JP5910547B2 - ワイヤハーネス及びワイヤハーネスの製造方法 - Google Patents

ワイヤハーネス及びワイヤハーネスの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、防音機能を備えるワイヤハーネスに関する。
例えば、特許文献1に示されるように、車両に搭載されるワイヤハーネスは、電線の中間領域を覆う保護部材を備える。特許文献1に示される保護部材は、硬質な基板とその基板に溶着されたフェルト状のシート材からなる被覆体とにより構成されている。
また、特許文献1に示されるワイヤハーネスにおいて、電線は、保護部材における外縁部に張り出して形成された舌片状の電線固定部に対して結束材により固定される。これにより、各電線における保護部材から延び出た部分の長さが一定に維持され、各電線の端部が、電装機器又は他の電線のコネクタなどの接続相手に対して過不足なく届く。
また、車両において、インスツルメントパネルなどの内装部材の裏側には、電線及び防音材が取り付けられる。例えば、インスツルメントパネルの裏側には、計器、スピーカ又はエアバッグなどの電装機器に接続される電線がクランプなどによって固定され、さらに、不織布などのシート状の防音材が両面テープなどによって接着される。なお、「防音」は、「消音」、「吸音」及び「遮音」の意味を含む用語である。
特開2010−027242号公報
昨今、車両の製造工程における部品の取り付け工数の削減がますます強く要求されている。そのため、車両の内装部材の裏側へ取り付けられる電線及び防音材についても、従来よりも簡易に取り付けできることが望まれている。
さらに、車両における内装部材の裏側のスペースは狭いため、内装部材の裏側へ取り付けられる電線及び防音材は、無駄なくコンパクトであることが望ましい。
本発明は、車両において防音(消音、吸音又は遮音など)が必要な内装部材の裏側への電線及び防音材の取り付けを簡易化できるコンパクトなワイヤハーネスを提供することを目的とする。
本発明の第1態様に係るワイヤハーネスは、電線と二重の防音シートとを備える。上記二重の防音シートは、シート状の防音材からなり上記電線における両端部の間の中間領域を挟み込んで重なった状態で接合されている。さらに、間隔を空けて並ぶ一対の切れ込みが、上記二重の防音シートにおける一方の防音シートの一連の外縁部に重なった他方の防音シートの外縁部に形成されている。さらに、上記電線が上記他方の防音シートの外縁部における上記一対の切れ込みの間の部分と結束されている。さらに、上記他方の防音シートの厚みが、上記一方の防音シートの厚みよりも小さい。
本発明の第2態様に係るワイヤハーネスは、第1態様に係るワイヤハーネスの一態様である。第2態様に係るワイヤハーネスにおいて、上記二重の防音シートはスポット溶着により接合されている。
本発明の第3態様に係るワイヤハーネスは、第1態様に係るワイヤハーネスの一態様である。第3態様に係るワイヤハーネスにおいて、上記二重の防音シートは接着剤により接合されている。
本発明の第4態様に係るワイヤハーネスは、第1態様から第3態様のいずれかに係るワイヤハーネスの一態様である。第4態様に係るワイヤハーネスにおいて、上記二重の防音シートは不織布からなる。
本発明の第5態様に係るワイヤハーネスの製造方法は、電線と、シート状の防音材からなり前記電線における両端部の間の中間領域を挟み込んで重なった状態で接合された二重の防音シートと、を備えるワイヤハーネスの製造方法であって、前記二重の防音シートにおける一方の防音シートの一連の外縁部に重なる他方の防音シートの外縁部に間隔を空けて並ぶ一対の切れ込みを形成する工程と、前記他方の防音シートの外縁部における前記一対の切れ込みの間の部分である中間片を切り起こされた状態に曲げる工程と、前記中間片が切り起こされた状態で前記電線と前記中間片とを結束する工程と、結束された前記電線と前記中間片とを、前記一対の切れ込みの間の位置へ戻す工程と、を備える。
上記各態様に係るワイヤハーネスは、電線が二重の防音シートの間に挟み込まれることにより、電線と二重の防音シートとが一体に組み合わされた構造を有している。そのため、二重の防音シートが車両における内装部材の裏側などの防音を要する場所へ取り付けられるだけで、内装部材への電線の取り付けも完了する。従って、防音を要する場所への電線及び防音シートの取り付け作業が簡易化される。
