JP2012163758A - 電子写真装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】黒帯の改善と露光部と非露光部の濃度差の抑制とを両立した電子写真感光体を有する電子写真装置を提供する。
【解決手段】放電を伴う帯電方式によって電子写真感光体を帯電させる帯電手段を有する電子写真装置において、電子写真感光体が、支持体、支持体上に形成された電荷発生層、該電荷発生層上に形成された電荷輸送層を有し、該電荷発生層と該電荷発生層よりも電子写真感光体表面側に位置する層のうち、少なくとも1層以上の層に、下記式(1)で示される化合物を含有することを特徴とする電子写真装置。
Figure 2012163758

【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真感光体を有する電子写真装置に関する。
電子写真装置に搭載される電子写真感光体として、有機光導電性物質を含有する電子写真感光体(有機電子写真感光体)がある。電子写真プロセスにおいて、電子写真感光体には、帯電手段、露光手段、クリーニング手段、除電手段などのプロセスが関与している。
帯電手段に関しては、放電を伴う帯電、摩擦帯電、注入帯電などの方式があるが、放電を伴う帯電方式は帯電の均一性に優れており、広く利用されている。しかしながら、放電を伴う帯電は、活性ガス(窒素酸化物、オゾン)を発生して、電子写真感光体表面に付着し、電子写真感光体を劣化させることにより、黒帯と呼ばれる画像欠陥が発生する。黒帯とは、出力画像に黒帯様の濃度差が生じる現象のことであり、メモリー現象による画像欠陥の1つである。この黒帯は、反転現像方式において、電子写真プロセス終了後に電子写真装置を数時間休止すると、その間、電子写真感光体のうち帯電器と対向する部分が変質し、再度、画像形成時に、出力画像の帯電器の位置に相当する部分が周囲と比べて濃くなる現象である。
特に、近年、電子写真プロセスが高速化し、帯電器の出力を向上させて帯電手段の時間を短縮させることに伴って、活性ガスの発生が増加するため、黒帯を改善することが求められている。
黒帯の改善に関して、感光層に添加剤を含有させることが提案されている。特許文献1、2には、電子写真感光体の感光層、表面層に複数の添加剤を含有させて、活性ガスによる黒帯の発生を抑制させる電子写真感光体が提案されている。特許文献3には、電子写真感光体の表面層にピリジン構造を有する添加剤を含有させて、黒帯の発生を抑制させる電子写真感光体が提案されている。また、引用文献4では、尿素誘導体を感光層に含有させることで、活性ガスによる電子写真感光体の劣化を抑制することが提案されている。
特開平6−095404号公報 特開2001−356501号公報 特開2006−064954号公報 特開昭63−097959号公報
しかしながら、添加剤を含有させた電子写真感光体では、添加剤により電荷がトラップされやすいため、露光部と非露光部の濃度差(露光部と非露光部の画像濃度差)が生じやすい。引用文献1から3の電子写真感光体では、帯電器の出力を向上させた電子写真装置を用いると、黒帯の改善と露光部と非露光部の濃度差の抑制との両立が十分にできなかった。引用文献4の電子写真感光体は、黒帯の発生が抑制されている。しかしながら、本発明者らが検討を進めた結果、露光部と非露光部の濃度差の抑制については、より改善できる余地があることが分かった。
本発明の目的は、放電を伴う帯電方式によって電子写真感光体を帯電させる帯電手段を有する電子写真装置において、黒帯の改善と露光部と非露光部の濃度差の抑制とを両立した電子写真感光体を有する電子写真装置を提供することにある。
本発明は、放電を伴う帯電方式によって電子写真感光体を帯電させる帯電手段を有する電子写真装置において、該電子写真装置に用いられる電子写真感光体が、支持体、支持体上に形成された電荷発生層、該電荷発生層上に形成された電荷輸送層を有し、電荷発生層と電荷発生層よりも電子写真感光体表面側に位置する層のうち、少なくとも1層以上の層に、下記式(1)で示される構造を有する化合物を含有することを特徴とする電子写真装置に関する。
Figure 2012163758
式(1)中、Xは、酸素原子、または硫黄原子を示す。RおよびRは、それぞれ独立に、炭素数が1から3のアルキル基を示す。ArおよびArは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアリール基を示す。ただし、該アリール基が有してもよい置換基は、カルボキシル基、シアノ基、置換もしくは無置換のアミノ基、水酸基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアルキル基、ニトロ基、または、ハロゲン原子である。
本発明によれば、放電を伴う帯電方式によって電子写真感光体を帯電させる帯電手段を有する電子写真装置において、黒帯の改善と露光部と非露光部の濃度差の抑制とを両立した電子写真感光体を有する電子写真装置を提供できる。
本発明の電子写真装置に用いられる電子写真感光体の層構成の一例を示す図である。 本発明の電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。 露光部と非露光部の画像濃度差の際に用いる露光部と非露光部の濃度差評価用印字を説明するための図である。
本発明の電子写真装置は、上述の通り、放電を伴う帯電方式によって電子写真感光体を帯電させる帯電手段を有する電子写真装置において、該電子写真装置に用いられる電子写真感光体が、支持体、支持体上に形成された電荷発生層、該電荷発生層上に形成された電荷輸送層を有し、電荷発生層と電荷発生層よりも電子写真感光体表面側に位置する層のうち、少なくとも1層以上の層に、式(1)で示される構造を有する化合物を含有する。これにより、黒帯の改善と露光部と非露光部の濃度差の抑制とを両立することができる。
本発明者らは、本発明の電子写真装置が、黒帯の改善と露光部と非露光部の濃度差とを両立することができる理由を以下のように推測している。
