JP2012162489A - 毛穴目立ち改善用化粧料及び毛穴目立ち改善剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 腐植土抽出物を有効成分とする毛穴目立ち改善用化粧料;腐植土抽出物を有効成分とする毛穴目立ち改善剤;前記腐植土抽出物が、水及びアルコール類から選ばれる1種以上のもので得られるものが好適である;前記腐植土抽出物が、水溶液としたときにフミン質を100mg/L以上含有するものが好適である;前記腐植土抽出物の配合量が、固形分濃度として0.0001〜0.1質量%であるのが好適である。
【選択図】なし
Description
また、毛穴を目立たなくさせるために、ヒバマタ等天然由来の多糖(特許文献1参照)や炭素数8〜32のアルキル基を有するリン酸化グリセリルエーテル誘導体(特許文献2参照)、活性型ビタミンD3又はその誘導体を有効成分とする毛穴目立ち改善剤と、活性型ビタミンD3又はその誘導体を有効成分とする毛穴収縮剤(特許文献3参照)などさまざまな毛穴目立ち改善剤などが提案されているが、消費者のニーズが多様化しているため、そのニーズに応じた毛穴目立ち改善剤が求められている。
この腐植土の水抽出物製造法に関する技術が知られている(特許文献4及び特許文献5参照)。また、腐植土抽出液には、殺菌の効用や毛髪の損傷低減の効用が知られている(特許文献6及び特許文献7参照)。しかしながら、腐植土抽出物の効用は、未だ不明な点が多い。
〔1〕腐植土抽出物を有効成分とする毛穴目立ち改善用化粧料。
〔2〕腐植土抽出物を有効成分とする毛穴目立ち改善剤。
〔3〕前記腐植土抽出物が、水及び水溶性溶媒、好ましくは水及びアルコール類から選ばれる1種以上のもので得られるものが好適である。
〔4〕前記腐植土抽出物が、水溶液としたときにフミン質を100mg/L以上含有するものであるのが好適である。
〔5〕前記腐植土抽出物の配合量が、固形分濃度として0.0001〜0.1質量%であるのが好適である。
この腐植土の腐植の程度も特に限定されないが、腐植が進行し、高分子有機化合物であるフルボ酸やフミン酸が含まれるものが好ましい。
斯様にして得られた腐植土抽出物は、必要に応じて、希釈、濃縮や乾燥を行ったり、また不純物除去等のため分離や精製等を行ってもよい。
前記腐植土抽出物の形態としては、特に限定されず、例えば、固体状、半固体状や液状が挙げられる。具体的には、例えば、溶液、懸濁液、濃縮液、エマルジョン、スラリー、粉末、顆粒及び固形などの状態が挙げられる。
また、前記分離手段としては、特に限定されないが、例えば、ろ過分離手段や遠心分離手段などが挙げられる。これらを単独で又は組み合わせて使用してもよい。
ろ過分離手段としては、自然ろ過、減圧ろ過及び加圧ろ過などが挙げられる。このとき、セルロースフィルター、ガラス繊維フィルター、メンブランフィルターなどのろ材を用い、必要に応じてセライト、砂利及び活性炭などのろ過助剤を用いる。孔径は特に限定されないが、例えば0.1〜1μmが好適である。これらを適宜組み合わせてもよい。
また、抽出に先立って行う腐植土の乾燥や前処理の有無及び方法に特に限定はなく、また腐植土と溶媒との割合、抽出時間などといった抽出手段に特に限定はない。
前記アルコール類のうち、例えば、エタノール及び1,3−ブチレングリコールなどの炭素数1〜5の低級アルコール類が好ましく、このうち低級一価アルコール類が好ましく、このうち更にエタノールが好ましい。
このときの腐植土と抽出溶媒との混合攪拌は、特に限定されないが、例えば、0.5〜48時間程度行えばよい。これにより腐植土と抽出溶媒が接触し、有効成分を抽出しやすくなる。また、連続又は不連続に混合攪拌を行えばよい。
例えば、混合撹拌した後、更に一定期間混合攪拌する若しくは一定期間混合攪拌後放置するか、又は放置して熟成させるのが、抽出効率の点で、好適である。混合攪拌後に放置することで腐植土が沈降し、分離の際に有利であるため、好ましい。
