JP2016124816A - 表皮のターンオーバー促進剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】腐植土抽出物を有効成分とする表皮のターンオーバー促進剤。腐植土抽出物が、水系溶媒で抽出して得られるものが好適であり、腐植土抽出物が、固形分濃度が0.5質量%となるように水に溶解又は懸濁したときに、フミン質を100mg/L以上含有し、フルボ酸を0.1〜100mg/L、好ましくは1〜50mg/L、さらに好ましくは5〜50mg/L含有する表皮のターンオーバー促進剤。腐植土抽出物を有効成分とする表皮のターンオーバー促進剤は、皮膚外用剤または化粧料組成物製造等の分野で有用である。
【選択図】なし
Description
[1]腐植土抽出物を有効成分とする、表皮のターンオーバー促進剤。
[2]ターンオーバーの促進が、皮膚の明度の差を指標に評価可能なものである、請求項1に記載の剤。
[3]腐植土抽出物が、水系溶媒で抽出して得られるものである、1または2に記載の剤。
[4]腐植土抽出物が、固形分濃度が0.5質量%となるように水に溶解または懸濁したときに フミン質を100mg/L以上含有するものである、1〜3のいずれか1項に記載の剤。
[5]腐植土抽出物が、固形分濃度が0.5質量%となるように水に溶解または懸濁したときにフルボ酸を0.1〜100mg/L含有するものである、1〜4のいずれか1項に記載の剤。
[6]腐植土抽出物が、固形分として0.0001〜0.1質量%含有される、1〜5のいずれか1項に記載の剤。
[7]腐植土抽出物を含む剤を表皮へ塗布することを含む、表皮のターンオーバーの促進方法。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で使用する腐植土抽出物の腐植土は、特に限定されず、産地、状態を問わずいずれのものも使用することができる。具体的には、この腐植土として、例えば、森林、河川、湖沼、海洋などを起源とするものを使用することが可能であり、この腐植土とは、そこで生息していた地上植物、大型・微細藻類などの植物(広義)などやこれを含む堆積物が、嫌気性微生物などにより分解、合成、有機化を受けたものである。このうち、海洋でできた堆積物を起源とする腐植土、より好ましくは海洋でできた堆積物が隆起してなったような日本列島由来の腐植土であり、さらに九州由来の腐植土が好ましい。この腐植土の腐植の程度も特に限定されず、腐植が進行し、高分子有機化合物であるフルボ酸やフミン酸が含まれるものが好ましい。
また、抽出に先立って行う腐植土の乾燥や前処理の有無および方法に特に限定はない。
A:フィルター部分の重量(mg)
B:メンブランフィルターの重量(mg)
C:灰分の重量(mg)
D:試料採取量(ml)
Plant Nutrition, 40巻, 601-608頁(Watanabe A. et al. 1994);Humic Substances Research, 1巻, 18-28頁(Watanabe A. et al. 2004)」等の参考文献に従って行えばよい。測定法により定量値が異なる場合は、フルボ酸の定量値がより高い測定法を採用することが好ましい。
本発明は、上述の腐植土抽出物を有効成分とする、表皮のターンオーバー促進剤を提供する。
剤は、特に記載した場合を除き、有効成分である腐植土抽出物自体であることもあり、有効成分である腐植土抽出物に、さらに希釈剤、安定化剤、酸化防止剤、防腐剤等の化粧料または皮膚外用剤として許容される添加物を添加したものであることもある。
地中(九州地方海岸付近土壌)から採取した腐食土壌を乾燥させた後、微粉砕した。この粉砕物5kgと、精製水20リットルを2時間混合攪拌し、さらに常温(10〜30℃程度)で7日間撹拌し、20日間静置した。静置後、メンブランフィルター(孔径0.45μm)を用いてろ過し、腐植土抽出物水溶液(原液)を得た。このときのpH(20℃)は3.0であった。また、この乾燥固形分(固形分濃度)は0.4質量%であった。この原液に含まれるフミン質の総量は350mg/L(乾燥固形分5g/水1Lの水溶液換算としたとき、438mg/L)であり、フミン酸およびフルボ酸の含有量は、それぞれ4mg/Lおよび6.7mg/L(乾燥固形分5g/水1Lの水溶液換算としたとき、それぞれ5mg/Lおよび8.4mg/L)であった。この水溶液を、以下の実施例で用いた。
DHA(ジヒドロキシアセトン)水溶液を上腕内側部にパッチし、皮膚を黄褐色に標識させた。腐植土抽出物水溶液をさらに水に溶解させたもの(腐植土抽出物の最終濃度は0.004%)を調製し、20〜50代の健常男女の上腕内側部の、あらかじめ割り付けされた部位に1日2回塗布し、色素の消失を色差計(CR−700d、コニカミノルタ社製)で測定することにより評価した。なお、対照として、腐植土抽出物水溶液の代わりに精製水を使用した。
(成分) (質量%)
1.ジプロピレングリコール 3.0
2.1,3−ブチレングリコール 3.0
3.エデト酸2ナトリウム 0.02
4.クエン酸 0.02
5.リン酸1水素ナトリウム 0.1
6.製造例1の腐植土抽出物 5.0
7.アスコルビン酸グルコシド*1 2.0
8.ポリエチレングリコール(分子量約10000) 0.1
9.エタノール 20.0
10.l−メントール 0.02
11.ポリオキシエチレン(40モル)硬化ヒマシ油 0.1
12.香料 0.02
