JP5018734B2 - 外歯成形ローラー - Google Patents

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Description

本発明は、外歯成形ローラーに関するものであり、詳しくは、カップ状に形成されたワークを押圧変形させることで、内周面と外周面とに夫々内歯と外歯とを有するカップ状歯車を製造する製造方法及び製造装置に使用される外歯成形ローラーに関するものである。
カップ状に形成されたワークを押圧変形させることによって内周面と外周面とに夫々内歯と外歯とが成形されてなるカップ状歯車がある。なお、このようなカップ状歯車は、内歯及び外歯の双方が歯車として使用されるものばかりではなく、内歯或いは外歯の一方が歯車として使用されるものもある。例えば、内向きの歯をもつ内歯歯車或いは外向きの歯をもつ外歯歯車として使用されるものではあるが、材料の削減や重量の低減のために、薄板状の素材を押圧変形して歯車全体を形成しようとすると、内歯或いは外歯の成形に伴い、必然的に、この内歯或いは外歯と反転した形状の外歯或いは内歯が成形されることから、全体として内歯及び外歯を備えるものとなるからである。
ところで、このようなカップ状歯車の製造方法としては、以下の2つの方法を代表的に例示することができる。
(1)内歯を成形するための内歯成形型を有するマンドレルにカップ状のワークを外嵌し、外歯の歯溝を成形する歯溝成形ローラーにてワークの外周面を衝打しつつ、この歯溝成形ローラーをワークの軸方向に移動させて、外歯の歯溝を一づつ、換言すれば、内歯を一歯づつ成形する方法(下記「特許文献1」参照)。
(2)内歯を成形するための内歯成形型を有するマンドレルにカップ状のワークを外嵌してマンドレルを回転させ、外歯を成形するための外歯成形型を有する外歯成形ローラーを、回転させつつワークの径方向に移動させてワークに押し付る所謂「転造」によって、ワークの内周面と外周面とに夫々内歯と外歯とを成形する方法(下記「特許文献2」参照)。
特開平6−126373号公報 特開2001−58236号公報
しかしながら、上記(1)の製造方法では、内歯を一歯づつ成形しなければならないため、歯数の多い歯車を製造する場合には、加工時間が長くなる、といった問題を生じる。一方、上記(2)の製造方法は、転造成形であるため、短時間で歯車を成形することができるものの、カップ状に形成されたワークの周面全体を一気に押圧変形させる方法であるが故に、大きな成形力を必要とし、大型の製造装置を用いなければならない、といった問題を生じる。
本発明は、上記実状を鑑みてなされたものであり、カップ状歯車を、短時間の加工によって、しかも、小さな成形力によって製造することができるカップ状歯車の製造方法及び製造装置に好適に使用できる外歯成形ローラーの提供を課題とする。
上記課題を解決するために本発明の採った主要な手段は、まず、製造方法としては、
「外周面に内歯成形型を有するマンドレルに、カップ状に形成されたワークを外嵌し、
該ワークを前記マンドレルと共に回転させ、
外周面に外歯成形型を有する外歯成形ローラーを、前記外歯成形型が前記内歯成形型と同調するように回転させると共にマンドレルの軸方向に移動させ、
前記マンドレルと前記外歯成形ローラーとで前記ワークを押圧変形させて、ワークの内周面と外周面とに夫々内歯と外歯とを成形することを特徴とするカップ状歯車の製造方法」
である。
次に、製造装置としては、
「外周面に内歯成形型を有し、カップ状に形成されたワークが外嵌されると共に回転駆動されるマンドレルと、
外周面に外歯成形型を有し、該外歯成形型と前記内歯成形型とが同調するように回転駆動されると共に前記マンドレルの軸方向に移動駆動され、マンドレルとでワークを押圧変形させることで該ワークの内周面と外周面とに夫々内歯と外歯とを成形する外歯成形ローラーと
を備える特徴とするカップ状歯車の製造装置」
である。
