JP2012169648A - 酸化セリウム研磨剤および基板の研磨法 - Google Patents
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Abstract
【課題】SiO2絶縁膜等の被研磨面を傷なく高速に研磨する酸化セリウム研磨剤を提供する。
【解決手段】TEOS−CVD法で作製したSiO2絶縁膜を形成させたSiウエハを、酸化セリウム粒子、分子量5000〜20000のポリアクリル酸アンモニウム塩および水を含む半導体基板研磨用酸化セリウム研磨剤で研磨する。
【選択図】なし
【解決手段】TEOS−CVD法で作製したSiO2絶縁膜を形成させたSiウエハを、酸化セリウム粒子、分子量5000〜20000のポリアクリル酸アンモニウム塩および水を含む半導体基板研磨用酸化セリウム研磨剤で研磨する。
【選択図】なし
Description
本発明は、酸化セリウム研磨剤及び基板の研磨法に関する。
従来、半導体装置の製造工程において、プラズマ−CVD、低圧−CVD等の方法で形成されるSiO2絶縁膜等無機絶縁膜層を平坦化するための化学機械研磨剤としてコロイダルシリカ系の研磨剤が一般的に検討されている。コロイダルシリカ系の研磨剤は、シリカ粒子を四塩化珪酸を熱分解する等の方法で粒成長させ、アンモニア等のアルカリ金属を含まないアルカリ溶液でpH調整を行って製造している。しかしながら、この様な研磨剤は無機絶縁膜の研磨速度が充分な速度を持たず、実用化には低研磨速度という技術課題がある。
一方、フォトマスク用ガラス表面研磨として、酸化セリウム研磨剤が用いられている。酸化セリウム粒子はシリカ粒子やアルミナ粒子に比べ硬度が低く、したがって研磨表面に傷が入りにくいことから仕上げ鏡面研磨に有用である。また、酸化セリウムは強い酸化剤として知られるように化学的活性な性質を有している。この利点を活かし、絶縁膜用化学機械研磨剤への適用が有用である。しかしながら、フォトマスク用ガラス表面研磨用酸化セリウム研磨剤をそのまま無機絶縁膜研磨に適用すると、1次粒子径が大きく、そのため絶縁膜表面に目視で観察できる研磨傷が入ってしまう。
本発明は、SiO2絶縁膜等の被研磨面を傷なく高速に研磨することが可能な酸化セリウム研磨剤及び基板の研磨法を提供するものである。
本発明の酸化セリウム研磨剤は、一次粒子径の中央値が30〜250nmであり粒子径の中央値が150〜600nmである酸化セリウム粒子を媒体に分散させたスラリーを含むものである。また本発明の酸化セリウム研磨剤は、一次粒子径の中央値が100〜250nmであり粒子径の中央値が150〜350nmである酸化セリウム粒子を媒体に分散させたスラリーを含むものであることができる。上記の酸化セリウム粒子では、一次粒子の最大径は600nm以下が好ましく、一次粒子径は10〜600nmであることが好ましい。
また本発明の酸化セリウム研磨剤は、一次粒子径の中央値が30〜70nmであり粒子径の中央値が250〜600nmである酸化セリウム粒子を媒体に分散させたスラリーを含むものであることができる。上記の酸化セリウム粒子では、一次粒子径は10〜100nmであることが好ましい。本発明の酸化セリウム研磨剤では、酸化セリウム粒子の最大径は3000nm以下であることが好ましい。
媒体として水を使用することができ、例えば水溶性有機高分子、水溶性陰イオン界面活性剤、水溶性非イオン性界面活性剤及び水溶性アミンから選ばれる少なくとも1種である分散剤が使用され、ポリアクリル酸アンモニウム塩が好ましい。酸化セリウム粒子は炭酸セリウムを焼成した酸化セリウムが好ましく使用される。本発明の酸化セリウム研磨剤で、例えばシリカ膜が形成された半導体チップ等の所定の基板を研磨することができる。
本発明の研磨剤により、SiO2絶縁膜等の被研磨面を傷なく高速に研磨することが可能となる。
一般に酸化セリウムは、炭酸塩、硫酸塩、蓚酸塩等のセリウム化合物を焼成することによって得られる。TEOS−CVD法等で形成されるSiO2絶縁膜は1次粒子径が大きく、かつ結晶歪が少ないほど、すなわち結晶性がよいほど高速研磨が可能であるが、研磨傷が入りやすい傾向がある。そこで、本発明で用いる酸化セリウム粒子は、あまり結晶性を上げないで作製される。また、半導体チップ研磨に使用することから、アルカリ金属およびハロゲン類の含有率は1ppm以下に抑えることが好ましい。本発明の研磨剤は高純度のもので、Na、K、Si、Mg、Ca、Zr、Ti、Ni、Cr、Feはそれぞれ1ppm以下、Alは10ppm以下である。
本発明において、酸化セリウム粒子を作製する方法として焼成法が使用できる。ただし、研磨傷が入らない粒子を作製するためにできるだけ結晶性を上げない低温焼成が好ましい。セリウム化合物の酸化温度が300℃であることから、焼成温度は600℃以上900℃以下が好ましい。炭酸セリウムを600℃以上900℃以下で5〜300分、酸素ガス等の酸化雰囲気で焼成すること好ましい。焼成された酸化セリウムは、ジェットミル等の乾式粉砕、ビ−ズミル等の湿式粉砕で粉砕することができる。ジェットミルは例えば化学工業論文集第6巻第5号(1980)527〜532頁に説明されている。焼成された酸化セリウムをジェットミル等の乾式粉砕で粉砕すると粉砕残りの発生が観察された。
本発明における酸化セリウムスラリーは、上記の方法により製造された酸化セリウム粒子を含有する水溶液又はこの水溶液から回収した酸化セリウム粒子、水及び必要に応じて分散剤からなる組成物を分散させることによって得られる。ここで酸化セリウム粒子の濃度には制限は無いが、懸濁液の取り扱い易さから0.1〜10重量%の範囲が好ましい。また分散剤としては、金属イオン類を含まないものとして、アクリル酸重合体及びそのアンモニウム塩、メタクリル酸重合体及びそのアンモニウム塩、ポリビニルアルコール等の水溶性有機高分子類、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム等の水溶性陰イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリエチレングリコールモノステアレート等の水溶性非イオン性界面活性剤、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等の水溶性アミン類などが挙げられる。
