JP4776519B2 - 研磨剤及びスラリー - Google Patents

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本発明は、研磨剤、基板の研磨法及び半導体装置の製造法に関する。
従来、半導体装置の製造工程において、プラズマ−CVD(化学蒸着)、低圧−CVD等の方法で形成されるSiO絶縁膜等の無機絶縁膜層を平坦化するための化学機械研磨剤として、コロイダルシリカ系の研磨剤が一般的に検討されている。コロイダルシリカ系の研磨剤は、四塩化珪酸を熱分解する等の方法でシリカ粒子を粒成長させ、アンモニア等のアルカリ金属を含まないアルカリ溶液でpH調整を行って製造している。しかしながら、このような研磨剤は無機絶縁膜の研磨速度が充分な速度を持たず、実用化には低研磨速度という技術課題がある。
一方、フォトマスク用ガラス表面研磨として、酸化セリウム研磨剤が用いられている。酸化セリウム粒子はシリカ粒子やアルミナ粒子に比べ硬度が低く、したがって研磨表面に傷が入りにくいことから仕上げ鏡面研磨に有用である。また、酸化セリウムは強い酸化剤として知られるように、化学的活性な性質を有している。この利点を活かし、絶縁膜用化学機械研磨剤への適用が有用である。しかしながら、フォトマスク用ガラス表面研磨用酸化セリウム研磨剤をそのまま無機絶縁膜研磨に適用すると、1次粒子径が大きく、そのため絶縁膜表面に目視で観察できる研磨傷が入ってしまう。
本発明は、SiO絶縁膜等の被研磨面を傷なく高速に研磨することが可能な研磨剤、基板の研磨法及び半導体装置の製造法を提供するものである。
本発明により、2個以上の結晶子から構成され結晶粒界を有する酸化セリウム粒子を、媒体に分散させたスラリーを含む研磨剤が提供される。
結晶粒界を有する酸化セリウム粒子径の中央値は、60〜1500nmが好ましく、100〜1200nmがより好ましく、300〜1000nmが最も好ましい。結晶子径の中央値は、5〜250nmが好ましく、5〜150nmがより好ましい。 結晶粒界を有する酸化セリウム粒子径の中央値が300〜1000nmであり、結晶子径の中央値が10〜50nmである粒子が好ましく使用される。また、結晶粒界を有する酸化セリウム粒子径の中央値が300〜1000nmであり、結晶子径の中央値が50〜200nmである粒子が好ましく使用される。 結晶粒界を有する酸化セリウム粒子の最大径は、3000nm以下が好ましく、結晶子の最大径は、600nm以下が好ましい。結晶子径が10〜600nmのものが好ましい。
また、本発明により、気孔を有する砥粒を媒体に分散させたスラリーを含む研磨剤が提供される。砥粒としては酸化セリウム粒子が好ましく使用される。
気孔は、ピクノメータを用いて測定した密度とX線リートベルト解析で求めた理論密度との比から求めた気孔率が10〜30%であることが好ましい。また、B.J.H.(Barret, Joyner, Halende)法により測定した細孔容積が0.02〜0.05cm/gである気孔が好ましい。
さらに、本発明により、かさ密度が6.5g/cm以下である酸化セリウム粒子を媒体に分散させたスラリーを含む研磨剤が提供される。かさ密度が5.0g/cm以上5.9g/cm以下であることが好ましい。
媒体としては、水が好ましく使用される。スラリーには分散剤を含むことができ、分散剤としては、水溶性有機高分子、水溶性陰イオン界面活性剤、水溶性非イオン性界面活性剤及び水溶性アミンから選ばれる少なくとも1種であるが好ましく、ポリアクリル酸アンモニウム塩が好ましく使用できる。
さらに、本発明により、2個以上の結晶子から構成され結晶粒界を有する酸化セリウム粒子を含み、粒径1μm以上の酸化セリウム粒子が酸化セリウム粒子全量の0.1重量%以上を占め、前記結晶粒界を有する酸化セリウム粒子は、研磨の際に崩れながら所定の基板を研磨することを特徴とする研磨剤が提供される。
さらに、本発明により、2個以上の結晶子から構成され結晶粒界を有する酸化セリウム粒子を含み、前記結晶粒界を有する酸化セリウム粒子は、研磨の際に媒体と触れていない新面を生成しながら、所定の基板を研磨することを特徴とする研磨剤が提供される。
さらに、本発明により、2個以上の結晶子から構成され結晶粒界を有する酸化セリウム粒子を含む研磨剤であって、
(1)所定の基板を研磨した後遠心沈降法により測定した、研磨後の粒径0.5μm以上の酸化セリウム粒子の含有量の、同様に遠心沈降法により測定した研磨前の粒径0.5μm以上の酸化セリウム粒子の含有量に対する比率が、0.8以下となることを特徴とする研磨剤、
(2)所定の基板を研磨した後レーザー回折法により測定した、研磨後のD99体積%の酸化セリウム粒子径の、同様にレーザー回折法により測定した研磨前のD99%の酸化セリウム粒子径に対する比率が、0.4以上0.9以下となることを特徴とする研磨剤、及び、
(3)所定の基板を研磨した後レーザー回折法により測定した、研磨後のD90体積%の酸化セリウム粒子径の、同様に後レーザー回折法により測定した研磨前のD90%の酸化セリウム粒子径に対する比率が、0.7以上0.95以下となることを特徴とする研磨剤
