JP2017178936A - 化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】腐植土抽出物を含有する化粧料において、種々の成分を含有しても腐植土抽出物を安定に含有できる製剤開発することを目的とし、具体的には、エタノールを含有する製剤において、高温領域においても沈殿等がない製剤の安定性に優れるだけでなく、腐植土抽出物によるべたつき感のなさや、目立つ毛穴の収斂効果にも優れる化粧料を提供すること。【解決手段】次の成分(a)〜(e);(a)腐植土抽出物(b)イソステアリン酸(c)エタノール(d)HLB10〜13の範囲にある非イオン性界面活性剤を含有することを特徴とする化粧料。【選択図】なし

Description

本発明は、化粧料に関し、さらに詳細には、腐植土抽出物、イソステアリン酸、エタノールならびに特定の界面活性剤を含む化粧料に関するものであり、高温下の経時における腐植土抽出物の析出が防止され、べたつき感のなさ、目立つ毛穴の収斂効果に優れる化粧料に関するものである。
化粧料には、効能、効果を期待して様々な成分が含有されるものでる。しかし、含有する成分の組合せによって経時で成分が析出するなどの製剤安定性に影響を与える場合がある。これを防ぐ目的でキレート剤やα―ヒドロキシ酸を含有する技術が知られているが、これらを含有することによりべたつき感などの使用感に影響を与える場合があった。
そこで、このような成分を分散したり、可溶化するなどの目的で、界面活性剤を用いる技術が種々検討されている。一方、べたつき感を軽減させるため、油剤を含有する技術が知られている。しかしながら、この場合において経時での外観の透明性変化に影響を与えることがあった。
美容成分は多種多様に存在する中、そのひとつでに腐植土抽出物がある。これは地上植物、大型・微細藻類などの植物(広義)や魚介類及びその他無機物が、海、沼、池や湖の底部に堆積したものやこれが地表に隆起したもの、また森林の地表部に堆積したもの等のように植物(広義)などやこれを含む堆積物が、長い年月の間に嫌気性微生物等により分解、有機化を受けたものであり、この腐植土の水抽出物製造法に関する技術が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。また、この腐植土抽出液には、殺菌の効用や毛髪の損傷低減の効用などが知られている(例えば、特許文献3、4参照)が、未だ不明な点が多い。
特開2000−136140号公報 特開2006−181460号公報 特開2003−267821号公報 特開2010−270063号公報
上記したように腐植土抽出物は、多様な成分構成であるため、含有される他の成分によっては、化粧料等の製剤化に対して安定性等の影響を及ぼす場合がある。一方、腐植土抽出物の使用感として、べたつき感を感じる場合があり、これを軽減させるためにエタノールを含有させる場合があるが、この場合、腐植土抽出物の水和状態に影響を及ぼすことがあり、化粧料等が経時での析出といった製剤安定性としても十分でない場合があった。
以上のことから、本発明においては、腐植土抽出物を含有する化粧料において、経時での沈殿(特に高温での沈殿)、べたつき感といった課題を解決し、目立つ毛穴の収縮感に優れる化粧料を提供することを目指した。
本発明者らは、腐植土抽出物の毛穴収縮感をさらに高めるべく、エタノールを含有する化粧料において技術検討を行うこととした。はじめに種々の水系成分を用いて腐植土抽出物の水への分散性向上するかの検討を試み、エタノールをはじめ、ブチレングリコールや、プロピレングリコール等の種々の水性成分を検討したが、いずれも腐植土抽出物の製剤中における安定性には十分な効果が得られない場合があった。これは腐植土抽出物に含まれる抽出成分の水和状態に影響するためのと考えられる。そのため、次に、油性成分や、界面活性剤等の水系成分ではない他の成分からのアプローチを検討することで腐植土抽出物の安定性向上を検討試みた。その結果、驚くべきことに水系成分である腐植土抽出物に対して、油性成分を共存せることにより、腐植土抽出物の安定性が向上するという知見を本発明において見出した。
そして、本発明の課題でもあるべたつき感のない使用感と、腐植土抽出物の効果として、さらなる毛穴の収縮感向上を具現化できる油性成分として、分岐構造を有する油剤が好ましく、特にイソステアリン酸が優れるということを見出した。
また、上記油性成分の検討と併せて含有する界面活性剤を検討した結果、HLB10〜13の範囲のノニオン性界面活性剤を用いることで、べたつき感も緩和することが見出された。
以上のことから、高温領域においても沈殿等がない製剤の安定性に優れるだけでなく、腐植土抽出物によるべたつき感のなさや、目立つ毛穴の収斂効果にも優れる化粧料を開発することができ、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、成分(a)腐植土抽出物、成分(b)イソステアリン酸、成分(c)エタノール、成分(d)HLB10〜13の範囲にある非イオン性界面活性剤を含有することを特徴とする化粧料を提供するものである。
さらに、成分(e)ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル及びポリオキシプロピレンアルキルグルコシドから選ばれる一種以上を含有することを特徴とする化粧料を提供するものである。
