JP2012171917A - 収斂剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水及びアルコール類から選ばれる1種以上のもので得られる腐植土抽出物で、フミン質を100mg/L以上含有したものが収斂剤として好適であり、固形分濃度として0.0001〜0.1質量%の上記腐植土抽出物を有効成分として含有する組成物又は化粧料。
【選択図】なし
Description
この腐植土の水抽出物製造法に関する技術が知られている(特許文献4及び特許文献5参照)。また、腐植土抽出液には、殺菌の効用や毛髪の損傷低減の効用が知られている(特許文献6及び特許文献7参照)。しかしながら、腐植土抽出物の効用は、未だ不明な点が多い。
本発明で使用する腐植土抽出物の腐植土は、産地、状態を問わずいずれのものも使用することができる。具体的には、この腐植土として、例えば、森林、河川、湖沼、海洋などを起源とするものを使用することが可能であり、この腐植土とは、そこで生息していた地上植物、大型・微細藻類などの植物(広義)などやこれを含む堆積物が、嫌気性微生物などにより分解、合成、有機化を受けたものである。このうち、海洋でできた堆積物を起源とする腐植土、より好ましくは海洋でできた堆積物が隆起してなったような日本列島由来の腐植土であり、更に九州由来の腐植土が好ましい。
この腐植土の腐植の程度も特に限定されないが、腐植が進行し、高分子有機化合物であるフルボ酸やフミン酸が含まれるものが好ましい。
斯様にして得られた腐植土抽出物は、必要に応じて、希釈、濃縮や乾燥を行ったり、また不純物除去等のため分離や精製等を行ってもよい。
前記腐植土抽出物の形態としては、特に限定されず、例えば、固体状、半固体状や液状が挙げられる。具体的には、例えば、溶液、懸濁液、濃縮液、エマルジョン、スラリー、粉末、顆粒及び固形などの状態が挙げられる。
また、前記分離手段としては、特に限定されないが、例えば、ろ過分離手段や遠心分離手段などが挙げられる。これらを単独で又は組み合わせて使用してもよい。
ろ過分離手段としては、自然ろ過、減圧ろ過及び加圧ろ過などが挙げられる。このとき、セルロースフィルター、ガラス繊維フィルター、メンブランフィルターなどのろ材を用い、必要に応じてセライト、砂利及び活性炭などのろ過助剤を用いる。孔径は特に限定されないが、例えば0.1〜1μmが好適である。これらを適宜組み合わせてもよい。
また、抽出に先立って行う腐植土の乾燥や前処理の有無及び方法に特に限定はなく、また腐植土と溶媒との割合、抽出時間などといった抽出手段に特に限定はない。
前記アルコール類のうち、例えば、エタノール及び1,3−ブチレングリコールなどの炭素数1〜5の低級アルコール類が好ましく、このうち低級一価アルコール類が好ましく、このうち更にエタノールが好ましい。
このときの腐植土と抽出溶媒との混合攪拌は、特に限定されないが、例えば、0.5〜48時間程度行えばよい。これにより腐植土と抽出溶媒が接触し、有効成分を抽出しやすくなる。また、連続又は不連続に混合攪拌を行えばよい。
例えば、混合撹拌した後、更に一定期間混合攪拌する若しくは一定期間混合攪拌後放置するか、又は放置して熟成させるのが、抽出効率の点で、好適である。混合攪拌後に放置することで腐植土が沈降し、分離の際に有利であるため、好ましい。
例えば、前記抽出期間内(例えば1日〜3年間)、連続又は不連続に混合攪拌を行う;1〜24時間混合攪拌後、1〜60日間(好適には20〜40日間)放置する;1〜24時間混合攪拌後、引き続き1〜20日間(好適には3〜9日間)混合攪拌した後、1日〜3年間(好適には6ヶ月〜2年間)放置するなどが挙げられる。
ここで、フミン質(腐植質)とは、例えば、植物成分などが土壌中に分解、縮合して生成する高分子物質を指す。ここで、フミン質は、鉱泉試験法の腐植質測定法記載の方法で測定した場合の値である。
前記腐植土抽出物には、固形分濃度0.5質量%水溶液換算したときに、フルボ酸が、好ましくは1〜20mg/L、より好ましくは5〜15mg/L、更に好ましくは5〜13mg/L、より更に好ましくは8〜13mg/L含まれているのが好適である。
このときのフミン酸:フルボ酸の混合割合は、特に限定されないが、好ましくは1:10〜10:1とするのが好適である。
また、フルボ酸とは、植物などが微生物により分解される最終生成物である腐植物質のうち、酸によって沈殿しない無定形高分子有機酸を指すものであり、重金属などを吸着、放出するキレート作用をもつものである。
また、フミン酸及びフルボ酸の定量方法は、「Soil Science Plant
Nutrition, 38巻, 23-30頁(Kuwatsuka A et al. 1992); Soil Science Plant Nutrition,
40巻, 601-608頁(Watanabe A. et al. 1994);Humic Substances Reseacrh, 1巻, 18-28頁(Watanabe
A. et al. 2004)」等の参考文献に従って行えばよい。
