JP2017149648A - 皮膚外用剤又は化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、腐植土抽出物と特定のデキストリン脂肪酸エステルを含有する皮膚外用剤又は化粧料に関し、さらに詳しくは、腐植土抽出物由来、ならびに特定のデキストリン脂肪酸エステル由来のべたつきが軽減され、かつ即時的な後肌のなめらかさが得られ、長期的にも肌をなめらかに整える効果がある皮膚外用剤又は化粧料に関するものである。【解決手段】次の成分(A)及び(B);(A)腐植土抽出物(B)デキストリンと脂肪酸とのエステル化物であって、デキストリンのグルコースの平均重合度が3〜150であり、脂肪酸が炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸の1種又は2種以上を全脂肪酸に対して50mol%より多く100mol%以下、及び、炭素数2〜22の直鎖飽和脂肪酸、炭素数6〜30の直鎖又は分岐の不飽和脂肪酸及び炭素数6〜30の環状の飽和又は不飽和脂肪酸よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を全脂肪酸に対して0mol%以上50mol%未満を含有し、グルコース単位当たりの脂肪酸の置換度が1.0〜3.0であるデキストリン脂肪酸エステルを含有する皮膚外用剤又は化粧料。【選択図】なし

Description

本発明は、腐植土抽出物及び特定のデキストリン脂肪酸エステルを含有する皮膚外用剤又は化粧料に関し、さらに詳しくは、腐植土抽出物及び特定のデキストリン脂肪酸エステル由来のべたつきが抑制され、また、即時的な後肌のなめらかさ、毛穴目立ちの改善効果に優れ、長期的にも肌をなめらかに整える効果があり、製剤の安定性に優れる皮膚外用剤又は化粧料に関するものである。
腐植土は、地上植物、大型・微細藻類などの植物(広義)や魚介類およびその他無機物が、海、沼、池や湖の底部に堆積したものやこれが地表に隆起したもの、また森林の地表部に堆積したもの等のように植物(広義)などやこれを含む堆積物が、長い年月の間に嫌気性微生物等により分解、有機化を受けたものである。この腐植土の抽出物は、フルボ酸、フミン酸などの腐植土壌特有の構成物質のほか、脂肪酸、有機酸、アミノ酸、タンパク質、ミネラル等が含まれていることが知られており、化粧料や浴剤への配合が検討されてきた(例えば、特許文献1、2参照)。腐植土抽出物またはその成分であるフミン質、フルボ酸もしくはフミン酸はまた、各種の機能、具体的には抗菌・殺菌、ウイルス不活化、I型アレルギー抑制作用、毛穴目立ち改善作用、収斂作用、コラーゲンゲル収縮促進作用、または一重項酸素消去作用が見出され、皮膚外用剤や化粧料組成物における有効成分として利用することが検討されてきた(例えば特許文献3,4参照)。
特開2000−136140号公報 特開平10−059837号公報 特開2006−232785号公報 特開2008−007451号公報
このようにさまざまな効果が検討されてきた腐植土抽出物であるが、皮膚外用剤や化粧料に配合すると、肌上においてべたつきが出やすいという難点があった。
本発明者は鋭意検討した結果、驚くべきことに、肌上でべたつく腐植土抽出物にべたつきのある特定のデキストリン脂肪酸エステルを組み合わせることで、課題であったべたつきが抑えられることを見出した。さらに腐植土抽出物の毛穴目立ち改善効果や、収斂効果等、肌の凹凸をなめらかにする効果についても、特定のデキストリン脂肪酸エステルと併用することで即時的な効果が向上した皮膚外用剤又は化粧料を具現化できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、(A)腐植土抽出物、(B)デキストリンと脂肪酸とのエステル化物であって、デキストリンのグルコースの平均重合度が3〜150であり、脂肪酸が炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸の1種又は2種以上を全脂肪酸に対して50mol%より多く100mol%以下、及び、炭素数2〜22の直鎖飽和脂肪酸、炭素数6〜30の直鎖又は分岐の不飽和脂肪酸及び炭素数6〜30の環状の飽和又は不飽和脂肪酸よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を全脂肪酸に対して0mol%以上50mol%未満を含有し、グルコース単位当たりの脂肪酸の置換度が1.0〜3.0であるデキストリン脂肪酸エステルを含有する皮膚外用剤又は化粧料を提供するものである。
さらに、成分(A)腐植土抽出物が、水系溶媒抽出物である腐植土抽出物である皮膚外用剤又は化粧料を提供するものである。
さらに、成分(A)腐植土抽出物が、エキス分濃度が0.5質量%となるように水に溶解または懸濁したときにフミン質を100mg/L以上含有するものである皮膚外用剤又は化粧料を提供するものである。
さらに、成分(A)腐植土抽出物が、エキス分濃度が0.5質量%となるように水に溶解または懸濁したときにフルボ酸を0.1〜100mg/L含有するものである皮膚外用剤又は化粧料を提供するものである。
さらに、成分(B)のデキストリン脂肪酸エステルを構成する分岐飽和脂肪酸が、炭素数12〜22の分岐飽和脂肪酸から選ばれる1種又は2種以上である皮膚外用剤又は化粧料を提供するものである。
さらに、成分(B)のデキストリン脂肪酸エステルが、ASTM D445測定方法による40℃における動粘度が8mm/sである流動パラフィンをゲル化しない、皮膚外用剤又は化粧料を提供するものである。
さらに、成分(C)として、25℃における粘度が1000mPa・s以下である油剤を1種又は2種以上含有する、皮膚外用剤又は化粧料を提供するものである。
さらに、成分(C)の油剤が炭素数6〜22の分岐脂肪酸を含有する脂肪酸エステルである、皮膚外用剤又は化粧料を提供するものである。
さらに、成分(A)の含有量が、エキス分として0.00001〜1質量%である、皮膚外用剤又は化粧料を提供するものである。
さらに、成分(B)の含有量が、0.01〜10質量%である、皮膚外用剤又は化粧料を提供するものである。
本発明は、べたつきのある腐植土抽出物及び特定のデキストリン脂肪酸エステルを含有しながらもべたつきがなく使用感が良好であり、また、即時的な後肌のなめらかさ、毛穴目立ちの改善効果に優れ、長期的にも肌をなめらかに整える効果があり、製剤の安定性に優れる皮膚外用剤又は化粧料を提供することができる。
以下、本発明について詳述する。なお、本明細書においては、〜を用いて数値範囲を表す際は、その範囲は両端の数値を含むものとする。
本発明に用いられる成分(A)は、腐植土抽出物である。本発明で使用する腐植土抽出物の腐植土は、特に限定されず、産地、状態を問わずいずれのものも使用することができる。具体的には、この腐植土として、例えば、森林、河川、湖沼、海洋などを起源とするものを使用することが可能であり、この腐植土とは、そこで生息していた地上植物、大型・微細藻類などの植物(広義)などやこれを含む堆積物が、嫌気性微生物などにより分解、合成、有機化を受けたものである。このうち、海洋でできた堆積物を起源とする腐植土、より好ましくは海洋でできた堆積物が隆起してなったような日本列島由来の腐植土であり、さらに九州由来の腐植土が好ましい。この腐植土の腐植の程度も特に限定されず、腐植が進行し、高分子有機化合物であるフルボ酸やフミン酸が含まれるものが好ましい。
本発明で使用する腐植土抽出物は、抽出手段にて腐植土を溶媒に接触させて効果のある成分を抽出し、回収することによって得られる。さらに、不要物除去や除菌のため、ろ過手段を行うのが好ましい。得られた腐植土抽出物は、必要に応じて、希釈、濃縮や乾燥を行うことができ、また不純物の除去のため分離や精製等を行ってもよい。腐植土抽出物の形態としては、特に限定されず、例えば、固体状、半固体状や液状が挙げられる。具体的には、例えば、溶液、懸濁液、濃縮液、エマルジョン、スラリー、粉末、顆粒および固形などの状態が挙げられる。また腐植土抽出物は、特に記載した場合を除き、腐植土から抽出操作によって得られる、組成物または腐食土特有の成分をいう。腐植土抽出物は、フミン質、フミン酸またはフルボ酸であり得る。
好適な腐植土抽出物を製造する方法の一例として、腐植土に、抽出溶媒を加えて混合攪拌後、有効成分を分離することによって腐植土抽出物を得ることが挙げられる。
抽出手段としては、特に限定されず、固液抽出、液液抽出、浸漬、煎出、浸出、還流抽出、超臨界流体抽出、超音波抽出、マイクロ波抽出、混合攪拌等が挙げられる。これらを適宜組み合わせてもよい。また、分離手段としては、特に限定されず、例えば、ろ過分離手段や遠心分離手段などが挙げられる。これらを単独で又は組み合わせて使用してもよい。ろ過分離手段としては、自然ろ過、減圧ろ過および加圧ろ過などが挙げられる。このとき、セルロースフィルター、ガラス繊維フィルター、メンブランフィルターなどのろ材を用い、必要に応じてセライト、砂利および活性炭などのろ過助剤を用いる。孔径は特に限定されず、例えば0.1〜1μmが好適である。これらを適宜組み合わせてもよい。なお、腐植土抽出物は、除菌用フィルターを用いてろ過されているものが、腐植土が熱変性されず、また不溶性物質などが除去されているので、好ましい。
また、抽出に先立って行う腐植土の乾燥や前処理の有無および方法に特に限定はない。
抽出溶媒としては、特に限定されず、極性溶媒又は非極性溶媒のいずれも使用してもよい。この抽出溶媒としては、例えば、水(温泉水、海洋深層水などのミネラル分を含む水や精製水等);直鎖、分岐鎖又は環状のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどの鎖状および環状エーテル類;ポリエチレングリコールなどのポリエーテル類;スクワラン、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテルなどの炭化水素類;トルエンなどの芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;および超臨界二酸化炭素などが挙げられる。なお、これらは単独で又は2種以上組み合わせた混合溶媒として使用してもよい。また、有機溶媒は水溶性のものが、好適である。
