JP2012159419A - 放射性有機廃棄物の固化処理方法 - Google Patents

放射性有機廃棄物の固化処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】原子力関連施設から発生する窒素成分が含まれた廃棄物を固化する際に、放射性核種の溶出を未然に防ぐための処理方法を提供する。
【解決手段】コバルト、ニッケル、モリブデン、白金族、超ウラン元素のうちいずれかを1つ以上の放射性核種を含みかつ窒素成分を含む放射性有機廃棄物の固化処理方法において、(1)廃棄物を、pH1〜4で有機廃棄物を酸化分解処理する工程と、(2)酸化分解処理後の固液成分に、pHが8〜14となるようにアルカリを添加して、工程(1)で生成したアンモニウムイオンをアンモニアに変換し、固液成分中のアンモニウムイオン濃度を1000ppm以下とする工程と、(3)工程(2)で得られた固液成分を、固化材による固化、ないし圧縮固化、加熱溶融固化のいずれかにより固化体とする固化工程とを、有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、原子力関連施設から発生する各種放射性廃棄物を固化処理する分野に関する。
近年、地球温暖化問題の顕在化に伴い、発電の過程で二酸化炭素を排出しない原子力発電への期待が急速に高まっている。
我が国は、国策として原子力発電を推進し、2030年以降も総発電電力量の30〜40%以上を原子力発電により供給することを掲げている。したがって、原子力発電所、核燃料取扱施設、使用済核燃料再処理施設等の放射性物質取扱い施設の運用の過程で発生する放射性廃棄物の処理は緊急の課題であり、これらを適切な方法で処分する技術の確立が求められている。
現在、不燃性の放射性固体廃棄物を処理する方法としては、放射性廃棄物をセメント、アスファルト、プラスチックおよびガラス等の固化材により固化して廃棄体とし、前記廃棄体を地層処分する方法が知られている。たとえば、本願出願人も、特開昭63−289500号公報、特開平9−54195号公報、特開平10−104393号公報、特開2003−50297号公報などの放射性廃棄物固化処理を提案している。(特許文献1〜4)
また、本願出願人も、特開平2−63595号公報(特許文献5)にて、有機物を含有する放射性廃液の処理方法として、液性を酸性に維持しながら過酸化水素を連続的に添加し、有機物を酸化分解し、ついで濃縮された廃液をセメントなどで固化処理する処理方法を提案している。
特開昭63−289500号公報 特開平9−54195号公報 特開平10−104393号公報 特開2003−50297号公報 特開平2−63595号公報
しかしながら、処分の際、廃棄体に窒素成分が含まれていると、アンモニアやアンモニウムイオンを生じ、たとえばニッケル、コバルト、パラジウム等の放射性核種との間で可溶性アンミン錯体を形成する可能性がある。そして、アンミン錯体が多量に生じた場合、前記放射性核種の溶解度上昇およびセメント系材料への収着分配係数の低下が起こり、前記放射性核種が処分施設間隙水に溶出するおそれがある。
なお、このような廃棄物固化の前処理技術として、たとえば、特開昭63−289500号公報には、使用済イオン交換樹脂を脱水し、少量のポルトランドセメントを添加して撹拌した後、再びポルトランドセメントと水を加えて混練して容器に充填することが知られている。そしてかかる公報には、前処理を行うことにより、固化体を水中に浸漬したときの膨張を防ぐことができる旨開示されている。しかしかかる方法は、イオン交換樹脂をセメント固化する際の前処理に過ぎない。
また、特開2005−345440号公報には、放射性廃棄物に分類されるホウ酸含有廃液アルカリ金属元素化合物を添加し、85℃に昇温した後、アルカリ土類金属化合物を添加して撹拌する前処理が開示されている。しかしながら、かかる前処理は、廃液の粘度上昇を抑制することができ、配管の詰まりを防止するものであり、本発明とは全く課題が異なる。
このように、従来の放射性廃棄物の固化処理方法は、廃棄物に含まれる窒素成分による課題に対する認識が不十分であり、積極的な対策が何ら講じられていなかった。
このように、放射性廃棄物をセメント固化する技術は知られており、また、単に、廃棄物セメント固化に先立って廃棄物に前処理を施す技術は知られているものの、窒素成分が含まれた廃棄物を処理した廃液中の放射性核種とアンモニウムイオンからなるアンミン錯体の形成を防止するという思想は全くなかった。