さらには、前記成分(e)のポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル及びポリオキシプロピレンアルキルグルコシドのポリオキシプロピレン付加モル数が8〜10モルであることを特徴とする化粧料を提供するものである。
また、前記成分(b)、(e)の含有質量割合(b)/(e)が、0.01〜5の範囲であることを特徴とする特徴とする化粧料を提供するものである。
また、前記成分(d)が、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(6)デシルテトラデシルエーテル又はイソステアリン酸ポリオキシエチレン(50)硬化ヒマシ油から選ばれる一種以上であることを特徴とする化粧料を提供するものである。
また、20℃におけるpHが、6.0〜7.0の範囲にあることを特徴とする化粧料を提供するものである。
また、透明乃至半透明であることを特徴とする化粧料を提供するものである。
本発明は、経時での沈殿発生といった製剤の安定性やべたつき感といった製剤の使用感を損なうことなく、目立つ毛穴の収斂感にも効果を有する化粧料を提供することができる。
以下、本発明について詳述する。なお、本明細書においては、「〜」を用いて数値範囲を表す際は、その範囲は両端の数値を含むものとする。
本発明に用いられる成分(a)は、腐植土抽出物である。ここで腐植土とは、地上植物、大型・微細藻類などの植物(広義)や魚介類及びその他無機物が、海、沼、池や湖の底部に堆積したものやこれが地表に隆起したもの、また森林の地表部に堆積したもの等のように植物(広義)などやこれを含む堆積物が、長い年月の間に嫌気性微生物等により分解、有機化を受けたものである。腐植土抽出物は、抽出手段にて腐植土を抽出溶媒に接触させて、収斂に作用効果のある成分を得、これを回収することによって得られる。更に、不要物除去や除菌のため、ろ過手段を行うのが好ましい。斯様にして得られた腐植土抽出物は、必要に応じて、希釈、濃縮や乾燥を行ったり、また不純物除去等のため分離や精製等を行ってもよい。前記腐植土抽出物の形態としては、特に限定されず、例えば、固体状、半固体状や液状が挙げられる。具体的には、例えば、溶液、懸濁液、濃縮液、エマルジョン、スラリー、粉末、顆粒及び固形などの状態が挙げられる。
本発明で使用する腐植土抽出物の腐植土は、産地、状態を問わずいずれのものも使用することができる。具体的には、この腐植土として、例えば、森林、河川、湖沼、海洋などを起源とするものを使用することが可能であり、この腐植土とは、そこで生息していた地上植物、大型・微細藻類などの植物(広義)などやこれを含む堆積物が、嫌気性微生物などにより分解、合成、有機化を受けたものである。このうち、海洋でできた堆積物を起源とする腐植土、より好ましくは海洋でできた堆積物が隆起してなったような日本列島由来の腐植土であり、更に九州由来の腐植土が好ましい。この腐植土の腐植の程度も特に限定されないが、腐植が進行し、高分子有機化合物であるフルボ酸やフミン酸が含まれるものが好ましい。好適な腐植土抽出物を製造する方法の一例として、前記腐植土に、抽出溶媒を加えて混合攪拌後、有効成分を分離することなどによって腐植土抽出物を得ることなどが挙げられる。
前記抽出手段としては、固液抽出、液液抽出、浸漬、煎出、浸出、還流抽出、超臨界流体抽出、超音波抽出、マイクロ波抽出、混合攪拌等が挙げられる。これらを適宜組み合わせてもよい。また、前記分離手段としては、特に限定されないが、例えば、ろ過分離手段や遠心分離手段などが挙げられる。これらを単独で又は組み合わせて使用してもよい。ろ過分離手段としては、自然ろ過、減圧ろ過及び加圧ろ過などが挙げられる。このとき、セルロースフィルター、ガラス繊維フィルター、メンブランフィルターなどのろ材を用い、必要に応じてセライト、砂利及び活性炭などのろ過助剤を用いる。孔径は特に限定されないが、例えば0.1〜1μmが好ましい。これらを適宜組み合わせてもよい。
また、抽出に先立って行う腐植土の乾燥や前処理の有無及び方法に特に限定はなく、また腐植土と溶媒との割合、抽出時間などといった抽出手段に特に限定はない。
前記抽出溶媒としては、特に限定されず、極性溶媒又は非極性溶媒の何れも使用してもよい。この抽出溶媒としては、例えば、水(温泉水、海洋深層水などのミネラル分を含む水や精製水等);直鎖、分岐鎖又は環状のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどの鎖状及び環状エーテル類;ポリエチレングリコールなどのポリエーテル類;スクワラン、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテルなどの炭化水素類;トルエンなどの芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;及び超臨界二酸化炭素などが挙げられる。なお、これらは単独で又は2種以上組み合わせた混合溶媒として使用してもよい。また、抽出溶媒が、有機溶媒である場合は水溶性のものが好ましい。
前記抽出溶媒のうち、水、アルコール類、ケトン類及び超臨界二酸化炭素から選ばれる1種以上のものが好ましい。それらのうちでも、水及びアルコール類から選ばれる1種以上のものが好ましく、例えば、水、アルコール類及び水とアルコール類との混液が挙げられる。
