることができる。また、ダイヤモンドの代わりに、同じ粒径範囲の立方晶BN、SiC、Al等を用いることもできる。
研磨加工には、遊離砥粒として用いる研磨スラリーとして、セリア研磨材及びシリカ研磨材を水等の分散媒に分散させたものを用いることができる。
研磨スラリーのために使用できるセリア研磨材は、一般に商業的に入手可能であり、例えば0.1μm〜5μm、特に0.2μm〜1.5μmの平均粒径を有することができる。
研磨スラリーのために使用できるシリカ研磨材は、フュームドシリカ、沈降シリカ、コロイダルシリカ等として一般に商業的に入手可能であり、特にコロイダルシリカを用いることができる。このコロイダルシリカは、例えば0.01μm〜0.2μmのものを用いることができるが、この中で特に平均粒径0.02μm(20nm)程度のものを用いることが好ましい。
研磨スラリーのために用いることができる分散媒としては、水、有機溶媒、例えば水溶性有機溶媒が挙げることができ、水は好ましい分散媒である。水溶性有機溶媒としては、メタノール、エタノールのようなアルコール類を挙げることができる。
研磨スラリーは随意に分散剤としての界面活性剤を含有することができ、この界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤等や両性イオン界面活性剤、又はそれらの組み合わせを挙げることができる。
研磨スラリーは特に、結晶質相部分と非晶質相部分とを有する結晶化ガラス基板の研磨のために有用である。これは、研磨スラリーのセリア研磨材が、結晶化ガラス基板の非晶質相部分に対して化学及び機械的な作用によって良好な研磨作用を発揮し、且つ研磨スラリーのシリカ研磨材が、セリア研磨材のみによっては迅速な研磨が達成できない結晶質相部分に対しても、機械的な作用によって良好な研磨作用を発揮することによる。
また、シリカ研磨材は硬度が大きすぎず、従って結晶化ガラス基板の表面にマイクロスクラッチなどを発生させにくい。また更に、研磨スラリーでは、研磨材を低濃度で用いて良好な研磨性能を発揮できるので、研磨スラリーのコストを低減させることができる。
研磨スラリーを用いてガラス基板の研磨を行う場合、研磨布を張った上下定盤を研磨部材として用いて、キャリアによって保持された複数のガラス基板をこれらの研磨部材の間に挟持させ、上下定盤を回転させることによって、ガラス基板の両面を同時に研磨加工することができる。また研磨スラリーは、ブラシ、研磨テープ、研磨パッド等を用いる任意の他の研磨方法に利用することもできる。
研磨加工は、1回(1段)又は複数段階に分けて行うこともできる。1段で行なう場合は、ガラス基板表面を平滑にし、表面欠陥を除去する最終研磨工程のみを行なう。
複数段階に分けて行う場合は一般に、ガラス基板表面の加工変質層及び傷を除去し、ガラス基板の端部形状を制御する粗研磨工程と、ガラス基板表面を平滑にし、表面欠陥を除去する最終研磨工程とを行う。
粗研磨工程では、比較的硬い発泡ウレタンなどからなる研磨パッド(硬質ポリシャ)を研磨部材として用い、最終研磨工程では、比較的柔らかい人工皮革スウェードなどからなる研磨パッド(軟質ポリシャ)を研磨部材として使用する。ガラス基板の研磨のために本発明の研磨スラリーと組み合わせて用いる研磨部材は、本発明を限定するものではない。例えば硬質ポリシャとしてはウレタンパッド、不織布パッド、エポキシ樹脂パッド等を使用することができ、軟質ポリシャとしてはスウェードパッド、不織布パッド等を使用することができる。
本願発明では、リドロー成形法で製造したガラス薄板5の板厚を、表面加工工程後のガラス基板の板厚に対して+10%以下とし、ガラス薄板5の表面粗さ(Ra)が2nm以下とするのが好ましい。
前述のようにリドロー成形法を用いて研削・研磨加工前のガラス基板を製造した場合、表面の平滑性が高く、歪みや反りの少ないガラス薄板を容易に製造することが可能となる。この場合、ガラス薄板5のRaを2nm以下とすれば、ガラス基板の表面加工工程における取り代を極限まで減らすことが可能となり、また、ガラス薄板5の板厚を、表面加工工程後の板厚に対して+10%以下とすることにより、高い生産性で磁気記録媒体用基板を製造することが可能となる。