本発明において、黒帯は、電子写真感光体の帯電器の位置に対向していた部分の光感度が高くなっていることが原因であると考えられる。これは、発生する窒素酸化物などの活性ガスが電荷発生層に作用して、光感度を上昇させてしまうことが原因であると推測している。
本発明において、式(1)で示される構造を有する化合物は、活性ガスに起因する化合物を包接して包接化合物を形成して、黒帯を改善していると推測している。また、式(1)で示される構造を有する化合物が分解して発生するアンモニアは、活性ガスのよって生成される窒素酸化物を水と窒素に還元することが知られている。これらの理由により、本発明の添加剤が、黒帯の改善について優れた効果を奏することができると推測している。
本発明において、露光部と非露光部の濃度差とは、例えば、反転現像方式の電子写真装置において、画像1枚の中で光が照射されていない部分と光が照射された部分(露光部)で次回転目にハーフトーン画像になる画像形成を行った場合、露光部と非露光部の画像濃度差が発生する現象のことである。これは、次回転目の帯電手段において、露光部と非露光部との帯電電位が均一にならないことが原因であると考えられる。
この原因の一つとして、電子写真感光体に活性ガスを抑制させる添加剤により、電荷の移動速度が低下することが挙げられる。電荷の移動速度が低下すると除電に時間を要する。非露光部は除電が十分ではないまま次の帯電が行われるため、帯電電位が低下する。一方で露光部は十分に除電されてから次の帯電が行われるため所定の帯電電位となる。その結果、帯電電位が均一にならず、次の画像形成時において露光部と非露光部の画像濃度差が発生する。
式(1)で示される構造を有する化合物は、(商品名:CS Chem 3D Ultra CambridgeSoft製)のMOPACによる半経験的量子力学計算により構造解析をおこなったところ、式(1)中のアリール基(ArおよびAr)同士の距離が縮まる(アリール基同士が向かい合う構造をとる)。一方で、R、R、Ar、Arの配置が式(1)と異なる化合物は、アリール基同士が向かい合わない。
電子写真感光体(有機電子写真感光体)の電荷移動は、電荷輸送物質間のホッピングによって電荷移動が起こるため、電荷輸送物質間の距離が重要となる。電子写真感光体用塗布液に添加剤を加える場合、析出が起こらないように添加剤の種類や添加量を選択し、相溶性についての検討がなされる。従来用いられている添加剤を含有させた感光層中には、析出が起こらないまでも、添加剤の分子の微小な集合体が存在することにより、電荷輸送物質間距離が広がって電荷のホッピングが阻害されると考えられる。しかしながら、本発明の式(1)で示される構造を有する化合物は、アリール基同士が向かい合うことで、電子写真感光体用塗布液に対して相溶性が良くなり、分子の微小な集合体が形成されない。これにより、電荷の移動速度の低下を抑制でき、露光部と非露光部の濃度差が改善すると推測している。
一方、特開昭63−097959号公報に開示されている尿素化合物のうち、アリール基を有しているものは、窒素原子に水素原子が結合した構造である。そのため、アリール基同士が向かい合うことがなく、電子写真感光体用塗布液に対する相溶性の向上がみられないと推測している。したがって、電荷の移動速度の低下の抑制が不十分であり、露光部と非露光部の濃度差の抑制が十分ではないと考えられる。
本発明に用いられる電子写真感光体は、支持体、該支持体上に形成された電荷発生層、該電荷発生層上に形成された電荷輸送層を有する。
本発明においては、支持体の傷や突起などを被覆したり、干渉縞(モアレ)を抑制したりすることなどを目的として、支持体上に導電性微粒子を含有する導電層を設けてもよい。また、本発明の電子写真感光体では、支持体または導電層と、電荷発生層との間には、電気的ブロッキング機能を有させることなどを目的として、中間層を設けてもよい。また、電荷発生層、電荷輸送層を積層構造としてもよい。
図1(図1の(a)、(b))は本発明に用いられる電子写真感光体の層構成の一例を示す図である。図1中、101は支持体であり、102は中間層であり、103は電荷発生層であり、104は電荷輸送層であり、105は保護層である。また、本発明に用いられる電子写真感光体は、図1の(a)、または(b)のいずれの層構成であってもよい。また、保護層105は、電荷輸送能を有していてもよい。
本発明の電子写真装置に用いられる電子写真感光体は、支持体、支持体上に形成された電荷発生層、電荷発生層上に形成された電荷輸送層を有し、電荷発生層と電荷発生層よりも電子写真感光体表面側に位置する層のうち、少なくとも1層以上の層に、式(1)で示される構造を有する化合物を含有する電子写真感光体である。電荷発生層よりも電子写真感光体表面側に位置する層としては、電荷輸送層、保護層が挙げられる。
さらに、本発明の電子写真装置に用いられる電子写真感光体は、電荷輸送層上に形成された保護層を有し、電荷輸送層および保護層の少なくとも一方の層に式(1)で示される構造を有する化合物を含有する電子写真感光体であることが好ましい。黒帯は、活性ガスが電荷発生層側へと移動し、電荷発生層に到達して電荷発生層を変質させてしまう現象と考えられる。このため、式(1)で示される構造を有する化合物を、電荷輸送層および保護層の少なくとも一方の層に含有させることが好ましい。
次に、式(1)で示される構造を有する化合物について説明する。
Figure 2012163758
