JP2008289370A - セリシン水溶液の製造方法およびセリシン水溶液 - Google Patents

セリシン水溶液の製造方法およびセリシン水溶液 Download PDF

Info

Publication number
JP2008289370A
JP2008289370A JP2007135119A JP2007135119A JP2008289370A JP 2008289370 A JP2008289370 A JP 2008289370A JP 2007135119 A JP2007135119 A JP 2007135119A JP 2007135119 A JP2007135119 A JP 2007135119A JP 2008289370 A JP2008289370 A JP 2008289370A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sericin
molecular weight
weight
aqueous solution
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007135119A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5253760B2 (ja
Inventor
Haruki Takatoya
春樹 高塒
Hironori Mori
裕紀 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DKS Co Ltd
Original Assignee
Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd filed Critical Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd
Priority to JP2007135119A priority Critical patent/JP5253760B2/ja
Publication of JP2008289370A publication Critical patent/JP2008289370A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5253760B2 publication Critical patent/JP5253760B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Cosmetics (AREA)

Abstract

【課題】高い透明性、均一性を有する低分子量セリシン水溶液を効率よく調製する。
【解決手段】重量平均分子量5万以上の高分子量セリシン水溶液をアニオン界面活性剤を用いて可溶化し、可溶化した高分子量セリシン水溶液に対し、pHを7〜11に維持しながら、タンパク質分解酵素によりセリシンを加水分解させて、重量平均分子量5万未満、好ましくは1万以下の低分子量セリシン水溶液を調製する。タンパク質分解酵素としてシステインプロテアーゼを用いる場合には、システイン塩酸塩などの還元剤の存在下で、セリシンを加水分解させる。
【選択図】なし