抽出溶媒のうち、水、アルコール類、ケトン類および超臨界二酸化炭素から選ばれる1種以上のものが好ましい。それらのうちでも、水およびアルコール類から選ばれる1種以上のものが好ましく、例えば、水、アルコール類および水とアルコール類との混液が挙げられる。
ここで、アルコール類は、一価又は多価アルコール類のいずれでもよく、一価アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノールおよびプロパノールなどが挙げられ、多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、グリセリンおよびジプロピレングリコールなどが挙げられる。アルコール類のうち、例えば、エタノールおよび1,3−ブチレングリコールなどの炭素数1〜5の低級アルコール類が好ましく、このうち低級一価アルコール類が好ましく、このうちさらにエタノールが好ましい。
本発明者の検討によると、腐植土抽出物に含まれる成分のうち、目的の効果が高い成分の一つがフルボ酸であると考えられることから、腐植土抽出物の抽出溶媒は、フルボ酸が溶解可能であることが好ましい。具体的には水系溶媒、すなわち水を含む溶媒が好ましく、水および水アルコール類混液がより好ましい。より具体的には、アルコール類を0〜90容量%含む水溶液が好適であり、好ましくは0〜70容量%、より好ましくは0〜50容量%、さらに好ましくは0〜20容量%を含む水溶液が好適である。
溶媒の使用量は、特に限定されず、例えば、腐植土(乾燥状態)100kgに対して、腐植土成分の抽出効率および作業効率の点で、100〜1000Lとするのが好ましく、200〜600Lとするのがより好ましい。
抽出期間は、特に限定されず、好ましくは1日〜3年間であり、より好ましくは10日〜1.5年間である。このときの腐植土と抽出溶媒との混合攪拌は、特に限定されず、例えば、0.5〜48時間程度行えばよい。これにより腐植土と抽出溶媒が接触し、有効成分を抽出しやすくなる。また、連続又は不連続に混合攪拌を行えばよい。例えば、混合撹拌した後、さらに一定期間混合攪拌する若しくは一定期間混合攪拌後放置するか、又は放置して熟成させるのが、抽出効率の点で、好適である。混合攪拌後に放置することで腐植土が沈降し、分離の際に有利であるため、好ましい。例えば、抽出期間内(例えば1日〜3年間)、連続又は不連続に混合攪拌を行う;1時間〜7日間混合攪拌後、1〜60日間(好適には20〜40日間)放置する;引き続き1〜20日間(好適には3〜9日間)混合攪拌した後、1日〜3年間(好適には6ヶ月〜2年間)放置するなどが挙げられる。
抽出温度は、特に限定されず、好ましくは低温〜高温(例えば、0〜100℃程度)、より好ましくは低温(例えば、0〜9℃程度)〜常温(例えば、10〜40℃程度)とするのが、腐植土を熱変性させないために、好適である。
なお、乾燥としては、天日乾燥、自然乾燥、風乾燥、熱乾燥、凍結乾燥などが挙げられ、腐植土が熱変性しない乾燥であれば好適である。このとき、腐植土が微粉砕できる程度に乾燥するのが望ましく、粉砕することによって腐植土の抽出効率が向上するので、好適である。
腐植土抽出物には、フルボ酸、フミン酸などの腐植土壌特有の構成物質(フミン質など)や、脂肪酸、有機酸、アミノ酸、タンパク質、ミネラルなどが含まれている。
腐植土抽出物には、エキス分濃度が0.5質量%となるように水に溶解もしくは懸濁したときに、フミン質が、少なくとも少なくとも0.1mg/L以上、好ましくは10mg/L以上、より好ましくは100mg/L以上、さらに好ましくは100〜1000mg/L、さらに好ましくは200〜700mg/L、さらに好ましくは350〜650mg/L含まれているのが好適である。ここで、フミン質(腐植質)とは、例えば、植物成分などが土壌中に分解、縮合して生成する高分子物質を指す。ここで、フミン質は、鉱泉試験法(衛生試験法・注解2002、日本薬学会)の腐植質についての試験法で定量することができる。試験法詳細は、下記のとおりである。
試料VmL(腐植質として約20mg以上含む。)を正確にとり、孔径0.45μmメンブランフィルター(あらかじめデシケーター(シリカゲル)で乾燥し、秤量しておく。)を用いて吸引ろ過し、少量の水で洗浄した後、ろ液および洗浄液を合わせ、HCl10mLを加えてよくかき混ぜ、一昼夜放置する。これをメンブランフィルターでろ過する。ろ過に際しては、上清をまず静かに吸引ろ過し、最後に沈殿部を追加する。ろ過し終わったら沈殿を水でよく洗う。ろ液はいくらか着色しているのが普通である。フルボ酸が多いときは着色が著しい。ろ過後、フィルター部分をはがして、パラフィン紙に包んでデシケーター(シリカゲル)中で恒量になるまで乾燥する(一昼夜放置)。メンブランフィルターの重量を差し引いて腐植質の量を求め、試料中の含量を計算する。腐植質は灰分を含むので、メンブランフィルターをるつぼに移し、少量のメチルアルコールを加えて燃やし、さらに灰化して灰分を求め、先の重量から差し引く。
フミン質(腐植質)(mg/L)=((A−B)−C)/D×100

A:フィルター部分の重量(mg)
B:メンブランフィルターの重量(mg)
C:灰分の重量(mg)
D:試料採取量(ml)
本発明者の検討によると、水を溶媒として得た腐植土抽出物に目的の効果が十分に見られたので、目的の効果が高い成分の一つは、フミン質の中でもフルボ酸であると考えられている。したがって、有効成分として用いる腐植土抽出物にはフルボ酸が多く含まれていることが好ましく、具体的には、固形分濃度が0.5質量%となるように水に溶解もしくは懸濁したときに、フルボ酸が、好ましくは0.1〜100mg/L、より好ましくは1〜50mg/L、さらに好ましくは5〜50mg/L含まれているのが好適である。ここで、フルボ酸は、植物などが微生物により分解される最終生成物である腐植物質のうち、酸によって沈殿しない無定形高分子有機酸を指す。フルボ酸は、重金属などを吸着、放出するキレート作用を有し得る。
腐植土抽出物には、エキス分濃度が0.5質量%となるように水に溶解もしくは懸濁したときに、フミン酸が、好ましくは0.2mg/L以上、より好ましくは2mg以上、さらに好ましくは3mg/L以上、さらに好ましくは4mg/L以上含まれているのが好適である。いずれの場合であっても、腐植土抽出物中のフミン酸は、好ましくは30mg/L以下とすることができ、20mg以下としてもよく、1.6mg/L以下としてもよい。また、フミン酸は、腐植物質のうち酸性領域で沈殿し、アルカリ性領域で可溶であるものを指す。詳細な化学構造は不明であるが、多価フェノール形の芳香族化合物と含チッ素化合物との縮合物であり、フェノール性水酸基およびカルボキシル基を有するとされている。
フミン酸:フルボ酸の混合割合は、特に限定されず、好ましくは1:10〜10:1とするのが好適である。フミン酸およびフルボ酸の定量方法は、「Soil Science and Plant Nutrition, 38巻, 23-30頁(Kuwatsuka S et al. 1992); Soil Science and Plant Nutrition, 40巻, 601-608頁(Watanabe A. et al. 1994);Humic Substances Research, 1巻, 18-28頁(Watanabe A. et al. 2004)」等の参考文献に従って行えばよい。測定法により定量値が異なる場合は、フルボ酸の定量値がより高い測定法を採用することが好ましい。
腐植土抽出物のpHは、酸性領域、好ましくはpH1〜6、より好ましくはpH2〜5とするのが、薬理活性および安定性の点で、好適である。このとき、エキス分濃度0.1〜1質量%水溶液とし、20℃で適宜pH調整剤にて調整してもよい。pH調整剤としては、通常使用されるものであれば特に限定されず、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、炭酸、リン酸などの無機酸類;クエン酸、酢酸、乳酸、コハク酸、グリコール酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、フマル酸、酒石酸、尿素、ε−アミノカプロン酸、ピロリドンカルボン酸などの有機酸類;グリシンベタイン、リジンベタインなどのベタイン類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどの金属水酸化物(アルカリ金属水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物など)などの無機アルカリ類;グアニジン、2−アミノ−2−メチルプロパンなどの有機アミン類;アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミンなどのアルカノールアミン;アルギニン、リジンなどの塩基性アミノ酸など、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
本発明における成分(A)の含有量は、特に限定されないが、製剤の安定性確保ならびにべたつき抑制、毛穴目立ち改善の観点から、エキス分濃度として0.00001〜1質量%(以下、質量%は単に「%」と略す)が好ましく、さらに毛穴目立ち改善の観点から0.0001〜0.1%とすることがより好ましい。
