JP2012155991A - ワイヤハーネス - Google Patents
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Abstract
【課題】電線の経路規制及び位置に応じて異なる電線保護具の要求仕様への対応を、軽量かつ薄い構成によって容易に実現できるワイヤハーネスを提供する。
【解決手段】ワイヤハーネス1は、複数の電線9と、複数の電線9を挟んで重なる状態で相互に接着され、複数の電線9を予め定められた経路に沿う状態で保持する2枚のラミネートフィルム10,20と、を備えている。このうち、ラミネートフィルム20はそれぞれ異なる領域を占める複数種類の要素ラミネートフィルム25が連なった構造を有している。要素ラミネートフィルム25には、電線9の部位毎の保護の要求仕様を満たすラミネートフィルムが採用される。
【選択図】 図1
【解決手段】ワイヤハーネス1は、複数の電線9と、複数の電線9を挟んで重なる状態で相互に接着され、複数の電線9を予め定められた経路に沿う状態で保持する2枚のラミネートフィルム10,20と、を備えている。このうち、ラミネートフィルム20はそれぞれ異なる領域を占める複数種類の要素ラミネートフィルム25が連なった構造を有している。要素ラミネートフィルム25には、電線9の部位毎の保護の要求仕様を満たすラミネートフィルムが採用される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ワイヤハーネスに関する。
自動車に代表される車両に搭載される電装機器を電気的に接続するために、ワイヤハーネスが車両の各部に配設されている。このようなワイヤハーネスは、予め定められた経路に沿って正しく配線ができること、つまり、電線の経路規制が容易なことが要求される。
一般的に、電線の経路規制は、テーピングまたは樹脂製のプロテクタの取り付けなどによって実現されることが多い。また、特許文献1には、ルーフトリムをルーフパネルに保持する取付部材が、ルーフトリムの裏側に敷設される電線を保持する部分を有することについて示されている。
しかしながら、テーピングによる電線の経路規制はテーピング作業が繁雑であり、さらに作業者の熟練度合いにより、作製されたワイヤハーネスの品質にばらつきが生じやすいという問題点を有している。
また、樹脂製のプロテクタの取り付けによる電線の経路規制は、ワイヤハーネスの配置スペース及び重量の増大を招くという問題点を有している。このため、樹脂製のプロテクタによる電線の経路規制は、ルーフトリムの裏側などの薄い隙間への電線の敷設には適さない。
また、特許文献1に示される電線の保持機構では、ルーフトリムに設けられた複数の取付部材各々が電線の複数の部位各々を部分的に保持する。このため、ルーフトリムの傾き及びルーフトリムに加わる振動などによる電線の経路のずれが生じやすい。従って、特許文献1に示される電線の保持機構は、電線の経路のずれの防止のために、多数の取付部材の装着または他の補助的な電線保持具の装着など、煩雑な作業を要するという問題点がある。
また、ワイヤハーネスの電線の保護の要求仕様は、電線の位置によって異なる場合がある。例えば、ある位置の電線はテーピングによる保護で足りるが、他の位置の電線はコルゲートチューブによる保護を必要とする場合がある。このような場合、従来のワイヤハーネスは位置に応じて異なる種類の電線保護具を選択して装着する、というさらに煩雑な作業を要する。
本発明は、電線の経路規制及び位置に応じて異なる電線保護具の要求仕様への対応を、軽量かつ薄い構成によって容易に実現できるワイヤハーネスを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、第1の発明は、複数の電線と、複数の前記電線を挟んで重なる状態で相互に接着され、複数の前記電線を予め定められた経路に沿う状態で保持する2枚のラミネートフィルムと、を備え、前記ラミネートフィルムの少なくとも一方は、それぞれ異なる領域を占める複数種類の要素ラミネートフィルムが連なった構造を有することを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明に係るワイヤハーネスであって、前記複数種類の要素ラミネートフィルムは、それぞれ材料、厚み、構造及び表面形状のうち1つ以上が異なるラミネートフィルムである。
