JP5490212B1 - バウムクーヘンの焼成用芯棒ユニットおよびバウムクーヘンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】バウムクーヘンの焼成用芯棒ユニット(1)は、芯棒部(2)と、回転シャフト(3)と、紙止部材(4)と、を備える。紙止部材(4)は、第一円筒部(41)と第二円筒部(42)と円環状の台座部(43)とを有する。第一円筒部(41)は台座部(43)の内周縁から立設し、第二円筒部(42)は台座部(43)の外周縁から立設する。第一円筒部(41)は第二円筒部(42)より径が小さく、第一円筒部(41)と第二円筒部(42)との間に間隙が形成されている。芯棒部(2)の表面に剥離紙(5)を巻き付けて、その端部(51)を第一円筒部(41)と第二円筒部(42)の間隙に挟み込み、剥離紙(5)を固定する。
【選択図】図1
Description
・生地の焼成工程において、紐に付着した生地が焦げて、焼成前の生地を貯留する槽に落下する場合があり、生地に焦げた臭いが付着するなどの問題があった。
・紐を必須の構成とし、芯棒に紐をかけ、さらに芯棒の両端部の回転シャフトに剥離紙の端部とともに紐を巻き付ける必要があるため、作業に手間と時間がかかる。
[1.焼成用芯棒ユニットの全体構造]
図1は、本実施形態のバウムクーヘンの焼成用芯棒ユニットを示す斜視図である。図2は、図1の端部を拡大した斜視図である。図1および図2に示すように、本実施形態のバウムクーヘンの焼成用芯棒ユニット1(以下、単に「焼成用芯棒ユニット1」と称する)は、芯棒部2と、回転シャフト3と、紙止部材4と、を備える。
図4は、図1における焼成用芯棒ユニットに剥離紙を巻いた状態の斜視図である。図5は、図4における端部を拡大した斜視図である。図4および図5に示すように、芯棒部2の周面に剥離紙5が巻かれており、芯棒部2の端部から飛び出した剥離紙5の端部51は、紙止部材4の第一円筒部41と第二円筒部42との間隙に押し込まれている。なお、剥離紙5は、芯棒部2への巻き方向における始端表面に卵白が塗布されており、終端が始端表面に重ねて接着されている。
図6は、剥離紙5の端部51を、焼成用芯棒ユニット1の第一円筒部41と第二円筒部42の間隙に差し込むための治具を示す斜視図である。図6に示すように、治具6は、木製の把持部63と、スチール製の軸部62と、軸部62の端部から軸方向の垂直方向に延在する押し込み部61と、を有する。押し込み部61は、断面円弧状のスチール製の板材であり、第一円筒部41と第二円筒部42の間隙に挿入可能な径と板厚で構成されている。この治具6によって、剥離紙5の端部51を、第一円筒部41と第二円筒部42の間隙に押し込み、固定する。
図8は、バウムクーヘンの焼成装置の模式図である。図8に示すように、バウムクーヘンの焼成装置100は、筐体101と、バウムクーヘンの生地を貯留する槽102と、バーナー103と、を備え、これに複数の焼成用芯棒ユニット1を取り付ける。そして、複数の焼成用芯棒ユニット1がそれぞれ自転しながら筐体101内を公転して、周面に剥離紙5が巻かれた芯棒部2に槽102で生地が着き、その生地がバーナー103で焼き上げられ、これを繰り返して複数層からなるバウムクーヘンが製造される。
続いて、バウムクーヘンの製造方法について、図9および図10に基づき説明する。
第一ミキサーに、バターと砂糖と卵黄と添加剤等を入れ、これらを混合して第一生地材を製造する。
第二ミキサーに、卵白と砂糖とを入れ、これらを混合して第二生地材を製造する。
次に、ニーダーに、第一生地材と第二生地材と小麦粉とを入れ、これらを混練して生地を製造する。
一方、焼成用芯棒ユニット1の芯棒部2の周面に、剥離紙5を巻く。具体的には、矩形の剥離紙5の上に焼成用芯棒ユニット1を置き、焼成用芯棒ユニット1を回転させて剥離紙5の巻き始めの始端と巻き終わりの終端とが所定幅重ねる。そして、剥離紙5の始端表面に卵白を塗布して、この始端と終端とを糊付けする。
次に、剥離紙5の端部51を固定する。芯棒部2の軸方向の両端から飛び出した剥離紙5の各端部51を、治具6によって、第一円筒部41と第二円筒部42との間隙にそれぞれ押し込み固定する(図10参照)。なお、この剥離紙5の端部51の固定は、治具6に代えて、前記した自動機7を用いてもよい。この工程を繰り返して、複数の焼成用芯棒ユニット1に剥離紙5を固定する。
そして、剥離紙5を固定した複数の焼成用芯棒ユニット1を、焼成装置100に取り付ける。一方、焼成装置100の槽102には、工程Cで製造した生地を溜めておく。この状態で焼成装置100を作動して、各焼成用芯棒ユニット1が自転しながら、焼成装置100の筐体101内を公転する。この過程において、槽102で各焼成用芯棒ユニット1に剥離紙5を介して生地がつけられ、筐体101内を公転しながらバーナー103で生地が焼き上げられる。各焼成用芯棒ユニット1は筐体101内を所定周公転して、「槽102で生地つけ→バーナー103で焼き上げ」を繰り返しながら、複数の層が重ね合わされたバウムクーヘンができる。なお、本実施形態においては、焼成用芯棒ユニット1を筐体101内で17〜20周回転させて、17〜20層のバウムクーヘンとしている。
