JP2012165690A - バウムクーヘン焼成機およびそれに用いる麺棒およびそれで焼成したバウムクーヘン - Google Patents
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Abstract
【課題】 麺棒の引き抜きの際に生じる不具合の発生を防止し、品質維持と作業効率向上を図ることができるバウムクーヘン焼成機およびそれに用いる麺棒を提供する。
【解決手段】 麺棒100は、心棒10と麺棒小体20とを備えたものである。麺棒小体20は心棒10に対して脱着可能に取り付けられる。麺棒小体20は、例えば、全体として円筒形のもの、円錐台形のもの、紡錘形のもの、紡錘形が直列に複数接続されたものなどがあり得る。バウムクーヘン300を焼成すると麺棒小体200の周りに巻きついて焼成されるが、麺棒小体単位で取り出せば引き抜きが容易となる。また、円錐台形などの麺棒小体20の場合は麺棒小体20がバウムクーヘン300にくさび状に入っているので麺棒小体20をくさび逆方向に引き抜けば容易にバウムクーヘン300から引き抜ける。バウムクーヘン焼成機200はこの麺棒100を適用したものである。
【選択図】 図10
Description
図19に示すように、麺棒1は、バウムクーヘン焼成機内でバームクーヘンを焼成していく円柱形の棒であり、軸心に対して回転シャフト3を貫通して設置する構造となっている。麺棒の材質は木が用いられることがほとんどである。
ここで、麺棒の長さであるが、近年、長い麺棒が用いられることが多くなってきている。なぜならば、バウムクーヘン焼成機の焼成炉の容積、特に回転方向には大きさに制限があるため、一度に焼成されるバウムクーヘンの量を増大させるためには回転軸方向に長くする必要がある。そのため、麺棒1が長くなる傾向がある。
第1は、長く焼き上がった一本状態のバウムクーヘン8が麺棒に巻きついている状態のままバウムクーヘンを外周方向からカッターの刃を当てつつ切断して行く方法である。つまり、中心にある麺棒に刃先が当たりつつ外周に巻きついているバウムクーヘンをカッターで切断してゆき、小分けされたバウムクーヘン単体を製品に仕上げる。なお、この第1のバウムクーヘン単体の切り出し方法は最終製品のバウムクーヘンが常に小分けに切り分けられた状態で販売されるもののみに適用可能な方法である。
第2は、長く焼き上がった一本状態のバウムクーヘン8から最初に麺棒を引き抜き、その引き抜いたバウムクーヘンをカッターで切断して行く方法である。つまり、中空となったバウムクーヘンをカッターで切断してゆき、小分けされたバウムクーヘン単体を製品に仕上げる。
なお、最終製品のバウムクーヘンが小分けされていない円筒形のバウムクーヘンのまま販売される場合には上記のように、長く焼き上がった一本状態のバウムクーヘン8から麺棒を引き抜いてバウムクーヘンをそのまま取り出して製品に仕上げる。
第1の方法、つまり、バウムクーヘン8が麺棒に巻きついている状態のまま外周方向からカッターの刃を当てつつ切断して行く方法の場合には以下の問題があった。まず、カッティングマシンによる切断の際に木製の麺棒自体に刃が当たり麺棒の木片が混入するおそれがあった。また、カッティングマシンによる切断の最中にバウムクーヘンが麺棒の周囲で空回りして製品の切り口などにムラが出るおそれがあった。また、中央に麺棒があるために、外周方向から徐々にカッティングしてゆく必要があり、また、基本的に多数の刃を同時に回転させながら入れることは難しいために1箇所ずつカットするので時間がかかるという問題があった。
次に、第2の方法、つまり、長く焼き上がった一本状態のバウムクーヘン8から最初に麺棒を引き抜き、その引き抜いたバウムクーヘンをカッターで切断して行く方法の場合にも以下の問題があった。まず、麺棒が長いため長く焼き上がった一本状態のバウムクーヘン8を引き抜くのは難しく型崩れをしてしまうおそれがあった。次に、麺棒を引き抜く際にバウムクーヘンを押さえつつ引き抜くと押圧された部分に生地ムラが生じてしまうおそれもある。また、麺棒が長いため長く焼き上がった一本状態のバウムクーヘン8を型崩れしないように慎重に引き抜くため時間がかかってしまうという問題があった。