第1または第2の発明によれば、電線を2枚のラミネートフィルムで挟みこむことで電線の経路規制を行うことができる。従って、テーピング作業のように煩雑な作業を要することがない。
また、ラミネートフィルムの少なくとも一方は、それぞれ異なる領域を占める複数種類の要素ラミネートフィルムが連なった構造を有する。このため、電線の位置毎に保護の要求仕様が異なる場合に、各要求仕様に適した性状を有する複数種類の要素ラミネートフィルムが連なったラミネートフィルムを構成することができる。
例えば、単一種類のラミネートフィルムが用いられる場合、ラミネートフィルムには、全ての保護の要求仕様を満たすラミネートフィルムが採用される必要がある。この場合、電線の位置によっては過剰な仕様のラミネートフィルムの部分も存在することとなる。本願発明では、電線の位置に応じて適切な仕様を有する各要素ラミネートフィルムを連ねて、ラミネートフィルムを構成することができる。従って、本願発明に係るワイヤハーネスは、従来よりも重量及び厚みを削減することができる。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
<1.実施形態>
本発明の実施形態に係るワイヤハーネス1の構成について説明する。図1に示されるように、ワイヤハーネス1は、複数の電線9と2枚のラミネートフィルム10,20と、各電線9の末端に設けられたコネクタ8と、を備える。
本発明の実施形態に係るワイヤハーネス1の構成について説明する。図1に示されるように、ワイヤハーネス1は、複数の電線9と2枚のラミネートフィルム10,20と、各電線9の末端に設けられたコネクタ8と、を備える。
ラミネートフィルム10,20は、それぞれ不図示のフィルムの層と不図示の接着剤の層とで構成されており、接着剤の層は、相手側に対向する面に形成されている。このような2枚のラミネートフィルム10,20が重ねられた状態で加熱されることにより、接着剤の層が溶け出す。この結果、2枚のラミネートフィルム10,20が接着される。
図2に示される断面Dにおけるワイヤハーネス1の断面図のように、2枚のラミネートフィルムの一方は平坦なラミネートフィルム10であり、他方は異形のラミネートフィルム20である。異形のラミネートフィルム20は、電線9が嵌り込んだ溝を形成する立体部分22とその他の平坦部分23とが形成されたラミネートフィルムである。異形のラミネートフィルム20の平坦部分23は、平坦なラミネートフィルム10に接着された部分である。即ち、ワイヤハーネス1が備える複数の電線9は、2枚のラミネートフィルム10,20で挟み込まれることによってラミネート加工されている。
また、平坦なラミネートフィルム10及び異形のラミネートフィルム20の各々の電線9の経路に沿う複数の位置に、相互に連通する貫通孔11,21が形成されている。異形のラミネートフィルム20に形成された貫通孔21は、平坦なラミネートフィルム10に形成された貫通孔11よりも大きく形成されている。
平坦なラミネートフィルム10が単一種類の性状であるラミネートフィルムで構成されていることに対して、異形のラミネートフィルム20は、それぞれ異なる領域を占める複数種類のラミネートフィルムが連なった構造を有している。なお、以下において、ラミネートフィルム20を構成する複数種類のラミネートフィルム各々のことを要素ラミネートフィルム25と称する。なお、異形のラミネートフィルム20が単一種類の性状を有するラミネートフィルムで構成されており、平坦なラミネートフィルム10が、それぞれ異なる領域を占める複数種類のラミネートフィルムが連なった構造を有していても構わない。
このような、ラミネートフィルム20を構成する要素ラミネートフィルム25の種類は、フィルムの厚み、表面形状、構造及び材料などが異なることによって分けられる。
要素ラミネートフィルム25の材料の違いは、ラミネートフィルム20のフィルムの層に用いられる材料の違いである。例えば、要素ラミネートフィルム25のフィルムの層に用いられる材料が異なることによって、要素ラミネートフィルム25の硬さを変化させることができる。要素ラミネートフィルム25が柔らかい状態であると、要素ラミネートフィルム25は、周囲の部材と接触したときの振動が吸収されるため、消音性を有することとなる。また、要素ラミネートフィルム25が硬い場合は、要素ラミネートフィルム25は、周囲の部材との接触に対して耐衝撃性を有することとなる。また、要素ラミネートフィルム25におけるフィルム層の材料の違いにより、耐水性及び耐食性などの性状の異なる保護領域を形成することも可能である。