本発明に使用される成分(B)デキストリン脂肪酸エステルは、デキストリンと脂肪酸とのエステル化物であって、デキストリンのグルコースの平均重合度が3〜150であり、脂肪酸が全脂肪酸に対して炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸を50mol%より多く含有するグルコース単位当たりの脂肪酸の置換度が1.0〜3.0である新規な物質で、塗布した際に皮膜を形成することができるものである。(以下、単に「デキストリン脂肪酸エステル」ということもある。)
本発明に使用される成分(B)デキストリン脂肪酸エステルは、次の特性を有する。
(1)デキストリン脂肪酸エステルを不揮発性液状油に混合したとき液状油がゲル化しない。
「液状油がゲル化しない」とは、ASTM D445測定方法による40℃における動粘度が8mm/sである流動パラフィンを液状油とする場合、デキストリン脂肪酸エステルを5質量%(以下単に「%」で示す。)含有する該流動パラフィンを100℃で溶解し、24時間後25℃で粘度を測定したとき、粘度が、Yamco DIGITAL VISCOMATE粘度計VM−100A(振動式)(山一電機社製)の検出限界以下であることを意味する。なお、ゲル化する場合には、粘度が検出されることで確認できる。
(2)デキストリン脂肪酸エステルが形成する皮膜が特定範囲の付着力(タック性)を有する。
「タック性」を、支持体に該デキストリン脂肪酸エステルを塗布し、もうひとつの支持体を相互に離れた状態から面接触させた後に、後退させて別離させ、後退を開始してから完全に別離するまでの接触点にかかる荷重変化(最大応力値)で表す場合、該デキストリン脂肪酸エステルを40%含有する軽質流動イソパラフィン溶液をガラス板に400μm厚のアプリケーターで成膜し、乾燥させた皮膜に、テクスチャーアナライザー、たとえば、テクスチャーアナライザーTA.XTplus(Stable Micro Systems社製)を用いて、プローブとして直径12.5mm円柱状のポリアセタール樹脂(Delrin(登録商標)デュポン社製)製プローブを使用し、100gの荷重をかけ10秒保持後に0.5mm/秒で離したときの荷重変化、すなわちタック性が30〜1,000gである。
本発明において、デキストリン脂肪酸エステルに用いられるデキストリンは、グルコース平均重合度3〜150、特に10〜100のデキストリンが好ましい。グルコース平均重合度が2以下では、得られたデキストリン脂肪酸エステルがワックス様となって油剤への溶解性が低下する。また、グルコース平均重合度が150を超えると、デキストリン脂肪酸エステルの油剤への溶解温度が高くなる、又は溶解性が悪くなる等の問題を生ずることがある。デキストリンの糖鎖は直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよい。
本発明において、デキストリン脂肪酸エステルに用いられる脂肪酸は、炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸の1種又は2種以上を必須とし、さらに炭素数2〜22の直鎖飽和脂肪酸、炭素数6〜30の直鎖又は分岐の不飽和脂肪酸、及び炭素数6〜30の環状の飽和又は不飽和脂肪酸よりなる群から選ばれる1種又は2種以上(以下、これら炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸以外の脂肪酸をまとめて表すときは「その他の脂肪酸」という)を含有してもよいものである。
本発明において、デキストリン脂肪酸エステルにおける脂肪酸の組成割合は、全脂肪酸に対して、炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸の1種又は2種以上が50mol%より多く100mol%以下、好ましくは55mol%以上100mol%以下であり、その他の脂肪酸は、0mol%以上50mol%未満、好ましくは、0mol%以上45mol%以下である。
該炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸としては、例えば、イソ酪酸、イソ吉草酸、2−エチル酪酸、エチルメチル酢酸、イソヘプタン酸、2−エチルヘキサン酸、イソノナン酸、イソデカン酸、イソトリデカン酸、イソミリスチン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸、イソアラキン酸、イソヘキサコサン酸等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を適宜選択又は組み合わせて使用することができる。これらのうち、炭素数12〜22のものが好ましく、特にイソステアリン酸が好ましく、構造の違い等の限定は特にない。
本発明において、イソステアリン酸とは、分岐したステアリン酸の1種、又は2種以上の混合物を意味する。例えば5,7,7−トリメチル−2−(1,3,3−トリメチルブチル)−オクタン酸は、イソブチレン2量体のオキソ反応により炭素数9の分岐アルデヒドとし、次いでこのアルデヒドのアルドール縮合により炭素数18の分岐不飽和アルデヒドとし、次いで水素添加、酸化することにより製造することができ(以下、「アルドール縮合型」と略す)、これは例えば日産化学工業社より市販されている。2−ヘプチルウンデカン酸はノニルアルコールをガーベット反応(Guerbet反応、ゲルベ反応ともいう)により二量化し、酸化することにより製造することができ、これは例えば三菱化学社より市販されており、分岐位置の若干異なる類似混合物として、日産化学工業社より市販され、さらに出発アルコールが直鎖飽和ではない2箇所メチル分岐したタイプも同様に日産化学工業社より市販されている(以下総じて「ガーベット反応型」と略す)。また、メチル分岐イソステアリン酸は、例えばオレイン酸のダイマー製造時の副産物として得られるもので〔例えばJ.Amer.Oil Chem.Soc.51,522(1974)に記載〕、例えば米国エメリー社などから市販されていたものがあげられる(以下「エメリー型」と略す)。エメリー型イソステアリン酸の出発物質であるダイマー酸のさらに出発物質は、オレイン酸だけでなく、リノール酸、リノレン酸等も含まれる場合がある。本発明においては特にこのエメリー型がより好ましい。
本発明において、デキストリン脂肪酸エステルに用いられる脂肪酸のうち炭素数2〜22の直鎖飽和脂肪酸としては、例えば、酢酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を適宜、選択又は組み合わせて使用することができる。これらの中でも、炭素数8〜22のものが好ましく、特に炭素数12〜22のものが好ましい。
本発明において、デキストリン脂肪酸エステルに用いられる脂肪酸のうち炭素数6〜30の直鎖又は分岐の不飽和脂肪酸としては、例えば、モノエン不飽和脂肪酸としては、シス−4−デセン(オブツシル)酸、9−デセン(カプロレイン)酸、シス−4−ドデセン(リンデル)酸、シス−4−テトラデセン(ツズ)酸、シス−5−テトラデセン(フィセテリン)酸、シス−9−テトラデセン(ミリストレイン)酸、シス−6−ヘキサデセン酸、シス−9−ヘキサデセン(パルミトレイン)酸、シス−9−オクタデセン(オレイン)酸、トランス−9−オクタデセン酸(エライジン酸)、シス−11−オクタデセン(アスクレピン)酸、シス−11−エイコセン(ゴンドレイン)酸、シス−17−ヘキサコセン(キシメン)酸、シス−21−トリアコンテン(ルメクエン)酸等が挙げられ、ポリエン不飽和脂肪酸としては、ソルビン酸、リノール酸、ヒラゴ酸、プニカ酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、モロクチ酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、イワシ酸、ドコサヘキサエン酸、ニシン酸、ステアロール酸、クレペニン酸、キシメニン酸等が挙げられる。
本発明において、デキストリン脂肪酸エステルに用いられる脂肪酸のうち炭素数6〜30の環状の飽和又は不飽和脂肪酸は、環状構造を基本骨格の少なくとも一部に有する炭素数6〜30の飽和又は不飽和脂肪酸を意味し、例えば9,10−メチレン−9−オクタデセン酸;アレプリル酸、アレプリン酸、ゴルリン酸、α−シクロペンチル酸、α−シクロヘキシル酸、α−シクロペンチルエチル酸、α−シクロヘキシルメチル酸、ω−シクロヘキシル酸、5(6)−カルボキシ−4−ヘキシル−2−シクロヘキセン−1−オクタン酸、マルバリン酸、ステルクリン酸、ヒドノカルピン酸、ショールムーグリン酸などが挙げられる。
本発明において、新規なデキストリン脂肪酸エステルに用いられる脂肪酸として分岐飽和脂肪酸単独の場合のデキストリン脂肪酸エステルとしては、例えば以下のもの等が挙げられる。
デキストリンイソ酪酸エステル
デキストリンエチルメチル酢酸エステル
デキストリンイソヘプタン酸エステル
デキストリン2−エチルヘキサン酸エステル
デキストリンイソノナン酸エステル
デキストリンイソデカン酸エステル
デキストリンイソパルミチン酸エステル
デキストリンイソステアリン酸エステル
デキストリンイソアラキン酸エステル
デキストリンイソヘキサコサン酸エステル
デキストリン(イソ吉草酸/イソステアリン酸)エステル
本発明において、デキストリン脂肪酸エステルに用いられる脂肪酸として分岐飽和脂肪酸とその他の脂肪酸との混合脂肪酸を用いた場合のデキストリン脂肪酸エステルとしては、例えば以下のもの等が挙げられる。
デキストリン(イソ酪酸/カプリル酸)エステル
デキストリン(2−エチルヘキサン酸/カプリル酸)エステル
デキストリン(イソアラキン酸/カプリル酸)エステル
デキストリン(イソパルミチン酸/カプリル酸)エステル
デキストリン(エチルメチル酢酸/ラウリン酸)エステル
デキストリン(2−エチルヘキサン酸/ラウリン酸)エステル
デキストリン(イソヘプタン酸/ラウリン酸/ベヘン酸)エステル
