JP2016152795A - クッキークーヘン焼成機およびそれに用いる架棒体およびそれで焼成したクッキークーヘン - Google Patents

クッキークーヘン焼成機およびそれに用いる架棒体およびそれで焼成したクッキークーヘン Download PDF

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Abstract


【課題】 クッキー生地を使用して表面がハードな焼き上がりとなるクッキークーヘン、およびそのクッキークーヘンを焼成することができるクッキークーヘン焼成機を提供する。
【解決手段】 架棒体100は芯棒10と装着玉20を備えたものである。装着玉20は芯棒10を受け入れる中空に芯棒10に通し入れることにより芯棒10の周囲に脱着可能に取り付けられる。装着玉20は、球状体または楕円球体となっている。クッキークーヘン300を焼成すると装着玉20の周りに巻きついて焼成される。架棒体100は自転と間歇的な公転運動を行うよう制御される。装着玉20は左右の装着玉片21に分離することが可能である。クッキークーヘン300を中央で左右に切り分けたあと、装着玉20も左右の装着玉片21に分離し、クッキークーヘン300から引き抜く。左右に切り分けられたクッキークーヘン300の切り口を合わせて合体させれば中空の焼き菓子となる。
【選択図】 図6

Description

本発明はバウムクーヘン焼成機を応用し、クッキー生地を用いて焼成するクッキークーヘン焼成機およびそれに用いる架棒体の改良およびそれにより焼成したクッキークーヘンに関するものである。
従来のバウムクーヘン焼成に関する技術としては、例えば、特開2008−295402号公報、実公昭46−4878号、特公平8−11031号、特公平8−11032号、特開2010−046005号公報などのものが知られている。これら従来のバームクーヘン焼成機の基本構造は、焼成炉と、焼成炉の内部において間歇的に回転可能に軸架された向かい合う左右一対の円形ドラムと、その両円形ドラムの左右相互間へ着脱自在に介挿使用される円柱形の架棒体(芯棒や支持棒とも呼ばれる)とを備えた構造であり、架棒体が最下段位置へ到達した一旦停止時に、生地皿から生地を巻き付け状態に塗布されて、上記焼成炉の内部を自転しながら公転する運動中に、その生地を焼成してゆき、このような1サイクルを繰り返すことにより、上記生地が樹木の年輪状に積層されたバウムクーヘンが焼成されてゆく。焼き上がったバウムクーヘンを所要の寸法、形状、厚さに切断して商品とする。
従来のバウムクーヘン焼成機に用いられる架棒体の一例を図20に従って説明する。
図20に示すように、架棒体1は、バウムクーヘン焼成機内でバームクーヘンを焼成していく円柱形の棒であり、軸心に対して回転シャフト3を貫通して設置する構造となっている。架棒体の材質は木が用いられることがほとんどである。
ここで、架棒体の長さであるが、近年、長い架棒体が用いられることが多くなってきている。なぜならば、バウムクーヘン焼成機の焼成炉の容積、特に回転方向には大きさに制限があるため、一度に焼成されるバウムクーヘンの量を増大させるためには回転軸方向に長くする必要がある。そのため、架棒体1が長くなる傾向がある。
このように、長いバウムクーヘン用の架棒体1を回転シャフト3に取り付け、バウムクーヘンの生地を塗布しながら焼き上げていくことにより、一本状態の長いバウムクーヘン8を作製することができるが、焼き上がる1本のバウムクーヘンが長いものとなる。その長く焼き上がった一本状態のバウムクーヘン8を所定厚さにカットしてバウムクーヘン単体を得ることとなる。
ここで、バウムクーヘン単体の切り出し方法には2通りの方法が知られている。
第1は、長く焼き上がった一本状態のバウムクーヘン8が架棒体に巻きついている状態のままバウムクーヘンを外周方向からカッターの刃を当てつつ切断して行く方法である。つまり、中心にある架棒体に刃先が当たりつつ外周に巻きついているバウムクーヘンをカッターで切断してゆき、小分けされたバウムクーヘン単体を製品に仕上げる。なお、この第1のバウムクーヘン単体の切り出し方法は最終製品のバウムクーヘンが常に小分けに切り分けられた状態で販売されるもののみに適用可能な方法である。
第2は、長く焼き上がった一本状態のバウムクーヘン8から最初に架棒体を引き抜き、その引き抜いたバウムクーヘンをカッターで切断して行く方法である。つまり、中空となったバウムクーヘンをカッターで切断してゆき、小分けされたバウムクーヘン単体を製品に仕上げる。
なお、最終製品のバウムクーヘンが小分けされていない円筒形のバウムクーヘンのまま販売される場合には上記のように、長く焼き上がった一本状態のバウムクーヘン8から架棒体を引き抜いてバウムクーヘンをそのまま取り出して製品に仕上げる。
実公昭46−4878号 特公平8−11031号 特公平8−11032号 特開2008−295402号公報 特開2010−046005号公報
近年、上記従来のバウムクーヘン焼成機により焼成されたバウムクーヘンは、しっとりと柔らかいものを焼き上げるよう指向したソフトクーヘンが広まってきた。しかし、その一方で、ドイツなどで伝統的に作られてきたしっかりとした歯ごたえの本格的なバウムクーヘンも見直されている。
ここで、本発明者は、バウムクーヘン生地に代え、クッキーに用いられるようなクッキー生地を使用してハードな焼き上がりとしつつ、生地を芯から重ねて焼き上げる「クッキークーヘン」という新たな商品ジャンルに挑戦しようと思い立った。ここで、もし従来のバウムクーヘン焼成機を用い、生地をクッキー生地に代えて焼成することを想定すると以下のような問題が発生する。
第1の問題点は、焼き菓子が全体に硬くなりすぎ、食感が悪くなるおそれである。
クッキー生地の焼き上がりは従来のバウムクーヘン生地の焼き上がりより硬く焼き上がる。従来のバウムクーヘン焼成機は、回転ドラムの公転運動により、回転ドラムに横架している棒を生地に浸漬する段階と、浸漬して棒の周囲に付いた生地を自転させながら焼成する焼成段階とを交互にしながら焼成してゆく。生地の付き具合にもよるが、一般には生地の焼成を15層から30層程度を重ねるものが多い。ここで、そのままクッキー生地に置き換えると、クッキー生地の焼き上がりは従来のバウムクーヘン生地の焼き上がりより硬く焼き上がるため、内部が密に焼き固まったものとなってしまい、歯ごたえがかなり硬くなってしまうという問題が生じる。一般に歯ごたえが良い焼き菓子とは、表面が硬く「パリッ」とした食感があるが内部は比較的柔らかいというものが良く、内部まで硬いものは却って食感を悪くする恐れがある。従来のバウムクーヘン焼成機をそのままの仕様にて使用してクッキー生地を焼成する限り、どうしても内部まで密に硬く焼き締められた焼き菓子とならざるを得なかった。
第2の問題点は、円筒体に焼き上がった状態からの単体の切り出し作業が難しい点である。
従来のバウムクーヘン焼成機を使用してクッキー生地を焼き上げた場合、大きな円筒形の焼き上がりにならざるを得ない。従来のバウムクーヘンの内部には横架している架棒体があり、周囲のクッキー生地と一体となって焼き上がっている。クッキー生地はバウムクーヘン生地とは異なり焼き上がりが硬く、比較的割れやすいため、内部までゆっくり時間をかけて焼成させると切り出し作業が困難となり、綺麗に切り出すことができないおそれがある。また、横架している架棒体が筒状に長く貫いているため、焼き菓子が一体化している中、そのまま単純に横方向に架棒体を引き抜くことが難しい。
以上の問題点に鑑み、本発明は、バウムクーヘン生地に代え、クッキー生地を使用してハードな焼き上がりとしつつ芯から生地を重ねて焼き上げる「クッキークーヘン」、およびそのクッキークーヘンを焼成することができる「クッキークーヘン焼成機」を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を備える。なお、以下に記載の構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載され、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