要素ラミネートフィルム25の表面形状の違いは、要素ラミネートフィルム25のフィルムの層の表面形状の違いである。具体的には、要素ラミネートフィルム25の外側表面の形状が、平坦である場合、または微細な突起(突部)及び窪みが設けられている凹凸形状である場合などに種類分けされる。また、凹凸形状は、例えば、長尺なリブ状の突部が複数の列をなして形成された凹凸形状、または、各々独立した複数の柱状の突部が規則的にもしくは不規則に配列された形状など、複数種類に分けられる。一般に、表面が凹凸面である要素ラミネートフィルム25は他の部材と面接触する場合の耐摩耗性に優れている。
また、要素ラミネートフィルム25は、構造の違いによっても種類分けされる。具体的な要素ラミネートフィルム25の構造の例としては、異なる性状の要素ラミネートフィルム25が密接して重なる積層構造、または異なる性状の要素ラミネートフィルム25が隙間を隔てて重なる積層構造などが挙げられる。異なる性状の要素ラミネートフィルム25が隙間を隔てて重なる積層構造は、一例として、上述の凹凸面を有する要素ラミネートフィルム25上に、表面が平坦である要素ラミネートフィルム25を重ねることによって形成される。異なる性状の要素ラミネートフィルム25を積層させることによって、当該積層構造を備える要素ラミネートフィルム25は、それぞれの性状に基づく異なる保護の仕様を併せ持つことができる。
また、要素ラミネートフィルム25が隙間を隔てて重なる積層構造を有している場合、要素ラミネートフィルム25内の空気層が断熱層となる。この場合、要素ラミネートフィルム25は、周囲の環境温度の変化に対して電線9の温度変化を緩和する温度変化の緩衝材として機能する。
また、要素ラミネートフィルム25は、要素ラミネートフィルム25の厚みの違いによっても種類分けされる。一般的に、要素ラミネートフィルム25は、その厚みが大きいほど強度が向上する。このため、厚みの大きな要素ラミネートフィルム25は、ワイヤハーネス1の周囲の部材と衝突する頻度が高い電線の部位に採用される。
本実施形態に用いられるラミネートフィルム20の一例が図3に示されている。図3の平面図(a)に示されるように、ラミネートフィルム20は、第1要素ラミネートフィルム25a、第2要素ラミネートフィルム25b、第3要素ラミネートフィルム25cの3種類の要素ラミネートフィルム25が連なって構成されている。第1要素ラミネートフィルム25aの外側表面には、長尺で微細なリブ状の突部251dが複数の列をなして形成された凹凸面が設けられている。また、第2要素ラミネートフィルム25bは、外側表面が平坦であり、厚みが最も薄い(図3(b)参照)。また、第3要素ラミネートフィルム25cは、第1要素ラミネートフィルム25a及び第2要素ラミネートフィルム25cとは材料が異なっており、最も柔軟性を有している。このように、ラミネートフィルム20の各要素ラミネートフィルム25a〜25cは性状の違いによって区分けされており、それぞれが連なってラミネートフィルム20の各領域を占めている。
このように、ラミネートフィルム20は複数種類の要素ラミネートフィルム25が領域毎に連なった構造を有する。そして、要素ラミネートフィルム25は、各領域に応じた電線9の部位毎の保護の要求仕様を満たすものが採用される。
一般的に、車両に搭載されたワイヤハーネス1を構成する電線9は、部位毎に異なる影響を周囲の部材から受けることが多い。例えば、ワイヤハーネス1を構成する電線9のうち、車両に設置された電装機器に近い電線9の部位は、電装機器での発熱の影響を大きく受ける。また、ドアパネルなどの開閉部に配設された電線9の部位は、開閉部の開閉に伴って動くため、周囲の部材と接触する頻度が他の電線9の部位よりも多くなる。また、電線9の部位によっては、バリなどの突状部が形成された車両の部材表面にどうしても接触せざるを得ない場合がある。このように、電線9が周囲の部材から及ぼされる影響が、電線9の部位毎に異なる場合、ラミネートフィルム20は、電線9の各部位が受ける各々の影響に応じた保護の仕様を満たす必要がある。そこで、ワイヤハーネス1におけるラミネートフィルム20は、各領域に応じた電線9の部位毎の保護の要求仕様を満たす要素ラミネートフィルム25が連なって構成されている。