ここで、前記アルコール類は、一価又は多価アルコール類の何れでもよく、一価アルコル類としては、例えば、メタノール、エタノール及びプロパノールなどが挙げられ、多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、グリセリン、ジグリセリン及びジプロピレングリコールなどが挙げられる。前記アルコール類のうち、例えば、エタノール及び1,3−ブチレングリコールなどの炭素数1〜5の低級アルコール類が好ましく、このうち低級一価アルコール類が好ましく、このうち更にエタノールが好ましい。
このうち、更に、水及び水アルコール類混液が好適である。具体的には、アルコール類を0〜90容量%含む水溶液が好適であり、好ましくは0〜70容量%、より好ましくは0〜50容量%、更に好ましくは0〜20容量%を含む水溶液が好ましい。
前記溶媒の使用量は、特に限定されないが、例えば、腐植土(乾燥状態)100kgに対して、100〜1000Lとするのが好ましく、200〜600Lとするのがより好ましく、腐植土成分の抽出効率及び作業効率の点で好ましい。
前記抽出期間は、特に限定されないが、好ましくは1日〜3年間、より好ましくは10〜180日間とする。このときの腐植土と抽出溶媒との混合攪拌は、特に限定されないが、例えば、0.5〜48時間程度行えばよい。これにより腐植土と抽出溶媒が接触し、有効成分を抽出しやすくなる。また、連続又は不連続に混合攪拌を行えばよい。
例えば、混合撹拌した後、更に一定期間混合攪拌する若しくは一定期間混合攪拌後放置するか、又は放置して熟成させるのが、抽出効率の点で好ましい。混合攪拌後に放置することで腐植土が沈降し、分離の際に有利であるため好ましい。例えば、前記抽出期間内(例えば1日〜3年間)、連続又は不連続に混合攪拌を行う;1〜24時間混合攪拌後、1〜60日間(好適には20〜40日間)放置する;1〜24時間混合攪拌後、引き続き1〜20日間(好適には3〜9日間)混合攪拌した後、1日〜3年間(好適には6ヶ月〜2年間)放置するなどが挙げられる。
前記抽出温度は、特に限定されず、好ましくは低温〜高温(例えば、0〜100℃程度)、より好ましくは低温(例えば、0〜9℃程度)〜常温(例えば、10〜40℃程度)とするのが、腐植土を熱変性させないために好ましい。
なお抽出に先立って行う腐植土の乾燥としては、天日乾燥、自然乾燥、風乾燥、熱乾燥、凍結乾燥などが挙げられ、腐植土が熱変性しない乾燥であれば好ましい。このとき、腐植土が微粉砕できる程度に乾燥するのが望ましく、粉砕することによって腐植土の抽出効率が向上するので好ましい。
前記腐植土抽出物には、フルボ酸、フミン酸などの腐植土壌特有の構成物質(フミン質など)や、脂肪酸、有機酸、アミノ酸、タンパク質、ミネラルなどが含まれている。なお、腐植土抽出物は、除菌用フィルターを用いてろ過されているものが、腐植土が熱変性されず、また不溶性物質などが除去されているので好ましい。
前記腐植土抽出物には、固形分濃度0.5質量%水溶液換算したときに、フミン質が、少なくとも100mg/L以上、好ましくは100〜1000mg/L、より好ましくは200〜700mg/L、更に350〜650mg/L含まれているのが好ましい。ここで、フミン質(腐植質)とは、例えば、植物成分などが土壌中に分解、縮合して生成する高分子物質を指す。ここで、フミン質は、鉱泉試験法(衛生試験法・注解2002、日本薬学会)の腐植質測定法記載の方法で測定した場合の値である。試験法詳細は、下記のとおりである。
試料VmL(腐植質として約20mg以上含む。)を正確にとり、孔径0.45μmメンブランフィルター(あらかじめデシケーター(シリカゲル)で乾燥し、秤量しておく。)を用いて吸引ろ過し、少量の水で洗浄した後、ろ液および洗浄液を合わせ、HCl10mLを加えてよくかき混ぜ、一昼夜放置する。これをメンブランフィルターでろ過する。ろ過に際しては、上清をまず静かに吸引ろ過し、最後に沈殿部を追加する。ろ過し終わったら沈殿を水でよく洗う。ろ液はいくらか着色しているのが普通である。フルボ酸が多いときは着色が著しい。ろ過後、フィルター部分をはがして、パラフィン紙に包んでデシケーター(シリカゲル)中で恒量になるまで乾燥する(一昼夜放置)。メンブランフィルターの重量を差し引いて腐植質の量を求め、試料中の含量を計算する。腐植質は灰分を含むので、メンブランフィルターをるつぼに移し、少量のメチルアルコールを加えて燃やし、さらに灰化して灰分を求め、先の重量から差し引く。
フミン質(腐植質)(mg/L)=((A−B)−C)/D×100

A:フィルター部分の重量(mg)
B:メンブランフィルターの重量(mg)
C:灰分の重量(mg)
D:試料採取量(ml)
ここで、フルボ酸とは、植物などが微生物により分解される最終生成物である腐植物質のうち、酸によって沈殿しない無定形高分子有機酸を指すものであり、重金属などを吸着、放出するキレート作用をもつものである。また、フミン酸は、腐植物質のうちアルカリ可溶であり、酸性領域において沈殿するものを指す。詳細な化学構造は不明であるが、多価フェノール形の芳香族化合物と含チッ素化合物との縮合物であり、フェノール性水酸基およびカルボキシル基を有するとされている。
前記腐植土抽出物には、固形分濃度0.5質量%水溶液換算したときに、フルボ酸が、好ましくは1〜20mg/L、より好ましくは5〜15mg/L、更に好ましくは5〜13mg/L、より更に好ましくは8〜13mg/L含まれているのが好ましい。同様に、前記腐植土抽出物には、固形分濃度0.5質量%水溶液換算したときに、フミン酸が、好ましくは0.1〜15mg/L、より好ましくは1〜10mg/L、更に好ましくは2〜8mg/L、より更に好ましくは5〜8mg/L含まれているのが好ましい。