Description

本発明は、セリシン水溶液の製造方法に関し、より詳細には、高分子量のセリシン水溶液を加水分解して低分子量のセリシン水溶液を調製する方法、及び、該加水分解により得られたセリシン水溶液に関し、更には該セリシン水溶液を配合した化粧品組成物に関するものである。
セリシンは、フィブロインとともに絹繊維を構成するタンパク質であり、絹繊維等からアルカリ、酸、界面活性剤、タンパク質分解酵素、イオン水、熱水などを用いて抽出される。かかるセリシンは、従来、絹繊維の精錬工程において精錬廃液として廃棄されていたが、近年、機能性素材として、生体機能に関連する応用分野や、化粧品、食品といった分野への活用が検討されている。
セリシンを分離回収するための方法として、下記特許文献1には、絹織物を高温高圧水で処理し、得られたセリシン水溶液を凍結、解凍してセリシンを抽出する技術が開示されている。この方法で得られるセリシンは平均分子量が10万以上であり、その水溶液は0〜40℃でゲル化することが記載されている。
特許文献1にも記載されているように、平均分子量が5万以上となるような高分子量セリシンの水溶液は、高分子量セリシンの水に対する溶解性が乏しいことから、白濁しゲル状になってしまう。すなわち、高分子量セリシン水溶液では、セリシンが完全には溶解しておらず、溶液は白濁し、粘度が高く、経時的にコロイド状のゲルを形成したり、凝集沈殿したりする。そのため、高粘度のせいで扱いづらく、外観が悪かったり、離水したりするといった不都合が生じる。
このような状態では、高い均一性や透明性を要求される用途で使用しづらい。また、スキンケアやヘアケアなどの化粧品の原料として高分子量セリシン水溶液を使用した場合、皮膚や毛髪の内部に大部分のセリシンが浸透、吸着するなどの現象は期待できず、その効果が確認されにくい。そこで、高温高圧水で抽出して得られた高分子量セリシンを効率よく低分子量化でき、高い透明性、均一性を有する低分子量セリシン水溶液を調製する方法が求められる。
低分子量セリシン水溶液を得る方法として、下記特許文献2には、イオン水生成装置で水又は電解質水溶液を電気分解して生成したイオン水を用いて、繭糸のセリシンを加水分解する方法が提案されている。
また、下記特許文献3には、家蚕又は天蚕由来の絹タンパク原料を中性塩水溶液に溶解し、タンパク質分解酵素などのペプチド結合切断物質を用いて絹タンパク質の特異的アミノ酸残基間のペプチド結合を切断することにより、平均分子量が1万以上20万未満の絹タンパク質水溶液を製造する方法が開示されている。また、下記特許文献4には、セリシンではなくフィブロインペプチドの製造方法に関するものであるが、絹フィブロインを中性塩によって分解し、タンパク質分解酵素による加水分解を施すことで低分子量化する技術が開示されている。これらの方法では、絹糸から高分子量セリシン又はフィブロインを、高濃度の中性塩を含有する水溶液に溶出させるため、ペプチド結合切断物質による加水分解後に透析などの脱塩工程が必要となる。
特開平11−131318号公報 特開平10−029909号公報 特開2004−300142号公報 特開平07−067686号公報
上記のように、絹織物を高温高圧水で処理して得られた重量平均分子量5万以上の高分子量セリシン水溶液は、溶解性が乏しく白濁しており、室温ではゲル状である。そこで、高分子量セリシン水溶液を、タンパク質分解酵素、アルカリ、酸やそれらの併用により加水分解することにより、透明性を有する低分子量セリシン水溶液を得ようと試みた。
しかしながら、ゲルろ過クロマトグラフィーにより低分子量化したことは確認できたものの、溶解性は改善されなかった。すなわち、アルカリによる分解では、低分子量化したにもかかわらず白濁したままで外観が改善されなかった。また、酸やタンパク質分解酵素による分解では、凝集沈殿が生じて外観や性能に劣るものであった。このような低分子量セリシンは産業利用上有用とは言いがたく、白濁や凝集沈殿を生じない高分子量セリシンの分解方法を確立することが必要である。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、高い透明性、均一性を有する低分子量セリシン水溶液を調製することができる方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に鑑みて鋭意検討していく中で、加水分解前に高分子量セリシンをアニオン界面活性剤で可溶化しておくことが有効でないかと考えた。本出願人によって先に提案されているように、高分子量セリシン水溶液は、アニオン界面活性剤により溶解性を改善して、コロイド状のゲル形成や凝集沈殿を抑制することができる(特願2006−248198参照)。そのため、このようにして得られた均一性に優れる高分子量セリシン水溶液を用いて加水分解すれば、上記課題が解決されるのではないかと考えた。
しかしながら、アニオン界面活性剤で可溶化した均一な高分子量セリシン水溶液を用いた場合でも、酸による加水分解では、溶解性が低下して可溶化していたセリシンが凝集沈殿し、中和後も沈殿したままであることが判明した。また、アルカリによる加水分解では、凝集沈殿はしなかったが、加水分解に長時間を要し非効率的であった。
そこで、本発明者らは、短時間で反応が進行するタンパク質分解酵素による加水分解に着目し、アニオン界面活性剤による可溶化とタンパク質分解酵素による加水分解を組み合わせることで、白濁や凝集沈殿を起こさずに短時間で低分子化したセリシン水溶液が得られることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係るセリシン水溶液の製造方法は、アニオン界面活性剤で可溶化した重量平均分子量5万以上の高分子量セリシン水溶液に対し、pHを7〜11に維持しながら、タンパク質分解酵素でセリシンを加水分解させて重量平均分子量5万未満の低分子量セリシン水溶液を調製するものである。
また、本発明に係るセリシン水溶液は、アニオン界面活性剤で可溶化した重量平均分子量5万以上の高分子量セリシン水溶液に対し、pHを7〜11に維持しながら、タンパク質分解酵素でセリシンを加水分解させることで調製された重量平均分子量5万未満のセリシン水溶液である。
本発明はまた、上記セリシン水溶液を配合した化粧品組成物を提供するものである。
本発明において、前記タンパク質分解酵素としてシステインプロテアーゼを用いる場合、アニオン界面活性剤によりタンパク質分解酵素が失活し加水分解が進行しづらい。そのため、この場合には、アニオン界面活性剤によるシステインプロテアーゼの失活を抑制する改善策として還元剤を添加し、還元剤の存在下でセリシンを加水分解させることが好ましい。これにより、システインプロテアーゼの活性が維持され、白濁や凝集沈殿を起こさずに短時間でセリシンを低分子化することができる。
本発明において、前記タンパク質分解酵素としてはアルカリプロテアーゼを用いることもでき、この場合、還元剤を添加しなくても活性を維持することができ、白濁や凝集沈殿を起こさずに短時間でセリシンを低分子化することができる。
本発明によれば、高分子量セリシン水溶液から低分子量セリシン水溶液を調製する際に、凝集沈殿や白濁が生じるのを抑制することができ、従って、透明性、均一性に優れ、広い用途に適合した低分子量セリシン水溶液を得ることができる。また、タンパク質分解酵素を用いるため、短時間に低分子化することができ、またセリシンペプチドの分子量制御も行うことができる。また、低分子化したことにより、化粧品用として配合した場合に、皮膚や毛髪の内部への浸透性を向上することができる。
以下、本発明の実施に関連する事項について説明する。
本発明において、高分子量セリシンとは、重量平均分子量(Mw)が5万以上のセリシンのことである。また、低分子量セリシンとは、重量平均分子量が5万未満のセリシンないしセリシンペプチドのことであり、該重量平均分子量はより好ましくは2万以下、更に好ましくは1万以下である。このような低分子量のセリシンとすることで、例えば化粧品用として配合した場合に、皮膚や毛髪の内部への浸透性を向上することができる。
高分子量セリシンの重量平均分子量の上限値は特に限定されないが、20万以下であることが、界面活性剤で可溶化した状態での均一性、透明性の点で好ましい。また、低分子量セリシンの重量平均分子量の下限値も特に限定されないが、500以上であることが好ましい。
本発明において、重量平均分子量は、ゲル濾過クロマトグラフィーにて測定されるものである。
本発明の一実施形態に係るセリシン水溶液の製造方法は、
(1)界面活性剤で可溶化した高分子量セリシン水溶液を調製する工程と、
(2)調製した高分子量セリシン水溶液に対し、タンパク質分解酵素によりセリシンを加水分解させる工程と、
を含むものである。
工程(1)において、可溶化した高分子量セリシン水溶液は、白濁し、凝集沈殿した高分子量セリシン水溶液の原液に、アニオン界面活性剤を加えて加熱混合することにより調製することができる。
上記高分子量セリシン水溶液の原液としては、絹繊維(繭糸)を高温水(例えば100〜140℃)で抽出処理することにより得られたものが好適である。このような高温水で抽出したものであれば、アルカリ抽出したものに比べて、高分子量のセリシンを含んだ水溶液が得られる。かかる高温水によるセリシンの抽出方法は、例えば上記特許文献1に記載されたような公知の方法を用いて行うことができ、特に限定されない。高温水抽出で得られた上記高分子量セリシン水溶液の原液は、通常、室温では、セリシンが完全には溶解しておらず(従って、セリシン水分散液と称することもできる。)、白濁し、凝集沈殿により増粘した状態の液体である。
この高分子量セリシン水溶液の原液に、アニオン界面活性剤を所定量加えた後、加熱条件下(好ましくは80〜95℃)で、所定時間(例えば10分程度)撹拌し、その後、速やかに冷却する。これにより、均一性に優れる高分子量セリシン水溶液が得られる。
なお、高い透明性を要する場合には、得られた高分子量セリシン水溶液に圧力処理を加えてもよい。圧力処理は、マイクロフルイダイザー、ホモジナイザー、アルティマイザーなどの公知の高圧処理機を用いて行うことができ、上記高分子量セリシン水溶液に圧力をかけて微粒子化することにより、透明性が向上する。処理圧力としては、特に限定されないが、50〜100MPaであることが好適である。また、処理回数は2パス(pass)以上であることが好ましい。