が提供される。
本発明の基板の研磨法は、上述の研磨剤を用いて所定の基板を研磨するものであり、当該所定の基板の強度が、酸化セリウム粒子の粒界破壊強度より大きいことが好ましい。所定の基板は、シリカ膜が形成された半導体チップであることができる。
本発明の半導体装置の製造法は、シリカ膜が形成された半導体チップを、前記の研磨剤で研磨する工程を備えるものである。
一般に酸化セリウムは、炭酸塩、硫酸塩、蓚酸塩等のセリウム化合物を焼成することによって得られる。TEOS(テトラエトキシシラン)−CVD法等で形成されるSiO絶縁膜は、粒子径が大きく、かつ結晶歪が少ないほど、すなわち結晶性がよいほど高速研磨が可能であるが、研磨傷が入りやすい傾向がある。そこで、本発明で用いる酸化セリウム粒子は、あまり結晶性を上げないで調製される。また、半導体チップ研磨に使用することから、アルカリ金属及びハロゲン類の含有率は1ppm以下に抑えることが好ましい。
本発明の研磨剤は高純度のもので、Na、K、Si、Mg、Ca、Zr、Ti、Ni、Cr、Feはそれぞれ1ppm以下、Alは10ppm以下である。
本発明において、酸化セリウム粒子を調製する方法として焼成法が使用できる。ただし、研磨傷が入らない粒子を調製するために、できるだけ結晶性を上げない低温焼成が好ましい。セリウム化合物の酸化温度が300℃であることから、焼成温度は400℃以上900℃以下が好ましい。炭酸セリウムを400℃以上900℃以下で5〜300分、酸素ガス等の酸化雰囲気で焼成すること好ましい。
焼成された酸化セリウムは、ジェットミル、ボールミル等の乾式粉砕、ビ−ズミル、ボールミル等の湿式粉砕で粉砕することができる。焼成酸化セリウムを粉砕した酸化セリウム粒子には、結晶子サイズの小さい単結晶粒子と結晶子サイズまで粉砕されていない粉砕粒子が含まれ、この粉砕粒子は単結晶粒子が再凝集した凝集体とは異なっており、2つ以上の結晶子から構成され結晶粒界を有している。この結晶粒界を有す粉砕粒子を含む研磨剤で研磨を行うと、研磨時の応力により破壊され活性面を発生すると推定され、SiO絶縁膜等の被研磨面を傷なく高速に研磨することに寄与していると考えられる。
本発明における酸化セリウムスラリーは、上記の方法により製造された酸化セリウム粒子を含有する水溶液又はこの水溶液から回収した酸化セリウム粒子、水及び必要に応じて分散剤からなる組成物を分散させることによって得られる。必要に応じて酸化セリウム粒子はフィルタ等で分級することができる。ここで、酸化セリウム粒子の濃度に制限はないが、懸濁液(研磨剤)の取り扱いやすさから0.5〜10重量%の範囲が好ましい。
分散剤としては、金属イオン類を含まないものとして、アクリル酸系ポリマー、ポリビニルアルコール等の水溶性有機高分子類、ラウリル硫酸アンモニウム及びポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム等の水溶性陰イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンラウリルエーテル及びポリエチレングリコールモノステアレート等の水溶性非イオン性界面活性剤、並びに、モノエタノールアミン及びジエタノールアミン等の水溶性アミン類等が挙げられる。なお、アクリル酸系ポリマーには、例えば、アクリル酸重合体及びそのアンモニウム塩、メタクリル酸重合体及びそのアンモニウム塩、並びに、アクリル酸アンモニウム塩とアクリル酸アルキル(メチル、エチル又はプロピル)との共重合体などが挙げられる。
これらのうち、ポリアクリル酸アンモニウム塩、又は、アクリル酸アンモニウム塩とアクリル酸メチルとの共重合体が好ましい。後者を用いる場合、アクリル酸アンモニウム塩とアクリル酸メチルとのモル比は、アクリル酸アンモニウム塩/アクリル酸メチルが10/90〜90/10であることが好ましい。
また、アクリル酸系ポリマーの重量平均分子量1000〜20000であることが好ましい。重量平均分子量が20000を超えると再凝集による粒度分布の経時変化が生じやすい。重量平均分子量が1000未満では分散性及び沈降防止の効果が充分でない場合がある。
これらの分散剤の添加量は、スラリー中の粒子の分散性及び沈降防止性等から、酸化セリウム粒子100重量部に対して0.01重量部から5重量部の範囲が好ましく、その分散効果を高めるためには、分散処理時に分散機の中に粒子と同時に入れることが好ましい。酸化セリウム粒子100重量部に対して0.01重量部未満では沈降しやすく、5重量部を超えると再凝集による粒度分布の経時変化が生じやすい。
これらの酸化セリウム粒子を水中に分散させる方法としては、通常の撹拌機による分散処理の他に、ホモジナイザー、超音波分散機、ボールミル等を用いることができる。サブμmオーダの酸化セリウム粒子を分散させるためには、ボールミル、振動ボールミル、遊星ボールミル、媒体撹拌式ミル等の湿式分散機を用いることが好ましい。また、スラリーのアルカリ性を高めたい場合には、分散処理時又は処理後に、アンモニア水などの金属イオンを含まないアルカリ性物質を添加することができる。