デキストリン(イソステアリン酸/ミリスチン酸)エステル
デキストリン(イソヘキサコサン酸/ミリスチン酸)エステル
デキストリン(2−エチルヘキサン酸/パルミチン酸)エステル
デキストリン(イソステアリン酸/パルミチン酸)エステル
デキストリン(イソステアリン酸/イソ吉草酸/パルミチン酸)エステル
デキストリン(イソノナン酸/パルミチン酸/カプロン酸)エステル
デキストリン(2−エチルヘキサン酸/パルミチン酸/ステアリン酸)エステル
デキストリン(イソデカン酸/パルミチン酸)エステル
デキストリン(イソパルミチン酸/ステアリン酸)エステル
デキストリン(イソステアリン酸/アラキン酸)エステル
デキストリン(2−エチルヘキサン酸/アラキン酸)エステル
デキストリン(2−エチル酪酸/ベヘン酸)エステル
デキストリン(イソノナン酸/リノール酸)エステル
デキストリン(イソパルミチン酸/アラキドン酸)エステル
デキストリン(イソパルミチン酸/カプリル酸/リノール酸)エステル
デキストリン(イソステアリン酸/ステアリン酸/オレイン酸)エステル
デキストリン(イソアラキン酸/パルミチン酸/ショールムーグリン酸)エステル
デキストリン脂肪酸エステルのデキストリンへの脂肪酸の置換度は、グルコース単位当たり1.0〜3.0であり、好ましくは1.2〜2.8である。この置換度が1.0未満であると液状油等への溶解温度が100℃以上と高くなり、着色や特異な臭いが生じ、好ましくない。
(デキストリン脂肪酸エステルの製造方法)
次に、 本発明に使用されるデキストリン脂肪酸エステルの製造方法について説明する。
製造方法としては、特に限定されず、公知の製法を採用することができるが、たとえば以下のようにして製造することができる。
(1)グルコースの平均重合度が3〜150であるデキストリンと、炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸誘導体の1種又は2種以上を全脂肪酸誘導体に対して50mol%より多く100mol%以下、及び、炭素数2〜22の直鎖飽和脂肪酸誘導体、炭素数6〜30の直鎖又は分岐の不飽和脂肪酸誘導体及び炭素数6〜30の環状の飽和又は不飽和脂肪酸誘導体よりなる群から選ばれる1種又は2種以上(以下、これらの脂肪酸誘導体をまとめて表すときは「その他の脂肪酸誘導体」という)を全脂肪酸誘導体に対して0mol%以上50mol%未満を含有する脂肪酸誘導体とを反応させる。
(2)グルコースの平均重合度が3〜150であるデキストリンと、炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸誘導体の1種又は2種以上とを反応させ、次いで、その生成物とその他の脂肪酸誘導体とを反応させる。
その場合、全脂肪酸誘導体に対して炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸誘導体の1種又は2種以上を50mol%より多く100mol%以下、及び、その他の脂肪酸誘導体を全脂肪酸誘導体に対して0mol%以上50mol%未満使用する。
本発明において、上記デキストリンとのエステル化反応に使用される脂肪酸誘導体としては、例えば、上記脂肪酸のハロゲン化物、酸無水物等が用いられる。
(1)及び(2)のいずれの場合も、まず、デキストリンを反応溶媒に分散し、必要に応じて触媒を添加する。これに、上記脂肪酸のハロゲン化物、酸無水物等を添加して反応させる。(1)の製造法の場合は、これらの酸を混合して同時に添加反応させ、(2)の製造法の場合は、まず反応性の低い分岐飽和脂肪酸誘導体を反応させた後、次いでその他の脂肪酸誘導体を添加反応させる。
製造にあたり、これらのうちの好ましい方法を採用することができる。反応溶媒にはジメチルホルムアミド、ホルムアミド等のホルムアミド系;アセトアミド系;ケトン系;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族化合物系;ジオキサン等の溶剤を適宜使用することができる。反応触媒としてはピリジン、ピコリン等の3級アミノ化合物などを用いることができる。反応温度は原料脂肪酸等により適宜選択されるが、0℃〜100℃の温度が好ましい。成分(B)の市販品としては、例えば、ユニフィルマHVY(千葉製粉社製)等が挙げられる。
本発明における成分(B)の含有量は、特に限定されないが、製剤の安定性、べたつき抑制、即時的な後肌のなめらかさや長期的な肌のなめらかさを得る観点から0.005〜20%が好ましく、さらに、製剤の安定性、べたつき抑制の観点から0.01〜10%が特に好ましい。
上記した成分(A)、成分(B)の含有割合は、任意に選択可能であるが、特定の範囲とすることにより、さらに本発明の効果を高めることが可能となり好ましい。このような成分(A)と成分(B)の含有割合は、べたつきの抑制や肌のなめらかさの観点から、(B)/(A)=1〜100000であることが好ましく、さらに10〜10000の範囲が好ましく、50〜500の範囲がより好ましい。
本発明の皮膚外用剤又は化粧料においては、上記成分に加え、さらに成分(C)として25℃における粘度が1000mPa・s以下である油剤を1種又は2種以上含有することができる。成分(C)を含有することにより、製剤の安定性を向上させることができ、好ましい。本発明において、粘度とは、常温(25℃)においてBL型回転粘度計(芝浦システム株式会社社製、DEGITAL VISMETRON)を用いて、スピンドルローターNo.2の回転速度を毎分12回転として1分後の粘度を測定した値である。
このような油分としては、例えば、シリコーン油、極性油分、非極性油分等が挙げられる。シリコーン油としては、例えば、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサンなどの鎖状シリコーン油、および環状シリコーン油等が挙げられる。極性油分としては、例えば、トリイソステアリン酸ジグリセリル、イソノナン酸イソトリデシル、トリエチルヘキサノイン、エチルヘキサン酸セチルなどの脂肪酸エステル、オクチルドデカノールやテトラデシルデカノール等の脂肪族アルコール等が挙げられる。非極性油分としては、例えば、流動パラフィン、スクワラン、スクワレン、パラフィン、イソドデカン、イソヘキサデカン等の炭化水素油等が挙げられる。
これらの中でも、炭素数6〜22の分岐脂肪酸を含有する脂肪酸エステルが、成分(B)の溶解性に優れ、製剤の安定性が向上するため、より好ましい。炭素数6〜22の分岐脂肪酸としては、飽和脂肪酸でも不飽和脂肪酸でもよく、例えば、イソステアリン酸、イソノナン酸、2−エチルヘキサン酸、2−ヘプチルウンデカン酸、2−オクチルドデカン酸、オレイン酸等が挙げられる。このような油剤の例としては、イソステアリン酸イソステアリル、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、テトライソステアリン酸ジグリセリル、ジイソノナン酸ネオペンチルグリコール、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸エチルヘキシル、トリエチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリエチルヘキサノイン、ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、エチルヘキサン酸ヘキシルデシル、エチルヘキサン酸セチルなどが挙げられる。
これらの中でも、トリイソステアリン酸ジグリセリル、イソノナン酸イソトリデシル、トリエチルヘキサノイン、エチルヘキサン酸セチルが成分(B)の溶解性に優れ、製剤の安定化を向上させるため好ましい。成分(B)の溶解性は、25℃において、成分(C)100gに対して成分(B)が10g以上溶解することが好ましい。成分(C)の市販品としては、コスモール43V、サラコス913、サラコス816T、T.I.O(以上、日清オイリオ社製)、MYRITOL GTEH、CETIOL SN−1(以上BASF社製)、ニッコールCIO、TRIFAT S−308(以上、日本サーファクタント工業社製)等が挙げられる。
本発明における成分(C)の含有量は、特に限定されないが、べたつき抑制や製剤の安定性の観点から0.01〜20%が好ましく、0.1〜10%が更に好ましい。
本発明には、油剤として、成分(B)、(C)以外の油剤を使用することができ、通常皮膚外用剤又は化粧料に使用されるものであれば特に制限されず、動物油、植物油、鉱物油、合成油を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル類、シリコーン油類、フッ素系油、ラノリン誘導体類、油溶性紫外線吸収剤等を用いることができる。
本発明において、成分(B)、(C)以外の油剤の含有量は、他の成分とのバランスで決まるものであるが、前記成分(B)、(C)を含めた全油剤の総含有量は、べたつきの観点から0.01〜20%が好ましく、0.05〜15%がより好ましい。
本発明においては、上記成分のほかに、本発明の効果を損なわない範囲で、通常化粧料に含有される成分として、水、アルコール類、界面活性剤、油性成分、水溶性高分子、保湿成分、紫外線吸収剤、酸化防止剤、金属キレート剤、防腐剤、粉体、色素、香料、各種薬剤等を本発明の効果を妨げない範囲で任意に含有することができる。このような成分としては次のようなものが挙げられる。
水としては、通常化粧料製造のために用いられる水であれば特に限定されず、常水、精製水、温泉水、深層水や、ラベンダー水、ローズ水、オレンジフラワー水などの植物由来の水蒸気蒸留水などが挙げられ、1種または2種以上を用いることができる。