式(1)中、Xは酸素原子または硫黄原子を示す。RおよびRは、それぞれ独立に、炭素数が1から3のアルキル基を示す。炭素数が1から3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基(n−プロピル基、イソプロピル基)が挙げられる。ArおよびArは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアリール基を示す。置換もしくは無置換のアリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、多環芳香族炭化水素基が挙げられる。多環芳香族炭化水素基としては、ナフチル基、フルオレン基、9,9−ジメチルフルオレン基などが挙げられる。また、置換もしくは無置換のアリール基が有してもよい置換基は、カルボキシル基、シアノ基、置換もしくは無置換のアミノ基、水酸基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアルキル基、ニトロ基、または、ハロゲン原子である。置換のアミノ基(置換基を有するアミノ基)としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などが挙げられる。置換もしくは無置換のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基などが挙げられる。置換もしくは無置換のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基(n−プロピル基、イソプロピル基)、トリフルオロメチル基などが挙げられる。ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などが挙げられる。
また、分子中のアリール基同士が向かい合う配置をとりやすいという点から、上記一般式(1)で示される構造を有する化合物は、上記式(1)中のRおよびRが同一の基であり、かつ、ArおよびArが同一の基である、対称形の構造であることが好ましい。
また、本発明において、上記式(1)で示される構造を有する化合物を含有する層は、式(1)で示される構造を有する化合物を、その層の全質量に対して1質量%以上20質量%以下含有することが好ましい。含有量が少なすぎると、露光部と非露光部の濃度差の抑制効果が十分ではない場合がある。また、含有量が多すぎると、上記式(1)で示される構造を有する化合物が析出しやすくなる場合がある。
上記式(1)で示される構造を有する化合物は、1種のみを含有させてもよく、2種以上を含有させてもよい。
上記式(1)で示される構造を有する化合物は、例えば、下記文献に記載されている合成方法を用いて合成することができる。
・Photochem.Photobiol.Sci.,2002,1,30−37
・Transactions of the Faraday Society,34,1938,783−786
・Tetrahedron Letters 39(1998)6267−6270
・Bulletin of the chemical society of japan,vol.47(4),1974,935−937。
以下に、上記式(1)で示される構造を有する化合物の具体例(例示化合物)を挙げるが、本発明はこれらに限定されるわけではない。
Figure 2012163758
Figure 2012163758
上記化合物の中でも、上記構造式(U−1)、(U−2)、(U−3)、(U−4)、(U−10)、(U−19)、(U−24)、(U−25)、および(U−26)で示される化合物がより好ましい。以下、上記構造式(U−1)〜(U−48)を、例示化合物(U−1)〜(U−48)ともいう。
次に、本発明に用いられる電子写真感光体の構成について説明する。
〔支持体〕
本発明の電子写真感光体に用いられる支持体としては、導電性を有するもの(導電性支持体)が好ましく、鉄、銅、金、アルミニウム、ニッケル、ステンレスなどの金属または合金が挙げられる。また、ポリエステル、ポリカーボネートの絶縁支持体上にアルミニウム、銀、金などの金属あるいは、酸化インジウム、酸化スズなどの導電材料の薄膜を形成したものが挙げられる。カーボンブラック、酸化スズ粒子、酸化チタン粒子、銀粒子のような導電性粒子を樹脂などに含浸した支持体や、導電性結着樹脂を有するプラスチックを用いることもできる。導電性支持体の形状としては、円筒状、ベルト状が挙げられるが、円筒状が好ましい。
また、干渉縞を抑制するために支持体はその表面を適度に荒らしておくことが好ましい。具体的には、切削処理、粗面化処理、アルマイト処理を行った支持体を用いることが好ましい。
本発明の電子写真感光体において、支持体上に導電性粒子と樹脂を有する導電層を設けてもよい。導電性粒子および樹脂を有する導電層を支持体上に形成する方法では、導電層中に導電性粒子を含む粉体が含有される。導電性粒子としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、アルミニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、銀、などの金属や合金の粉体や、酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体が挙げられる。
導電層に用いられる樹脂としては、アクリル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、ポリアセタール、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、メラミン樹脂などが挙げられる。
導電層用塗布液に用いられる溶剤としては、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤および芳香族炭化水素溶剤が挙げられる。導電層の膜厚は、0.2μm以上40μm以下であることが好ましく、5μm以上40μm以下であることがより好ましい。
本発明の電子写真感光体では、支持体または導電層と、電荷発生層との間に中間層を設けてもよい。
中間層は、樹脂を含有する中間層用塗布液を支持体上、または導電層上に塗布し、これを乾燥または硬化させることによって形成することができる。
中間層に用いられる樹脂としては、ポリアクリル酸類、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアミド酸、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタンなどが挙げられる。また、中間層に上述の導電性粒子を含有させることもできる。中間層の膜厚は、0.05μm以上40μm以下であることが好ましく、0.1μm以上30μm以下であることがより好ましい。また、中間層には、半導電性粒子、電子輸送物質、あるいは電子受容性物質を含有させてもよい。
