JP2012130202A - ワイヤハーネス及びワイヤハーネスの製造方法 - Google Patents

ワイヤハーネス及びワイヤハーネスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】軽量な、かつ、緩衝性に優れた電線保護具を備え、さらに、製造工程における電線の配置及び保持が容易なワイヤハーネスを提供できること。
【解決手段】ワイヤハーネス1は、電線9の一部を覆う電線保護具10を備える。電線保護具10は、不織布100が成形された部材であり、電線保護具10の元となる不織布100は、一の面において線状の切れ目を形成する切れ込み101が設けられている。電線保護具10は、切れ込み101内に電線9が挿入された不織布100に対し、ホットプレス成形が施されることによって切れ込み101の切れ目が溶着された構造を有する。ワイヤハーネス1は、不織布100の切れ込み101内に電線9の一部を挿入する工程と、切れ込み101内に電線9が挿入された不織布100に対し、型部材を押し当てつつ加熱し、切れ込み101の切れ目を溶着しつつ成形する工程である。
【選択図】図1

Description

本発明は、電線及び電線の一部を覆う電線保護具を備えたワイヤハーネス及びそのワイヤハーネスの製造方法に関する。
自動車に代表される車両に搭載されるワイヤハーネスは、電線を予め定められた配線経路に沿って正しく配線することが容易なこと、及び、電線が振動などにより周囲の部材に接触することが原因で破損しないことが要求される。そこで、車載用のワイヤハーネスは、電線の周囲をその長手方向に沿って覆う電線保護具が設けられる。この場合、電線保護具は、電線を自動車のボディなどの支持体における予め定められた配線経路に沿って配線しやすい形状に保持する役割と、電線が周囲の部材に接触して破損することを防止する役割とを果たす。
また、自動車の室内における天井の裏側及び座席の下側に敷設されるワイヤハーネスは、薄い隙間において予め定められた経路に沿って複数の電線を容易に配線できることが要求される。さらに、車両の室内に配置されるワイヤハーネスは、電線の振動により生じる異音を防止できることが要求される。一般に、異音は、振動する電線が近傍に存在する物又は電線保護具の内側の面に衝突することにより生じる。
例えば、特許文献1に示されるワイヤハーネスは、複数の芯線が一の平面に沿って配列されたフラットケーブルとそのフラットケーブルの周囲を覆う電線保護具とを備える。特許文献1に示される電線保護具は、不織布がホットプレス成形を施されることによって硬化した部材である。特許文献1に示されるホットプレス成形は、フラットケーブルを挟んで重ねられた2枚の不織布に対して上下両側から施される。不織布に対するホットプレス成形によって得られる電線保護具は、軽量であり、かつ、電線の振動を吸収する緩衝性に優れている。
一方、特許文献2には、複数の芯線が一の平面に沿って配列されたフラットケーブルに、複数の芯線が配列された平面内において曲げられた曲げ部を形成する技術が示されている。即ち、特許文献2には、多芯フラットケーブルにおける特定の部分の絶縁被覆が除去され、その後、新たな絶縁被覆の層が、特定の部分において曲げられた芯線の周囲に形成されことが示されている。
特開2003−197038号公報 特開平2−265107号公報
ところで、特許文献1に示されるワイヤハーネスの製造過程において、フラットケーブルなどの電線は、平坦な不織布上の正規の経路に沿って配置され、さらに、ホットプレス成形が完了するまで、2枚の平坦な不織布の間において、正規の経路に保持される必要がある。そのため、特許文献1に示されるワイヤハーネスは、その製造過程において、フラットケーブルなどの電線を、不織布における正規の経路に配置及び保持することが難しいという問題点を有している。特に、不織布における電線の正規の経路が曲がった経路である場合、その問題点はより顕著となる。