そこで、本発明者らはこのような問題点を解決すべく鋭意検討した結果、
(1)窒素成分を含む廃棄物を、pH1〜4で有機廃棄物を酸化分解処理し、
(2)得られた処理液のpHが8〜14となるようにアルカリを添加して、アンモニウムイオンをアンモニアに変換することで、アンモニウムイオンを除去(アンモニアストリッピングという)し、この廃棄物中でのアンミン錯体形成を抑制する。その結果、放射性核種の漏出を未然に防げることを見出し、本発明を完成するにいたった。
本発明の構成は以下のとおりである。
[1]コバルト、ニッケル、モリブデン、白金族、超ウラン元素のうちいずれかを1つ以上の放射性核種を含み、かつ窒素成分を含む放射性有機廃棄物の固化処理方法において、
(1)廃棄物を、pH1〜4で有機廃棄物を酸化分解処理する工程と、
(2)酸化分解処理後の固液成分に、pHが8〜14となるようにアルカリを添加して、工程(1)で生成したアンモニウムイオンをアンモニアに変換し、固液成分中のアンモニウムイオン濃度を1000ppm以下とする工程と、
(3)工程(2)で得られた固液成分を、固化材による固化、ないし圧縮固化、加熱溶融固化のいずれかにより固化体とする固化工程とを、
有することを特徴とする放射性有機廃棄物の固化処理方法。
[2]前記工程(2)を40〜100℃の温度条件下で行う[1]の放射性有機廃棄物の固化処理方法。
[3]前記工程(2)の後、(2’)工程(2)で得られた固液成分を濃縮する濃縮工程を有し、工程(2’)で得られた濃縮物を前記工程(3)で固化処理する[1]または[2]の放射性有機廃棄物の固化処理方法。
[4]前記放射性有機廃棄物が、フィルタースラッジ、イオン交換樹脂、キレート剤、除染剤、洗濯廃液のうちいずれか1つ以上を含む[1]の放射性有機廃棄物の固化処理方法。
本発明によれば、使用済みイオン交換樹脂、フィルタースラッジ等の放射性廃棄物の処理に有効である。すなわち、前記放射性廃棄物に含まれる有機物を湿式酸化分解し、分解後の処理液を適宜濃縮し、濃縮残渣をセメントにより固化する一連の工程により、多量の放射性廃棄物を連続処理でき、かつ、セメント固化体(廃棄体)の発生量を大幅に削減できる。しかも、セメント固化工程において、前処理としてアンモニアストリッピングを行うことで、廃棄物に含まれるアンモニウムイオンを排除でき、その結果、環境影響が懸念される放射性核種のアンミン錯体の形成を未然に防ぎ、処分に適した廃棄体を作製することができる。
本発明における放射性廃棄物の固化処理のフローチャートである。 実施例1で行った固化処理のフローチャートを示す。 実施例2で行った固化処理のフローチャートを示す。
本発明は、放射性廃棄物の有機物分解工程(1)、アンモニウムイオン除去工程(2)および固化工程(3)より構成される。さらに、工程(2)の後、必要に応じて濃縮工程(2’)を行うことができる。このようなフロー図は、図1に示される。
放射性有機廃棄物
本発明で処理する廃棄物は、原子力関連施設で発生する使用済の放射性有機廃棄物である。特に、本発明では、前記したようにアンモニウムイオンの影響が大きい、コバルト、ニッケル、モリブデン、白金族、超ウラン元素のうちいずれかを1つ以上の放射性核種を含む放射性含窒素有機廃棄物を処理することを目的としている。
このような核種の放射能濃度量は、放出する放射線を測定することにより、決定される。
本発明で処理される有機廃棄物には窒素成分が含まれる。窒素成分として制限はなく、アミン、アミド、イミド、アンモニウム塩、ジアゾ化合物、硝酸ないし硝酸塩、シアノ(ニトリル)化合物ないしポリアクリロニトリルなどの高分子化合物、ピロール、ピリジン、イミダゾールなどの複素環化合物など、窒素原子を含むものである。
たとえば、イオン交換樹脂の場合は、陽イオン交換樹脂ないし陰イオン交換樹脂に由来するNH3やアミン成分、捕捉された硝酸イオンやアンモニウムイオンなどが窒素成分に相当する。また、フィルタースラッジの場合はフィルターの構成材料や捕集された濾滓に含まれている含窒素有機物などのほか、スケール除去に使用されるキレート剤(EDTA、NTA)を含有した除汚液なども対象となる。洗濯廃液としては、原子力関連施設で使用された衣類の洗濯廃液や手洗い廃液などが相当し、洗剤である界面活性剤や洗浄後の洗濯廃液に含まれる衣類などの糸くずや汚垢などが含窒素成分相当する。