上記構成の製造方法及び製造装置では、まず、回転するマンドレルと回転する外歯成形ローラーとでワークを押圧変形させるため、内歯を一歯づつ成形する場合に比して、短時間で、ワークの内周面と外周面とに夫々内歯と外歯とを成形することが可能となる。次に、外歯成形ローラーを、回転させると共にマンドレルの軸方向に移動させ、これにより、ワークを押圧変形させるため、ワークを一度に押圧変形させる量は少なく、ワークの周面全体を一気に押圧変形させる場合に比して、必要な成形力は小さくてすむ。従って、この製造方法及び製造装置によれば、カップ状歯車を、短時間の加工によって、しかも、小さな成形力によって製造することができる。
上述の製造方法において、
「板状の素材を前記マンドレルに載置し、該素材を外形加工ローラによってマンドレルの外形に倣って押圧変形させることで、前記ワークを形成すると共にマンドレルに外嵌された状態とすることを特徴とするカップ状歯車の製造方法」
としてもよい。
このような製造方法によれば、一連の工程によって、板状の素材から、カップ状のワークを経てカップ状歯車を成形することができる。なお、外形加工ローラによって素材を押圧変形させた時点で、素材の肉が内歯成形型に全く流入していなければ、ワークの内周面は平滑な状態のままである。一方、素材の肉をマンドレルの内歯成形型に僅かに流入させれば、ワークの内周面に、未完成ながら、内歯を成形することができ、素材の肉をマンドレルの内歯成形型に完全に流入させれば、ワークの内周面に、内歯成形型に倣った内歯を完成させることできる。ここで、ワークの内周面に既に内歯が形成されている態様では、上述の製造方法において、外歯成形ローラーによって、ワークの外周面のみが押圧変形されて、ワークの外周面に外歯が成形されることになる。また、このような態様では、内歯が成形された後に外歯が成形されるため、成形精度を向上させることができる。
上述の製造装置において、
「前記マンドレルを回転駆動するマンドレル用駆動モーターと、
前記外歯成形ローラーを回転駆動する外歯成形ローラー用駆動モーターと、
前記外歯成形型と前記内歯成形型とが同調するように、前記マンドレル用駆動モーターと前記外歯成形ローラー用駆動モーターとを電気的に制御する制御装置と
を備えることを特徴とするカップ状歯車の製造装置」
としてもよい。
マンドレルと外歯形成ローラーとを、内歯成形型と外歯成形型とが同調するように回転させる手段としては、種々の手段を採用することができるのであるが、上記構成の製造装置では、マンドレル用駆動モーターと、外歯成形ローラー用駆動モーターと、マンドレル用駆動モーター及び外歯成形ローラー用駆動モーターを電気的に制御する制御装置とを備える手段を採用する。このような手段を採用することで、制御装置による電気的な制御といった簡便な手法によって、マンドレルと外歯形成ローラーとの回転状態を制御して、内歯成形型と外歯成形型とを確実に同調させることができる。また、製造するカップ状歯車の種類の伴い、マンドレルと外歯形成ローラーとを変更した場合であっても、マンドレルと外歯形成ローラーとの双方の回転状態を制御装置によって変更することが容易であり、このことから、製造装置としての汎用性を向上させることもできる。
また、上述した製造装置において、
「前記マンドレルと前記外歯成形ローラーとの相互の回転を機構的に連動させる連動機構を備えることを特徴とするカップ状歯車の製造装置」
としてもよい。
ここで、連動機構としては、ギア、チェーン、タイミングベルト、各種リンク等の適宜の機器を用いて一方の部材の回転駆動力を他方の部材に伝達する適宜の駆動伝達装置を採用することができる。
上記構成の製造装置では、内歯成形型と外歯成形型とを同調させるための手段として、マンドレルと外歯成形ローラーとの相互の回転を機構的に連動させる連動機構を採用するため、内歯成形型と外歯成形型とを確実に同調させることができる。
さらに、上述した製造装置において、
「前記マンドレル側に設けられたマンドレル側連動機構と、
該マンドレル側連動機構とは別個に前記外歯成形ローラー側に設けられ、ワークの加工開始前の段階にて前記マンドレル側連動機構に連結されて、ワークの加工中に前記マンドレルと前記外歯成形ローラーとの相互の回転を機構的に連動させる外歯形成ローラー側連動機構と、
前記マンドレルを回転駆動するマンドレル用駆動モーターと、
前記外歯成形ローラーを回転駆動する外歯成形ローラー用駆動モーターと、