例えば、前記抽出期間内(例えば1日〜3年間)、連続又は不連続に混合攪拌を行う;1〜24時間混合攪拌後、1〜60日間(好適には20〜40日間)放置する;1〜24時間混合攪拌後、引き続き1〜20日間(好適には3〜9日間)混合攪拌した後、1日〜3年間(好適には6ヶ月〜2年間)放置するなどが挙げられる。
ここで、フミン質(腐植質)とは、例えば、植物成分などが土壌中に分解、縮合して生成する高分子物質を指す。ここで、フミン質は、鉱泉試験法の腐植質測定法記載の方法で測定した場合の値である。
前記腐植土抽出物には、固形分濃度0.5質量%水溶液換算したときに、フルボ酸が、好ましくは1〜20mg/L、より好ましくは5〜15mg/L、更に好ましくは5〜13mg/L、より更に好ましくは8〜13mg/L含まれているのが好適である。
このときのフミン酸:フルボ酸の混合割合は、特に限定されないが、好ましくは1:10〜10:1とするのが好適である。
また、フルボ酸とは、植物などが微生物により分解される最終生成物である腐植物質のうち、酸によって沈殿しない無定形高分子有機酸を指すものであり、重金属などを吸着、放出するキレート作用をもつものである。
また、フミン酸及びフルボ酸の定量方法は、「Soil Science Plant Nutrition, 38巻, 23-30頁(Kuwatsuka A et al. 1992); Soil Science Plant Nutrition, 40巻, 601-608頁(Watanabe A. et al. 1994);Humic Substances Reseacrh, 1巻, 18-28頁(Watanabe A. et al. 2004)」等の参考文献に従って行えばよい。
前記pH調整剤としては、通常使用されるものであれば特に限定されないが、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、炭酸、リン酸などの無機酸類;クエン酸、酢酸、乳酸、コハク酸、グリコール酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、フマル酸、酒石酸、尿素、ε−アミノカプロン酸、ピロリドンカルボン酸などの有機酸類;グリシンベタイン、リジンベタインなどのベタイン類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどの金属水酸化物(アルカリ金属水酸化物及びアルカリ土類金属水酸化物など)などの無機アルカリ類;グアニジン、2−アミノ−2−メチルプロパンなどの有機アミン類;アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミンなどのアルカノールアミン;アルギニン、リジンなどの塩基性アミノ酸など、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
従って、前記腐植土抽出物は、毛穴目立ち改善や皮膚表面のなめらかさ向上などのための、化粧料、皮膚外用剤、医薬部外品及び医薬品などに配合するための素材又は製剤として有用である。
前記化粧料や前記皮膚外用剤の使用形態は、例えば、乳液、クリーム、化粧水、美容液、パック、洗浄料、メーキャップ化粧料、育毛料、シャンプー、コンディショナーなどの化粧料;また、分散液、軟膏、液剤、エアゾール、貼付剤、パップ剤、リニメント剤などの皮膚外用剤(外用医薬品)であってもよい。
また、前記製剤のpH(25℃)は、好ましくは、酸性〜中性領域であり、より好ましくは2〜7、更に好ましくは3〜7とするのが、効用の点で好適である。このようなpHにて肌に使用するのが、好適である。
地中(九州地方海岸付近土壌)から採取した腐食土壌を乾燥させた後、微粉砕した。この粉砕物5kgと、精製水20リットルを2時間混合攪拌し、更に常温(10〜30℃程度)で7日間撹拌し、20日間静置した。静置後、メンブランフィルター(孔径0.45μm)を用いてろ過し、腐植土抽出物(原液)を得た。このときのpH(20℃)は3.0であった。また、この乾燥固形分(固形分濃度)は0.4質量%であった。