〔電荷発生層〕
本発明の電子写真感光体において、支持体、導電層または中間層上には、電荷発生層が設けられる。電荷発生層は、電荷発生物質を樹脂および溶剤とともに分散して得られる電荷発生層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。また、電荷発生層は、電荷発生物質の蒸着膜としてもよい。
本発明の電子写真感光体に用いられる電荷発生物質としては、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、インジコ顔料、ペリレン顔料が挙げられる。これら電荷発生物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。これらの中でも、特に、ガリウムフタロシアニンが優れた電荷発生効率を示す。さらに、電位特性(感度や環境変動)の観点から、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.4°および28.2°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶がより好ましい。
電荷発生層に用いられる樹脂としては、ポリビニルブチラール、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、セルロース系樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることができる。
電荷発生層用塗布液に用いられる溶剤は、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、テトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、または芳香族炭化水素溶剤などが挙げられる。
電荷発生層の膜厚は、0.05μm以上5μm以下であることが好ましい。また、電荷発生層には、増感剤、レベリング剤、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、電子輸送物質などを含有させてもよい。
〔電荷輸送層〕
本発明の電子写真感光体において、電荷発生層上には、電荷輸送層が設けられる。電荷輸送層は、電荷輸送物質を樹脂および溶剤とともに分散して得られる電荷輸送層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。電荷輸送層は、機能分離した2層以上の電荷輸送層として設けることもできる。
本発明の電子写真感光体に用いられる電荷輸送物質としては、トリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾール化合物、チアゾール化合物、トリアリルメタン化合物などが挙げられる。これらの電荷輸送材料は1種のみ用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
電荷輸送層に用いられる樹脂としては、ポリビニルブチラール、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスチレンなどが挙げられる。また、これらの樹脂の主鎖や側鎖に、電荷輸送機能を有する骨格を導入し、高分子電荷輸送物質とした化合物を用いることもできる。
電荷輸送層用塗布液に用いられる溶剤は、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、テトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、または芳香族炭化水素溶剤などが挙げられる。
電荷輸送層の膜厚は、5μm以上40μm以下であることが好ましい。電荷輸送層には、フッ素原子含有微粒子やシリコーン含有樹脂などを含有させてもよい。また、前記樹脂により構成される微粒子、金属酸化物微粒子や無機微粒子を含有してもよい。また、レベリング剤、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを必要に応じて含有させてもよい。
本発明の電子写真感光体おける電荷輸送層上には必要に応じて保護層を設けてもよい。保護層は、樹脂および必要に応じて電荷輸送物質を溶剤に溶解させて得られる保護層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。
保護層に用いられる樹脂としては、電子写真感光体の機械的強度の観点から。上述の電荷輸送層に用いられる樹脂の中でも、分子量の大きい樹脂、主鎖にアリール基を有する樹脂、硬化性樹脂を用いることが好ましい。硬化性樹脂は、重合あるいは架橋性のモノマーやオリゴマーから構成されるのが一般的である。硬化性樹脂のモノマーあるいはオリゴマーとしては、アクリロイルオキシ基又はスチレン基などの連鎖重合性官能基を有するモノマーやオリゴマー、水酸基又はイソシアネート基を有する逐次重合性官能基を有するモノマーやオリゴマーが挙げられる。硬化手段としては、熱、光、放射線(電子線など)を用いることができる。
保護層に用いられる電荷輸送物質としては、上述の電荷輸送層に用いられる電荷輸送物質と同様のものを用いることができる。また、保護層に用いられる樹脂が電荷輸送性能を保持する骨格を有していてもよい。硬化性樹脂を用いる場合は、電荷輸送性能を保持する骨格を有するモノマーやオリゴマーを用いる。
保護層用塗布液に用いられる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、テトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、または芳香族炭化水素溶剤などが挙げられる。