前記マンドレル側連動機構と前記外歯形成ローラー側連動機構とが連結される前の段階にてマンドレル側連動機構と外歯形成ローラー側連動機構とが同調するように、前記マンドレル用駆動モーターと前記外歯成形ローラー用駆動モーターとを電気的に制御する制御装置と
を備えることを特徴とするカップ状歯車の製造装置」
としてもよい。
マンドレルと外歯成形ローラーとの回転状態を、夫々を回転駆動させるモーターによって制御することは、簡便であるが、マンドレルと外歯成形ローラーとによってワークを押圧変形させる加工においては、マンドレルや外歯成形ローラーに大きな応力が加わるため、マンドレルの回転と外歯成形ローラーの回転とに、モーターの制御だけでは吸収できないズレが生じる虞がある。特に、加工開始時には、マンドレルや外歯成形ローラーに瞬間的に多大な応力が加わるため、マンドレルの回転と外歯成形ローラーの回転とに大きなズレが生じ易い。このため、寸法精度が良好な高品質のカップ状歯車を製造できない虞がある。
一方、マンドレルの回転と外歯成形ローラーの回転とを、機構的に連動させることで、マンドレルと外歯成形ローラーとを確実に同調させることはできる。しかしながら、この場合には、次のような問題を生じる。すなわち、マンドレルと外歯成形ローラーとは、適宜の移動駆動手段によって、相対的に移動駆動されるため、マンドレルと外歯成形ローラーとの相対的な位置の変化に拘わらず、常に、夫々の回転を連動させようとすると、この連動を実現するための構造が複雑で大掛かりとなり、装置全体が複雑化及び大型化してしまう。
そこで、上記構成では、マンドレル側にマンドレル側連動機構を設け、外歯成形ローラー側に、マンドレル側連動機構とは別個の外歯形成ローラー側連動機構を設け、マンドレル側連動機構と外歯形成ローラー側連動機構とを、ワークの加工開始前の段階にて連結して、ワークの加工中にマンドレルと外歯成形ローラーとの相互の回転を機構的に連動させることとする。これにより、ワークの加工中において、マンドレルと外歯成形ローラーとを機構的に確実に同調させることができる。また、マンドレル側連動機構と外歯形成ローラー側連動機構とは個別に設けられているため、マンドレルと外歯成形ローラーとの相対的な位置の変化に拘わらず、常に、夫々の回転を連動させる構造のような複雑で大掛かりな構造を必要とせず、装置全体が無用に複雑化及び大型化してしまうこともない。
しかも、マンドレル側連動機構と外歯形成ローラー側連動機構とは、ワークの加工開始前の段階にて連結されるのであるが、この連結に際しては、マンドレルを回転駆動するマンドレル用駆動モーターと、外歯成形ローラーを回転駆動する外歯成形ローラー用駆動モーターとを電気的に制御する制御装置によって、マンドレル側連動機構と外歯形成ローラー側連動機構とが同調するように制御される。従って、マンドレル側連動機構と外歯形成ローラー側連動機構とを、円滑に連結することができ、装置全体を良好に作動させることができる。
外歯成形ローラーとしては、
「外周面に外歯成形型を有し、カップ状に形成されたワークに対して回転しつつワークの軸方向に移動して、前記外歯成形型によってワークを押圧変形させて該ワークの外周面に外歯を成形する外歯成形ローラーであって、
加工開始時にてワークに接触する部位に、ワークに食付く食付き部を備えることを特徴とする外歯成形ローラー」
である。
外歯成形ローラーによってワークを押圧変形させる際において、外歯成形ローラーがワークに接触し始める加工開始初期の段階では、外歯成形ローラーの外歯成形型がワークに十分に食い付いておらず、ワークと外歯成形ローラーとの間に滑りが生じてしまう場合がある。このように滑りが生じると、ワークの外周面の正確な部位に外歯が成形されず、加工精度が低下する虞がある。特に、上述した製造方法や製造装置に用いられる外歯成形ローラーのように、ワークの軸方向に移動駆動される外歯成形ローラーでは、加工開始時にワークの外周面に対してズレが生じていると、そのズレが修正されないまま、外歯成形ローラーがワークの軸方向に移動して、外歯の成形加工を進行させてしまう。なお、たとえ、電気的な制御や機構的な連動によって外歯成形ローラーの回転をワークの回転に同調させたとしても、高負荷によるモーターの回転遅れ等によって、電気的な制御では吸収できない滑りや、ギアのバックラッシュ等による位相ズレが発生することがある。