含窒素成分としては、窒素原子を含むものであれば特に制限はなく、アミン、アミド、イミド、アンモニウム塩、ジアゾ化合物、硝酸ないし硝酸塩、EDTA、NTAなどのキレート塩、シアノ(ニトリル)化合物ないしポリアクリロニトリルなどの高分子化合物、ピロール、ピリジン、イミダゾールなどの複素環化合物など、窒素原子を含むものである。
窒素成分の量としては、特に制限はないものの、前記した核種を含む放射性有機廃棄物中に、1000ppmより多い量の窒素原子が含まれていれば、本発明の処理の対象となる。
これらの放射性有機廃棄物は、ボールミルやハンマーミルなどの粉砕手段で、粉砕したり、篩やフィルターなどで分級して、粗大なものを取り除いてもよい。
工程(1)
まず、放射性有機廃棄物を酸化分解するとともに、含窒素成分も酸化分解してアンモニウムイオンとする。
工程(1)では、あらかじめ濃度が、固形分1〜20重量%の処理液を調製することが望ましい。ただし、洗濯廃液や流動性の高いものであればこの限りではない。通常、かかる処理液調製には、水が使用される。
工程(1)としては、たとえば過酸化水素により有機物を分解する湿式酸化法が採用される。
湿式酸化分解は、連続式に行なってもバッチ式に行なってもよい。たとえば、処理すべき放射性有機廃棄物の一部をあらかじめ反応槽に装入しておいて酸化分解反応を開始し、反応の進行に伴って廃棄物を補給して行き、所定の量を投入し終わったのちも過酸化水素の供給を続け、酸化分解をほぼ完全に進めてから停止するという手順に従う方式でよい。
工程(1)では、処理後廃棄物中の有機物を、全有機炭素TOCを基準として1000ppm以下、好適には100ppm以下まで減少させることが望ましい。このようにTOCを減らしておくと、廃棄物を固化処理した廃棄体が燃えたり変質したりすることがなく、処分の安全性の観点で有利となる。
本発明では、このような過酸化水素による分解を、pH1〜4、好ましくは1〜2で行う。
このようなpH範囲にあると、過酸化水素による有機物の湿式酸化が効率良く進行する。また、前記の湿式酸化反応中、窒素成分はアンモニウムイオン等として液中に溶解している。溶液を酸性にするため加える酸は、硫酸、硝酸または塩酸など無機酸であれば何でもよいが、不揮発性のものが好ましく、この観点と、安価で入手が容易なことから、硫酸が最適である。
通常、触媒としての鉄イオンおよび(または)銅イオンの存在下に過酸化水素が添加される。触媒として用いる鉄イオンおよび(または)銅イオンの濃度は、それぞれ0.001〜0.1mol/L、好ましくは0.005〜0.02mol/Lの範囲から選ぶとよい。鉄イオンの供給源としては、硫酸鉄、硝酸鉄などの各種の塩類が使用できる。銅イオンの供給源としては、硫酸銅、硝酸銅、塩化銅および酢酸銅などの、銅の無機および有機の塩が使用できる。
また触媒を使用する代わりに、紫外線照射下に過酸化水素を作用させて酸化分解させてもよい。また、酸化力の強いオゾンを用いて、酸化分解(オゾン酸化)させてもよい。
反応温度は、上記酸化分解反応が、高温領域ほど速やかに進行するため、40〜100℃、好ましくは60〜100℃の範囲にあればよい。
工程(2)
次に酸化分解処理後の固液成分に、pHが8〜14となるようにアルカリを添加する。このアルカリ添加によって、前記工程(1)で生成したアンモニウムイオンがアンモニアに変換され、揮散する(これをアンモニアストリッピングということもある)。アルカリとしては、苛性ソーダや苛性カリなどが使用される。工程(2)は、pH=9〜14、より好ましくはpH=10〜12において実施する。この際、必要に応じて水を添加し、更に必要に応じて空気、窒素、希ガス等を吹き込んでバブリングしてもよい。アルカリの添加量としては、液中のアンモニウム成分に対して、過剰量であれば特に制限されない。
このような処理によって、アンモニウムイオンが除去され、アンモニウムイオン濃度が1000ppm以下、好ましくは100ppm以下に減少される。
終点の見極めは、反応液中のアンモニウムイオン濃度を測定する方法や、あらかじめ反応液から放出するアンモニア重量を算出し、反応液重量の減少から終点を判定する方法、あるいは反応槽から発生するガスを捕集し、ガス中のアンモニア濃度の減衰を確認する方法や、前記ガスを冷却して凝縮し、その凝縮液中に溶解したアンモニウムイオン濃度を測定する方法、もしくは前記凝縮液の発生量を秤量し、終点を判定する方法などを用いることができる。