上記可溶化にはアニオン界面活性剤が用いられる。アニオン界面活性剤を用いることにより、セリシンの溶解性を改善することができ、一方、カチオン界面活性剤や両性界面活性剤などの他の界面活性剤では、高分子量セリシンの溶解性改善効果は得られず、溶解性がむしろ低下することもある。なお、アニオン界面活性剤がセリシンの溶解性を改善させる理由は明らかではないが、アニオン界面活性剤の親油基がセリシンの親油的な領域に吸着したとき、親水基がアニオンであることから、セリシン分子内もしくは分子間の静電反発力が生じ、セリシンのunfolding状態(ランダム構造)を促すとともに、セリシン分子間の凝集を防ぐためと推測される。
上記アニオン界面活性剤としては、セリシンを可溶化するものであれば特に限定なく用いることができ、例えば、アミノ酸系活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキル硫酸塩(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム)などが挙げられる。好ましくは、N−アシル−N−メチル−β−アラニン塩、N−アシル−D,L−アラニン塩、N−アシル−サルコシン塩などのアミノ酸系活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩であり、これらは、アニオン界面活性剤の中でも高分子量セリシンの溶解性改善に高い効果があり、均一性だけでなく、透明性の向上にも寄与し得る。
上記アミノ酸系活性剤のアシル基は、特に限定されるものではないが、炭素数8〜20の脂肪酸由来のものが好ましく、より好ましくは炭素数12〜18の脂肪酸由来のものである。これらの脂肪酸組成は単一でもよく、2種以上の混合でもよい。また、上記ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩のアルキル基は、特に限定されるものではないが、炭素数8〜20であることが好ましく、より好ましくは炭素数12〜18である。
また、該アニオン界面活性剤の塩は、特に限定されるものではないが、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩などの金属塩、トリエタノールアミン塩などが好ましい。
上記の可溶化とは、高分子量セリシンの水に対する溶解性を向上させて均一性を有するセリシン水溶液を得ることを意味しており、必ずしも高分子量セリシンの全てが完全に水に溶解した状態を要求するものではない。かかる可溶化に要する界面活性剤の濃度は、特に限定されないが、セリシンの総濃度に対して、重量比で、0.1倍以上であることが好ましい。また、その上限は、濃度が高すぎると、工程(2)においてアニオン界面活性剤でタンパク質分解酵素の活性が低下しやすいため、極力低く抑えることが好ましく、具体的には2倍以下であることが好ましい。
上記高分子量セリシン水溶液中のセリシンの総濃度は、3重量%未満であることが好ましい。セリシン濃度が高すぎると、界面活性剤の濃度を増やしても、溶解性のよい高分子量セリシン水溶液を得ることが難しくなり、高い透明性、均一性を有する低分子量セリシン水溶液の調製が困難となる。セリシン濃度は、より好ましくは、0.5〜2.5重量%である。
上記工程(2)で用いるタンパク質分解酵素としては、セリシンを加水分解できるものであれば特に限定されず、例えば、パパイン、ブロメライン、キモパパイン、フィシンなどのシステインプロテアーゼ、サーモライシンなどの金属プロテアーゼ、トリプシン、キモトリプシン、スブチリシンなどのセリンプロテアーゼなどが挙げられ、また、Aspergillus属、Rhizopus属、Bacillus属などの微生物由来のプロテアーゼが挙げられる。これらはそれぞれ単独で又は2種以上併用することができる。
該タンパク質分解酵素としては、中性領域からアルカリ性領域において活性を持つものが用いられ、具体的には、アルカリ性領域に酵素活性を持つアルカリプロテアーゼ(特には、アルカリプロテイナーゼ)、例えば、Bacillus属由来のアルカリプロテアーゼ(subtilisinなど)等が好適に用いられる。また、パパインやブロメラインなどのシステインプロテアーゼ(特には、システインプロテイナーゼ(SH酵素))も、植物由来であることから、特に化粧品用途において好ましく用いられる。
タンパク質分解酵素の濃度は、特に限定されないが、セリシンの総濃度に対して、重量比で、0.001〜0.5倍であることが好ましい。
上記工程(2)において、タンパク質分解酵素としてシステインプロテアーゼを用いる場合には、還元剤の存在下でセリシンを加水分解させる。該還元剤は、アニオン界面活性剤によるシステインプロテアーゼの失活を抑制し得るものであれば、特に限定されない。すなわち、還元剤は、パパインやブロメラインなどの活性中心にあるSH基の酸化による失活を抑制して、還元により活性なSH基を維持し得るものである。具体的には、システイン又はその塩類(例えば、システイン塩酸塩)、システアミン又はその塩類、ジチオスレイトール、2−メルカプトエタノール、グルタチオンなどが挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上併用することができる。特に好ましくは、システイン又はシステアミンあるいはこれらの塩類である。
還元剤の濃度は、特に限定されないが、タンパク質分解酵素の使用量に対して、重量比で、0.1〜1倍であることが好ましい。
上記工程(2)では、より詳細には、工程(1)で調製した高分子量セリシン水溶液にタンパク質分解酵素を添加し、該酵素が触媒機能を発揮する最適温度域にて所定時間(例えば15〜30分間)撹拌することによりセリシンを加水分解させる。ここで、該酵素がシステインプロテアーゼの場合には、工程(1)で調製した高分子量セリシン水溶液に還元剤を添加して撹拌混合した後に、酵素を添加することが好ましい。
その際、水溶液のpHが7より小さいと、可溶化した場合でもセリシンの溶解度が低下して再び白濁したり凝集沈殿したり、あるいは顕著に着色したりするため、pHは常に7以上に調整することが好ましい。また、水溶液のpHが11を超えると、タンパク質分解酵素の活性に影響したり、凝集沈殿したり、あるいは顕著に着色したりするため、pHは11以下に調整することが好ましい。以上より、上記加水分解に際しては、pHを7〜11に維持し、より好ましくはpHは8〜10に維持する。なお、pHの調整は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムといった無機アルカリ、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンといった有機アルカリなどの各種アルカリ、塩酸、硫酸、リン酸といった無機酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸といった有機酸などの各種酸を用いることができる。このようなpHの調整により、水溶液中に塩を生じることになるが、その量は少量であるため、上記特許文献3,4のような脱塩工程は必要としない。
上記のようにタンパク質分解酵素による加水分解でセリシンを低分子化した後、所定温度に加熱撹拌することで、酵素を失活させることができる。その後、冷却することにより、低分子量セリシン水溶液が得られる。なお、失活させたタンパク質分解酵素は、そのまま低分子量セリシン水溶液中に残存させておけばよい。
このように本実施形態によれば、アニオン界面活性剤を添加して溶解性を改善した高分子量セリシン水溶液に対し、pHを7〜11に維持しながら、タンパク質分解酵素によりセリシンを加水分解することにより、凝集沈殿を起こさずかつ高い透明性、均一性、浸透力を有する低分子量セリシン水溶液を、非常に短時間で調製することができる。
得られた低分子量セリシン水溶液は、低分子量セリシンと、アニオン界面活性剤と、場合により還元剤と、失活したタンパク質分解酵素と、pH調整のための酸及び/又はアルカリ及び/又はそれらの塩を含むものであるが、発明の効果を損なわない範囲内で、防腐剤などの他の成分を含有してもよい。
本発明の一実施形態に係る化粧品組成物は、上記低分子量セリシン水溶液を配合してなるものである。配合量は特に限定されるものではないが、通常は、化粧料組成物中に、セリシン濃度として0.001〜0.1重量%の範囲内で配合される。
該化粧品組成物には、一般に化粧品組成物に配合される各種成分を配合することができる。例えば、エタノール、グリセリン、ソルビトールなどのアルコール類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、グリセロールモノステアレート、グリセロールモノオレエート等のグリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤、ジメチコンポリオールなどの界面活性剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、保湿剤、香料、染料、顔料、色素、防腐剤、ビタミン剤、ホルモン剤、消臭剤、pH調整剤、固着剤等が挙げられる。
該化粧品組成物の用途としては、特に限定されず、ヘアジェル、ヘアシャンプー、ヘアトリートメント、ヘアリンス、スタイリングローション、ヘアミスト、スタイリングムース、ヘアスプレー等のヘアケア化粧品、化粧水、乳液、モイスチュアクリーム、モイスチュアローション等のスキンケア化粧品、ボディシャンプー等の洗浄剤、マスカラ、ファンデーション等のメイクアップ化粧品などに用いることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。重量平均分子量と外観の測定・評価方法は以下の通りである。
(重量平均分子量)
・サンプル調製法:
1.セリシンの濃度が0.1重量%となるように移動相と同じ組成の水溶液で希釈
2.上記1.の液を5分間煮沸処理
3.上記2.の液をシリンジフィルタ(ADAVANTEC社製「DISMIC−13HP」、PTFE0.45μm)に通し、サンプルとした。
・試薬:リン酸水素二ナトリウム(ナカライテスク社製)、リン酸二水素ナトリウム(ナカライテスク社製)、塩化ナトリウム(ナカライテスク社製)、分子量マーカ(オリエンタル酵母社製「MW−Marker」、分子量12,400〜290,000)
・分析条件:
UV検出器…島津製作所社製「SPD−6A」、測定波長210nm
