JP6721368B2 - 水中油型乳化組成物 - Google Patents

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Description

乳化組成物は、水性、油性の両成分を含有する付加価値の高い製剤として有用である。なかでも水中油型乳化組成物は、外相が水性であることから、みずみずしい使用感であり、また、種々の効能、効果を期待して様々な成分が含有されるものである。
美容成分のひとつに腐植土抽出物がある。これは地上植物、大型・微細藻類などの植物(広義)や魚介類及びその他無機物が、海、沼、池や湖の底部に堆積したものやこれが地表に隆起したもの、また森林の地表部に堆積したもの等のように植物(広義)などやこれを含む堆積物が、長い年月の間に嫌気性微生物等により分解、有機化を受けたものであり、この腐植土の水抽出物製造法に関する技術が知られている(特許文献1及び特許文献2参照)。また、この腐植土抽出液には、殺菌の効用や毛髪の損傷低減の効用などが知られている(特許文献3及び特許文献4参照)が、未だ不明な点が多い。
このように腐植土抽出物は、多様な成分が混在されたものであり、化粧水・乳液などの製剤に含有すること自体は可能ではあるものの、経時での沈殿が生じやすく安定性の確保に課題があることが分かってきた。
すなわち、水中油型乳化組成物に腐植土抽出物を含有した際には、経時での析出物の発生や高温でのクリーミングといった製剤の安定性ならびにべたつきといった製剤の使用感に影響を与えてしまうことがあり、これらを同時に解決することは困難であった。
特開2000−136140号公報 特開2006−181460号公報 特開2003−267821号公報 特開2010−270063号公報
また、腐植土抽出物を含有した水中油型乳化組成物は高温で保管すると乳化物のクリーミングを生じやすいことが確認され、長期安定化に優れる製剤化技術が必要であった。
更に、腐植土抽出物に含まれるフミン質が会合して溶解しにくくなると沈殿の発生ならびにべたつきが発生し使用感が損なわれるという課題があった。そのため、腐植土抽出物を含有しても、経時での析出物の発生や高温でのクリーミングといった製剤の安定性ならびにべたつきといった製剤の使用感を損なうことのない組成物を提供することが課題であった。
本発明者は、このような事情に鑑み、腐植土抽出物を、水中油型乳化組成物に安定含有させるために、乳化界面の安定化が重要であると考え、種々の親水性界面活性剤を検討した結果、アシルメチルタウリン塩や、アシルグルタミン酸塩が特にその効果が高いという知見を得た。そして乳化安定性をさらに向上させるべく、さらなる含有成分の検討をしたところ、分岐構造を有する25℃で液状の油を組み合わせることにより、沈殿の析出が防止され、かつ製剤の使用感、安定性を兼ね備えた水中油型乳化組成物を実現できることを見出した。そしてさらに詳細に検討した結果、グリセリン脂肪酸エステル又はポリグリセリン脂肪酸エステルをさらに含有させることにより、より良好な安定性が得られることを見出し、これらの知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、次の成分(a)〜(c);
(a)腐植土抽出物
(b)アシルメチルタウリン塩又はアシルグルタミン酸塩から選ばれる少なくとも一種
(c)分岐構造を有する25℃で液状の油
を含有すること水中油型乳化組成物を提供するものである。
前記成分(a)と成分(b)の含有質量割合(a)/(b)が、0.0001〜0.04の範囲にある水中油型乳化組成物を提供するものである。
さらに成分(d)として、グリセリン脂肪酸エステル又はポリグリセリン脂肪酸エステルを含有する水中油型乳化組成物を提供するものである。
前記成分(c)の分子量が300〜500かつIOB値が0.05〜0.50の範囲である水中油型乳化組成物を提供するものである。
前記成分(c)が、炭素数4〜18の脂肪酸と、炭素数4〜18のアルコールとのエステルである水中油型乳化組成物を提供するものである。
本発明は、経時での析出物の発生や高温でのクリーミングといった製剤の安定性ならびにべたつきといった製剤の使用感を損なうことなく良好な水中油型乳化組成物を提供することができる。
以下、本発明について詳述する。なお、本明細書においては、〜を用いて数値範囲を表す際は、その範囲は両端の数値を含むものとする。
本発明に用いられる成分(a)は、腐植土抽出物である。ここで腐植土とは、地上植物、大型・微細藻類などの植物(広義)や魚介類及びその他無機物が、海、沼、池や湖の底部に堆積したものやこれが地表に隆起したもの、また森林の地表部に堆積したもの等のように植物(広義)などやこれを含む堆積物が、長い年月の間に嫌気性微生物等により分解、有機化を受けたものである。腐植土抽出物は、抽出手段にて腐植土を抽出溶媒に接触させて、収斂に作用効果のある成分を得、これを回収することによって得られる。更に、不要物除去や除菌のため、ろ過手段を行うのが好ましい。斯様にして得られた腐植土抽出物は、必要に応じて、希釈、濃縮や乾燥を行ったり、また不純物除去等のため分離や精製等を行ってもよい。前記腐植土抽出物の形態としては、特に限定されず、例えば、固体状、半固体状や液状が挙げられる。具体的には、例えば、溶液、懸濁液、濃縮液、エマルジョン、スラリー、粉末、顆粒及び固形などの状態が挙げられる。
本発明で使用する腐植土抽出物の腐植土は、産地、状態を問わずいずれのものも使用することができる。具体的には、この腐植土として、例えば、森林、河川、湖沼、海洋などを起源とするものを使用することが可能であり、この腐植土とは、そこで生息していた地上植物、大型・微細藻類などの植物(広義)などやこれを含む堆積物が、嫌気性微生物などにより分解、合成、有機化を受けたものである。このうち、海洋でできた堆積物を起源とする腐植土、より好ましくは海洋でできた堆積物が隆起してなったような日本列島由来の腐植土であり、更に九州由来の腐植土が好ましい。この腐植土の腐植の程度も特に限定されないが、腐植が進行し、高分子有機化合物であるフルボ酸やフミン酸が含まれるものが好ましい。好適な腐植土抽出物を製造する方法の一例として、前記腐植土に、抽出溶媒を加えて混合攪拌後、有効成分を分離することなどによって腐植土抽出物を得ることなどが挙げられる。