これに対して、上記構成の外歯成形ローラーでは、加工開始時にてワークに接触する部位に、ワークに食付く食付き部を備えるため、加工開始初期の段階にて、ワークと外歯成形ローラーとの間に滑りが生じ難くなる。よって、この外歯成形ローラーによれば、ワークの外周面の正確な部位に外歯を成形することができ、加工精度を向上させることができる。
なお、食付き部は、ワークとの間に滑りが生じ難くなるように、ワークとの接触抵抗を増大させるものであればよく、具体的な形態として、突条、突起、凹凸、ローレット目、ヤスリ目等を例示することができる。
上述の通り、本発明によれば、カップ状歯車を、短時間の加工によって、しかも、小さな成形力によって製造することができるカップ状歯車の製造方法及び製造装置に好適に使用できる外歯成形ローラーを提供することができる。
次に、カップ状歯車の製造方法及び製造装置、並びに、本発明に係る外歯成形ローラーの実施形態の一例を、図面に従って詳細に説明する。
図1に、カップ状歯車の製造装置100の一例を示す。この製造装置100は、カップ状のワーク2を後述するマンドレル20に外嵌すると共に回転させ、マンドレル20と後述する外歯成形ローラー30とでワーク2を押圧変形させて、ワーク2の内周面と外周面とに夫々内歯と外歯とを成形して、カップ状歯車を製造するものである。なお、本例の製造装置100は、平板の円盤状の素材を、カップ状の外形に成形加工する外形加工装置(図示省略)をも備えるものであり、素材の外形加工終了後において、カップ状に形成されたワーク2が、マンドレル20に外嵌された状態となるものである。
この製造装置100は、装置の基台を構成するフレーム(図示省略)に回転自在に支持された主軸10を備えており、この主軸10には、ワーク2の内周面に内歯を成形するための内歯成形型20aが外周面に設けられたマンドレル20が、交換可能に装着されている。また、主軸10は、タイミングベルト14、中間プーリー13等を用いて構成された駆動伝達装置を介して、主軸用駆動モーター12により回転駆動されるものである。ここで、主軸10が回転すると、当然、主軸10に装着されたマンドレル20も回転する。よって、主軸用駆動モーター12は、マンドレル20を回転駆動するマンドレル用駆動モーターでもある。なお、主軸用駆動モータ12としては、回転数や回転角度を高精度に制御することのできるサーボモーターが用いられており、この主軸用駆動モーター12は、制御装置40に接続され、この制御装置40によって駆動が制御される。
一方、フレームには、ワーク2の外周面に外歯を成形するための外歯成形型30aが外周面に設けられた外歯成形ローラー30が、主軸10に対して、主軸10の軸方向及び径方向に移動自在に支持されている。この外歯成形ローラー30は、制御装置40に接続されてこの制御装置40によって駆動が制御される移動駆動装置(図示省略)により、主軸に対して移動駆動されるものである。ここで、移動駆動装置としては、流体圧シリンダーや送りネジ機構等の適宜の機器により構成された装置を用いることができる。
また、外歯成形ローラー30は、外歯成形ローラー用駆動モーター32によって回転駆動されるものでもある。ここで、外歯成形ローラー用駆動モーター32としては、回転数や回転角度を高精度に制御することのできるサーボモーターが用いられている。そして、この外歯成形ローラー用駆動モータ32は、制御装置40に接続されており、この制御装置40によって駆動が制御される。なお、外歯成形ローラー用駆動モーター32と外歯成形ローラー30との間には、減速ギア等の適宜の駆動伝達装置(図示省略)が介在されており、小出力の外歯成形ローラー用駆動モーター32によっても、外歯成形ローラー30の十分な回転駆動力を得ることができる。