このときのフルボ酸:フミン酸の混合割合は、特に限定されないが、好ましくは1:10〜10:1とするのが好ましく、さらに1:8〜8:1が好ましい。フミン酸およびフルボ酸の定量方法は、「Soil Science and Plant Nutrition, 38巻, 23-30頁(Kuwatsuka S et al. 1992); Soil Science and Plant Nutrition, 40巻, 601-608頁(Watanabe A. et al. 1994);Humic Substances Research, 1巻, 18-28頁(Watanabe A. et al. 2004)」等の参考文献に従って行えばよい。測定法により定量値が異なる場合は、フルボ酸の定量値がより高い測定法を採用することが好ましい。
前記腐植土抽出物の含有量は、特に限定されないが、沈殿の発生及びべたつき感の抑制の観点から、化粧料全量中、固形分濃度として0.0001〜0.025質量%(以下、質量%は単に、「%」と略す)、好ましくは0.00025〜0.01%とするのが効用の点で好ましい。
本発明に用いられる成分(b)のイソステアリン酸は、炭素数18の飽和側鎖脂肪酸であり、通常化粧料に用いられるものでは特に限定されるものではない。例えば、ガーベット法にて得られる2−ヘプチルウンデカン酸、アルドール縮合法にて得られる2−イソヘプチルイソウンデカン酸、ダイマー酸製造時に副生する炭素数18の側鎖脂肪酸を精製することによって得られる。本発明においては、腐植土抽出物の高温での沈殿を抑制する目的として含有される。
本発明で用いられる成分(b)の含有量は、特に限定されないが、製品に安定に含有させることができ、かつ腐植土抽出物の沈殿抑制の観点から0.001〜1%が好ましく、さらには0.005〜0.5%とするのがより好ましい。
本発明に用いられる成分(c)エタノールである。本発明においては、通常化粧料に用いられるものであれば、特に限定されるものではない。例えば95度未変性エタノール、種々の変性エタノール等の市販されているものでよい。
本発明における成分(c)エタノールの含有量は特に限定されるものではないが、可溶化組成物の経時的安定性の観点、また、腐植土抽出物のべたつき感の緩和力の観点から3〜50%が好ましく、特に、5〜20%がより好ましい。この範囲で含有させると、可溶化組成物の経時的安定性上、また官能上で特に優れるものとなる。
本発明に用いられる成分(d)HLB10〜13の範囲にある非イオン性界面活性剤は、本発明の化粧料において、通常の化粧料に用いられる非イオン性界面活性剤であれば何れものも用いることができるが、その1種又は2種以上を組合せて総合したHLBが10〜13であるものが選択される。
本発明において、HLBとは、界面活性剤の親水性と親油性のバランスを表す値であり、具体的には、下記の川上の式で求めることができる。
HLB=7+11.7log(Mw/Mo)
(ここでMwは親水基部の分子量、Moは親油基部の分子量をそれぞれ表す。)
HLBが10未満であると、成分(a)に含有されるフミン質の分散性に乏しく、また沈殿抑制の観点で水系への分散性が適しておらず、HLBが13を超えると、親水基に対する親油基の割合が小さいため、成分(b)の安定的な含有に適していない。
非イオン性界面活性剤としては、HLB10〜13の範囲にあれば、特に限定されるものではないが、親水基としては、ポリオキシエチレン鎖、グルコシド骨格、ショ糖骨格、ポリグリセリン骨格などが挙げられ、親油基としては、アルキル基、脂肪酸、硬化ヒマシ油などが挙げられる。成分(d)は、親水基、親油基の組合せにより、HLB10〜13の範囲であれば、特に限定されるものではなく、種々の構成をとりうる。親水基においては、前記したポリオキシエチレン鎖であれば、1分子あたりの付加モル数は、10〜100モルであり、20〜60モルのものがより好ましい。また、親油基においては、特に限定されるものではないが、炭素数8〜30のアルキル基、好ましくは、12〜22のアルキル基、脂肪酸においては、炭素数8〜22、好ましくは12〜22の炭素数のものなどが挙げられる。
例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトールテトラ脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド、N−アルキルジメチルアミンオキシドポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等が挙げられ、1種又は2種以上を用いることができる。
これらの中でも、腐植土抽出物の安定性の点において、ポリオキシエチレン鎖を含有するものが好ましく、具体的には、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンコレステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル等が挙げられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。
これら非イオン性界面活性剤のポリオキシエチレン鎖は、20〜50モルのものが好ましく、親油基としてはデシルテトラデシル基、硬化ヒマシ油、コレステロールが好ましい。さらに、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(6)デシルテトラデシルエーテル又はトリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(50)硬化ヒマシ油がより好ましい。これらの非イオン性界面活性剤であると、イソステアリン酸をより安定化させることができる。なおここでのかっこ内の数字は、ポリオキシエチレンあるいはポリオキシプロピレンの平均付加モル数を意味する。