本発明のクッキークーヘン焼成機は、熱源が搭載された焼成炉と、回転ドラム軸によって回転可能に支架された向かい合う左右一対の回転ドラムと、芯棒と、前記芯棒を受け入れる中空軸を持ち前記芯棒に対して着脱自在に取り付け可能な球状または楕円球状を備えた一又は複数の装着玉を備え、前記回転ドラム間へ横架された一本または複数本の架棒体と、汲み上げたクッキー生地を糸状に落下させ、前記架棒体の前記装着玉を目掛けて垂れかけるノズル吐出口と、前記回転ドラムによる間歇回転により前記架棒体の位置を前記ノズル吐出口から前記クッキー生地を掛ける位置と焼成炉内で前記熱源により焼成する位置との間で移動させる公転運動と、前記回転ドラムに支架された状態で前記架棒体を自転させる自転運動とを制御する駆動機構とを備え、前記回転ドラムにより前記架棒体を回転させつつ、前記装着玉に対して前記ノズル吐出口から糸状に落下する前記クッキー生地をかけつつ焼成するクッキークーヘン焼成機である。
ここで、装着玉は2つの半球体の装着玉片の底面同士を合わせた球体、または、2つの半楕円球体の装着玉片の底面同士を合わせた楕円球体であり、装着玉が左右2つの装着玉片に分離可能な構造である。
装着玉の構造としては、幾通りかあり得る。
第1のケースは、装着玉の外形が球体そのものまたは楕円球体そのもののケースである。この場合、装着玉が芯棒に対して焼成中に移動しないよう固定する必要がある。そこで、装着玉の球体の曲面外方に制止体を設けて装着玉を芯棒に対して固定する。つまり、装着玉を芯棒に取り付けた状態において、装着玉はその両端が制止体により固定された状態で芯棒に取り付けられる。
第2のケースは、装着玉片が半球体の曲面外方に延設されたパイプ体を備えた構成である。つまり、装着玉を芯棒に取り付けた状態において、隣接し合う装着玉同士がパイプ体の端面同士にて接触するもので、パイプ体を介して装着玉同士が密に詰まった状態で芯棒に取り付けられる。
第3のケースは、装着玉片がお椀状の殻状曲面を備えており、装着玉が中空となっているものである。なお、この第3のケースにおいて、装着玉片のお椀状の殻状曲面部分の素材が耐熱性と可撓性を有する樹脂製の素材で形成することができ、焼成され分割されたクッキークーヘンから装着玉片を引き剥がす際に、殻状曲面をめくって引き剥がすことできる硬度で形成することができる。例えば、シリコーンゴムその他のゴム系素材または樹脂製素材である。
なお、装着玉の数については複数個とすることができる。つまり芯棒に対して複数個の装着玉を通し入れて並べることができる。
このように装着玉に工夫を施すことにより、一度に複数のクッキークーヘンを焼き上げ、焼成された球状のクッキークーヘンを左右に切り分けて簡単に取り出すことができる。
次に、焼き菓子の表面に角を立てるなど多様な変化を持たせる工夫について述べる。
その工夫として、クッキー生地をノズル吐出口から装着玉を目掛けて垂れかける際に、ノズル吐出口を左右に揺動させることが挙げられる。さらに、回転ドラムの回転速度については、円筒形のバウムクーヘンを焼成する際の許容される回転速度の上限よりも速く、前記クッキー生地が焼成されていく際に角が立つ焼き具合となる速度に調整せしめることがこのましい。
このように、回転速度を比較的速くなるよう調整することにより揺動しながら垂れかけるクッキー生地のかかり方が多様なものとなり、焼き菓子の表面に多様な角が立つクッキークーヘンを焼成せしめることができる。
次に、クッキー生地の循環について述べる。本発明のクッキークーヘン焼成機は、従来のバウムクーヘン焼成機のように、生地溜まりに架棒体ごと浸漬して生地を付けるものではなく、少量のクッキー生地をノズル吐出口から糸状にかけるため、架棒体から落下するクッキー生地が発生する。そこで、それを受けるべく、公転運動において架棒体の位置がクッキー生地をノズル吐出口から掛ける位置である第1の公転位置にある場合に、ノズル吐出口から吐出され落下するクッキー生地を受け止める生地受けパンを用意するとともに、生地受けパンに落下したクッキー生地を吸い取り、ノズル吐出口に汲み上げる汲み上げ機構を備えることが好ましい。
本発明のクッキークーヘン焼成機により焼成されたクッキークーヘンは、まず、焼成された段階で略球体または略楕円球体になっている。その焼き上がったクッキークーヘンを装着玉の端部および中央において切る。その状態において架棒体および装着玉がクッキークーヘンの内部に残っているが、球体または楕円球体を半分に割った形であるので、一つ一つの半球状の装着玉は、横方向に簡単に引き抜くことができる。引き抜いた後、略半球体または略半楕円球体であるクッキークーヘンの分割体を再度合体させ、中空の略球体または略楕円球体のお菓子に仕上げることができる。なお、略球体または略楕円球体のクッキークーヘンの先端は架棒体の径の孔が開いているが、ここは、チョコレートの板などで塞ぐことができる。
なお、出来上がりのクッキークーヘンは、上記したように、回転ドラムの回転速度の調整により得られる遠心力によって角が立つ焼き具合となっている。つまり、周囲に角が立ち、その中が中空の略球体または略楕円球体のお菓子に仕上げることができる。
本発明のクッキークーヘン焼成機によれば、バウムクーヘン生地に代え、クッキー生地を使用してハードな焼き上がりとしつつ芯から生地を重ねて焼き上げるクッキークーヘンが焼成できる。このクッキークーヘンは、従来にはない焼き菓子であり、本発明により初めて市場に投入されるものである。形状も独特であり、周囲に角が立ち、その中が中空の略球体または略楕円球体に仕上げることができる。食感も表面が硬く「パリッ」とした食感があるが内部は比較的柔らかいという歯ごたえが良い焼き菓子となる。
本発明の第1の架棒体100Aの構成例を簡単に示す図である。 第1の架棒体100Aの構成例において、芯棒10に対して装着玉20を通し入れて固定する手順および装着玉20から芯棒10を抜き出して脱着する手順を示す図である。 本発明の第2の架棒体100Bの構成例を簡単に示す図である。 第2の架棒体100Bの構成例において、芯棒10に対して装着玉片21を次々と通し入れ、固定する手順を示す図である。 比較のために参照する、従来の架棒体1を用いた場合のクッキークーヘンの抜き出しの様子を簡単に示す図である。 本発明の第1の架棒体100Aを用いる場合の焼成されたクッキークーヘン300の抜き出しの様子を簡単に示す図である。 本発明の第2の架棒体100Bを用いる場合の焼成されたクッキークーヘン300の抜き出しの様子を簡単に示す図である。 本発明の第3の架棒体100Cの構成例を簡単に示す図である。 本発明の第3の架棒体100Cを用いる場合の焼成されたクッキークーヘン300の抜き出しの様子を簡単に示す図である。 本発明の第4の架棒体100Dの構成例を簡単に示す図である。 本発明の第4の架棒体100Dを用いる場合の焼成されたクッキークーヘン300の抜き出しの様子を簡単に示す図である。 本発明のクッキークーヘン焼成機200の基本的な構造をきわめて簡単に示す図である。 駆動機構240の制動による回転ドラム230に支架されている架棒体100の公転を簡単に説明する図である。 生地供給装置260からクッキー生地を架棒体100の装着玉20および成長しつつあるクッキークーヘン300をターゲットとしてかける様子を簡単に示した図である。 自転する架棒体100の装着玉20を目掛けて供給ノズル261からクッキー生地を垂れかける様子を簡単に示す図である。 こそぎヘラ270と架棒体100の配設関係を示す図である。 焼成後のクッキークーヘン300の取り出し方を示した図(その1)である。 焼成後のクッキークーヘン300の取り出し方を示した図(その2)である。 クッキークーヘンの仕上げ例を示す図である。 従来のバウムクーヘン焼成機に用いられる架棒体の一例を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明のクッキークーヘン焼成機、本発明のクッキークーヘン焼成機に用いる架棒体の実施例を説明する。ただし、本発明の範囲は以下の実施例に示したものに限定されるものではないことは言うまでもない。