カラム…昭和電工社製「Asahipak GS−520HG」
カラム温度…40℃
移動相…0.3M塩化ナトリウムを含む50mMリン酸緩衝液(pH7.0)
流速…0.6ml/分
注入量…10μl
・分子量算出方法:分子量マーカを測定して検量線を作成し、重量平均分子量を測定した。
(外観評価)
セリシン水溶液の外観を目視により評価し、均一性、透明性が良好であるものを「○」、白濁が生じていたものを「△」、凝集沈殿が生じていたものを「×」と評価した。
(実施例1)
(1)高分子量セリシン水溶液(第一工業製薬社製「DK−セリシンMT」、セリシン濃度1.1重量%、重量平均分子量61,000)99.5重量部に、アニオン界面活性剤(ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム塩、第一工業製薬社製「ネオハイテノールECL−30S」、界面活性剤濃度が30重量%である水溶液)0.5重量部を添加し、95℃の水浴中で10分間加熱撹拌後、氷浴中で急冷し、可溶化した高分子量セリシン水溶液を得た。
(2)可溶化した高分子量セリシン水溶液99.76重量部に10重量%水酸化ナトリウムを適宜添加してpHを約9に調整し、L−システイン塩酸塩一水和物(和光純薬工業社製、特級)を0.04重量部加え、均一になるまで撹拌した。
(3)さらに10重量%水酸化ナトリウムを適宜添加してpHを約9に調整し、パパイン(天野エンザイム社製「パパインW−40」、パパイン50重量%)を0.2重量部加え、均一になるまで撹拌し、pHが約8であることを確認した。
(4)50℃で30分撹拌した後、95℃で30分加熱撹拌して酵素を失活させ、水浴中で急冷して低分子量セリシン水溶液を得た。
(5)調製した低分子量セリシン水溶液を5℃で24時間静置し、目視で水溶液の外観を評価した後、重量平均分子量を測定した。
(実施例2)
上記実施例1の(3)において、パパインに代えて、ブロメライン(天野エンザイム社製「ブロメラインF」)を0.2重量部加え、その他は実施例1と同様にして、低分子量セリシン水溶液を得て、外観評価と重量平均分子量の測定を行った。
(実施例3)
上記実施例1の(2)において、可溶化した高分子量セリシン水溶液の量を99.86重量部とし、またL−システイン塩酸塩一水和物の添加量を0.04重量部とし、更に(3)において、パパインの添加量を0.1重量部とし、その他は実施例1と同様にして、低分子量セリシン水溶液を得て、外観評価と重量平均分子量の測定を行った。
(実施例4)
(1)高分子量セリシン水溶液(第一工業製薬社製「DK−セリシンMT」、セリシン濃度1.1重量%、重量平均分子量61,000)98.3重量部に、アニオン界面活性剤(N−ラウロイル−N−メチル−β−アラニンナトリウム塩、ライオン社製「エナジコールL−30ANT」、界面活性剤濃度が30重量%である水溶液)1.7重量部を添加し、95℃の水浴中で10分間加熱撹拌後、氷浴中で急冷し、可溶化した高分子量セリシン水溶液を得た。この後、マイクロフルイダイザー(みづほ工業社製「超高圧ホモジナイザーM−110−E/H」)にて圧力処理した(処理圧力=100MPa、処理回数=2パス)。
(2)可溶化した高分子量セリシン水溶液99.76重量部に10重量%水酸化ナトリウムを適宜添加してpHを約9に調整し、L−システイン塩酸塩一水和物(和光純薬工業社製、特級)を0.04重量部加え、均一になるまで撹拌した。
(3)さらに10重量%水酸化ナトリウムを適宜添加してpHを約9に調整し、ブロメライン(天野エンザイム社製「ブロメラインF」、ブロメライン85重量%)を0.2重量部加え、均一になるまで撹拌し、pHが約8であることを確認した。
(4)50℃で30分撹拌した後、95℃で30分加熱撹拌して酵素を失活させ、水浴中で急冷して低分子量セリシン水溶液を得た。
(5)調製した低分子量セリシン水溶液を5℃で24時間静置し、目視で水溶液の外観を評価した後、重量平均分子量を測定した。
(実施例5)
上記実施例4の(1)において、アニオン界面活性剤として、N−ヤシ油脂肪酸−D,L−アラニントリエタノールアミン塩(味の素社製「アミライトACT−12」、界面活性剤濃度が30重量%である水溶液)を用い、その他は実施例4と同様にして、低分子量セリシン水溶液を得て、外観評価と重量平均分子量の測定を行った。
(実施例6)
上記実施例4の(1)において、アニオン界面活性剤として、N−ヤシ油脂肪酸−サルコシントリエタノールアミン塩(日光ケミカルズ社製「サルコシネートCT−30」、界面活性剤濃度が30重量%である水溶液)を用い、その他は実施例4と同様にして、低分子量セリシン水溶液を得て、外観評価と重量平均分子量の測定を行った。
(実施例7)
(1)高分子量セリシン水溶液(第一工業製薬社製「DK−セリシンMT」、セリシン濃度1.1重量%、重量平均分子量61,000)99.5重量部に、アニオン界面活性剤(ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム塩、第一工業製薬社製「ネオハイテノールECL−30S」、界面活性剤濃度が30重量%である水溶液)0.5重量部を添加し、95℃の水浴中で10分間加熱撹拌後、氷浴中で急冷し、可溶化した高分子量セリシン水溶液を得た。
(2)可溶化した高分子量セリシン水溶液99.85重量部に10重量%水酸化ナトリウムを適宜添加してpHを約9に調整し、アルカリプロテアーゼ(大和化成社製「プロチンSD−AY10」、プロテアーゼ15重量%、Bacillus licheniformis(枯草菌)由来のエンド型アルカリプロテアーゼ、EC3.4.21.14)を0.15重量部加え、均一になるまで撹拌し、pHが約9であることを確認した。
(4)50℃で30分撹拌した後、95℃で30分加熱撹拌して酵素を失活させ、水浴中で急冷して低分子量セリシン水溶液を得た。
(5)調製した低分子量セリシン水溶液を5℃で24時間静置し、目視で水溶液の外観を評価した後、重量平均分子量を測定した。
(実施例8)
上記実施例7の(1)において、アニオン界面活性剤として、N−ラウロイル−N−メチル−β−アラニンナトリウム塩(ライオン社製「エナジコールL−30ANT」、界面活性剤濃度が30重量%である水溶液)を用い、高分子量セリシン水溶液98.3重量部に対する添加量を1.7重量部とし、その他は実施例7と同様にして、低分子量セリシン水溶液を得て、外観評価と重量平均分子量の測定を行った。
(実施例9)
上記実施例7の(1)において、アニオン界面活性剤として、N−ヤシ油脂肪酸−D,L−アラニントリエタノールアミン塩(味の素社製「アミライトACT−12」、界面活性剤濃度が30重量%である水溶液)を用い、高分子量セリシン水溶液98.3重量部に対する添加量を1.7重量部とし、その他は実施例7と同様にして、低分子量セリシン水溶液を得て、外観評価と重量平均分子量の測定を行った。
(実施例10)
上記実施例7の(1)において、アニオン界面活性剤として、N−ヤシ油脂肪酸−サルコシントリエタノールアミン塩(日光ケミカルズ社製「サルコシネートCT−30」、界面活性剤濃度が30重量%である水溶液)を用い、高分子量セリシン水溶液98.3重量部に対する添加量を1.7重量部とし、その他は実施例7と同様にして、低分子量セリシン水溶液を得て、外観評価と重量平均分子量の測定を行った。
(実施例11)
(1)高分子量セリシン水溶液(第一工業製薬社製「DK−セリシンMT」、セリシン濃度1.1重量%、重量平均分子量61,000)99.5重量部に、アニオン界面活性剤(ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム塩、第一工業製薬社製「ネオハイテノールECL−30S」、界面活性剤濃度が30重量%である水溶液)0.5重量部を添加し、95℃の水浴中で10分間加熱撹拌後、氷浴中で急冷し、可溶化した高分子量セリシン水溶液を得た。
(2)可溶化した高分子量セリシン水溶液99.85重量部に10重量%水酸化ナトリウムを適宜添加してpHを11に調整し、アルカリプロテアーゼ(天野エンザイム社製「ブロレザーFG−F」、プロテアーゼ10重量%、Bacillus subtilis由来のエンド型アルカリプロテアーゼ、EC3.4.21.62)を0.15重量部加え、均一になるまで撹拌し、pHが約10であることを確認した。
(4)60℃で30分撹拌した後、95℃で30分加熱撹拌して酵素を失活させ、水浴中で急冷して低分子量セリシン水溶液を得た。
(5)調製した低分子量セリシン水溶液を5℃で24時間静置し、目視で水溶液の外観を評価した後、重量平均分子量を測定した。
(比較例1:可溶化なし)
(1)高分子量セリシン水溶液(第一工業製薬社製「DK−セリシンMT」、セリシン濃度1.1重量%、重量平均分子量61,000)99.72重量部に、10重量%水酸化ナトリウムを適宜添加してpHを約9に調整し、L−システイン塩酸塩一水和物(和光純薬工業社製、特級)を0.08重量部加え、均一になるまで撹拌した。
(2)次いで、10重量%水酸化ナトリウムを適宜添加してpHを約9に調整し、パパイン(天野エンザイム社製「パパインW−40」、パパイン50重量%)を0.2重量部加え、均一になるまで撹拌し、pHが約8であることを確認した。
(3)50℃で30分撹拌した後、95℃で30分加熱撹拌して酵素を失活させ、水浴中で急冷して低分子量セリシン水溶液を得た。
(4)調製した低分子量セリシン水溶液を5℃で24時間静置し、目視で水溶液の外観を評価した後、重量平均分子量を測定した。
(比較例2:可溶化及び還元剤なし)
高分子量セリシン水溶液(第一工業製薬社製「DK−セリシンMT」、セリシン濃度1.1重量%、重量平均分子量61,000)99.8重量部に、10重量%水酸化ナトリウムを適宜添加してpHを約9に調整し、パパイン(天野エンザイム社製「パパインW−40」、パパイン50重量%)を0.2重量部加え、均一になるまで撹拌し、pHが約8であることを確認した。その後は、比較例1の(3)及び(4)の通りに、低分子量セリシン水溶液を得て、外観評価と重量平均分子量の測定を行った。
(比較例3:還元剤なし)
(1)高分子量セリシン水溶液(第一工業製薬社製「DK−セリシンMT」、セリシン濃度1.1重量%、重量平均分子量61,000)99.85重量部に、アニオン界面活性剤(ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム塩、第一工業製薬社製「ネオハイテノールECL−30S」、界面活性剤濃度が30重量%である水溶液)0.15重量部を添加し、95℃の水浴中で10分間加熱撹拌後、氷浴中で急冷し、可溶化した高分子量セリシン水溶液を得た。