本願発明は、表面加工工程において、研削加工を用いずに、研磨加工のみで行なうことが好ましく、研磨加工を1段で行なうことがより好ましい。このようにすることで、高い生産性で磁気記録媒体用基板を製造することが可能となる。
従来の磁気記録媒体用基板表面の表面加工は、加工前の基板表面の平滑性が悪く、また基板にも反りがあった。そのため、基板の表面加工では、研削工程を2段、研磨工程を2段で行っていた。本願発明の磁気記録媒体用基板の製造方法では、基板の表面加工を研磨工程1段で終了することが可能となり、磁気記録媒体用基板の製造工程を飛躍的に簡略化することが可能となり、大幅なコストダウンを達成することが可能となる。
本願発明を、実施例1および比較例1により詳細に説明する。なお、表面粗さRa(nm)の測定は、原子間力顕微鏡(Digital Instruments製D3000)を用いて測定した。
「実施例1」
(リドロー成形法によるガラス薄板の製造)
実施例1として、図1に示した構造の装置を用いて、リドロー成形法によりガラス薄板を形成し、このガラス薄板から磁気記録媒体用基板を製造した。ガラス母材は、Si、Al、Ca、B、Li、NaおよびKのそれぞれの酸化物を構成成分とする、幅200mm、長さ300mm、厚さ5mm、Ra2nmの結晶化ガラスを用いた。このガラス母材の下端部を700℃で溶融し、その下端を100cm/分の速度で引っ張り、板厚0.670mmのガラス薄板とした。製造されたガラス薄板のRaは2nmであった。またガラス薄板の200mm四方の範囲における反りの最大値は30μmであった。
(ガラス基板の端部加工)
リドロー成形法により製造した実施例1のガラス薄板から外径65mm、内径20mmの円盤状のガラス基板を切り出した。加工にはダイヤモンドホールソーを用いた。
(リドロー成形法によるガラス基板の表面加工)
次に、得られたガラス薄板に対して、下記のダイレクトプレス法によるガラス基板の表面加工の内、2次ポリッシュのみ、すなわちポリッシュ1段のみを行った。
ポリッシュ条件は、固形分含有率12質量%のセリア研磨材含有溶液(平均粒子径0.5μm、昭和電工製SHOROX)と及び固形分含有率40質量%のシリカ研磨材溶液(平均粒子径0.02μm、フジミ製Compol)とを水に加え、セリア含有率が0.6質量%でシリカ含有率が0.2質量%の研磨スラリーを形成し、得られた研磨スラリーを用いて研磨を行った。研磨機として4ウエイタイプ両面研磨機(浜井産業株式会社製16B型)を用い、研磨パッドとしてスウエードタイプ(Filwel製)を用いた。また、スラリー供給速度は5リットル/分、下定盤回転数は40rpm、加工圧力は90g/cm2、研磨時間は20分とした。
また、ポリッシュでの取り代は0.035mmであった。
そして、最終製品(実施例1)のRaは0.15nmであった。
「比較例1」
(ダイレクトプレス法によるガラス薄板の製造)
比較例1として、ダイレクトプレス法によるガラス薄板を形成し、このガラス薄板から磁気記録媒体用基板を製造した。ガラス母材として、Li、Si、Al、K、Al、Mg、P、Sb、Znのそれぞれの酸化物を構成成分とするものを使用し、ダイレクトプレス法により外径65mmの円盤状のガラス基板を製造した。ガラス母材を700℃で溶解し、これを2枚の金型でプレスし、ガラスが凝固後、金型を解放して円盤状のガラス基板を製造した。製造したガラス基板の板厚は0.850mm、Raは10nm、外径65mmの円盤内での反りの最大値は25μmであった。
(ガラス基板の端部加工)
ダイレクトプレス法により製造した比較例1の円盤状のガラス薄板を孔加工して、内径20mmの円盤状のガラス基板を切り出した。加工はダイヤモンドホールソーを用いた。
(ダイレクトプレス法によるガラス基板の表面加工)
比較例1のダイレクトプレス法によるガラス基板について、表面加工として、1次ラップ、2次ラップ、1次ポリッシュ、2次ポリッシュ(最終ポリッシュ)を行った。ラップ条件およびポリッシュ条件は下記の通りである。1次ラップでの取り代は0.121mm、2次ラップでの取り代は0.060mm、1次ポリッシュでの取り代は0.030mm、2次ポリッシュでの取り代は0.004mmであった。
