JP2012171384A - 車体後部のフレーム構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】サイドシルとリヤフレームとの結合部の強度・剛性を高めることができる車体後部のフレーム構造を提供する。
【解決手段】リヤフレーム13の前部13fが前側に向かうほど外側に傾斜して形成され、このリヤフレーム13の前部にサイドシル4の後部4rが接合され、サイドシル4が、側方に向かって開放されたインサイドシル5を備え、インサイドシル5の後部の底壁14で繋がる上下の稜線15,15が、後方に向かうにつれて車幅方向外側から内側に連続的に傾斜する内傾斜部21を備え、インサイドシル5の後部開口縁がインサイドシル5の前部に沿って形成された直線部24と、この直線部24に連続し車幅方向外側に凸となる第1湾曲部25と、これに連なり車幅方向内側に凸となる第2湾曲部26とを備え、直線部24から第1湾曲部25、第2湾曲部26までの部位が側方から蓋部材28で閉塞される。
【選択図】図2

Description

この発明は、車体後部のフレーム構造に関する。
車体後部のフレーム構造としては、サイドシルとリヤフレームとを共に断面コの字状に形成すると共にこれらサイドシルとリヤフレーム開口縁側を車体側方に向け、サイドシルの後端部リヤフレームの前端部を嵌合して溶接により接合し、接合部分にジャッキアップブラケットを接合したものがある(特許文献1参照)。
また、サイドシルインナの後部にリヤサイドメンバの底面とリヤフロアとを結合する縦壁部を形成すると共に縦壁部の後端に連結面を形成したものがある(特許文献2参照)。
特許第3454376号公報 特許第3674571号公報
しかしながら、前者にあってはサイドシルの後端部が内側に湾曲してリヤフレームに接続されるため、車両前後面衝突の際にサイドシルの後端部の湾曲している部分が曲げ変形の起点となるという課題がある。
また、後者にあっては、サイドシルとリヤフレームとが連続した断面形状となっておらず、結合するにあたりフロアパネルを用いているため、結合部分に必要な強度を与えるためには、フロアパネルでは十分な板厚が確保できないという課題がある。
そこで、この発明は、サイドシルとリヤフレームとの結合部の強度・剛性を高めることができる車体後部のフレーム構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載した発明は、車体後部に車体前後方向に沿って配置される一対のリヤフレーム(例えば、実施形態におけるリヤフレーム13)の前部(例えば、実施形態における前部13f)が前側に向かうほど外側に傾斜して形成され、このリヤフレームの前部にサイドシル(例えば、実施形態におけるサイドシル4)の後部(例えば、実施形態における後部4r)が接合される車体後部構造において、前記サイドシルが、側方に向かって開放されたハット型断面形状のインサイドシル(例えば、実施形態におけるインサイドシル5)を備え、前記インサイドシルの後部の底壁(例えば、実施形態における底壁14)で繋がる上下の稜線(例えば、実施形態における稜線15)が、後方に向かうにつれて車幅方向外側から車幅方向内側に連続的に傾斜する内傾斜部(例えば、実施形態における内傾斜部21)を備え、前記インサイドシルの後部の開口縁が前記インサイドシルの前部に沿って形成された直線部(例えば、実施形態における直線部24)と、この直線部に連続して前記内傾斜部に対向する位置に設けられ車幅方向外側に凸となるように湾曲する第1湾曲部(例えば、実施形態における第1湾曲部25)と、この第1湾曲部に連続して車幅方向内側に凸となるように湾曲し、前記リヤフレームの前部の外傾斜部(例えば、実施形態における外傾斜部27)に繋がる第2湾曲部(例えば、実施形態における第2湾曲部26)とを備え、前記直線部から前記第1湾曲部、前記第2湾曲部までの部位が側方から蓋部材(例えば、実施形態における蓋部材28)で閉塞されていることを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、前記直線部と前記第1湾曲部及び前記第2湾曲部とにより前記インサイドシルの後部は、前記底壁から側方に膨出した形状に形成され、前記インサイドシルの下面に、車体側壁を構成するアウタパネル(例えば、実施形態におけるアウタパネル7)結合用の基準穴(例えば、実施形態における基準穴42)を有するブラケット(例えば、実施形態におけるアウタパネル組付用ブラケット40)が、前記稜線に沿った閉断面(例えば、実施形態における閉断面H)を形成するように接合されることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、前記インサイドシルの前記稜線は上下に対称形状であることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、前記蓋部材の上端部(例えば、実施形態における上端部30)は車体側壁を構成するアウタパネルと接合してドアシール用フランジ部(例えば、実施形態におけるドアシール用フランジ部47)を形成することを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、前記ブラケットは前記インサイドシルの前記底壁と下壁(例えば、実施形態における下壁23)の下面に渡って接合されることを特徴とする。