この原液に含まれるフミン質の総量は520mg/L(乾燥固形分5g/水1Lの水溶液換算としたとき、650mg/L)であり、フミン酸及びフルボ酸の含有量は、それぞれ6mg/L及び10mg/L(乾燥固形分5g/水1Lの水溶液換算としたとき、それぞれ7.5mg/L及び12.5mg/L)であった。この水溶液を、製造例1の腐植土抽出物とした。
地中(長崎県水田)から採取した腐食土壌を乾燥させた後、微粉砕した。この粉砕物5kgと、20%(v/v)エタノール含有のエタノール水溶液20リットルを2時間混合攪拌し、更に冷暗所(4℃程度)にて20日静置して、熟成させた。静置後、メンブランフィルター(孔径0.3μm)を用いてろ過し、腐食土抽出物(原液)を得た。このときのpH(20℃)は2.6であった。また、この乾燥固形分(固形分濃度)は0.5質量%であった。
この原液に含まれるフミン質の総量は350mg/L(乾燥固形分5g/水1Lの水溶液換算としたとき、350mg/L)、フミン酸及びフルボ酸の含有率は、それぞれ5mg/L及び8.5mg/L(乾燥固形分5g/水1Lの水溶液換算としたとき、それぞれ5mg/L及び8.5mg/L)であった。この水溶液を、製造例2の腐植土抽出物とした。
以下の製法1により、実施例1のゲル製剤を調製し、また処方1を含有しない比較例1のゲル製剤を調製した。なお、処方1は、製造例1で得られた原液を使用した。このとき、KOHを用いて、実施例1及び比較例1のpHを同じに調整した。
A.処方1〜5と処方7の一部を均一に混合溶解する。
B.Aに、処方6を加えpHを6.8に調整する。
C.Bに、処方7の残量を加え、ゲルを調整する。
毛穴の目立ちを気にしているパネル7人の各人に、左右頬部の一方に実施例1のゲル製剤を、他方に腐食土水抽出液を含有していない比較例1のゲル製剤を、1日に2回、3週間塗布した。使用前後に顔画像を撮影し、左右頬部の約4×4cmを特定、画像解析により2値化したときの黒い部分の総面積及び個数を算出し、毛穴総面積及び毛穴総個数として、パネル全員の平均値を求めた。試験前を100%として3週間後の結果を表2にまとめた。
以下の製法2により、実施例2〜5の化粧水を調製し、また処方1を含有しない比較例2の化粧水を調製した。なお、処方1は、製造例1で得られた原液を使用した。
A.処方1〜6を混合溶解する。
B.処方7〜9を混合溶解する。
C.AにBを混合し化粧水を得た。
毛穴の目立ちを気にしているパネル5人の各人に、左右頬部の一方に上記調製した腐植土抽出液を配合した実施例2の化粧水を、他方に腐食土抽出液を配合していない比較例2の化粧水を、1日に2回、2週間塗布してもらった。使用前後に顔画像を撮影し、左右頬部の約4×4cmを特定、画像解析により2値化したときの黒い部分の総面積及び個数を算出し、毛穴総面積及び毛穴総個数として、パネル全員の平均値を求めた。また、実施例3〜5の化粧水についても同様にして行った。試験前を100%として3週間後の結果を表3にまとめた。なお、比較例2は、総計の平均値を示した。
化粧水の評価1を実施したパネルに対して、毛穴の目立ち、皮膚表面のなめらかさを以下の4段階で目視判定し、平均値を求めた。
1:毛穴が目立たない
2:毛穴がやや目立つ
3:毛穴が目立つ
4:毛穴が非常に目立つ
1:皮膚表面が非常になめらかである
2:皮膚表面がややなめらかである
3:皮膚表面がやや粗く、ややなめらかでない
4:皮膚表面が粗く、なめらかでない
結果から、比較用製剤塗布に較べ、腐植土抽出物を配合した製剤を塗布することにより、毛穴面積の減少効果がより高いことが確認され、毛穴の目立ちを軽減する効果を奏することが理解できる。
(成分) (質量%)
1 モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン 1.0