本発明における成分(d)の含有量は特に限定されるものではないが、経時安定性やべたつきのなさの点において化粧料中0.01〜2%が好ましく、0.1〜1%がより好ましい。
本発明における成分(e)は、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル及びポリオキシプロピレンアルキルグルコシドから選ばれるポリオキシプロピレン構造を有する化合物である。本発明において、成分(e)を含有することにより、イソステアリン酸の腐植土抽出物に対する沈殿抑制効果を補助する効果及び、腐植土抽出物の肌効果である製剤塗布後の目立つ毛穴の収斂効果を増強させる効果に期待できるものである。これは、成分(e)構造にポリオキシプロピレン構造があり、この部分を有することにより、腐植土抽出物の化粧料における製剤の安定化に効果があるものと考えられる。
これらポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル及びポリオキシプロピレンアルキルグルコシドは、イソステアリン酸の安定化の観点より、ポリオキシプロピレンの付加モル数が6〜12モルであるとより好ましく、特に8〜10モルがより好ましい。また、それらのジグリセリルエーテル及びメチルグルコシドが好ましい。なお、ポリオキシプロピレンアルキルグルコシドは、アルキルグルコシドに酸化プロピレンを付加重合したものであり、アルキル基としては、特に限定されるものではないが、炭素数1〜4のものがあげられ、より好ましくは、炭素数が1のメチル基、あるいは炭素数が2のエチル基である。
このような成分(e)は、市販品としてSY−DP9(阪本薬品工業社製)やマクビオブライドMG−10P(日油株式会社製)、グルカムP−10(アマコール社製)等が挙げられる。
本発明における成分(e)の含有量は特に限定されるものではないが、経時安定性やべたつきのなさの点において化粧料中0.1〜10%が好ましく、0.5〜5%がより好ましい。
上記した、成分(b)、成分(e)をそれぞれ好ましい含有量で含有させることができるものであるが、さらに、これらを特定の含有割合とすることにより、成分(a)の沈殿抑制効果において、より好ましい。これは、腐植土抽出物に含まれる成分のうち、成分(b)にも溶解しているためと考えらる、油/水界面にも、成分(a)が存在していると考えられる。そして、成分(e)を含有することで、この油/水界面における成分(a)の安定性を増すものと考えられるものである。このようなものとして、成分(b)、成分(e)は特定の割合にすることで、成分(a)の沈殿抑制効果は向上するものとなり、好ましい。
このような成分成分(b)と成分(e)の含有質量割合(b)/(e)が0.01〜5の範囲であると好ましい。より好ましくは0.01〜0.5、さらに好ましくは0.02〜0.3である。この範囲であれば腐植土抽出物に含有されるフミン質の分散を助け、沈殿析出をより効果的に抑制し、より腐植土抽出物由来のべたつき感を緩和できる。
本発明の化粧料における20℃のpHは、特に限定されないが、成分(a)の沈殿抑制の点で好ましくは6.0〜7.0であり、6.0〜6.5とすることがさらに好ましい。この範囲であれば沈殿が生じにくく、またイソステアリン酸の等電点の観点から沈殿の抑制効果がより発揮され好ましい。
pHは最終的な化粧料のpHが前記範囲になるよう、適宜pH調整剤を添加して調整する。pH調整剤としては、特に限定されず、例えば乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、dl−リンゴ酸等の酸物質、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン等のアルカリ物質が挙げられ、1種または2種以上を用いることができる。また、調整方法も特に限定されず、化粧料を製造する工程の腐植土抽出物を含有している水相や腐植土抽出物を添加した後に添加する水相に溶解しても良いし、事前に水相に溶解せずに化粧料に直接添加しても良い。また、化粧料を製造した後に、pHを確認しながら添加しても良い。これらの組み合わせは任意であるが、より好ましくは、クエン酸、乳酸、リン酸もしくはそのアルカリ金属塩である。
本発明は、腐植土抽出物を安定に含有する化粧料に関するものである。ここで化粧料は特に限定されるものではないが、沈殿等が生じた際にその効果を実感できるものとして、透明乃至半透明の化粧料において用いることが特に効果的であり好ましい。
本発明でいう透明乃至半透明とは、次のように定義できる。すなわち、光路長10mmのセルを用いて、分光光度計で波長700nmの光の透過率を測定した場合に、透過率が75%以上であるものを指す。透過率を測定する分光光度計は、「UV−2500PC UV−VIS REDCORDING SPECTROPHOTOMETER」(SHIMADZU社製)を用いて測定したものである。
本発明においては、上記必須成分のほかに、本発明の効果を損なわない範囲で、通常化粧料に含有される成分として、水、アルコール類、界面活性剤、油性成分、水溶性高分子、保湿成分、紫外線吸収剤、酸化防止剤、金属キレート剤、防腐剤、粉体、色素、香料、各種薬剤等を本発明の効果を妨げない範囲で任意に含有することができる。かかる成分としては次のようなものが挙げられる。