界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。例えば、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシアルキレンアルキル共変性オルガノポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、リン脂質等が挙げられ、1種または2種以上を用いることができる。本発明においては、これらの中でもポリオキシエチレン鎖を含有する非イオン性界面活性剤が製剤の安定性の観点から好ましく、その中でもポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が好ましい。
水溶性高分子としては、アラビアゴム、トラガカント、ガラクタン、キャロブガム、グァーガム、カチオン化グァーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、アルゲコロイド(褐藻エキス)等の植物系高分子、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カチオン化ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末等のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー(CARBOPOL(販売名)等)、アルキル変性カルボキビニルポリマー(PEMULEN(販売名)等)等のビニル系高分子、ポリオキシエチレン系高分子、ポリオキエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等のアクリル系高分子、ポリエチレンイミン、カチオン性ポリマー等の有機系水溶性高分子、ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ラポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸等の無機系水溶性高分子等が挙げられ、1種または2種以上を用いることができる。
保湿成分としては、糖類、アミノ酸及びその誘導体、ペプタイド類、植物抽出液等が挙げられ、1種または2種以上を用いることができる。
糖類としては、ソルビトール、エリスリトール、マルトース、マルチトール、キシリトール、キシロース、トレハロース、イノシトール、グルコース、マンニトール、ペンタエリスリトール、果糖、蔗糖およびそのエステル、デキストリン及びその誘導体、ハチミツ、黒砂糖抽出物等が挙げられる。
アミノ酸類としては、例えばグリシン、アラニン、バリン、イソロイシン、セリン、スレオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、リジン、ヒドロキシリジン、アルギニン、シスチン、システイン、アセチルシステイン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、オルチニン、シトルリン、テアニン、クレアチン、クレアチニン等が挙げられる。
アミノ酸誘導体としては、グルタチオン、ピロリドンカルボン酸、N−アシルグルタミン酸リジン縮合物等が挙げられる。
ペプタイド類としては、動物、魚、貝、植物由来のいずれでもよく具体的には、コラーゲン及びその誘導体又はそれらの加水分解物、エラスチン及びその誘導体又はそれらの加水分解物、ケラチン及びその誘導体又はそれらの分解物、コムギタンパク及びその誘導体又はそれらの加水分解物、ダイズタンパク及びその誘導体又はそれらの加水分解物等が挙げられる。
植物抽出物としては、例えばオウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等を用い、水や有機溶媒により適宜抽出したものが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系、パラアミノ安息香酸系、ケイ皮酸系、サリチル酸系、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等が挙げられる。
酸化防止剤としては、アスコルビン酸、α−トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール等が挙げられる。
防腐剤としては、安息香酸、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸エステル、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、フェノキシエタノール等が挙げられる。
粉体成分としては、板状、紡錘状、針状等の形状、粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、複合粉体類等が挙げられる。具体的には、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、合成セリサイト、セリサイト、タルク、カオリン、炭化珪素、硫酸バリウム、ベントナイト、スメクタイト、窒化硼素等の無機粉体類、オキシ塩化ビスマス、雲母チタン、無水ケイ酸被覆雲母チタン、酸化チタン被覆ガラス末、酸化チタン・酸化鉄被覆ガラス末、酸化チタン・無水ケイ酸被覆ガラス末、アルミニウムパウダー等の光輝性粉体類、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン、ナイロン等の有機粉体類、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を用いることができる。また、これら粉体は1種または2種以上の複合化したものを用いても良く、フッ素化合物、シリコーン系油剤、金属石ケン、ロウ、界面活性剤、油脂、炭化水素等を用いて公知の方法により表面処理を施したものであっても良い。
本発明の皮膚外用剤又は化粧料は常法に従って製造することができ、例えば、成分(B)に界面活性剤や他の油剤等を加え、90℃に加熱して均一に混合し、予め他の水性成分等と混合された成分(A)に加えることによって得ることができる。
本発明の皮膚外用剤又は化粧料の性状は、特に限定されず、液状、ゲル状、クリーム状、半固形状、固形状、スティック状、パウダー状等のいずれであってもよい。
また、本発明の皮膚外用剤又は化粧料としては、医薬品等の皮膚外用剤や化粧料等を挙げることでができ、例えば、外用固形剤、外用液剤、スプレー剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、貼付剤等や、乳液、化粧水、美容液、パック化粧料、洗顔料、マッサージ用化粧料、化粧用下地料、ボディ用化粧料、ヘア用化粧料等が挙げられる。一方、本発明の皮膚外用剤又は化粧料の形態としては、水中油型、油中水型、多重乳化、マイクロエマルション等いずれでもよく、用途や目的に応じて適宜選択することができる。これらの中でもべたつきや後肌のなめらかさの観点から水中油型であることが好ましい。
次に実施例を挙げて、本発明をさらに説明する。なお、これらは本発明を何ら限定するものではない。
[製造例1:腐植土抽出物の製造1]
地中(九州地方海岸付近土壌)から採取した腐食土壌を乾燥させた後、微粉砕した。この粉砕物5kgと、精製水20リットルを2時間混合攪拌し、さらに常温(10〜30℃程度)で7日間撹拌し、20日間静置した。静置後、メンブランフィルター(孔径0.45μm)を用いてろ過し、腐植土抽出物水溶液(原液)を得た。このときのpH(20℃)は3.0であった。また、この乾燥エキス分(エキス分濃度)は0.4質量%であった。この原液に含まれるフミン質の総量は350mg/L(乾燥エキス分5g/水1Lの水溶液換算としたとき、438mg/L)であり、フミン酸およびフルボ酸の含有量は、それぞれ4mg/Lおよび6.7mg/L(乾燥エキス分5g/水1Lの水溶液換算としたとき、それぞれ5mg/Lおよび8.4mg/L)であった。以下の実施例では乾燥エキス分をそのまま用いた。
フミン酸およびフルボ酸の定量方法は、上述の参考文献Soil Science and Plant Nutrition, 38巻, 23-30頁(Kuwatsuka S et al. 1992); Soil Science and
Plant Nutrition, 40巻, 601-608頁(Watanabe A. et al. 1994);Humic Substances Reseacrh, 1巻, 18-28頁(Watanabe A. et al. 2004)にしたがって行った。
《デキストリン脂肪酸エステルの参考製造例》
以下に本発明に用いるデキストリン脂肪酸エステルの参考製造例を示す。また、下記方法で置換度、構成脂肪酸のmol%、粘度、タック性を測定した。
(置換度、構成脂肪酸のmol%の測定方法)
参考製造例のデキストリン脂肪酸エステルのIRスペクトルを測定し、アルカリ分解後の脂肪酸量とガスクロマトグラフィーから、置換度と、構成脂肪酸のmol%を求めた。
(粘度の測定方法)
各試料(参考製造例のデキストリン脂肪酸エステル)を5質量%含有する流動パラフィンを100℃で溶解し、室温(25℃)まで冷却する。25℃の恒温槽で24時間保温し、以下の測定機器を用いて粘度を測定した。
尚、流動パラフィンはASTM D445測定方法による40℃の動粘度が8mm/sのものを使用した。
[測定機器]Yamco DIGITAL VISCOMATE MODEL VM−100A(山一電機社製)
(タック性の測定方法)
各試料(参考製造例のデキストリン脂肪酸エステル)をIPクリーンLX(軽質流動イソパラフィン)に40%溶解した溶液を、ガラス板に400μm厚のアプリケーターで塗布し、その皮膜を室温24時間乾燥後、70℃で12時間保存した後、室温25℃におけるタック性を、以下に示す機器および条件で評価した。
[測定機器]テクスチャーアナライザーTA.XTplus(Stable Micro Systems社製)