(2)可溶化した高分子量セリシン水溶液99.8重量部に10重量%水酸化ナトリウムを適宜添加してpHを約9に調整し、パパイン(天野エンザイム社製「パパインW−40」、パパイン50重量%)を0.2重量部加え、均一になるまで撹拌し、pHが約8であることを確認した。
(3)その後は、比較例1の(3)及び(4)の通りに、低分子量セリシン水溶液を得て、外観評価と重量平均分子量の測定を行った。
(比較例4:可溶化、還元剤及びpH調整なし)
高分子量セリシン水溶液(第一工業製薬社製「DK−セリシンMT」、セリシン濃度1.1重量%、重量平均分子量61,000)99.8重量部に、パパイン(天野エンザイム社製「パパインW−40」、パパイン50重量%)を0.2重量部加え、均一になるまで撹拌した。その後は、比較例1の(3)及び(4)の通りに、低分子量セリシン水溶液を得て、外観評価と重量平均分子量の測定を行った。
(比較例5:pH調整なし)
比較例3の(1)と同様にして可溶化した高分子量セリシン水溶液を得た後、得られた高分子量セリシン水溶液99.72重量部にL−システイン塩酸塩一水和物(和光純薬工業社製、特級)を0.08重量部加え、均一になるまで撹拌した。その後、パパイン(天野エンザイム社製「パパインW−40」、パパイン50重量%)を0.2重量部加え、均一になるまで撹拌した。このときの溶液のpHは約6であった。その後は、比較例1の(3)及び(4)の通りに、低分子量セリシン水溶液を得て、外観評価と重量平均分子量の測定を行った。
(比較例6:pHを12に調整)
比較例3の(1)と同様にして可溶化した高分子量セリシン水溶液を得た後、得られた高分子量セリシン水溶液99.72重量部に10重量%水酸化ナトリウムを適宜添加してpHを約9に調整し、L−システイン塩酸塩一水和物(和光純薬工業社製、特級)を0.08重量部加え、均一になるまで撹拌した。その後、パパイン(天野エンザイム社製「パパインW−40」、パパイン50重量%)を0.2重量部加え、均一になるまで撹拌し、10重量%水酸化ナトリウムを適宜添加してpHを約12に調整した。その後は、比較例1の(3)及び(4)の通りに、低分子量セリシン水溶液を得て、外観評価と重量平均分子量の測定を行った。
(比較例7:可溶化なし及びアルカリ加水分解)
(1)高分子量セリシン水溶液(第一工業製薬社製「DK−セリシンMT」、セリシン濃度1.1重量%、重量平均分子量61,000)99.5重量部に、水酸化ナトリウム(和光純薬工業社製、特級)を0.5重量部加え、50℃で16時間撹拌した後、中和して水浴中で急冷し低分子量セリシン水溶液を得た。
(2)5℃で24時間静置した後の水溶液の外観の評価と、重量平均分子量の測定を行った。
(比較例8:可溶化あり及びアルカリ加水分解)
比較例3の(1)と同様にして可溶化した高分子量セリシン水溶液を得た後、得られた高分子量セリシン水溶液99.5重量部に水酸化ナトリウム(和光純薬工業社製、特級)を0.5重量部添加して、50℃で16時間撹拌した。その後、中和して水浴中で急冷し、低分子量セリシン水溶液を得て、5℃で24時間静置した後の水溶液の外観の評価と、重量平均分子量の測定を行った。
(比較例9:可溶化なし及び酸加水分解)
(1)高分子量セリシン水溶液(第一工業製薬社製「DK−セリシンMT」、セリシン濃度1.1重量%、重量平均分子量61,000)99.5重量部に、塩酸(佐々木化学薬品社製、塩酸濃度35%、一級)を0.5重量部加え、50℃で16時間撹拌した後、中和して水浴中で急冷し低分子量セリシン水溶液を得た。
(2)5℃で24時間静置した後の水溶液の外観の評価と、重量平均分子量の測定を行った。
(比較例10:可溶化あり及び酸加水分解)
比較例3の(1)と同様にして可溶化した高分子量セリシン水溶液を得た後、得られた高分子量セリシン水溶液99.5重量部に塩酸(佐々木化学薬品社製、塩酸濃度35%、一級)を0.5重量部添加して、50℃で16時間撹拌した。その後、中和して水浴中で急冷し、低分子量セリシン水溶液を得て、5℃で24時間静置した後の水溶液の外観の評価と、重量平均分子量の測定を行った。
(比較例11:両性界面活性剤)
(1)高分子量セリシン水溶液(第一工業製薬社製「DK−セリシンMT」、セリシン濃度1.1重量%、重量平均分子量61,000)99.5重量部に、両性界面活性剤(ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、第一工業製薬社製「アモーゲンCB−H」、界面活性剤濃度が30重量%である水溶液)0.5重量部を添加し、95℃の水浴中で10分間加熱撹拌後、氷浴中で急冷した。
(2)その後は、実施例1の(2)〜(5)の通りに、低分子量セリシン水溶液を得て、外観評価と重量平均分子量の測定を行った。
(比較例12:カチオン界面活性剤)
(1)高分子量セリシン水溶液(第一工業製薬社製「DK−セリシンMT」、セリシン濃度1.1重量%、重量平均分子量61,000)99.5重量部に、カチオン界面活性剤(塩化ラウロイルトリメチルアンモニウム、第一工業製薬社製「カチオーゲンTML」、界面活性剤濃度が30重量%である水溶液)0.5重量部を添加し、95℃の水浴中で10分間加熱撹拌後、氷浴中で急冷した。
(2)その後は、実施例1の(2)〜(5)の通りに、低分子量セリシン水溶液を得て、外観評価と重量平均分子量の測定を行った。
(比較例13:非イオン界面活性剤)
(1)高分子量セリシン水溶液(第一工業製薬社製「DK−セリシンMT」、セリシン濃度1.1重量%、重量平均分子量61,000)99.5重量部に、非イオン界面活性剤(ポリオキシエチレントリデシルエーテル、第一工業製薬社製「ノイゲンTDS−500」、界面活性剤濃度が30重量%である水溶液)0.5重量部を添加し、95℃の水浴中で10分間加熱撹拌後、氷浴中で急冷した。
(2)その後は、実施例1の(2)〜(5)の通りに、低分子量セリシン水溶液を得て、外観評価と重量平均分子量の測定を行った。
上記実施例及び比較例の結果は、表1に示す通りであり、実施例1〜11によれば、約30分という短い反応時間で、高分子量セリシンを低分子化させることができた。また、得られた低分子量セリシン水溶液は、透明性、均一性に優れていた。
Figure 2008289370
(実施例12:モイスチュアローション)
濃グリセリン(阪本薬品工業社製)3重量部、ジプロピレングリコール(BASFジャパン社製)7.5重量部、クエン酸(ナカライテスク社製)0.02重量部、クエン酸ナトリウム(ナカライテスク社製)0.1重量部、PCAイソステアリン酸グリセレス−25(BASFジャパン社製「ピロテルGPI−25」)0.15重量部、エタノール(日本エタノール社製)4重量部、クインスシードエキス(香栄興業社製「マルメロBG」)7重量部、ホホバリーフエキス(香栄興業社製)1重量部、実施例1で得た低分子量化セリシン水溶液(1重量%)5重量部、防腐剤及び香料を適量、及び、精製水を残余(但し、合計で100重量部)にて、配合してモイスチュアローションを調製した。
調製方法は次の通り。(1)濃グリセリン、ジプロピレングリコール、クエン酸、クエン酸ナトリウム、精製水を十分に混合する。(2)防腐剤、PCAイソステアリン酸グリセレス−25、エタノール、香料を十分に混合する。(3)マルメロBG、ホホバリーフエキス、低分子量化セリシン水溶液を十分に混合する。(4)上記(1)の液を撹拌しながら、上記(2)の液を添加して均一した後、上記(3)の液を添加して均一にする。
(実施例13:ヘアシャンプー)
POEラウリルエーテル硫酸ナトリウム(第一工業製薬社製「ハイテノール325L」、25%溶液)24重量部、ラウリン酸アミドプロピルベタイン(第一工業製薬社製「アモーゲンLB−C」、30%溶液)30重量部、ラウリン酸ポリグリセリル−10(太陽化学社製「サンソフトM−12J」)5重量部、カプリル酸ポリグリセリル−6(太陽化学社製「サンソフトQ−81F」)2重量部、グリセリン(新日本理化社製)5重量部、ジステアリン酸エチレングリコール(日光ケミカルズ社製「NIKKOL EGDS」)2重量部、実施例1で得た低分子量化セリシン水溶液(1重量%)0.5重量部、防腐剤を適量、クエン酸を適量、及び、精製水を残余(但し、合計で100重量部)にて、配合してヘアシャンプーを調製した。
調製方法は次の通り。(1)クエン酸以外の全ての原料を混合し、約70℃まで加温し均一溶解する。(2)撹拌しながら30℃まで冷却し、クエン酸でpHを6.8に調整する。
(実施例14:ヘアトリートメント)
ベヘントリモニウムクロリド(日光ケミカルズ社製「NIKKOL CA−2580」、80%溶液)24重量部、ジステアリルジモニウムクロリド(日光ケミカルズ社製「NIKKOL CA−3475」、75%溶液)30重量部、ステアリン酸グリセリル(日光ケミカルズ社製「NIKKOL MGS−BV」)5重量部、セタノール(共和テクノス社製「セタノール#2500」)2重量部、オレイルアルコール(共和テクノス社製「オレイル#1500HS」)5重量部、低融点ワックス(日光ケミカルズ社製「NIKKOL ニコワックスLM)2重量部、オリーブ油(日光ケミカルズ社製「NIKKOL オリーブ油)0.2重量部、DL−α−トコフェロール(ナカライテスク社製)を適量、ジメチコン(信越化学社製「KF−96−100cs」、動粘度100mm/s)1重量部、ジメチコン(信越化学社製「KF−96−1000cs」、動粘度1000mm/s)0.5重量部、実施例1で得た低分子量化セリシン水溶液(1重量%)0.5重量部、防腐剤を適量、及び、精製水を残余(但し、合計で100重量部)にて、配合してヘアトリートメントを調製した
調製方法は次の通り。(1)ベヘントリモニウムクロリド、ジステアリルジモニウムクロリド、ステアリン酸グリセリル、セタノール、オレイルアルコール、低融点ワックス、オリーブ油、トコフェロール、ジメチコン、低分子量化セリシン水溶液、防腐剤を80℃まで加温しながら均一にする。(2)精製水を80℃まで加熱撹拌しながら上記(1)の液を加えて乳化する。(3)撹拌しながら35℃まで冷却する。
本発明の低分子量セリシン水溶液は、主として化粧品用素材として用いることができ、その他にも、医薬、医薬部外品、食品、バイオなどの生態に関連する分野、繊維処理剤などの各種の分野に利用することができる。