また、上記各態様に係るワイヤハーネスにおいて、二重の防音シートは電線保護部材でもある。そのような電線保護部材は、電線を挟んで重ねられた防音シートを接合するという簡易な組み立て作業により得られる。また、必要とする形状の防音シート(電線保護部材)は、金型などを用いることなく母材の裁断によって低コストで得られる。従って、当該ワイヤハーネスは、低コストで容易に製造可能である。
また、電線が防音シートの外縁部の一部と結束されている。これにより、電線における二重の防音シートの外縁から延び出た部分の長さが一定に維持され、電線の端部が、電装機器又は他の電線のコネクタなどの接続相手に対して過不足なく届く。
ところで、特許文献1に示される電線固定部と同様に、二重の防音シートにおける電線と結束される部分が外縁部に張り出して形成された場合、二重の防音シートが、外側へ張り出した部分だけ必要以上に大きくなる。
しかしながら、上記各態様に係るワイヤハーネスにおいては、電線は、二重の防音シートのうちの一方の外縁部における一対の切れ込みの間の部分と結束される。この場合、電線が固定される部分は、二重の防音シートの外縁部において外側へ張り出さない。
従って、二重の防音シートを無駄なくコンパクトに形成することができる。また、防音シートの外縁部が外側へ張り出した部分を含むと、複数の防音シートが1枚の母材から裁断される際に材料の無駄が生じやすい。これに対し、上記の各態様における二重防音シートは、外側へ張り出した外縁部を必要としない。そのため、防音シートの母材の裁断において材料の無駄が生じにくい。
また、一対の切れ込みは、二重の防音シートにおける一方の防音シートの一連の外縁部に重なった他方の防音シートの外縁部に形成されている。即ち、切れ込みは、一方の防音シートの外縁部には形成されておらず、他方の防音シートの外縁部にのみ形成されている。そのため、切れ込みが形成されることによる防音性能の悪化が最小限に抑えられる。
また、第2態様においては、二重の防音シートはスポット溶着により接合されている。この場合、二重の防音シートは、孔が空けられることなく強固に接合される。そのため、二重の防音シートが接合されることに起因して防音性能が悪化することが防がれる。さらに、接着剤を用いるよりも容易に、かつ、迅速に二重の防音シートを接合することが可能となる。
また、第3態様においては、二重の防音シートは接着剤により接合されている。この場合、二重の防音シートの接合部において防音シートが圧縮されない。そのため、接着剤による接合は、スポット溶着と比べてもさらに防音性能の悪化の回避に有効である。
また、第4態様においては、二重の防音シートが緩衝性に優れた不織布で構成されている。そのため、電線の振動による異音の発生を防止できる。
本発明の実施形態に係るワイヤハーネス10の斜視図である。 ワイヤハーネス10における電線が固定される前の二重防音シート1の縁部の斜視図である。 ワイヤハーネス10における電線が固定されている途中の二重防音シート1の縁部の斜視図である。 ワイヤハーネス10における電線が固定された後の二重防音シート1の縁部の斜視図である。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であり、本発明の技術的範囲を限定する事例ではない。
以下、図1〜4を参照しつつ、本発明の実施形態に係るワイヤハーネス10について説明する。ワイヤハーネス10は、例えば、車両における乗員室の内壁をなすインスツルメントパネルなどの内装部材8の裏側に取り付けられる。図1において、内装部材8が仮想線(二点鎖線)で描かれている。
図1に示されるように、ワイヤハーネス10は、複数の電線9を含む電線束90と二重防音シート1とを備えている。二重防音シート1は、重ねられた第一防音シート11及び第二防音シート12を含む。第二防音シート12の外縁部には複数の電線固定部2が形成されている。
<電線>
また、電線束90は、複数の電線9の束である。電線9各々は、長尺な導体である芯線と、その芯線の周囲を覆う絶縁体である絶縁被覆とを有する絶縁電線である。
電線9の芯線は、例えば、銅又はアルミニウムを主成分とする金属の線材である。また、電線9の絶縁被覆は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、フッ素樹脂又はポリエステルなどの合成樹脂からなる絶縁体である。図1に示される例では、電線9の端部にコネクタが設けられている。
<防音シート>
二重防音シート1は、電線束90における両端部の間の中間領域91に沿って配置された第一防音シート11及び第二防音シート12を含む。各防音シート11,12は、柔軟性及び弾性を有するシート状の防音材からなる。防音材は、消音材、吸音材、遮音材又は制振材などである。