ところで、主軸10と外歯成形ローラー30とは、個別に回転駆動可能なものであるが、マンドレル20と外歯成形ローラー30とによってワーク2を押圧変形させて、ワーク2の周面に内歯及び外歯を成形加工する間においては、主軸10の回転駆動力が外歯成形ローラー30に伝達され、主軸10と外歯成形ローラ−30とが連動し、これにより、マンドレル20の内歯成形型20aと外歯成形ローラー30の外歯成形型30aとが同調して回転する。具体的に、主軸10におけるマンドレル20の下方の部位には、主軸側ギア11が装着されており、外歯成形ローラー30の下端には、外歯成形ローラー側ギア31が取付けられている。主軸10へのワークの着脱時等においては、主軸10から外歯成形ローラー30が大きく離間し、主軸側ギア11と外歯成形ローラー側ギア31とが噛合しない状態となるのであるが、ワーク2の加工開始に伴って、主軸10に外歯成形ローラー30が接近すると、加工開始前の段階にて、主軸側ギア11と外歯成形ローラー側ギア31とが噛合する。これにより、主軸10に連動して外歯成形ローラー30が回転する。また、主軸側ギア11と外歯成形ローラー側ギア31との噛合後は、マンドレル20の内歯成形型20aと外歯成形ローラー30の外歯成形型30aとが同調したままで維持される。
このような主軸側ギア11及び外歯成形ローラー側ギア31を用いたギア機構は、マンドレル20の回転と外歯成形ローラー30の回転とを連動させる連動機構の一具体例を示すものである。また、上記主軸側ギア11は、マンドレル側連動機構の一具体例を示すものであり、上記外歯成形ローラー側ギア31は、外歯成形ローラー側連動機構の一具体例を示すものでもある。なお、マンドレル側連動機構や外歯成形ローラー側連動機構としては、夫々、単一のギアにより構成されたものに限らず、複数のギアを用いたギア機構であってもよく、また、ギア機構に限らず、各種リンクやチェーン等を用いた他の適宜構造の駆動伝達機構であってもよい。
本例では、主軸10がフレームに移動不能に固定されており、この主軸10から高出力の回転駆動力が得られる構造となっている。よって、主軸用駆動モーター12として、インバーターモーターを採用することは好適である。この場合、図1において、2点鎖線で示すように、例えば、中間プーリー13に、回転数や回転角度を正確に割り出すことができるエンコーダー等の検出装置15を設け、この検出装置15を制御装置40に接続して、検出装置15からの情報に基づいて主軸用駆動モーター12を制御するようにしてもよい。なお、検出装置15を設ける部位としては、中間プーリー13に限らず、主軸用駆動モーター12自体の軸や主軸10等の他の部位であってもよい。
次に、本例の製造装置100の作動態様を、カップ状歯車の製造方法と共に、以下に説明する。なお、本例の製造装置100は、上述した通り、平板の円盤状の素材を、カップ状の外形に成形加工する外形加工装置を備えるものであり、まず、この外形加工装置による素材の成形加工から説明する。
図2に示すように、鋼板を打ち抜くことで平板の円盤状に形成された素材1を、主軸10のマンドレル20の上面に載置し(a)、主軸10上方の押え部材16を下降させ、マンドレル20と押え部材16とで、素材1を挟持固定する(b)。次に、主軸10を回転させ、これに伴い素材1を回転させると共に、外形加工装置の外形加工ローラー50によって、マンドレル20の外形に倣って、素材1を押圧変形させ(c)、平板状の素材1から、カップ状の外観を呈するワーク2を成形する(d)。ここで、このようにカップ状に成形されたワーク2は、上端側に円盤状のフランジ部2aと、このフランジ部2aの下方に延出する筒状部2bとを有する形状となる。また、ワーク2は、素材1の成形加工の終了時点にて、マンドレル20に外嵌された状態となる。さらに、本例では、外形加工ローラー50によって素材1を押圧変形させてワーク2を成形した時点で、ワーク2の筒状部2bの内面に、完成した内歯が成形されている。
なお、詳細は省略するが、外形加工ローラー50は、フレームに移動自在に支持されたものであり、制御装置40によって駆動が制御される駆動装置(図示省略)によって移動駆動されるものである。また、外形加工ローラー50は、フレームに移動自在に支持された台座部(図示省略)に回転自在に支持されており、主軸10に伴って回転する素材1に倣って回転し、素材1を円滑にカップ状に押圧変形するものである。さらに、本例の外形加工装置では、例えば二つ等、複数の外形加工ローラー50を備えており、素材1は、カップ状のワーク2となるまでに、複数の外形加工ローラー50によって複数回の押圧変形加工がなされる。