[プローブ]1/2 Cyl.Delrin(ポリアセタール樹脂(POM))P/0.5)、直径12.5mm円柱状
[測定条件]Test Speed:0.5mm/sec, Applied Force:100g, Contact Time:10sec
[参考製造例2:デキストリンイソステアリン酸(エメリー型)エステル]
平均グルコース重合度30のデキストリン21.41g(0.132mol)をジメチルホルムアミド71g、3−メチルピリジン62g(0.666mol)とからなる混合溶媒に70℃で分散させ、イソステアリン酸クロライド(エメリー型)120g(0.396mol)を30分かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を80℃として5時間反応させた。反応終了後、反応液をメタノールに分散させ、上層を除去した。半固形分をメタノールで数回洗浄後、乾燥して淡黄色の樹脂状物質107gを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸60mol%)
尚、エメリー型の出発原料はコグニス社製のEMARSOL873を用いた。本原料の脂肪酸組成は分岐飽和脂肪酸が60mol%、その他の脂肪酸が40mol%(パルミチン酸10mol%を含む)のものを用いた。(以下同様)
置換度は2.2、分岐飽和脂肪酸60mol%、その他の脂肪酸40mol%(内パルミチン酸10mol%)、粘度は0mPa・s、タック性は161gであった。
[参考製造例3〜5:デキストリンイソステアリン酸(エメリー型)エステル]
参考製造例2記載の原料・方法に準じ、 参考製造例3は、平均グルコース重合度30のデキストリン0.132molに対し、イソステアリン酸クロライド(エメリー型)を0.172mol用い、デキストリンイソステアリン酸(エメリー型)エステルを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸60mol%)
置換度1.0、分岐飽和脂肪酸60mol%、その他の脂肪酸40mol%(内パルミチン酸10mol%)、粘度は0mPa・s、タック性は35gであった。
参考製造例4は、平均グルコース重合度30のデキストリン0.132molに対し、イソステアリン酸クロライド(エメリー型)を0.224mol用い、デキストリンイソステアリン酸(エメリー型)エステルを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸60mol%)
置換度1.4、分岐飽和脂肪酸60mol%、その他の脂肪酸40mol%(内パルミチン酸10mol%)、粘度は0mPa・s、タック性は45gであった。
参考製造例5は平均グルコース重合度30のデキストリン0.132molに対し、イソステアリン酸クロライド(エメリー型)を0.502mol用い、デキストリンイソステアリン酸(エメリー型)エステルを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸60mol%)
置換度2.6、分岐飽和脂肪酸60mol%、その他の脂肪酸40mol%(内パルミチン酸10mol%)、粘度は0mPa・s、タック性は750gであった。
[参考製造例6:デキストリンイソステアリン酸エステル]
イソステアリン酸クロライド(エメリー型)の代わりにイソステアリン酸クロライド(ガーベット反応型)を用いた以外は参考製造例2と同様に作成し、淡黄色の樹脂状物質80gを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸100mol%)
尚、ガーベット反応型の出発原料は日産化学工業社製のファインオキソコール イソステアリン酸−Nを用いた。
置換度は1.8、イソステアリン酸100mol%、粘度は0mPa・s、タック性は173gであった。
[参考製造例7:デキストリンイソステアリン酸エステル]
イソステアリン酸クロライド(エメリー型)の代わりにイソステアリン酸クロライド(アルドール縮合型)を用いた以外は参考製造例2と同様に作成し、淡黄色の樹脂状物質60gを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸100mol%)
尚、アルドール縮合型の出発原料は日産化学工業社製のファインオキソコール イソステアリン酸を用いた。
置換度は1.2、イソステアリン酸100mol%、粘度は0mPa・s、タック性は61gであった。
[参考製造例8:デキストリンイソアラキン酸/パルミチン酸エステル]
平均グルコース重合度150のデキストリン51.28gをジメチルホルムアミド150g、ピリジン60gとからなる混合溶媒に70℃で分散させ、イソアラキン酸クロライド132gとパルミチン酸クロライド12gの混合物を30分間かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を80℃として5時間反応させた。反応終了後、反応液をメタノールに分散させ、上層を除去した。半固形分をメタノールで数回洗浄後、乾燥して淡黄色の樹脂状物質145gを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸90mol%)
置換度は1.1、イソアラキン酸85mol%、パルミチン酸15mol%、粘度は0mPa・s、タック性は45gであった。
[参考製造例9:デキストリンイソ酪酸/カプリン酸エステル]
平均グルコース重合度5のデキストリン34.19gを3−メチルピリジン215gに70℃で分散させ、イソ酪酸クロライド50g及びカプリン酸クロライド60gの混合物を30分間かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を80℃として5時間反応させた。反応終了後、反応液をメタノールに分散させ、上層を除去した。半固形分をエタノールで数回洗浄後、乾燥して淡黄色の樹脂状物質98gを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸60mol%)
置換度は2.9、イソ酪酸63mol%、カプリン酸37mol%、粘度は0mPa・s、タック性は255gであった。
[参考製造例10:デキストリンイソパルミチン酸エステル]
平均グルコース重合度100のデキストリン23.62gをジメチルホルムアミド71g、3−メチルピリジン62gとからなる混合溶媒に70℃で分散させ、イソパルミチン酸クロライド100gを30分間滴下した。滴下終了後、反応温度を80℃として5時間反応させた。反応終了後、反応液をメタノールに分散させ、上層を除去した。半固形分をメタノールで数回洗浄後、乾燥して淡黄色の樹脂状物質90gを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸100mol%)
置換度は2.0、イソパルミチン酸100mol%、粘度は0mPa・s、タック性は204gであった。
[参考製造例11:デキストリンイソノナン酸/ステアリン酸エステル]
平均グルコース重合度20のデキストリン36.34gをジメチルホルムアミド120g、3−メチルピリジン62gとからなる混合溶媒に70℃で分散させ、イソノナン酸クロライド41g及びステアリン酸クロライド58gの混合物を30分間かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を80℃として5時間反応させた。反応終了後、反応液をメタノールに分散させ、上層を除去した。半固形分をメタノールで数回洗浄後、乾燥して淡黄色の樹脂状物質95gを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸55mol%)
置換度は1.6、イソノナン酸51mol%、ステアリン酸49mol%、粘度は0mPa・s、タック性は64gであった。
[参考製造例12:デキストリン2−エチルヘキサン酸/ベヘン酸エステル]
平均グルコース重合度20のデキストリン54.56gをジメチルホルムアミド150g、3−メチルピリジン130gとからなる混合溶媒に70℃で分散させ、2−エチルヘキサン酸クロライド147g、次いでベヘン酸クロライド36gを計30分間かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を80℃として5時間反応させた。反応終了後、反応液をメタノールに分散させ、上層を除去した。半固形分をメタノールで数回洗浄後、乾燥して淡黄色の樹脂状物質95gを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸90mol%)
置換度は2.3、2−エチルヘキサン酸95mol%、ベヘン酸5mol%、粘度は0mPa・s、タック性は138gであった。
[参考製造例13:デキストリンイソパルミチン酸/酢酸エステル]
平均グルコース重合度20のデキストリン22.56gをジメチルホルムアミド71g、3−メチルピリジン70gとからなる混合溶媒に70℃で分散させ、イソパルミチン酸クロライド110g及び無水酢酸10gの混合物を30分間かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を80℃として5時間反応させた。反応終了後、反応液をメタノールに分散させ、上層を除去した。半固形分をメタノールで数回洗浄後、乾燥して淡黄色の樹脂状物質96gを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸80mol%)
置換度は2.8、イソパルミチン酸79mol%、酢酸21mol%、粘度は0mPa・s、タック性は430gであった。
[参考製造例14:デキストリンイソステアリン酸(エメリー型)/オレイン酸エステル]