本実施形態に係るワイヤハーネス1では、第1要素ラミネートフィルム25aは、電線9に対して頻繁に面接触する部材が周囲に存在する電線9の部位に設けられている。また、消音性を有する柔らかい性状の第3要素ラミネートフィルム25cは、衝突によって振動し、音が生じる部材が周囲に存在する電線9の部位に設けられている。また、ワイヤハーネス1において、周囲の部材から特別な影響をほとんど受けない部位の電線9は、結束された状態が保持される程度の強度の部材で覆われていればよい。厚みが薄い第2要素ラミネートフィルム25bは、そのような電線9が配置される部位に設けられている。
ワイヤハーネス1の周囲の部材によっては、ラミネートフィルム20は、耐摩耗性と消音性とを必要とする場合、または結束性と消音性とを必要とする場合など、複数種類の要求仕様を同時に満たすことが必要とされる場合がある。このような場合は、例えば、上述のように、各要求仕様を満たす要素ラミネートフィルム25を積層させるなどして、それぞれの要求仕様を満たす性状のラミネートフィルムが組み合わされた要素ラミネートフィルム25が用いられることとなる。つまり、要素ラミネートフィルム25は、性状の異なる複数のラミネートフィルムの組合せの違いによって種類の違いが構成されても構わない。
以上のように、本実施形態に係るワイヤハーネス1は、2枚のラミネートフィルム10,20が、複数の電線9を挟み込んで保持する。これにより、複数の電線9は、2枚のラミネートフィルム10,20で挟まれた部分全体に渡って、予め定められた経路に沿って保持される。このため、ワイヤハーネス1では、傾き及び振動などによる電線9の経路のずれが生じにくい。
また、ワイヤハーネス1は、軽量かつ薄い2枚のラミネートフィルム10,20によって電線9の経路規制を実現できるため、自動車のルーフトリムの裏側などの薄い隙間への電線9の敷設に好適である。
また、2枚のラミネートフィルム10,20のうち、ラミネートフィルム20は、複数種類の要素ラミネートフィルム25が連なって構成されている。このため、電線9の位置毎に異なる保護の要求仕様を満たす各要素ラミネートフィルム25を領域毎に連ねることで、ラミネートフィルム20を構成することができる。
例えば、単一種類のラミネートフィルムが用いられる場合、電線9の位置毎に保護の要求仕様が異なると、全ての保護の要求仕様を満たす性状のラミネートフィルムが採用されるしかなかった。このため、ラミネートフィルムは、電線9の位置によっては過剰な仕様を有することとなり、部分的にラミネートフィルムの厚みが大きくなるとともに、ラミネートフィルムの重量は増大することとなった。また、電線9の位置毎の要求仕様によっては単一種類のラミネートフィルムが備える性状では原理的にカバーすることができない場合もあった。これに対して、本実施形態に係るラミネートフィルム20は、電線9の位置毎の保護の要求仕様を満たす要素ラミネートフィルム25を連ねることによって構成されている。このため、過剰な仕様を有するラミネートフィルム20の部分がなくなるため、単一種類のラミネートフィルムが用いられた場合と比較して、ワイヤハーネス1の重量及び厚みを削減することができる。また、ラミネートフィルム20は、確実に電線9の位置毎の要求仕様を満たすことができる。
なお、本実施形態では、ワイヤハーネス1の一方の側に存在する部材からの影響に対してのみ、特別な仕様での電線9の保護が要求された場合であった。つまり、一方のラミネートフィルム20のみが、複数種類の要素ラミネートフィルム25が連なった構造であったが、このような形態には限られない。2枚のラミネートフィルム10,20共に複数種類の要素ラミネートフィルムを連ねた構造であっても構わない。このように、2枚のラミネートフィルム10,20が共に複数種類の要素ラミネートフィルムを連ねた構造であることによって、ワイヤハーネス1の厚み及び重量はより削減することができる。
次に、図4から図9を参照しつつ、ワイヤハーネス1の製造方法の一例について説明する。ワイヤハーネス1は、フィルム重ね工程、プレス工程及び加熱工程を経て製造される。以下、各工程について説明する。
<フィルム重ね工程>
フィルム重ね工程は、複数の電線9を挟んで2枚のラミネートフィルム10,20を重ねる工程である。このフィルム重ね工程は、例えば、以下に示される第1工程から第3工程までの各工程を含む。
フィルム重ね工程は、複数の電線9を挟んで2枚のラミネートフィルム10,20を重ねる工程である。このフィルム重ね工程は、例えば、以下に示される第1工程から第3工程までの各工程を含む。
<フィルム重ね工程の第1工程>