ポリアクリル酸アンモニウム塩、特に重量平均分子量5000〜20000のポリアクリル酸アンモニウム塩が好ましい。これらの分散剤の添加量は、スラリー中の粒子の分散性及び沈降防止性などから酸化セリウム粒子100重量部に対して0.01重量部から5重量部の範囲が好ましく、その分散効果を高めるためには分散処理時に分散機の中に粒子と同時に入れることが好ましい。
これらの酸化セリウム粒子を水中に分散させる方法としては、通常の撹拌機による分散処理の他に、ホモジナイザー、超音波分散機、ボールミルなどを用いることができる。特に酸化セリウム粒子を1μm以下の微粒子として分散させるためには、ボールミル、振動ボールミル、遊星ボールミル、媒体撹拌式ミルなどの湿式分散機を用いることが好ましい。また、スラリーのアルカリ性を高めたい場合には、分散処理時又は処理後にアンモニア水などの金属イオンを含まないアルカリ性物質を添加することができる。
本発明の酸化セリウム研磨剤は、上記スラリ−をそのまま使用してもよいが、N,N−ジエチルエタノ−ルアミン、N,N−ジメチルエタノ−ルアミン、アミノエチルエタノ−ルアミン等の添加剤を添加して研磨剤とすることができる。
本発明のスラリーに分散される酸化セリウム粒子を構成する一次粒子径の中央値は30〜250nmであり、粒子径の中央値は150〜600nmである。一次粒子径の中央値が30nm未満又は粒子径の中央値が150nm未満であればSiO2絶縁膜等の被研磨面を高速に研磨することができず、一次粒子径の中央値が250nmを越える又は粒子径の中央値が600nmを越えるとSiO2絶縁膜等の被研磨面に傷が発生する。
また一次粒子径の中央値が100〜250nmであり粒子径の中央値が150〜350nmである酸化セリウム粒子が好ましく、それぞれの中央値が上記下限値未満であると研磨速度が小さくなり、上限値を越えると傷が発生しやすい。上記の酸化セリウム粒子では、一次粒子の最大径は600nm以下が好ましく、一次粒子径は10〜600nmであることが好ましい。一次粒子が600nmを上限値を越えると傷が発生しやすく、10nm未満であると研磨速度が小さくなる。
また一次粒子径の中央値が30〜70nmであり粒子径の中央値が250〜600nmである酸化セリウム粒子が好ましく、それぞれの中央値が上記下限値未満であると研磨速度が小さくなり、上限値を越えると傷が発生しやすい。
上記の酸化セリウム粒子では、一次粒子径は10〜100nmであることが好ましく、一次粒子が10nm未満であると研磨速度が小さくなり、100nmを上限値を越えると傷が発生しやすくなる。
本発明の酸化セリウム研磨剤では、酸化セリウム粒子の最大径は3000nm以下であることが好ましい。酸化セリウム粒子の最大径が3000nmを越えると傷が発生しやすい。
焼成酸化セリウムをジェットミル等の乾式粉砕で粉砕した酸化セリウム粒子には粉砕残りが含まれ、この粉砕残り粒子は一次粒子が再凝集した凝集体とは異なっており、研磨時の応力により破壊され活性面を発生すると推定され、SiO2絶縁膜等の被研磨面を傷なく高速に研磨することに寄与していると考えられる。本発明のスラリ−には、3000nm以下の粉砕残り粒子を含むことができる。
本発明で、一次粒子径は走査型電子顕微鏡(例えば(株)日立製作所製 S−900型)による観察で測定する。スラリ−粒子である酸化セリウム粒子径はレ−ザ回折法(例えばマルバーンインスツルメンツ社製 Master Sizer microplus、屈折率:1.9285、光源:He−Neレーザー、吸収0)によって測定する。
本発明のスラリ−に分散された酸化セリウム粒子を構成する一次粒子のアスペクト比は1〜2、中央値1.3が好ましい。アスペクト比は走査型電子顕微鏡(例えば(株)日立製作所製 S−900型)による観察で測定する。
本発明のスラリ−に分散された酸化セリウム粒子として、粉末X線リートベルト法(RIETAN−94)による解析で等方的微小歪を表わす構造パラメーター:Yの値が0.01以上0.70以下である酸化セリウム粒子を使用することができる。このような結晶歪みを有する酸化セリウム粒子を使用することにより、被研磨表面に傷をつけることなく、かつ高速に研磨することができる。
本発明のスラリ−に分散された酸化セリウム粒子の比表面積は7〜45m2/gが好ましい。比表面積が7m2/g未満だと被研磨表面に傷をつけるやすくなり、45m2/gを越えると研磨速度が遅くなる傾向にある。スラリ−の酸化セリウム粒子の比表面積は分散される酸化セリウム粒子の比表面積と同じである。
本発明のスラリ−中の酸化セリウム粒子のゼ−タ電位は−100mV以上−10mVが好ましい。これにより酸化セリウム粒子の分散性を良好にし被研磨表面に傷をつけることなく、かつ高速に研磨することができる。
本発明のスラリ−に分散された酸化セリウム粒子は平均粒径が200nm以上400nm以下で粒度分布の半値幅が300nm以下とすることができる。本発明のスラリ−のpHは7以上10以下が好ましく、8以上9以下がより好ましい。
スラリ−調整後、ポリエチレン等の容器に入れ5〜55℃で7日以上、より好ましくは30日以上放置して使用すれば傷の発生が少なくなる。
本発明のスラリ−は分散性に優れ沈降速度が遅く、直径10cm高さ1mの円中のどの高さの位置でも2時間放置濃度変化率が10%未満である。
本発明の酸化セリウム研磨剤が使用される無機絶縁膜の作製方法として、低圧CVD法、プラズマCVD法等が挙げられる。低圧CVD法によるSiO2絶縁膜形成は、Si源としてモノシラン:SiH4、酸素源として酸素:O2を用いる。このSiH4−O2系酸化反応を400℃程度以下の低温で行わせることにより得られる。高温リフローによる表面平坦化を図るためにリン:Pをドープするときには、SiH4−O2−PH3系反応ガスを用いることが好ましい。プラズマCVD法は、通常の熱平衡下では高温を必要とする化学反応が低温でできる利点を有する。プラズマ発生法には、容量結合型と誘導結合型の2つが挙げられる。反応ガスとしては、Si源としてSiH4、酸素源としてN2Oを用いたSiH4−N2O系ガスとテトラエトキシシラン(TEOS)をSi源に用いたTEOS−O2系ガス(TEOS−プラズマCVD法)が挙げられる。基板温度は250℃〜400℃、反応圧力は67〜400Paの範囲が好ましい。このように、本発明のSiO2絶縁膜にはリン、ホウ素等の元素がド−プされていても良い。