実施例1にかかる本発明の架棒体100の構成例について説明する。
本発明のクッキークーヘン焼成機に用いられる架棒体100の構成例は幾つかのバリエーションがあるが、少なくとも芯棒10に対して一つの球体または楕円球体の装着玉20を備えたものである。
以下、第1の架棒体100Aの構成例と、第2の架棒体100Bの構成例を挙げる。
第1の架棒体100Aは、半球を合わせた装着玉20Aを串刺しするように芯棒10Aを差し通し、装着玉20Aが動かないようにその両端に制止体30Aを取り付けるタイプのものである。
第2の架棒体100Bは、装着玉20Bが曲面外方にパイプ状のパイプ体22Bを備えたものであり、芯棒10Bに対してこのパイプ体22Bの孔から通し入れていくタイプである。
以下、詳しく説明する。なお、ここでは、球形の装着玉20が2個装着されているパターンを例に挙げて説明する。
図1は、本発明の第1の架棒体100Aの構成例を簡単に示す図である。
図1に示すように、本発明の第1の架棒体100Aは、芯棒10A、装着玉20A、制止体30Aを備えたものとなっている。
芯棒10Aは、第1の架棒体100Aの中心軸をなす棒状のものであり、後述するように装着玉20Aに対して通し入れ、装着玉20Aを支える支軸となる部材である。また、後述するクッキークーヘン焼成機200において、回転ドラムの間に第1の架棒体100Aを横架する際に回転ドラムの取り付け箇所において従動スプロケットに対して嵌め付けて固定する部材ともなる。
芯棒10Aの素材は限定されないが、例えば、構造的強度が大きくかつ耐熱性にも優れたものであれば良い。例えば、木棒、ステンレス鋼などがある。
次に、装着玉20Aは、内部に芯棒10Aを受け入れる中空を持つ部材であり、当該中空に対して芯棒10Aを通し入れることにより、装着玉20Aは芯棒10Aの周囲に取り付けられ、支持される部材となる。
装着玉20Aは架棒体100Aにおいてクッキー生地を垂れかけるターゲットとなる部材であり、後述するようにクッキー生地を表面にまとった状態で焼成される。
図1の例では、装着玉20Aの外形は球体のものとなっているが、楕円球体であっても同様である。
ここで、装着玉20Aは、図1(b)の右側に示すように、左右2つの装着玉片21Aを合体させた構造となっており、中心を境に左右に分割可能になっている。このように装着玉20Aが左右分割可能となっていることにより、周囲にクッキー生地が焼成されて出来た球状のクッキークーヘンを左右に切り分ける際に、装着玉20Aも左右の装着玉片21Aに分割することができ、両者を引き離すことができる。
装着玉20Aの芯棒10Aへの装着、取り外しは、それぞれの装着玉片21Aを芯棒10Aに対して通し入れて所定位置まで移動することにより脱着可能なものとなっている。
制止体30Aは、ネジ機構などによって芯棒10Aに対する摩擦力を制御できる部材である。この例では装着玉20Aは球体そのものであり、装着玉20Aの間は密ではなく遊びが大きいため、そのままではクッキークーヘンの焼成中に装着玉20Aが芯棒10A上で左右に移動してしまう。そこで、装着玉20Aが芯棒10Aに対してスライド移動しないように制止体30Aを設けるのである。なお、クッキークーヘンが焼成されたあとはクッキークーヘンを芯棒10Aから外す必要がある。制止体30Aのロックを外せば、装着玉20Aごと芯棒10Aに対して可動状態になる。
制止体30Aの具体的構造は限定されないが、ここでは制止体30Aを締めて制止体30Aを芯棒10Aに対して固定したり、制止体30Aを緩めて制止体30Aを芯棒10Aに対して可動にしたりすることができる仕組みとなっている。なお、図面には芯棒10Aに対する摩擦力を制御するネジ機構などは特に限定されず、図示を省略している。
また、制止体30Aは、装着玉20Aから独立した部材であってもよく、また、装着玉20Aの端部に合体したもので、装着玉20Aの端部の構造が制止体30Aとして芯棒10Aに対する摩擦力を制御できる機能を備えたものであっても良い。この構成例では制止体30Aは装着玉20Aから独立した部材となっている。
図2は、第1の架棒体100Aの芯棒10Aに対して装着玉20Aを通し入れて固定する手順および装着玉20Aから芯棒10Aを抜き出すように脱着する手順を示す図である。
図2の上図から下図に向かう手順に示すように、先に一つの制止体30Aを芯棒10Aに通し入れてネジを締めて芯棒10Aに対して固定しておき、その後、次々と装着玉片21Aを芯棒10Aに通し入れて球体の装着玉20Aを形成し、最後に残りの他端側に制止体30Aをセットして固定する手順であっても良い。なお、先に装着玉20Aを通し入れ、その後に所定箇所に外方から制止体30Aを取り付けても良い。また、制止体30Aが装着玉20AAの端部と一体化されている場合であれば装着玉20Aを芯棒10Aに通し入れれば装着玉20Aの両端部において制止体30Aの機能を備えた部材が配置されていることとなる。
一方、装着玉20Aを取り出す際は、図2の手順において下図から上図に向かう手順を辿れば良い。つまり、先に制止体30Aを緩めて可動状態にすると、装着玉20Aも芯棒10Aに対してスライド移動を可能となり、芯棒10Aを装着玉20Aから抜き出すことができる。このように脱着を制御することができる。
次に、第2の架棒体100Bを説明する。
図3は、本発明の第2の架棒体100Bの構成例を簡単に示す図である。
図3に示すように、本発明の第2の架棒体100Bも、芯棒10B、装着玉20B、制止体30Bを備えたものとなっている。
芯棒10Bは、第2の架棒体100Bの中心軸をなす棒状のものであり、第1の架棒体100Aにおける芯棒10Aと同様で良い。ただし、第2の架棒体100Bでは両端に制止体30Bがくるため、回転ドラム230の取り付け箇所に嵌め付けて固定する部材は芯棒10Bではなく制止体30Bであるという捉え方もできる。しかし、回転ドラム230に取り付ける部材を芯棒10Bと表現するか制止体30Bと表現するかは本質的な問題ではない。制止体30Bを芯棒10Bの端部に取り付けた後は、制止体30Bが芯棒10Bと一体化してしまうからである。
次に、装着玉20Bは、装着玉20Aの場合と同様、内部に芯棒10Bを受け入れる中空を持つ部材であり、当該中空に対して芯棒10Bを通し入れることにより、装着玉20Bは芯棒10Bの周囲に取り付けられ、支持される部材となる。また、装着玉20Bが第2の架棒体100Bにおいてクッキー生地を垂れかけるターゲットとなる部材である。
装着玉20Bは、図3(b)に示すように、左右に分割可能であるが、装着玉20Aの場合と異なり、曲面外方には中空のパイプ体22Bが延設された構成となっており、分割された一つ一つは、装着玉片21とパイプ体22が一つの塊となっている。それらを左右合体させて一つの装着玉20Bが構成されている。
図4は、第2の架棒体100Bの芯棒10Bに対して装着玉20Bを通し入れて固定する手順を示す図である。
図4の上図から下図に向かう手順に示すように、手順としては、先に一つの制止体30Bを芯棒10Bの端部に取り付けてネジを締めて芯棒10Bに対して固定しておく。その後、次々と装着玉片21Bを芯棒10Bに通し入れて球体の装着玉20Bを形成しつつ、隣接する装着玉片21B同士を密に詰めて行く。最後に他端側に制止体30Bを取り付けて全体を芯棒10Bに対して固定する。つまり、隣接し合う装着玉片21同士は、球状部分の内面同士またはパイプ体22同士のいずれかが対向し合って密接しているため、最端部の装着玉片21を固定するだけですべての装着玉片21Bが密に詰まって固定される。
一方、装着玉20Bを取り出す際は、図4の手順において下図から上図に向かう手順を辿れば良い。つまり、先に制止体30Bを緩めて可動状態にすると、装着玉20B上にはクッキークーヘン300が焼成されているが、スライド移動させて芯棒10Bを装着玉20Bから抜き出すことができる。
以上のように、架棒体100には、幾つかのタイプがあり、上記では第1の架棒体100Aと第2の架棒体100Bを例として挙げた。装着玉20が球体部または楕円球体部を備えたものであれば良く、他にも様々な構成があり得る。