13.精製水 残量
*1 林原社製
A:成分(7)、(8)、(13)を60℃に加熱し混合溶解する。
B:成分(1)〜(6)とAを混合する。
C:成分(9)〜(12)を混合する。
D:BにCを添加混合し、化粧水を得た。
(成分) (質量%)
1.セタノール 2.0
2.ステアリン酸 1.0
3.モノステアリン酸グリセリン 0.5
4.流動パラフィン 5.0
5.パラメトキシケイ皮酸―2−エチルヘキシル 5.0
6.1,1,3,5,5−ペンタフェニルー
1,3,5−トリメチルトリシロキサン 4.0
7.トリイソステアリン酸ジグリセリル 1.0
8.ヘキサ( ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸
/ロジン酸)ジペンタエリスリチル 3.0
9.シリカ 3.0
10.群青 0.2
11.黄色酸化鉄 0.2
12.酸化亜鉛 1.0
13.モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン
(20モル) 1.0
14.カルボキシルビニルポリマー 0.1
15.1,3−ブチレングリコール 10.0
16.防腐剤 0.2
17.精製水 残量
18.製造例2の腐植土抽出物 0.1
19.トリエタノールアミン 0.2
A : 成分(1)〜(8)を加熱混合する。
B : Aに(9)〜(13)を加えて均一に混合する。
C : (14)〜(18) に(19)を加えて中和して、Bに添加して乳化する。
(成分) (質量%)
1.セリサイト 5.0
2.二酸化チタン 10.0
3.ベンガラ 0.3
4.黄酸化鉄 0.8
5.黒酸化鉄 0.1
6.イソオクタン酸セチル 5.0
7.メトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 5.0
8.デカメチルシクロペンタシロキサン 10.0
9.PEG−9メチルエーテルジメチコン 4.0
10.精製水 残量
11.製造例1の腐植土抽出物 1.0
12.エタノール 10.0
13.ジプロピレングリコール 3.0
14.フェノキシエタノール 0.3
15.香料 0.1
A:成分(1)〜(5)を均一に分散する
B:成分(6)〜(9)を加熱混合し、70℃ に保つ。
C:成分(10)〜(14)を加熱混合し、70℃に保つ
D:CにAを加え均一に分散する。
E:DにBを加えて混合し、均一に乳化する。
F:冷後、Eに成分(15)を加える。
(成分) (質量%)
1.エタノール 20.0
2.イソステアリン酸ポリオキシエチレン(50モル)
硬化ヒマシ油 0.2
3.香料 0.05
4.1,3−ブチレングリコール 10.0
5.ジプロピレングリコール 5.0
6.アクリレート/ステアレス−20メタクリレート
共重合体水溶液(注1) 5.0
7.水酸化ナトリウム 0.25
8.製造例2の腐植土抽出物 1.0
9.トラネキサム酸*1 1.0
10.ホップ抽出物*2 0.5
11.1,2−ペンタンジオール 3.0
12.精製水 残量
(注1)アキュリン22(ローム&ハース社製):ポリマー分30%
*1 和光純薬社製
*2 丸善製薬社製
A:成分(1)〜(3)を均一に混合する。
B:成分(4)〜(12)を均一に混合する。
C:BにAを加え均一に混合する。
(成分) (質量%)
1.ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタン
モノラウリン酸エステル 1.2
2.エタノール 8.0
3.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
4.グリセリン 5.0
5.1,3−ブチレングリコール 6.5
6.製造例1の腐植土抽出物 20.0
7.アラントイン*1 0.2
8.精製水 残量
*1 メルク社製
A.成分(1)〜(3)を混合溶解する。
B.成分(4)〜(8)を混合溶解する。
C.AとBを混合して均一にし、ローション剤を得た。
Claims (7)
- 腐植土抽出物を有効成分とする、表皮のターンオーバー促進剤。
- 表皮のターンオーバーの促進が、色素の減少または消失を指標に評価可能なものである、請求項1に記載の剤。
- 腐植土抽出物が、水系溶媒で抽出して得られるものである、請求項1または2に記載の剤。
- 腐植土抽出物が、固形分濃度が0.5質量%となるように水に溶解または懸濁したときにフミン質を100mg/L以上含有するものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の剤。
- 腐植土抽出物が、固形分濃度が0.5質量%となるように水に溶解または懸濁したときにフルボ酸を0.1〜100mg/L含有するものである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の剤。
- 腐植土抽出物が、固形分として0.0001〜0.1質量%含有される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の剤。
- 腐植土抽出物を含む剤を表皮へ塗布することを含む、表皮のターンオーバーの促進方法。
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2014
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