フィルム重ね工程の第1工程は、図4(a)に示されるように、下側の金型30の上に複数の貫通孔11が形成された1枚目の平坦なラミネートフィルム10を、接着面を上にして載置する工程である。下側の金型30は、電線9の経路を規制する複数の棒状の突起部31及びその他の平坦な部分が上面に形成された金型である。この第1工程では、1枚目の平坦なラミネートフィルム10が、下側の金型30の上に、突起部31各々が対応する貫通孔11各々に貫通するようにして載置される。図4(b)は、第1工程が終了した直後の状態、即ち、下側の金型30の上に平坦なラミネートフィルム10のみが載置された状態を示す。
フィルム重ね工程の第1工程は、図4(a)に示されるように、下側の金型30の上に複数の貫通孔11が形成された1枚目の平坦なラミネートフィルム10を、接着面を上にして載置する工程である。下側の金型30は、電線9の経路を規制する複数の棒状の突起部31及びその他の平坦な部分が上面に形成された金型である。この第1工程では、1枚目の平坦なラミネートフィルム10が、下側の金型30の上に、突起部31各々が対応する貫通孔11各々に貫通するようにして載置される。図4(b)は、第1工程が終了した直後の状態、即ち、下側の金型30の上に平坦なラミネートフィルム10のみが載置された状態を示す。
<フィルム重ね工程の第2工程>
フィルム重ね工程の第2工程は、図5(a)に示されるように、1枚目の平坦なラミネートフィルム10の上に、複数の電線9を下側の金型30の棒状の突起部31に沿って配置する工程である。図5(b)は、第2工程が終了した直後の状態、即ち、下側の金型30の上に平坦なラミネートフィルム10が載置され、さらにその上に複数の電線9が配置された状態を示す。
フィルム重ね工程の第2工程は、図5(a)に示されるように、1枚目の平坦なラミネートフィルム10の上に、複数の電線9を下側の金型30の棒状の突起部31に沿って配置する工程である。図5(b)は、第2工程が終了した直後の状態、即ち、下側の金型30の上に平坦なラミネートフィルム10が載置され、さらにその上に複数の電線9が配置された状態を示す。
下側の金型30の各突起部31は、予め定められた電線9の配線経路の両側の位置に設けられている。従って、作業者は、複数の電線9各々を、下側の金型30の上面に対向して配置された一対の突起部31の間に配置することにより、容易に複数の電線9を予め定められた経路に沿って配置することができる。
<フィルム重ね工程の第3工程>
フィルム重ね工程の第3工程は、図6(a)に示されるように、1枚目のラミネートフィルム10及びその上の複数の電線9のさらに上に、下側の金型30の突起部31各々が貫通する複数の貫通孔21が形成された2枚目の平坦なラミネートフィルム20を、接着面を下にして重ねる工程である。2枚目の平坦なラミネートフィルムは、後の工程で、異形のラミネートフィルム20へと成形される。従って、2枚目の平坦なラミネートフィルム20に形成された貫通孔21は、1枚目の平坦なラミネートフィルム10に形成された貫通孔11よりも大きく形成されている。
フィルム重ね工程の第3工程は、図6(a)に示されるように、1枚目のラミネートフィルム10及びその上の複数の電線9のさらに上に、下側の金型30の突起部31各々が貫通する複数の貫通孔21が形成された2枚目の平坦なラミネートフィルム20を、接着面を下にして重ねる工程である。2枚目の平坦なラミネートフィルムは、後の工程で、異形のラミネートフィルム20へと成形される。従って、2枚目の平坦なラミネートフィルム20に形成された貫通孔21は、1枚目の平坦なラミネートフィルム10に形成された貫通孔11よりも大きく形成されている。
図6(b)は、第3工程が終了した直後の状態、即ち、下側の金型30の上に平坦なラミネートフィルム10が載置され、その上に複数の電線9が配置され、さらにその上に2枚目の平坦なラミネートフィルム20が重ねられた状態を示す。複数の電線9は、金型30上で、突起部31の間に配置された状態が車両での配設姿勢にあたる。つまり、電線9の各部位が、車両のどの位置に配設されるかを把握することが可能である。従って、電線9が配設される位置に応じて、電線9の各位置が必要とする保護の仕様を有する要素ラミネートフィルム25が採用されて、領域毎に要素ラミネートフィルム25を連ねたラミネートフィルム20を作製しておくことができる。
以上に示されるように、フィルム重ね工程では、複数の電線9を、予め定められた経路に沿って配置された棒状の突起部31に支持させるため、電線9の配置作業は容易である。そして、2枚のラミネートフィルム10,20が、下側の金型30の突起部31に干渉しないよう、2枚のラミネートフィルム10,20には、突起部31が貫通する貫通孔11,21が形成されている。