次に、装着玉20の効果、特に、その外表面が全体として一つの球体または楕円球体のものとなっている点の効果について説明する。
第1の効果は、装着玉20の外表面が全体として一つの球体となっていることにより、装着玉20の周りに巻きついて焼成されているクッキークーヘンが装着玉20から抜き出して取り出しやすくなるという効果である。
図5は、比較のために参照する、従来の架棒体1を用いた場合のクッキークーヘンの抜き出しの様子を簡単に示す図である。内部の関係が分かりやすいように断面において示している。もし、従来の架棒体1のように単なる円柱である場合、図5(a)から図5(b)に示すように長く焼き上がった一本状態のクッキークーヘンを押圧しつつ無理に架棒体1を横に引き抜くため、クッキークーヘンの型崩れやクッキークーヘンを押圧することによる亀裂などが生じて品質劣化を招くおそれがある。従来技術では引き抜きやすいように架棒体1の周りに紙を巻いておくなどの工夫をするが、やはり、クッキークーヘンから架棒体1を引き抜く場合に慎重に行わないとクッキークーヘンがうまく取り出せないおそれがある。つまり、円筒形の架棒体1を横に引き抜くとクッキークーヘンと架棒体1との接触面積全体において大きな摩擦力が発生し続け、架棒体1を引き抜き終わるまでにクッキークーヘンが型崩れするおそれがある。
一方、図6は、第1の架棒体100Aを用いる場合の焼成されたクッキークーヘン300の抜き出しの様子を簡単に示す図である。この例では装着玉20Aが1個の例となっている。また、内部の関係が分かりやすいように断面において示している。
図6に示すように、第1の架棒体100Aは、装着玉20Aの外表面が全体として一つの球形のものとなっているため、装着玉20Aの周囲に巻きついて焼成されるクッキークーヘン300も略球形状のものとなっている。このように略球形状に丸く焼き上がった状態のクッキークーヘン300が焼成されると、その内部において、クッキークーヘン300に対して球形の装着玉20Aが入り込んでいる関係となっていることが分かる。この状態において、図6(a)から図6(b)に示すように、制止体30Aや芯棒10Aを引き抜く。さらに、図6(c)に示すように、クッキークーヘン300を左右に切り分け、さらに内部の半円状の装着玉片21Aを引き抜く。一旦、クッキークーヘン300の内表面から装着玉片21Aが剥がれれば、球形であるためそのまま簡単にクッキークーヘン300から装着玉片21Aをスムーズに引き抜くことができることが理解されるであろう。
もちろん、装着玉片21Aをさらに引き抜きやすくするため、装着玉片21の外表面に剥離紙(紙、アルミホイールなど)を巻いておくなどの工夫をすることは好ましい。
また、図7は、第2の架棒体100Bを用いる場合の焼成されたクッキークーヘン300の抜き出しの様子を簡単に示す図である。この例でも装着玉20Bが1個の例となっている。また、内部の関係が分かりやすいように断面において示している。
図7に示すように、本発明のクッキークーヘン用の第2の架棒体100Bは、装着玉20Bの外表面が全体として一つの球形の膨らみを含むものであるため、装着玉20Bの周囲に巻きついて焼成されるクッキークーヘン300も略球形状のものとなっている。このように略球形状に丸く焼き上がった状態のクッキークーヘン300が焼成されると、その内部において、クッキークーヘン300に対して球形の装着玉20Bが入り込んでいる関係となっていることが分かる。この状態において、図7(a)から図7(b)に示すように、クッキークーヘン300を左右に切り分ける。内部の装着玉片21Bは簡単に左右に分離するため、クッキークーヘン300をうまく左右に切り分ければ、綺麗に両者が分離する。 次に、図7(c)に示すように、内部の半球状の装着玉片21Bを引き抜く。一旦、クッキークーヘン300の内表面から装着玉片21Bが剥がれれば、球形であるためそのまま簡単にクッキークーヘン300から装着玉片21Bをスムーズに引き抜くことができることが理解されるであろう。
もちろん、装着玉片21Bをさらに引き抜きやすくするため、装着玉片21Bの外表面に剥離紙(紙、アルミホイールなど)を巻いておくなどの工夫をすることは好ましい。
このように、第1の架棒体100Aであっても、第2の架棒体100Bであっても、簡単にクッキークーヘン300に影響を与えることなく装着玉片21を引き抜くことができるため、クッキークーヘン300に型崩れや亀裂を生じさせることがない。また、クッキークーヘン300から装着玉片21が素早く引き抜けるため作業効率が向上する。
このように、焼成されたクッキークーヘン300に対して内部にある装着玉20が球形に入り込んでいる関係において、焼成されたクッキークーヘン300から装着玉片21を引き抜くという技術は従来技術において知られていないものであり、本願発明者により発明された独創的なものである。
次に、装着玉20が球体または楕円球体である第2の効果を説明する。
第2の効果は、焼成されるクッキークーヘンが全体の外形が球状体として焼き上がり、かつ、内部に空洞が形成されるという、クッキークーヘンの基本形状を形成する効果である。
本発明のクッキークーヘンは、従来にはない独創的な形をしている。基本形状は装着玉20の形状に応じて外形が球体または楕円球体であり、その周囲に多数の角が立った形状となっている。また、内部は球状の中空となっている。このような独創的な形状は、球体または楕円球体の装着玉20を比較的高速に回転させながら周囲にクッキー生地をかけることによってのみ形成される。このように、装着玉20が球体または楕円球体である効果として独創的な形状のクッキークーヘンを形成することができる。
なお、図6(c)や図7(c)に示すように、装着玉片21Aまたは装着玉片21Bを引き抜いた後には空洞ができるため、その空洞内に詰め物をすることが可能となる。つまり、一旦左右に切り分けたクッキークーヘン300を再び合体させることによって球形状のクッキークーヘン300を再現でき、その密封された内部の中空に対して詰め物をすることができる。詰め物としては様々なものが想定できる。例えば、他の焼き菓子やフルーツなどの可食材を入れたり小さな人形などの玩具を入れたりすることも可能である。さらに、メッセージを書いた紙片を仕込むこともできる。
実施例2にかかる本発明の架棒体100の構成例について説明する。
実施例2にかかる架棒体100は、装着玉20が、耐熱性のある柔らかいシリコーンゴム素材など可撓性の大きな素材で形成され、かつ内部が中空であり、装着玉片21がお椀状の殻状曲面になっている例である。
実施例2として、第3の架棒体100Cの構成例と、第4の架棒体100Dの構成例の2つの例を挙げる。
第3の架棒体100Cは、半球状または半楕円球状の殻を合わせた装着玉20Cを串刺しするように芯棒10Cを差し通し、装着玉20Cが動かないようにその両端に制止体30Cを取り付けるタイプのものである。つまり第1の架棒体100Aの装着玉20Aが、半球状または半楕円球状の殻状曲面になり柔らかい素材になったものと言える。
第4の架棒体100Dは、装着玉20Dが半球状または半楕円球状の殻の曲面外方にパイプ状のパイプ体22Dを備えたものであり、芯棒10Dに対してこのパイプ体22Dの孔から通し入れていくタイプである。つまり第2の架棒体100Bの装着玉20Bが、半球状または半楕円球状の殻状曲面になり柔らかい素材になったものと言える。
以下、詳しく説明する。なお、ここでは、球形の装着玉20が2個装着されているパターンを例に挙げて説明する。
図8は、本発明の第3の架棒体100Cの構成例を簡単に示す図である。
図8に示すように、本発明の第3の架棒体100Cは、芯棒10C、装着玉20C、制止体30Cを備えたものとなっている。
芯棒10Cおよび制止体30Cは、第1の架棒体100Aの芯棒10Aおよび制止体30Aと同様のもので良く、ここでの説明は適宜省略する。