保護層には、耐摩擦性、機械的強度の改良を目的として、フッ素原子含有微粒子や金属酸化物微粒子を含有させてもよい。具体的には、テトラフルオロエチレン樹脂粒子などのフッ素原子含有樹脂粒子、シリカ、アルミナ、酸化錫などの金属酸化物粒子などが挙げられる。また、レベリング剤、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを含有させてもよい。
保護層の膜厚は、0.5μm以上20μm以下であることが好ましい。
上記各層の塗布液を塗布する際には、浸漬塗布法(浸漬コーティング法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法などの塗布方法を用いることができる。
図2に、本発明の電子写真装置の概略構成の一例を示す。
図2において、1はドラム状の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。電子写真感光体1は、回転過程において、帯電手段(帯電器・一次帯電手段)3によりその周面に負の所定電位の均一帯電を受ける。本発明における帯電手段は放電を伴う帯電方式であり、図2においては、例としてコロトロンを図示した。次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)から出力される、目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して強度変調された露光光4を受ける。こうして電子写真感光体1の表面には、目的の画像情報に対応した静電潜像が順次形成されていく。
形成された静電潜像は、次いで現像手段5内に収容されたトナーで反転現像によりトナー像として顕画化される。電子写真感光体1の表面に形成担持されているトナー像は、一次転写手段6により中間転写体7に順次転写されていく。このとき、一次転写手段6には、バイアス電源(不図示)からトナーの保有電荷とは逆極性のバイアス電圧が印加される。中間転写体7に転写されたトナー像は、二次転写手段8により転写材9に順次転写されていく。このとき、二次転写手段8には、バイアス電源(不図示)からトナーの保持電荷とは逆極性のバイアスが印加される。また、転写手段は、中間転写体および二次転写手段を有する中間転写方式を用いず、電子写真感光体1から直接転写材9にトナー像を転写する方式であってもよい。
トナー像の転写を受けた転写材9は、定着手段(不図示)へ搬送されて、トナー像の定着処理を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として電子写真装置外へプリントアウトされる。
トナー像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段10によって転写残トナーなどの付着物の除去を受けて清浄面化される。次に、前露光手段11からの前露光光12により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。
本発明においては、電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5、転写手段6およびクリーニング手段10などの構成要素のうち、複数のものを容器に納めてプロセスカートリッジとしてもよい。また、そのプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱自在に装着する構成であってもよい。
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
〈実施例1〉
長さ370mm、直径84mmのアルミニウムシリンダー(JIS A3003)に、切削加工を行い、これを支持体とした。次に、SnOコート処理硫酸バリウム粒子(商品名:パストランLRS、三井金属鉱業(株)製)57部、レゾール型フェノール樹脂(商品名:フェノライト J−325、大日本インキ化学工業(株)製、固形分60%のメタノール溶液)21部、2−メトキシ−1−プロパノール19部の混合溶剤を8時間ボールミルで分散させて分散液を得た。この分散液に、シリコーン樹脂(商品名:トスパール120、東芝シリコーン(株)製)1.48部、2−メトキシ−1−プロパノール1.48部、シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レシリコーン(株)製)0.008部を混合し導電層用塗布液を調製した。この導電層用塗布液を上記アルミニウムシリンダー上に浸漬塗布し、これを150℃で30分間加熱硬化させて、膜厚が15μmの導電層を形成した。
次に、メトキシメチル化6ナイロン樹脂(商品名:トレジンEF−30T、ナガセケムテックス(株)製)40部を、メタノール400部及びn−ブタノール200部の混合溶剤に溶解させて、中間層用塗布液を調製した。この中間層用塗布液を上記導電層上に浸漬塗布し、これを100℃で30分間加熱乾燥させて、膜厚が0.4μmの中間層を形成した。
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.4°および28.2°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)11部を用意した。それに、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)5部およびシクロヘキサノン130部を混合し、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で、18℃の冷却水で冷却しながら2時間分散処理した。分散処理後、酢酸エチル300部およびシクロヘキサノン160部を加えて、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上記中間層上に浸漬塗布し、これを110℃で10分間乾燥させて、膜厚が0.18μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記構造式(2)で示される化合物(電荷輸送物質)5部、下記構造式(3)で示される化合物(電荷輸送物質)5部、および、ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ400、三菱ガス化学(株)製)10部を、モノクロロベンゼン70部およびジメトキシメタン30部の混合溶剤に溶解させて、電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を上記電荷発生層上に浸漬塗布し、100℃で30分間乾燥させて、膜厚が17μmの電荷輸送層を形成した。
