JP2012165726A - セリシンペプチドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】化粧品、医療品などへの応用を好適に行うことができるセリシンペプチドを製造する方法を提供する。
【解決手段】ミネラルを添加した原料セリシンを一次醗酵させたのち二次醗酵させ、さらにこの二次醗酵セリシンを熟成して濾過抽出することを基本とするものであり、具体的には、予め殺菌した原料セリシンにミネラルと浄化水を加えて混合し、つぎにこの原料混合物にアスペルギルス属の麹菌10重量%〜30重量%と糖質を複数回加えるとともに所定温度に保持して一次醗酵させ、この一次発酵セリシンにストレプトコックス属またはラクトバチルス属の乳酸菌、酢酸菌を単独でまたはこれらの混合物10重量%〜20重量%と糖質を複数回を加えて所定温度に保持することにより二次醗酵させ、さらに二次発酵セリシンを35℃〜40℃で熟成したのちこれを濾過抽出する。これにより化粧品、医療品などへの応用が容易となる。
【選択図】図1

Description

この発明は、セリシンペプチド(蚕絹タンパク由来セリシンペプチド)に関するものであり、一層詳細には、化粧品、医療品などへの応用を好適に行うことができるセリシンペプチドの製造方法に関するものである。
蚕の繭は、主にフィブロインとセリシンからできており、この繭から得られる絹繊維は配向した繊維タンパク質であるフィブロインの表面を膠状のタンパク質であるセリシンが被覆した2重構造をなし、その成分は約75%のフィブロインに対し約25%のセリシンで構成されている。
ところで、絹繊維における絹らしい優れた光沢や風合いはフィブロインによって発揮されることから、絹糸(絹繊維)や絹織物にする過程においてセリシンはアルカリ、酸、界面活性剤、タンパク質分解酵素、イオン水、熱水などにより抽出廃棄(精錬)され、フィブロインのみが絹織編物の最終製品の成分繊維となっている。
しかしながら、廃棄されるセリシンには30%以上のセリンが含まれているほか、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、アラニン、チロシンといったアミノ酸も豊富に含まれるセリシンポリペプチドとして形成されており、古くから製糸や絹織物工場の従業者たちは冬の水仕事でも手肌がきれいであったなどの理由から、抽出廃棄されたセリシン自体も機能性素材として見直され、近年では生体機能に関連する医薬応用分野や化粧品、食品といった新分野への活用が広く研究されている。
ところで、繭・絹織物などからセリシンを分離回収する方法としては、繭・絹織物を高温高圧水で処理し、得られたセリシン水溶液を凍結、解凍して抽出する方法(特許文献1)などが提案され実施化されているが、この方法で得られるセリシンは平均分子量が10万以上となっている。
しかるに、平均分子量が5万以上となるような高分子量のセリシンは、水に対する溶解性に乏しく、その水溶液は0〜40℃でゲル状になってしまう。
つまり、このような高分子量セリシンは、セリシンが完全には溶解せず白濁して粘度も高いことから取扱いが極めて面倒で外観も悪く、経時的にコロイド状のゲルを形成したり、凝集沈殿してしまう性状があった。
このように溶解性に乏しく、室温でゲル状となってしまうような高分子量のセリシンというのは、高い均一性や透明性を要求される用途・分野などにおいては使用しにくく、例えば、スキンケアやヘアケアなどの化粧品の原料として使用しても皮膚や毛髪へのセリシンの効果はほとんど期待することができない。
一方、低分子量化されたセリシン(セリシンペプチド)を得る方法としては、例えば、イオン水生成装置により得られたイオン水で繭糸のセリシンを加水分解する方法、あるいは、家蚕又は天蚕由来の絹タンパク原料を中性塩水溶液に溶解し、タンパク質分解酵素などのペプチド結合切断物質を用いて絹タンパク質の特異的アミノ酸残基間のペプチド結合を切断することにより、平均分子量が1万以上20万未満の絹タンパク質水溶液を製造する方法(特許文献2)が開示されている。
さらに、セリシンではなくフィブロインペプチドの製造方法に関するものではあるが、絹フィブロインを中性塩によって分解し、タンパク質分解酵素による加水分解を施すことで低分子量化する技術なども開示されている(特許文献3)。