Claims (6)

  1. アニオン界面活性剤で可溶化した重量平均分子量5万以上の高分子量セリシン水溶液に対し、pHを7〜11に維持しながら、タンパク質分解酵素でセリシンを加水分解させて重量平均分子量5万未満の低分子量セリシン水溶液を調製する、セリシン水溶液の製造方法。
  2. 前記アニオン界面活性剤が、アミノ酸系活性剤及びポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩からなる群から選択される少なくとも一種のアニオン界面活性剤である、請求項1記載のセリシン水溶液の製造方法。
  3. 前記タンパク質分解酵素がシステインプロテアーゼであり、還元剤の存在下でセリシンを加水分解させる、請求項1又は2記載のセリシン水溶液の製造方法。
  4. 前記タンパク質分解酵素がアルカリプロテアーゼである、請求項1又は2記載のセリシン水溶液の製造方法。
  5. アニオン界面活性剤で可溶化した重量平均分子量5万以上の高分子量セリシン水溶液に対し、pHを7〜11に維持しながら、タンパク質分解酵素でセリシンを加水分解させることで調製された重量平均分子量5万未満のセリシン水溶液。
  6. 請求項5記載のセリシン水溶液を配合した化粧品組成物。
JP2007135119A 2007-05-22 2007-05-22 セリシン水溶液の製造方法 Expired - Fee Related JP5253760B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007135119A JP5253760B2 (ja) 2007-05-22 2007-05-22 セリシン水溶液の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007135119A JP5253760B2 (ja) 2007-05-22 2007-05-22 セリシン水溶液の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008289370A true JP2008289370A (ja) 2008-12-04
JP5253760B2 JP5253760B2 (ja) 2013-07-31