前記抽出手段としては、固液抽出、液液抽出、浸漬、煎出、浸出、還流抽出、超臨界流体抽出、超音波抽出、マイクロ波抽出、混合攪拌等が挙げられる。これらを適宜組み合わせてもよい。また、前記分離手段としては、特に限定されないが、例えば、ろ過分離手段や遠心分離手段などが挙げられる。これらを単独で又は組み合わせて使用してもよい。ろ過分離手段としては、自然ろ過、減圧ろ過及び加圧ろ過などが挙げられる。このとき、セルロースフィルター、ガラス繊維フィルター、メンブランフィルターなどのろ材を用い、必要に応じてセライト、砂利及び活性炭などのろ過助剤を用いる。孔径は特に限定されないが、例えば0.1〜1μmが好ましい。これらを適宜組み合わせてもよい。
また、抽出に先立って行う腐植土の乾燥や前処理の有無及び方法に特に限定はなく、また腐植土と溶媒との割合、抽出時間などといった抽出手段に特に限定はない。
前記抽出溶媒としては、特に限定されず、極性溶媒又は非極性溶媒の何れも使用してもよい。この抽出溶媒としては、例えば、水(温泉水、海洋深層水などのミネラル分を含む水や精製水等);直鎖、分岐鎖又は環状のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどの鎖状及び環状エーテル類;ポリエチレングリコールなどのポリエーテル類;スクワラン、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテルなどの炭化水素類;トルエンなどの芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;及び超臨界二酸化炭素などが挙げられる。なお、これらは単独で又は2種以上組み合わせた混合溶媒として使用してもよい。また、有機溶媒は水溶性のものが好ましい。
前記抽出溶媒のうち、水、アルコール類、ケトン類及び超臨界二酸化炭素から選ばれる1種以上のものが好ましい。それらのうちでも、水及びアルコール類から選ばれる1種以上のものが好ましく、例えば、水、アルコール類及び水とアルコール類との混液が挙げられる。
ここで、前記アルコール類は、一価又は多価アルコール類の何れでもよく、一価アルコル類としては、例えば、メタノール、エタノール及びプロパノールなどが挙げられ、多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、グリセリン、ジグリセリン及びジプロピレングリコールなどが挙げられる。前記アルコール類のうち、例えば、エタノール及び1,3−ブチレングリコールなどの炭素数1〜5の低級アルコール類が好ましく、このうち低級一価アルコール類が好ましく、このうち更にエタノールが好ましい。
このうち、更に、水及び水アルコール類混液が好適である。具体的には、アルコール類を0〜90容量%含む水溶液が好適であり、好ましくは0〜70容量%、より好ましくは0〜50容量%、更に好ましくは0〜20容量%を含む水溶液が好ましい。
前記溶媒の使用量は、特に限定されないが、例えば、腐植土(乾燥状態)100kgに対して、100〜1000Lとするのが好ましく、200〜600Lとするのがより好ましく、腐植土成分の抽出効率及び作業効率の点で好ましい。
前記抽出期間は、特に限定されないが、好ましくは1日〜3年間、より好ましくは10〜180日間とする。このときの腐植土と抽出溶媒との混合攪拌は、特に限定されないが、例えば、0.5〜48時間程度行えばよい。これにより腐植土と抽出溶媒が接触し、有効成分を抽出しやすくなる。また、連続又は不連続に混合攪拌を行えばよい。
例えば、混合撹拌した後、更に一定期間混合攪拌する若しくは一定期間混合攪拌後放置するか、又は放置して熟成させるのが、抽出効率の点で好ましい。混合攪拌後に放置することで腐植土が沈降し、分離の際に有利であるため好ましい。例えば、前記抽出期間内(例えば1日〜3年間)、連続又は不連続に混合攪拌を行う;1〜24時間混合攪拌後、1〜60日間(好適には20〜40日間)放置する;1〜24時間混合攪拌後、引き続き1〜20日間(好適には3〜9日間)混合攪拌した後、1日〜3年間(好適には6ヶ月〜2年間)放置するなどが挙げられる。
前記抽出温度は、特に限定されず、好ましくは低温〜高温(例えば、0〜100℃程度)、より好ましくは低温(例えば、0〜9℃程度)〜常温(例えば、10〜40℃程度)とするのが、腐植土を熱変性させないために好ましい。
なお抽出に先立って行う腐植土の乾燥としては、天日乾燥、自然乾燥、風乾燥、熱乾燥、凍結乾燥などが挙げられ、腐植土が熱変性しない乾燥であれば好ましい。このとき、腐植土が微粉砕できる程度に乾燥するのが望ましく、粉砕することによって腐植土の抽出効率が向上するので好ましい。
前記腐植土抽出物には、フルボ酸、フミン酸などの腐植土壌特有の構成物質(フミン質など)や、脂肪酸、有機酸、アミノ酸、タンパク質、ミネラルなどが含まれている。なお、腐植土抽出物は、除菌用フィルターを用いてろ過されているものが、腐植土が熱変性されず、また不溶性物質などが除去されているので好ましい。
前記腐植土抽出物には、固形分濃度0.5質量%水溶液換算したときに、フミン質が、少なくとも100mg/L以上、好ましくは100〜1000mg/L、より好ましくは200〜700mg/L、更に350〜650mg/L含まれているのが好ましい。ここで、フミン質(腐植質)とは、例えば、植物成分などが土壌中に分解、縮合して生成する高分子物質を指す。ここで、フミン質は、鉱泉試験法(衛生試験法・注解2002、日本薬学会)の腐植質測定法記載の方法で測定した場合の値である。試験法詳細は、下記のとおりである。