また、特許文献1に示されるワイヤハーネスにおいて、フラットケーブルが、不織布上において曲がった経路で配置される場合、特許文献2に示されるように、フラットケーブルの一部について、絶縁被覆の除去及び絶縁被覆の再形成が必要となる。しかしながら、絶縁被覆の除去及び再形成を行うことは、非常に煩雑である。
本発明は、軽量で、かつ、緩衝性に優れた電線保護具を備え、さらに、製造工程における電線の配置及び保持が容易なワイヤハーネスを提供できることを目的とする。
本発明に係るワイヤハーネスは、以下に示される各構成要素を備える。
(1)第1の構成要素は、電線である。
(2)第2の構成要素は、電線保護具である。この電線保護具は、一の面において線状の切れ目を形成する切れ込みが設けられているとともにその切れ込み内に電線が挿入された不織布に対し、少なくとも前記一の面においてホットプレス成形が施されることによって前記一の面における切れ込みの切れ目が溶着された構造を有し、電線の一部を覆っている。
また、本発明に係るワイヤハーネスにおいて、電線保護具の元となる不織布の切れ込みが、その不織布の厚み方向に対して斜めの方向に沿って形成された切れ込みであることが考えられる。
また、本発明に係るワイヤハーネスにおいて、電線保護具の元となる不織布の切れ込みが、その不織布の一の面において相互に交差する複数の直線状の切れ目を形成する複数の切れ込みであることが考えられる。また、それら複数の切れ込みについて、不織布の厚み方向における深さが等しいことも考えられる。
また、本発明に係るワイヤハーネスにおいて、電線保護具が、一の平面に沿って配列された複数の電線の一部を覆って平板状に形成されていることが考えられる。
また、本発明は、本発明に係るワイヤハーネスの製造方法として捉えられてもよい。即ち、本発明に係るワイヤハーネスの製造方法は、電線と、その電線の一部を覆う電線保護具と、を備えたワイヤハーネスの製造方法であり、以下に示される各工程を有する。
(1)第1の工程は、一の面において線状の切れ目を形成する切れ込みが設けられた不織布における切れ込み内に電線の一部を挿入する電線挿入工程である。
(2)第2の工程は、切れ込み内に電線が挿入された不織布に対し、少なくとも前記一の面において型部材を押し当てつつ加熱するホットプレス成形を施すことにより、切れ込みの切れ目を溶着しつつ不織布を電線保護具へ成形するホットプレス成形工程である。
また、本発明に係るワイヤハーネスの製造方法の電線挿入工程において、不織布の切れ込みは、その不織布の厚み方向に対して斜めの方向に沿って形成された切れ込みであることが考えられる。
また、本発明に係るワイヤハーネスの製造方法の電線挿入工程において、不織布の切れ込みは、その不織布の一の面において相互に交差する複数の直線状の切れ目を形成する複数の切れ込みであることが考えられる。
本発明に係るワイヤハーネスにおいて、電線保護具は、不織布の成形により得られた部材であるため、軽量であり、かつ、緩衝性に優れている。また、本発明における電線保護具の元となる不織布には、電線の正規の経路に沿って切れ込みが形成されている。そして、本発明に係るワイヤハーネスの製造過程において、電線は、不織布の切れ込みに挿入されるだけで、不織布における正規の経路に配置及び保持される。即ち、本発明に係るワイヤハーネスは、その製造過程において、電線を、不織布における正規の経路に配置及び保持することが容易であるという特徴を有している。また、本発明において、不織布の切れ込みが、曲がった経路に沿って形成されていれば、電線を曲がった経路に沿って配置及び保持することも容易である。また、不織布に対し、カッターによるカッティングなどによって電線の正規の経路に沿う切れ込みを形成することも容易である。
また、本発明に係るワイヤハーネスは、不織布の切れ込みに電線を挿入し、その不織布に対して金型によるホットプレス成形を施す、という簡易な工程により製造可能である。即ち、本発明によれば、電線保護具の取り付け作業を簡素化しつつ、電線の保護と経路規制とを実現することができる。