平均グルコース重合度40のデキストリン19.99gをジメチルホルムアミド71g、3−メチルピリジン62gとからなる混合溶媒に70℃で分散させ、イソステアリン酸クロライド(エメリー型)108gとオレイン酸クロライド12gの混合物を30分間かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を80℃として5時間反応させた。反応終了後、反応液をメタノールに分散させ、上層を除去した。半固形分をメタノールで数回洗浄後、乾燥して淡黄色の樹脂状物質88gを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸54mol%)
置換度は2.2、分岐飽和脂肪酸54mol%、その他の脂肪酸46mol%(内オレイン酸10mol%)、粘度は0mPa・s、タック性は350gであった。
実施例1〜9及び比較例1〜6:乳液
下記表1及び表2に示す乳液を下記製造方法により調製し、(イ)べたつきのなさ、(ロ)後肌のなめらかさ、(ハ)毛穴目立ち改善効果、(ニ)製剤の安定性の各項目について、以下に示す評価方法及び判定基準により評価判定し、結果を合わせて表1及び表2に示した。
※1:CARBOPOL 1382 (LUBRIZOL ADVANCED MATERIALS社製)
※2:ポエム V−100(理研ビタミン社製)
※3:ニッコール HCO−40(日本サーファクタント工社製)
※4:ユニフィルマHVY(千葉製粉社製)
※5:レオパール KL(千葉製粉社製)
※6:レオパール TT(千葉製粉社製)
※7:エステルガム HP(荒川化学工業社製)
※8:ハイコール K−350(カネダ社製)
※9:コスモール 43V(日清オイリオ社製)
(製造方法)
A:成分1〜7を75℃で均一に混合する。
B:成分8〜19を75℃で均一に混合する。
C:AにBを添加し、均一に混合する。
D:Cをディスペンサー容器に充填し、乳液を得た。
〔評価項目(イ)、(ロ)の評価方法〕
化粧品評価専門パネル20名に、実施例1〜9及び比較例1〜6の乳液を、洗顔後に使用してもらい、(イ)べたつきのなさ、(ロ)後肌のなめらかさの各項目について官能評価した。(イ)べたつきのなさについては、製剤をなじませた際のなじみ際のべたつきのなさを評価した。(ロ)後肌のなめらかさについては、製剤をなじませ、5分後の後肌のなめらかさを評価した。各評価項目は、以下の評価基準(I)に従って7段階に官能評価し、更に全パネルの評点の平均点を以下の判定基準(II)に従って判定した。
評価基準(I)
[評価結果] :[評点]
非常に良い : 6点
良い : 5点
やや良い : 4点
普通 : 3点
やや悪い : 2点
悪い : 1点
非常に悪い : 0点
判定基準(II)
[評点の平均点] :[判定]
5点を超える : ◎
3.5点を超え5点以下 : ○
1点を超え3.5点以下 : △
1点以下 : ×
〔評価項目(ハ)の評価方法〕
毛穴の目立ちを気にしているパネル10名に、実施例1〜9及び比較例1〜6の乳液を、1日2回、二週間使用してもらい、二週間後の毛穴の目立ちを以下の評価基準(I)に従って7段階に評価した。評価は化粧品評価専門パネル5名で行い、全パネルの評点の平均点を以下の判定基準(II)に従って判定した。
評価基準(I)
[評価結果] :[評点]
毛穴が全く目立たない : 6点
毛穴がほとんど目立たない : 5点
毛穴があまり目立たない : 4点
どちらともいえない : 3点
毛穴がやや目立つ : 2点
毛穴が目立つ : 1点
毛穴が非常に目立つ : 0点
判定基準(II)
[評点の平均点] :[判定]
5点を超える : ◎
3.5点を超え5点以下 : ○
1点を超え3.5点以下 : △
1点以下 : ×
〔評価項目(ニ)の評価方法〕
各試料をガラス瓶に入れ、50℃の恒温槽内にそれぞれ一ヶ月静置した。その後、恒温槽から取り出した各乳液のクリーミングの状態を以下の基準により判定した。
[評価基準]
◎:クリーミングは全く見られない
○:わずかに油浮きがある
×:下部に透明層が見られる
表1及び表2の結果から明らかなように、実施例1〜9の乳液は「べたつきのなさ」、「後肌のなめらかさ」、「毛穴目立ち改善効果」、「製剤の安定性」の全ての評価項目において優れた結果であり、肌の凹凸も抑制するものであった。
一方、成分(A)腐植土抽出物を含有しない比較例1は、後肌のなめらかさが不十分であり、毛穴目立ち改善効果も得られず、さらに成分(B)デキストリン脂肪酸エステル由来のべたつきが感じられた。成分(B)を含有しない比較例2は、成分(A)腐植土抽出物由来のべたつきが顕著に出てしまい、後肌のなめらかさも不十分であった。成分(B)の代わりに他のデキストリン脂肪酸エステルを配合した比較例3、4は、成分(A)腐植土抽出物由来のべたつきを抑えることができず、後肌のなめらかさも得られなかった。成分(B)の代わりに皮膜形成成分であるロジン酸ペンタエリスリトールを配合した比較例5は、成分(A)腐植土抽出物由来のべたつきを抑えることができなかったばかりか、製剤の安定性も悪化してしまった。成分(B)の代わりにべたつきを抑える際によく使用される無水ケイ酸を配合した比較例6でも、成分(A)腐植土抽出物由来のべたつきを十分抑えることはできず、また後肌のなめらかさも得られなかった。
実施例10:乳化型化粧水
(成分) (%)
1.水素添加大豆リン脂質 ※10 0.5
2.エチルへキサン酸セチル 0.1
3.イソステアリン酸デキストリン ※4 0.05
4.スクワラン 0.1
5.イソステアリン酸 0.1
6.キサンタンガム 0.01
7.グリセリン 3.0
8.ジプロピレングリコール 2.0
9.1,2−ペンタンジオール 1.0
10.1,3−ブチレングリコール 23.0
11.精製水 残量
12.乳酸 0.006
13.乳酸ナトリウム 0.21
14.加水分解ヒアルロン酸 0.005
15.製造例1の腐植土抽出物0.5%水溶液 0.1
16.エタノール 3.0
17.香料 0.02
※10:ニッコール レシノール S−10(日光カミカルズ社製)
(製造方法)
A.成分1〜5を75℃に加熱し、均一に混合溶解する。
B.成分6〜11を75℃に加熱し、均一に混合溶解する。
C.AにBを添加し、乳化する。
D.Cを冷却し、成分12〜17を添加し、乳化型化粧水を得た。
実施例10の乳化型化粧水は、「べたつきのなさ」、「後肌のなめらかさ」、「毛穴目立ち改善効果」、「製剤の安定性」に優れたものであった。
実施例11:保湿クリーム(水中油型クリーム状)
(成分) (%)
1.ワセリン 1.0
2.ヒドロキシステアリン酸コレステリル ※11 2.0
3.メドウフォーム油 2.0
4.イソノナン酸イソトリデシル 5.0
5.参考製造例4のデキストリン脂肪酸エステル 0.5
6.参考製造例13のデキストリン脂肪酸エステル 0.5
7.セトステアリルアルコール 3.0
8.水添ナタネ油脂肪酸グリセリズ 1.0
9.水素添加大豆リン脂質 ※10 1.0
10.1,3−ブチレングリコール 15.0
11.ジプロピレングリコール 10.0
12.グリセリン 5.0
13.キサンタンガム 0.01
14.カルボキシビニルポリマー ※12 0.01
15.水酸化ナトリウム 0.1
16.香料 0.5
17.製造例1の腐植土抽出物0.5%水溶液 1.0
18.精製水 残量
※11:サラコス HS(日清オイリオ社製)
※12:CARBOPOL 980 (LUBRIZOL ADVANCED MATERIALS社製)
(製造方法)
A:成分1〜9を均一に加熱溶解する。
B:成分10〜15及び17、18を70℃にて均一に溶解する。
C:BにAを添加し、均一に乳化混合し、冷却する。
D:Cに成分16を添加混合した後、容器に充填して保湿クリーム(水中油型クリーム状)を得た。
実施例11の保湿クリーム(水中油型クリーム状)は、「べたつきのなさ」、「後肌のなめらかさ」、「毛穴目立ち改善効果」、「製剤の安定性」に優れたものであった。
実施例12 マッサージクリーム(油中水型クリーム状)
(成分) (%)
1.デカメチルシクロペンタシロキサン 10.0
2.ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト 1.0
3.PEG−9ポリメチルシロキシエチルジメチコン 2.0
4.イソステアリン酸デキストリン ※4 2.0
5.トリエチルヘキサノイン 10.0
6.ジカプリン酸プロピレングリコール 5.0
7.無水ケイ酸 1.0
8.セラミド2 0.1
9.ローズヒップ油 0.1
10.香料 0.05
11.グリセリン 10.0
12.1,3ーブチレングリコール 10.0
13.精製水 残 量
14.製造例1の腐植土抽出物0.5%水溶液 1.0
15.塩化ナトリウム 0.5
16.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(製造方法)
A:成分1〜3を均一に混合し膨潤する。
B:Aに成分4〜10を加え均一に混合する。
C:成分11〜16を均一に混合する。
D:BにCを加え乳化し、マッサージクリーム(油中水型クリーム状)を得た。
実施例12のマッサージクリーム(油中水型クリーム状)は、「べたつきのなさ」、「後肌のなめらかさ」、「毛穴目立ち改善効果」、「製剤の安定性」に優れたものであった。
実施例13 パック化粧料(水中油型乳液状)
(成分) (%)
1.製造例1の腐植土抽出液0.5%水溶液 1.0
2.参考製造例3のデキストリン脂肪酸エステル 5.0
3.ジメチコン ※13 6.0
4.スクワラン 2.0
5.トリエチルヘキサノイン 4.0
6.PEG−11メチルエーテルジメチコン 2.0
7.PEG−40水添ヒマシ油 1.0
8.セラミド2 0.1
9.(アクリル酸アルキル/メタクリル酸ステアレス−20)
コポリマー ※14 2.0
10.カルボキシビニルポリマー ※12 1.0
11.水酸化ナトリウム 0.3