装着玉20Cは、左右2つの装着玉片21Cを合体させたものであり、その内部は空洞のお椀状のものとなっている。中央には芯棒10Cを受け入れる孔が開けられており、当該孔に対して芯棒10Cを通し入れることにより、芯棒10Cの周囲に取り付けられ、支持される部材となる。
図8の例では、装着玉20Cの外形は球体のものとなっているが、楕円球体であっても同様である。
装着玉20Cは、左右2つの装着玉片21Cを合体させた構造となっており、図8(b)の右側に示すように、中心を境に左右に分割可能になっており、それぞれ内部が空洞で半球状または半楕円球状のお椀型の外殻曲面を備えたものである。このように装着玉20Cが左右分割可能となっていることにより、周囲にクッキー生地が焼成されて出来た球状のクッキークーヘンを左右に切り分ける際に、装着玉20Cごと左右の装着玉片21Cに分割することができ、両者を引き離すことができる。
装着玉20Cは耐熱性と可撓性を備えた素材で形成されている。つまり、クッキーの焼成に耐える程度の耐熱性を持つとともに、指で簡単に曲がって撓る程度の可撓性と硬度を有しているものとする。なお、余りに柔らか過ぎるとクッキー生地を垂れ掛けて焼成する際に変形してしまうので、ある程度の剛性も必要である。
装着玉20Cの素材は、上記の耐熱性と可撓性の条件を満たすものであれば特に限定されないが、例えば、シリコーンゴム素材がある。シリコーンゴムは、その成分構成に毒性の物質を持たず、化学的に安定で生理的にも不活性ない素材であり、かつ、耐熱性に優れている性質を有している。製作時にシリカ系粉体充填剤の添加量を調整し、シリコーン系のオイルを添加するなどの方法により簡単に可撓性、剛性を調整したシリコーンゴム成型品を得ることができる。なお、シリコーンゴムは一例であり、他のゴム素材でも上記条件を満足するものであれば良い。
装着玉20Cは、第3の架棒体100Cにおいてクッキー生地を垂れかけるターゲットとなる部材であり、後述するようにクッキー生地を表面にまとった状態で焼成される。
次に、装着玉20Cの取扱いについて説明する。
装着玉20Cの芯棒10Cへの装着、取り外しは、実施例1の装着玉20Aと同様の手順で良い。つまり、装着玉20Cの芯棒10Cへの装着手順は、図3に示した手順と同様で良く、それぞれの装着玉片21Cを芯棒10Cに対して通し入れて所定位置まで移動して両者を合体させたのち、制止体30Cで止めれば良い。装着玉20Cから芯棒10Cを抜き出す手順も図3に示した手順と同様で良く、制止体30Cを緩めて装着玉20Cを可動状態にし、芯棒10Cから抜き出せば良い。
図9は、第3の架棒体100Cを用いる場合の焼成されたクッキークーヘン300の抜き出しの様子を簡単に示す図である。この例では装着玉20Cが1個の例となっている。また、内部の関係が分かりやすいように断面において示している。
図9に示すように、第3の架棒体100Cは、装着玉20Cの外表面が全体として一つの球形のものとなっているため、装着玉20Cの周囲に巻きついて焼成されるクッキークーヘン300も略球形状のものとなっている。このように略球形状に丸く焼き上がった状態のクッキークーヘン300が焼成されると、その内部において、クッキークーヘン300に対して球形の装着玉20Cが入り込んでいる関係となっていることが分かる。この状態において、図9(a)に示すように、制止体30Cや芯棒10Cを引き抜く。さらに、図9(b)に示すように、クッキークーヘン300を中央から左右に切り分ける。次に、図9(c)に示すように、クッキークーヘン300から内部の半円状の装着玉片21Cを引き抜く。この際、装着玉片21Cは、可撓性がある殻状のものであるため、クッキークーヘンの形を崩さないように装着玉片21Cを内側にめくるようにしてクッキークーヘンの内側から簡単に剥離できるというメリットが得られる。
次に、第4の架棒体100Dについて説明する。
図10は、本発明の第4の架棒体100Dの構成例を簡単に示す図である。
図10に示すように、本発明の第4の架棒体100Dは、芯棒10D、装着玉20D、制止体30Dを備えたものとなっている。
芯棒10Dおよび制止体30Dは、第2の架棒体100Bの芯棒10Bおよび制止体30Bと同様のもので良く、ここでの説明は適宜省略する。
装着玉20Dは、左右2つの装着玉片21Dを合体させたものであり、その内部は空洞のお椀状のものとなっている。装着玉片21Dはそれぞれ半球状または半楕円球状で内部は空洞の外殻曲面と、外殻曲面の外方に中空のパイプ体22Dが延設された構成となっており、分割された一つ一つは、装着玉片21Dとパイプ体22Dが一つの塊となっている。それらを左右合体させて一つの装着玉20Dが構成されている。当該パイプ体22Dに対して芯棒10Dを通し入れることにより、芯棒10Dの周囲に取り付けられ、支持される部材となる。
図10の例では、装着玉20Dの外形は球体のものとなっているが、楕円球体であっても同様である。
装着玉20Dが第4の架棒体100Dにおいてクッキー生地を垂れかけるターゲットとなる部材である。
装着玉20Dは、左右2つの装着玉片21Dを合体させた構造となっており、図10(b)の右側に示すように、中心を境に左右に分割可能になっており、それぞれ内部が空洞で半球状または半楕円球状のお椀型の外殻曲面を備えたものである。このように装着玉20Dが左右分割可能となっていることにより、周囲にクッキー生地が焼成されて出来た球状のクッキークーヘンを左右に切り分ける際に、装着玉20Dも左右の装着玉片21Dに分割することができ、両者を引き離すことができる。
装着玉20Cは殻状で薄いものであり、かつ耐熱性と可撓性を備えた素材で形成されている。この装着玉20Dの素材は、第3の架棒体100Cの装着玉20Cの素材と同様、クッキーの焼成に耐える程度の耐熱性を持つとともに、指で簡単に曲がって撓る程度の可撓性を有しているものとする。
次に、装着玉20Dの取扱いについて説明する。
装着玉20Dの芯棒10Dへの装着、取り外しは、実施例1の装着玉20Bと同様の手順で良い。つまり、装着玉20Dの芯棒10Dへの装着手順は、図4に示した手順と同様で良く、それぞれの装着玉片21Dを芯棒10Dに対して通し入れて所定位置まで移動して両者を合体させたのち、制止体30Dで止めれば良い。装着玉20Dから芯棒10Dを抜き出す手順も図4に示した手順と同様で良く、制止体30Dを緩めて装着玉20Dを可動状態にし、芯棒10Dから抜き出せば良い。
図11は、第4の架棒体100Dを用いた場合に焼成されたクッキークーヘン300の抜き出しの様子を簡単に示す図である。この例では装着玉20Dが1個の例となっている。また、内部の関係が分かりやすいように断面において示している。
図11に示すように、第4の架棒体100Dは、装着玉20Dの外表面が全体として一つの球形のものとなっているため、装着玉20Dの周囲に巻きついて焼成されるクッキークーヘン300も略球形状のものとなっている。このように略球形状に丸く焼き上がった状態のクッキークーヘン300が焼成されると、その内部において、クッキークーヘン300に対して球形の装着玉20Dが入り込んでいる関係となっていることが分かる。この状態において、図11(a)に示すように、制止体30Dや芯棒10Dを引き抜く。さらに、図11(b)に示すように、クッキークーヘン300を中央から左右に切り分ける。次に、図11(c)に示すように、クッキークーヘン300から内部の半円状の装着玉片21Dを引き抜く。この際、装着玉片21Dは、可撓性がある殻状のものであるため、クッキークーヘンの形を崩さないように装着玉片21Dを内側にめくるようにしてクッキークーヘンの内側から簡単に剥離できるというメリットが得られる。
一方、実施例1の装着玉片21Aのように硬い半球体のものの場合、クッキークーヘン300から引きはがす際には、装着玉片21Aは変形しないため、そのまま引き抜くように剥離しなければならないが、本実施例2にかかる装着玉片21Cの場合、装着玉片21Cが変形しやすく、内側に向けてめくるように曲げつつ容易に剥離することができるので、素早く引き抜くことができ、かつ、クッキークーヘン300の形を崩すおそれが低減する。
実施例3として、本発明のクッキークーヘン焼成機200の構成例について説明する。