第1の麺棒小体の形は、一端の径が小さく、他端の径が大きく、全体として円錐形または円錐台形のものとなっているものである。
このように、麺棒小体の形が全体として円錐形または円錐台形であれば、バウムクーヘン焼成機の焼成炉内から麺棒ごとバウムクーヘンを取り出し、麺棒から麺棒小体を取り出せば、全体として円錐形または円錐台形の麺棒小体に対して巻き付いた状態となっているが、焼成されたバウムクーヘンの中心にある麺棒が円錐形または円錐台形であるのでその底面方向、つまり、くさび逆方向に引き抜きやすくなっている。つまり、円筒形の麺棒小体を左または右に抜き出せばバウムクーヘンと麺棒小体との接触面積全体において大きな摩擦力が発生し、麺棒小体を引き抜き終わるまで常に摩擦力が生じるために型崩れする原因となるが、本発明のようにバウムクーヘンの中心にある麺棒小体が円錐形または円錐台形であれば、そのくさび逆方向に抜けば即座にバウムクーヘンと麺棒小体の間の摩擦力が無くなりスムーズに引き抜くことができる。
バウムクーヘン焼成機の焼成炉内から麺棒ごとバウムクーヘンを取り出し、麺棒から麺棒小体を取り出せば、バウムクーヘン全体として紡錘形の麺棒小体に対して巻き付いた状態となっている。ここで、焼成されたバウムクーヘンの中心にある麺棒小体が紡錘形であり、紡錘形の中央部において2つに分割可能で、各々の円錐形または円錐台形に分割できるものであるので、バウムクーヘンが焼成された後に麺棒小体の分割が可能な位置において麺棒小体に巻き付けられた状態で一度切断し、そして、麺棒小体を各々の円錐形または前記円錐台形に分割すれば、麺棒小体が円錐形または円錐台形の場合と同様となり、麺棒小体を円錐形または円錐台形の底面方向であるくさび逆方向に引き抜けば、引き抜きやすくなる。
バウムクーヘン焼成機の焼成炉内から麺棒ごとバウムクーヘンを取り出し、麺棒から麺棒小体を取り出せば、バウムクーヘン全体として紡錘形の麺棒小体が直列に複数接続されたものに対して巻き付いた状態となっている。
ここで、焼成されたバウムクーヘンの中心にある麺棒小体が紡錘形で中央部において分割可能でかつ直列に複数接続された箇所も分割でき、各々の円錐形または円錐台形に分割できるものであるので、バウムクーヘンが焼成された後に麺棒小体の分割が可能な位置において麺棒小体に巻き付けられた状態で一度切断し、そして、麺棒小体を各々の円錐形または前記円錐台形に分割すれば、麺棒小体が円錐形または円錐台形の場合と同様となり、麺棒小体を円錐形または円錐台形の底面方向であるくさび逆方向に引き抜けば、引き抜きやすくなる。
上記第4の麺棒小体の場合も、第3の麺棒小体と同様、紡錘形をした麺棒小体が、紡錘形の中央部において2つに分割可能で各々の円錐形または円錐台形に分割でき、また、直列に複数接続された箇所も分割できるものであるので、バウムクーヘンが焼成された後に麺棒小体の分割が可能な位置において麺棒小体に巻き付けられた状態で一度切断し、そして、麺棒小体を各々の円錐形または前記円錐台形に分割すれば、麺棒小体が円錐形または円錐台形の場合と同様となり、麺棒小体を円錐形または円錐台形の底面方向であるくさび逆方向に引き抜けば、引き抜きやすくなる。
次に、バウムクーヘンの表面に山谷を強調して形成したガトーピレネーとすることも可能である。ここで、複数本の生地掻き落とし片が取り付けられ生地掻き落とし具であって生地掻き落とし片の並びにおいてそれら先端の高さが徐々に高くなるまたは徐々に低くなるように調整したものを用いることが好ましい。このように先端の高さを調整しておくことにより、麺棒小体の錐体部分の周囲で焼成される生地に対して対向するように当てて生地の一部を掻き落としながら焼成することができ、略円錐台形状のバウムクーヘンの表面に山谷を強調して形成することができる。
なお、本発明のバウムクーヘン焼成機およびそれに用いる麺棒によれば、バウムクーヘンを小分けにカッティングする前に麺棒を引き抜くので、従来技術において麺棒の周囲にバウムクーヘンが巻き付いたまま小分けにカットする場合に生じていた問題点、つまり、カッティングマシンによる切断の際に木製の麺棒が削れた木片が混入するおそれや切り口ムラなどが出るおそれなどがなく品質劣化が生じることはない。