次に、図3に示すように、カップ状に形成され、マンドレル20に外嵌された状態のワーク2の周面である筒状部2bに、マンドレル20と外歯成形ローラ30とによって、内歯と同位相に外歯を成形加工する。この成形加工では、まず、素材1の成形加工時に邪魔にならないように、主軸10から十分に離間された部位に位置していた外歯成形ローラー30を、主軸10、すなわちワーク2に接近させる(a)。この時、主軸10は、回転駆動されており、マンドレル20及びワーク2も回転したままの状態であるため、主軸10の回転状態を制御装置40によって監視すると共に、この監視結果をフィードバックさせ、マンドレル20の内歯成形型20aに外歯成形型30aが同調するように、外歯成形ローラー30を回転させる。また、この状態では、主軸側ギア11と外歯成形ローラー側ギア31とは、相互に連結されておらず、主軸10と外歯成形ローラー30とは、夫々、連動せず、独立して回転可能な状態となっている。
次に、外歯成形ローラー30を主軸10に対して下降させ、加工開始前の段階、すなわち、外歯成形ローラー30がワーク2に接触する前の段階にて、主軸側ギア11と外歯成形ローラー側ギア31とを噛合させる。この時、主軸側ギア11と外歯成形ローラー側ギア31とが同調するように、主軸10及び外歯成形ローラー30の回転が制御されており、主軸側ギア11と外歯成形ローラー側ギア31とは、円滑に噛合する。
主軸側ギア11と外歯成形ローラー側ギア31とを噛合させた後、外歯成形ローラー30を主軸10に対してさらに下降させ、すなわち、外歯成形ローラー30をマンドレル20の軸方向に移動駆動させ、外歯成形ローラー30によってワーク2を押圧して、マンドレル20の内歯成形型20aと外歯成形ローラー30の外歯成形型30aとで、ワーク2の周面を変形させる(b)。この時、当然、マンドレル20の内歯成形型20aと外歯成形ローラー30の外歯成形型30aとは、同調したままの状態となっており、ワーク2の周面の正確な部位に、内歯と外歯とが成形され、寸法精度が良好な高品質のカップ状歯車3が形成される。なお、外歯成形ローラー30は、加工中においても、外歯成形ローラー用駆動モーター32により回転駆動されているのであるが、主軸側ギア11と外歯成形ローラー側ギア31とが噛合した後には、主軸10に連動して回転するため、外歯成形ローラー用駆動モーター32の作動を停止して、主軸10の回転駆動力によって、外歯成形ローラー30を回転させることとしてもよい。
ところで、加工開始時点においては、主軸側ギア11と外歯成形ローラー側ギア31との噛合によって外歯成形ローラー30が主軸10に連動して回転する状態で、ワーク2のフランジ部2aに外歯成形ローラー30が接触し始める。そして、外歯成形ローラー30のワーク2に対する軸方向の移動に伴い、外歯成形型30aがワーク2の筒状部2bの外周面を押圧して、ワーク2の周面を押圧変形させるのであるが、外歯成形ローラー30の先端側には、円錐台状のテーパー部33が設けられており、加工初期段階では、このテーパー部33が、フランジ部2aと筒状部2bとの境界部分であるワーク2の角部に接触して、ワーク2の押圧変形を円滑に開始させる。なお、外歯成形ローラー30のテーパー部33は、円錐台状に限らず、R面や適宜曲率を組み合わせた曲面等の曲面状であってもよい。このようにテーパー部33を設けることで、外歯成形型30aによってワーク2を押圧変形させる前の段階にて、ワーク2の肉を軸方向に良好に流動させることができる。
また、図4に示すように、外歯成形ローラー30のテーパー部33には、食付き部34が設けられている。このため、加工初期段階にて、外歯成形ローラー30とワーク2との間に滑りが生じ難く、外歯成形型30aがワーク2に対して正確に位置決めされた状態で加工が進行する。なお、本例では、食付き部34の形態として、90〜150°、より具体的には100〜120°、さらに具体的には112°程度の鈍角の突状を採用しているが、これに限らず、鋭角の突条、突起、凹凸、ローレット目、ヤスリ目等、ワーク2との接触抵抗を増大させるものであればよい。