このように、アンモニウムイオン濃度を減らしておけば、後述する固化工程(3)以降において放射性核種のアンミン錯体の形成をほぼ完全に抑制でき、より処分に適した廃棄体を作製することができる。なお、工程(2)の後、必要に応じて濃縮工程(2’)を実施し、廃棄物中の固液成分を濃縮してもよい。
このような工程(2)は、25〜100℃の温度条件で行われる。より好ましくは、40〜100℃、さらに好ましくは60〜100℃の温度条件下で行うことが望ましく、このような温度で、工程(2)を行うことで、後述する濃縮工程(工程(2’))が不要となる。
工程(2’)
本発明では、工程(2)の後、(2’)工程(2)で得られた固液成分を濃縮する濃縮工程を有していてもよい。
濃縮は、固形分が所定の濃度になるまで行われる。濃縮方法としては、特に制限されないが、通常、蒸発濃縮が採用される。
工程(3)
次に工程(2)、必要に応じて工程(2’)での処理物を固化させる。
固化は公知の方法を採用でき、たとえば、セメント、アスファルト、プラスチックまたはガラス等の固化材で固化する方法、圧縮する方法、あるいは高温度で加熱溶融して固化する方法などが好適である。
固化処理における各種固化材の使用量は、対象とする放射性廃棄物によって異なるものの、通常、放射性廃棄物の量が10〜80重量%、好ましくは20〜70重量%となる量であればよい。
セメント固化の場合、たとえば、処理物とポルトランドセメントなどの公知の固化材と水とを混練し流動性のある混練物を作り、次いでこれを収納容器に詰めて養生固化させればよい。また必要に応じて、硬化刺激剤、減水剤、含浸材、補強材、分散剤、微粉、混和材などを含んでいてもよい。混練後、収納容器に詰めて養生固化させればよい。固化材については、たとえば特開平10−104393号公報に記載にものなど、公知のものを特に制限なく採用することが可能である。セメント固化のための養生は通常、室温〜100℃の温度で行われるが、室温〜60℃での温度が好ましい。この際、飽和蒸気圧下、或いは、水分が飛ばないよう蓋をして加熱下で行っても良いし、水蒸気を用いて100℃以上の温度でオートクレーブ処理を行っても良い。養生時間は、温度が高い程硬化が速い傾向にあり、特定できないが、室温養生の場合は概して7日以上、60℃養生の場合は概して12時間以上で実用的な物性(圧縮強度及び耐水性能等)の固化物が得られる。
アスファルト固化の場合、加熱して液状になったアスファルトと上記処理液とを混合すればよい。混練すると、水などの蒸発成分は揮発するので、残渣のみがアスファルトと混合され、これに必要に応じて、キシレンなどの有機溶媒を添加したのち、ドラム缶などの注入し、自然冷却すれば固体が得られる。
プラスチック固化の場合、処理物の溶媒成分を除去した粉体に、不飽和ポリエステルなど熱硬化性プラスチックと混合したのち、熱硬化性樹脂を、重合開始剤・促進剤の添加によって重合固化させればよい。また、得られた粉体と、加熱して流動した熱可塑性プラスチックとを混合し、所定容器に充填して放冷することによりプラスチック固化してもよい。
ガラス固化の場合、処理物を乾燥、か焼し(約600度に昇温して加熱分解し、酸化物にする)たのち、得られたか焼体とホウケイ酸系のガラス原料を混合して高温に加熱し、融解物をキャニスタなどの貯蔵容器に流し込んで固化させる。
圧縮法では、処理物を乾燥したのち、一箇所に集めて所定の形状に圧縮すればよい。
また、溶融法では、プラズマアークを熱源として1500〜1700℃で溶融させたり、915ないし2450MHzの周波数のマイクロを照射して溶融させたり、必要に応じてガラス化材を加えて、1000〜1300℃の高周波誘電加熱で溶融させたり、さらに、ルツボ内に、処理物粉体を入れ、通電して、抵抗熱で加熱溶融させたり(ジュール加熱照射)、バーナー加熱により処理粉体中の可燃・不燃性廃棄物を焼却したのち、溶融させたりすればよい。
本発明によれば、前記放射性廃棄物に含まれる有機物を湿式酸化分解し、分解後の処理液を適宜濃縮し、得られた処理物を固化する一連の工程により、放射性廃棄物を連続処理でき、かつ、前処理としてアンモニアストリッピングを行うことで、廃棄物に含まれるアンモニウムイオンが排除され、環境影響が懸念される放射性核種のアンミン錯体の形成を防ぎ、処分に適した廃棄体を作製することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