水としては、通常化粧料製造のために用いられる水であれば特に限定されず、常水、精製水、温泉水、深層水や、ラベンダー水、ローズ水、オレンジフラワー水などの植物由来の水蒸気蒸留水などが挙げられ、1種または2種以上を用いることができる。
水溶性高分子としては、アラビアゴム、トラガカント、ガラクタン、キャロブガム、グァーガム、カチオン化グァーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、アルゲコロイド(褐藻エキス)等の植物系高分子、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カチオン化ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末等のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー(CARBOPOL(販売名)等)、アルキル変性カルボキシビニルポリマー(PEMULEN(販売名)等)等のビニル系高分子、ポリオキシエチレン系高分子、ポリオキエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等のアクリル系高分子、ポリエチレンイミン、カチオン性ポリマー等の有機系水溶性高分子、ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ラポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸等の無機系水溶性高分子等が挙げられ、1種または2種以上を用いることができる。
保湿成分としては、糖類、アミノ酸及びその誘導体、ペプタイド類、植物抽出液等が挙げられ、1種または2種以上を用いることができる。
糖類としては、ソルビトール、エリスリトール、マルトース、マルチトール、キシリトール、キシロース、トレハロース、イノシトール、グルコース、マンニトール、ペンタエリスリトール、果糖、蔗糖およびそのエステル、デキストリン及びその誘導体、ハチミツ、黒砂糖抽出物等が挙げられる。
アミノ酸類としては、例えばグリシン、アラニン、バリン、イソロイシン、セリン、スレオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、リジン、ヒドロキシリジン、アルギニン、シスチン、システイン、アセチルシステイン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、オルチニン、シトルリン、テアニン、クレアチン、クレアチニン等が挙げられる。
アミノ酸誘導体としては、グルタチオン、ピロリドンカルボン酸、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・2−オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・ベヘニル・2−オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(2−オクチルドデシル)、N−アシルグルタミン酸リジン縮合物等が挙げられる。
ペプタイド類としては、動物、魚、貝、植物由来のいずれでもよく具体的には、コラーゲン及びその誘導体又はそれらの加水分解物、エラスチン及びその誘導体又はそれらの加水分解物、ケラチン及びその誘導体又はそれらの分解物、コムギタンパク及びその誘導体又はそれらの加水分解物、ダイズタンパク及びその誘導体又はそれらの加水分解物等が挙げられる。
植物抽出物としては、例えばオウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等を用い、水や有機溶媒により適宜抽出したものが挙げられる。
酸化防止剤としては、アスコルビン酸、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール等が挙げられる。
防腐剤としては、安息香酸、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸エステル、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、フェノキシエタノール等が挙げられる。
本発明の化粧料の製造方法は、特に制限はなく、常法により調製される。例えば、成分(a)、(d)、(e)を水に溶解したものに、成分(b)と(c)混合したものを加えることにより調製することができる。
本発明の化粧料は、化粧水、美容液、マッサージ料、パック化粧料などに適用可能である。またその使用法は、手や指で使用する方法、不織布等に含浸させて使用する方法等が挙げられる。また、その性状は、ジェル状、液状など様々な性状の化粧料として実施することができる。
次に実施例を挙げて、本発明をさらに説明する。なお、これらは本発明を何ら限定するものではない。
[製造例1:腐植土抽出物の製造1]
地中(九州地方海岸付近土壌)から採取した腐食土壌を乾燥させた後、微粉砕した。この粉砕物5kgと、精製水20リットルを2時間混合攪拌し、さらに常温(10〜30℃程度)で7日間撹拌し、20日間静置した。静置後、メンブランフィルター(孔径0.45μm)を用いてろ過し、腐植土抽出物水溶液(原液)を得た。このときのpH(20℃)は3.0であった。また、この乾燥エキス分(エキス分濃度)は0.4質量%であった。この原液に含まれるフミン質の総量は350mg/L(乾燥エキス分5g/水1Lの水溶液換算としたとき、438mg/L)であり、フミン酸およびフルボ酸の含有量は、それぞれ4mg/Lおよび6.7mg/L(乾燥エキス分5g/水1Lの水溶液換算としたとき、それぞれ5mg/Lおよび8.4mg/L)であった。以下の実施例では乾燥エキス分をそのまま用いた。