請求項1に記載した発明によれば、リヤフレームからサイドシルに渡り閉断面を連続させることができると共にサイドシルの後部が外側に張り出すように形成され、かつこの外側に張り出した部分が蓋部材で閉塞されるため、車両後面衝突時において後部から作用する荷重をリヤフレームからサイドシルに連続する強度的に有利な閉断面で受けることができ、かつ外側に張り出した湾曲部分がサイドシルとリヤフレームとの接続部分の車幅方向内側への折れ曲がりに対抗し折れ曲がりの起点となるのを防止し、リヤフレームとサイドシルとの結合部の強度・剛性を高めることができる。
また、蓋部材により閉断面形状の崩れを抑制できるため車両後面衝突時における高い反力を発生させることができる。よって、リヤフレームからサイドシルに渡る部分でのエネルギー吸収効果を高めることができるため、その分だけ板厚を薄くすることが可能となる等車体軽量化を図ることができる。
更に、蓋部材により閉断面形状の崩れを抑制できるため、リヤフレームからサイドシルに至る部分での曲げ剛性が高まり乗心地性能を向上できる。
請求項2に記載した発明によれば、ブラケットによりインサイドシルの稜線に沿った閉断面が形成されることで、車両後面衝突時における入力荷重をリヤフレームからサイドシルへ伝達することができる。
請求項3に記載した発明によれば、インサイドシルの強度・剛性を高めることができる。
請求項4に記載した発明によれば、蓋部材の上端を、車体側壁を構成するアウタパネルのドア取付開口部(例えば、実施形態におけるリヤサイドドア開口部33)の周縁位置まで延ばすことにより、車体デザインに影響を与えることなく、ドアシール用フランジ部を形成することができる。つまり、蓋部材を設けないでインサイドシルに沿うようにアウタパネルを接合した場合には、アウタパネルに設定するドアシール用フランジ部の位置をインサイドシルの位置まで下げざるを得ず、車体外観に制約を与えてしまうのである。逆に、デザインを優先した場合にはリヤフレームとインサイドシルの結合部の剛性を上げることが困難になる。つまり、十分な剛性を確保するためには、車体の重量増加を招いてしまうのである。
請求項5に記載した発明によれば、インサイドシルの下側の稜線をブラケットにより覆うようにして途切れることなく連続させることができる。
この発明の実施形態の車体フロアの下面図である。 上記実施形態のインサイドシルとリヤフレームの接続部の平面図である。 上記実施形態のインサイドシルとリヤフレームの接続部の斜視図である。 上記実施形態のサイドシルとリヤフレームの側面図である。 図4のA−A線に沿う断面図である。 図4のB−B線に沿う断面図ある。 上記実施形態の車室内側から視た斜視図である。 上記実施形態の車体フロアを右下左側を視た斜視図である。 図7のC−C線に沿う断面図ある。 図7のC−C線で切断して後方を視た斜視図である。 ジャッキアップ用部材を示す斜視図である。
次に、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に下面図として示すように、車体フロアは車体前部のフロントフロア1と、このフロントフロア1に接続される車体後部のリヤフロア2とを備えている。フロントフロア1の車幅方向中央部にはフロアトンネル部3が上側に膨出形成されている。フロントフロア1の両側部には車体骨格部材であるサイドシル4,4が取り付けられている。サイドシル4はインサイドシル5とスティフナ6とで閉断面構造に構成され、その外側にアウタパネル7が接合されている。
ここで、図1において、フロントフロア1の右側はインサイドシル5を示し、フロントフロア1の左側はインサイドシル5及び後述するスティフナ6を外側から覆う車体側壁を構成するアウタパネル7を示している。
フロントフロア1の前端部には上側に立ち上がる図示しないダッシュボードロアパネルが接合され、フロントフロア1とダッシュボードロアパネルとの接続部分の裏側にダッシュボードクロスメンバ8が接合されている。フロアトンネル部3の両側であってフロントフロア1の裏面には、車体前後方向に沿って、フロントフロア1との間に閉断面構造部を形成するハット型断面形状のトンネルフレーム9,9が接合されている。また、フロアトンネル部3の裏側には車幅方向に沿って、トンネルフレーム9,9に跨るようにトンネル補強部材10,11が前後に取り付けられている。