しかしながら、絹糸から高濃度の中性塩を含有する水溶液に高分子量セリシン又はフィブロインペプチドを溶出させる従来の方法では、ペプチド結合切断物質による加水分解後に透析などの脱塩工程が必要となるため大掛かりな装置を必要とし製造コストも嵩むなど新たな問題が指摘されていた。
特開平11−131318号公報 特開2004−300142号公報 特開平07−067686号公報
このような事情から、本発明では化粧品、医療品などへの応用を好適に行うことができる低分子量化されたセリシン(セリシンペプチド)を効率よく製造する方法を提供することを課題とするものである。
この課題を解決するため、本発明では、わが国で古くから実施されており安全性についても折り紙つきの、例えば、味噌、醤油の類を製造する際の発酵技術に着目したものであり、あらかじめミネラルを添加した原料セリシンを一次醗酵させたのち二次醗酵させ、さらにこの二次醗酵セリシンを熟成する工程を採用することによりセリシンの分解を行い、これを濾過抽出することを特徴とするものである。
具体的には、原料セリシンにミネラルと浄化水を加えて混合し、この原料セリシン混合物にアスペルギルス属の麹菌10重量%〜30重量%と糖質を加えるとともに所定温度に保持して一次醗酵させ、次にこの一次発酵セリシンにストレプトコックス属またはラクトバチルス属の乳酸菌、酢酸菌を単独でまたはこれらの混合物10重量%〜20重量%と糖質を加えて所定温度に保持することにより二次醗酵させ、さらにこの二次発酵セリシンを35℃〜40℃で熟成したのち濾過抽出する手順を採用する。
この場合、原料セリシンに添加するミネラルとしては、あらかじめ解離(イオン化)したミネラルを使用するのが好ましく、具体的には、澱粉および/もしくは穀類と種子と卵殻とを所定の割合で混合した原料を粉砕し、次いで浄化水と麹菌を加えて醗酵熟成することにより原料中に含まれているカルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、鉄、銅、亜鉛、マンガンなどのミネラルを解離させたのち濾過することにより得られた醗酵熟成液が好適に使用される。
また、原料セリシン混合物に加えるアスペルギルス属の麹菌としては、アスペルギルス・オリゼー、アスペルギルスソーエ、アスペルギルス・ニガー、アスペルギルス・アワモリ、アスペルギルス・レベンスを単独でまたはこれらの混合物を使用することができる。
一方、二次醗酵セリシンの熟成には、遠赤外線照射および/またはエレクトロン供給雰囲気において流動させながら行うのが好ましい。
そして、この手順を採用することにより、分子量が凡そ2800程度の低分子量化されたセリシンペプチドを調製することができるものである。
本発明に係るセリシンペプチドの製造方法によれば、従来提案されている、平均分子量が1万以上20万未満の絹タンパク質水溶液のような中途半端なセリシンを具体的な使用に際して更にコストをかけて処理する必要もなく、原料となるセリシン混合物は麹菌、乳酸菌、酢酸菌などによる発酵作用によってセリシンを構成する特異的アミノ酸残基間のペプチド結合が適宜切断され、切られた各末端に2価ミネラルがさらに適宜結合し、この状態を醗酵などで生じた有機酸中で熟成したのち濾過抽出するので、従来に比べるとはるかに低分子量化されたセリシンペプチドを効率よくしかも安価に製造することができる。
また、本発明方法によって得られるセリシンペプチドは、分子量が凡そ2800程度でしかも2価ミネラルで適宜結合されているので、室温でもゲル状を呈さず水溶性を保持でき、従って、化粧品分野などにおいては毛髪にハリやコシを与えるコンディショニング効果や、セット効果の大幅な向上を図ることができ、また毛髪等のケラチン組織には低分子量化されたセリシンをカルシウムなどの二価のイオンで架橋させるため、シャンプーリンスしても溶脱することがなく髪質の向上を図ることができ、さらには少量で目的とする所望の効果を充分期待することができるものである。
本発明に係るセリシンペプチドの製造方法における実施の形態を示す手順説明図である。 図1に示す手順で得られた本発明に係るセリシンペプチドの質量分析結果(M/Z 1−3000)であって、分子量2800近辺のイオンピーク特性(分子量分布)図である。 図1に示す手順で得られた本発明に係るセリシンペプチドの質量分析結果(M/Z 1−20000)であって、分子量2万以下のイオンピーク特性(分子量分布)図である。
次に、本発明に係るセリシンペプチドの製造方法における実施の形態を例示し、以下詳細に説明する。