第一防音シート11及び第二防音シート12は、電線束90の中間領域91を間に挟み込んで重なった状態で接合されている。これにより、二重防音シート1は電線束90と合体した状態に維持されている。
二重防音シート1の形状は、二重防音シート1が配置されるスペースの形状及び防音を要する範囲に応じて定められる。また、二重防音シート1の厚みは、主として要求される防音性能に応じて定められる。
図1に示される第一防音シート11及び第二防音シート12は、それぞれ輪郭形状が同じ2枚の防音シートで構成されている。しかしながら、第一防音シート11及び第二防音シート12が、二重に折り畳まれた1枚の防音シートで構成されていてもよい。この場合、折り畳まれる1枚の防音シートにおける約半分の領域が第一防音シート11であり、残りの領域が第二防音シート12である。
また、第二防音シート12の輪郭の少なくとも一部は、第一防音シート11の輪郭に沿って形成されている。図1に示される例では、第二防音シート12の輪郭全体が、第一防音シート11の輪郭全体に沿って形成されている。
例えば、第二防音シート12の輪郭が、第一防音シート11の輪郭と一致して形成されていることが考えられる。或いは、第一防音シート11及び第二防音シート12の一方の輪郭が他方の輪郭よりも若干内側において他方の防音シートの輪郭に沿って形成されていることも考えられる。
本実施形態においては、第一防音シート11及び第二防音シート12は相互に溶着されており、これにより、第一防音シート11及び第二防音シート12は接合されている。そのため、二重防音シート1には、重なった防音シートが接合された部分である接合部3が形成されている。
接合部3は、例えばスポット溶着により接合された部分である。この場合、接合部3は、スポット加熱を行う加熱体が二重防音シート1の一部に押し当てられることによって形成される。スポット加熱用の加熱体としては、例えば、超音波ホッチキスなどの超音波溶着機における溶接ホーン又はヒータ内蔵の金属棒などが考えられる。
また、図1に示される例では、接合部3は比較的小さな領域に局所的に形成されたスポット溶着部である。この場合、接合部3のスポット形状は円形には限られない。例えば、接合部3のスポット形状が、四角形などの多角形、楕円形又はその他の異形であることも考えられる。
一方、接合部3が、接着剤で接合された部分であることも考えられる。この場合、二重防音シート1の接合用の接着剤として、ホットメルト(熱可塑性樹脂からなる接着剤)が採用されることが考えられる。
本実施形態における各防音シート11,12は、熱可塑性の樹脂を含む合成樹脂からなるシート状の部材であり、例えば、不織布又は発泡ウレタン系樹脂のシート材などである。この場合、第一防音シート11の熱可塑性樹脂と第二防音シート12の熱可塑性樹脂との溶着によって二重防音シート1を接合することが可能である。より具体的には、各防音シート11,12が、約2mmから約50mm程度の厚みの不織布であることが考えられる。
ここで、不織布について説明する。各防音シート11,12として採用される不織布は、例えば、絡み合う基本繊維とバインダと称される接着樹脂とを含む。接着樹脂は、基本繊維の融点よりも低い融点(例えば、約110[℃]から約150[℃]の融点)を有する熱可塑性樹脂である。
そのような不織布は、基本繊維の融点よりも低く、かつ、接着樹脂の融点よりも高い温度に加熱されることにより、接着樹脂が溶融して基本繊維の隙間に溶け込む。その後、不織布の温度が、接着樹脂の融点よりも低い温度まで下がると、接着樹脂は、周囲に存在する基本繊維を結合した状態で硬化する。これにより、不織布の形状は、加熱前の状態よりも硬くなり、加熱時に型枠によって成形された形状で維持される。
接着樹脂は、例えば、粒状の樹脂又は繊維状の樹脂などである。また、接着樹脂は、芯繊維の周囲を覆うように形成されることも考えられる。このように、芯繊維が接着樹脂で被覆された構造を有する繊維は、バインダ繊維などと称される。芯繊維の材料は、例えば、基本繊維と同じ材料が採用される。
また、基本繊維は、接着樹脂の融点において繊維状態が維持されればよく、樹脂繊維の他、各種の繊維が採用され得る。また、接着樹脂は、例えば、基本繊維の融点よりも低い融点を有する熱可塑性樹脂繊維が採用される。不織布を構成する基本繊維と接着樹脂との組合せとしては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)を主成分とする樹脂繊維が基本繊維として採用され、PET及びPEI(ポリエチレンイソフタレート)の共重合樹脂が接着樹脂として採用されることが考えられる。そのような不織布において、基本繊維の融点は概ね250[℃]であり、接着樹脂の融点は約110[℃]から約150[℃]の間の温度である。