まず、実施例1において、円筒形の麺棒小体を用いた本発明の麺棒の構成例について説明し、次に、実施例2において一部に錐体部分を持つ麺棒小体を用いた本発明の麺棒の構成例について説明し、次に、実施例3として本発明のバウムクーヘン焼成機の構成例について説明する。
本発明の麺棒100は、心棒10と麺棒小体20とを備えたものである。麺棒小体20は、心棒10を受け入れる中空を持ち心棒10に通し入れることにより心棒10の周囲に取り付けたり外したり脱着自在なものである。
実施例1にかかる麺棒小体20の形は、円筒形のものとなっている。
図1に示すように、本発明の麺棒100は、心棒10、麺棒小体20、制止体30を備えたものとなっている。この構成例では、麺棒小体20はさらに複数個の麺棒小体片21が連結されて構成されている。
心棒10の素材は限定されないが、例えば、構造的強度が大きくかつ耐熱性にも優れたステンレス鋼などで良い。
麺棒小体20は心棒10に対して脱着可能なものとなっている。
制止体30は、麺棒小体20から独立した部材であってもよく、また、麺棒小体20の端部に合体したもので、麺棒小体20の端部の構造が制止体30として心棒10に対する固定・開放を制御できる機能を備えたものであっても良い。この構成例では制止体30は麺棒小体20から独立した部材となっている。
図3は、円筒形の麺棒小体片21が連結された麺棒小体20を用いて焼成されたバウムクーヘン300の取り出し方を示した図である。分かりやすいように断面図において説明する。
実施例2にかかる麺棒100aで用いる麺棒小体20aの形は、少なくとも一部に錐体部分を備えたものとなっている。少なくとも一部に錐体部分を備えた麺棒小体20aとして、以下のパターンを例に挙げて順々に説明する。
麺棒100aが採用する麺棒小体20aの第1のパターンは、一端の径が小さく他端の径が大きく全体として円錐形または円錐台形のものとなっているものである。
麺棒100aが採用する麺棒小体20aの第2のパターンは、両端の径が小さく、中央部の径が大きく、全体として2つの円錐形の底面同士を合わせた紡錘形または2つの円錐台形の底面同士を合わせた紡錘形のものとなっているものである。
麺棒100aが採用する麺棒小体20aの第3のパターンは、第2のパターンの紡錘形の麺棒小体を直列に複数接続した形状となっているものである。
麺棒100aが採用する麺棒小体20aの第4のパターンは、第2のパターンの紡錘形の麺棒小体を直列に複数接続したものに加え、さらに少なくとも一方の端部に円錐形または円錐台形の麺棒小体を直列に接続した形状となっているものである。
麺棒小体20aの第1のパターンの例は、麺棒小体が、特に一端の径が小さく他端の径が大きく全体として一つの円錐台形のものとなっている構成例となっている。
第1のパターンの麺棒小体20aは、一体の略円錐台形のものであり麺棒小体片21aに分割するタイプではない。つまり、心棒10に対して一つの略円錐台形の麺棒小体20aが一体に脱着可能な構造となっている。
なお、実施例1と同様、図5(b)に示すように、麺棒100aは、心棒10、麺棒小体20a、制止体30を備えたものとなっており、心棒10、制止体30は、実施例1と同様で良い。
本発明の実施例2の麺棒小体100aを用いて焼成されたバウムクーヘン300は、表面が略円錐台形状で内部に円錐体の空洞を持つバウムクーヘン300として得られる。
図8は、第2のパターンの麺棒小体20bを採用した麺棒100bの構成例を簡単に示す図である。
第2の麺棒のパターンは、図8(a)に示すように、麺棒小体20bは、その外表面形状において、両端の径が小さく、中央部の径が大きく、全体として2つの円錐形の底面同士を合わせた紡錘形または2つの円錐台形の底面同士を合わせた紡錘形のものとなっている例である。
図8(b)に示すように、麺棒小体20bは心棒10に対して脱着可能なものとなっている点は同様である。また、制止体30の操作により、麺棒小体20bが心棒10に対してスライド移動しないように制止状態と可動状態を制御できるものとなっている点も同様である。
第2のパターンである麺棒小体20bは、紡錘形の中央部において2つに分割可能で、各々の円錐形または円錐台形に分割できるものとなっている。