ところで、本発明において、電線保護具の元となる不織布における切れ込みの深さが、電線の直径に対して十分に大きくなければ、ワイヤハーネスの製造過程において、電線が、何らかの応力によって不織布の切れ込みからはみ出てしまう恐れがある。そこで、本発明において、不織布の切れ込みが、その不織布の厚み方向に対して斜めの方向に沿って形成されていれば好適である。これにより、不織布の厚みを特段に大きくすることなく、不織布の切れ込みの深さ、即ち、不織布の表面から切れ込みの先端までの長さを、長く確保することができる。その結果、ワイヤハーネスの製造過程において、電線が、不織布の切れ込みからはみ出ることが防止される。
また、本発明において、電線保護具の元となる不織布の切れ込みが、相互に交差する複数の直線状の切れ目を形成する複数の切れ込みであれば好適である。相互に交差する複数の直線状の切れ目とは、例えば、格子状の切れ目などである。この場合、複数の切れ込みは、多様な直線状及び曲線状の経路を形成する。従って、そのような不織布は、多様な電線の経路に対応可能であり、汎用性が高い。
また、それら複数の切れ込みの深さが等しければ、その不織布における複数の切れ込みに対して異なる経路で複数の電線が挿入されることによって作製された電線保護具は、複数の電線を一の平面に沿って配列された状態で保持する。しかも、電線保護具内において平坦に並ぶ複数の電線が、曲がった経路で配線される場合であっても、特許文献2に示されるような絶縁被覆の除去及び再形成は不要である。即ち、多芯フラットケーブルと同様に扁平な構造を有するワイヤハーネスが、煩雑な工程を経ることなしに容易に得られる。
また、本発明において、電線保護具が、一の平面に沿って配列された複数の電線の一部を覆って平板状に形成されていれば、薄い隙間へ配置可能な扁平なワイヤハーネスが実現される。
本発明の実施形態に係るワイヤハーネス1の斜視図及びワイヤハーネス1の元となる不織布付き電線1xの斜視図である。 ワイヤハーネス1の製造工程における電線挿入工程を示す模式図である。 ワイヤハーネス1の製造に用いられるホットプレス成形装置30及びその装置にセットされる不織布付き電線1xの一例を示す斜視図である。 ワイヤハーネス1の製造工程におけるホットプレス成形工程が行われているときのホットプレス成形装置30の正面図である。 ワイヤハーネス1の変形例であるワイヤハーネス1Aの平面図である。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であり、本発明の技術的範囲を限定する事例ではない。以下に示される本発明の実施形態に係るワイヤハーネス1は、自動車などの車両に搭載され、電線9及び電線保護具10を備える。
<実施形態>
まず、図1を参照しつつ、本発明の実施形態に係るワイヤハーネス1の構成について説明する。図1(a)は、ワイヤハーネス1の元となる不織布付き電線1xの斜視図、図1(b)は、ワイヤハーネス1の斜視図である。図1(b)に示されるように、ワイヤハーネス1は、電線9と、電線9の一部を覆う電線保護具10とを備える。なお、図1において、破線は、電線9を示す隠れ線である。
<電線>
電線保護具10による保護の対象となる電線9は、長尺な導体である芯線と、その芯線の周囲を覆う絶縁体である絶縁被覆とを有する。電線9の芯線は、例えば、銅又はアルミニウムを主成分とする金属の線材である。また、電線9の絶縁被覆は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、フッ素樹脂又はポリエステルなどの合成樹脂からなる絶縁体である。
<電線保護具>
電線保護具10は、不織布が成形された部材からなり、電線9の一部を覆う保護具である。電線保護具10は、図1(a)に示される不織布付き電線1xにおける不織布100に対してホットプレス成形が施されることによって得られた部材である。
以下、電線保護具10の材料について説明する。電線保護具10の元となる不織布100は、例えば、絡み合う基本繊維とバインダと称される接着樹脂とを含む不織布が採用される。接着樹脂は、基本繊維の融点よりも低い融点(例えば、約110[℃]から約150[℃]の融点)を有する樹脂である。このような不織布は、基本繊維の融点よりも低く、かつ、接着樹脂の融点よりも高い温度に加熱されることにより、接着樹脂が溶融して基本繊維の隙間に溶け込む。その後、不織布の温度が、接着樹脂の融点よりも低い温度まで下がると、接着樹脂は、周囲に存在する基本繊維を結合した状態で硬化する。これにより、不織布の形状は、加熱前の状態よりも硬くなり、加熱時に型枠によって成形された形状で維持される。