Figure 2012163758
Figure 2012163758
下記構造式(4)で示される化合物48.5部および例示化合物(U−1)(東京化成工業(株)製、GC純度>97%)1.5部を、n−プロパノール25部に溶解させ、さらに1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン(商品名:ゼオローラH、日本ゼオン(株)製)25部を加えて、保護層用塗布液を調製した。この保護層用塗布液を上記電荷輸送層上に浸漬塗布して、これを50℃で5分間加熱処理した。その後、窒素雰囲気下にて、加速電圧150kV、吸収線量15000Gyの条件で1.5秒間電子線を照射した。さらに、窒素雰囲気下にて、130℃で90秒間加熱処理を行った。電子線の照射から30秒間の加熱処理までの酸素濃度は19ppmであった。次に、大気中において、100℃で20分間加熱処理を行い、膜厚が5μmである保護層を形成した。
Figure 2012163758
このようにして、導電層、中間層、電荷発生層、電荷輸送層および保護層を有する電子写真感光体を製造した。
(比較例1)
実施例1において、例示化合物(U−1)を用いなかった以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例2)
実施例1において、電荷輸送層用塗布液を、上記構造式(2)で示される化合物4.85部、上記構造式(3)で示される化合物4.85部、および、ポリカーボネート樹脂9.7部、例示化合物(U−1)0.6部を、モノクロロベンゼン70部およびジメトキシメタン30部の混合溶剤に溶解させて得られた電荷輸送層用塗布液に変更し、さらに比較例1で用いた保護層用塗布液に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例3)
実施例1において、電荷輸送層用塗布液を、実施例2で用いた電荷輸送層用塗布液に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例4)
実施例1において、実施例1で用いた電荷発生層用塗布液に、さらに例示化合物(U−1)0.5部を加えて得られた電荷発生層用塗布液に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例5)
実施例1において、保護層を設けず、さらに電荷輸送層を以下の電荷輸送層に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。上記構造式(2)で示される化合物4.85部、上記構造式(3)で示される化合物4.85部、および、特許文献2003−195537号公報の実施例2に開示されているポリアリレート樹脂9.7部、例示化合物(U−1)0.6部を、モノクロロベンゼン57部およびジメトキシメタン30部の混合溶剤に溶解させて電荷輸送層用塗布液を得た。この電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布し、60分間120℃で乾燥させることによって、膜厚が23μmの電荷輸送層を形成した。
(比較例2)
実施例5において、例示化合物(U−1)を用いなかった以外は、実施例5と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例6)
実施例1において、保護層用塗布液を、上記構造式(4)で示される化合物を49.5部、例示化合物(U−1)を0.5部に変更して保護層用塗布液を調製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例7)
実施例1において、保護層用塗布液を、上記構造式(4)で示される化合物を47部、例示化合物(U−1)を3部に変更して保護層用塗布液を調製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例8)
実施例1において、保護層用塗布液を、上記構造式(4)で示される化合物を40部、例示化合物(U−1)を5部に変更して保護層用塗布液を調製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例9)
実施例1において、保護層用塗布液を、上記構造式(4)で示される化合物を48.5部、例示化合物(U−1)を1.5部、およびポリテトラフルオロエチレン粒子(商品名:ルブロンL2、ダイキン(株)製)13部を、n−プロパノール25部および1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン(商品名:ゼオローラH、日本ゼオン(株)製)25部の混合溶剤に加え、これを超高圧分散機で分散処理することによって得られた保護層用塗布液に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
(比較例3)
実施例9において、例示化合物(U−1)を用いなかった以外は、実施例9と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例10)
実施例1において、保護層用塗布液を、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名:DPHA、ダイセル・サイテック(株)製)(重合性官能基であるアクリル基を6つ有し、電荷輸送構造をもたない化合物)24.5部、下記構造式(5)で示される化合物24部、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(商品名:イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)(光重合開始剤)2.5部および例示化合物(U−1)1.5部をn−プロパノール25部に溶解させ、さらに1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン25部を加えたものに変更した。そして、この保護層用塗布液を電荷輸送層上に浸漬塗布して、これを50℃で5分間加熱処理し、その後、メタルハライドランプを用いて、照射強度:500mW/cmの条件で20秒間光照射し、130℃で30分間加熱処理を行い、膜厚が4.8μmの保護層を形成した。これ以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
Figure 2012163758
(比較例4)
実施例10において、例示化合物(U−1)を用いなかった以外は、実施例10と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例11)
実施例1において、例示化合物(U−1)を例示化合物(U−25)に変更して保護層用塗布液を調製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例12)
実施例1において、例示化合物(U−1)を例示化合物(U−2)に変更して保護層用塗布液を調製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例13)
実施例1において、例示化合物(U−1)を例示化合物(U−26)に変更して保護層用塗布液を調製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例14)
実施例1において、例示化合物(U−1)を例示化合物(U−3)に変更して保護層用塗布液を調製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例15)
実施例1において、例示化合物(U−1)を例示化合物(U−4)に変更して保護層用塗布液を調製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例16)
実施例1において、例示化合物(U−1)を例示化合物(U−10)に変更して保護層用塗布液を調製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例17)
実施例1において、例示化合物(U−1)を例示化合物(U−19)に変更して保護層用塗布液を調製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例18)
実施例1において、例示化合物(U−1)を例示化合物(U−24)に変更して保護層用塗布液を調製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
(比較例5)
実施例1において、保護層用塗布液を、上記構造式(4)で示される化合物48.5部、ヒンダードアミン系酸化防止剤(商品名:TINUVIN622LD、チバ・ジャパン社製)0.75部、下記構造式(6)の化合物0.75部を、n−プロパノール25部に溶解させ、さらに1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン25部を加えて得られた保護層用塗布液に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
Figure 2012163758
(比較例6)
実施例1において、保護層用塗布液を、上記構造式(4)で示される化合物48.5部、下記構造式(7)のヒンダードアミン系酸化防止剤(商品名:サノールLS440、三共ライフテック株式会社製)1.5部を、n−プロパノール25部に溶解させ、さらに1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン25部を加えて得られた保護層用塗布液に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
Figure 2012163758
(比較例7)
実施例1において、保護層用塗布液を、上記構造式(4)で示される化合物48.5部、下記構造式(8)のキノキサリン1.5部を、n−プロパノール25部に溶解させ、さらに1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン25部を加えて得られた保護層用塗布液に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
Figure 2012163758
(比較例8)
実施例1において、保護層用塗布液を、上記構造式(4)で示される化合物48.5部、下記構造式(9)のヒンダードフェノール化合物1部(式(9)のRは、下記式(10)で示される構造を示す)、ジオクタデシル3,3′−チオジプロピオネート0.7重量部、トリス(2,4−ジ−Tert−ブチルフェニル)ホスファイト0.7重量部、1,3−ジ(4−ピリジル)プロパン0.1重量部を、n−プロパノール25部に溶解させ、さらに1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン(商品名:ゼオローラH、日本ゼオン(株)製)25部を加えて得られた保護層用塗布液に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
Figure 2012163758
(比較例9)
実施例1において、保護層用塗布液を、上記構造式(4)で示される化合物48.5部、下記構造式(10)で示される化合物1.5部を、n−プロパノール25部に溶解させ、さらに1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン25部を加えて得られた保護層用塗布液に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