図8(c)に示すように、2つの円錐台形の麺棒小体片21の底面同士を合わせて一つの紡錘形の麺棒小体20bを形成したものとなっている。なお、麺棒小体片21の底面同士の合わせ方はどのような構造・方式でも良いが、図8(c)の構成例では、麺棒小体片21の底面のそれぞれについて、その半周分に突状の爪があり、他の半周分に突状の爪を受け入れる溝が設けられており、麺棒小体片21の底面同士の接合において、互いの突状の爪が他方の溝に嵌まり込むように心棒10に対する回転角度を調整して嵌合させるものとなっている。なお、後述するように制止体30により接合方向に対して所定の圧力がかかって姿勢が維持されるため、麺棒小体片21同士の嵌合自体は、接合箇所において隙間なく、つまり、バウムクーヘンの生地が内部に入り込まないように接合されておればよい。
なお、図9(a)の例は、心棒10の両端から各々の麺棒小体片21を通し入れて中央で合体させる手順を示しているが、図9(b)のように、心棒10の一端から麺棒小体片21を制止体30の機能の付いた端部側から通し入れ、次に心棒10の同じ一端から次の麺棒小体片21を円錐台の底面側から通し入れて中央で合体させる手順でも良い。
図10は、紡錘形である麺棒小体20bから焼成されたバウムクーヘン300の取り出し方を示した図である。分かりやすいように断面図において説明する。
なお、図10(a)に示すように、紡錘形である麺棒小体20bの形状に応じて、バウムクーヘン300は略紡錘形に焼成されている。
つまり、紡錘形をした麺棒小体20bを用いた場合も、麺棒小体20bが紡錘形の中央部分で分割可能であり、かつ、焼成されたバウムクーヘンを当該紡錘形の中央部分で先にカッティングしてしまえば、上記したように、くさびの原理を利用して、麺棒小体20bの周りに巻きついて焼成されているバウムクーヘンを麺棒小体20bから簡単に抜き出して取り出しやすいという効果が得られる。
第3のパターンの麺棒小体20cは、麺棒小体の外表面の形状として紡錘形のものが直列に複数接続されているものを示す。
図11は、第3のパターンの麺棒小体20cを採用した麺棒100cの構成例を簡単に示す図である。
図11に示す麺棒小体20cは、その外表面形状において、図8において示したような紡錘形のものが直列に複数接続された形状となっている例である。
麺棒小体20cは、紡錘形の中央部において2つに分割可能、かつ、直列に複数接続箇所それぞれにおいても分割可能であり、各々が円錐形または円錐台形の麺棒小体片21のパーツに分割できるものとなっている。
なお、後述するように制止体30により接合方向に対して所定の圧力がかかって姿勢が維持されるため、麺棒小体片21同士の嵌合自体は、接合箇所において隙間なく、つまり、バウムクーヘンの生地が内部に入り込まないように接合されておればよい。
図12に示すように、心棒10に対して次々と円錐台形の麺棒小体片21を通し入れて行き、隣り合う円錐台形の麺棒小体片21同士を連結して行く。なお、麺棒小体片21は交互に入れ行き、円錐台形の麺棒小体片21の底面同士を合わせ、次には円錐台形の麺棒小体片21の先端同士を合わせ、それらを次々と直列に接続してゆき、麺棒小体20cを形成する。
一方、麺棒小体20cを取り出す際は、図12の逆の手順により、制止体30を緩めて可動状態にすると、麺棒小体20cも心棒10に対してスライド移動を可能となり、心棒10を麺棒小体20cから抜き出すことができる。このように脱着を制御することができる。
図13は、紡錘形を直列に複数接続した麺棒小体20cを用いて焼成されたバウムクーヘンの取り出し方を示した図である。分かりやすいように断面図において説明する。
なお、図13(a)に示すように、紡錘形のものが直列に複数接続された形状となっている麺棒小体20cの形状に応じて、バウムクーヘン300も略紡錘形のものが直列に複数接続された形状に焼成されている。
まず、図13(a)に示すように、焼成されたバウムクーヘンを麺棒小体20cの分割が可能な位置、つまり、麺棒小体片21の連結箇所において、バウムクーヘン300を麺棒小体20cの周囲に巻き付けられた状態で切断する。