Family

ID=40164779

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007135119A Expired - Fee Related JP5253760B2 (ja) 2007-05-22 2007-05-22 セリシン水溶液の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5253760B2 (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101035716B1 (ko) * 2009-05-15 2011-05-19 한국화학연구원 단백질 정련공정에서 저분자량의 세리신을 회수하는 방법
JP2012165726A (ja) * 2011-02-09 2012-09-06 Makoto Yafuji セリシンペプチドの製造方法
JP5985394B2 (ja) * 2010-08-31 2016-09-06 天野エンザイム株式会社 酵素を用いた卵殻膜の可溶化方法
JP2017119630A (ja) * 2015-12-28 2017-07-06 株式会社 リトル・サイエンティスト ヘアトリートメント増強剤、毛髪化粧料キット及び毛髪処理方法
CN110637877A (zh) * 2019-11-14 2020-01-03 广西立盛茧丝绸有限公司 一种利用蚕茧的樱桃保鲜方法
KR102107814B1 (ko) * 2019-11-26 2020-05-07 주식회사 네이처센스 농업회사법인 기억력 개선, 인지기능장애 예방 및 개선을 위한 실크 피브로인 유래 펩타이드의 제조방법
KR102107821B1 (ko) * 2019-10-28 2020-05-07 주식회사 네이처센스 농업회사법인 생산성이 향상된 실크 피브로인 가수분해물 제조방법 및 이를 이용하여 제조된 실크 피브로인 가수분해물
CN113476361A (zh) * 2021-06-22 2021-10-08 泉后(广州)生物科技研究院有限公司 一种桃胶和丝胶蛋白的混合提取液及其制备方法与应用
KR20220083389A (ko) * 2020-12-11 2022-06-20 동의대학교 산학협력단 누에고치 추출물을 포함하는 피부 안티폴루션용 조성물
KR102427855B1 (ko) * 2021-06-15 2022-08-04 최윤출 저분자량 실크 세리신의 제조방법 및 이로부터 제조된 세리신을 포함하는 화장료 조성물
CN115093472A (zh) * 2022-08-25 2022-09-23 中国食品发酵工业研究院有限公司 一种具有保湿功能的丝胶蛋白肽及其制备方法和应用
CN116622262A (zh) * 2023-04-28 2023-08-22 东周化学工业(昆山)有限公司 一种紫外光固化保护油墨及其制备方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110499350B (zh) * 2019-03-15 2021-02-02 辽东学院 一种丝胶蛋白水解方法及其产品和应用