(1次ラップ条件)
粒径12ミクロンのダイヤモンドラップ盤を用いて研削加工を行った。研磨機として4ウエイタイプ両面研磨機(浜井産業株式会社製16B型)を用いた。ラップ盤に水を供給しながら、下ラップ盤回転数は40rpm、加工圧力は90g/cm2、研磨時間は20分とした。
(2次ラップ条件)
粒径8ミクロンのダイヤモンドラップ盤を用いて研削加工を行った。研磨機として4ウエイタイプ両面研磨機(浜井産業株式会社製16B型)を用いた。ラップ盤に水を供給しながら、下ラップ盤回転数は40rpm、加工圧力は90g/cm2、研磨時間は20分とした。
(1次ポリッシュ条件)
市販のセリア系研磨材(東北金属化学株式会社製 SHOROX、粒径1.0ミクロン)に水に加え、セリア含有率が0.6質量%の研磨スラリーを用いた。研磨機として4ウエイタイプ両面研磨機(浜井産業株式会社製16B型)を用い、研磨パッドとしてスウエードタイプ(Filwel製)を用いた。また、スラリー供給速度は5リットル/分、下定盤回転数は40rpm、加工圧力は90g/cm2、研磨時間は20分とした。
(2次ポリッシュ条件)
固形分含有率12質量%のセリア研磨材含有溶液(平均粒子径0.5μm、昭和電工製SHOROX)と及び固形分含有率40質量%のシリカ研磨材溶液(平均粒子径0.08μm、フジミ製Compol)とを水に加え、セリア含有率が0.6質量%でシリカ含有率が0.2質量%の研磨スラリーを形成し、得られた研磨スラリーを用いて研磨を行った。研磨機として4ウエイタイプ両面研磨機(浜井産業株式会社製16B型)を用い、研磨パッドとしてスウエードタイプ(Filwel製)を用いた。また、スラリー供給速度は5リットル/分、下定盤回転数は40rpm、加工圧力は90g/cm2、研磨時間は20分とした。
以上の工程を経て得られた最終製品(比較例1)のRaは0.2nmであった。
以上のように、実施例1では、反りがなく、表面の平滑性が高いガラス基板(磁気記録媒体用基板)を製造することができた。また、比較例1では、最終的に実施例1と同等のRaを有する磁気記録媒体用基板が得られたが、実施例1よりも表面処理の工程数が多くなった。
本発明によれば、磁気記録媒体用基板の製造に際して、表面加工前の基板の反りを減らし、また、表粗さを格段に向上させることが可能となる。そのため、基板表面の研削加工、研磨加工を減らすことが可能となり、磁気記録媒体用ガラス基板の生産性を著しく高めることが可能となり、産業上の利用可能性が高い。
図1は、本発明の実施形態に係る磁気記録媒体用基板の製造方法を説明するための概略図である。
符号の説明
1・・・ガラス母材、2・・・母材支え、3・・・加熱ヒータ、4・・・引っ張りローラ、5・・・ガラス薄板。

Claims (4)

  1. 板状のガラス母材を加熱して軟化するとともに、前記ガラス母材を空間中で下方に引っ張りながら熱延してガラス薄板を形成するガラス薄板形成工程と、
    前記ガラス薄板から円盤状のガラス基板を切り出すガラス基板形成工程と、
    前記円盤状のガラス基板に研削および/または研磨の表面加工を施す表面加工工程と、を具備してなることを特徴とする磁気記録媒体用基板の製造方法。
  2. 前記ガラス薄板形成工程において、前記ガラス薄板の板厚が、前記表面加工工程後の前記ガラス基板の板厚に対して+10%以下であり、かつ、前記ガラス薄板の表面粗さ(Ra)を2nm以下に加工することを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体用基板の製造方法。
  3. 前記表面加工工程は、研磨加工のみであることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気記録媒体用基板の製造方法。
  4. 前記研磨加工が、1段であることを特徴とする請求項3に記載の磁気記録媒体用基板の製造方法。
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