前記pH調整剤としては、通常使用されるものであれば特に限定されないが、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、炭酸、リン酸などの無機酸類;クエン酸、酢酸、乳酸、コハク酸、グリコール酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、フマル酸、酒石酸、尿素、ε−アミノカプロン酸、ピロリドンカルボン酸などの有機酸類;グリシンベタイン、リジンベタインなどのベタイン類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどの金属水酸化物(アルカリ金属水酸化物及びアルカリ土類金属水酸化物など)などの無機アルカリ類;グアニジン、2−アミノ−2−メチルプロパンなどの有機アミン類;アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミンなどのアルカノールアミン;アルギニン、リジンなどの塩基性アミノ酸など、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
従って、前記腐植土抽出物は、皮膚を引き締め、キメを整える、発汗、皮脂を抑制し、化粧崩れを防止するなどのための、化粧料、皮膚外用剤、医薬部外品及び医薬品などに配合するための素材又は製剤として有用である。
前記化粧料や前記皮膚外用剤の使用形態は、例えば、乳液、クリーム、化粧水、美容液、パック、洗浄料、メーキャップ化粧料、育毛料、シャンプー、コンディショナーなどの化粧料;また、分散液、軟膏、液剤、エアゾール、貼付剤、パップ剤、リニメント剤などの皮膚外用剤(外用医薬品)であってもよい。
また、前記製剤のpH(25℃)は、好ましくは、酸性〜中性領域であり、より好ましくは2〜7、更に好ましくは3〜7とするのが、効用の点で好適である。このようなpHにて肌に使用するのが、好適である。
地中(九州地方海岸付近土壌)から採取した腐食土壌を乾燥させた後、微粉砕した。この粉砕物5kgと、精製水20リットルを2時間混合攪拌し、更に常温(10〜30℃程度)で7日間撹拌し、20日間静置した。静置後、メンブランフィルター(孔径0.45μm)を用いてろ過し、腐植土抽出物(原液)を得た。このときのpH(20℃)は3.0であった。また、この乾燥固形分(固形分濃度)は0.4質量%であった。
この原液に含まれるフミン質の総量は520mg/L(乾燥固形分5g/水1Lの水溶液換算としたとき、650mg/L)であり、フミン酸及びフルボ酸の含有量は、それぞれ6mg/L及び10mg/L(乾燥固形分5g/水1Lの水溶液換算としたとき、それぞれ7.5mg/L及び12.5mg/L)であった。この水溶液を、製造例1の腐植土抽出物とした。
地中(長崎県水田)から採取した腐食土壌を乾燥させた後、微粉砕した。この粉砕物5kgと、20%(v/v)エタノール含有のエタノール水溶液20リットルを2時間混合攪拌し、更に冷暗所(4℃程度)にて20日静置して、熟成させた。静置後、メンブランフィルター(孔径0.3μm)を用いてろ過し、腐食土抽出物(原液)を得た。このときのpH(20℃)は2.6であった。また、この乾燥固形分(固形分濃度)は0.5質量%であった。
この原液に含まれるフミン質の総量は350mg/L(乾燥固形分5g/水1Lの水溶液換算としたとき、350mg/L)、フミン酸及びフルボ酸の含有率は、それぞれ5mg/L及び8.5mg/L(乾燥固形分5g/水1Lの水溶液換算としたとき、それぞれ5mg/L及び8.5mg/L)であった。この水溶液を、製造例2の腐植土抽出物とした。
Plant Nutrition, 40巻, 601-608頁(Watanabe A. et al. 1994)に従って、行った。
[実施例1 収斂効果(タンパク凝集率)の測定]
腐植土抽出物を乾燥後9.5%のエタノール水溶液で、0.2及び0.4mg/mlの濃度に希釈して、2種の試験サンプルを調製した。この試験サンプル4重量部に対して、0.5%アルブミン水溶液1重量部を添加し、5分混合した後に、紫外可視分光光度計UV−2500PC(島津社製)を用いて、波長660nmにおける透過率を測定した。また、比較例として、収斂剤として一般的に知られているタンニン酸についても9.5%のエタノール水溶液を用いて1mg/mlの試験サンプルを調整し、同様に透過率の測定を行った。結果は、以下の式から収斂効果を算出した。
収斂効果(タンパク凝集率)(%)={1―(S/A)}×100
(S)=0.5重量%アルブミン水溶液に試験サンプルを加えたときの透過率
(A)=0.5重量%アルブミン水溶液の透過率
本結果は製造例2の腐植土抽出物でも同様に得られる。
(成分) (質量%)
1 ジプロピレングリコール 3
2 1,3−ブチレングリコール 3
3 エデト酸2ナトリウム 0.02
4 クエン酸 0.02
5 リン酸1水素ナトリウム 0.1
6 製造例1の腐植土抽出物 5.0
7 ポリエチレンングリコール(分子量約10000) 0.1
8 エタノール 20.0
9 l−メントール 0.02
10 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.1