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6134274A (ja) * 1984-07-26 1986-02-18 ノボ インダストリ アクテイ−ゼルスカブ 生絹織物の酵素精練法
JPS6236308A (ja) * 1985-08-12 1987-02-17 Kishiyuu Sangyo Kk セリシン加水分解液組成物を配合した化粧料
JPH10226626A (ja) * 1997-02-18 1998-08-25 Noevir Co Ltd セリシン被覆粉体、及びこれを配合して成る化粧料
JP2007022979A (ja) * 2005-07-20 2007-02-01 Kanebo Home Products Kk 毛髪化粧料

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6134274A (ja) * 1984-07-26 1986-02-18 ノボ インダストリ アクテイ−ゼルスカブ 生絹織物の酵素精練法
JPS6236308A (ja) * 1985-08-12 1987-02-17 Kishiyuu Sangyo Kk セリシン加水分解液組成物を配合した化粧料
JPH10226626A (ja) * 1997-02-18 1998-08-25 Noevir Co Ltd セリシン被覆粉体、及びこれを配合して成る化粧料
JP2007022979A (ja) * 2005-07-20 2007-02-01 Kanebo Home Products Kk 毛髪化粧料

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101035716B1 (ko) * 2009-05-15 2011-05-19 한국화학연구원 단백질 정련공정에서 저분자량의 세리신을 회수하는 방법
JP5985394B2 (ja) * 2010-08-31 2016-09-06 天野エンザイム株式会社 酵素を用いた卵殻膜の可溶化方法
US10526423B2 (en) 2010-08-31 2020-01-07 Amano Enzyme Inc. Eggshell membrane solubilization method using enzymes
JP2012165726A (ja) * 2011-02-09 2012-09-06 Makoto Yafuji セリシンペプチドの製造方法
JP2017119630A (ja) * 2015-12-28 2017-07-06 株式会社 リトル・サイエンティスト ヘアトリートメント増強剤、毛髪化粧料キット及び毛髪処理方法
KR102107821B1 (ko) * 2019-10-28 2020-05-07 주식회사 네이처센스 농업회사법인 생산성이 향상된 실크 피브로인 가수분해물 제조방법 및 이를 이용하여 제조된 실크 피브로인 가수분해물
CN110637877A (zh) * 2019-11-14 2020-01-03 广西立盛茧丝绸有限公司 一种利用蚕茧的樱桃保鲜方法
KR102107814B1 (ko) * 2019-11-26 2020-05-07 주식회사 네이처센스 농업회사법인 기억력 개선, 인지기능장애 예방 및 개선을 위한 실크 피브로인 유래 펩타이드의 제조방법
KR102577026B1 (ko) * 2020-12-11 2023-09-08 동의대학교 산학협력단 누에고치 추출물을 포함하는 피부 안티폴루션용 조성물
KR20220083389A (ko) * 2020-12-11 2022-06-20 동의대학교 산학협력단 누에고치 추출물을 포함하는 피부 안티폴루션용 조성물
WO2022265335A1 (ko) * 2021-06-15 2022-12-22 최윤출 저분자량 실크 세리신의 제조방법 및 이로부터 제조된 세리신을 포함하는 화장료 조성물
KR102427855B1 (ko) * 2021-06-15 2022-08-04 최윤출 저분자량 실크 세리신의 제조방법 및 이로부터 제조된 세리신을 포함하는 화장료 조성물
CN113476361B (zh) * 2021-06-22 2023-05-16 泉后(广州)生物科技研究院有限公司 一种桃胶和丝胶蛋白的混合提取液及其制备方法与应用
CN113476361A (zh) * 2021-06-22 2021-10-08 泉后(广州)生物科技研究院有限公司 一种桃胶和丝胶蛋白的混合提取液及其制备方法与应用
CN115093472A (zh) * 2022-08-25 2022-09-23 中国食品发酵工业研究院有限公司 一种具有保湿功能的丝胶蛋白肽及其制备方法和应用
CN115093472B (zh) * 2022-08-25 2023-01-06 中国食品发酵工业研究院有限公司 一种具有保湿功能的丝胶蛋白肽及其制备方法和应用
CN116622262A (zh) * 2023-04-28 2023-08-22 东周化学工业(昆山)有限公司 一种紫外光固化保护油墨及其制备方法
CN116622262B (zh) * 2023-04-28 2024-05-03 东周化学工业(昆山)有限公司 一种紫外光固化保护油墨及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5253760B2 (ja) 2013-07-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5253760B2 (ja) セリシン水溶液の製造方法
JP7011243B2 (ja) 脂質ペプチド型化合物を含有する経皮吸収組成物
JP6439937B2 (ja) 増粘性組成物
TW200533378A (en) Oil-in-water type emulsion composition, skin care preparation for external use and cosmetic using the same
JP5455333B2 (ja) 加齢臭除去用組成物
JPWO2014115726A1 (ja) 抗菌性組成物
JP4716501B2 (ja) 洗浄剤組成物
JP2019014765A (ja) 抗菌性組成物およびその製造方法
JP5427422B2 (ja) 水中油型乳化組成物
EP3192493B1 (en) Moisturizer and cosmetic containing same
JP2018165259A (ja) 皮膚化粧料
JP2008056609A (ja) クレンジング化粧料
JP5738143B2 (ja) 毛髪処理剤及び毛髪処理方法
JP6334508B2 (ja) 粘性洗浄剤組成物
JP6834178B2 (ja) ゲル状組成物
JP2010168335A (ja) おむつかぶれ改善剤
JP5985795B2 (ja) セリシンペプチドの製造方法
JP2010013384A (ja) 高分子量セリシン水溶液
KR102170742B1 (ko) 피부 화장료
KR101060930B1 (ko) 감촉 및 유분산성이 우수한 화장료
JP2011046690A (ja) 育毛剤組成物
JP2005053867A (ja) フケ抑制組成物
JP5950697B2 (ja) 毛髪処理剤、及び毛髪処理方法
JP2019077675A (ja) ジェル状皮膚外用剤又は皮膚化粧料
JPWO2020066893A1 (ja) グリセリルエーテル含有組成物の製造方法およびグリセリルエーテル含有組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091111

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120327

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120522

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20120522

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20120522

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130108

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130304

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130326

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130417

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5253760

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160426

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees