JP5770426B2 - 一重項酸素消去剤、並びに該一重項酸素消去剤を用いた皮膚外用剤及び化粧料 - Google Patents

一重項酸素消去剤、並びに該一重項酸素消去剤を用いた皮膚外用剤及び化粧料 Download PDF

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本発明は、一重項酸素消去剤に関する。より詳細には、有効成分として、マテ抽出物を用いた一重項酸素消去剤、並びに該一重項酸素消去剤を用いた皮膚外用剤及び化粧料に関する。なお、本発明において、化粧料とは、薬用化粧料(医薬部外品)を含む概念である。
従来から、皮膚の老化や、柔軟性、弾力性の低下、しわの増大、乾燥して滑らかさのない荒れ肌などの皮膚トラブルの原因としてさまざまな要因が考えられており、それらトラブルに対して様々なアプローチ法が研究されている。これらの皮膚トラブルが現れる原因物質の一つとして、大気中の酸素が紫外線や酵素等の影響を受けて生成するいわゆる活性酸素が考えられている。この活性酸素は、日常生活において、呼吸によって体内に入る酸素によっても、さらには喫煙、ストレスなどでも発生すると言われている。
この活性酸素は必要以上に体内外に存在すると、正常な細胞の細胞膜、DNA等に作用し、破壊することが知られている。また脂質を酸化して、過酸化脂質を生成することも知られている。これにより、アトピー症状の悪化、白内障、痛風、心筋梗塞、発ガンなど様々な疾病をも誘発する。生体に対しては、コラーゲン線維、ヒアルロン酸の断片化、DNA螺旋の部分開裂、連鎖的ラジカルの発生による組織の損傷等の悪影響を及ぼし、その結果として、皮膚のしわや弾力消失、脱毛といった生体の老化を促進するといわれている。
このように、身体に数々の悪影響を及ぼす活性酸素種として、広義には、スーパーオキサイド、ヒドロキシラジカル、過酸化水素及び一重項酸素が知られており、これらと金属や脂質との反応生成物が知られている。しかし、活性酸素種の中には、例えば、基底状態酸素とは電子の数が異なる、スーパーオキサイド、過酸化水素及びヒドロキシラジカル等の還元分子種もあれば、基底状態酸素と電子の数は同じであるが励起状態にある、励起分子種である一重項酸素もある。そのため、その電子状態の違いに基づく、活性酸素種という枠組みでは捉えられず、スーパーオキサイド、過酸化水素及びヒドロキシラジカル等の還元分子種と、一重項酸素とは、それぞれ固有の特性を有することが分かっている。
例えば、スーパーオキサイドやヒドロキシラジカル等のラジカル種は、タンパク質と反応して容易にその断片化を引き起こす。これに対し、一重項酸素はタンパク質に架橋を形成し、タンパク質を重合させるという、スーパーオキサイド等とは全く異なる特異な反応性を示すことが報告されている(例えば、非特許文献1)。
このように、一重項酸素は、他の活性酸素種と異なる挙動を示すことが解明されており、また、その検出についても、他の活性酸素種と同様の方法では測定不能であることが分かっている。例えば、活性酸素種の検出には、従来から、電子スピン共鳴(ESR)が広く利用されている(例えば特許文献1)が、このESRは、スーパーオキサイドやヒドロキシラジカル等のラジカル種の検出には有効であっても、ラジカル種でない一重項酸素を検出することはできない。また、一重項酸素の水中における寿命は約4μ秒と短く、感度、特異性を兼ね備えた検出方法は限られている(例えば特許文献2)。
そのため、これまで、単に広義に活性酸素種が関与している反応として報告されているものや、活性酸素種の捕獲に有効な剤として報告されているものは、その検出方法等を検討すると、スーパーオキサイドやヒドロキシラジカル等のラジカル種に関するものがほとんどであり、一重項酸素についての測定を行い、一重項酸素に関する有効性を判断している報告はほとんどない。
従って、従来、単に広義に活性酸素に対して有効性が確認できていた技術であっても、一重項酸素に対する有効性については、不明であるものがほとんどである。
このような背景の下、従来、単に広義に活性酸素種が関与しているといわれていた疾病や老化について、具体的に、どの活性酸素種がどのように関与しているかが重要視されつつあり、特に、スーパーオキサイドやヒドロキシラジカル等のラジカル種とは異なる一重項酸素について、その反応性が注目されている。
例えば、一重項酸素が、紫外線の照射により健康な皮膚表面に発生し、様々な皮膚トラブルの原因となる皮脂の過酸化を引き起していることが明らかとなっている(例えば、非特許文献2)。
また、本発明者らは、生体の老化現象を捉えるために細胞老化評価系を用い、細胞老化に一重項酸素が関与していることを報告している(非特許文献3)。つまり、細胞を一重項酸素に曝露させると細胞寿命の短縮という特徴的な老化現象がみられたのである。そして、この現象は一重項酸素消去物質であるヒスチジンを細胞に与えることにより抑制されることを報告している。
更に、一重項酸素は、化粧料や食品等に配合されている植物エキス等の色素の褪色や変色を引き起こしたり、促進したりすることが知られている。褪色や変色を伴わない場合であっても、一重項酸素の存在によって皮膚用化粧料等に配合される薬効剤、例えば、有効成分としての脂質、たんぱく質、ビタミン類の分解を引き起したり、促進したりする場合があることが分かっている。
このように、一重項酸素は様々な反応に関与することが分かっている。従って、一重項酸素を選択的あるいは特異的に消去し得る技術があれば、一重項酸素が関与する疾病や老化などの防止に大変有効である。
一重項酸素を除去する技術としては、例えば、特許文献3には、ビオチンを主成分として、一重項酸素を取り除くことができ、かつ使用性が良好で安全性の高い一重項酸素消去剤が提案されている。また、特許文献4には、スクワレンおよび/または部分水素添加スクワレンを主成分とする一重項酸素消去剤が提案されている。
このように、一重項酸素を除去する技術が開発されつつあるが、多くは、それらの除去剤自体の化学的安定性が悪いために、保存中に経時的に劣化し、一重項酸素消去能が低下するものが多いのが現状である。そのため、効果の持続性の点で優れた一重項酸素消去剤の提供が望まれている。
ここで、本発明に関連のあるマテについて以下説明する。マテは、学名Ilex paraguariensisのモチノキ科(Aquifoliaceae)モチノキ属(Ilex)に属するブラジル、パラグアイ、アルゼンチンなどの南米原産の植物である。その葉や枝などを乾燥させた茶葉として、南米では広く飲用されている。
マテは、鉄分、カルシウム、マグネシウムなどを豊富に含み、貧血の予防や治療効果、骨祖鬆症の予防や治療効果があることが分かっている。また、マテには、テオフィリンやテオブロミンの成分が含まれているため、これらの成分が血管を拡張させ、冷え症などに有効であるとも言われている。更に、マテには、糖化タンパクの生成を抑制する効果があることが分かっており、動脈硬化症などの生活習慣病の予防や治療効果にも期待されている。
例えば、特許文献5には、マテチャが保湿効果を有することが報告されている。また、特許文献6には、マテ茶葉の糖化阻害作用を利用した、安全性の高い糖化阻害剤が提案されている。
その他、マテには、SOD様作用があることが報告されているが(特許文献7)、一重項酸素消去能についての報告はない。
特開2001−10954号公報 特開平7−159325号公報 特開平7−097322号公報 特開平6−329530号公報 特開2002−020225号公報 特開2008−088102号公報 特開平6−135848号公報
J.Soc.Cosmet.Chem.Japan. Vol.28,No.2 1994,p.163-171 日本香粧品科学会誌 第19巻 第1号(1995) 第1-6頁 J. Jpn. Cosmet. Sci. Soc. Vol.26, 2002, p.79-85
前述のように、生体内において、一重項酸素が様々な悪影響を及ぼすことが解明されつつあるが、この一重項酸素を有効に除去するための技術開発が追いついていないのが実情である。
そこで、本発明では、高い一重項酸素消去能を長期的に維持することができ、一重項酸素によって引き起こされる様々な反応を抑制し得る技術を提供することを主目的とする。
本発明者らは、一重項酸素消去能を有する天然物由来の有効物質の探求を行った結果、マテに着目し、マテ抽出物が一重項酸素消去能を有すること、その効果が安定的に持続することを具体的に確認することに成功し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明では、まず、モチノキ科モチノキ属マテ(学名:Ilex paraguariensis)よりエタノールで抽出されたマテ抽出物を有効成分とする一重項酸素消去剤を提供する。本発明に係る一重項酸素消去剤は、生体内において、一重項酸素を直接消去する機能を備える。
本発明に係る一重項酸素消去剤に有効成分として用いることができるマテ抽出物は、マテのあらゆる部位から抽出することができるが、本発明においては、葉より得られた抽出物を用いると有効成分が抽出しやすいため好ましい。
本発明に係る一重項酸素消去剤は、薬理学的に許容され得る添加剤を添加した皮膚外用剤や化粧料に好適に用いることができる。
本発明によれば、生体内において、高い一重項酸素消去能を長期的に維持することができ、一重項酸素によって引き起こされる様々な反応を抑制が可能である。特に、本発明の技術を利用した皮膚外用剤や化粧料を皮膚に適用することによって、一重項酸素が関与する反応が一因となって起こる、皮膚の老化、皮膚の黒化、にきび及び皮膚の損傷等を防止することが可能である。
以下、本発明を実施するための好適な形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
<一重項酸素消去剤>
本発明に係る一重項酸素消去剤は、マテ抽出物を有効成分とする。本発明に係る一重項酸素消去剤に含有されるマテ抽出物は、生体内に取り込まれることにより、生体内の一重項酸素を消去する。生体内の一重項酸素が消去されることにより、一重項酸素によって引き起こされる様々な反応を抑制することが可能である。例えば、一重項酸素が関与する反応が一因となって起こる生体現象としては、老化現象、特に皮膚においては、黒化、にきび、損傷などが挙げられ、本発明に係る一重項酸素消去剤を用いれば、これらを有効に予防および/または治療することが可能である。
本発明において、マテ抽出物とは、モチノキ科モチノキ属マテ(学名:Ilex paraguariensis)の種子、根茎、茎、葉、枝、花などを適当な溶媒で抽出して得られる抽出物を言い、通常、抽出した溶媒の濃厚溶液として使用する。また、該濃厚溶液を凍結乾燥させたもの、再抽出したものも、本発明に係る一重項酸素消去剤に用いることが可能である。
抽出に用いるマテの具体的部位は、本発明の目的を損なわなければ特に限定されず、種子、根茎、茎、葉、枝、花などあらゆる部位を自由に選択して用いることができる。また、それぞれの部位を湯通しして乾燥させた乾燥物などを用いて抽出を行うことも可能である。また、それぞれの部位を細切、粉砕または圧搾などをおこなったものを用いて抽出することも可能である。本発明では、特に、マテの葉を乾燥させた乾燥物を適当な大きさに粉砕して用いると有効成分を抽出しやすいため好ましい。
抽出に用いる溶媒も特に限定されず、通常、植物抽出に用いることができる溶媒を1種または2種以上自由に選択して用いることができる。例えば、水、低級一価アルコール類、液状多価アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、ハロゲン化炭素類などを挙げることができる。低級一価アルコール類としては、エタノール、メタノール及びプロパノールなどが挙げられる。液状多価アルコール類としては、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、及びジプロピレングリコール等が挙げられる。ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。エステル類としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、ギ酸エチルなどが挙げられる。これらの溶媒は単独或いは水溶液として用いても良く、任意の2種または3種以上の混合溶媒として用いても良い。この中でも本発明においては、親水性極性溶媒が好ましく、特に、水、エタノール、メタノール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、及びジプロピレングリコール、更にこの中でも水又はエタノールを、それぞれ単独、もしくはこれらを組み合わせて用いることが好ましい。これらの溶媒は、細胞毒性が低いため安全性が高く、得られた抽出物を凍結乾燥させて用いることも可能だからである。
抽出方法も特に限定されず、通常の抽出方法を自由に選択して用いることができる。例えば、前記で挙げた任意の溶媒にマテの任意の部位を所定の時間浸漬した後に濾過する方法、溶媒の沸点以下の温度で加温または攪拌等しながら抽出した後に濾過する方法、などが挙げられる。また、発酵、再抽出などの処理を施すことも可能である。
抽出したマテ抽出物は、そのままでも本発明に係る一重項酸素消去剤の有効成分として用いることができるが、目的に応じて、所定期間、放置し熟成させた後に、一重項酸素消去剤として用いることもできる。また、必要ならば、本発明の効果に影響のない範囲で、濾過又はイオン交換樹脂等により、脱臭、脱色等の精製処理を施して用いることもできる。更に、当該抽出物を、適当な分離手段(例えば、分配抽出、ゲル濾過法、シリカゲルクロマト法、逆相若しくは順相の高速液体クロマト法など)により活性の高い画分を分画して用いることも可能である。
本発明に係る一重項酸素消去剤に用いるマテ抽出物のより具体的な調整方法の一例を説明すると、マテをそのまま、或いは乾燥させたもの、又は細切・粉砕したもの等を、水;メタノール、エタノール等の低級一価アルコール;グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール;等の親水性極性溶媒又はこれらの二種以上の混合溶媒に、加温して又は室温にて浸漬させた後、抽出して得ることができる。
本発明に係る一重項酸素消去剤に用いるマテ抽出物は、液状、ペースト状、ゲル状等いずれの形態であってもよい。すなわち、抽出溶媒を含む液状の抽出液をそのままあるいは濃縮してから用いても良いし、また、抽出液を減圧乾燥、又は凍結乾燥などにより乾固させて固体状とした後に用いることもできる。また、スプレードライ等により乾燥させて粉末として用いることもできる。更には、これら固体状あるいは粉末の抽出物を適宜溶媒に再溶解して抽出液として用いても良い。
本発明に係る一重項酸素消去剤は、その一重項酸素消去率が、0.1mg/mLで5%以上あるものが好ましく、10%以上あるものがより好ましい。0.5mg/mLで10%以上あるものが好ましく、20%以上あるものがより好ましい。なお、本発明において、「一重項酸素消去率」とは、一重項酸素の遷移に伴う発光の強度低下率のことをいう。具体的には、一重項酸素消去率(E)は、一重項酸素を恣意的に発生させ、一重項酸素の遷移に伴う発光が観測される系に、一重項酸素消去剤を種々の濃度で添加し、その発光強度(I)と、一重項酸素消去剤を加えなかった時の発光強度(I)を測定し、これらの測定値を用いて、下記の式(1)から算出される。
Figure 0005770426
本発明に係る一重項酸素消去剤は、一重項酸素が存在することによって引き起こされる又は促進される反応を抑制する用途に利用することができる。例えば、前述のとおり、一重項酸素は、真皮構成成分であるコラーゲンを架橋させることが知られており(非特許文献1参照)、コラーゲンの架橋は、皮膚の弾力性及び柔軟性を低下させ、皮膚の老化の一因となる。従って、本発明に係る一重項酸素消去剤を皮膚に適用することにより、コラーゲンの架橋が形成されることを抑制することができ、皮膚の老化を防止し、若々しい皮膚を維持することができる。即ち、本発明の一重項酸素消去剤は、コラーゲン架橋抑制剤として利用することができる。
また、例えば、前述のとおり、一重項酸素は、UV−Aの照射によって皮膚表面に多く発生し、ドーパの酸化により非酵素的に起こる即時黒化に関与していること、及び皮表脂質の過酸化に関与していることが知られている(非特許文献2参照)。従って、本発明に係る一重項酸素消去剤を皮膚に適用することにより、皮膚の即時黒化や皮表脂質の過酸化を抑制することができる。本発明に係る一重項酸素消去剤を、即時黒化抑制剤として使用する場合は、一重項酸素消去剤の一重項酸素消去率がドーパより大きいものを利用することがより好ましい。
更に、例えば、前述のとおり、一重項酸素は、生体内反応を担っている数多くの酵素の失活を引き起こす又は促進することが知られている。従って、本発明に係る一重項酸素消去剤は、酵素失活抑制剤として利用することができる。本発明に係る一重項酸素消去剤を、酵素の失活抑制剤として利用する場合は、一重項酸素消去剤の一重項酸素消去率が、その酵素の一重項酸素消去率より大きいことがより好ましい。
加えて、前述のとおり、一重項酸素は、細胞老化に関与していることが分かっている(非特許文献3参照)。従って、本発明に係る一重項酸素消去剤は、細胞老化抑制剤としても利用することができる。
また、前述のとおり、一重項酸素は、化粧料や食品等に配合されている植物エキス等の色素の褪色や変色を引き起こしたり、促進したりすること、褪色や変色を伴わない場合であっても、化粧料や食品等に配合されている脂質、たんぱく質、ビタミン類のような有効成分の分解を引き起したり、促進したりする場合があることが知られている。従って、本発明に係る一重項酸素消去剤を化粧料や食品等に配合すると、一重項酸素消去能及びこれに付随する上記効果が得られるのみならず、共に配合されている他の剤の分解を抑制するという効果も得られる。即ち、本発明の一重項酸素消去剤は、色素褪色防止剤として利用することができ、また褪色のみならず脂質、たんぱく質、ビタミン類の他の薬効剤の保存剤として利用することもできる。
本発明に係る一重項酸素消去剤は、上述のような作用・効果を奏するので、医薬品、医薬部外品、化粧料、食品等の種々の目的に好適に利用することができる。
<皮膚外用剤>
本発明に係る一重項酸素消去剤は、その優れた一重項酸素消去作用を利用して、皮膚外用剤に好適に用いることができる。一重項酸素は、常に酸素に接触し、紫外線に暴露されている皮膚表面上に多く存在するので、本発明の一重項酸素消去剤を含有する組成物は、皮膚外用剤として非常に有用である。
本発明に係る皮膚外用剤は、あらゆる剤型の外用剤に適用することができる。例えば、外用液剤、外用ゲル剤、クリーム剤、軟膏剤、スプレー剤、リニメント剤、ローション剤、ハップ剤、硬膏剤、噴霧剤、エアゾール剤、などの外用剤に適用することができる。
本発明に係る皮膚外用剤には、薬理学的に許容される添加剤を1種または2種以上自由に選択して含有させることができる。例えば、基剤、界面活性剤、保存剤、乳化剤、着色剤、矯臭剤、香料、安定化剤、防腐剤、酸化防止剤、潤沢剤、溶解補助剤、懸濁化剤、油剤、増粘剤、キレート剤、酵素、pH調整剤などの、医薬製剤の分野で通常使用し得る全ての添加剤を含有させることができる。
また、本発明に係る一重項酸素消去剤は、その有効成分が天然由来成分であるため、多剤との併用を注意する必要性が低い。そのため、既存のあらゆる薬剤や薬効成分を1種または2種以上自由に選択して、合剤とすることもできる。例えば、抗酸化剤、抗炎症剤、細胞賦活剤、紫外線防止剤、保湿剤、血行促進剤、抗菌剤、美白剤、活性酵素除去剤、鎮痛剤、ステロイド剤、抗真菌剤、鎮咳剤、抗ヒスタミン剤、ビタミン剤、抗腫瘍剤など、あらゆる薬剤を配合することができる。
これらの薬剤や薬効成分中、代表的なものについて、具体的に以下例示する。なお、ここでは、「誘導体」とは形成可能なエステルや塩を含む概念である。また、同一成分が複数の薬効を有する場合があるため、その場合には、複数の薬剤や薬効成分に同一名を記載している。
抗酸化剤の一例としては、ビタミンE及びその誘導体、ビタミンC及びその誘導体、カロチノイド、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ルチン及びその誘導体、グルタチオン及びその誘導体、スーパーオキサイドディスムターゼ、マンニトール、ケイケットウ抽出物、ゲンノショウコ抽出物、サンザシ抽出物、シャクヤク抽出物、イチョウ抽出物、コガネバナ(オウゴン)抽出物、マイカイカ(マイカイ、ハマナス)抽出物、トルメンチラ抽出物、ブドウ抽出物、ヤシャジツ(ヤシャ)抽出物、ユキノシタ抽出物、ローズマリー(マンネンロウ)抽出物、茶抽出物(烏龍茶、紅茶、緑茶等)などが挙げられる。
抗炎症剤の一例としては、グリチルリチン酸及びその誘導体、グリチルレチン酸及びその誘導体、イオウ及びその誘導体、アロエ抽出物、アシタバ抽出物、イラクサ抽出物、インチンコウ(カワラヨモギ)抽出物、ウコン抽出物、キハダ(オウバク)抽出物、オトギリソウ抽出物、カミツレ抽出物、コンフリー(ヒレハリソウ)抽出物、スイカズラ(キンギンカ)抽出物、クレソン抽出物、サルビア(セージ)抽出物、ワレモコウ(ジユ)抽出物、シソ抽出物、シラカバ抽出物、ニワトコ抽出物、ガマ(ホオウ)抽出物、ムクロジ抽出物、ユーカリ抽出物、ヨモギ抽出物、レンゲソウ抽出物、クマザサ抽出物、酸化亜鉛などが挙げられる。
細胞賦活剤の一例としては、カフェイン、鶏冠抽出物、貝殻抽出物、貝肉抽出物、ローヤルゼリー、シルクプロテイン及びその分解物又はそれらの誘導体、ラクトフェリン又はその分解物、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸等のムコ多糖類またはそれらの塩、コラーゲン、酵母抽出物、乳酸菌抽出物、ビフィズス菌抽出物、醗酵代謝抽出物、イチョウ抽出物、オオムギ抽出物、センブリ抽出物、タイソウ抽出物、ニンジン抽出物、グリコール酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、ビタミンA及びその誘導体、アスパラガス抽出物、ダイズ抽出物、ナツメ(タイソウ)抽出物、ニンニク抽出物、ブナノキ抽出物、微生物醗酵代謝産物、霊芝抽出物などが挙げられる。
紫外線防止剤の一例としては、パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−硫酸ナトリウム、4−t−ブチル−4'−メトキシジベンゾイルメタン、2−フェニル−ベンズイミダゾール−5−硫酸、酸化チタン、酸化亜鉛、オキシベンゾン及びその誘導体、微粒子酸化チタン及び微粒子酸化亜鉛などが挙げられる。酸化チタン、酸化亜鉛などの無機粉体は、微粒子のものを用いるとより高い効果が発揮される。
保湿剤の一例としては、エラスチン、ケラチン等のタンパク質またはそれらの誘導体、加水分解物並びにそれらの塩、グリシン、セリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、テアニン等のアミノ酸及びそれらの誘導体、ソルビトール、エリスリトール、トレハロース、イノシトール、グルコース、蔗糖およびその誘導体、デキストリン及びその誘導体、ハチミツ等の糖類、D−パンテノール及びその誘導体、尿素、リン脂質、セラミド、オウレン抽出物、ショウブ抽出物、ジオウ抽出物、センキュウ抽出物、ゼニアオイ抽出物、タチジャコウソウ抽出物、ドクダミ抽出物、ハマメリス抽出物、ボダイジュ抽出物、マロニエ抽出物、マルメロ抽出物などが挙げられる。
血行促進剤の一例としては、ユズ抽出物、アルニカ抽出物、トウガラシチンキ、ショウブ抽出物、γ―オリザノールなどが挙げられる。
抗菌剤の一例としては、安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステル、塩化ベンザルコニウム、フェノキシエタノール、イソプロピルメチルフェノールなどが挙げられる。
美白剤の一例としては、アスコルビン酸又はその誘導体、アルブチン、エラグ酸、リノール酸、ビタミンE及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその誘導体、トラネキサム酸、胎盤抽出物、カミツレ抽出物、カンゾウ抽出物、エイジツ抽出物、オウゴン抽出物、海藻抽出物、クジン抽出物、ケイケットウ抽出物、ゴカヒ抽出物、コメヌカ抽出物、小麦胚芽抽出物、サイシン抽出物、サンザシ抽出物、サンペンズ抽出物、シラユリ抽出物、シャクヤク抽出物、センプクカ抽出物、大豆抽出物、茶抽出物、糖蜜抽出物、ビャクレン抽出物、ブドウ抽出物、ホップ抽出物、マイカイカ抽出物、モッカ抽出物、ユキノシタ抽出物、ローズマリー抽出物などが挙げられる。
活性酸素除去剤の一例としては、過酸化脂質生成抑制等の作用を有しているものであれば自由に選択して用いることができるが、例えば、スーパーオキサイドディスムターゼ、マンニトール、クエルセチン、カテキン及びその誘導体、ルチン及びその誘導体、ボタンピ抽出物、ヤシャジツ抽出物、メリッサ抽出物、羅漢果抽出物、レチノール及びその誘導体、カロチノイド等のビタミンA類、チアミンおよびその誘導体、リボフラビンおよびその誘導体、ピリドキシンおよびその誘導体、ニコチン酸およびその誘導体等のビタミンB類、トコフェロール及びその誘導体等のビタミンE類、ジブチルヒドロキシトルエン及びブチルヒドロキシアニソールなどが挙げられる。
本発明に係る皮膚外用剤において、マテ抽出物の配合量は特に限定されず、目的に応じて自由に設定することが可能であるが、固形分として0.000001質量%以上1.0質量%以下含有させることが好ましく、0.00001質量%以上0.1質量%以下含有させることがより好ましい。この範囲内であればマテ抽出物を安定的に配合することができ、かつ高い一重項酸素除去効果を発揮し、その結果、優れた皮膚の老化、皮膚の黒化、にきび及び皮膚の損傷等の防止効果を発揮することができる。
以上説明した本発明に係る皮膚外用剤は、その有効成分が天然由来成分であるため、種々の疾患を罹患した患者に対しても安心して投与できる可能性も高い。また、長期間、連続的に投与しても副作用を心配する必要性も少ない。
<化粧料>
本発明に係る一重項酸素消去剤は、その優れた一重項酸素消去作用を利用して、化粧料に好適に用いることができる。一重項酸素の消去によって抑制される反応は、皮膚の老化、皮膚の黒化、にきび、皮膚の損傷の一因となる反応であるので、これらの反応を抑制できる本発明に係る一重項酸素消去剤を有効成分として含有する組成物は、皮膚の老化防止、美白、にきび用、美肌を目的とする皮膚用化粧料として特に有用である。
本発明に係る化粧料は、あらゆる形態の化粧料に適用することができる。例えば、化粧水、乳液、クリーム、アイクリーム、美容液、マッサージ料、パック料、ハンドクリーム、ボディクリーム、日焼け止め化粧料、洗顔料等のスキンケア化粧料や、シャンプー、ヘアートリートメント、ヘアースタイリング剤、養毛剤、育毛剤等の頭髪化粧料パウダーファンデーション、リキッドファンデーション、化粧用下地化粧料、白粉、コンシーラー、アイシャドウ等のメーキャップ化粧料などに適用することができる。
本発明に係る化粧料には、本発明に係る一重項酸素消去剤に加え、通常化粧料に用いることができる成分を、1種または2種以上自由に選択して配合することが可能である。例えば、基剤、保存剤、乳化剤、着色剤、防腐剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、保湿剤、紫外線吸収剤、香料、防腐防黴剤、体質顔料、着色顔料、アルコール、多価アルコール、水、油剤、増粘剤、粉体、キレート剤、酵素、pH調整剤などの、化粧料分野で通常使用し得る全ての添加剤を含有させることができる。
また、本発明に係る一重項酸素消去剤は、その有効成分が天然由来成分であるため、他の有効成分との併用を注意する必要性が低い。そのため、本発明に係る化粧料組成物には、本発明に係る一重項酸素消去剤に加え、他の有効成分を必要に応じて自由に配合することができる。例えば、抗酸化剤、抗炎症剤、細胞賦活剤、紫外線防止剤、保湿剤、血行促進剤、抗菌剤、美白剤、活性酵素除去剤など、あらゆる有効成分を配合することができる。なお、これらの有効成分の具体的な例示は、前述した皮膚外用剤と同様であるため、ここでは説明を割愛する。
本発明に係る化粧料において、マテ抽出物の配合量は特に限定されず、目的に応じて自由に設定することが可能であるが、純分として0.000001質量%以上1.0質量%以下含有させることが好ましく、0.00001質量%以上0.1質量%以下含有させることがより好ましい。この範囲内であればマテ抽出物を安定的に配合することができ、かつ高い一重項酸素除去効果を発揮し、その結果、優れた皮膚の老化、皮膚の黒化、にきび及び皮膚の損傷等の防止効果を発揮することができる。
以上説明した本発明に係る化粧料は、その有効成分が天然由来成分であるため、安全性が高く、長期間、連続的な使用が可能である。
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。なお、以下に説明する実施例は、本発明の代表的な実施例の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
<マテ抽出物の一重項酸素除去効果の検討>
実施例1では、マテ抽出物の一重項酸素除去効果について検討を行った。なお、本実施例においては、抽出に用いるマテの具体的部位の一例として、葉部分を用いた。
(1)マテ抽出物の調製
まず、モチノキ科モチノキ属マテ(学名:Ilex paraguariensis)の葉100gに4000gのエタノールを加え、室温で15時間浸漬した後、1/10まで濃縮し、濃縮物に2500gの58vol%エタノールを加えて撹拌後、ろ過してマテ抽出物を得た。これを蒸発乾固させて固形分濃度を測定したところ0.743%であった。このマテ抽出物をエタノールに再度溶解し、規定の濃度とした。
(2)一重項酸素消去率の測定
前記で調整したマテ抽出物の一重項酸素消去率を、以下の手順で測定した。なお、一重項酸素の検出は、以下のように構成した測定装置を用いて行った。
光源部:コヒーレント(Coherent)社製アルゴンレーザー(Innova 70-4)
強度変調部:イントラ・アクション(IntraAction)社製音響光学変調器(ASM-702-8,ME-70)
フローセル:石英製フローセル(セル長 3mm;容量 0.18ml)
循環用ポンプおよびバブリング装置:岩城ガラス社製ペリスタルティックポンプ TST−100高圧酸素ガスボンベ
可視光フィルター、分光器および検出器:色ガラスフィルター(IR-80)、日本分光社製分光器(CT-10, スリット幅2mm)、アプライド・デテクター(Applied Detector社製)Ge−ディテクター(Model 403 HS;液体窒素冷却)
増幅器:EG&Gプリンセトン・アプライド・リサーチ(EG & G PrincetonApplied Research)社製ロックインアンプ(Model 124A,116)
前記装置のフローセル中に、ローズベンガルの50μMの50%エタノール水溶液を、20mL/分の速度で循環させた。このセルに、ローズベンガルの吸収波長である514.5nmの波長のレーザーを照射すると、一重項酸素の遷移に伴う発光が観察され、その発光ピークは波長1268nmであった。溶媒のみの波長1268nmでの発光強度(I)をまず測定し、次いで、マテ抽出物を0.10mg/mLの濃度で添加した場合の波長1268nmでの発光強度(I)を測定した。これらの測定値に基づき、前記式(1)を用いて、一重項酸素消去率(E)を算出した。
なお、比較としては、バクガ根100gに水10Lを加え、室温にて抽出し、その後、抽出液をろ過して得られたろ液であるバクガ根エキスを用いた。バクガ根エキスは、活性酸素消去能を有することが知られている。結果をこの結果を表1に示す。
Figure 0005770426
表1に示す通り、マテ抽出物は、優れた一重項酸素消去能を示すことが証明された。一方、バクガ根エキスは、活性酸素消去能を有しているにも関わらず、一重項酸素消去能は低いことが明らかとなった。即ち、活性酸素消去能を有しているものであっても、一重項消去能を有するとは限らないことが分かった。
実施例2では、マテ抽出物を含有する化粧料の一例として、表2の処方に従って化粧水を作製した。なお、マテ抽出物は、実施例1で調整したもの(固形分濃度0.743質量%)を用いた。
Figure 0005770426
(製法)
A:成分(5)〜(8)を混合溶解した。
B:成分(1)〜(4)及び(9)〜(11)を混合溶解した。
C:BにAを添加混合し、化粧水を得た。
(効果)
実施例2で調製した化粧水は、変色・変臭および沈殿物などがなく、安定であり、皮膚に適用可能であった。
実施例3では、マテ抽出物を含有する化粧料の一例として、表3の処方に従って乳液を作製した。なお、マテ抽出物は、市販のマテ茶エキスPF(三省製薬社製)を用いた。
Figure 0005770426
(製法)
A:成分(12)に成分(7)〜(9)を加えて70℃で均一に混合した。
B:成分(1)〜(6)を70℃で均一に混合した。
C:AにBを加えて乳化し、室温まで冷却した。
D:(10)、(11)、(13)、(14)を加えて均一に混合し、乳液を得た。
(効果)
実施例3で調製した乳液は、変色・変臭および沈殿物などがなく、安定であり、皮膚に適用可能であった。
実施例4では、マテ抽出物を含有する化粧料の一例として、表4の処方に従ってリキッドファンデーション(水中油型クリーム状)を作製した。なお、マテ抽出物は、市販のマテ茶エキスPF(三省製薬社製)を用いた。
Figure 0005770426
(製法)
A:成分(7)〜(12)を分散した。
B:Aに成分(13)〜(18)を加え70℃で均一に混合した。
C:成分(1)〜(6)を70℃で均一に混合した。
D:CにBを加え乳化し、室温まで冷却した。
E:Dに成分(19)を添加し均一に混合して水中油型クリーム状リキッドファンデーションを得た。
(効果)
実施例4で調製した水中油型クリーム状リキッドファンデーションは、変色・変臭および沈殿物などがなく、安定であり、皮膚に適用可能であった。
実施例5では、マテ抽出物を含有する化粧料の一例として、表5の処方に従って日焼け止め化粧料(油中水型クリーム状)を作製した。なお、マテ抽出物は、実施例1で調整したもの(固形分濃度0.743質量%)を用いた。
Figure 0005770426
(製法)
A:成分(1)〜(7)を均一に分散した。
B:成分(8)〜(12)を均一に分散した。
C:Bを攪拌しながら徐々にAを加えて乳化し、油中水型クリーム状日焼け止め化粧料を得た。
(効果)
実施例5で調製した油中水型クリーム状日焼け止め化粧料は、変色・変臭および沈殿物などがなく、安定であり、皮膚に適用可能であった。
実施例6では、マテ抽出物を含有する皮膚外用剤の一例として、表6の処方に従って軟膏剤を作製した。なお、マテ抽出物は、実施例1で調整したもの(固形分濃度0.743質量%)を用いた。
Figure 0005770426
(製法)
A:成分(3)、(4)および(8)、(9)の一部を加熱混合し、75℃に保った。
B:成分(1)、(2)、(6)、(7)を加熱混合し、75℃に保った。
C:AにBを徐々に加え、これを冷却しながら成分(9)の残部で溶解した(5)を加え、軟膏剤を得た。
(効果)
実施例6で調製した軟膏剤は、変色・変臭および沈殿物などがなく、安定であり、皮膚に適用可能であった。
実施例7では、マテ抽出物を含有する皮膚外用剤の一例として、表7の処方に従ってローション剤を作製した。なお、マテ抽出物は、実施例1で調整したもの(固形分濃度0.743質量%)を用いた。
Figure 0005770426
(製法)
A:成分(3)〜(5)を混合溶解した。
B:成分(1)、(2)、(6)、(7)を混合溶解した。
C:AとBを混合して均一にし、ローション剤を得た。
(効果)
実施例7で調製したローション剤は、変色・変臭および沈殿物などがなく、安定であり、皮膚に適用可能であった。
本発明によれば、生体内において、高い一重項酸素消去能を長期的に維持することができ、一重項酸素によって引き起こされる様々な反応を抑制が可能である。そのため、一重項酸素によって引き起こされる様々な疾患の予防および/または治療に、本発明の技術を用いることが可能である。特に、本発明の技術を利用した皮膚外用剤や化粧料を皮膚に適用することによって、一重項酸素が関与する反応が一因となって起こる、皮膚の老化、皮膚の黒化、にきび及び皮膚の損傷等を防止することが可能である。

Claims (2)

  1. モチノキ科モチノキ属マテ(学名:Ilex paraguariensis)よりエタノールで抽出されたマテ抽出物を有効成分とする一重項酸素消去剤。
  2. 前記マテ抽出物は、前記マテの葉より得られる抽出物である請求項1記載の一重項酸素消去剤。
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