ホットプレス成形は、加工対象である不織布100を金型の間に挟み込んで加圧しつつ、その不織布を加熱することにより、不織布を金型の内面形状に成形することである。
接着樹脂は、例えば、粒状の樹脂又は繊維状の樹脂などである。また、接着樹脂は、芯繊維の周囲を覆うように形成されることも考えられる。このように、芯繊維が接着樹脂で被覆された構造を有する繊維は、バインダ繊維などと称される。芯繊維の材料は、例えば、基本繊維と同じ材料が採用される。
また、基本繊維は、接着樹脂の融点において繊維状態が維持されればよく、樹脂繊維の他、各種の繊維が採用され得る。また、接着樹脂は、例えば、基本繊維の融点よりも低い融点を有する熱可塑性樹脂繊維が採用される。不織布を構成する基本繊維と接着樹脂との組合せとしては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)を主成分とする樹脂繊維が基本繊維として採用され、PET及びPEI(ポリエチレンイソフタレート)の共重合樹脂が接着樹脂として採用されることが考えられる。そのような不織布において、基本繊維の融点は概ね250[℃]であり、接着樹脂の融点は約110[℃]から約150[℃]の間の温度である。そのような不織布は、ホットプレス成形において、型枠内で約110[℃]から約250[℃]までの範囲内の温度に加熱された後に冷却されると、接着樹脂が溶融して周囲の基本繊維を結合するため、型枠の内面に沿う形状に成形され、型枠に接触した面が硬化する。
不織布100がホットプレス成形によって硬化した部材は、その部材自体ある程度の可撓性を有しているが、ホットプレス成形が施される前の不織布に比べ、一定の形状を保持する硬さが強化される。
不織布付き電線1xを構成する不織布100は、電線9の直径よりも大きな厚みを有し、その厚み方向における深さを有する複数の切れ込み101が形成されている。複数の切れ込み101各々は、不織布100における一つの面、即ち、図1(a)における不織布100の上面において不織布100の縁部から他の縁部へ至る直線状の切れ目を形成し、その一つの面から内部へ至る切れ込みである。
複数の切れ込み101は、不織布100の一つの面(上面)において相互に交差する複数の直線状の切れ目を形成している。また、図1(a)に示される例では、複数の切れ込み101各々が上面において形成する複数の直線状の切れ目は、格子状に交差している。
また、図1(a)に示される例では、複数の切れ込み101各々は、不織布100の厚み方向に対して斜めの方向に沿って形成されている。なお、図1(a)に示される例では、複数の切れ込み101は、不織布100の厚み方向における深さが等しい。例えば、複数の切れ込み101各々は、不織布100の一つの面(上面)から、不織布100の厚み方向における中央の位置に至る深さで形成される。しかしながら、複数の切れ込み101の深さが異なる事例も考えられる。
図1(a)に示されるように、不織布付き電線1xは、複数の電線9と、不織布100の複数の切れ込み101に対して異なる経路で複数の電線9が挿入された状態の不織布100とを含む。不織布付き電線1xにおいて、不織布100は、切れ込み101内に挿入された電線9の一部を、その切れ込み101が不織布100内で形成する直線状又は曲線状の経路に沿って保持する。図1(a)に示される例では、不織布付き電線1xにおける不織布100は、2本の電線9を、それぞれ1箇所の屈曲部を有する曲線状の経路、即ち、L字状の経路に沿って保持している。
そして、ワイヤハーネス1の電線保護具10は、不織布付き電線1xにおける不織布100に対し、切れ込み101の切れ目が形成された面(上面)とその反対側の面(下面)とにおいてホットプレス成形が施されることによって得られた部材である。これにより、ワイヤハーネス1の電線保護具10は、一の平面に沿って配列された複数の電線9の一部を覆って平板状に形成される。また、電線保護具10は、不織布100における切れ込み101の切れ目が形成された面(上面)に対するホットプレス成形により、その面における切れ込み101の切れ目が溶着された構造を有する。