フロントフロア1の後端部のリヤフロア2との接合部分は後方が高くなっていて、この接合部分の裏側に車幅方向に渡って閉断面構造部を形成するミドルクロスメンバ12が接合されている。
リヤフロア2の裏面には、車体前後方向に沿って閉断面構造部のリヤフレーム13が左右に配置されている。リヤフレーム13,13はサイドシル4,4の配置間隔よりも狭い配置間隔で、サイドシル4,4よりも高い位置に設けられている。リヤフレーム13は、前部13fが前側に向かうほど外側に傾斜し(図1〜図3参照)、かつ下側に傾斜して(図4参照)形成され、このリヤフレーム13の前部13fにサイドシル4の後部4rが接合されて、サイドシル4からリヤフレーム13に渡り閉断面が連続するようになっている。
図5、図6に示すように、リヤフレーム13は、アッパ部材16とロア部材17をフランジ接合して閉断面構造に形成されている。具体的にはリヤフロア2の後部に位置するスペアタイヤパン18(図1参照)の手前までは、図5に示すように接合フランジ部19,19を、車室外側上部と車室内側の上下方向中央部に配置し、それよりも後方では図6に示すように、接合フランジ部19,19を車室外側も車室内側も上下方向中央部に設定している。
図2〜図4、図7に示すようにサイドシル4は、側方に向かって開放されたハット型断面形状のインサイドシル5を備えている。インサイドシル5の底壁14は上下の対称形状の稜線15,15を縦方向に繋ぐもので、車幅方向の内側に底壁14が位置している。
サイドシル4のインサイドシル5の上下の稜線15,15は後方に向かうにつれて車幅方向外側から車幅方向内側に連続的に傾斜する内傾斜部21を備えている。つまり、インサイドシル5は後方に真っ直ぐに延びる一般部20の後部4rで、底壁14が車幅方向内側に傾斜すると共に斜め上側にも折れ曲がる内傾斜部21となっている。
このように上側に屈曲すると共に内側に傾斜するインサイドシル5が、前側に向かうほど外側に傾斜し、かつ下側に傾斜するリヤフレーム13の前部13fに連続するように接合されている。つまり、リヤフレーム13の前部13fの車室内側の壁はインサイドシル5の底壁14の上下の稜線15である内傾斜部21に直線的に連なるように傾斜している。リヤフレーム13の前部13fの後方には、内部閉断面を閉塞するバルクヘッドBHが2枚設けられている。図4中Cはフロアトンネル部3の上部に取り付けられたコンソールボックスを示す。
また、インサイドシル5の後部4rの開口縁、つまり上壁22と下壁23との側縁は、底壁14が内傾斜部21となっているのに対してインサイドシル5の一般部20の後方に直線的に延びる直線部24と、この直線部24に連続して内傾斜部21に対向する位置に設けられ車幅方向外側に凸となるように湾曲する第1湾曲部25と、この第1湾曲部25に連続して車幅方向内側に凸となるように湾曲し、リヤフレーム13の前部13fの車室外側の壁である外傾斜部27に繋がる第2湾曲部26とを備えている。
したがって、直線部24と第1湾曲部25及び第2湾曲部26とにより、インサイドシル5の後部4rは、内傾斜部21に対向する位置が図2に示すように、底壁14から側方に膨出した形状に形成されることとなる。
インサイドシル5の直線部24から第1湾曲部25、第2湾曲部26に至る部分に、インサイドシル5の開口縁を閉塞する蓋部材28が、インサイドシル5の上壁22と下壁23に設けられたフランジ部35に接合されている。
蓋部材28の下端部29は、インサイドシル5が後方に立ち上がる部分では、立ち上がる下壁23とは異なりそのまま直線的に後方に延びて終端し、蓋部材28の上端部30はインサイドシル5が後方に立ち上がる部分では、立ち上がる上壁22よりも上側が斜め上後方に更に立ち上がるように形成されている。これら蓋部材28の下端部29と上端部30は、図4で鎖線で示すアウタパネル7のホイルアーチ部31の前縁32とリヤサイドドア開口部33の後縁34に対して側面から見て整合している。
したがって、蓋部材28の上端部30はアウタパネル7の裏面に接合されてドアシール用フランジ部47を形成している。
図7において、50はリヤフレーム13,13を連結しリヤフロア2上に接合されるリヤクロスメンバを示す。