次に、図13(c)に示すように、バウムクーヘン300に対して、円錐台形の麺棒小体片21をくさびの逆方向に引き抜けば、図7や図10に示したように簡単にバウムクーヘン300から麺棒小体片21を引き抜くことができる。
つまり、紡錘形をした麺棒小体20cを用いた場合も、麺棒小体20cが紡錘形の中央部分や紡錘形の先端同士の連結部分で分割可能であるので、焼成されたバウムクーヘン300を当該連結部分で先にカッティングしてしまえば、上記したように、くさびの原理を利用して、麺棒小体片21の周りに巻きついて焼成されているバウムクーヘンを麺棒小体20cから簡単に抜き出して取り出しやすいという効果が得られ、次々と麺棒小体20cごと心棒10から取り外してゆくことができる。
図14は、第4のパターンの麺棒小体20dを採用した麺棒100dの構成例を簡単に示す図である。
図14に示す麺棒小体20dは、その外表面形状において、図8において示したような紡錘形のものが直列に複数接続され、さらに端部に円錐形または円錐台形の麺棒小体を直列に接続した形状となっているものである。
麺棒小体片21を直列に複数連結して行く個数は、心棒10の長さとの関係で制限があるが、心棒10の長さが許せば、麺棒小体片21を連結して行く個数は制限がない。つまり、第3の麺棒のパターンは通し入れた麺棒小体片21が、偶数個かつ紡錘形のセットになる組み合わせ、第4のパターンは、通し入れた麺棒小体片21が、奇数個であるか、偶数個であっても紡錘形のセットの両端にそれぞれ円錐台形のものが一つずつ連結されている組み合わせである。
本発明のバウムクーヘン焼成機200は、実施例1または実施例2で述べた本発明のバウムクーヘン用の麺棒100(100、100a,100b,100c,100d。以下、単に100と略記する。)を採用したものであれば、様々なタイプのバウムクーヘン焼成機が可能であり、麺棒100以外の構成は特に限定されない。市販のバウムクーヘン焼成機は、基本的に麺棒を用いてバウムクーヘンを焼成しているので、その麺棒部分を本発明のバウムクーヘン用の麺棒100を採用するように改良することにより、本発明のバウムクーヘン焼成機200となり得る。
本発明のバウムクーヘン焼成機200の構成は、基本構造として、例えば、図15に示すように、実施例1で説明した発明の麺棒100に加え、焼成炉210、熱源220、回転ドラム230、生地皿240、駆動機構250を備えている。これらは基本構造の一例であり、それら構成要素の仕組みや働きが改良されて異なるものであっても、また、これら構成要素とは異なる他の構成要素が加わったバウムクーヘン焼成機であっても、発明の麺棒100を採用するように改良されていれば本発明のバウムクーヘン焼成機200の技術的範囲に含まれるものである。
駆動機構250の制動による麺棒100の自転運動と回転ドラム軸231に対する公転運動の関係は限定されないが、例えば、回転ドラム軸231に対する公転運動の方向に対して同一方向に自転運動するものでも良く、逆方向へ自転運動するものでも良い。
この図16(a)から図17(b)のサイクルを1サイクルとして、塗布されたバウムクーヘンの生地が焼成炉210内の熱により焼成されていく。このように、図16(a)から図17(b)を1サイクルとして、それが6サイクル進めば、回転ドラム軸231に対する公転が1回転終了する。回転ドラム軸231に対する公転が1回転終了するたびに、年輪のように焼成されてゆくバウムクーヘンの1層の焼成ができる。
バウムクーヘン300が所定の厚さに達するまで、このサイクルを繰り返しながらバウムクーヘン300が焼成されてゆく。
本発明のバウムクーヘン焼成機200は、実施例1または実施例2で述べた本発明のバウムクーヘン用の麺棒100(100、100a,100b,100c,100d。以下、単に100と略記する。)を採用したものであり、麺棒小体20の形によって焼成されるバウムクーヘン300の概略形状が決まってくる。例えば、紡錘形の麺棒小体20aを用いて焼成すれば、バウムクーヘン300の概略形状は略紡錘形となる。
20 麺棒小体
21 麺棒小体片
30 制止体
100 麺棒
200 バウムクーヘン焼成機
210 焼成炉
220 熱源
230 回転ドラム
240 生地皿
250 駆動機構
300 バウムクーヘン