<プレス工程>
ワイヤハーネス1の製造でのプレス工程は、2枚目の平坦なラミネートフィルム20の上から、上側の金型40を下側の金型30へ向けて押し付ける工程である。上側の金型40は、複数の電線9が嵌り込む溝41と下側の金型30の突起部31が入る穴42とその他の平坦な部分とが下面に形成された金型である。
ワイヤハーネス1の製造でのプレス工程は、2枚目の平坦なラミネートフィルム20の上から、上側の金型40を下側の金型30へ向けて押し付ける工程である。上側の金型40は、複数の電線9が嵌り込む溝41と下側の金型30の突起部31が入る穴42とその他の平坦な部分とが下面に形成された金型である。
図8は、ワイヤハーネス1の製造でのプレス工程の主要部の分解断面図である。また、図9は、ワイヤハーネス1の製造でのプレス工程の主要部の断面図である。これら主要部の断面は、図7に示される断面Eにおける下側の金型30、1枚目のラミネートフィルム10、電線9、2枚目のラミネートフィルム20及び上側の金型40の断面を含む。
図8及び図9に示されるように、下側の金型30の上面には、電線9の経路を規制する棒状の突起部31とその他の平坦な部分とが形成されている。また、1枚目の平坦なラミネートフィルム10及び2枚目の平坦なラミネートフィルム20各々には、突起部31各々に対応する位置、即ち、電線9の経路に沿う複数の位置に、相互に連通する貫通孔11,21が形成されている。さらに、上側の金型40の下面には、複数の電線9が嵌り込む溝41と、突起部31が入る穴42とその他の平坦な部分とが形成されている。
そして、図9に示されるように、上側の金型40が、下側の金型30へ向けて押し付けられることにより、2枚目の平坦なラミネートフィルム20は、上側の金型40の下面に沿った形状に成形される。即ち、2枚目の平坦なラミネートフィルム20は、電線9が嵌り込んだ溝を形成する立体部分22と、その他の平坦部分23とを含む異形のラミネートフィルム20へと成形される。異形のラミネートフィルム20の平坦部分23は、後の加熱工程を経ることにより、1枚目の平坦なラミネートフィルム10に接着される。
一方、1枚目の平坦なラミネートフィルム20は、下側の金型30の平坦な上面に押し付けられることにより、平坦なまま維持される。
ところで、2枚目の平坦なラミネートフィルム20が異形のラミネートフィルム20へ成形される際、その成形に伴って2枚目のラミネートフィルム20の貫通孔21の位置がずれる。そのため、2枚目のラミネートフィルム20の貫通孔21が小さいと、その貫通孔21の縁部が位置決め用の突起部31に引っ掛かかり、2枚目のラミネートフィルム20の成形が阻害される。
しかしながら、2枚目のラミネートフィルム20に形成された貫通孔21は、十分な遊びを有するように、1枚目のラミネートフィルム10に形成された貫通孔11よりも大きく形成されている。これにより、2枚目のラミネートフィルム20は、突起部31に引っ掛かかることなく円滑に成形される。
<加熱工程>
ワイヤハーネス1の製造での加熱工程は、プレス工程の状態にある下側の金型30及び上側の金型40のうちの一方または両方をヒータ7で加熱することにより、2枚のラミネートフィルム10,20を、相互に接する平坦部分で接着する工程である。
ワイヤハーネス1の製造での加熱工程は、プレス工程の状態にある下側の金型30及び上側の金型40のうちの一方または両方をヒータ7で加熱することにより、2枚のラミネートフィルム10,20を、相互に接する平坦部分で接着する工程である。
図4、図7、図8及び図9に示される例では、ヒータ7は、下側の金型30及び上側の金型40各々に埋め込まれ、図9に示されるプレス工程の状態にある下側の金型30及び上側の金型40の両方を加熱する。なお、ヒータ7は、下側の金型30及び上側の金型40各々の外側に取り付けられてもよい。また、ヒータ7が、下側の金型30及び上側の金型40のうちの一方にのみ設けられた構成も考えられる。
このようにして、電線が2枚のラミネートフィルム10,20で挟み込まれたワイヤハーネス1が形成される。そして、ワイヤハーネス1の形を整えるために、接着されたラミネートフィルム10,20の不要な部分が切断されて、図1に示されるようなワイヤハーネス1が形成される。