接着樹脂を含む不織布は、熱可塑性樹脂を含む他の部材と密着した状態で加熱されることにより、加熱された部分が他の部材に溶着する。例えば、複数枚の不織布が重ねられた状態で加熱されると、各不織布の接着樹脂どうしが溶着する。これにより、複数枚の不織布が接合される。
<電線固定部>
複数の電線固定部2各々は、二重防音シート1の一方を構成する第二防音シート12の外縁部に形成されている。電線固定部2各々は、第二防音シート12の外縁部における一対の切れ込み122が形成された部分と電線9の一部と結束材21とを含む。
二重防音シート1において、間隔を空けて並ぶ一対の切れ込み122が第二防音シート12の外縁部に形成されている。一対の切れ込み122は、第二防音シート12の外縁部における、第一防音シート11の外縁部の一連に形成された部分である一連外縁部111に重なった部分に形成されている。
一連外縁部111は、第一防音シート11の外縁部における電線9と重なる部分である。一連外縁部111は、切れ目も孔も形成されておらず一連に形成されている。また、一対の切れ込み122は、第二防音シート12の外縁部における電線9と重なる部分の両側に形成されている。
第二防音シート12において、一対の切れ込み122の間の部分は、一対の切れ込み122の先端の間の部分でのみ他の部分と繋がっている。以下、第二防音シート12の外縁部における一対の切れ込み122の間の部分のことを中間片121と称する。中間片121は、第二防音シート12の外縁部における電線9と重なる部分である。
電線9における二重防音シート1の外縁部を通る部分は、第二防音シート12の外縁部における中間片121と結束材21によって結束されている。結束材21は、例えば粘着テープである。また、結束材21が結束バンドなどであることも考えられる。
図2は電線9が固定される前の二重防音シート1の縁部の斜視図である。また、図3は電線9が結束材21によって固定されている途中の二重防音シート1の縁部の斜視図である。また、図4は電線9が固定された後の二重防音シート1の縁部の斜視図である。
図2に示されるように、一対の切れ込み122は、第二防音シート12の端面から内側へ線状に延びて形成されている。また、図3に示されるように、第二防音シート12の中間片121は、他の部分から切り起こされた状態に曲げることが可能である。
そして、第二防音シート12における切り起こされた状態の中間片121と電線9とが粘着テープなどの結束材21で結束される。その後、図4に示されるように、電線9と結束された中間片121は、一対の切れ込み122の間の位置へ戻される。
電線束90と合体した二重防音シート1は、例えば、車両の内装部材の裏面に対してスポット溶着又はステイプル留めなどによって取り付けられる。また、二重防音シート1が、クランプによって内装部材に取り付けられることも考えられる。図1には、第二防音シート12が内装部材8に対向する状態で、ワイヤハーネス10が内装部材8に取り付けられる例が示されている。
<効果>
ワイヤハーネス10は、電線9が二重防音シート1の間に挟み込まれることにより、電線9と二重防音シート1とが一体に組み合わされた構造を有している。そのため、二重防音シート1が車両における内装部材8の裏側などの防音を要する場所へ取り付けられるだけで、内装部材8への電線9の取り付けも完了する。従って、防音を要する場所への電線9及び防音シート11,12の取り付け作業が簡易化される。
また、ワイヤハーネス10において、二重防音シート1は電線保護部材でもある。そのような電線保護部材は、電線9を挟んで重ねられた防音シート11,12を接合するという簡易な組み立て作業により得られる。また、必要とする形状の防音シート11,12(電線保護部材)は、金型などを用いることなく母材の裁断によって低コストで得られる。従って、ワイヤハーネス10は、低コストで容易に製造可能である。
また、電線9が第二防音シート12の外縁部の一部(中間片121)と結束されている。これにより、電線9における二重防音シート1の外縁から延び出た部分の長さが一定に維持され、電線9の端部が、電装機器又は他の電線のコネクタなどの接続相手に対して過不足なく届く。
また、ワイヤハーネス10においては、電線9は、二重防音シート1のうちの一方の外縁部における一対の切れ込み122の間の部分と結束される。この場合、電線9が固定される部分は、二重防音シート1の外縁部において外側へ張り出さない。