試料VmL(腐植質として約20mg以上含む。)を正確にとり、孔径0.45μmメンブランフィルター(あらかじめデシケーター(シリカゲル)で乾燥し、秤量しておく。)を用いて吸引ろ過し、少量の水で洗浄した後、ろ液および洗浄液を合わせ、HCl10mLを加えてよくかき混ぜ、一昼夜放置する。これをメンブランフィルターでろ過する。ろ過に際しては、上清をまず静かに吸引ろ過し、最後に沈殿部を追加する。ろ過し終わったら沈殿を水でよく洗う。ろ液はいくらか着色しているのが普通である。フルボ酸が多いときは着色が著しい。ろ過後、フィルター部分をはがして、パラフィン紙に包んでデシケーター(シリカゲル)中で恒量になるまで乾燥する(一昼夜放置)。メンブランフィルターの重量を差し引いて腐植質の量を求め、試料中の含量を計算する。腐植質は灰分を含むので、メンブランフィルターをるつぼに移し、少量のメチルアルコールを加えて燃やし、さらに灰化して灰分を求め、先の重量から差し引く。
フミン質(腐植質)(mg/L)=((A−B)−C)/D×100

A:フィルター部分の重量(mg)
B:メンブランフィルターの重量(mg)
C:灰分の重量(mg)
D:試料採取量(ml)
ここで、フルボ酸とは、植物などが微生物により分解される最終生成物である腐植物質のうち、酸によって沈殿しない無定形高分子有機酸を指すものであり、重金属などを吸着、放出するキレート作用をもつものである。また、フミン酸は、腐植物質のうちアルカリ可溶であり、酸性領域において沈殿するものを指す。詳細な化学構造は不明であるが、多価フェノール形の芳香族化合物と含チッ素化合物との縮合物であり、フェノール性水酸基およびカルボキシル基を有するとされている。
前記腐植土抽出物には、固形分濃度0.5質量%水溶液換算したときに、フルボ酸が、好ましくは1〜20mg/L、より好ましくは5〜15mg/L、更に好ましくは5〜13mg/L、より更に好ましくは8〜13mg/L含まれているのが好ましい。同様に、前記腐植土抽出物には、固形分濃度0.5質量%水溶液換算したときに、フミン酸が、好ましくは0.1〜15mg/L、より好ましくは1〜10mg/L、更に好ましくは2〜8mg/L、より更に好ましくは5〜8mg/L含まれているのが好ましい。
このときのフルボ酸:フミン酸の混合割合は、特に限定されないが、好ましくは1:10〜10:1とするのが好ましく、さらに1:8〜8:1が好ましい。フミン酸およびフルボ酸の定量方法は、「Soil Science and Plant Nutrition, 38巻, 23-30頁(Kuwatsuka S et al. 1992); Soil Science and Plant Nutrition, 40巻, 601-608頁(Watanabe A. et al. 1994);Humic Substances Research, 1巻, 18-28頁(Watanabe A. et al. 2004)」等の参考文献に従って行えばよい。測定法により定量値が異なる場合は、フルボ酸の定量値がより高い測定法を採用することが好ましい。
前記腐植土抽出物の含有量は、特に限定されないが、沈殿の発生及びべたつき抑制の観点から、化粧料全量中、固形分濃度として0.0001〜1質量%(以下、質量%は単に、「%」と略す)、好ましくは0.0001〜0.1%とするのが効用の点で好ましい。
本発明に用いられる成分(b)のアシルメチルタウリン塩又はアシルグルタミン酸塩は、アニオン性界面活性剤である。本発明においては、製剤のクリーミング抑制効果を有すると共に、前記腐植土抽出物に含有されるフミン質の分散を助け、析出物の発生を抑制することができる。本発明で用いられる成分(b)のアシルメチルタウリン塩又はアシルグルタミン酸塩としては、特に制限はなく、通常の化粧料に用いられるアシルメチルタウリン塩又はアシルグルタミン酸塩を任意に用いることができる。
ここでアシルとしては、長鎖脂肪酸由来のものであり、この脂肪酸の炭素原子数としては、特に限定されるものではないが、概ね炭素原子数8〜22のものであり、より好ましくは12〜18のものである。また脂肪酸は、飽和又は不飽和脂肪酸より誘導される直鎖又は分岐鎖のものを使用できる。より具体的には、例えば脂肪酸としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、ベヘン酸、ヤシ油脂肪酸、パーム脂肪酸等が挙げられる。これらのうち一種類を使用しても良いし、上記群から選ばれる二種以上を混合して使用しても構わない。特に安定化の観点から、ステアリン酸、ミリスチン酸が好ましい。
より具体的に例示するなら、例えば、アシルメチルタウリン塩としては、N−ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウム、N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリッドナトリウム、ラウリルメチルタウリッドナトリウム等が挙げられ、より好ましくはN−ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウムであり、アシルグルタミン酸塩としては、N−ラウロイル−L−グルタミン酸カリウム塩、N−ミリストイル−L−グルタミン酸カリウム塩、N−ステアロイル−L−グルタミン酸アルギニン塩、N−ステアロイル−L−グルタミン酸カリウム塩、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム塩等が挙げられ、より好ましくはN−ステアロイル−L−グルタミン酸カリウム塩である。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また成分(b)は、塩の形態であるが、対イオンが存在していればよく、あらかじめアルカリで中和してあるものであってもよく、さらには、製造工程中において、アルカリを加えることにより、中和された塩の形態とすることも可能である。なお、中和率は特に限定されるものではなく、一部に酸の形態を含んでいてもよいが、中和率としては80%以上であることが好ましく、90%以上がより好ましく、そしてさらに好ましくは95%以上であり、最も好ましいものは99%以上のものである。