2 トリオレイン酸ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン 0.5
3 グリセリルモノステアレート 1.0
4 ステアリン酸 0.5
5 ベヘニルアルコール 0.5
6 スクワラン 8.0
7 カルボキシビニルポリマー 0.1
8 パラオキシ安息香酸メチル 0.1
9 水酸化ナトリウム 0.05
10 エタノール 5.0
11 製造例2の腐植土抽出物 5
12 精製水 残量
13 香料 0.05
A:上記例3の成分12に成分7〜9を加えて70℃で均一に混合する。
B:成分1〜6を70℃で均一に混合する。
C:AにBを加えて乳化し、室温まで冷却する。
D:Cに成分10、11、13をそれぞれ加えて均一に混合し、乳液を得た。
(成分) (質量%)
1 アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合(注1) 0.5
2 トリエタノールアミン 1.5
3 精製水 残量
4 グリセリン 5
5 パラオキシ安息香酸エチル 0.1
6 1,3ブチレングリコール 5
7 水素添加大豆リン脂質 0.5
8 酸化チタン 5
9 ベンガラ 0.1
10 黄酸化鉄 1
11 黒酸化鉄 0.05
12 ステアリン酸 0.9
13 モノステアリン酸グリセリン 0.3
14 セトステアリルアルコール 0.4
15 モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン 0.2
16 トリオレイン酸ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン 0.2
17 パラメトキシケイ皮酸2―エチルヘキシル 5
18 製造例2の腐植土抽出物 1
19 香料 0.02
(注1)ペミュレンTR−2(NOVEON社製)
A:上記例4の成分6〜11を分散する。
B:Aに成分12〜17を加え70℃で均一に混合する。
C:成分1〜5を70℃で均一に混合する。
D:CにBを加え乳化し、室温まで冷却する。
E:Dに成分18、19を添加し均一に混合して水中油型クリーム状リキッドファンデーションを得た。
(成分) (質量%)
1 モノラウリン酸ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン 0.2
2 POE(60)硬化ヒマシ油 0.1
3 精製水 残量
4 製造例2の腐植土抽出物 5
5 ジプロピレングリコール 10
6 硫酸マグネシウム 0.5
7 シリコーン化合物(注2) 3
8 デカメチルシクロペンタシロキサン 20
9 イソノナン酸イソトリデシル 5
10 パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 8
11 グリチルレチン酸ステアリル 0.5
12 ジメチルステアリルアンモニウムヘクトライト 1.2
(注2)KF−6028(信越化学工業社製)
A:上記例5の成分1〜6を均一に分散する。
B:成分7〜12を均一に分散する。
C:Bを攪拌しながら徐々にAを加えて乳化し、油中水型クリーム状日焼け止め化粧料を得た。
Claims (6)
- 腐植土抽出物を有効成分とする毛穴目立ち改善用化粧料。
- 腐植土抽出物を有効成分とする毛穴目立ち改善剤。
- 毛穴目立ち改善用化粧料である請求項2記載の毛穴目立ち改善剤。
- 前記腐植土抽出物が、水及びアルコール類から選ばれる1種以上のもので抽出して得られるものある請求項2又は3記載の毛穴目立ち改善剤。
- 前記腐植土抽出物が、水溶液としたときにフミン質を100mg/L以上含有するものである請求項2〜4の何れか1項記載の毛穴目立ち改善剤。
- 前記腐植土抽出物の配合量が、固形分濃度として0.0001〜0.1質量%である請求項2〜5の何れか1項記載の毛穴目立ち改善剤。
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