従って、二重防音シート1を無駄なくコンパクトに形成することができる。また、防音シート11,12の外縁部が外側へ張り出した部分を含むと、複数の防音シートが1枚の母材から裁断される際に材料の無駄が生じやすい。これに対し、ワイヤハーネス10における二重防音シート1は、外側へ張り出した外縁部を必要としない。そのため、防音シートの母材の裁断において材料の無駄が生じにくい。
また、一対の切れ込み122は、二重防音シート1における第一防音シート11の一連外縁部111に重なった第二防音シート12の外縁部に形成されている。即ち、一対の切れ込み122は、第一防音シート11の外縁部には形成されておらず、第二防音シート12の外縁部にのみ形成されている。そのため、一対の切れ込み122が形成されることによる防音性能(消音性能、吸音性能又は遮音性能など)の悪化が最小限に抑えられる。
また、二重防音シート1がスポット溶着又は接着剤により接合される場合、二重防音シート1は、孔が空けられることなく強固に接合される。そのため、二重防音シート1が接合されることに起因して防音性能が悪化することが防がれる。さらに、スポット溶着が採用される場合、接着剤を用いるよりも容易に、かつ、迅速に二重防音シート1を接合することが可能となる。
また、二重防音シート1が緩衝性に優れた不織布で構成されれば、電線9の振動による異音の発生を防止できる。
<応用例>
図1〜4に示される例では、第一防音シート11及び第二防音シート12の材料及び厚みは同じである。しかしながら、第一防音シート11及び第二防音シート12の材料及び厚みが異なることも考えられる。
また、第一防音シート11及び第二防音シート12の厚みが異なる場合、一対の切れ込み122が形成される側の第二防音シート12の厚みが、第一防音シート11の厚みよりも小さいことが考えられる。これにより、一対の切れ込み122が形成されることによる防音性能への悪影響をより小さくすることができる。
なお、本発明に係るワイヤハーネスは、各請求項に記載された発明の範囲において、以上に示された実施形態及び応用例を自由に組み合わせること、或いは実施形態及び応用例を適宜、変形する又は一部を省略することによって構成されることも可能である。
1 二重防音シート
2 電線固定部
3 接合部
8 内装部材
9 電線
10 ワイヤハーネス
11 第一防音シート(二重防音シートの一方)
12 第二防音シート(二重防音シートの他方)
21 結束材
90 電線束
91 電線束の中間領域
111 一連外縁部(第一防音シートの一連の外縁部)
121 中間片(一対の切れ込みの間の部分)
122 一対の切れ込み

Claims (5)

  1. 電線と、
    シート状の防音材からなり前記電線における両端部の間の中間領域を挟み込んで重なった状態で接合された二重の防音シートと、を備え、
    間隔を空けて並ぶ一対の切れ込みが、前記二重の防音シートにおける一方の防音シートの一連の外縁部に重なった他方の防音シートの外縁部に形成されており、
    前記電線が前記他方の防音シートの外縁部における前記一対の切れ込みの間の部分と結束され、
    前記他方の防音シートの厚みが、前記一方の防音シートの厚みよりも小さい、ワイヤハーネス。
  2. 請求項1に記載のワイヤハーネスであって、
    前記二重の防音シートはスポット溶着により接合されている、ワイヤハーネス。
  3. 請求項1に記載のワイヤハーネスであって、
    前記二重の防音シートは接着剤により接合されている、ワイヤハーネス。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載のワイヤハーネスであって、
    前記二重の防音シートは不織布からなる、ワイヤハーネス。
  5. 電線と、シート状の防音材からなり前記電線における両端部の間の中間領域を挟み込んで重なった状態で接合された二重の防音シートと、を備えるワイヤハーネスの製造方法であって、
    前記二重の防音シートにおける一方の防音シートの一連の外縁部に重なる他方の防音シートの外縁部に間隔を空けて並ぶ一対の切れ込みを形成する工程と、
    前記他方の防音シートの外縁部における前記一対の切れ込みの間の部分である中間片を切り起こされた状態に曲げる工程と、
    前記中間片が切り起こされた状態で前記電線と前記中間片とを結束する工程と、
    結束された前記電線と前記中間片とを、前記一対の切れ込みの間の位置へ戻す工程と、
    を備える、ワイヤハーネスの製造方法。
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