このような塩としては特に限定されず、例えばナトリウム、カリウム等の一価金属の塩、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛等の多価金属の塩、あるいはアンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アミンや、アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸等の有機塩が挙げられる。これらのうち、一種類を使用しても良いし、上記群から選ばれる二種以上を混合して使用しても構わない。特に安定化の観点からはナトリウム塩又はカリウム塩が好ましい。
これらの中でも、特に、N−ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸カリウム塩が製剤のクリーミング抑制効果ならびに析出物発生の抑制効果の観点からより好ましい。
本発明に用いられる成分(b)のアシルメチルタウリン塩又はアシルグルタミン酸塩の含有量は、特に限定されないが、析出物発生の抑制効果及び使用感の観点から、化粧料全量中、0.01〜2%が好ましく、0.05〜1.5%とするのがより好ましい。
なお、本発明においては、腐植土抽出物に含有されるフミン質の分散を助け、析出物の発生をより効果的に抑制し、より製剤安定性に優れた化粧料を実現するためには、成分(b)、に対する成分(a)の含有質量割合(a)/(b)が、0.0001〜0.04の範囲であることが好ましく、0.001〜0.01の範囲であれば、より好ましい。この範囲とすれば製剤中での析出物を効果的に抑制でき、製剤のクリーミングを抑制でき効果的に安定化できる。
本発明で用いられる成分(c)の分岐構造を有する25℃で液状の油とは、分子構造中の分岐鎖を有する化合物であり、本発明においては、前記腐植土抽出物に含有されるフミン質の会合を妨げ、析出物の発生を抑制することができるとともに、べたつきのない優れた使用感を付与することができる。また、本発明で用いられる成分(c)の分岐構造を有する25℃で液状の油としては、1気圧下、25℃にて流動性を有する状態の油剤であり、ペースト状の油剤を含まない。具体的には、粘度値としては、25℃で20000mPa・s以下のものを指す。本発明で用いられる成分(c)の分岐構造を有する25℃で液状の油としては、特に限定されないが、通常の化粧料に用いられる分岐液状油剤を任意に用いることができ、例えば、炭化水素油として流動イソパラフィン、スクワラン、スクワレン等が、エステル油としてコハク酸ジ2−エチルヘキシル、2−エチルヘキサン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソセチル、パルミチン酸エチルヘキシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、リノール酸イソプロピル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソステアリル、ヒドロキシステアリン酸2−エチルヘキシル、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン等が、油脂(トリグリセリド)としてトリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、植物油、動物油等が、高級アルコールとしてイソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等が、脂肪酸としてイソステアリン酸等が挙げられ、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、本発明においては、本発明で用いる成分(c)分岐構造を有する25℃で液状の油は、分子量が300〜500かつIOB値が0.05〜0.50の範囲であるものが、析出物の発生を抑制し使用感を向上する観点からより好ましく、このようなものとしては、具体的には、乳酸オクチルドデシル(MW=370、IOB=0.36)、アジピン酸ジ2−エチルヘキシル(MW=370、IOB=0.29)、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル(MW=470、IOB=0.35)、コハク酸ジ2−エチルヘキシル(MW=342、IOB=0.32)、2−エチルヘキサン酸セチル(MW=368、IOB=0.13)、イソノナン酸イソトリデシル(MW=340、IOB=0.15)等が挙げられる。
なお、IOB値とは、Inorganic/Organic Balance(無機性/有機性比)の略であって、無機性値の有機性値に対する比率を表す値であり、有機化合物の極性の度合いを示す指標となるものである。IOB値は、具体的には、「IOB値=無機性値/有機性値」として表される。ここで、「無機性値」、「有機性値」のそれぞれについては、例えば、分子中の炭素原子1個について「有機性値」が20、同水酸基1個について「無機性値」が100といったように、各種原子又は官能基に応じた「無機性値」、「有機性値」が設定されており、有機化合物中の全ての原子及び官能基の「無機性値」、「有機性値」を積算することによって、当該有機化合物のIOB値を算出することができる(例えば、藤田著、「化学の領域」第11巻、第10号、第719頁〜第725頁、1957年参照)。