フミン酸およびフルボ酸の定量方法は、上述の参考文献Soil Science and Plant Nutrition, 38巻, 23-30頁(Kuwatsuka S et al. 1992); Soil Science and
Plant Nutrition, 40巻, 601-608頁(Watanabe A. et al. 1994);Humic Substances Reseacrh, 1巻, 18-28頁(Watanabe A. et al. 2004)にしたがって行った。
実施例1(化粧水)
本発明品1〜18及び比較品1〜9
表1〜表4に示す組成及び下記製法にて化粧水を調製し、以下に示す方法により、<1>製剤安定性(高温での沈殿のなさ)、<2>使用感の良さ(べたつき感のなさ)、<3>効果感(目立つ毛穴の収縮感)の評価を行った。結果を表1〜表4に併記する。
<1>高温での沈殿のなさ
各試料をガラスビンに入れ、50℃の恒温槽内に1ヶ月間保存した。その後、恒温槽から取り出した当該試料の沈殿発生の状態を目視観察し、以下の基準により判定した。
[評価基準]
5:モヤ状の沈殿は全く確認されない
4:モヤ状の沈殿がかすかに認められるが、揺らすとすぐに消失する
3:モヤ状の沈殿がかすかに認められるが、1mm以下のサイズの小さいものしかない。
2:モヤ状の沈殿が認められ、1mm以上の大きいサイズのものも発生している。
1:3mm以上のモヤ状の沈殿が認められる。
[判定基準]
[判定]:[評点の平均点]
◎ :4.0以上5.0以下
○ :3.0以上4.0未満
△ :2.0以上3.0未満
× :1.0以上2.0未満
<2>べたつき感のなさ
各試料を評価専門パネル5名で以下の基準にて評価し、その平均評価値に当てはまる評価を記載した。
[評価基準]
べたつき感のなさの評価基準
5:べたつき感を感じない
4:ほぼべたつき感を感じない
3:ややべたつき感を感じる
2:べたつき感を感じる
1:べたつき感を強く感じる
[判定基準]
[判定]:[評点の平均点]
◎ :4.0以上5.0以下
○ :3.0以上4.0未満
△ :2.0以上3.0未満
× :1.0以上2.0未満
<3>目立つ毛穴の収縮度合い
毛穴の目立ちを気にしているパネル5人の各人に、各試料を1日2回、3週間塗布した。使用前後に顔画像を撮影し、小鼻部の約1cm×1cmと頬部の約4cm×4cmを特定、画像解析により2値化したときの黒い部分の総面積及び個数を算出し、目立つ毛穴の総面積及び目立つ毛穴の総個数の変化率のパネル全員の平均値を求めた。試験前を100%として3週間後の結果を以下の基準にて判定した。なお、本発明においての、「目立つ毛穴」は次のように定義されるものである。
顔画像を撮影し、前述で特定した部位において観察された毛穴面積が20000μm2以上の毛穴を「目立つ毛穴」とした。
[評価基準]
目立つ毛穴の収縮度合いの評価基準(試験前を基準として比較)
5:目立つ毛穴の総面積が75%未満かつ目立つ毛穴の総個数が75%未満となった。
4:目立つ毛穴の総面積が75〜80%未満かつ目立つ毛穴の総個数が75〜80%未満となった
3:目立つ毛穴の総面積が80〜85%未満かつ目立つ毛穴の総個数が80〜85%未満となった
2:目立つ毛穴の総面積が85〜90%未満かつ目立つ毛穴の総個数が85〜90%未満となった
1:目立つ毛穴の総面積及び総個数に有意な減少がみられなかった
[判定基準]
[判定]:[評点の平均点]
◎ :4.0以上5.0以下
○ :3.0以上4.0未満
△ :2.0以上3.0未満
× :1.0以上2.0未満
(製法)
A.成分(2)〜(14)を70℃に加温し、均一に溶解する。
B.成分(15)〜(33)を70℃に加温して均一に溶解し、Aを攪拌しながら添加する。
C.Bを攪拌しながら冷却後、成分(1)を添加し均一に混合し、化粧水を得た。
表1〜表4の結果から明らかなように、本発明品1〜18の化粧水は沈殿発生抑制効果に優れ、べたつき感のなさ、毛穴の収縮度合いも良好であった。成分(e)を含まない本発明品1よりも、成分(e)を含む本発明品2の方がより良好な結果であった。また、化粧料のpHが6以下の本発明品15、pHが7以上の本発明品16よりもpHが6〜7の範囲に入っている本発明品1の方がより良好な結果であった。さらに、クエン酸バッファー、リン酸バッファーや乳酸バッファーを含む本発明品1、17、18と比較するとクエン酸バッファーを用いるものが、腐植土抽出物の沈殿のなさに優れていた。
一方、成分(b)を含有していない比較品2、イソステアリン酸ではない酸を含有する比較品3、4、5、成分(d)とは異なる種類の界面活性剤を用いた比較品7、8、9は、腐植土抽出物の沈殿が生じてしまい、毛穴の収縮度合いに劣る結果であった。成分(c)を含有しない比較品6は、高温での沈殿のなさには、優れるものの、べたつきのなさにおいては優れない結果であった。
以上のことから、成分(a)、(b)、(c)、(d)を含有する本発明は、全ての効果において満足のいくものであった。
実施例2 美容液
下記に示す組成及び製法で、美容液を調製した。
(組成) (%)
(1)腐植土抽出物(注1) 0.1