また、図5に示すように、食付き部34をテーパー部33に設けず、外歯成形型30aの端面に設けてもよい。この例では、外歯成形型30aの端面に円弧状に形成された食付き部34が設けられている。さらに、外歯成形ローラー30にテーパー部33を設けない場合においても、外歯成形型30aの先端面等、ワーク2に接触し始める部位に、適宜形態の食付き部34を設ければよい。
上述のように、マンドレル20の内歯成形型20aと外歯成形ローラー30の外歯成形型30aとが同調した状態で、外歯成形ローラー30を回転させつつ、マンドレル20の軸方向に移動させると、ワーク2は、その筒状部2bがマンドレル20と外歯成形ローラー30とによって押圧変形され、図6に示すように、マンドレル20の内歯成形型20aに倣った内歯と同位相に、外周面に、外歯成形ローラー30の外歯成形型30aに倣った外歯が成形されたカップ状歯車3となる。そして、詳細は省略するが、一連の加工の終了後には、外歯成形ローラー30が主軸10から大きく離間するように移動する。また、マンドレル20に外嵌された状態のカップ状歯車3は、主軸10の内部に組み付けられた押し出し装置(図示省略)の作動によって、主軸10の上方に押し出されてマンドレル20から離脱される。このように成形されたカップ状歯車3では、内歯が成形された後に外歯が成形されるので、成形精度に優れたものとなる。
以上、カップ状歯車の製造方法及び製造装置、並びに、本発明に係る外歯成形ローラーの一例を詳細に説明したが、本発明は、これに限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜の変更が可能である。例えば、外歯成形ローラー30は、回転しつつマンドレル20の軸方向に移動して、マンドレル20とでワーク2を押圧変形させるものであればよく、加工開始初期段階において、ワーク2に対して径方向から接近し、ワーク2の周面の一部、すなわちワーク2の筒状部2bの一部に接触し始めると共に、この筒状部2bの一部に内歯及び外歯を成形するようにワーク2の一部を径方向に押圧変形させた後、マンドレル20の軸方向に移動して、ワーク2の筒状部2bの全長に渡って、内歯及び外歯を成形するようにしてもよい。
カップ状歯車の製造装置の一例を示す概略図である。 素材をカップ状のワークに成形加工する工程を示す概略図である。 カップ状のワークからカップ状歯車を製造する工程を示す概略図である。 外歯成形ローラーの一例を示す斜視図である。 外歯成形ローラーの別例を示す斜視図である。 マンドレルと外歯成形ローラーとによってカップ状歯車を成形した状態を示す断面平面図である。
符号の説明
1 素材
2 ワーク
2a フランジ部
2b 筒状部
3 カップ状歯車
10 主軸
11 主軸側ギア(連動機構、マンドレル側連動機構)
12 主軸用駆動モーター(マンドレル用駆動モーター)
13 中間プーリー
14 タイミングベルト
15 検出装置
16 押え部材
20 マンドレル
20a 内歯成形型
30 外歯成形ローラー
30a 外歯成形型
31 外歯成形ローラー側ギア(連動機構、外歯成形ローラー側連動機構)
32 外歯成形ローラー用駆動モーター
33 テーパー部
34 食付き部
40 制御装置
50 外形加工ローラー

Claims (2)

  1. 外周面に外歯成形型を有し、カップ状に形成されたワークに対して回転しつつワークの軸方向に移動して、前記外歯成形型によってワークを押圧変形させて該ワークの外周面に外歯を成形する外歯成形ローラーであって、
    加工開始時に前記ワークに接触し始める側である先端側にテーパー部と、
    該テーパー部に設けられ前記外歯成形型とは異なる形状の突条、突起、凹凸、ローレット目またはヤスリ目の何れかからなり、加工開始時にワークに食付く食付き部と
    を備えることを特徴とする外歯成形ローラー。
  2. 外周面に外歯成形型を有し、カップ状に形成されたワークに対して回転しつつワークの軸方向に移動して、前記外歯成形型によってワークを押圧変形させて該ワークの外周面に外歯を成形する外歯成形ローラーであって、
    前記外歯成形型の端面に円弧状に形成されて加工開始時にワークに食付く食付き部を備えることを特徴とする外歯成形ローラー。
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