さらに、本発明においては、析出物の発生をより効果的に抑制し使用感を向上する観点から成分(c)分岐構造を有する25℃で液状の油の中でも特に、炭素数4〜18の脂肪酸と、炭素数4〜18のアルコールとのエステルであることが好ましい。ここでのアルコールは、一価アルコール、二価アルコールだけでなく、三価以上のアルコールであってもよい。さらに炭素数8〜18の脂肪酸と、炭素数12〜18のアルコールとのエステルがより好ましい。このような成分(c)としては、例えば、アジピン酸ジ2−エチルヘキシル、コハク酸ジ2−エチルヘキシル、2−エチルヘキサン酸セチル、イソノナン酸イソトリデシル、イソステアリン酸イソトリデシル、イソステアリン酸イソステアリル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン等が挙げられる。
本発明で用いられる成分(c)の分岐構造を有する25℃で液状の油の含有量は、特に限定されないが、析出物の抑制効果及び使用感の観点から、化粧料全量中、0.1〜10%が好ましく、0.5〜5%とするのがより好ましい。
本発明で用いられる成分(d)のグリセリン脂肪酸エステル又はポリグリセリン脂肪酸エステルは、脂肪酸と、グリセリン又はポリグリセリンとのエステルであり、前記腐植土抽出物に含有されるフミン質の会合を妨げ、析出物の発生を抑制することができる。更に乳化界面をより強化することができるため、クリーミングの発生もより効果的に抑制できる。なお、ポリグリセリン脂肪酸エステルの構造のうち、グリセリン部分は2〜10個のグリセリンが縮合したものが好ましい。好ましいグリセリン部分の具体例としては、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ペンタグリセリン、ヘキサグリセリン、デカグリセリンなどが挙げられる。また、脂肪酸としては、特に限定されるものではないが、概ね炭素原子数8〜22のものであり、より好ましくは12〜18のものである。また脂肪酸は、飽和又は不飽和脂肪酸より誘導される直鎖又は分岐鎖のものを使用できる。より具体的には、例えば脂肪酸としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、ベヘン酸、ヤシ油脂肪酸、パーム脂肪酸等が挙げられる。脂肪酸残基としては複数の種類の脂肪酸を混合して用いても良く、飽和の合成脂肪酸、天然由来の動物脂肪酸、植物油脂由来脂肪酸等の脂肪酸混合物を用いても良い。これらのグリセリン脂肪酸エステル又はポリグリセリン脂肪酸エステルは混合物として得られることが多く、グリセリン重合度及びエステル化度の異なる成分から構成される。本発明で用いられる成分(d)のグリセリン脂肪酸エステル又はポリグリセリン脂肪酸エステルしては、特に限定されないが、通常の化粧料に用いられるものを任意に用いることができ、例えば、グリセリン脂肪酸エステルとしては、ミリスチン酸グリセリル(HLB:3.5)、ステアリン酸グリセリル(HLB:1.5〜4.0)、イソステアリン酸グリセリル(HLB:4.0)、オレイン酸グリセリル(HLB:2.5)、ジステアリン酸グリセリル(HLB:2)等が挙げられる。また、ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、ステアリン酸ポリグリセリル−2(HLB:5.0)、オレイン酸ポリグリセリル−2(HLB:5.5)、イソステアリン酸ポリグリセリル−2(HLB:5.5)、トリイソステアリン酸ポリグリセリル−2(HLB:3)、ステアリン酸ポリグリセリル−4(HLB:6)、オレイン酸ポリグリセリル−4(HLB:6.0)、トリステアリン酸ポリグリセリル−6(HLB:2.5)、ペンタステアリン酸ポリグリセリル−10(HLB:3.5)、ペンタヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル−10(HLB:3.5)、ペンタイソステアリン酸ポリグリセリル−10(HLB:3.5)、ペンタオレイン酸ポリグリセリル−10(HLB:3.5)、デカステアリン酸デカグリセリル(HLB:3.0)、モノステアリン酸デカグリセリル(HLB:12.0)、トリステアリン酸ヘキサグリセリル(HLB:7)、モノステアリン酸テトラグリセリル(HLB:6)、モノステアリン酸ヘキサグリセリル(HLB:10.5)、ジステアリン酸デカグリセリル(HLB:11.0)、モノミリスチン酸トリグリセリル(HLB:12.0)、モノラウリン酸ポリグリセリル(HLB:16.0)等が挙げられる。
なお、本発明においては、乳化界面をより強化し、析出物の発生を効果的に抑制することができると考えらる。このようなグリセリン脂肪酸エステル又はポリグリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸としては、直鎖型、分岐型、飽和、不飽和のいずれでもよいが、炭素数12〜22の直鎖飽和脂肪酸が特に好ましい。例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等が挙げられる。
さらに、本発明においては、析出物の発生をより効果的に抑制し、製剤の安定性ならびに使用感をより向上する観点からグリセリン脂肪酸エステル又はポリグリセリン脂肪酸エステルは親油性であることが好ましく、HLBが7以下であるものがより好ましい。
ここで、HLBは、次式で求められる。
(Griffinの式): HLB値=20(1−S/A)
S:ケン化価、A:脂肪酸の中和価