以上に示されたように、ワイヤハーネス1は、煩雑なテーピング作業を要することなく、電線9を2枚のラミネートフィルム10,20で挟み、それら2枚のラミネートフィルム10,20を金型30,40で加圧し、さらにヒータ7で加熱するという簡易な工程により製造される。また、そのような簡易な工程により製造されるワイヤハーネス1の品質は、作業者の熟練度合いに関わらず安定する。
<2.変形例>
本願発明は、上記実施形態に限られるものではない。ワイヤハーネス1は、貫通孔11,21が形成されていない形態であっても構わない。具体的には、上記実施形態では、金型が棒状の突起部31を有しており、予め定められた経路に沿って配置された突起部31に電線9を支持させていた。このため、ラミネートフィルム10,20には、それぞれ突起部31が挿通されるための貫通孔11,21が設けられていた。しかしながら、例えば、金型が電線9の配設経路に沿って形成された溝を有している形態であれば、電線9は、溝に嵌め入れられることによって、予め定められた経路に沿って配置させることができる。従って、金型が突起部31を有する必要はなく、ラミネートフィルム10,20は貫通孔11,21が形成されていない形態であっても構わない。このように、電線9が溝に嵌め入れられることによって、電線9が予め定められた経路に沿って配置される場合は、ラミネートフィルムは、事前に溝に嵌め入れることができるように、電線9が嵌め入れられる溝を形成する立体部分と平坦なラミネートフィルムに接着される平坦な部分とを含む形状に成形された異形のラミネートフィルムが用いられる。
本願発明は、上記実施形態に限られるものではない。ワイヤハーネス1は、貫通孔11,21が形成されていない形態であっても構わない。具体的には、上記実施形態では、金型が棒状の突起部31を有しており、予め定められた経路に沿って配置された突起部31に電線9を支持させていた。このため、ラミネートフィルム10,20には、それぞれ突起部31が挿通されるための貫通孔11,21が設けられていた。しかしながら、例えば、金型が電線9の配設経路に沿って形成された溝を有している形態であれば、電線9は、溝に嵌め入れられることによって、予め定められた経路に沿って配置させることができる。従って、金型が突起部31を有する必要はなく、ラミネートフィルム10,20は貫通孔11,21が形成されていない形態であっても構わない。このように、電線9が溝に嵌め入れられることによって、電線9が予め定められた経路に沿って配置される場合は、ラミネートフィルムは、事前に溝に嵌め入れることができるように、電線9が嵌め入れられる溝を形成する立体部分と平坦なラミネートフィルムに接着される平坦な部分とを含む形状に成形された異形のラミネートフィルムが用いられる。
1 ワイヤハーネス
9 電線
10,20 ラミネートフィルム
11,21 貫通孔
25 要素ラミネートフィルム
9 電線
10,20 ラミネートフィルム
11,21 貫通孔
25 要素ラミネートフィルム
Claims (2)
- 複数の電線と、
複数の前記電線を挟んで重なる状態で相互に接着され、複数の前記電線を予め定められた経路に沿う状態で保持する2枚のラミネートフィルムと
を備え、
前記ラミネートフィルムの少なくとも一方は、それぞれ異なる領域を占める複数種類の要素ラミネートフィルムが連なった構造を有することを特徴とするワイヤハーネス。 - 請求項1に記載のワイヤハーネスであって、
複数種類の前記要素ラミネートフィルムは、それぞれ材料、厚み、表面形状及び構造のうち1つ以上が異なるラミネートフィルムであるワイヤハーネス。
Priority Applications (1)
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Applications Claiming Priority (1)
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JP2011013896A JP2012155991A (ja) | 2011-01-26 | 2011-01-26 | ワイヤハーネス |
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-
2011
- 2011-01-26 JP JP2011013896A patent/JP2012155991A/ja active Pending
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