(2)ポリオキシエチレン(26)グリセリン 5.0
(3)グルコシルトレハロース 1.0
(4)L−テアニン 0.05
(5)ハチミツ 0.02
(6)海洋深層水 0.02
(7)ヒアルロン酸Na 0.01
(8)加水分解コラーゲン 0.01
(9)アルゲエキス 0.02
(10)1,3−ブチレングリコール 3.5
(11)フェノキシエタノール 0.5
(12)精製水 残量
(13)グリセリン 11.0
(14)ポリエチレングリコール400 5.0
(15)リン酸水素ナトリウム 0.3
(16)リン酸二水素ナトリウム 0.6
(17)エデト酸2ナトリウム 0.02
(18)イソステアリン酸PEG−50硬化ヒマシ油 0.2
(19)PEG−60硬化ヒマシ油 1.0
(20)エタノール 7.0
(21)L−メントール 0.02
(22)ジメチコン 10.0
(23)スクワラン 1.0
(24)イソステアリン酸 0.05
(25)(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー 0.5
(26)パラオキシ安息香酸メチル 適量
(27)ジプロピレングリコール 10.0
(28)1,2−ペンタンジオール 1.0
(29)カルボキシビニルポリマー 0.1
(30)(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10−30))
クロスポリマー(注3) 0.15
(31)水酸化ナトリウム 0.05

(注3)CARBOPOL1382(LUBRIZOL社製)
(製法)
A.成分(2)〜(18)を80℃に加温し、均一に混合する。
B.成分(19)〜(25)を均一に溶解し、Aに攪拌しながら添加後室温まで冷却する。
C.Bを攪拌しながら、80℃に加温して均一溶解した成分(26)〜(28)を添加する。
D.Cを攪拌しながら、成分(29)〜(31)を添加する。
E.成分(1)を添加して均一に混合し、美容液を得た。
以上のようにして得られた実施例2の美容液は、20℃にてpH6.5であり、製剤安定性および使用感がきわめて良好なものであった。
実施例3 シート状パック化粧料
下記に示す組成及び製法で、シート状パック化粧料を調製した。
(組成) (%)
(1)腐植土抽出物(注1) 1.0
(2)ジプロピレングリコール 6.0
(3)1,3−ブチレングリコール 6.0
(4)エタノール 15.0
(5)乳酸 0.3
(6)乳酸ナトリウム 0.6
(7)エデト酸2ナトリウム 0.02
(8)水酸化カリウム 0.04
(9)精製水 残量
(10)パラオキシ安息香酸メチル 適量
(11)セラミド2 0.001
(12)セラミド3 0.001
(13)パルミチン酸 0.001
(14)リノール酸 0.001
(15)トコフェロール 0.1
(16)トリエチルヘキサノイン(注4) 0.1
(17)イソステアリン酸 0.05
(18)ジ(C12−15)パレスー8リン酸 0.05
(19)セスキオレイン酸ソルビタン 0.1
(20)水添レシチン 0.01
(21)コレステロール 0.001
(22)アスタキサンチン(注5) 0.02

(注4)MYRITOL GTEH(BASF社製)
(注5)アスタキサンチン−5C(オリザ油化社製)
(製法)
A.成分(2)〜(9)を70℃に加温し、均一に溶解する。
B.成分(10)〜(22)を70℃に加温して均一に溶解し、Aに攪拌しながら添加する。
C.Bを攪拌しながら冷却後、成分(1)を添加し均一に混合する。
D.Cで調製したバルクをシートに含浸して、シート状パック化粧料を得た。
以上のようにして得られた実施例3のシート状パック化粧料は、20℃にてpH6.2であり、製剤安定性および使用感が良好なものであった。

Claims (7)

  1. 次の成分(a)〜(d);
    (a)腐植土抽出物
    (b)イソステアリン酸
    (c)エタノール
    (d)HLB10〜13の範囲にある非イオン性界面活性剤
    を含有する化粧料。
  2. さらに成分(e)ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル及びポリオキシプロピレンアルキルグルコシドから選ばれるポリオキシプロピレン構造を有する化合物を一種以上を含有する請求項1記載の化粧料。
  3. 前記成分(e)のポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル及びポリオキシプロピレンアルキルグルコシドのポリオキシプロピレン付加モル数が8〜10モルのポリオキシプロピレン構造を有する化合物である請求項2記載の化粧料。
  4. 前記成分(b)、(e)の含有質量割合(b)/(e)が、0.01〜5の範囲である請求項2又は3記載の化粧料。
  5. 前記成分(d)が、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(6)デシルテトラデシルエーテル又はトリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(50)硬化ヒマシ油である請求項1記載の化粧料。
  6. 20℃におけるpHが、6.0〜7.0の範囲にある請求項1〜5の何れかの項記載の化粧料。
  7. 透明乃至半透明である請求項1〜6の何れかの項記載の化粧料。
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