親油性を有するグリセリン脂肪酸エステル又はポリグリセリン脂肪酸エステルとして、具体的には、グリセリン脂肪酸エステルとしては、ミリスチン酸グリセリル(HLB:3.5)、ステアリン酸グリセリル(HLB:1.5〜4.0)、イソステアリン酸グリセリル(HLB:4.0)、オレイン酸グリセリル(HLB:2.5)、ジステアリン酸グリセリル(HLB:2)等が挙げられる。また、ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、ステアリン酸ポリグリセリル−2(HLB:5.0)、オレイン酸ポリグリセリル−2(HLB:5.5)、イソステアリン酸ポリグリセリル−2(HLB:5.5)、トリイソステアリン酸ポリグリセリル−2(HLB:3)、ステアリン酸ポリグリセリル−4(HLB:6)、オレイン酸ポリグリセリル−4(HLB:6.0)、トリステアリン酸ポリグリセリル−6(HLB:2.5)、ペンタステアリン酸ポリグリセリル−10(HLB:3.5)、ペンタヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル−10(HLB:3.5)、ペンタイソステアリン酸ポリグリセリル−10(HLB:3.5)、ペンタオレイン酸ポリグリセリル−10(HLB:3.5)、デカステアリン酸デカグリセリル(HLB:3.0)、トリステアリン酸ヘキサグリセリル(HLB:7)、モノステアリン酸テトラグリセリル(HLB:6)等が挙げられ、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明で用いられる成分(d)のグリセリン脂肪酸エステル又はポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量は、特に限定されないが、沈殿析出の抑制効果及び製剤の安定性ならびに使用感をより向上する観点から、化粧料全量中、0.1〜2%が好ましく、0.3〜1%とするのがより好ましい。
本発明の水中油型乳化組成物の25℃におけるpHは、特に限定されないが、析出物の発生抑制ならびに製剤の安定性の観点から、pH4〜8が好ましく、pH5〜7がより好ましい。pHは最終的な組成物のpHが前記範囲になるよう、適宜pH調整剤を添加して調整する。pH調整剤としては、特に限定されず、例えば乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、dl−リンゴ酸等の酸物質、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン等のアルカリ物質が挙げられ、1種または2種以上を用いることができる。また、調整方法も特に限定されず、化粧料を製造する工程の腐植土抽出物を含有している水相や腐植土抽出物を添加した後に添加する水相に溶解しても良いし、事前に水相に溶解せずに化粧料に直接添加しても良い。また、化粧料を製造した後に、pHを確認しながら添加しても良い。
本発明においては、上記必須成分のほかに、本発明の効果を損なわない範囲で、通常化粧料に含有される成分として、水、アルコール類、界面活性剤、油性成分、水溶性高分子、保湿成分、紫外線吸収剤、酸化防止剤、金属キレート剤、防腐剤、粉体、色素、香料、各種薬剤等を本発明の効果を妨げない範囲で任意に含有することができる。かかる成分としては次のようなものが挙げられる。
水としては、通常化粧料製造のために用いられる水であれば特に限定されず、常水、精製水、温泉水、深層水や、ラベンダー水、ローズ水、オレンジフラワー水などの植物由来の水蒸気蒸留水などが挙げられ、1種または2種以上を用いることができる。
水溶性高分子としては、アラビアゴム、トラガカント、ガラクタン、キャロブガム、グァーガム、カチオン化グァーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、アルゲコロイド(褐藻エキス)等の植物系高分子、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カチオン化ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末等のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー(CARBOPOL(販売名)等)、アルキル変性カルボキビニルポリマー(PEMULEN(販売名)等)等のビニル系高分子、ポリオキシエチレン系高分子、ポリオキエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等のアクリル系高分子、ポリエチレンイミン、カチオン性ポリマー等の有機系水溶性高分子、ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ラポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸等の無機系水溶性高分子等が挙げられ、1種または2種以上を用いることができる。
保湿成分としては、糖類、アミノ酸及びその誘導体、ペプタイド類、植物抽出液等が挙げられ、1種または2種以上を用いることができる。
糖類としては、ソルビトール、エリスリトール、マルトース、マルチトール、キシリトール、キシロース、トレハロース、イノシトール、グルコース、マンニトール、ペンタエリスリトール、果糖、蔗糖およびそのエステル、デキストリン及びその誘導体、ハチミツ、黒砂糖抽出物等が挙げられる。
アミノ酸類としては、例えばグリシン、アラニン、バリン、イソロイシン、セリン、スレオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、リジン、ヒドロキシリジン、アルギニン、シスチン、システイン、アセチルシステイン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、オルチニン、シトルリン、テアニン、クレアチン、クレアチニン等が挙げられる。
アミノ酸誘導体としては、グルタチオン、ピロリドンカルボン酸、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・2−オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・ベヘニル・2−オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(2−オクチルドデシル)、N−アシルグルタミン酸リジン縮合物等が挙げられる。
ペプタイド類としては、動物、魚、貝、植物由来のいずれでもよく具体的には、コラーゲン及びその誘導体又はそれらの加水分解物、エラスチン及びその誘導体又はそれらの加水分解物、ケラチン及びその誘導体又はそれらの分解物、コムギタンパク及びその誘導体又はそれらの加水分解物、ダイズタンパク及びその誘導体又はそれらの加水分解物等が挙げられる。