図8に示すように、インサイドシル5の後方に向かって立ち上がる部分の下壁23の下面には一部底壁14に跨るようにして、アウタパネル組付用ブラケット40が接合されている。アウタパネル組付用ブラケット40はインサイドシル5に接合される周縁フランジ部39を備え、前後方向の中央部が膨出していて、インサイドシル5の下側の稜線15を覆うように下壁23と底壁14に周縁フランジ部39が接合され、インサイドシル5の下側の稜線15に沿った閉断面Hを形成するようになっている。このアウタパネル組付用ブラケット40は前側に牽引用のフック係止穴41を備え、フック係止穴41の前側にアウタパネル7を取り付ける際の結合用の基準穴42を備え、これらフック係止穴41及び基準穴42の周囲は膨出形成されている。
アウタパネル組付用ブラケット40に一部重なり、このアウタパネル組付用ブラケット40の後方には、インサイドシル5の下壁23にフランジ接合されるブラケット40’が接続され、このブラケット40’に一部重なり周縁フランジ部43を備えたサブフレーム組付用ブラケット44がリヤフレーム13の前部13fに跨るようにして接合されている。このサブフレーム組付用ブラケット44にはスタッドボルト45が下方に突出している。サブフレーム組付用ブラケット44も、スタッドボルト45の周囲が膨出していて、インサイドシル5の下側の稜線15を覆うようにしてインサイドシル5の下壁23と底壁14及びリヤフレーム13の下壁と底壁に周縁フランジ部43が接合されている。サブフレームは図示はしないが、後輪及びサスペンション部品を小組して一体化したユニット部品である。
図9、図10に示すように、インサイドシル5の上下に設けたフランジ部35には、蓋部材28の上端部30の下方と下端部29の近傍が接合されている。蓋部材28の外側にはハット型断面形状のスティフナ36が上下のフランジ部37,37で蓋部材28に接合されている。上側のフランジ部37はインサイドシル5の上壁22のフランジ部35の下側で接合され、下側のフランジ部37はインサイドシル5の下壁23のフランジ部35の接合位置に接合されている。
そして、スティフナ36の下側のフランジ部37に重合するように、アウタパネル7の下部フランジ38が接合され、アウタパネル7の上部フランジ46は蓋部材28の上端部30の上縁に接合され、上部フランジ46と蓋部材の上端部30の上縁がリヤサイドドア開口部33を形成し、このリヤサイドドア開口部33の外側面がドアシール用フランジ部47を形成している。
インサイドシル5の下壁23の下面にアウタパネル組付用ブラケット40が取り付けられ、更にインサイドシル5の下壁23の下面からリヤフレーム13の下面に渡る部位にサブフレーム組付用ブラケット44が取り付けられているため、インサイドシル5は、下壁23とアウタパネル組付用ブラケット40及びサブフレーム組付用ブラケット44との間に、下部の稜線15に沿った閉断面Hを形成することとなる。インサイドシル5の上部の稜線15にはブラケット48を介してリヤフロア2が接合されている。図10において51はホイルハウスインナを示す。
図11に示すように、蓋部材28の前側には蓋部材28と同様にインサイドシル5を閉塞する位置に上下に長い板状のジャッキアップ用部材49が挟み込まれて接合されている。このジャッキアップ用部材49の配置位置は、インサイドシル5の上下のフランジ部35、35とスティフナ36の上下のフランジ部37,37とアウタパネル7の上部フランジ46,下部フランジ38は各々互いに重合されるため、ジャッキアップ用部材49に作用する上向きの荷重を、インサイドシル5とスティフナ36とアウタパネル7とで確実に受けることができる。
上記実施形態によれば、リヤフレーム13の後端部からサイドシル4に渡り閉断面を連続させることができると共にサイドシル4の後部4rが第1湾曲部25と第2湾曲部26により外側に張り出すように形成され、かつこの外側に張り出した部分が蓋部材28で閉塞されるため、車両後面衝突時において車体後部に作用する荷重をリヤフレーム13からサイドシル4に連続する強度的に有利な閉断面で受けることができる。つまり、リヤフレーム13から前側に伝達される荷重は、車室内側ではリヤフレーム13の前部13fの車室内側の壁からインサイドシル5の内傾斜部21にスムーズに伝達され、車室外側ではリヤフレーム13の外傾斜部27から蓋部材28によって断面形状の崩れが阻止された第1湾曲部25、第2湾曲部26を経て、インサイドシル5の直線部24、即ちサイドシル4に伝達される。
また、第1湾曲部25と第2湾曲部26により外側に張り出した湾曲部分がサイドシル4とリヤフレーム13との接続部分の車幅方向内側への折れ曲がりに対抗し折れ曲がりの起点を無くすことで、リヤフレーム13とサイドシル4との結合部の強度・剛性を高めることができる。
そして、蓋部材28によりインサイドシル5の閉断面形状の崩れを抑制できるため車両後面衝突時における高い反力を発生させることができ、リヤフレーム13からサイドシル4に渡る部分でのエネルギー吸収効果を高めることができ、その結果、車体軽量化を図ることができる。