図1において、本発明に係るセリシンペプチドの製造方法で使用する原料セリシン10としては、例えば、絹糸(絹繊維)や絹織物にする工程において公知の手段(アルカリ、酸、界面活性剤、タンパク質分解酵素、イオン水、熱水など)により抽出した高分子量のセリシン(セリシンポリペプチド)、あるいは、従来より提案されている絹タンパク質水溶液のようにある程度は低分子量化されたセリシンを使用することができる
なお、このような原料セリシン10自体の原料としては、繭を形成している“繭糸”そのもの、複数本の繭糸を1本に引き揃えながら繰り取って形成される“生糸(繭糸の集合体である)”、養蚕や製糸の際に出る“くず繭”“切り繭”“生皮苧(きびそ)”“毛羽(けば)”などの副蚕糸と総称されるくず物を予め殺菌したものなどが用いられる。
特に、“毛羽”は、蚕が繭をつくる際、繭を固定する足場を形成するために最初に吐き出す糸であって、全体の約50重量%のセリシンを含んでいる。そのため、セリシン含有率が20〜30重量%である通常の繭糸に比べて同量の糸から約2倍の量のセリシンを抽出でき、しかも、毛羽は生糸にできないため一般的には利用価値が低く価格も安い。従って、このような毛羽を原料とすれば、本発明に係るセリシンペプチドの製造コストを一層引き下げることが可能となるものである。
また、“切り繭”は、繭を切り開いて蚕種にする蛹を取り出したあとの繭のことであり、この切り繭は、繭糸が切れていて生糸の原料にできないために安価であり、かつ、他の副蚕糸に見られる汚れや夾雑物の混入が比較的少ないため、原料として極めて好適に使用することができ、さらには、前記副蚕糸を単独でまたはこれらの混合物なども好適に使用することができる。
次に、容器12を用意して、この容器12に原料セリシン10と、ミネラル14と、例えば、水道水などのTapwaterから予め塩素などを除去することにより得られた浄化水16を投入し、適度に攪拌して原料セリシン混合物(分散液)18を調製する。
この場合、原料セリシン10と浄化水16との混合比は、原料セリシン1〜2に対して浄化水8〜9程度にするのが好ましく、またミネラル14の添加量は原料セリシン10と浄化水16の総量に対して10重量%〜20重量%の範囲に設定するのが好適である。
一方、原料セリシン10に添加するミネラル14としては、あらかじめ解離(イオン化)したミネラルを使用するが、このイオン化ミネラルとしては、例えば、澱粉および/もしくは穀類と種子と卵殻とを所定の割合で混合した原料を粉砕し、次いで浄化水と麹菌を加えて醗酵熟成することにより粉砕原料中に含まれているカルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、鉄、銅、亜鉛、マンガンなどのミネラルを解離させたのち濾過して得られた醗酵熟成液を使用するのが好ましい。
次に、原料セリシン混合物(分散液)18に対して10重量%〜30重量%のアスペルギルス属の麹菌20と、この麹菌20と略同量の糖質22を加えて加熱ヒータなどで35℃〜40℃に保持することにより、この原料セリシン混合物18の一次醗酵を行う。
なお、この一次醗酵の際には麹菌の調子によっては良好な醗酵を得られないこともあるので保持温度や醗酵状態を常時観察しながら、必要に応じて麹菌20と糖質22を適宜加えて調整することにより確実に醗酵させる。
また、原料セリシン18に加えるアスペルギルス属の麹菌20としては、例えば、アスペルギルス・オリゼー、アスペルギルスソーエ、アスペルギルス・ニガー、アスペルギルス・アワモリ、アスペルギルス・レベンスを単独でまたはこれらの混合物を使用することができる。
なお、前記原料セリシン混合物18に加える麹菌20の量が10重量%未満であると充分な醗酵が難しくなり、また30重量%を超えると量が多すぎて経済性が低下することになるのでこの点に充分留意しながら醗酵を行うのが好ましい。
さらには原料セリシン混合物18の発酵に際しては、スターラなど公知の手段による攪拌および酸素の供給を適宜行って麹菌の発酵を促進させるのが好ましく、この発酵工程における発酵作用によって原料セリシンはその酸素結合が切られ、粘稠性のある一次醗酵セリシン混合物24となる。
このようにして得られた一次醗酵セリシン混合物24には、この一次醗酵セリシン混合物24の5重量%程度の糖質22を新たに補填するとともにストレプトコックス属またはラクトバチルス属の乳酸菌、アセトバクター属の酢酸菌を単独でまたはこれらの混合物26を10重量%〜20重量%加えて、再び35℃〜40℃で10日ほど保持することにより二次醗酵させる。