図12は、本発明のクッキークーヘン焼成機200の基本的な構造をきわめて簡単に示す図である。
本発明のクッキークーヘン焼成機200の構成例は、図12に示すように、実施例1や実施例2で説明した発明の架棒体100に加え、焼成炉210、熱源220、回転ドラム230、駆動機構240、生地受けパン250、生地供給装置260を備えている。これらは基本構造の一例であり、それら構成要素の仕組みや働きが改良されて異なるものであっても、また、これら構成要素とは異なる他の構成要素が加わったクッキークーヘン焼成機200であっても良い。
使用するクッキー生地は、バター、砂糖、卵、小麦粉、水など一般的なクッキー生地に必要な素材の配合を適宜調合すれば良い。さらに、商品特性に合わせて、シナモン、抹茶、バニラエッセンスなどの香辛料、調味料を添加しても良い。クッキー生地は通常のバウムクーヘン生地よりも粘り気が強い生地となることが多い。
焼成炉210は耐熱性に優れた金属やセラミック素材により形成されており、内部に熱源220を備えている。通常のバウムクーヘン焼成機が備えている焼成炉であっても、設定温度などが許容範囲であるため使用することができる。
熱源220はクッキークーヘンを焼成するために十分なカロリーを供給できるものであれば特に限定されないが、例えば、焼きムラができにくく安定した熱源として、ガス燃焼機器や電気発熱機器などがある。
回転ドラム230は、回転ドラム軸231によって間歇回転可能に支架され、向かい合う左右一対のものとなっている。回転ドラム230の素材は特に限定されないが、例えば、耐熱性の高いステンレス鋼などで良い。
架棒体100は、回転ドラム230の間に抜き差し交換自在に差し込み横架され、この構成例では、全体的に放射対称分布型、つまり円周軌跡に沿っておいて所定間隔で配置され、この構成例では6本の架棒体100が配置された例となっている。もちろん、架棒体100の個数や太さは限定されず、また、架棒体100の長さは回転ドラム230間の距離によって決まってくる。
なお、この構成例は、回転ドラム230の間に架棒体100を6本支架できるものとなっており、回転ドラム軸231によって間歇回転も6段階に分かれたものとなっている。
駆動機構240は、架棒体100が自転運動を行うように制動しつつ、回転ドラム230による間歇回転により回転ドラム軸231に対する公転運動を行うように制動する駆動機構となっている。この構成例では架棒体100が6本あり回転ドラム230の6か所に架けているため、公転は1ストロークごとに60度回転する例となっている。
この間歇の公転運動は、架棒体100の位置を、生地供給体260のノズル吐出口261からクッキー生地を掛ける位置(第1の公転位置)と、焼成炉210内で熱源220により焼成する位置(第2の公転位置〜第6の公転位置)との間で移動させるものとなっている。
駆動機構240の制動による架棒体100の自転運動と回転ドラム軸231に対する公転運動の関係は限定されないが、例えば、回転ドラム軸231に対する公転運動の方向に対して同一方向に自転運動するものでも良く、逆方向へ自転運動するものでも良い。
図13は、駆動機構240の制動による回転ドラム230に支架されている架棒体100の公転を簡単に説明する図である。この図13は回転ドラム230に対して架棒体100の横架位置を簡単に図示したものとなっている。つまり、架棒体100A〜100Fは架棒体の芯棒10の断面が見えているように描かれている。
なお、右側がクッキークーヘン焼成機200の前面とする。
図13(a)に示すように、例えば、架棒体100Aは最前面の第1の公転位置にある。後述するように、生地供給体260の生地供給ノズル261から装着玉20に対してクッキー生地をかけることができる位置にある。
この間、架棒体100A〜100Fは自転しながら架棒体100に取り付けられている装着玉20表面の生地の焼成が焼成炉210内の熱により進んでいる。
次に、図13(b)に示すように、回転ドラム230が駆動機構250の駆動により回転し、所定角度回転した後に再び停止する。この例では回転ドラム軸231に対して60度回転して停止する。つまり、架棒体100Aが移動するとともに、架棒体100Bが新たに装置前面に達する。
この図13(a)から図13(b)のサイクルを1サイクルとして公転運動が繰り返され、塗布されたクッキー生地が焼成炉210内の熱により焼成されていく。このように、図13(a)から図13(b)を1サイクルとして、それが6サイクル進めば、回転ドラム軸231に対する公転が1回転終了する。回転ドラム軸231に対する公転が1回転終了するたびに、年輪のように焼成されてゆくクッキークーヘンの1層の焼成ができる。
なお、駆動機構240による回転ドラム230に支架された架棒体100の自転運動は、後述するようにその回転速度が調整されている。
生地受けパン250は、架棒体100の装着玉20に対してかけられて落下したクッキー生地を下方で受け止めるものである。本発明のクッキークーヘン焼成機は、従来のバウムクーヘン焼成機と異なり、架棒体100の装着玉20および成長しつつあるクッキークーヘン300をターゲットとして、クッキー生地を上からかけ落としてゆくものであり、一部のクッキー生地が下方に落下する。その落下したクッキー生地をそのままにしておくとクッキー生地が無駄になりコストが増大する上、焼成炉210内部を汚してしまうこととなる。生地受けパン250を設けることにより、落下したクッキー生地を受け止めることができ、焼成炉210内部を汚すことなく、クッキー生地を回収することができる。
なお、クッキー生地を回収する方法は限定されないが、例えば、生地受けパン250の底面にテーパーを付けておき、その底面に孔を開け、後述する生地供給装置260へ導通する仕組みなどでも良い。
生地供給装置260は、クッキー生地を供給する装置であり、架棒体100の装着玉20および成長しつつあるクッキークーヘン300をターゲットとして、クッキー生地を上からかけ落としてゆくものである。この構成例では、生地供給装置260は、ノズル吐出口261、供給チューブ262、供給ポンプ263、回収チューブ264を備えている。
ノズル吐出口261は、供給ポンプ263で汲み上げたクッキー生地を吐出し糸状に落下させる口を備えたノズルである。この例では5つの口が設けられた例となっているが、口数、その径、配置などは多様なパターンが可能である。
なお、ノズル吐出口261にクッキー生地吐出の開閉機構と開閉スイッチを備えることも好ましい。クッキー生地吐出の開閉が制御できれば、必要なときにクッキー生地を吐出し、不要なときにクッキー生地を止めることができるからである。このノズル吐出口261の操作は、手作業で行っても良く、また、制御プログラムと連動するアクチュエータを備えて自動化することも可能である。
供給チューブ262は、ノズル吐出口261へクッキー生地を供給する経路である。供給ポンプ263との間をつなぐものである。
供給ポンプ263は、クッキー生地に所定圧力をかけてクッキー生地を汲み上げる装置である。なお、クッキー生地を傷めないよう熱がクッキー生地に伝わりにくいポンプを採用することが好ましい。
回収チューブ264は、ノズル吐出口261から吐出して生地受けパン250に落下したクッキー生地を循環させるため、生地受けパン250から供給ポンプ263へクッキー生地を戻す経路である。
なお、必要に応じて、供給チューブ262、供給ポンプ263、回収チューブ264などを冷却することが好ましい。
図14は、生地供給装置260からクッキー生地を架棒体100の装着玉20および成長しつつあるクッキークーヘン300をターゲットとしてかける様子を簡単に示した図である。
図14(a)に示すように、公転運動が終わって次の公転運動までのインターバルに入れば、生地供給装置260からクッキー生地を架棒体100の装着玉20および成長しつつあるクッキークーヘン300に吐出する。
本発明のクッキークーヘンは、装着玉20の形状に合わせて外形が球形であるが、自然な手作りの風合いも出すことも良い。そこで、手作業にてノズル吐出口261を装着玉20の上に持って行き、左右に揺らしながらクッキー生地をかけてゆくと手作りの風合いが増す。