Figure 2012163758
(比較例10〜17)
実施例1において、例示化合物(U−1)を、表1に示すように下記構造式(11)〜構造式(18)で示される化合物に変更して保護層用塗布液を調製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
Figure 2012163758
(実施例19)
実施例1において、保護層用塗布液を、上記構造式(4)で示される化合物48.5部、例示化合物(U−1)1.5部、上記ポリテトラフルオロエチレン粒子13部、および下記式(A1)で示される繰り返し構造単位および下記式(A2)で示される繰り返し構造単位を有する樹脂(重量平均分子量130,000、(A1)/(A2)=1/1)1.5部を、n−プロパノール25部および1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン25部の混合溶剤に加え、これを超高圧分散機で分散処理することによって得られた保護層用塗布液に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
Figure 2012163758
(比較例18)
実施例19において、例示化合物(U−1)を用いなかった以外は、実施例19と同様にして電子写真感光体を製造した。
(評価)
実施例1〜19および比較例1〜18の電子写真感光体の評価方法については、以下の通りである。
(黒帯の評価)
黒帯の評価を次のようにして行った。評価装置としては、キヤノン(株)製の複写機 imagePRESS C1+(コロナ帯電方式)を用いた。印字比率5%の画像において、A4サイズの普通紙にて10万枚通紙使用した。この複写機から帯電器を取り出した。
もう1台別の複写機(imagePRESS C1+)を準備し、帯電器を上記の10万枚使用済みの帯電器と交換し、製造した電子写真感光体を装着した。温度23℃、湿度5%RHの環境下にて、印字比率5%の画像を、A4サイズの普通紙にて5000枚通紙使用した後、複写機への給電を停止し、15時間休止させた。15時間後に再び複写機に給電を開始し、A3サイズの普通紙、シアン単色にて、1ドット桂馬パターンのハーフトーン画像の出力を行った。ハーフトーンの濃度は、分光濃度計X−rite504(X−rite社製)にて0.85となるように光量を設定した。このハーフトーン画像について、X−Riteにて帯電器に対向していた部分と、帯電器に対向していない部分の濃度を測定した。その濃度の差を表2に示す。本発明において、濃度の差が0.1未満であれば、本発明の効果が得られていると判断した。一方、0.1以上は本発明の効果が得られていないと判断した。
(露光部と非露光部の濃度差の評価)
露光部と非露光部の濃度差の評価を次のようにして行った。評価装置としては、キヤノン(株)の複写機 imagePRESS C1+を用いた。製造した電子写真感光体を複写機に装着した。温度23℃、湿度5%RHの環境下で、A3サイズの普通紙、シアン単色にて、2つある除電光のうち、クリーニング前露光を発光させずに、露光部と非露光部の濃度差評価用画像(図3に示すように、画像の先頭部に、白地(白画像)中に四角のベタ画像を出した後、1ドット桂馬パターンのハーフトーンを組み合わせた画像を作製。露光部と非露光部の濃度差が発生する場合、ハーフトーン部分のベタ画像からドラム1周分後に相当する部分に、ベタ画像のパターンに相当する濃度の薄い部分が生じる。)で出力した。ハーフトーンの濃度は、X−Riteにて0.85となるように光量を設定した。得られた画像のハーフトーン部分のうち、ドラム1周前が白ベタ部、黒ベタ部であった部分の濃度をX−riteで測定した。露光部と非露光部の濃度差を表2に示す。本発明において、露光部と非露光部の濃度差が−0.1よりも大きく0.0以下であれば、本発明の効果が得られていると判断した。一方、−0.1以下は本発明の効果が得られていないと判断した。
Figure 2012163758
101 支持体
102 中間層
103 電荷発生層
104 電荷輸送層
105 保護層
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 一次転写手段
7 中間転写体
8 二次転写手段
9 転写材
10 クリーニング手段
11 前露光手段
12 前露光光

Claims (3)

  1. 放電を伴う帯電方式によって電子写真感光体を帯電させる帯電手段を有する電子写真装置において、
    該電子写真装置に用いられる電子写真感光体が、支持体、支持体上に形成された電荷発生層、該電荷発生層上に形成された電荷輸送層を有し、該電荷発生層と該電荷発生層よりも電子写真感光体表面側に位置する層のうち、少なくとも1層以上の層に、下記式(1)で示される構造を有する化合物を含有することを特徴とする電子写真装置。
    Figure 2012163758

    (式(1)中、Xは、酸素原子、または硫黄原子を示す。RおよびRは、それぞれ独立に、炭素数が1から3のアルキル基を示す。ArおよびArは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアリール基を示す。ただし、該アリール基が有してもよい置換基は、カルボキシル基、シアノ基、置換もしくは無置換のアミノ基、水酸基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアルキル基、ニトロ基、または、ハロゲン原子である。)
  2. 前記電子写真感光体が、前記電荷輸送層上に形成された保護層を有し、前記電荷輸送層、および該保護層の少なくとも一方の層が前記式(1)で示される構造を有する化合物を含有する請求項1に記載の電子写真装置。
  3. 前記式(1)中のRおよびRが同一の基であり、ArおよびArが同一の基である請求項1または2に記載の電子写真装置。
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