なお、一次醗酵セリシン混合物24に加えるストレプトコックス属またはラクトバチルス属の乳酸菌、アセトバクター属の酢酸菌あるいはこれらの混合物26が10重量%未満であると二次的な醗酵が充分行われず、また20重量%を超えると量が多すぎて経済性が低下してしまうことになる。
また、この二次醗酵の際もストレプトコックス属またはラクトバチルス属の乳酸菌、アセトバクター属の酢酸菌あるいはこれらの混合物26による醗酵状態や保持温度を観察しながら、糖質22および乳酸菌、酢酸菌またはこれらの混合物22の投入量を調整することにより確実に二次醗酵させるのが肝要である。
そして、得られた二次醗酵セリシン混合物28は、従来公知の加熱ヒータなどを使用してそのまま35℃〜40℃に保持して所定期間、例えば、1週間程度の熟成を行う。
この二次醗酵セリシン混合物28の熟成に際しては、好ましくは、遠赤外線照射下、静電磁場および/またはエレクトロン(−e)の供給雰囲気下において撹拌しながらゆっくりと流動させることにより、二次醗酵セリシン混合物28の液化を促進するとともに乳酸菌、酢酸菌あるいはこれらの混合物26の醗酵により生じる乳酸、酢酸などの有機酸液中にセリシンを解離(イオン化)させる。
なお、これらの醗酵・熟成作用によって、セリシン混合物はセリシンを構成する特異的アミノ酸残基間のペプチド結合が適宜切断され、この際、これらの末端にはカルシウムなどの二価のミネラルが適宜結合し、その結果、室温でもゲル状を呈さない低分子量化された(セリシンが分散した)発酵熟成セリシンペプチド水溶液として好適に保持されることになる。
そしてこの醗酵熟成セリシンペプチド水溶液30を2週間〜3週間程静置し、加熱あるいは紫外線照射などの手段で再び殺菌したのち濾過抽出することにより透明ないしは黄味かがった色を呈するセリシンペプチド32を得た。
次に、このようにして得られた本発明方法に係るセリシンペプチド32の質量分析を行ったところ、図2および図3に示す結果を得た。
なお、質量分析の要領および分析条件は以下の通りである。
使用装置;AXIMA−Performance (株式会社島津製作所製)
レーザーイオン化飛行時間型質量分析装置(MALDI−TOFMS)
引き出し電圧;20kv
飛行モード ;Linear
検出イオン ;正イオン
マトリックス;Sinapinic acid(SA)
10mg/ml in0.1%TFA,50%MeCNsolution
サンプル前処理;セリシンペプチド32を遠心分離して上澄液9μlを分取し、1%T FAを加え、0.1%TFA溶液を調製した。このサンプル溶液をZ ipTipC18により精製を行い(操作はZipTip添付のプロ トコルに従った)、精製サンプルを直接MALDIプレートにアプラ イし、風乾後にマトリックス溶液を重層し、さらに風乾後、質量分析 装置にプレートを搭載し質量分析を行った。
この質量測定によると、いくつかのピークが見られるものの凡そ2800近辺をピークトップとする分布(図2および図3参照)が得られたことから、その分子量は凡そ2800であることが確認された。
このように分子量が凡そ2800の低分子量化されたセリシンペプチドを得られるのは、麹菌、乳酸菌、酢酸菌などによる熟成を含む発酵作用によってセリシンを構成する特異的アミノ酸残基間のペプチド結合が適宜切断され、その際、これらの末端に、例えば、カルシウムなど二価のミネラルが適宜結合してこの状態がバランスよく保持されるからである。
なお、比較のため、原料セリシン10も上述の質量分析装置を使用して同様の要領で測定を行ったところ、装置の測定範囲を超えてしまうため分子量の測定はできなかったが、前記特許文献等の記載からこの原料セリシン10の平均分子量は10万以上であることが容易に推察される。
このようにして得られた本発明に係るセリシンペプチド32を化粧品組成物、たとえば、毛髪用化粧品に配合すると、分子量が凡そ2800程度でありしかも2価のミネラルで適宜結合されているので室温でもゲル状を呈すことはなく、低分子量であるにも拘わらず毛髪にハリやコシを与えるコンディショニング効果や、セット効果の大幅な向上を図ることができた。