植物抽出物としては、例えばオウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等を用い、水や有機溶媒により適宜抽出したものが挙げられる。
酸化防止剤としては、アスコルビン酸、α−トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール等が挙げられる。
防腐剤としては、安息香酸、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸エステル、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、フェノキシエタノール等が挙げられる。
本発明の水中油型乳化組成物の製造方法は、特に制限はなく、常法により調製される。例えば、成分(a)〜(b)を水に加温溶解したものに、必要に応じて加温した成分(c)〜(d)を添加混合することにより調製することができる。
本発明の水中油型乳化組成物は、水中油型乳化組成物をそのまま本発明の化粧料又は皮膚外用剤とすることも可能であり、化粧料又は皮膚外用剤の製造工程中で水中油型乳化組成物を調製してもよい。また、本水中油型乳化組成物0.1〜95%に一般化粧料又は皮膚外用剤に配合される任意成分を配合して、化粧料又は皮膚外用剤とすることも可能である。
本発明により得られる化粧料又は皮膚外用剤(水中油型乳化組成物自体である場合と、水中油型乳化組成物を含有する化粧料又は皮膚外用剤である場合とを含む。)の形態には特に限定はなく、例えば、化粧水、乳液、クリーム、アイクリーム、美容液、マッサージ料、パック料、ハンドクリーム、ボディクリーム等のスキンケア化粧料、化粧用下地化粧料を例示することができる。またその使用法は、手や指で使用する方法、不織布等に含浸させて使用する方法等が挙げられる。また、その性状は、ジェル状、液状など様々な性状の化粧料として実施することができる。
次に実施例を挙げて、本発明をさらに説明する。なお、これらは本発明を何ら限定するものではない。
[製造例1:腐植土抽出物の製造1]
地中(九州地方海岸付近土壌)から採取した腐食土壌を乾燥させた後、微粉砕した。この粉砕物5kgと、精製水20リットルを2時間混合攪拌し、さらに常温(10〜30℃程度)で7日間撹拌し、20日間静置した。静置後、メンブランフィルター(孔径0.45μm)を用いてろ過し、腐植土抽出物水溶液(原液)を得た。このときのpH(20℃)は3.0であった。また、この乾燥エキス分(エキス分濃度)は0.4質量%であった。この原液に含まれるフミン質の総量は350mg/L(乾燥エキス分5g/水1Lの水溶液換算としたとき、438mg/L)であり、フミン酸およびフルボ酸の含有量は、それぞれ4mg/Lおよび6.7mg/L(乾燥エキス分5g/水1Lの水溶液換算としたとき、それぞれ5mg/Lおよび8.4mg/L)であった。以下の実施例では乾燥エキス分をそのまま用いた。
フミン酸およびフルボ酸の定量方法は、上述の参考文献Soil Science and Plant Nutrition, 38巻, 23-30頁(Kuwatsuka S et al. 1992); Soil Science and
Plant Nutrition, 40巻, 601-608頁(Watanabe A. et al. 1994);Humic Substances Reseacrh, 1巻, 18-28頁(Watanabe A. et al. 2004)にしたがって行った。
実施例1(乳液)
本発明品1〜15及び比較品1〜4
表1〜表3に示す組成及び下記製法にて乳液を調製し、以下に示す方法により、<1>製剤安定性(析出物のなさ)、<2>製剤安定性(クリーミングのなさ)、<3>使用感(べたつきのなさ)の評価を行った。結果を表1〜表3に併記する。
<1>製剤安定性(析出物のなさ)
各試料をガラスビンに入れ、50℃の恒温槽内に1ヶ月間保存した。その後、恒温槽から取り出し、精製水で希釈したものを試料とした。ここで試料は、分光光度計により波長700nmでの光透過率(光路長1cm)を測定し、精製水の透過率を100%とした場合に、透過率が99%以上のものをいう。また当該試料の析出物発生の状態を目視観察し、以下の基準により判定した。
[評価基準]
◎:まったく析出物が見られない
○:わずかに塵状の析出物が認められるが、1mm以下のサイズの小さいものしかない
△:塵状の析出物が認められ、1mm以上の大きいサイズのものも発生している
×:3mm以上の析出物が認められる。
<2>製剤安定性(クリーミングのなさ)
各試料をガラスビンに入れ、50℃の恒温槽内に1ヶ月間保存した。その後、恒温槽から取り出した当該試料のクリーミングの状態を以下の基準により判定した。
[評価基準]
◎:全く変化なし
○:わずかに油浮きがあるが問題なし
△:わずかに下層に透明層が見られる
×:下層にハッキリと透明層が認められる
<3>使用感の良さ(べたつきのなさ)
各試料を評価専門パネル5名で下記の基準にて評価し、その平均評価値に当てはまる評価を記載。

使用感(べたつきのなさ)の評価基準
3 べたつきをあまり感じない
2 ややべたつきを感じる
1 べたつきを感じる
0 べたつきを強く感じる

使用感の良さ(べたつきのなさ)の評価基準
◎:3.0以下〜2.5より大きい
○:2.5以下〜2.0より大きい
△:2.0以下〜1.0より大きい
×:1.0以下〜0.0以上
(製法)
A.成分(1)〜(7)を均一に溶解する。
B.成分(8)〜(22)を加温して均一に溶解し、Aに攪拌しながら添加する。
C.40℃に冷却したBに、あらかじめ膨潤した成分(23)〜(24)、成分(25)〜(29)を混合後、添加する。均一に混合攪拌して、乳液を得た。