所定の基板として、半導体基板すなわち回路素子と配線パターンが形成された段階の半導体基板、回路素子が形成された段階の半導体基板等の半導体基板上にSiO2絶縁膜層が形成された基板が使用できる。このような半導体基板上に形成されたSiO2絶縁膜層を上記酸化セリウム研磨剤で研磨することによって、SiO2絶縁膜層表面の凹凸を解消し、半導体基板全面に渡って平滑な面とする。ここで、研磨する装置としては、半導体基板を保持するホルダーと研磨布(パッド)を貼り付けた(回転数が変更可能なモータ等を取り付けてある)定盤を有する一般的な研磨装置が使用できる。研磨布としては、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂などが使用でき、特に制限がない。また、研磨布にはスラリーが溜まる様な溝加工を施すことが好ましい。研磨条件には制限はないが、定盤の回転速度は半導体が飛び出さない様に100rpm以下の低回転が好ましく、半導体基板にかける圧力は研磨後に傷が発生しない様に1kg/cm2以下が好ましい。研磨している間、研磨布にはスラリーをポンプ等で連続的に供給する。この供給量には制限はないが、研磨布の表面が常にスラリーで覆われていることが好ましい。
研磨終了後の半導体基板は、流水中で良く洗浄後、スピンドライヤ等を用いて半導体基板上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させることが好ましい。このようにして平坦化されたSiO2絶縁膜層の上に、第2層目のアルミニウム配線を形成し、その配線間および配線上に再度上記方法によりSiO2絶縁膜を形成後、上記酸化セリウム研磨剤を用いて研磨することによって、絶縁膜表面の凹凸を解消し、半導体基板全面に渡って平滑な面とする。この工程を所定数繰り返すことにより、所望の層数の半導体を製造する。
本発明の酸化セリウム研磨剤は、半導体基板に形成されたSiO2絶縁膜だけでなく、所定の配線を有する配線板に形成されたSiO2絶縁膜、ガラス、窒化ケイ素等の無機絶縁膜、フォトマスク・レンズ・プリズムなどの光学ガラス、ITO等の無機導電膜、ガラス及び結晶質材料で構成される光集積回路・光スイッチング素子・光導波路、光ファイバ−の端面、シンチレ−タ等の光学用単結晶、固体レ−ザ単結晶、青色レ−ザ用LEDサファイア基板、SiC、GaP、GaAS等の半導体単結晶、磁気ディスク用ガラス基板、磁気ヘッド等を研磨するために使用される。
このように本発明において所定の基板とは、SiO2絶縁膜が形成された半導体基板、SiO2絶縁膜が形成された配線板、ガラス、窒化ケイ素等の無機絶縁膜、フォトマスク・レンズ・プリズムなどの光学ガラス、ITO等の無機導電膜、ガラス及び結晶質材料で構成される光集積回路・光スイッチング素子・光導波路、光ファイバ−の端面、シンチレ−タ等の光学用単結晶、固体レ−ザ単結晶、青色レ−ザ用LEDサファイア基板、SiC、GaP、GaAS等の半導体単結晶、磁気ディスク用ガラス基板、磁気ヘッド等を含む。
実施例1
(酸化セリウム粒子の作製1)
炭酸セリウム水和物2kgを白金製容器に入れ、800℃で2時間空気中で焼成することにより黄白色の粉末を約1kg得た。この粉末をX線回折法で相同定を行ったところ酸化セリウムであることを確認した。焼成粉末粒子径は30〜100ミクロンであった。焼成粉末粒子表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、酸化セリウムの粒界が観察された。粒界に囲まれた酸化セリウム一次粒子径を測定したところ、その分布の中央値が190nm、最大値が500nmであった。焼成粉末についてX線回折精密測定を行い、その結果についてリートベルト法(RIETAN−94)による解析で、一次粒子径を表わす構造パラメータ−:Xの値が0.080、等方的微少歪みを表わす構造パラメータ−:Yの値が0.223であった。酸化セリウム粉末1kgをジェットミルを用いて乾式粉砕を行った。粉砕粒子について走査型電子顕微鏡で観察したところ、一次粒子径と同等サイズの小さな粒子の他に、1ミクロンから3ミクロンの大きな粉砕残り粒子と0.5から1ミクロンの粉砕残り粒子が混在していた。粉砕残り粒子は、一次粒子の凝集体ではない。粉砕粒子についてX線回折精密測定を行い、その結果についてリートベルト法(RIETAN−94)による解析で、一次粒子径を表わす構造パラメータ−:Xの値が0.085、等方的微少歪みを表わす構造パラメータ−:Yの値が0.264であった。この結果、粉砕による一次粒子径変量はほとんどなく、また粉砕により粒子に歪みが導入されていた。さらにBET法による比表面積測定の結果、10m2/gであることがわかった。
(酸化セリウム粒子の作製1)
炭酸セリウム水和物2kgを白金製容器に入れ、800℃で2時間空気中で焼成することにより黄白色の粉末を約1kg得た。この粉末をX線回折法で相同定を行ったところ酸化セリウムであることを確認した。焼成粉末粒子径は30〜100ミクロンであった。焼成粉末粒子表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、酸化セリウムの粒界が観察された。粒界に囲まれた酸化セリウム一次粒子径を測定したところ、その分布の中央値が190nm、最大値が500nmであった。焼成粉末についてX線回折精密測定を行い、その結果についてリートベルト法(RIETAN−94)による解析で、一次粒子径を表わす構造パラメータ−:Xの値が0.080、等方的微少歪みを表わす構造パラメータ−:Yの値が0.223であった。酸化セリウム粉末1kgをジェットミルを用いて乾式粉砕を行った。粉砕粒子について走査型電子顕微鏡で観察したところ、一次粒子径と同等サイズの小さな粒子の他に、1ミクロンから3ミクロンの大きな粉砕残り粒子と0.5から1ミクロンの粉砕残り粒子が混在していた。粉砕残り粒子は、一次粒子の凝集体ではない。粉砕粒子についてX線回折精密測定を行い、その結果についてリートベルト法(RIETAN−94)による解析で、一次粒子径を表わす構造パラメータ−:Xの値が0.085、等方的微少歪みを表わす構造パラメータ−:Yの値が0.264であった。この結果、粉砕による一次粒子径変量はほとんどなく、また粉砕により粒子に歪みが導入されていた。さらにBET法による比表面積測定の結果、10m2/gであることがわかった。
(酸化セリウム粒子の作製2)