12.グリセリン 10.0
13.1,3−ブチレングリコール 10.0
14.精製水 残 量
15.エタノール 1.0
16.香料 0.05
17.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
18.ソルビトール 0.1
19.ピロリドンカルボン酸ナトリウム 1.0
20.エタノール 1.0
21.香料 0.05
※13:KF−96−6CS(信越化学工業社製)
※14:アキュリン22(ROHM社製)
(製造方法)
A:成分1、9〜18を70℃で均一に混合する。
B:成分2〜8を70℃で均一に混合する。
C:AにBを加え、乳化し、その後35℃まで冷却し、成分19〜21を加え、均一に混合し、パック化粧料(水中油型乳液状)を得た。
実施例13のパック化粧料(水中油型乳液状)は、「べたつきのなさ」、「後肌のなめらかさ」、「毛穴目立ち改善効果」、「製剤の安定性」に優れたものであった。
実施例14:水中油型クレンジングクリーム
(成分) (%)
1.ステアロイルメチルタウリンNa 0.6
2.ポリオキシエチレン(40モル)硬化ヒマシ油 ※3 0.2
3.セトステアリルアルコール 2.0
4.イソステアリン酸デキストリン ※4 1.0
5.エチルヘキサン酸セチル 10.0
6.ステアリン酸グリセリル 1.0
7.ミネラルオイル 15.0
8.高重合ジメチルポリシロキサン(重合度5000) 1.0
9.1,3−ブチレングリコール 1.0
10.キサンタンガム 1.0
11.フェノキシエタノール 1.0
12.ジプロピレングリコール 3.0
13.クエン酸 2.0
14.香料 0.2
15.製造例1の腐植土抽出物0.5%水溶液 0.01
16.精製水 残量
(製造方法)
A:成分1〜8を均一に加熱溶解する。
B:成分9〜13及び15、16を70℃にて均一に溶解する。
C:BにAを添加し、均一に乳化混合し、冷却する。
D:Cに成分14を添加混合した後、容器に充填して水中油型クレンジングクリームを得た。
実施例14の水中油型クレンジングクリームは、「べたつきのなさ」、「後肌のなめらかさ」、「毛穴目立ち改善効果」、「製剤の安定性」に優れたものであった。
実施例15:洗浄料
(成分) (%)
1.ココイルグリシンK 7.0
2.ココイルメチルタウリンNa 4.0
3.ココアンホ酢酸Na 2.0
4.精製水 残量
5.EDTA−2Na 0.1
6.フェノキシエタノール 0.1
7.1,3−ブチレングリコール 16.0
8.L−セリン 0.1
9.L−テアニン 0.1
10.製造例1の腐植土抽出物0.5%水溶液 0.0025
11.イソステアリン酸デキストリン ※4 0.01
(製造方法)
A:成分1〜5を均一に混合する。
B:Aに成分6〜11を添加し、均一に混合する。
C:上記混合物をポンプフォーマー容器に充填し、洗浄料を得た。
実施例15の洗浄料は、「べたつきのなさ」、「後肌のなめらかさ」、「毛穴目立ち改善効果」、「製剤の安定性」に優れたものであった。
実施例16:水中油型リキッドファンデーション
(成分) (%)
1.親油型モノステアリン酸グリセリル 1.0
2.ステアリン酸 5.0
3.ベヘニルアルコール 1.0
4.セタノール 0.5
5.イソノナン酸イソトリデシル 5.0
6.イソステアリン酸デキストリン ※4 0.5
7.酸化チタン 4.0
8.ベンガラ 0.1
9.黒酸化鉄 0.1
10.黄酸化鉄 0.4
11.タルク 4.0
12.水素添加大豆リン脂質 ※10 0.3
13.1,3−ブチレングリコール 8.0
14.1,2−ペンタンジオール 0.5
15.トリエタノールアミン 1.5
16.水酸化ナトリウム 0.08
17.ヒドロキシプロリン 0.1
18.製造例1の腐植土抽出物0.5%水溶液 0.5
19.精製水 残量
(製造方法)
A:成分1〜12を均一に分散する。
B:成分13〜19を均一に混合する。
C:A,Bをそれぞれ80℃に加温し、Aを攪拌しながら徐々にBを加えて乳化し、攪拌しながら冷却し、水中油型リキッドファンデーションを得た。
実施例16の水中油型リキッドファンデーションは、「べたつきのなさ」、「後肌のなめらかさ」、「毛穴目立ち改善効果」、「製剤の安定性」に優れたものであった。
実施例17:日焼け止め化粧料(油中水型クリーム状)
(成分) (%)
1.モノラウリン酸ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタン 0.2
2.ポリオキシエチレン(60モル)硬化ヒマシ油 0.1
3.精製水 残量
4.ジプロピレングリコール 10.0
5.硫酸マグネシウム 0.5
6.アスコルビン酸グルコシド 2.0
7.製造例1の腐植土抽出物0.5%水溶液 0.5
8.加水分解コラーゲン ※15 0.02
9.PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 3.0
10.デカメチルシクロペンタシロキサン 20.0
11.ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール ※16 5.0
12.イソステアリン酸デキストリン ※4 0.01
13.パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 8.0
14.ジメチルステアリルアンモニウムヘクトライト 1.2
※15 マリンジェンペプチドMP(PF)(新田ゼラチン社製)
※16 コスモール 525(日清オイリオ社製)
(製造方法)
A:成分1〜8を均一に分散する。
B:成分9〜14を均一に分散する。
C:Bを攪拌しながら徐々にAを加えて乳化し、日焼け止め化粧料(油中水型クリーム状)を得た。
実施例17の日焼け止め化粧料は、「べたつきのなさ」、「後肌のなめらかさ」、「毛穴目立ち改善効果」、「製剤の安定性」に優れたものであった。
実施例18:軟膏
(成分) (%)
1.ステアリルアルコール 18.0
2.モクロウ 20.0
3.ポリオキシエチレン(20モル)モノオレイン酸エステル 0.3
4.トコフェロール 0.1
5.ワセリン 40.0
6.イソステアリン酸デキストリン ※4 0.5
7.テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル 1.0
8.精製水 残量
9.グリセリン 10.0
10.製造例1の腐植土抽出物0.5%水溶液 0.5
(製造方法)
A:成分1〜7を70℃で均一に混合する。
B:成分8〜10を70℃に加温する。
C:AにBを加え乳化し、軟膏を得た。
実施例18の軟膏は、「べたつきのなさ」、「後肌のなめらかさ」、「毛穴目立ち改善効果」、「製剤の安定性」に優れたものであった。

Claims (10)

  1. 次の成分(A)及び(B);
    (A)腐植土抽出物
    (B)デキストリンと脂肪酸とのエステル化物であって、デキストリンのグルコースの平均重合度が3〜150であり、脂肪酸が炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸の1種又は2種以上を全脂肪酸に対して50mol%より多く100mol%以下、及び、炭素数2〜22の直鎖飽和脂肪酸、炭素数6〜30の直鎖又は分岐の不飽和脂肪酸及び炭素数6〜30の環状の飽和又は不飽和脂肪酸よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を全脂肪酸に対して0mol%以上50mol%未満を含有し、グルコース単位当たりの脂肪酸の置換度が1.0〜3.0であるデキストリン脂肪酸エステル
    を含有する皮膚外用剤又は化粧料。
  2. 成分(A)の腐植土抽出物が、水系溶媒抽出物である、請求項1に記載の皮膚外用剤又は化粧料。
  3. 成分(A)の腐植土抽出物が、エキス分濃度が0.5質量%となるように水に溶解または懸濁したときにフミン質を100mg/L以上含有するものである、請求項1または2に記載の皮膚外用剤又は化粧料。
  4. 成分(A)の腐植土抽出物が、エキス分濃度が0.5質量%となるように水に溶解または懸濁したときにフルボ酸を0.1〜100mg/L含有するものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の皮膚外用剤又は化粧料。
  5. 成分(B)のデキストリン脂肪酸エステルを構成する分岐飽和脂肪酸が、炭素数12〜22の分岐飽和脂肪酸から選ばれる1種又は2種以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の皮膚外用剤又は化粧料。
  6. 成分(B)のデキストリン脂肪酸エステルが、ASTM D445測定方法による40℃における動粘度が8mm/sである流動パラフィンをゲル化しない、請求項1〜5のいずれか1項に記載の皮膚外用剤又は化粧料。
  7. さらに、成分(C)として、25℃における粘度が1000mPa・s以下である油剤を1種又は2種以上含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の皮膚外用剤又は化粧料。
  8. 成分(C)の油剤が炭素数6〜22の分岐脂肪酸を含有する脂肪酸エステルである、請求項7に記載の皮膚外用剤又は化粧料。
  9. 成分(A)の含有量が、エキス分として0.00001〜1質量%である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の皮膚外用剤又は化粧料。
  10. 成分(B)の含有量が、0.01〜10質量%である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の皮膚外用剤又は化粧料。
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