<ホットプレス成形装置>
次に、図3及び図4を参照しつつ、ワイヤハーネス1の製造に用いられるホットプレス成形装置30の一例について説明する。なお、図3は、ホットプレス成形装置30及びその装置にセットされる不織布付き電線1xの一例を示す斜視図である。図4は、ワイヤハーネス1の製造工程におけるホットプレス成形工程が行われているときのホットプレス成形装置30の正面図である。また、図3及び図4において、破線は隠れ線である。
図3に示されるように、ホットプレス成形装置30は、下型部材40と、上型部材50とを備える。下型部材40及び上型部材50は、熱伝導性に優れた金属などの材料からなる部材である。また、下型部材40及び上型部材50各々は、加熱装置60を内蔵している。
下型部材40は、不織布100における、電線保護具10の下方部分を形作る型枠として機能する部材である。下型部材40は、その上面において、不織布付き電線1xにおける不織布100の部分が嵌め入れられる窪み41を形成している。また、下型部材40には、不織布付き電線1xにおける電線9の出口となる欠け部43が形成されている。この欠け部43は、下型部材40が形成する窪み41と下型部材40の外側とを連通する。
下型部材40における窪み41の底面42は、不織布100の下面、即ち、不織布100における電線保護具10の下面となる部分を支持する。
上型部材50は、土台となる基部51と、基部51の一方の面(下面)に突出する上型突起部52とが形成された部材である。上型突起部52は、下型部材40における窪み41の底面42に対向して突出している。上型部材50が、下型部材40に接近すると、上型部材50の上型突起部52は、下型部材40の窪み41に嵌り込む。
下型部材40及び上型部材50の各々に設けられた加熱装置60は、電線保護具10の元となる不織布100における上下の面、即ち、表裏の面を、基本繊維の融点よりも低く、かつ、接着樹脂の融点よりも高い温度に加熱する装置である。
なお、加熱装置60は、下型部材40及び上型部材50の各々に埋設されることの他、下型部材40及び上型部材50の各々の外面に熱伝達可能な態様で取り付けられることも考えられる。
図3に示されるように、ホットプレス成形装置30は、不織布付き電線1xにおける不織布100を上下両側から金型の間に挟み込んで加圧しつつ加熱することにより、不織布100の上下両側の面を金型の内面形状に成形する。
<ワイヤハーネス1の製造方法>
続いて、図2から図4を参照しつつ、ワイヤハーネス1の製造方法の一例について説明する。ワイヤハーネス1の製造工程では、まず、電線挿入工程が実行され、次に、ホットプレス成形工程が実行される。なお、図2は、電線挿入工程を示す模式図である。
<電線挿入工程>
電線挿入工程は、一つの面において線状の切れ目を形成する切れ込み101が設けられた不織布100における切れ込み101内に、電線9の一部を挿入する工程である。本工程により、図1(a)に示されるような不織布付き電線1xが作製される。
電線挿入工程は、例えば、以下の手順で実行される。まず、不織布100が、下型部材40の窪み41に嵌め入れられる。次に、電線9が、下型部材40の窪み41の中における不織布100の切れ込み101内に、その切れ込み101の最も深い位置まで挿入される。また、複数の電線9は、不織布100における複数の切れ込み101に対して異なる経路で挿入される。これにより、複数の電線9は、不織布100内において一の平面に沿って配列される。
なお、図1(a)及び図2は、切れ込み101が不織布100内で形成する曲線状の経路に沿って電線9が配置される例を示す。しかしながら、電線挿入工程において、切れ込み101が不織布100内で形成する直線状の経路に沿って電線9が配置されることも考えられる。