炭酸セリウム水和物2kgを白金製容器に入れ、750℃で2時間空気中で焼成することにより黄白色の粉末を約1kg得た。この粉末をX線回折法で相同定を行ったところ酸化セリウムであることを確認した。焼成粉末粒子径は30〜100ミクロンであった。焼成粉末粒子表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、酸化セリウムの粒界が観察された。粒界に囲まれた酸化セリウム一次粒子径を測定したところ、その分布の中央値が141nm、最大値が400nmであった。焼成粉末についてX線回折精密測定を行い、その結果についてリートベルト法(RIETAN−94)による解析で、一次粒子径を表わす構造パラメータ−:Xの値が0.101、等方的微少歪みを表わす構造パラメータ−:Yの値が0.223であった。酸化セリウム粉末1kgをジェットミルを用いて乾式粉砕を行った。粉砕粒子について走査型電子顕微鏡で観察したところ、一次粒子径と同等サイズの小さな粒子の他に、1ミクロンから3ミクロンの大きな粉砕残り粒子と0.5から1ミクロンの粉砕残り粒子が混在していた。粉砕残り粒子は、一次粒子の凝集体ではない。粉砕粒子についてX線回折精密測定を行い、その結果についてリートベルト法(RIETAN−94)による解析で、一次粒子径を表わす構造パラメータ−:Xの値が0.104、等方的微少歪みを表わす構造パラメータ−:Yの値が0.315であった。この結果、粉砕による一次粒子径変量はほとんどなく、また粉砕により粒子に歪みが導入されていた。さらにBET法による比表面積測定の結果、16m2/gであることがわかった。
炭酸セリウム水和物2kgを白金製容器に入れ、750℃で2時間空気中で焼成することにより黄白色の粉末を約1kg得た。この粉末をX線回折法で相同定を行ったところ酸化セリウムであることを確認した。焼成粉末粒子径は30〜100ミクロンであった。焼成粉末粒子表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、酸化セリウムの粒界が観察された。粒界に囲まれた酸化セリウム一次粒子径を測定したところ、その分布の中央値が141nm、最大値が400nmであった。焼成粉末についてX線回折精密測定を行い、その結果についてリートベルト法(RIETAN−94)による解析で、一次粒子径を表わす構造パラメータ−:Xの値が0.101、等方的微少歪みを表わす構造パラメータ−:Yの値が0.223であった。酸化セリウム粉末1kgをジェットミルを用いて乾式粉砕を行った。粉砕粒子について走査型電子顕微鏡で観察したところ、一次粒子径と同等サイズの小さな粒子の他に、1ミクロンから3ミクロンの大きな粉砕残り粒子と0.5から1ミクロンの粉砕残り粒子が混在していた。粉砕残り粒子は、一次粒子の凝集体ではない。粉砕粒子についてX線回折精密測定を行い、その結果についてリートベルト法(RIETAN−94)による解析で、一次粒子径を表わす構造パラメータ−:Xの値が0.104、等方的微少歪みを表わす構造パラメータ−:Yの値が0.315であった。この結果、粉砕による一次粒子径変量はほとんどなく、また粉砕により粒子に歪みが導入されていた。さらにBET法による比表面積測定の結果、16m2/gであることがわかった。
(酸化セリウムスラリーの作製)
上記作製1,2の酸化セリウム粒子1kgとポリアクリル酸アンモニウム塩水溶液(40重量%)23gと脱イオン水8977gを混合し、攪拌しながら超音波分散を10分間施した。得られたスラリーを1ミクロンフィルターでろ過をし、さらに脱イオン水を加えることにより3wt.%研磨剤を得た。スラリーpHは8.3であった。スラリー粒子の粒度分布をレーザー回折法(測定装置:マルバーンインスツルメンツ社製Master Sizer microplus、屈折率:1.9285、光源:He−Neレーザー、吸収0で測定)を用いて調べたところ、中央値がともに200nmであった。最大粒子径は780nm以上の粒子が0体積%であった。スラリーの分散性およびスラリー粒子の電荷を調べるため、スラリーのゼータ電位を調べた。両側に白金製電極を取り付けてある測定セルに酸化セリウムスラリーを入れ、両電極に10Vの電圧を印加した。電圧を印加することにより電荷を持ったスラリー粒子はその電荷と反対の極を持つ電極側に移動する。この移動速度を求めることにより粒子のゼータ電位を求めることができる。ゼータ電位測定の結果、それぞれマイナスに荷電し、−50mV、−63mVと絶対値が大きく分散性が良好であることを確認した。
上記作製1,2の酸化セリウム粒子1kgとポリアクリル酸アンモニウム塩水溶液(40重量%)23gと脱イオン水8977gを混合し、攪拌しながら超音波分散を10分間施した。得られたスラリーを1ミクロンフィルターでろ過をし、さらに脱イオン水を加えることにより3wt.%研磨剤を得た。スラリーpHは8.3であった。スラリー粒子の粒度分布をレーザー回折法(測定装置:マルバーンインスツルメンツ社製Master Sizer microplus、屈折率:1.9285、光源:He−Neレーザー、吸収0で測定)を用いて調べたところ、中央値がともに200nmであった。最大粒子径は780nm以上の粒子が0体積%であった。スラリーの分散性およびスラリー粒子の電荷を調べるため、スラリーのゼータ電位を調べた。両側に白金製電極を取り付けてある測定セルに酸化セリウムスラリーを入れ、両電極に10Vの電圧を印加した。電圧を印加することにより電荷を持ったスラリー粒子はその電荷と反対の極を持つ電極側に移動する。この移動速度を求めることにより粒子のゼータ電位を求めることができる。ゼータ電位測定の結果、それぞれマイナスに荷電し、−50mV、−63mVと絶対値が大きく分散性が良好であることを確認した。
(絶縁膜層の研磨)
保持する基板取り付け用の吸着パッドを貼り付けたホルダーにTEOS−プラズマCVD法で作製したSiO2絶縁膜を形成させたSiウエハをセットし、多孔質ウレタン樹脂製の研磨パッドを貼り付けた定盤上に絶縁膜面を下にしてホルダーを載せ、さらに加工荷重が300g/cm2になるように重しを載せた。定盤上に上記の酸化セリウムスラリー(固形分:3重量%)を50cc/minの速度で滴下しながら、定盤を30rpmで2分間回転させ、絶縁膜を研磨した。研磨後ウエハをホルダーから取り外して、流水で良く洗浄後、超音波洗浄機によりさらに20分間洗浄した。洗浄後、ウエハをスピンドライヤーで水滴を除去し、120℃の乾燥機で10分間乾燥させた。光干渉式膜厚測定装置を用いて、研磨前後の膜厚変化を測定した結果、この研磨によりそれぞれ600nm、580nm(研磨速度:300nm/min.、290nm/min.)の絶縁膜が削られ、ウエハ全面に渡って均一の厚みになっていることがわかった。また、光学顕微鏡を用いて絶縁膜表面を観察したところ、明確な傷は見られなかった。