表1〜表3の結果から明らかなように、本発明品1〜15の乳液は析出物の発生抑制効果に優れ、製剤の安定性、使用感も良好であった。分岐構造を有する液状油剤を含有した本発明品1および本発明品3〜6の中でも分子量が300〜500かつIOB値が0.05〜0.50の範囲の油剤を含有した本発明品1〜4においては使用感が特に優れ、その中でも炭素数4〜18の脂肪酸とアルコールのエステルからなる油剤を含有した本発明品3、4は特に析出物発生の抑制効果にも優れていた。また、成分(d)のグリセリン脂肪酸エステル又はポリグリセリン脂肪酸エステルを加えた本発明品7〜10は、より製剤の安定性に優れていた。これら4つの評価はいずれも◎であるが、中でも本発明品7や9は特に製剤安定性に優れるものであった。これは成分(d)が室温固形状のものであり、乳化界面への安定性寄与が大きいものと考えらえる。成分(b)に対する成分(a)の含有質量割合(a)/(b)が、0.0001〜0.04の範囲にある本発明品12〜14は、含有比率がより大きい本発明品11、含有比率がより小さい本発明品15に比べてより析出物の抑制効果に優れ、良好な結果であった。一方、成分(b)ではない界面活性剤を含有している比較品1〜2、成分(c)の分岐構造を有する液状油剤を含有しない比較品3、成分(c)の液状ではない分岐構造を有する油剤を含有する比較品4は、析出物が生じてしまうと共に、クリーミングも発生してしまうため製剤安定性に劣る結果であった。
実施例2 美容液
下記に示す組成及び製法で、美容液を調製した。
(組成) (%)
(1)アルキル酸・メタクリル酸アルキル共重合体(*4) 0.16
(2)キサンタンガム 0.1
(3)1,3−ブチレングリコール 15.0
(4)精製水 残 部
(5)ジプロピレングリコール 5.0
(6)N−ステアロイル−L−グルタミン酸アルギニン塩 0.8
(7)ベヘニルアルコール 1.5
(8)親油型モノステアリン酸グリセリル(*5) 0.1
(9)水素添加大豆リン脂質 0.1
(10)セスキオレイン酸酸ソルビタン 0.5
(11)スクワラン 1.0
(12)コハク酸ジ2−エチルヘキシル(*6) 1.0
(13)パラオキシ安息香酸メチル 適 量
(14)ジメチルポリシロキサン 1.0
(15)精製水 2.0
(16)製造例1の腐植土抽出物0.5%水溶液 0.1
(*4)CARBOPOL1382(LUBRIZOL社製)
(*5)ポエムV-100(理研ビタミン社製)
(*6)CRODAMOL OSU(クローダジャパン社製)
(製法)
A.成分(1)〜(5)を80℃に加温し、均一に混合する。
B.成分(6)〜(14)を均一に溶解し、Aに攪拌しながら添加後冷却する。
C.Bを攪拌しながら、成分(15)〜(16)を添加して均一に混合し、美容液を得た。
以上のようにして得られた実施例2の美容液は、製剤安定性および使用感がきわめて良好なものであった。
実施例3 水中油型乳化クリーム
下記に示す組成及び製法で、水中油型乳化クリームを調製した。
(組成) (%)
(1)N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム塩 0.5
(2)1,3−ブチレングリコール 10.0
(3)モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン 0.3
(4)自己乳化型モノステアリン酸グリセリル(*7) 0.6
(5)セトステアリルアルコール 2.0
(6)2−エチルヘキサン酸セチル(*8) 1.0
(7)テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット 2.0
(8)α―オレフィンオリゴマー 1.0
(9)ジメチルポリシロキサン(10mPa・s) 1.0
(10)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(11)アスタキサンチン(*9) 0.02
(12)精製水 残 部
(13)ジプロピレングリコール 5.0
(14)アルキル酸・メタクリル酸アルキル共重合体(*4) 0.2
(15)1,3−ブチレングリコール 8.0
(16)製造例1の腐植土抽出物0.5%水溶液 2.0
(17)精製水 5.0
(*7)ニッコールMGS−ASE(日本サーファクタント工業社製)
(*8)サラコス816T(日清オイリオ社製)
(*9)アスタキサンチン−5c(オリザ油化社製)
(製法)
A.成分(1)〜(11)を75℃に加温し、均一に溶解する。
B.成分(12)〜(15)を75℃に加温して均一に溶解し、Aに攪拌しながら添加する。
C.Bを攪拌しながら冷却後、成分(16)〜(17)を添加し均一に混合して、水中油型クリームを得た。
以上のようにして得られた実施例3の水中油型クリームは、製剤安定性および使用感が良好なものであった。

Claims (6)

  1. 次の成分(a)〜(c);
    (a)腐植土抽出物
    (b)アシルメチルタウリン塩又はアシルグルタミン酸塩から選ばれる少なくとも一種
    (c)分岐構造を有する25℃で液状の油
    を含有し、前記成分(a)と成分(b)の含有質量割合(a)/(b)が、0.0001〜0.04の範囲にある水中油型乳化組成物。
  2. さらに成分(d)として、グリセリン脂肪酸エステル又はポリグリセリン脂肪酸エステルを含有する請求項1記載の水中油型乳化組成物。
  3. 前記成分(c)の分子量が300〜500かつIOB値が0.05〜0.50の範囲である請求項1又は2記載の水中油型乳化組成物。
  4. 前記成分(c)が、炭素数4〜18の脂肪酸と、炭素数4〜18のアルコールとのエステルである請求項1〜のいずれかの項記載の水中油型乳化組成物。
  5. 化粧料である請求項1〜のいずれかの項記載の水中油型乳化組成物。
  6. 皮膚外用剤である請求項1〜のいずれかの項記載の水中油型乳化組成物。
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