400 生地掻き落とし具
401 生地掻き落とし片
Claims (21)
- 熱源が搭載された焼成炉と、回転ドラム軸によって間歇回転可能に支架された向かい合う左右一対の回転ドラムと、両回転ドラム間へ全体的な放射対称分布型に横架された複数本の麺棒と、前記麺棒へ生地を塗布できるように昇降作動自在に設置された生地皿と、前記麺棒が自転運動を行うように制動しつつ前記回転ドラムによる間歇回転により前記回転ドラム軸に対する公転運動を行うように制動する駆動機構とを備えたバウムクーヘン焼成機において、
前記麺棒が、心棒と、前記心棒を受け入れる中空を持ち前記心棒に通し入れることにより前記心棒の周囲に取り付けた麺棒小体とを備えたものであり、前記麺棒小体が前記心棒に対して脱着可能なものであるバウムクーヘン焼成機。 - 前記麺棒小体の形が、円筒形である請求項1に記載のバウムクーヘン焼成機。
- 前記麺棒小体の形が、少なくとも一部に錐体部分を備えたものとした請求項2に記載のバウムクーヘン焼成機。
- 前記麺棒小体の形が、一端の径が小さく、他端の径が大きく、全体として円錐形または円錐台形のものとなっていることを特徴とする請求項3に記載のバウムクーヘン焼成機。
- 前記麺棒小体の形が、両端の径が小さく、中央部の径が大きく、全体として2つの円錐形の底面同士を合わせた紡錘形または2つの円錐台形の底面同士を合わせた紡錘形のものであり、
前記麺棒小体が、前記紡錘形の中央部において2つに分割可能で、各々の円錐形または円錐台形に分割できることを特徴とする請求項3に記載のバウムクーヘン焼成機。 - 前記麺棒小体の形が前記紡錘形のものを直列に複数接続したものとなっており、前記麺棒小体が各々の前記紡錘形の中央部において分割可能かつ前記直列に接続された箇所においても分割可能であることを特徴とする請求項5に記載のバウムクーヘン焼成機。
- 前記麺棒小体の形が、前記紡錘形のものを直列に複数接続したものに加え、さらに少なくとも一方の端部に円錐形または円錐台形のものを直列に接続したものとなっており、前記麺棒小体が各々の前記紡錘形の中央部において分割可能かつ前記直列に接続された箇所においても分割可能であることを特徴とする請求項5に記載のバウムクーヘン焼成機。
- 複数本の生地掻き落とし片が取り付けられ生地掻き落とし具であって、前記生地掻き落とし片の並びにおいてそれら先端の高さが徐々に高くなるまたは徐々に低くなるように調整された生地掻き落とし具を備え、前記麺棒小体の前記錐体部分の周囲で焼成される生地に対して対向するように当てて生地の一部を掻き落としながら焼成することにより前記バウムクーヘンの表面に山谷を形成できる請求項3乃至7に記載のバウムクーヘン焼成機。
- 熱源が搭載された焼成炉と、回転ドラム軸によって間歇回転可能に支架された向かい合う左右一対の回転ドラムと、両回転ドラム間へ全体的な放射対称分布型に横架された複数本の麺棒と、前記麺棒へ生地を塗布できるように昇降作動自在に設置された生地皿と、前記麺棒が自転運動を行うように制動しつつ前記回転ドラムによる間歇回転により前記回転ドラム軸に対する公転運動を行うように制動する駆動機構とを備えたバウムクーヘン焼成機に用いられるバウムクーヘン用の麺棒であって、
前記麺棒が、心棒と、前記心棒を受け入れる中空を持ち前記心棒に通し入れることにより前記心棒の周囲に取り付けた麺棒小体とを備えたものであり、前記麺棒小体が前記心棒に対して脱着可能なものであるバウムクーヘン焼成機に用いる麺棒。 - 前記麺棒小体の形が、円筒形である請求項9に記載のバウムクーヘン焼成機に用いる麺棒。
- 前記麺棒小体の形が、少なくとも一部に錐体部分を備えたものとした請求項10に記載のバウムクーヘン焼成機に用いる麺棒。
- 前記麺棒小体の形が、一端の径が小さく、他端の径が大きく、全体として円錐形または円錐台形のものとなっていることを特徴とする請求項11に記載のバウムクーヘン焼成機に用いる麺棒。
- 前記麺棒小体の形が、両端の径が小さく、中央部の径が大きく、全体として2つの円錐形の底面同士を合わせた紡錘形または2つの円錐台形の底面同士を合わせた紡錘形のものであり、