保持する基板取り付け用の吸着パッドを貼り付けたホルダーにTEOS−プラズマCVD法で作製したSiO2絶縁膜を形成させたSiウエハをセットし、多孔質ウレタン樹脂製の研磨パッドを貼り付けた定盤上に絶縁膜面を下にしてホルダーを載せ、さらに加工荷重が300g/cm2になるように重しを載せた。定盤上に上記の酸化セリウムスラリー(固形分:3重量%)を50cc/minの速度で滴下しながら、定盤を30rpmで2分間回転させ、絶縁膜を研磨した。研磨後ウエハをホルダーから取り外して、流水で良く洗浄後、超音波洗浄機によりさらに20分間洗浄した。洗浄後、ウエハをスピンドライヤーで水滴を除去し、120℃の乾燥機で10分間乾燥させた。光干渉式膜厚測定装置を用いて、研磨前後の膜厚変化を測定した結果、この研磨によりそれぞれ600nm、580nm(研磨速度:300nm/min.、290nm/min.)の絶縁膜が削られ、ウエハ全面に渡って均一の厚みになっていることがわかった。また、光学顕微鏡を用いて絶縁膜表面を観察したところ、明確な傷は見られなかった。
実施例2
(酸化セリウム粒子の作製)
炭酸セリウム水和物2kgを白金製容器に入れ、700℃で2時間空気中で焼成することにより黄白色の粉末を約1kg得た。この粉末をX線回折法で相同定を行ったところ酸化セリウムであることを確認した。焼成粉末粒子径は30〜100ミクロンであった。焼成粉末粒子表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、酸化セリウムの粒界が観察された。粒界に囲まれた酸化セリウム一次粒子径を測定したところ、その分布の中央値が50nm、最大値が100nmであった。焼成粉末についてX線回折精密測定を行い、その結果についてリートベルト法(RIETAN−94)による解析で、一次粒子径を表わす構造パラメータ−:Xの値が0.300、等方的微少歪みを表わす構造パラメータ−:Yの値が0.350であった。酸化セリウム粉末1kgをジェットミルを用いて乾式粉砕を行った。粉砕粒子について走査型電子顕微鏡で観察したところ、一次粒子径と同等サイズの小さな粒子の他に、2ミクロンから4ミクロンの大きな粉砕残り粒子と0.5から1.2ミクロンの粉砕残り粒子が混在していた。粉砕残り粒子は、一次粒子の凝集体ではない。粉砕粒子についてX線回折精密測定を行い、その結果についてリートベルト法(RIETAN−94)による解析で、一次粒子径を表わす構造パラメータ−:Xの値が0.302、等方的微少歪みを表わす構造パラメータ−:Yの値が0.412であった。この結果、粉砕による一次粒子径変量はほとんどなく、また粉砕により粒子に歪みが導入されていた。さらにBET法による比表面積測定の結果、40m2/gであることがわかった。
(酸化セリウム粒子の作製)
炭酸セリウム水和物2kgを白金製容器に入れ、700℃で2時間空気中で焼成することにより黄白色の粉末を約1kg得た。この粉末をX線回折法で相同定を行ったところ酸化セリウムであることを確認した。焼成粉末粒子径は30〜100ミクロンであった。焼成粉末粒子表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、酸化セリウムの粒界が観察された。粒界に囲まれた酸化セリウム一次粒子径を測定したところ、その分布の中央値が50nm、最大値が100nmであった。焼成粉末についてX線回折精密測定を行い、その結果についてリートベルト法(RIETAN−94)による解析で、一次粒子径を表わす構造パラメータ−:Xの値が0.300、等方的微少歪みを表わす構造パラメータ−:Yの値が0.350であった。酸化セリウム粉末1kgをジェットミルを用いて乾式粉砕を行った。粉砕粒子について走査型電子顕微鏡で観察したところ、一次粒子径と同等サイズの小さな粒子の他に、2ミクロンから4ミクロンの大きな粉砕残り粒子と0.5から1.2ミクロンの粉砕残り粒子が混在していた。粉砕残り粒子は、一次粒子の凝集体ではない。粉砕粒子についてX線回折精密測定を行い、その結果についてリートベルト法(RIETAN−94)による解析で、一次粒子径を表わす構造パラメータ−:Xの値が0.302、等方的微少歪みを表わす構造パラメータ−:Yの値が0.412であった。この結果、粉砕による一次粒子径変量はほとんどなく、また粉砕により粒子に歪みが導入されていた。さらにBET法による比表面積測定の結果、40m2/gであることがわかった。
(酸化セリウムスラリーの作製)
上記作製の酸化セリウム粒子1kgとポリアクリル酸アンモニウム塩水溶液(40重量%)23gと脱イオン水8977gを混合し、攪拌しながら超音波分散を10分間施した。得られたスラリーを2ミクロンフィルターでろ過をし、さらに脱イオン水を加えることにより3wt.%研磨剤を得た。スラリーpHは8.0であった。スラリー粒子の粒度分布をレーザー回折法(測定装置:Master Sizer製microplus、屈折率:1.9285)を用いて調べたところ、中央値が510nmで、最大粒子径は1430nm以上の粒子が0%であった。スラリーの分散性およびスラリー粒子の電荷を調べるため、スラリーのゼータ電位を調べた。両側に白金製電極を取り付けてある測定セルに酸化セリウムスラリーを入れ、両電極に10Vの電圧を印加した。電圧を印加することにより電荷を持ったスラリー粒子はその電荷と反対の極を持つ電極側に移動する。この移動速度を求めることにより粒子のゼータ電位を求めることができる。ゼータ電位測定の結果、マイナスに荷電し、−64mVと絶対値が大きく分散性が良好であることを確認した。
上記作製の酸化セリウム粒子1kgとポリアクリル酸アンモニウム塩水溶液(40重量%)23gと脱イオン水8977gを混合し、攪拌しながら超音波分散を10分間施した。得られたスラリーを2ミクロンフィルターでろ過をし、さらに脱イオン水を加えることにより3wt.%研磨剤を得た。スラリーpHは8.0であった。スラリー粒子の粒度分布をレーザー回折法(測定装置:Master Sizer製microplus、屈折率:1.9285)を用いて調べたところ、中央値が510nmで、最大粒子径は1430nm以上の粒子が0%であった。スラリーの分散性およびスラリー粒子の電荷を調べるため、スラリーのゼータ電位を調べた。両側に白金製電極を取り付けてある測定セルに酸化セリウムスラリーを入れ、両電極に10Vの電圧を印加した。電圧を印加することにより電荷を持ったスラリー粒子はその電荷と反対の極を持つ電極側に移動する。この移動速度を求めることにより粒子のゼータ電位を求めることができる。ゼータ電位測定の結果、マイナスに荷電し、−64mVと絶対値が大きく分散性が良好であることを確認した。
(絶縁膜層の研磨)
保持する基板取り付け用の吸着パッドを貼り付けたホルダーにTEOS−プラズマCVD法で作製したSiO2絶縁膜を形成させたSiウエハをセットし、多孔質ウレタン樹脂製の研磨パッドを貼り付けた定盤上に絶縁膜面を下にしてホルダーを載せ、さらに加工加重が300g/cm2になるように重しを載せた。定盤上に上記の酸化セリウムスラリー(固形分:3重量%)を35cc/minの速度で滴下しながら、定盤を30rpmで2分間回転させ、絶縁膜を研磨した。研磨後ウエハをホルダーから取り外して、流水で良く洗浄後、超音波洗浄機によりさらに20分間洗浄した。洗浄後、ウエハをスピンドライヤーで水滴を除去し、120℃の乾燥機で10分間乾燥させた。光干渉式膜厚測定装置を用いて、研磨前後の膜厚変化を測定した結果、この研磨により740nm(研磨速度:370nm/min.)の絶縁膜が削られ、ウエハ全面に渡って均一の厚みになっていることがわかった。また、光学顕微鏡を用いて絶縁膜表面を観察したところ、明確な傷は見られなかった。
保持する基板取り付け用の吸着パッドを貼り付けたホルダーにTEOS−プラズマCVD法で作製したSiO2絶縁膜を形成させたSiウエハをセットし、多孔質ウレタン樹脂製の研磨パッドを貼り付けた定盤上に絶縁膜面を下にしてホルダーを載せ、さらに加工加重が300g/cm2になるように重しを載せた。定盤上に上記の酸化セリウムスラリー(固形分:3重量%)を35cc/minの速度で滴下しながら、定盤を30rpmで2分間回転させ、絶縁膜を研磨した。研磨後ウエハをホルダーから取り外して、流水で良く洗浄後、超音波洗浄機によりさらに20分間洗浄した。洗浄後、ウエハをスピンドライヤーで水滴を除去し、120℃の乾燥機で10分間乾燥させた。光干渉式膜厚測定装置を用いて、研磨前後の膜厚変化を測定した結果、この研磨により740nm(研磨速度:370nm/min.)の絶縁膜が削られ、ウエハ全面に渡って均一の厚みになっていることがわかった。また、光学顕微鏡を用いて絶縁膜表面を観察したところ、明確な傷は見られなかった。
実施例3
(酸化セリウム粒子の作製)
炭酸セリウム水和物2kgを白金製容器に入れ、800℃で2時間空気中で焼成することにより黄白色の粉末を約1kg得た。この粉末をX線回折法で相同定を行ったところ酸化セリウムであることを確認した。焼成粉末粒子径は30〜100ミクロンであった。焼成粉末粒子表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、酸化セリウムの粒界が観察された。粒界に囲まれた酸化セリウム一次粒子径を測定したところ、その分布の中央値が190nm、最大値が500nmであった。焼成粉末についてX線回折精密測定を行い、その結果についてリートベルト法(RIETAN−94)による解析で、一次粒子径を表わす構造パラメータ−:Xの値が0.080、等方的微少歪みを表わす構造パラメータ−:Yの値が0.223であった。酸化セリウム粉末1kgをビーズミルを用いて湿式粉砕を行った。粉砕粒子を含む液を乾燥し、乾燥粒子をボールミル粉砕を行った。粉砕粒子について走査型電子顕微鏡で観察したところ、一次粒子径と同等サイズの粒子まで粉砕されており、大きな粉砕残りは見られなかった。粉砕粒子についてX線回折精密測定を行い、その結果についてリートベルト法(RIETAN−94)による解析で、一次粒子径を表わす構造パラメータ−:Xの値が0.085、等方的微少歪みを表わす構造パラメータ−:Yの値が0.300であった。この結果、粉砕による一次粒子径変量はほとんどなく、また粉砕により粒子に歪みが導入されていた。さらにBET法による比表面積測定の結果、10m2/gであることがわかった。
(酸化セリウム粒子の作製)
炭酸セリウム水和物2kgを白金製容器に入れ、800℃で2時間空気中で焼成することにより黄白色の粉末を約1kg得た。この粉末をX線回折法で相同定を行ったところ酸化セリウムであることを確認した。焼成粉末粒子径は30〜100ミクロンであった。焼成粉末粒子表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、酸化セリウムの粒界が観察された。粒界に囲まれた酸化セリウム一次粒子径を測定したところ、その分布の中央値が190nm、最大値が500nmであった。焼成粉末についてX線回折精密測定を行い、その結果についてリートベルト法(RIETAN−94)による解析で、一次粒子径を表わす構造パラメータ−:Xの値が0.080、等方的微少歪みを表わす構造パラメータ−:Yの値が0.223であった。酸化セリウム粉末1kgをビーズミルを用いて湿式粉砕を行った。粉砕粒子を含む液を乾燥し、乾燥粒子をボールミル粉砕を行った。粉砕粒子について走査型電子顕微鏡で観察したところ、一次粒子径と同等サイズの粒子まで粉砕されており、大きな粉砕残りは見られなかった。粉砕粒子についてX線回折精密測定を行い、その結果についてリートベルト法(RIETAN−94)による解析で、一次粒子径を表わす構造パラメータ−:Xの値が0.085、等方的微少歪みを表わす構造パラメータ−:Yの値が0.300であった。この結果、粉砕による一次粒子径変量はほとんどなく、また粉砕により粒子に歪みが導入されていた。さらにBET法による比表面積測定の結果、10m2/gであることがわかった。
(酸化セリウムスラリーの作製)
上記作製の酸化セリウム粒子1kgとポリアクリル酸アンモニウム塩水溶液(40重量%)23gと脱イオン水8977gを混合し、攪拌しながら超音波分散を10分間施した。得られたスラリーを1ミクロンフィルターでろ過をし、さらに脱イオン水を加えることにより3wt.%研磨剤を得た。スラリーpHは8.3であった。スラリー粒子の粒度分布をレーザー回折法(測定装置:MasterSizer製microplus、屈折率:1.9285)を用いて調べたところ、中央値が290nmで、最大粒子径は780nm以上の粒子が0%であった。スラリーの分散性およびスラリー粒子の電荷を調べるため、スラリーのゼータ電位を調べた。両側に白金製電極を取り付けてある測定セルに酸化セリウムスラリーを入れ、両電極に10Vの電圧を印加した。電圧を印加することにより電荷を持ったスラリー粒子はその電荷と反対の極を持つ電極側に移動する。この移動速度を求めることにより粒子のゼータ電位を求めることができる。ゼータ電位測定の結果、マイナスに荷電し、−50mVと絶対値が大きく分散性が良好であることを確認した。
上記作製の酸化セリウム粒子1kgとポリアクリル酸アンモニウム塩水溶液(40重量%)23gと脱イオン水8977gを混合し、攪拌しながら超音波分散を10分間施した。得られたスラリーを1ミクロンフィルターでろ過をし、さらに脱イオン水を加えることにより3wt.%研磨剤を得た。スラリーpHは8.3であった。スラリー粒子の粒度分布をレーザー回折法(測定装置:MasterSizer製microplus、屈折率:1.9285)を用いて調べたところ、中央値が290nmで、最大粒子径は780nm以上の粒子が0%であった。スラリーの分散性およびスラリー粒子の電荷を調べるため、スラリーのゼータ電位を調べた。両側に白金製電極を取り付けてある測定セルに酸化セリウムスラリーを入れ、両電極に10Vの電圧を印加した。電圧を印加することにより電荷を持ったスラリー粒子はその電荷と反対の極を持つ電極側に移動する。この移動速度を求めることにより粒子のゼータ電位を求めることができる。ゼータ電位測定の結果、マイナスに荷電し、−50mVと絶対値が大きく分散性が良好であることを確認した。
(絶縁膜層の研磨)
保持する基板取り付け用の吸着パッドを貼り付けたホルダーにTEOS−プラズマCVD法で作製したSiO2絶縁膜を形成させたSiウエハをセットし、多孔質ウレタン樹脂製の研磨パッドを貼り付けた定盤上に絶縁膜面を下にしてホルダーを載せ、さらに加工加重が300g/cm2になるように重しを載せた。定盤上に上記の酸化セリウムスラリー(固形分:3重量%)を35cc/minの速度で滴下しながら、定盤を30rpmで2分間回転させ、絶縁膜を研磨した。研磨後ウエハをホルダーから取り外して、流水で良く洗浄後、超音波洗浄機によりさらに20分間洗浄した。洗浄後、ウエハをスピンドライヤーで水滴を除去し、120℃の乾燥機で10分間乾燥させた。光干渉式膜厚測定装置を用いて、研磨前後の膜厚変化を測定した結果、この研磨により560nm(研磨速度:280nm/min.)の絶縁膜が削られ、ウエハ全面に渡って均一の厚みになっていることがわかった。また、光学顕微鏡を用いて絶縁膜表面を観察したところ、明確な傷は見られなかった。
保持する基板取り付け用の吸着パッドを貼り付けたホルダーにTEOS−プラズマCVD法で作製したSiO2絶縁膜を形成させたSiウエハをセットし、多孔質ウレタン樹脂製の研磨パッドを貼り付けた定盤上に絶縁膜面を下にしてホルダーを載せ、さらに加工加重が300g/cm2になるように重しを載せた。定盤上に上記の酸化セリウムスラリー(固形分:3重量%)を35cc/minの速度で滴下しながら、定盤を30rpmで2分間回転させ、絶縁膜を研磨した。研磨後ウエハをホルダーから取り外して、流水で良く洗浄後、超音波洗浄機によりさらに20分間洗浄した。洗浄後、ウエハをスピンドライヤーで水滴を除去し、120℃の乾燥機で10分間乾燥させた。光干渉式膜厚測定装置を用いて、研磨前後の膜厚変化を測定した結果、この研磨により560nm(研磨速度:280nm/min.)の絶縁膜が削られ、ウエハ全面に渡って均一の厚みになっていることがわかった。また、光学顕微鏡を用いて絶縁膜表面を観察したところ、明確な傷は見られなかった。
実施例4
(酸化セリウム粒子の作製)
炭酸セリウム水和物2kgを白金製容器に入れ、700℃で2時間空気中で焼成することにより黄白色の粉末を約1kg得た。この粉末をX線回折法で相同定を行ったところ酸化セリウムであることを確認した。焼成粉末粒子径は30〜100ミクロンであった。焼成粉末粒子表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、酸化セリウムの粒界が観察された。粒界に囲まれた酸化セリウム一次粒子径を測定したところ、その分布の中央値が50nm、最大値が100nmであった。焼成粉末についてX線回折精密測定を行い、その結果についてリートベルト法(RIETAN−94)による解析で、一次粒子径を表わす構造パラメータ−:Xの値が0.300、等方的微少歪みを表わす構造パラメータ−:Yの値が0.350であった。酸化セリウム粉末1kgをビーズミルを用いて湿式粉砕を行った。粉砕粒子を含む液を乾燥し、乾燥粒子をボールミル粉砕を行った。粉砕粒子について走査型電子顕微鏡で観察したところ、一次粒子径と同等サイズの粒子まで粉砕されており、大きな粉砕残りは見られなかった。粉砕粒子についてX線回折精密測定を行い、その結果についてリートベルト法(RIETAN−94)による解析で、一次粒子径を表わす構造パラメータ−:Xの値が0.302、等方的微少歪みを表わす構造パラメータ−:Yの値が0.450であった。この結果、粉砕による一次粒子径変量はほとんどなく、また粉砕により粒子に歪みが導入されていた。さらにBET法による比表面積測定の結果、40m2/gであることがわかった。
(酸化セリウム粒子の作製)
炭酸セリウム水和物2kgを白金製容器に入れ、700℃で2時間空気中で焼成することにより黄白色の粉末を約1kg得た。この粉末をX線回折法で相同定を行ったところ酸化セリウムであることを確認した。焼成粉末粒子径は30〜100ミクロンであった。焼成粉末粒子表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、酸化セリウムの粒界が観察された。粒界に囲まれた酸化セリウム一次粒子径を測定したところ、その分布の中央値が50nm、最大値が100nmであった。焼成粉末についてX線回折精密測定を行い、その結果についてリートベルト法(RIETAN−94)による解析で、一次粒子径を表わす構造パラメータ−:Xの値が0.300、等方的微少歪みを表わす構造パラメータ−:Yの値が0.350であった。酸化セリウム粉末1kgをビーズミルを用いて湿式粉砕を行った。粉砕粒子を含む液を乾燥し、乾燥粒子をボールミル粉砕を行った。粉砕粒子について走査型電子顕微鏡で観察したところ、一次粒子径と同等サイズの粒子まで粉砕されており、大きな粉砕残りは見られなかった。粉砕粒子についてX線回折精密測定を行い、その結果についてリートベルト法(RIETAN−94)による解析で、一次粒子径を表わす構造パラメータ−:Xの値が0.302、等方的微少歪みを表わす構造パラメータ−:Yの値が0.450であった。この結果、粉砕による一次粒子径変量はほとんどなく、また粉砕により粒子に歪みが導入されていた。さらにBET法による比表面積測定の結果、40m2/gであることがわかった。
(酸化セリウムスラリーの作製)
上記作製の酸化セリウム粒子1kgとポリアクリル酸アンモニウム塩水溶液(40重量%)23gと脱イオン水8977gを混合し、攪拌しながら超音波分散を10分間施した。得られたスラリーを1ミクロンフィルターでろ過をし、さらに脱イオン水を加えることにより3wt.%研磨剤を得た。スラリーpHは8.5であった。スラリー粒子の粒度分布をレーザー回折法(測定装置:MasterSizer製microplus、屈折率:1.9285)を用いて調べたところ、中央値が290nmで、最大粒子径は780nm以上の粒子が0%であった。スラリーの分散性およびスラリー粒子の電荷を調べるため、スラリーのゼータ電位を調べた。両側に白金製電極を取り付けてある測定セルに酸化セリウムスラリーを入れ、両電極に10Vの電圧を印加した。電圧を印加することにより電荷を持ったスラリー粒子はその電荷と反対の極を持つ電極側に移動する。この移動速度を求めることにより粒子のゼータ電位を求めることができる。ゼータ電位測定の結果、マイナスに荷電し、−65mVと絶対値が大きく分散性が良好であることを確認した。
上記作製の酸化セリウム粒子1kgとポリアクリル酸アンモニウム塩水溶液(40重量%)23gと脱イオン水8977gを混合し、攪拌しながら超音波分散を10分間施した。得られたスラリーを1ミクロンフィルターでろ過をし、さらに脱イオン水を加えることにより3wt.%研磨剤を得た。スラリーpHは8.5であった。スラリー粒子の粒度分布をレーザー回折法(測定装置:MasterSizer製microplus、屈折率:1.9285)を用いて調べたところ、中央値が290nmで、最大粒子径は780nm以上の粒子が0%であった。スラリーの分散性およびスラリー粒子の電荷を調べるため、スラリーのゼータ電位を調べた。両側に白金製電極を取り付けてある測定セルに酸化セリウムスラリーを入れ、両電極に10Vの電圧を印加した。電圧を印加することにより電荷を持ったスラリー粒子はその電荷と反対の極を持つ電極側に移動する。この移動速度を求めることにより粒子のゼータ電位を求めることができる。ゼータ電位測定の結果、マイナスに荷電し、−65mVと絶対値が大きく分散性が良好であることを確認した。
(絶縁膜層の研磨)
保持する基板取り付け用の吸着パッドを貼り付けたホルダーにTEOS−プラズマCVD法で作製したSiO2絶縁膜を形成させたSiウエハをセットし、多孔質ウレタン樹脂製の研磨パッドを貼り付けた定盤上に絶縁膜面を下にしてホルダーを載せ、さらに加工加重が300g/cm2になるように重しを載せた。定盤上に上記の酸化セリウムスラリー(固形分:3重量%)を35cc/minの速度で滴下しながら、定盤を30rpmで2分間回転させ、絶縁膜を研磨した。研磨後ウエハをホルダーから取り外して、流水で良く洗浄後、超音波洗浄機によりさらに20分間洗浄した。洗浄後、ウエハをスピンドライヤーで水滴を除去し、120℃の乾燥機で10分間乾燥させた。光干渉式膜厚測定装置を用いて、研磨前後の膜厚変化を測定した結果、この研磨により400nm(研磨速度:200nm/min.)の絶縁膜が削られ、ウエハ全面に渡って均一の厚みになっていることがわかった。また、光学顕微鏡を用いて絶縁膜表面を観察したところ、明確な傷は見られなかった。
保持する基板取り付け用の吸着パッドを貼り付けたホルダーにTEOS−プラズマCVD法で作製したSiO2絶縁膜を形成させたSiウエハをセットし、多孔質ウレタン樹脂製の研磨パッドを貼り付けた定盤上に絶縁膜面を下にしてホルダーを載せ、さらに加工加重が300g/cm2になるように重しを載せた。定盤上に上記の酸化セリウムスラリー(固形分:3重量%)を35cc/minの速度で滴下しながら、定盤を30rpmで2分間回転させ、絶縁膜を研磨した。研磨後ウエハをホルダーから取り外して、流水で良く洗浄後、超音波洗浄機によりさらに20分間洗浄した。洗浄後、ウエハをスピンドライヤーで水滴を除去し、120℃の乾燥機で10分間乾燥させた。光干渉式膜厚測定装置を用いて、研磨前後の膜厚変化を測定した結果、この研磨により400nm(研磨速度:200nm/min.)の絶縁膜が削られ、ウエハ全面に渡って均一の厚みになっていることがわかった。また、光学顕微鏡を用いて絶縁膜表面を観察したところ、明確な傷は見られなかった。
比較例
実施例と同様にTEOS−CVD法で作製したSiO2絶縁膜を形成させたSiウエハについて、市販シリカスラリー(キャボット社製、商品名SS225)を用いて研磨を行った。この市販スラリーのpHは10.3で、SiO2粒子を12.5wt%含んでいるものである。研磨条件は実施例と同一である。その結果、研磨による傷は見られず、また均一に研磨がなされたが、2分間の研磨により150nm(研磨速度:75nm/min.)の絶縁膜層しか削れなかった。
実施例と同様にTEOS−CVD法で作製したSiO2絶縁膜を形成させたSiウエハについて、市販シリカスラリー(キャボット社製、商品名SS225)を用いて研磨を行った。この市販スラリーのpHは10.3で、SiO2粒子を12.5wt%含んでいるものである。研磨条件は実施例と同一である。その結果、研磨による傷は見られず、また均一に研磨がなされたが、2分間の研磨により150nm(研磨速度:75nm/min.)の絶縁膜層しか削れなかった。
Claims (1)
- 酸化セリウム粒子、分子量5000〜20000のポリアクリル酸アンモニウム塩および水を含む半導体基板研磨用酸化セリウム研磨剤。
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