11 香料 0.02
12 精製水 残量
A:成分(7)、(12)を60度に加熱し混合溶解する。
B:成分(1)〜(6)とAを混合する。
C:成分(8)〜(11)を混合する。
D:BにCを添加混合し、化粧水を得た。
(成分) (質量%)
1 セタノール 2.0
2 ステアリン酸 1.0
3 モノステアリン酸グリセリン 0.5
4 流動パラフィン 5.0
5 パラメトキシケイ皮酸―2−エチルヘキシル 5.0
6 1,1,3,5,5−ペンタフェニルー
1,3,5−トリメチルトリシロキサン 4.0
7 トリイソステアリン酸ジグリセリル 1.0
8 ヘキサ( ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)
ジペンタエリスリチル
3.0
9 シリカ
3.0
10 群青 0.2
11 黄色酸化鉄
0.2
12 酸化亜鉛 1.0
13 モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 1.0
14 カルボキシルビニルポリマー 0.1
15 1,3−ブチレングリコール 10.0
16 防腐剤 0.2
17 精製水 残量
18 製造例2の腐植土抽出物 0.1
19 トリエタノールアミン 0.2
A : 成分(1)〜(8)を加熱混合する。
B : Aに(9)〜(13)を加えて均一に混合する。
C : (14)〜(18) に(19)(を加えて中和して、Bに添加して乳化する。
(成分) (質量%)
1 セリサイト 5.0
2 二酸化チタン 10.0
3 ベンガラ 0.3
4 黄酸化鉄 0.8
5 黒酸化鉄 0.1
6 イソオクタン酸セチル 5.0
7 メトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 5.0
8 デカメチルシクロペンタシロキサン 10.0
9 PEG−9メチルエーテルジメチコン 4.0
10 精製水 残量
11 製造例1の腐植土抽出物 1.0
12 エタノール 10.0
13 ジプロピレングリコール 3.0
14 フェノキシエタノール 0.3
15 香料 適量
A:成分(1)〜(5)を均一に分散する
B:成分(6)〜(9)を加熱混合し、70℃ に保つ。
C:成分(10)〜(14)を加熱混合し、70℃に保つ
D:CにAを加え均一に分散する。
E:DにBを加えて混合し、均一に乳化する。
F:冷後、Eに成分(15)を加える。
(成分) (質量%)
1 エタノール 20.0
2 イソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(50E.O.)
0.2
3 香料
0.05
4 1,3−ブチレングリコール 10.0
5 ジプロピレングリコール
5.0
6 アクリレート/ステアレス−20メタクリレート
共重合体水溶液(注2) 5.0
7 水酸化ナトリウム 0.25
8 製造例2の腐植土抽出物 1.0
9 防腐剤
適量
10 精製水
残量
(注1)アキュリン22(ローム&ハース社製):ポリマー分30%
A:成分(1)〜(3)を均一に混合する。
B:成分(4)〜(10)を均一に混合する。
C:BにAを加え均一に混合する。
(成分) (質量%)
1 ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタンモノラウリン酸エステル 1.2
2 エタノール 8.0
3 パラオキシ安息香酸メチル 0.2
4 グリセリン 5.0
5 1,3−ブチレングリコール 6.5
6 製造例1の腐植土抽出物 20.0
7 アラントイン(注2) 0.2
8 精製水 残量
(注2) メルク社製
A.成分(1)〜(3)を混合溶解する。
B.成分(4)〜(8)を混合溶解する。
C.AとBを混合して均一にし、ローション剤を得た。
Claims (6)
- 腐植土抽出物を有効成分とする収斂剤。
- 収斂化粧料である請求項2記載の収斂剤。
- 前記腐植土抽出物が、水及びアルコール類から選ばれる1種以上のもので抽出して得られるものある請求項2又は3記載の収斂剤。
- 前記腐植土抽出物が、水溶液としたときにフミン質を100mg/L以上含有するものである請求項2〜4の何れか1項記載の収斂剤。
- 前記腐植土抽出物の配合量が、固形分濃度として0.0001〜0.1質量%である請求項2〜5の何れか1項記載の収斂剤。
- 化学的収斂により収斂効果をもたらす請求項1〜5の何れか1項記載の収斂剤
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JP2017039669A (ja) * | 2015-08-20 | 2017-02-23 | 株式会社コーセー | 皮膚外用剤又は化粧料 |
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- 2011-02-22 JP JP2011035490A patent/JP2012171917A/ja active Pending
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