もちろん、全自動の機械化も可能である。ノズル吐出口261を装置前面の所定位置に取り付けておき、ノズル吐出口261の開閉も自動制御し、ノズル吐出口261の揺動も再現するようすることが可能である。また、クッキー生地をかけ終わると次の公転のまでのインターバルの間、ノズル吐出口261を焼成炉210の外に自動退避させて焼成炉210の窯の蓋を閉じて温度の低下を防止するという制御も可能である。
所定量のクッキー生地をかければ、生地供給ノズル261からクッキー生地かけのストロークが終了する。図14(b)は、ノズル吐出口261からのクッキー生地の吐出を停止している状態を示している。この間も、焼成炉210内部にある他の架棒体100は自転しながら装着玉20の表面にあるクッキー生地の焼成が同時並行で進んでいる。
その後、回転ドラム230の公転運動により、装置の前面の第1の公転位置にあった架棒体100は、焼成炉210の内部へ移動してゆくが、この例では回転ドラム230が6回公転すれば、再び同じ架棒体100が装置の前面に戻ってくる。そして再び、図14(a)に示すように、クッキー生地を垂れかけるストロークとなる。
クッキークーヘン300が所定の厚さに達するまで、このサイクルを繰り返しながらクッキークーヘン300が焼成されてゆく。
次に、自転の回転速度について述べる。
バウムクーヘン焼成機と同様、本発明のクッキークーヘン焼成機200でも熱を万遍なくクッキー生地に与えてムラのない焼き上げを行うため、架棒体100を自転させる。この際、通常のバウムクーヘン焼成機ではバウムクーヘンの焼き上がりの表面を整然と整えるために適した回転速度で回転させるのが当業者の常識である。バウムクーヘンの焼き上がりの表面を整然と整えるためには、回転速度が低速すぎると垂れかけたバウムクーヘン生地が重力で下方に垂れてしまい、表面がだんだんと歪な形になってしまう。一方、回転速度が高速すぎるとバウムクーヘン生地が飛んでしまい、こちらも表面が歪な形になってしまう。比較的低速で回転させるとバウムクーヘンが綺麗な表面に焼き上がるとされている。
しかし、本発明のクッキークーヘン焼成機200では、敢えて焼き上がりの表面に角を立てるような独特な形状を作り上げる。そのためには比較的高速に回転させることが良い。もし、比較的低速であれば、同じ箇所に多くの生地がかかってしまい、表面の変化が小さい。もし、比較的高速であれば、同じ時間に多く回転移動するため、生地のかかり方に変化が多くなる。さらに左右に揺動しながらクッキークーヘンの生地を掛けるとさらに変化が大きくなる。この変化が焼き上がり表面の形状に変化として現れる。また、架棒体100の自転速度を比較的高速にすると遠心力で装着玉20上のクッキークーヘンの生地が外周方向へ引き伸ばされて角が立ちやすくなる。
図15は、自転する架棒体100の装着玉20を目掛けて供給ノズル261からクッキー生地を垂れかける様子を簡単に示す図である。この場合は人手で供給ノズル261を持って左右に揺動しながら垂れかける例となっている。架棒体100が比較的高速で自転しながら、操作者が供給ノズル261を持って左右に揺動しながら垂れかけるとクッキークーヘンの表面に多様な変化が生まれ、表面に凹凸が成長してやがて一部において角が立ったような状態になる。
次に、装着玉20の間にクッキー生地が付着しない工夫について述べる。本発明のクッキークーヘン焼成機200で焼成するクッキークーヘンは、装着玉20を中心として中空の球状または楕円球状に焼成されるものであり、隣接する装着玉20同士の間の架棒体100にはクッキー生地が付着しない方が良い。もし付着すると装着玉20同士の間の間で焼成されてしまったクッキークーヘン生地を最終的に除去しなければならない。その除去のための工程が生じてしまうと無駄である。そこで、最初から装着玉20同士の間の架棒体100にはクッキー生地が付着しないように工夫をする。
図13および図14に示すように、ドラム230の公転軌道におけるこそぎヘラ270の位置は、装置手前側のクッキー生地の垂れ掛け位置の次のポジション、つまり第2の公転位置に配設されている。こそぎヘラ270と架棒体100の配設関係は、図16に示すように、架棒体100に対してこそぎヘラ270の先端が当接するように配設されている。このこそぎヘラ270の先端が架棒体100の表面に触れつつ垂れ掛かっているクッキー生地をこそぎ落とすように取り除くことができる。こそぎヘラ270はドラム230の公転軌道のクッキー生地の垂れ掛け位置の次のポジションにあるため、まだ、垂れ掛かったクッキー生地はまだ十分に焼成されておらず、柔らかい状態である。架棒体100に対してこそぎヘラ270が当接すれば、クッキー生地がこそぎ落とされて簡単に除去される。
このようにこそぎヘラ270を架棒体100に当接させておけば、隣接する装着玉20同士の間の架棒体100にはクッキー生地が付着せずに除去され、クッキークーヘンが焼成されてしまうことを防止できる。
次に、装着玉20の周囲に焼成されたクッキークーヘンの取り出し方について説明する。
図17は、第1の架棒体100Aを使用して焼成されたクッキークーヘン300の取り出し方を示した図である。分かりやすいように断面図において説明する。
まず、図17(a)に示すように、架棒体100Aをクッキークーヘン焼成機200の回転ドラム230から取り外して、焼成炉210から取り出す。この例では球形である装着玉20Aの形状に応じて、クッキークーヘン300の基本形状は略球形に焼成されており、表面に角が多数立っているものとなっている。
ここで、図17(a)に示すように、装着玉20A同士の間と、装着玉20Aの中央部分に相当する箇所において、焼成されたクッキークーヘン300を切断する。
次に、図17(b)に示すように、焼成されたクッキークーヘン300が装着玉20Aの周囲に巻きついた状態のまま、装着玉20Aごと芯棒10Aから取り外し、装着玉20Aを左右の装着玉片21Aに分離する。
次に、図17(c)に示すように、左右に切り分けられたクッキークーヘン300に対して、半球形の装着玉片21Aを底面方向に引き抜けば、図6に示した場合と同じく簡単にクッキークーヘン300から装着玉片21Aを引き抜くことができる。
次に、第2の架棒体100Bを使用して焼成されたクッキークーヘン300の取り出し方についても述べる。
図18は、第2の架棒体100Bを使用して焼成されたクッキークーヘン300の取り出し方を示した図である。分かりやすいように断面図において説明する。
まず、図18(a)に示すように、架棒体100Bをクッキークーヘン焼成機200の回転ドラム230から取り外して、焼成炉210から取り出す。この例では球形である装着玉20Bの形状に応じて、クッキークーヘン300の基本形状は略球形に焼成されており、表面に角が多数立っているものとなっている。
ここで、図18(a)に示すように、装着玉20B同士の間と、装着玉20Bの中央部分に相当する箇所において、焼成されたクッキークーヘン300を切断する。
次に、図18(b)に示すように、焼成されたクッキークーヘン300が装着玉20Bの周囲に巻きついた状態のまま、装着玉20Bごと芯棒10Bから取り外せば、装着玉20Bはそのまま左右の装着玉片21Bに分離できる。
次に、図18(c)に示すように、左右に切り分けられたクッキークーヘン300に対して、半球形の装着玉片21Bを底面方向に引き抜けば、図7に示した場合と同じく簡単にクッキークーヘン300から装着玉片21Bを引き抜くことができる。
第1の架棒体100Aの場合でも、第2の架棒体100Bの場合でも、装着玉20が球形の中央部分で分割可能であるので、焼成されたクッキークーヘン300を当該球形の中央部分で先にカッティングしてしまえば、上記したように、装着玉20を左右に分離することにより、クッキークーヘン300を装着玉20から簡単に抜き出して取り出しやすいという効果が得られる。
本発明のクッキークーヘン300は、図6や図7と同様、表面が略球形で内部に球形の空洞を持つクッキークーヘン300として得られる。
次に、クッキークーヘンのお菓子としての仕上げに入る。