次に、バウムクーヘンが巻き付いた状態の焼成用芯棒ユニット1を、焼成装置100から取り出して、冷却室に所定時間置いてバウムクーヘンを冷却する。
次に、冷却されたバウムクーヘンをカットすべく、焼成用芯棒ユニット1と剥離紙5とを抜き取り、スライサーによって所定幅にバウムクーヘンをカットする。そして、カットされたバウムクーヘンを検査した後、包装して出荷する。
以上説明したように、本実施形態の焼成用芯棒ユニット1によれば、芯棒部2に剥離紙5を巻き付け、芯棒部2の両端から飛び出した剥離紙5の両端部51を、第一円筒部41と第二円筒部42の間隙に差し込み固定できるので、紐を用いることなく剥離紙5の固定が容易にできる。また、剥離紙5を固定する紐が不要であるため、焦げ付いた紐が焼成装置100の槽102に落ち、これにより生地に臭いが付着せず、また、焦げ付いた紐が生地に混入することを防止できる。
以上のとおり、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、種々の追加、変更または削除が可能である。例えば、本実施形態では、第一筒部と第二筒部とを円筒形状に構成しているが、多角筒状に構成してもよい。また、本実施形態では、剥離紙の端部を、第一円筒部と第二円筒部の間隙に挟み込む構成としているが、回転シャフトと第一円筒部の間隙に挟み込む構成としてもよく、その場合には第二円筒部はなくともよい。また、本実施形態では、複数の焼成用芯棒ユニットを焼成装置に取り付けて使用しているが、1つの焼成用芯棒ユニットを取り付けて使用してもよいし、焼成装置に取り付けずに使用してもよい。したがって、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。
2 芯棒部
3 回転シャフト
31 シャフト部
32 台座部
33 歯車
4 紙止部材
41 第一円筒部
42 第二円筒部
43 台座部
44 貫通孔
5 剥離紙
51 端部
6 治具
61 押し込み部
62 軸部
63 把持部
7 自動機
71 載置台
72 押し込み部
72A 板材
100 焼成装置
101 筐体
102 槽
103 バーナー
Claims (7)
- バウムクーヘンの焼成用芯棒ユニットであって、
生地を巻き付けるために剥離紙が巻かれる芯棒部と、
前記芯棒部の軸方向の両端から同軸心上に延在する回転シャフトと、
前記芯棒部の軸方向の両端から立設し、前記回転シャフトを囲む第一筒部と、
を備える、
バウムクーヘンの焼成用芯棒ユニット。 - 前記第一筒部と前記回転シャフトとの間に配され、前記芯棒部の軸方向両端から立設した第二筒部を更に備える、
請求項1に記載のバウムクーヘンの焼成用芯棒ユニット。 - 前記第一筒部が円筒状であり、
前記第二筒部が円筒状である、
請求項2に記載のバウムクーヘンの焼成用芯棒ユニット。 - 前記第一筒部と前記第二筒部とが、
前記芯棒部の軸方向の端部において、円環板状の部材によって一体に形成され、
前記第二筒部の前記軸方向の高さが前記第一筒部よりも低い、
請求項3に記載のバウムクーヘンの焼成用芯棒ユニット。 - 前記第一筒部は、その周壁に内部がネジ切りされた貫通孔を有し、
前記回転シャフトとネジ締結する、
請求項1〜4のいずれか1項に記載のバウムクーヘンの焼成用芯棒ユニット。 - 前記剥離紙を前記芯棒部に巻いた状態において、
前記第一筒部と前記回転シャフトとの間、または、前記第一筒部と前記第二筒部との間に、前記剥離紙の端部を挟み込む、
請求項1〜5のいずれか1項に記載のバウムクーヘンの焼成用芯棒ユニット。 - バウムクーヘンの製造方法であって、
少なくともバター、砂糖、卵黄を混合して第一生地材を製造する工程Aと、
少なくとも卵白、砂糖を混合して第二生地材を製造する工程Bと、
前記第一生地材と前記第二生地材と小麦粉とを混合して生地を製造する工程Cと、
芯棒部と、該芯棒部の両端から同軸心上に延在する回転シャフトと、該回転シャフトの周りに配された軸方向に立設した第一筒部と、該第一筒部の周りに配された軸方向に立設した第二筒部とを備えた焼成用芯棒ユニットの周面に剥離紙を巻き、該剥離紙の巻き始めの始端表面に卵白を塗布し、終端を始端表面に重ねるようにして該剥離紙をとめる工程Dと、
前記芯棒部からその軸方向に飛び出した前記剥離紙の端部を、前記第一筒部と前記第二筒部との間に挟み込む工程Eと、
前記剥離紙が巻かれた前記焼成用芯棒ユニットに生地をつけ、生地を焼成する工程Fと、
を備える、
バウムクーヘンの製造方法。
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