前記麺棒小体が、前記紡錘形の中央部において2つに分割可能で、各々の円錐形または円錐台形に分割できることを特徴とする請求項11に記載のバウムクーヘン焼成機に用いる麺棒。 - 前記麺棒小体の形が前記紡錘形のものを直列に複数接続したものとなっており、前記麺棒小体が各々の前記紡錘形の中央部において分割可能かつ前記直列に接続された箇所においても分割可能であることを特徴とする請求項13に記載のバウムクーヘン焼成機に用いる麺棒。
- 前記麺棒小体の形が、前記紡錘形のものを直列に複数接続したものに加え、さらに少なくとも一方の端部に円錐形または円錐台形のものを直列に複数接続したものとなっており、前記麺棒小体が各々の前記紡錘形の中央部において分割可能かつ前記直列に接続された箇所においても分割可能であることを特徴とする請求項13に記載のバウムクーヘン焼成機に用いる麺棒。
- 熱源が搭載された焼成炉と、回転ドラム軸によって間歇回転可能に支架された向かい合う左右一対の回転ドラムと、両回転ドラム間へ全体的な放射対称分布型に横架された複数本の麺棒と、麺棒へ生地を塗布できるように昇降作動自在に設置された生地皿と、前記麺棒が自転運動を行うように制動しつつ前記回転ドラムによる間歇回転により前記回転ドラム軸に対する公転運動を行うように制動する駆動機構とを備えたバウムクーヘン焼成機で焼成したバウムクーヘンであって、
前記バウムクーヘン焼成機における前記麺棒が、心棒と、前記心棒を受け入れる中空を持ち前記心棒に通し入れることにより前記心棒の周囲に取り付けた麺棒小体とを備えたものであり、前記麺棒小体が前記心棒に対して脱着可能なものであり、前記バウムクーヘン焼成機によって焼成されて仕上げられたバウムクーヘン。 - 前記バウムクーヘン焼成機における前記麺棒小体の形が、一端の径が小さく、他端の径が大きく、全体として円錐形または円錐台形のものとなっており、焼成された後に前記麺棒小体ごと焼成されたバウムクーヘンを取り出し、前記バウムクーヘンから前記麺棒小体を前記円錐形または前記円錐台形の底面方向であるくさび逆方向に引き抜くことにより取り出して仕上げた、外形の一部に略錐体形状を備え、内空形状が略円錐台形をした請求項16に記載のバウムクーヘン。
- 前記バウムクーヘン焼成機における前記麺棒小体の形が、両端の径が小さく、中央部の径が大きく、全体として2つの円錐形の底面同士を合わせた紡錘形または2つの円錐台形の底面同士を合わせた紡錘形のものであり、前記麺棒小体が、前記紡錘形の中央部において2つに分割可能で、各々の円錐形または円錐台形に分割できるものであり、焼成されたバウムクーヘンを前記麺棒小体の前記分割が可能な位置において前記麺棒小体に巻き付けられた状態で切断し、前記麺棒小体ごと焼成されたバウムクーヘンを取り出し、前記バウムクーヘンから前記麺棒小体を前記円錐形または前記円錐台形の底面方向であるくさび逆方向に引き抜くことにより取り出して仕上げた、外形の一部に略錐体形状を備え、内空形状が略円錐台形をした請求項16に記載のバウムクーヘン。
- 前記麺棒小体の形が前記紡錘形のものを直列に複数接続したものとなっており、前記麺棒小体が各々の前記紡錘形の中央部において分割可能かつ前記直列に接続された箇所においても分割可能であることを特徴とする請求項18に記載のバウムクーヘン。
- 前記麺棒小体の形が、前記紡錘形のものを直列に複数接続したものに加え、さらに少なくとも一方の端部に円錐形または円錐台形のものを直列に接続したものとなっており、前記麺棒小体が各々の前記紡錘形の中央部において分割可能かつ前記直列に接続された箇所においても分割可能であることを特徴とする請求項18に記載のバウムクーヘン。
- 複数本の生地掻き落とし片が取り付けられた生地掻き落とし具であって前記生地掻き落とし片の並びにおいてそれら先端の高さが徐々に高くなるまたは徐々に低くなるように調整された生地掻き落とし具を用い、前記バウムクーヘン焼成機における前記麺棒小体の前記錐体部分の周囲で焼成される生地に対して対向するように当てることにより生地の一部を掻き落としながら焼成され、前記生地掻き落とし片によって山谷が形成された請求項17乃至20に記載のバウムクーヘン。
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