本発明の酸化セリウム研磨剤は、上記スラリーをそのまま使用してもよいが、N,N−ジエチルエタノ−ルアミン、N,N−ジメチルエタノ−ルアミン、アミノエチルエタノ−ルアミン、陰イオン性界面活性剤、ポリビニルアルコール、又は、上述の分散剤といった添加剤を使用形態に応じ適宜添加して研磨剤とすることができる。
本発明のスラリーに分散される結晶粒界を有する酸化セリウム粒子径の中央値は60〜1500nmが好ましく、結晶子径の中央値は5〜250nmが好ましい。
結晶粒界を有する酸化セリウム粒子径の中央値が60nm未満、又は結晶子径の中央値が5nm未満であれば、SiO絶縁膜等の被研磨面を高速に研磨することができ難くなる傾向があり、結晶粒界を有する酸化セリウム粒子径の中央値が1500nmを超える、又は結晶子の中央値が250nmを超えると、SiO絶縁膜等の被研磨面に傷が発生しやすくなる。結晶粒界を有する酸化セリウム粒子径の最大値が3000nmを超えると、SiO絶縁膜等の被研磨面に傷が発生しやすくなる。結晶粒界を有する酸化セリウム粒子は、全酸化セリウム粒子の5〜100体積%であることが好ましく、5体積%未満の場合はSiO絶縁膜等の被研磨面に傷が発生しやすくなる。
上記の酸化セリウム粒子では、結晶子の最大径は600nm以下が好ましく、結晶子径は10〜600nmであることが好ましい。結晶子が600nmを超えると傷が発生しやすく、10nm未満であると研磨速度が小さくなる傾向にある。
本発明で、結晶子径及び結晶粒界を有する酸化セリウム粒子径は走査型電子顕微鏡(例えば(株)日立製作所製S−900型)による観察で測定する。なお、粒子の粒子径は、その粒子の長径と短径とから求める。すなわち、その粒子の長径と短径とを測定し、長径と短径との積の平方根を粒子径とする。また、こうして決められた粒子径から求められる球の体積を、その粒子の体積とする。
また、中央値は、体積粒子径分布の中央値であり、粒子径の細かいものからその粒子の体積割合を積算していき50%になったときの粒子径を意味する。すなわち、ある区間Δの粒子径の範囲に体積割合V%の量の粒子が存在するとき、区間Δの平均粒子径をdとすると粒子径dの粒子がV体積%存在するとする。粒子径dの小さい方から粒子の存在割合V(体積%)を積算していき、V=50%になったときのdを中央値とする。
本発明のスラリーに分散される気孔を有する酸化セリウム粒子の気孔率は10〜30%であることが好ましい。この気孔率の求め方は、ピクノメータを用いて測定(純水、20℃)した密度とX線リートベルト解析で求めた理論密度の比から算出した。気孔を有する酸化セリウム粒子の細孔容積が0.02〜0.05cm/gであることが好ましい。
気孔率が10%未満、又は、細孔容積が0.02cm/g未満であると、SiO絶縁膜等の被研磨面を高速に研磨することができるが、研磨傷が発生しやすくなる。また、気孔率が30%を超える、又は、細孔容積が0.05cm/gを超えると、SiO絶縁膜等の被研磨面を研磨傷は入らないが、研磨速度が遅くなる傾向にある。
また、本発明では、かさ密度が6.5g/cm以下である酸化セリウム粒子が分散しているスラリーが提供される。酸化セリウムのかさ密度が6.5g/cmを超えると、SiO絶縁膜の被研磨面に傷が発生する。酸化セリウムのかさ密度は5.0〜5.9g/cmが好ましく、この下限値未満であると研磨速度が小さくなり、上限値を超えると傷が発生しやすい。なお、本明細書で用いたかさ密度は、ピクノメータで測定した粉体の密度である。測定に際してピクノメータに注入する液体には純水を使用し、20℃で測定した。
本発明のスラリーに分散された酸化セリウム粒子を構成する一次粒子のアスペクト比は1〜2、中央値1.3が好ましい。アスペクト比は、走査型電子顕微鏡(例えば(株)日立製作所製 S−900型)による観察で測定する。
本発明のスラリーのpHは、7以上10以下が好ましく、8以上9以下がより好ましい。
なお、スラリーは、pHを調整した後、ポリエチレン等の容器に入れ5〜55℃で7日以上、より好ましくは30日以上放置してから使用すれば、傷の発生が少なくなる。本発明のスラリーは、分散性に優れ、沈降速度が遅く、直径10cm高さ1mの円柱容器内のどの高さでも、2時間放置濃度変化率が10%未満である。
また、本発明では、2個以上の結晶子から構成され結晶粒界を有する酸化セリウム粒子を含むもので、粒径1μm以上の酸化セリウム粒子が酸化セリウム粒子全量の0.1重量%以上を占め、結晶粒界を有する酸化セリウム粒子は、所定の基板を研磨する際、崩れながら研磨する研磨剤が提供される。粒径1μm以上の酸化セリウム粒子の含有量は、0.1〜50重量%であることが好ましく、0.1〜30重量%であることがより好ましい。
粒径1μm以上の酸化セリウム粒子の含有量の測定は、液中パーティクルカウンタを用いて、粒子により遮られた透過光強度を測定することにより行い、測定装置としては例えば、Particle Sizing System, Inc.製のmodel 770 AccuSizer(商品名)を使用することができる。
また、本発明では、所定の基板を研磨する際、結晶粒界を有する酸化セリウム粒子が、媒体と触れていない新面を生成しながら研磨する研磨剤が提供される。
さらに、本発明では、基板を研磨した後遠心沈降法により測定した、研磨後の0.5μm以上の酸化セリウム粒子含有量の、研磨前の含有量に対する比率が、0.001以上となる研磨剤が提供される。なお、遠心沈降法は、遠心力により沈降させた粒子を透過光の強度により酸化セリウム粒子含有量を測定するものである。測定装置には、例えば島津製作所SA−CP4L(商品名)を使用することができる。
また、本発明では、基板を研磨した後レーザー回折法により測定した、研磨後のD99体積%の酸化セリウム粒子径の、研磨前のD99%の酸化セリウム粒子径に対する比率が、0.4以上0.9以下となる研磨剤が提供される。
また、本発明の研磨剤では、所定の基板を研磨した後、レーザー回折法により測定した研磨後のD90体積%の酸化セリウム粒子径と研磨前のD90%の酸化セリウム粒子径との比が0.7以上0.95以下となる。
なお、所定の基板を研磨した後とは、研磨対象となる基板を保持するための基板取り付け用吸着パッドを貼り付けたホルダーに所定の基板をセットし、多孔質ウレタン樹脂製の研磨パッドを貼り付けた定盤上に被研磨面を下にしてホルダーを載せ、さらに加工荷重が300g/cmになるように重しを載せ、定盤上に上記の研磨剤を50ml/分の速度で滴下しながら定盤を30rpmで一時間回転させることにより被研磨面を研磨した後を意味する。その際、研磨後の研磨剤は循環させて再使用し、研磨剤の総量は750mlとする。
レーザ回折法による測定は、例えば、マルバーンインスツルメンツ社製Master Sizer microplus、屈折率:1.9285、光源:He−Neレーザ、吸収0)によって行うことができる。
また、D99%、D90%は、体積粒子径分布において粒子径の細かいものからその粒子の体積割合を積算していき、それぞれ99%、90%になったときの粒子径を意味する。
本発明の酸化セリウム研磨剤が使用される無機絶縁膜としては、SiH又はテトラエトキシシランをSi源とし、酸素又はオゾンを酸素源としたCVD法により形成されたSiO膜が挙げられる。
所定の基板として、回路素子とアルミニウム配線が形成された段階の半導体基板、回路素子が形成された段階の半導体基板等の半導体基板上にSiO絶縁膜層が形成された基板等が使用できる。また、半導体分離(シャロー・トレンチ分離)の目的で形成されたSiO絶縁膜を含有する基板も使用できる。このような半導体基板上に形成されたSiO絶縁膜層を、上記研磨剤で研磨することによって、SiO絶縁膜層表面の凹凸を解消し、半導体基板全面に渡って平滑な面とする。ここで、研磨する装置としては、半導体基板を保持するホルダーと研磨布(パッド)を貼り付けた(回転数が変更可能なモータ等を取り付けてある)定盤を有する一般的な研磨装置が使用できる。研磨布としては、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂などが使用でき、特に制限がない。また、研磨布にはスラリーが溜まるような溝加工を施すことが好ましい。研磨条件に制限はないが、定盤の回転速度は、半導体が飛び出さないように100rpm以下の低回転が好ましく、半導体基板にかける圧力は、研磨後に傷が発生しないように1kg/cm以下が好ましい。研磨している間、研磨布にはスラリーをポンプ等で連続的に供給する。この供給量に制限はないが、研磨布の表面が常にスラリーで覆われていることが好ましい。
研磨終了後の半導体基板は、流水中で良く洗浄後、スピンドライヤ等を用いて半導体基板上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させることが好ましい。このようにして平坦化されたSiO絶縁膜層の上に、第2層目のアルミニウム配線を形成し、その配線間及び配線上に再度上記方法により、SiO絶縁膜を形成後、上記酸化セリウム研磨剤を用いて研磨することによって、絶縁膜表面の凹凸を解消し、半導体基板全面に渡って平滑な面とする。この工程を所定数繰り返すことにより、所望の層数の半導体を製造する。
本発明の酸化セリウム研磨剤は、半導体基板に形成されたSiO絶縁膜だけでなく、所定の配線を有する配線板に形成されたSiO絶縁膜、ガラス、窒化ケイ素等の無機絶縁膜、フォトマスク・レンズ・プリズム等の光学ガラス、ITO(Indium Tin Oxide)等の無機導電膜、ガラス及び結晶質材料で構成される光集積回路・光スイッチング素子・光導波路、光ファイバ−の端面、シンチレ−タ等の光学用単結晶、固体レ−ザ単結晶、青色レ−ザ用LEDサファイア基板、SiC、GaP、GaAS等の半導体単結晶、磁気ディスク用ガラス基板、磁気ヘッド等を研磨するために使用される。
このように本発明において所定の基板とは、SiO絶縁膜が形成された半導体基板、SiO絶縁膜が形成された配線板、ガラス、窒化ケイ素等の無機絶縁膜、フォトマスク・レンズ・プリズム等の光学ガラス、ITO等の無機導電膜、ガラス及び結晶質材料で構成される光集積回路・光スイッチング素子・光導波路、光ファイバ−の端面、シンチレ−タ等の光学用単結晶、固体レ−ザ単結晶、青色レ−ザ用LEDサファイア基板、SiC、GaP、GaAS等の半導体単結晶、磁気ディスク用ガラス基板、磁気ヘッド等を含む。
(1)酸化セリウム粒子の調製
a.酸化セリウム粒子Aの調製
炭酸セリウム水和物2kgを白金製容器に入れ、800℃で、2時間、空気中で焼成することにより、黄白色の粉末を約1kg得た。この粉末の相同定をX線回折法で行ない、酸化セリウムであることを確認した。
得られた焼成粉末の粒子径は30〜100μmであった。焼成粉末粒子の表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、酸化セリウムの粒界が観察された。粒界に囲まれた酸化セリウム結晶子径を測定したところ、その分布の中央値が190nm、最大値が500nmであった。
次に、得られた焼成粉末1kgを、ジェットミルを用いて乾式粉砕した。粉砕後の粒子について走査型電子顕微鏡で観察したところ、結晶子径と同等サイズの小さな単結晶粒子の他に、1μmから3μmの大きな多結晶粒子と0.5から1μmの多結晶粒子が混在していた。多結晶粒子は、単結晶粒子の凝集体ではなかった。粉砕により得られた酸化セリウム粒子を、以下、酸化セリウム粒子Aと呼ぶ。
b.酸化セリウム粒子Bの調製
炭酸セリウム水和物2kgを白金製容器に入れ、750℃で、2時間、空気中で焼成することにより、黄白色の粉末を約1kg得た。この粉末の相同定をX線回折法で行い、酸化セリウムであることを確認した。焼成粉末の粒子径は30〜100μmであった。
得られた焼成粉末の粒子表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、酸化セリウムの粒界が観察された。粒界に囲まれた酸化セリウム結晶子径を測定したところ、その分布の中央値が141nm、最大値が400nmであった。
次に、得られた焼成粉末1kgを、ジェットミルを用いて乾式粉砕した。粉砕後の粒子について走査型電子顕微鏡で観察したところ、結晶子径と同等サイズの小さな単結晶粒子の他に、1μmから3μmの大きな多結晶粒子と0.5〜1μmの多結晶粒子が混在していた。多結晶粒子は、単結晶粒子の凝集体ではなかった。粉砕により得られた酸化セリウム粒子を、以下、酸化セリウム粒子Bと呼ぶ。
(2)研磨剤の調製
a.研磨剤A,Bの調製
上記(1)で得られた酸化セリウム粒子A又はB1kgと、ポリアクリル酸アンモニウム塩水溶液(40重量%)23gと、脱イオン水8977gとを混合し、攪拌しながら超音波を10分間照射して、酸化セリウム粒子を分散させ、スラリーを得た。
得られたスラリーを1μmフィルタでろ過をし、さらに脱イオン水を加えることにより、固形分3重量%の研磨剤を得た。酸化セリウム粒子A又はBから得られた研磨剤を、以下、それぞれ、研磨剤A又はBと呼ぶ。得られた研磨剤A,BのpHは、それぞれ8.3、8.3であった。
研磨剤中の粒子を走査型電子顕微鏡で観察するために、各研磨剤をそれぞれ適当な濃度に希釈した後乾燥させて、中に含まれる多結晶粒子径を測定したところ、酸化セリウム粒子Aを用いた研磨剤Aでは、中央値が825nm、最大値が1230nmであった。また、酸化セリウム粒子Bを用いた研磨剤Bでは、中央値が768nm、最大値が1200nmであった。
研磨剤Aを乾燥し、得られた粒子の密度(かさ密度)を、ピクノメータを用いて測定したところ、5.78g/mlであった。また、X線リートベルト解析による理論密度は7.201g/mlであった。これらの値から気孔率を算出したところ、19.8%であった。スラリーを乾燥して得られた粒子についてB.J.H.法によりその細孔容積を測定したところ、0.033ml/gであった。
次に、研磨剤の分散性及び分散粒子の電荷を調べるため、研磨剤A,Bのゼータ電位を調べた。すなわち、対向する側面の両側に白金製電極を取り付けてある測定セルに酸化セリウムスラリーを入れ、両電極に10Vの電圧を印加した。電圧を印加することにより電荷を持った分散粒子は、その電荷と反対の極を持つ電極側に移動する。この移動速度を求めることにより粒子のゼータ電位を求めた。ゼータ電位測定の結果、研磨剤A,Bとも、分散粒子がそれぞれマイナスに荷電し、−50mV、−63mVと絶対値が大きく分散性が良好であることを確認した。
b.研磨剤A’,B’の調製
酸化セリウム粒子A又はB1kgと、ポリアクリル酸アンモニウム塩水溶液(40重量%)23gと、脱イオン水8977gとを混合し、攪拌しながら超音波を10分間照射して、酸化セリウム粒子を分散させ、スラリーを得た。
得られたスラリーを0.8μmフィルタでろ過をし、さらに脱イオン水を加えることにより、固形分3重量%の研磨剤を得た。酸化セリウム粒子A又はBから得られた研磨剤を、以下、それぞれ、研磨剤A’又はB’と呼ぶ。得られた研磨剤A’,B’のpHは、それぞれ8.3、8.3であった。
研磨剤中の粒子を走査型電子顕微鏡で観察するために、研磨剤A’,B’をそれぞれ適当な濃度に希釈して乾燥させた後、含まれる多結晶粒子の粒径を測定したところ、酸化セリウム粒子Aを用いて調製された研磨剤A’では、中央値が450nm、最大値が980nmであった。また、酸化セリウム粒子Bを用いて調製された研磨剤B’では、中央値が462nm、最大値が1000nmであった。
次に、研磨剤中の粒子の分散性、及び、分散粒子の電荷を調べるため、上述の研磨剤A,Bの場合と同様にして研磨剤A’,B’のゼータ電位を調べたところ、いずれの研磨剤の分散粒子もマイナスに荷電し、それぞれ−53mV、−63mVと絶対値が大きく分散性が良好であることが確認された。
(3)絶縁膜の研磨
ホルダーに貼り付けられた基板取り付け用吸着パッドに、TEOS−プラズマCVD法でSiO絶縁膜を形成したSiウエハを吸着させて固定した。このホルダーを、Siウエハを保持したまま、絶縁膜面を下にして、多孔質ウレタン樹脂製の研磨パッドを貼り付けた定盤上に載置し、さらに加工荷重が300g/cmになるように重しを載せた。
次に、定盤上に本実施例で調製した研磨剤A,B,A’又はB’(固形分:3重量%)を50ml/分の速度で滴下しながら、定盤を30rpmで2分間回転させ、Siウエハ表面の絶縁膜を研磨した。研磨後、ウエハをホルダーから取り外し、流水で良く洗浄した後、超音波洗浄機によりさらに20分間洗浄した。洗浄後、ウエハをスピンドライヤで水滴を除去し、120℃の乾燥機で10分間乾燥させた。
乾燥後のウエハについて、光干渉式膜厚測定装置を用いて、研磨前後のSiO絶縁膜の膜厚変化を測定した結果、研磨剤Aを用いた場合は600nm(研磨速度:300nm/分)、研磨剤Bを用いた場合は580nm(研磨速度:290nm/分)、研磨剤A’を用いた場合は590nm(研磨速度:295nm/分)、研磨剤B’を用いた場合は560nm(研磨速度:280nm/分)の絶縁膜がそれぞれ削られ、いずれの研磨剤を用いた場合も、ウエハ全面に渡って均一の厚みになっていることがわかった。また、光学顕微鏡を用いて絶縁膜表面を観察したところ、いずれの場合も明確な傷は見られなかった。
また、研磨剤Aを用い、上述の場合と同様にしてSiウエハ表面のSiO絶縁膜を研磨し、研磨後の研磨剤Aの粒径を遠心沈降式粒度分布計により測定したところ、0.5μm以上の粒子含有量(体積%)の、研磨前の値に対する比率は0.385であった。ただし、研磨の際の定盤を回転させる時間は1時間とし、順次交換しながら15枚のSiウエハを研磨した。また、研磨後の研磨剤は循環させて再使用し、研磨剤の総量は750mlとした。研磨後の研磨剤Aの粒径をレーザー散乱式粒度分布計により測定したところ、D99%およびD90%における粒径は研磨前の値に対してそれぞれ0.491、0.804であった。これらの値から、研磨剤Aは崩れながら研磨する性質及び媒体と触れていない新面を生成しながら研磨する性質を備えていると考えられる。
(1)酸化セリウム粒子の調製
a.酸化セリウム粒子Cの調製
炭酸セリウム水和物2kgを白金製容器に入れ、700℃で2時間、空気中で焼成することにより、黄白色の粉末を約1kg得た。この粉末の相同定をX線回折法で行ない、酸化セリウムであることを確認した。得られた焼成粉末の粒子径は30〜100μmであった。焼成粉末粒子の表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、酸化セリウムの粒界が観察された。粒界に囲まれた酸化セリウム結晶子径を測定したところ、その分布の中央値が50nm、最大値が100nmであった。
次に、得られた焼成粉末1kgを、ジェットミルを用いて乾式粉砕した。粉砕した粒子について走査型電子顕微鏡で観察したところ、結晶子径と同等サイズの小さな単結晶粒子粒子の他に、2μmから4μmの大きな多結晶粒子と0.5から1.2μmの多結晶粒子が混在していた。多結晶粒子は、単結晶粒子の凝集体ではなかった。粉砕により得られた酸化セリウム粒子を、以下、酸化セリウム粒子Cと呼ぶ。
b.酸化セリウム粒子Dの調製
炭酸セリウム水和物3kgを白金製容器に入れ、700℃で、2時間、空気中で焼成することにより、黄白色の粉末を約1.5kg得た。この粉末の相同定をX線回折法で行い、酸化セリウムであることを確認した。焼成粉末の粒子径は30〜100μmであった。
得られた焼成粉末の粒子表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、酸化セリウムの粒界が観察された。粒界に囲まれた酸化セリウム結晶子径を測定したところ、その分布の中央値が30nm、最大値が80nmであった。
次に、得られた焼成粉末1kgを、ジェットミルを用いて乾式粉砕した。粉砕後の粒子について走査型電子顕微鏡で観察したところ、結晶子径と同等サイズの小さな単結晶粒子の他に、1μmから3μmの大きな多結晶粒子と0.5から1μmの多結晶粒子が混在していた。多結晶粒子は、単結晶粒子の凝集体ではなかった。粉砕により得られた酸化セリウム粒子を、以下、酸化セリウム粒子Dと呼ぶ。
c.酸化セリウム粒子Eの調製
炭酸セリウム水和物2kgを白金製容器に入れ、650℃で、2時間、空気中で焼成することにより、黄白色の粉末を約1kg得た。この粉末の相同定をX線回折法で行ない、酸化セリウムであることを確認した。
得られた焼成粉末の粒子径は30〜100μmであった。焼成粉末粒子の表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、酸化セリウムの粒界が観察された。粒界に囲まれた酸化セリウム結晶子径を測定したところ、その分布の中央値が15nm、最大値が60nmであった。
次に、得られた焼成粉末1kgを、ジェットミルを用いて乾式粉砕した。粉砕後の粒子について走査型電子顕微鏡で観察したところ、結晶子径と同等サイズの小さな単結晶粒子の他に、1μmから3μmの大きな多結晶粒子と0.5から1μmの多結晶粒子が混在していた。多結晶粒子は、単結晶粒子の凝集体ではなかった。粉砕により得られた酸化セリウム粒子を、以下、酸化セリウム粒子Eと呼ぶ。
d.酸化セリウム粒子Fの調製
炭酸セリウム水和物2kgを白金製容器に入れ、600℃で、2時間、空気中で焼成することにより、黄白色の粉末を約1kg得た。この粉末の相同定をX線回折法で行ない、酸化セリウムであることを確認した。焼成粉末の粒子径は30〜100μmであった。
得られた焼成粉末の粒子表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、酸化セリウムの粒界が観察された。粒界に囲まれた酸化セリウム結晶子径を測定したところ、その分布の中央値が10nm、最大値が45nmであった。
次に、得られた焼成粉末1kgを、ジェットミルを用いて乾式粉砕した。粉砕後の粒子について走査型電子顕微鏡で観察したところ、結晶子径と同等サイズの小さな単結晶粒子の他に、1μmから3μmの大きな多結晶粒子と0.5から1μmの多結晶粒子が混在していた。多結晶粒子は、単結晶粒子の凝集体ではなかった。粉砕により得られた酸化セリウム粒子を、以下、酸化セリウム粒子Fと呼ぶ。
(2)研磨剤の調製
a.研磨剤C,D,E,Fの調製
上記(1)で得られた酸化セリウム粒子C,D,E又はF1kgと、ポリアクリル酸アンモニウム塩水溶液(40重量%)23gと、脱イオン水8977gとを混合し、攪拌しながら超音波を10分間照射して、酸化セリウム粒子を分散させ、スラリーを得た。
得られたスラリーを2μmフィルタでろ過をし、さらに脱イオン水を加えることにより、固形分3重量%研磨剤を得た。酸化セリウム粒子C,D,E又はFから得られた研磨剤を、以下、それぞれ、研磨剤C,D,E又はFと呼ぶ。研磨剤C,D,E又はFのpHは、それぞれ8.0、8.1、8.4、8.4であった。
研磨剤中の粒子を走査型電子顕微鏡で観察するために、各研磨剤をそれぞれ適当な濃度に希釈した後乾燥させて、中に含まれる多結晶粒子径を測定したところ、酸化セリウム粒子Cを用いた研磨剤Cでは、中央値が882nm、最大値が1264nmであった。また、酸化セリウム粒子Dを用いた研磨剤Dでは、中央値が800nm、最大値が1440nmであった。酸化セリウム粒子Eを用いた研磨剤Eでは、中央値が831nm、最大値が1500nmであった。酸化セリウム粒子Fを用いた研磨剤Fでは、中央値が840nm、最大値が1468nmであった。
次に、研磨剤の分散性及び分散粒子の電荷を調べるため、研磨剤C,D,E又はFのゼータ電位を、実施例1と同様にして調べたところ、いずれの研磨剤中の粒子もマイナスに荷電し、それぞれ−64mV、−35mV、−38mV、−41mVと絶対値が大きく分散性が良好であることが確認された。
b.研磨剤C’,D’,E’,F’の調製
酸化セリウム粒子C,D,E又はF1kgと、ポリアクリル酸アンモニウム塩水溶液(40重量%)23gと、脱イオン水8977gとを混合し、攪拌しながら超音波を10分間照射して、酸化セリウム粒子を分散させ、スラリーを得た。
得られたスラリーを0.8μmフィルタでろ過をし、さらに脱イオン水を加えることにより、固形分3重量%の研磨剤を得た。酸化セリウム粒子C,D,E又はFから得られた研磨剤を、以下、それぞれ、研磨剤C’,D’,E’又はF’と呼ぶ。研磨剤C’,D’,E’又はF’のpHは、それぞれ8.0、8.1、8.4、8.4であった。
研磨剤中の粒子を走査型電子顕微鏡で観察するために、研磨剤C’,D’,E’又はF’をそれぞれ適当な濃度に希釈して乾燥させた後、含まれる多結晶粒子の粒径を測定したところ、酸化セリウム粒子Cを用いた研磨剤C’では、中央値が398nm、最大値が890nmであった。また、酸化セリウム粒子Dを用いた研磨剤D’では、中央値が405nm、最大値が920nmであった。酸化セリウム粒子Eを用いた研磨剤E’では、中央値が415nm、最大値が990nmであった。酸化セリウム粒子Fを用いた研磨剤F’では、中央値が450nm、最大値が1080nmであった。
次に、研磨剤中の粒子の分散性及び分散粒子の電荷を調べるため、実施例1と同様にして各研磨剤のゼータ電位を調べたところ、いずれの研磨剤の分散粒子もマイナスに荷電し、それぞれ、−58mV、−55mV、−44mV、−40mVと絶対値が大きく分散性が良好であることが確認された。
(3)絶縁膜層の研磨
研磨剤として、本実施例で調製した研磨剤C,D,E,F,C’,D’,E’又はF’を用いた他は、実施例1と同様にして、Siウエハ表面のSiO絶縁膜を研磨し、洗浄・乾燥して、SiO絶縁膜の膜厚変化を測定したところ、研磨剤Cを用いた場合は740nm(研磨速度:370nm/分)、研磨剤Dを用いた場合は730nm(研磨速度:365nm/分)、研磨剤Eを用いた場合は750nm(研磨速度:375nm/分)、研磨剤Fを用いた場合は720nm(研磨速度:360nm/分)、研磨剤C’を用いた場合は700nm(研磨速度:350nm/分)、研磨剤D’を用いた場合は690nm(研磨速度:345nm/分)、研磨剤E’を用いた場合は710nm(研磨速度:355nm/分)、研磨剤F’を用いた場合は710nm(研磨速度:355nm/分)の絶縁膜がそれぞれ削られ、いずれの研磨剤を用いた場合も、ウエハ全面に渡って均一の厚みになっていることがわかった。また、光学顕微鏡を用いて絶縁膜表面を観察したところ、いずれの場合も明確な傷は見られなかった。
<比較例>
気孔を有しないシリカが分散されたシリカスラリーを研磨剤として用い、実施例1,2と同様にして、Siウエハ表面にTEOS−CVD法により形成されたSiO絶縁膜の研磨を行った。このスラリーのpHは10.3であり、SiO粒子を12.5重量%含んでいるものであった。また、研磨条件は実施例1,2と同一とした。
研磨後の絶縁膜を観察したところ、研磨による傷は見られず、また均一に研磨がなされたが、2分間の研磨により150nm(研磨速度:75nm/分)の絶縁膜層しか削れなかった。
上述のように、本発明によれば、SiO絶縁膜等の被研磨面を傷なく高速に研磨することが可能となる。

Claims (19)

  1. 酸化セリウム粒子を媒体に分散させたスラリーを含む研磨剤であり、
    前記酸化セリウム粒子は、セリウム化合物を焼成及び粉砕して得られ、
    全酸化セリウム粒子のうち、新面の生成に有効な酸化セリウム粒子は、結晶子から構成され結晶粒界を有する多結晶であり、
    前記結晶粒界を有する酸化セリウム粒子は、前記スラリー中に含まれる全酸化セリウム粒子の5〜100体積%であり、
    前記結晶粒界を有する酸化セリウム粒子の粒子径の中央値が100〜1500nmである研磨剤。
  2. 前記酸化セリウム粒子は気孔を有する酸化セリウム粒子を含み、
    前記気孔を有する酸化セリウム粒子は、前記スラリー中に含まれる全酸化セリウム粒子の5〜100体積%である請求項1記載の研磨剤。
  3. 前記酸化セリウム粒子の、ピクノメータを用いて測定した真密度とX線リートベルト解析で求めた理論密度の比から求めた気孔率が10〜30%である請求項2記載の研磨剤。
  4. 前記酸化セリウム粒子の、B.J.H.法により測定した細孔容積が0.02〜0.05cm/gである請求項2又は3記載の研磨剤。
  5. 前記酸化セリウム粒子のかさ密度が6.5g/cm以下である請求項1〜4いずれか1項記載の研磨剤。
  6. 前記かさ密度が5.0〜5.9g/cmである請求項5記載の研磨剤。
  7. 媒体が水である請求項1〜6いずれか1項記載の研磨剤。
  8. スラリーが、分散剤を含む請求項1〜7いずれか1項記載の研磨剤。
  9. 分散剤が、水溶性有機高分子、水溶性陰イオン界面活性剤、水溶性非イオン性界面活性剤及び水溶性アミンから選ばれる少なくとも1種である請求項8項記載の研磨剤。
  10. 請求項1〜9いずれか1項記載の研磨剤を用いて、所定の基板を研磨する基板の研磨法。
  11. 酸化セリウム粒子を媒体に分散させたスラリーであり、
    前記酸化セリウム粒子は、セリウム化合物を焼成及び粉砕して得られ、
    全酸化セリウム粒子のうち、新面の生成に有効な酸化セリウム粒子は、結晶子から構成され結晶粒界を有する多結晶であり、
    前記結晶粒界を有する酸化セリウム粒子は、前記スラリー中に含まれる全酸化セリウム粒子の5〜100体積%であり、
    前記結晶粒界を有する酸化セリウム粒子の粒子径の中央値が100〜1500nmであるスラリー。
  12. 前記酸化セリウム粒子は気孔を有する酸化セリウム粒子を含み、
    前記気孔を有する酸化セリウム粒子は、前記スラリー中に含まれる全酸化セリウム粒子の5〜100体積%である請求項11記載のスラリー。
  13. 前記酸化セリウム粒子の、ピクノメータを用いて測定した真密度とX線リートベルト解析で求めた理論密度の比から求めた気孔率が10〜30%である請求項12記載のスラリー。
  14. 前記酸化セリウム粒子の、B.J.H.法により測定した細孔容積が0.02〜0.05cm/gである請求項12又は13記載のスラリー。
  15. 前記酸化セリウム粒子のかさ密度が6.5g/cm以下である請求項11〜14いずれか1項記載のスラリー。
  16. 前記かさ密度が5.0〜5.9g/cmである請求項15記載のスラリー。
  17. 媒体が水である請求項11〜16いずれか1項記載のスラリー。
  18. さらに分散剤を含む請求項11〜17いずれか1項記載のスラリー。
  19. 分散剤が、水溶性有機高分子、水溶性陰イオン界面活性剤、水溶性非イオン性界面活性剤及び水溶性アミンから選ばれる少なくとも1種である請求項18項記載のスラリー。
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