また、髪等のケラチン組織にゲル状セリシンや低分子ケラチンを使用しても組織には入らなかったり、沈殿を起してしまう従来のものに対し、本発明方法で得られたセリシンペプチド32はケラチン組織にカルシウムなどの二価のイオンで低分子量化されたセリシンを架橋させるので、シャンプーリンスしても溶脱することがなく髪質の向上を図ることができ、カラーリング、パーマなどによる損毛の修復なども好適に行うことができるなど少量で所望の効果を充分得ることができた。
なお、化粧品組成物に配合するセリシンペプチド32の配合量は特に限定されるものではないが、通常は、化粧料組成物中にセリシン濃度として5.0〜10.0重量%の範囲内で配合するのが好ましい。
また、化粧品組成物としては、一般に配合される各種成分、例えば、エタノール、グリセリン、ソルビトールなどのアルコール類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、グリセロールモノステアレート、グリセロールモノオレエート等のグリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤、ジメチコンポリオールなどの界面活性剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、保湿剤、香料、染料、顔料、色素、防腐剤、ビタミン剤、ホルモン剤、消臭剤、pH調整剤、固着剤などを適宜配合することができ、この化粧品組成物の用途としては、ヘアジェル、ヘアシャンプー、ヘアトリートメント、ヘアリンス、スタイリングローション、ヘアミスト、スタイリングムース、ヘアスプレー等のヘアケア化粧品、化粧水、乳液、モイスチュアクリーム、モイスチュアローション等のスキンケア化粧品、ボディシャンプー等の洗浄剤、マスカラ、ファンデーション等のメイクアップ化粧品など種々の用途に用いることができるが、特に限定されるものではないことは言うまでもない。
10・・原料セリシン
12・・容器、
14・・ミネラル、
16・・浄化水、
18・・セリシン原料混合物(分散液)、
20・・アスペルギルス属の麹菌または麹菌の混合物
22・・砂糖などの糖質、
24・・一次醗酵セリシン混合物、
26・・乳酸菌、酢酸菌またはこれらの混合物、
28・・二次醗酵セリシン混合物、
30・・醗酵熟成セリシンペプチド水溶液、
32・・セリシンペプチド、

Claims (7)

  1. ミネラルを添加した原料セリシンを一次醗酵させたのちこれを二次醗酵させ、さらにこの二次醗酵セリシンを熟成して濾過抽出することを特徴とするセリシンペプチドの製造方法。
  2. 原料セリシンにミネラルと浄化水を加えて混合し、この原料セリシン混合物にアスペルギルス属の麹菌10重量%〜30重量%と糖質を加えるとともに所定温度に保持して一次醗酵させ、次にこの一次発酵セリシンにストレプトコックス属またはラクトバチルス属の乳酸菌、酢酸菌を単独でまたはこれらの混合物10重量%〜20重量%と糖質を加えて所定温度に保持することにより二次醗酵させ、さらに二次発酵セリシンを35℃〜40℃で所定期間熟成したのちこれを濾過抽出することを特徴とする請求項1に記載のセリシンペプチドの製造方法。
  3. ミネラルとして、あらかじめイオン化(解離)したミネラルを使用することからなる請求項1または2に記載のセリシンペプチドの製造方法。
  4. あらかじめイオン化(解離)したミネラルは、澱粉および/もしくは穀類と種子と卵殻とを所定の割合で混合した原料を粉砕し、次いで浄化水と麹菌を加えて醗酵熟成することにより原料中に含まれているカルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、鉄、銅、亜鉛、マンガンなどのミネラルを解離させ、さらに濾過することにより得られた醗酵熟成液である請求項3に記載のセリシンペプチドの製造方法。
  5. アスペルギルス属の麹菌として、アスペルギルス・オリゼー、アスペルギルスソーエ、アスペルギルス・ニガー、アスペルギルス・アワモリ、アスペルギルス・レベンスを単独でまたはこれらの混合物を使用することからなる請求項1〜4いずれかに記載のセリシンペプチドの製造方法。
  6. 二次醗酵セリシンの熟成は、遠赤外線照射および/またはエレクトロン供給雰囲気において流動させながら行うことからなる請求項1〜5のいずれかに記載のセリシンペプチドの製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の方法により得られたセリシンペプチド。
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