また、電線挿入工程において、電線9が、下型部材40の窪み41に嵌め入れられる前の不織布100の切れ込み101に対して挿入されてもよい。この場合、電線挿入工程によって得られた不織布付き電線1xにおける不織布100の部分が、下型部材40の窪み41に嵌め入れられる。
<ホットプレス成形工程>
電線挿入工程の次に行われるホットプレス成形工程は、不織布付き電線1xにおける不織布100の部分に対し、下型部材40と上型部材50とを押し当てつつ加熱することにより、少なくとも不織布100における切れ込み101の切れ目が形成された面を成形して硬化させる工程である。このホットプレス工程において、不織布100における切れ込み101の切れ目は溶着する。
本実施形態におけるホットプレス成形工程では、不織布付き電線1xにおける不織布100の上下両側を加圧及び加熱することにより、不織布100を平板状に成形して硬化させる。このホットプレス成形工程により、電線9の一部を覆う平板状の電線保護具10が製造される。
図4は、ホットプレス成形工程において、不織布付き電線1xにおける不織布100が、下型部材40における窪み41の底面42と上型部材50の上型突起部52との間で圧縮されつつ、加熱装置60によって加熱されている様子を表す。
より具体的には、電線9の一部を切れ込み101内において保持する不織布100が、下型部材40の窪み41に嵌め入れられた状態で、上型部材50の上型突起部52が下型部材40の窪み41内に嵌め込まれる。このとき、下型部材40及び上型部材50各々の加熱装置60は、窪み41の底面42及び上型突起部52を加熱する状態(ON状態)である。
ホットプレス成形工程により、不織布100は、切れ込み101が形成する経路に沿って電線9を保持する状態で、上下両側から圧縮されつつ加熱され、電線9の直径よりも大きな厚みの板状に成形される。このとき、不織布100における切れ込み101の切れ目は、加熱によって溶融した接着樹脂によって溶着される。
ホットプレス成形工程では、不織布100は、加熱装置60により、不織布100に含まれる基本繊維の融点よりも低く、かつ、不織布100に含まれる接着樹脂の融点よりも高い温度に加熱される。加熱の温度及び時間は、電線保護具10に要求される堅さ及び可撓性に応じて適宜設定される。一般に、ホットプレス成形工程において、加熱の温度が高いほど、加熱の時間が長いほど、また、加える圧力が高いほど、不織布100は、より堅く、形状保持の性能の高い部材に成形される。一方、ホットプレス成形工程において、加熱の温度が低いほど、加熱の時間が短いほど、また、加える圧力が低いほど、不織布100は、より柔らかく、可撓性及び緩衝性に優れた部材に成形される。
ホットプレス成形工程により得られた電線保護具10を含むワイヤハーネス1は、ホットプレス成形装置30内から取り出されることによって冷却される。その冷却は、強制空冷及び常温の室内で所定時間放置する自然冷却のいずれであってもよい。強制冷却としては、ファンによって常温の空気を電線保護具10に対して送風する空冷、又は、スポットクーラーなどの冷却器から出力される冷気を電線保護具10に対して送風する空冷などが考えられる。
<効果>
ワイヤハーネス1において、電線保護具10は、不織布100の成形により得られた部材であるため、軽量であり、かつ、緩衝性に優れている。また、ワイヤハーネス1の製造過程において、電線9は、不織布100の切れ込み101に挿入されるだけで、不織布100における正規の経路に配置及び保持される。即ち、ワイヤハーネス1は、その製造過程において、電線9を、不織布100における正規の経路に配置及び保持することが容易であるという特徴を有している。
なお、本実施形態においては、不織布100における電線9の正規の経路は、複数の切れ込み101が不織布100内において形成する複数の直線状及び曲線状の経路の中から選択される。
また、不織布100の切れ込み101は、直線状の経路及び曲がった経路に沿って形成さており、電線9を直線状の経路又は曲がった経路に沿って配置及び保持することも容易である。また、不織布100に対し、カッターによるカッティングなどによって電線9の正規の経路に沿う切れ込み101を形成することも容易である。