図19は、クッキークーヘンの仕上げ例を示す図である。
図17および図18に示したように、クッキークーヘンの焼き上がりは、半球状に切り分けられた形状となっているが、左右それぞれの切り口にチョコレートなど可食かつ冷却して固まる食材によって接着させて左右を合体させることにより、再び一つの球状に戻すことができる。ここで、内部は中空となっているが、この中空を利用して様々な仕上げができる。
例えば、図19(a)に示した仕上げ例では、内部にスポンジケーキなど別の焼き菓子を詰め込んだ例である。
図19(b)に示した仕上げ例では、内部にフルーツ砂糖菓子などを詰め込んだ例である。
図19(c)に示した仕上げ例では、内部に玩具などのアイテムを詰め込んだ例である。
いずれの例も、内表面にコーティングや外表面にもシロップやクリームなどのコーティングを施したり装飾したりすることが好ましい。
なお、架棒体100を引き抜いた後の開口についても、チョコレートの板などで塞いで蓋をしておくことも好ましい。
以上、本発明のクッキークーヘン焼成機200、それに用いる架棒体100、および、焼き菓子としてのクッキークーヘンの好ましい実施例を図示して説明してきたが、本発明の技術的範囲を逸脱することなく種々の変更が可能であることは理解されるであろう。
本発明のクッキークーヘン焼成機200、それに用いる架棒体100は、新しい焼き菓子を製造する機器および部材として広く適用することができる。また、本発明のクッキークーヘン焼成機200で焼き上げた焼き菓子は、美味しい焼き菓子として広く適用することができる。
10 芯棒
20 装着玉
21 装着玉片
30 制止体
100 架棒体
200 クッキークーヘン焼成機
210 焼成炉
220 熱源
230 回転ドラム
240 駆動機構
250 生地受けパン
260 生地供給装置
300 クッキークーヘン

Claims (15)

  1. 熱源が搭載された焼成炉と、
    回転ドラム軸によって回転可能に支架された向かい合う左右一対の回転ドラムと、
    芯棒と、前記芯棒を受け入れる中空軸を持ち前記芯棒に対して着脱自在に取り付け可能な球状または楕円球状を備えた一又は複数の装着玉を備え、前記回転ドラム間へ横架された一本または複数本の架棒体と、
    汲み上げたクッキー生地を糸状に落下させ、前記架棒体の前記装着玉を目掛けて垂れかけるノズル吐出口と、
    前記回転ドラムによる間歇回転により前記架棒体の位置を前記ノズル吐出口から前記クッキー生地を掛ける第1の公転位置と焼成炉内で前記熱源により焼成する他の公転位置との間で移動させる公転運動と、前記回転ドラムに支架された状態で前記架棒体を自転させる自転運動とを制御する駆動機構とを備え、
    前記回転ドラムにより前記架棒体を回転させつつ、前記装着玉に対して前記ノズル吐出口から糸状に落下する前記クッキー生地をかけつつ焼成するクッキークーヘン焼成機。
  2. 前記装着玉が、2つの半球体の装着玉片の底面同士を合わせた球体、または、2つの半楕円球体の装着玉片の底面同士を合わせた楕円球体であり、前記装着玉が左右2つの前記装着玉片に分離可能であり、焼成されたクッキークーヘンを分割できることを特徴とする請求項1に記載のクッキークーヘン焼成機。
  3. 前記装着玉の球体の曲面外方に取り付けることにより前記装着玉を前記芯棒に対して固定する制止体を備え、前記装着玉を前記芯棒に取り付けた状態において、前記装着玉はその両端が前記制止体により固定された状態で前記芯棒に取り付けられていることを特徴とする請求項2から6のいずれかに記載のクッキークーヘン焼成機。
  4. 前記装着玉片が前記半球体の曲面外方に延設されたパイプ体を備え、前記装着玉を前記芯棒に取り付けた状態において、隣接し合う前記装着玉同士が前記パイプ体の端面同士にて接触し、前記装着玉同士が密に詰まった状態で前記芯棒に取り付けられていることを特徴とする請求項2から6のいずれかに記載のクッキークーヘン焼成機。
  5. 前記装着玉片がお椀状の殻状曲面を備え、前記装着玉が中空となる請求項2から4のいずれかに記載のクッキークーヘン焼成機。
  6. 前記装着玉片のお椀状の前記殻状曲面部分の素材が耐熱性と可撓性を有する樹脂製の素材であることを特徴とする請求項5に記載のクッキークーヘン焼成機。
  7. 焼成され分割された前記クッキークーヘンから前記装着玉片を引き剥がす際に、前記殻状曲面をめくって引き剥がすことできる硬度で形成されたことを特徴とする請求項6に記載のクッキークーヘン焼成機。
  8. 前記素材がシリコーンゴムその他のゴム系素材または樹脂製素材である請求項6または7に記載のクッキークーヘン焼成機。
  9. 前記架棒体が、前記芯棒に前記装着玉を複数個通し入れて並べたものであることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のクッキークーヘン焼成機。
  10. 前記クッキー生地を前記ノズル吐出口から前記装着玉を目掛けて垂れかける際に、前記ノズル吐出口を左右に揺動させることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載のクッキークーヘン焼成機。
  11. 前記回転ドラムの回転速度が、円筒形のバウムクーヘンを焼成する際の許容される回転速度の上限よりも速く、前記クッキー生地が焼成されていく際に角が立つ焼き具合となる速度に調整せしめ、周囲に角が立つクッキークーヘンを焼成せしめることができる請求項1から10のいずれかに記載のクッキークーヘン焼成機。
  12. 前記ノズル吐出口から吐出され、前記公転運動において、前記架棒体の位置が前記クッキー生地を前記ノズル吐出口から掛ける位置にある場合に、落下する前記クッキー生地を受け止める生地受けパンと、
    前記生地受けパンに落下した前記クッキー生地を吸い取り、前記ノズル吐出口に汲み上げる汲み上げ機構を備えたことを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載のクッキークーヘン焼成機。
  13. 前記公転運動において、前記クッキー生地を前記ノズル吐出口から掛ける前記第1の公転位置の次にある第2の公転位置において、前記装着玉の間隙に付着したクッキー生地をこそぎ落とすこそぎヘラを備えたことを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載のクッキークーヘン焼成機。
  14. 熱源が搭載された焼成炉と、回転ドラム軸によって回転可能に支架された向かい合う左右一対の回転ドラムと、前記回転ドラム間へ横架された一本または複数本の架棒体と、前記架棒体を受け入れる中空軸を持ち前記架棒体に対して着脱自在に取り付け可能な球状または楕円球状の一又は複数の装着玉と、汲み上げたクッキー生地を糸状に落下させる口を備えたノズル吐出口と、前記回転ドラムによる間歇回転により前記架棒体の位置を前記ノズル吐出口から前記クッキー生地を掛ける位置と焼成炉内で前記熱源により焼成する位置との間で移動させる公転運動と、前記回転ドラムに支架された状態で前記架棒体を自転させる自転運動を制御する駆動機構を備えたクッキークーヘン焼成機により焼成されたクッキークーヘンであって、
    焼成された略球体または略楕円球体のクッキークーヘンを前記装着玉の端部および中央において切り、前記架棒体および前記装着玉も引き抜いた後、略半球体または略半楕円球体になった分割体を再度合体させ、中空の略球体または略楕円球体のお菓子に仕上げたクッキークーヘン。
  15. バウムクーヘン生地を焼成するバウムクーヘン焼成機またはクッキー生地を焼成するクッキークーヘン焼成機で使用する、回転ドラム間へ横架する架棒体であって、
    芯棒と、前記芯棒を受け入れる中空軸を持ち前記芯棒に対して着脱自在に取り付け可能な球状または楕円球状の一又は複数の装着玉を装着させたバウムクーヘン焼成機またはクッキークーヘン焼成機に用いる架棒体。
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