更に、蓋部材28により閉断面形状の崩れを抑制できるため、リヤフレーム13からサイドシル4に至る部分での曲げ剛性が高まり乗心地性能を向上できる。
インサイドシル5の直線部24と第1湾曲部25及び第2湾曲部26とによりインサイドシル5の後部は、底壁14から側方に膨出した形状に形成され、インサイドシル5の下壁23の下面に、車体側壁を構成するアウタパネル7を結合する際に使用されるアウタパネル結合用の基準穴42を有するアウタパネル組付用ブラケット40が、稜線15に沿った閉断面を形成するように接合されるため、サイドシル4とアウタパネル組付用ブラケット40によりインサイドシル5の下側の稜線15に沿った閉断面が形成される。
よって、車両後面衝突時における入力荷重をこの閉断面に沿った部分においても図8に矢印で示すようにリヤフレーム13からサイドシル4へ伝達することができる。
アウタパネル組付用ブラケット40はインサイドシル5の底壁14と下壁23の下面に渡って接合されるため、インサイドシル5の下側の稜線15をアウタパネル組付用ブラケット40により覆うようにして途切れることなく連続させることができる。
ここで、インサイドシル5の稜線15は上側と下側で対称形状であるためインサイドシル5の強度・剛性を高めることができる。
蓋部材28の上端部30は車体側壁を構成するアウタパネル7と接合してドアシール用フランジ部47を形成するため、蓋部材28の上端部30を、車体側壁を構成するアウタパネル7のリヤサイドドア開口部33の周縁位置まで延ばすことにより、車体デザインに影響を与えることなく、ドアシール用フランジ部47を形成することができる。つまり、蓋部材28を設けないでインサイドシル5に沿うようにアウタパネル7を接合した場合には、アウタパネル7に設定するドアシール用フランジ部47の位置をインサイドシル5の位置まで下げざるを得ず、車体外観に制約を与えてしまうのである。逆に、デザインを優先した場合には、リヤフレーム13とインサイドシル5の結合部の剛性を上げることが困難になる。つまり、十分な剛性を確保するためには、車体の重量増加を招いてしまうのである。
13 リヤフレーム
13f 前部
4 サイドシル
4r 後部
5 インサイドシル
14 底壁
15 稜線
21 内傾斜部
24 直線部
25 第1湾曲部
27 外傾斜部
26 第2湾曲部
28 蓋部材
7 アウタパネル
42 基準穴
40 アウタパネル組付用ブラケット(ブラケット)
H 閉断面
30 上端部
47 ドアシール用フランジ部
23 下壁
33 リヤサイドドア開口部

Claims (5)

  1. 車体後部に車体前後方向に沿って配置される一対のリヤフレームの前部が前側に向かうほど外側に傾斜して形成され、このリヤフレームの前部にサイドシルの後部が接合される車体後部構造において、前記サイドシルが、側方に向かって開放されたハット型断面形状のインサイドシルを備え、前記インサイドシルの後部の底壁で繋がる上下の稜線が、後方に向かうにつれて車幅方向外側から車幅方向内側に連続的に傾斜する内傾斜部を備え、前記インサイドシルの後部の開口縁が前記インサイドシルの前部に沿って形成された直線部と、この直線部に連続して前記内傾斜部に対向する位置に設けられ車幅方向外側に凸となるように湾曲する第1湾曲部と、この第1湾曲部に連続して車幅方向内側に凸となるように湾曲し、前記リヤフレームの前部の外傾斜部に繋がる第2湾曲部とを備え、前記直線部から前記第1湾曲部、前記第2湾曲部までの部位が側方から蓋部材で閉塞されていることを特徴とする車体後部のフレーム構造。
  2. 前記直線部と前記第1湾曲部及び前記第2湾曲部とにより前記インサイドシルの後部は、前記底壁から側方に膨出した形状に形成され、前記インサイドシルの下面に、車体側壁を構成するアウタパネル結合用の基準穴を有するブラケットが、前記稜線に沿った閉断面を形成するように接合されることを特徴とする請求項1記載の車体後部のフレーム構造。
  3. 前記インサイドシルの前記稜線は上下に対称形状であることを特徴とする請求項2記載の車体後部のフレーム構造。
  4. 前記蓋部材の上端部は車体側壁を構成するアウタパネルと接合してドアシール用フランジ部を形成することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の車体後部のフレーム構造。
  5. 前記ブラケットは前記インサイドシルの前記底壁と下壁の下面に渡って接合されることを特徴とする請求項2〜4の何れか一項に記載の車体後部のフレーム構造。
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