図2に示すフローで処理を行った。
模擬放射性廃棄物として、カチオン交換樹脂0.14mol/Lと、アニオン交換樹脂0.14mol/Lを含む廃液600Lに対して、35重量%過酸化水素水1200Lと、硫酸鉄七水和物0.02mol/Lとを供給し、さらにpH調整剤として、硫酸および苛性ソーダを用いて、前記廃液中の有機物を、温度95〜100℃、pH=1〜2において分解処理した。
前記工程により、分解処理された有機物を含む廃液150Lを得た。前記廃液中の有機物濃度は、全有機炭素TOCを基準として100ppm以下に減少した。前記TOCは、島津製全有機体炭素計TOC−VCSNにより測定した。このとき、前記廃液に含まれるアンモニウムイオン濃度は10000ppmであった。
前記分解処理物に、70℃で、苛性ソーダを供給してpH=10.5とし、さらに空気を180L/hで供給してバブリングを行い、反応液中のアンモニウムイオン濃度を10ppm以下(検出限界)まで減少させた。前記アンモニウムイオン濃度は、Metrohm製イオンクロマトグラフ761 Compact ICで測定した。
前記工程でアンモニウムイオンを除去した廃棄物30重量%(乾燥重量ベース)に、日揮株式会社製スーパーセメント30重量%と水40重量%とを供給し、60℃で混練して固化した。
[実施例2]
図3に示すフローで処理を行った。
模擬放射性廃棄物として、EDTA1mol/Lを含む廃液150Lに対して、35重量%過酸化水素水700Lと、硫酸鉄七水和物0.02mol/Lとを供給して、前記廃液中の有機物を、温度95〜100℃、pH=1〜2において分解処理した。前記工程により、分解処理された有機物を含む廃液150Lを得た。前記廃液中の有機物濃度は、全有機炭素TOCを基準として100ppm以下に減少した。前記TOCは、島津製全有機体炭素計TOC−VCSNにより測定した。このとき、前記廃液に含まれるアンモニウムイオン濃度は36000ppmであった。
前記分解処理物に、100℃で、苛性ソーダを供給してpH=10.5とし、さらに空気を180L/hで供給してバブリングを行い、反応液中のアンモニウムイオン濃度を10ppm以下(検出限界)まで減少させた。前記アンモニウムイオン濃度は、Metrohm製イオンクロマトグラフ761 Compact ICで測定した。
前記工程でアンモニウムイオンを除去した廃棄物30重量%(乾燥重量ベース)に、新日本石油株式会社製ストレートアスファルト70重量%を供給し、160〜190℃で混練して固化した。
以上の結果より、本発明によれば、固化体に含まれるアンモニウムイオンを非常に少なくしているので、処分施設等において固化体を保管・埋設しても、処分間隙水等に放射性核種が拡散することを未然に防ぐことが可能となる。

Claims (4)

  1. コバルト、ニッケル、モリブデン、白金族、超ウラン元素のうちいずれかを1つ以上の放射性核種を含みかつ窒素成分を含む放射性有機廃棄物の固化処理方法において、
    (1)廃棄物を、pH1〜4で有機廃棄物を酸化分解処理する工程と、
    (2)酸化分解処理後の固液成分に、pHが8〜14となるようにアルカリを添加して、工程(1)で生成したアンモニウムイオンをアンモニアに変換し、固液成分中のアンモニウムイオン濃度を1000ppm以下とする工程と、
    (3)工程(2)で得られた固液成分を、固化材による固化、圧縮固化、加熱溶融固化のいずれかにより固化体とする固化工程とを、
    有することを特徴とする放射性有機廃棄物の固化処理方法。
  2. 前記工程(2)を40〜100℃の温度条件下で行うことを特徴とする請求項1に記載の放射性有機廃棄物の固化処理方法。
  3. 前記工程(2)の後、(2’)前記工程(2)で得られた固液成分を濃縮する濃縮工程を有し、工程(2’)で得られた濃縮物を前記工程(3)で固化処理することを特徴とする請求項1または2に記載の放射性有機廃棄物の固化処理方法。
  4. 前記放射性有機廃棄物が、フィルタースラッジ、イオン交換樹脂、キレート剤、除染剤、洗濯廃液のうちいずれか1つ以上を含むことを特徴とする請求項1に記載の放射性有機廃棄物の固化処理方法。
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