また、ワイヤハーネス1は、不織布100の切れ込み101に電線9を挿入し、その不織布100に対して金型によるホットプレス成形を施す、という簡易な工程により製造可能である。従って、電線の保護と経路規制とを実現するワイヤハーネス1の製造過程において、電線保護具10の取り付け作業は簡素化される。
また、不織布100の切れ込み101が、不織布100の厚み方向に対して斜めの方向に沿って形成されているため、不織布100の厚みを特段に大きくすることなく、不織布100の切れ込み101の深さ、即ち、不織布100の表面から切れ込み101の先端までの長さを、長く確保することができる。その結果、ワイヤハーネス1の製造過程において、電線9が、不織布100の切れ込み101からはみ出ることが防止される。
なお、電線9のはみ出し防止の観点からは、切れ込み101は、不織布100の一つの面(上面)から、不織布100の厚み方向における中央の位置よりも深い位置に至る深さで形成されていれば好適である。
電線保護具10の元となる不織布100には、相互に交差する複数の直線状の切れ目を形成する複数の切れ込み101が形成されているため、複数の切れ込み101は、多様な直線状及び曲線状の経路を形成する。従って、不織布100は、多様な電線の経路に対応可能であり、汎用性が高い。
また、不織布100において、複数の切れ込み101の深さが等しい場合、不織布100における複数の切れ込み101に対して異なる経路で複数の電線9が挿入されることによって作製された電線保護具10は、複数の電線9を一の平面に沿って配列された状態で保持する。しかも、電線保護具10内において平坦に並ぶ複数の電線9が、曲がった経路で配線される場合であっても、特許文献2に示されるような絶縁被覆の除去及び再形成は不要である。即ち、多芯フラットケーブルと同様に扁平な構造を有するワイヤハーネス1が、煩雑な工程を経ることなしに容易に得られる。
また、ワイヤハーネス1において、電線保護具10が、一の平面に沿って配列された複数の電線9の一部を覆って平板状に形成されているため、ワイヤハーネス1は、全体として扁平な形状を有し、薄い隙間へ配置も可能である。
<変形例>
次に、図5を参照しつつ、ワイヤハーネス1の変形例であるワイヤハーネス1Aについて説明する。図5は、ワイヤハーネス1Aの平面図である。なお、図5において、破線は電線9を示す隠れ線である。
図5に示されるように、ワイヤハーネス1Aは、一つの平面に沿って配列された複数の電線9と、それら複数の電線9の一部の範囲を覆う複数の電線保護具10とを備えている。
また、複数の電線保護具10には、複数の電線9を曲がった経路に沿って保持する電線保護具10と、複数の電線9を直線状の経路に沿って保持する電線保護具10とが含まれる。図5に示されるようなワイヤハーネス1Aも、本発明の実施形態の一例である。
<その他>
以上に例示されたワイヤハーネス1,1Aにおいて、電線保護具10は、不織布付き電線1xにおける不織布100に対して上下両側からホットプレス成形が施されることによって得られた部材である。しかしながら、電線保護具10は、不織布付き電線1xにおける不織布100に対し、切れ込み101が形成された面においてのみホットプレス成形が施されて得られる部材であることも考えられる。
不織布付き電線1xにおける不織布100に対し、切れ込み101が形成された面においてのみホットプレス成形が施されれば、電線保護具10の下面は、柔らかな不織布のまま維持される。そのような電線保護具10を備えたワイヤハーネス1は、例えば、図3及び図4に示されるホットプレス成形装置30から下型部材40の加熱装置60が除かれた装置を用いて製造できる。そのようにして得られる電線保護具10は、例えば、電線保護具10の下面、即ち、不織布100における切れ込み101の切れ目が形成された面の反対側の面において、強度よりも緩衝性が優先される場合に適している。
また、以上に例示されたワイヤハーネス1,1Aにおいて、電線保護具10は、その厚み方向から見て矩形状であるが、電線保護具10をその厚み方向から見た形状は、矩形以外の多角形、円形また楕円形など、他の形状であってもよい。
また、電線保護具10の元となる不織布100に形成される切れ込み101は、その切れ目が直線状となるように形成されるとは限らない。例えば、不織布100に形成される切れ込み101が、一つの面において曲線状の切れ目を形成する切れ込みであることも考えられる。また、不織布100は、複数の切れ込み101を有する場合の他、1つの切れ目を形成する1つの切れ込み101のみを有することも考えられる。
また、電線保護具10の元となる不織布100に形成される切れ込み101は、不織布100における一つの面からその不織布100の厚み方向に沿って形成されてもよい。不織布100の厚みが、電線9の直径に対して十分に大きい場合には、切れ込み101が、不織布100の一の面に対して垂直に形成されていても、電線9のはみ出しの問題は生じない。例えば、不織布100の厚みが、電線9の直径の約3倍乃至約4倍よりも大きい場合には、切れ込み101が、不織布100の厚み方向に沿って形成されていても、電線9のはみ出しの問題は生じにくいと考えられる。
1,1A ワイヤハーネス
1x 不織布付き電線
9 電線
10 電線保護具
30 ホットプレス成形装置
40 下型部材
41 下型部材の窪み
42 下型部材の窪みの底面
43 下型部材の欠け部
50 上型部材
51 上型部材の基部
52 上型突起部
60 加熱装置
100 不織布
101 不織布の切れ込み

Claims (8)

  1. 電線と、
    一の面において線状の切れ目を形成する切れ込みが設けられているとともに前記切れ込み内に前記電線が挿入された不織布に対し、少なくとも前記一の面においてホットプレス成形が施されることによって前記一の面における前記切れ込みの切れ目が溶着された構造を有し、前記電線の一部を覆う電線保護具と、を備えることを特徴とするワイヤハーネス。
  2. 前記電線保護具の元となる前記不織布の前記切れ込みは、前記不織布の厚み方向に対して斜めの方向に沿って形成された切れ込みである、請求項1に記載のワイヤハーネス。
  3. 前記電線保護具の元となる前記不織布の前記切れ込みは、前記不織布の一の面において相互に交差する複数の直線状の切れ目を形成する複数の切れ込みである、請求項1又は請求項2に記載のワイヤハーネス。
  4. 前記電線保護具の元となる前記不織布における複数の前記切れ込みは、前記不織布の厚み方向における深さが等しい、請求項3に記載のワイヤハーネス。
  5. 前記電線保護具は、一の平面に沿って配列された複数の前記電線の一部を覆って平板状に形成されている、請求項1から請求項4いずれかに記載のワイヤハーネス。
  6. 電線と、該電線の一部を覆う電線保護具と、を備えたワイヤハーネスの製造方法であって、
    一の面において線状の切れ目を形成する切れ込みが設けられた不織布における前記切れ込み内に前記電線の一部を挿入する電線挿入工程と、
    前記切れ込み内に前記電線が挿入された前記不織布に対し、少なくとも前記一の面において型部材を押し当てつつ加熱するホットプレス成形を施すことにより、前記切れ込みの切れ目を溶着しつつ前記不織布を前記電線保護具へ成形するホットプレス成形工程と、を有することを特徴とするワイヤハーネスの製造方法。
  7. 前記電線挿入工程において、前記不織布の前記切れ込みは、前記不織布の厚み方向に対して斜めの方向に沿って形成された切れ込みである、請求項6に記載のワイヤハーネスの製造方法。
  8. 前記電線挿入工程において、前記不織布の前記切れ込みは、前記不織布の一の面において相互に交差する複数の直線状の切れ目を形成する複数の切れ込みである、請求項6又は請求項7に記載のワイヤハーネスの製造方法。
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CN112534521A (zh) * 2018-08-06 2021-03-19 株式会社自动网络技术研究所 配线构件及层叠片

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